JP4307813B2 - 光偏向方法並びに光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法並びにその光偏向装置を具備する光情報処理装置及び画像形成装置及び画像投影表示装置及び光伝送装置 - Google Patents
光偏向方法並びに光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法並びにその光偏向装置を具備する光情報処理装置及び画像形成装置及び画像投影表示装置及び光伝送装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光偏向方法並びに光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法並びにその光偏向装置を具備する光情報処理装置及びその光偏向装置を具備する画像形成装置及びその光偏向装置を具備する画像投影表示装置及びその光偏向装置を具備する光伝送装置に関し、詳しくは、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向方法、並びに、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法、並びに、その光偏向装置を具備する光情報の処理を行なう光情報処理装置、及び、その光偏向装置を具備する電子写真プロセスで光書き込みを行なって画像を形成する画像形成装置、及び、その光偏向装置を具備する画像を投影して表示する画像投影表示装置、及び、その光偏向装置を具備する光信号の光路を決定して出力して伝送する光伝送装置に関する。
本発明は入射光に対する出射光の方向を変える光偏向装置の構成に関する。応用分野として、電子写真プロセスにおける光書込デバイス等の画像装置、及びプロジェクターなどの映像装置、及び電気信号伝達に変わる光通信・光接続機器などがある。
【0002】
【従来の技術】
静電力を利用した光スイッチデバイスの入射光の反射方向を変えて光偏向を行う光偏向装置では、片持ち梁を静電力で撓ませて、入射光の反射方向を変えてスイッチするデバイス、及び、それを用いた光偏向システムは、既に公知である。又 、回折格子を静電力で駆動して光スイッチする素子も公知である(例えば 特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献1、非特許文献2 参照。)。
更に、デジタルマイクロミラーデバイスと一般的に称される「DMD」を一次元、又は、二次元に配置した光偏向システムを用いた画像形成装置も公知である(例えば 特許文献4 参照。)。
更に、デジタルマイクロミラーデバイスと一般的に称される「DMD」の素子構造として、ねじり梁型やカンチレバー梁型においては、ミラー部は傾斜されて用いられるが、ミラー部は少なくとも一箇所以上の固定端を有している構造となっている。
然し、片持ち梁を利用した光スイッチやカンチレバー梁型のデジタルマイクロミラーデバイス(例えば 非特許文献3 参照。)と一般的に称されるDMDは、梁の安定性の確保が難しく、応答速度も遅い。非特許文献3に示され該ねじり梁型やカンチレバー型のデジタルマイクロミラーデバイスにおいては、本発明同様ミラー部は傾斜されて用いられるが、本発明の光偏向装置と異なり、ミラー部は少なくとも一箇所以上の固定端を有している構造となっている。
ねじり梁型のデジタルマイクロミラーデバイスと一般的に称されるDMDは、ねじり梁のヒンジ部の機械的強度が長期間使用時に変化して劣化する。回折格子を静電力で駆動して光スイッチする素子は、使用される入射光の波長が制限される。
又、両端固定型の梁を円筒状に撓み変形させて、高速に光偏向を行う素子も公知である(例えば 特許文献5 参照。)。然し、平行な空隙を電極間に有し、その静電引力による両端固定梁を円筒上に撓ませるために、高速に変形することがが可能で応答速度を速くすることは出来るが、両端が固定されているから、駆動電圧が片持ち梁等に比べ高くなっている。
【0003】
そこで、同一出願人の発明者から、平行、又は、非平行な空隙を介した電極間に作用させる静電力により、ミラーが形成される両端固定梁を変形させ空隙を介して対向する基板に接触させ、光反射面に入射する入射光束の反射方向を変えることで光偏向する光偏向装置において、任意の基板上に窪み部を有し、且つ、該窪み部の任意の箇所に少なくとも二つ以上の電極を有し、該電極は互いに異なる電位を与えることが出来、且つ、該窪み部と空隙を介して対向する基板平面上部に光反射領域が設置された梁を有し、且つ、該梁及び該光反射領域が電気的に浮いている状態、即ち、接地されることがなく、且つ、任意の電位に接続されることがない光変調装置が提案されている。
然し、同様に、梁の安定性を確保し、応答速度は速いが、両端固定梁型であるために、駆動電圧が片持ち梁等に比べ高くなっている。
更に、2軸可動ミラー、及び、それを用いた表示装置も公知である(例えば 特許文献6 参照。)。上述の2 軸可動ミラー、及び、それを用いた表示装置は、磁性金属で構成されたスリ鉢状のミラー板を、永久磁石が配置されたミラー台に針状のピボットで磁力により固定し、ミラー台に形成した複数の電極に異なる電圧を印加して、ミラー板に静電気による電位差を発生させ、ミラー板を電極方向に近づくようにピボットの針状先端を中心にして回転させる2軸可動ミラーの光走査用ミラーである。然し、上述の2軸可動ミラー、及び、それを用いた表示装置は、実質的に磁力によりミラー板がピボット部にてミラー台に固定させている複雑な構造となっていて、完全なフリー状態のミラー板ではない。
更に、ミラー板が磁性金属により構成され、且つ、ミラー台の下部に永久磁石を設置し、且つ、ミラー台を囲むように磁気ヨークを配置していることにより、デバイスの微細化が困難で、複数個配置して個別に動作を行うアレー化が出来ない欠点を有している。又、磁性材料で構成されているため、装置の設置環境の磁力の影響を受けやすいので、使用環境が制限されることになる。
それに対し、本発明においては、磁性材料を積極的に用いていないので、磁場の影響を受けにくい。
従って、従来の入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向方法、並びに、光偏向装置、及び、その光偏向装置の製造方法、並びに、その光偏向装置を具備する光情報処理装置、及び、その光偏向装置を具備する画像形成装置、及び、その光偏向装置を具備する画像投影表示装置、及び、その光偏向装置を具備する光伝送装置は、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が複雑で作動が不安定で応答も遅く、使用する入射光の波長が制限され、機械的強度が長期間使用時に変化して劣化し、駆動電圧が高く大きなエネルギーが必要になり、微細化と集積化が困難でコスト高で、使用環境も制限されると言う不具合が生じていた。
【0004】
【特許文献1】
特許第2941952号公報
【特許文献2】
特許第3016871号公報
【特許文献3】
特表平10−510374号公報
【特許文献4】
特開平6−138403号公報
【特許文献5】
特開2000−2842号公報
【特許文献6】
特開平8−220455号公報
【非特許文献1】
K.E.Petersen,”Applied Physics Letters”,1977,Vol.31, No.8, pp521〜pp523
【非特許文献2】
D.M.Bloom,"Optics Letters",Vol.7, No.9, pp688〜pp690
【非特許文献3】
L.J.Hornbeck,"Proc. SPIE",1989, Vol.1150,pp.86-102
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、このような問題点を解決するものである。即ち、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向方法並びに光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法並びにその光偏向装置を具備する光情報処理装置及びその光偏向装置を具備する画像形成装置及びその光偏向装置を具備する画像投影表示装置及びその光偏向装置を具備する光伝送装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の目的を簡単に述べると、ミラーの偏向角の制御が容易かつ安定で、応答速度が速く、長期的な劣化が少なく、より低電圧で駆動でき、反射光のON/OFF比(画像機器におけるS/N比、映像機器におけるコントラスト比に相当)を向上でき、低コストにて微細化と集積化が可能で、かつ1軸又は2軸方向の光偏向を可能とする光偏向装置及び光偏向アレー、及びそれらを用いた画像形成装置、画像投影表示装置及び光伝送装置、及び光偏向装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
まず、光偏向方法を簡単に説明する。
入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向方法において、入射光を反射する反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材を、基板上に固定することなく上記基板上の支点部材上と笠形状の笠形状部材間に形成される空隙内に変位が自由の状態で配置して、上記基板上の上記支点部材の周囲に上記板形状部材と対向して配置した電極に電位を付与して、上記支点部材上に傾斜して載置する上記板形状部材上の上記反射手段で入射光の反射方向を変えて光偏向を行う。
電極は、基板上の支点部材の周囲に板形状部材と対向して配列した複数個の各電極に異なる電位を付与して光偏向を行うことができる。
また、電極に異なる電位を付与して、反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材を基板上の斜面に接触して、入射光の反射方向を接触する位置で規定して変えて光偏向を行なうこともできる。
【0008】
請求項1の発明は、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置において、入射光を反射する反射手段と、上記反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材と、上記板形状部材を固定することなく載置する基板と、上記基板上の傾斜する上記板形状部材の変位時の支点となる支点部材と、上記支点部材上に上記板形状部材を変位が自由の状態で配置される空隙を形成する笠形状の笠形状部材と、上記基板上の上記支点部材の周囲に上記板形状部材の裏面と対向して配置した電極とからなる光偏向装置である。
反射手段の反射面は、平板で形成されていることができる。
反射手段はまた、アルミニウム系金属膜で形成されていることができる。
板形状部材は、支点部材と接する箇所の面形状に湾曲形状の湾曲形状部を有することができ、また、外形が円形状である光偏向装置であることもできる。
板形状部材はまた、シリコン窒化膜からなることができる。
請求項1の光偏向装置の反射手段又は板形状部材は、導電性を有する導電性領域を有して、導電性領域が電極と対向する。
基板は、窪み形状の窪み形状部からなることもできる。
【0009】
基板は、(100)面方位を有するシリコン基板からなることができる。
支点部材の頂部は、板形状部材の裏面に接離自在であり、上記頂部は微小であって、板形状部材の傾斜変位の際の支点となるが、上記頂部は、点状であることもできるし、板形状部材の裏面と線で接する尾根の形状からなる尾根形状部であることもできる。
支点部材はまた、板形状部材と接する斜面を有するものであってもよい。
支点部材は、酸化シリコン膜又はシリコン窒化膜からなることができる。
笠形状部材は、板形状部材の外周に対応して複数個の各笠形状部材を所定間隔を空けて配置することもできるし、板形状部材の外周に対応する全領域に配置することもできる。
【0010】
また、笠形状部材は、絶縁性を有する絶縁膜とすることも、入射光束に対し透光性を有する透光性膜からなることもでき、酸化シリコン膜からなることができる。
笠形状部材はまた、入射光束に対し遮光性を有する遮光性膜からなることも、酸化クロム膜からなることもできる。
電極は、複数個の各電極からなり、基板の平面状部分に、支点部材に対して対称的に形成され、板形状部材は電気的に浮いている。
複数個の各電極は、板形状部材の裏面と対向した、上記板形状部材と接する斜面上に配置することもできる。
請求項1記載の光偏向装置は、基板の上記複数の電極に個別に付与される電位の組み合わせに応じ、導電性領域に作用する静電引力により、板形状部材の裏面を支点部材の頂部に引き付け、裏面が支点部材の頂部に当接した状態で、頂部を支点として傾斜させることにより反射手段で入射光の反射方向を変えて光偏向を行うように構成されている。
請求項1記載の光偏向装置は、これを複数個、1次元アレー状に配列した1次元光偏向アレーを形成した光偏向装置であることができ(請求項2)、さらには、複数個の光偏向装置を2次元アレー状に配列した2次元光偏向アレーを形成した光偏向装置であることもできる(請求項3)。
【0011】
請求項4記載の発明は、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う請求項1または2または3記載の光偏向装置の製造方法であって、基板上に支点部材と電極を形成し、堆積して平坦化した第1の犠牲層を介して上記反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材を形成して、更に堆積した第2の犠牲層とをパターン化した所定の位置に笠形状部材をパターン化した後に、上記第1の犠牲層と上記第2の犠牲層を除去することを特徴とする。
この場合、基板上に支点部材と電極を形成し、上記支点部材を突出させて堆積して平坦化した第1の犠牲層に重ねて堆積して平坦化した第3の犠牲層を介して上記反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された湾曲形状の湾曲形状部からなる板形状部材を形成して、更に堆積した第2の犠牲層とをパターン化した所定の位置に笠形状部材をパターン化した後に、上記第1の犠牲層と上記第2の犠牲層と上記第3の犠牲層を除去することができる。
また、基板上に窪み形状部と上記窪み形状部内に斜面からなる支点部材と電極を形成し、堆積して平坦化した第1の犠牲層を介して上記反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材を形成して、更に堆積した第2の犠牲層とをパターン化した所定の位置に笠形状部材をパターン化した後に、上記第1の犠牲層と第2の犠牲層を除去することができる。光偏向装置の製造方法であることを主要な特徴とする。
また、笠形状部材の複数個の各笠形状部材間を空けて配置した所定間隔から犠牲層を除去することもできる。
請求項1〜3の光偏向装置を複数個と、これらを各々独立に駆動する独立駆動手段とを使用して、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行って光情報の処理を行なう光情報処理装置を構成できる(請求項9)。
【0012】
また、電子写真プロセスで光書き込みを行なって画像を形成する画像形成装置を、回動可能に保持されて形成画像を担持する画像担持体と、上記画像担持体上に光書き込みを行なって潜像を形成する請求項1または2または3に記載の光偏向装置からなる潜像形成手段と、上記潜像形成手段の上記光偏向装置によって形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段と、上記現像手段で形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段とにより構成することができる(請求項10)。
さらに、画像を投影して表示する画像投影表示装置を、画像投影データの入射光の反射方向を変えて光偏向を行なって画像を投影して表示する請求項1〜3の何れか一項に記載の光偏向装置からなる光スイッチ手段と、上記光スイッチ手段が投影する画像を表示する投影スクリーンとにより構成することができる(請求項11)。
さらに、光信号の光路を決定して出力して伝送する光伝送装置を、光信号を入力する光信号入力手段と、上記光信号入力手段からの光信号の入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行なって、各光信号の光路を決定する請求項1〜3の何れか一項に記載の光偏向装置からなる光スイッチ手段と、上記光スイッチ手段からの光信号を出力する光信号出力手段とにより構成することができ(請求項12)、この場合、光スイッチ手段は、複数段の光偏向装置からなる光伝送装置であることができる(請求項13)。
【0013】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光偏向装置において、前記支点部材は前記板形状部材と点で接触する4角錐形状であることができ、この場合、4角錐形状の支点部材の底面の大きさは、前記板形状部材の大きさにほぼ等しいことができる。請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光偏向装置において、前記板形状部材が静電引力により変位したとき、前記基板と点または線で接触することにより、入射光束の反射方向を決定することができる。
【0014】
以下、類似の技術を説明する。
類似技術は、、入射光の反射方向を複数の軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置において、入射光を反射する反射機能を有する板形状の板形状部材と、上記板形状部材を固定することなく載置する基板と、上記基板上の傾斜する上記板形状部材の変位時の支点となる支点部材と、上記支点部材上に上記板形状部材を変位が自由の状態で配置される空隙を形成する笠形状の笠形状部材と、上記基板上の上記支点部材の周囲に上記板形状部材の裏面と対向して配置した電極とからなる。
この場合、前記板形状部材は単層薄膜で形成されていることができる。
【0015】
上記類似技術において反射手段の反射面は平板で形成されていることができる。
反射手段はまた、アルミニウム系金属膜で形成されていることができる。
また、板形状部材は、支点部材と接する箇所の面形状に湾曲形状の湾曲形状部からなることができる。
【0016】
類似技術においても、板形状部材は、外形が円形状であることができ、反射手段又は板形状部材は、導電性を有する導電性領域を有して、上記導電性領域が電極と対向することができる。また、基板は、窪み形状の窪み形状部からなることができる。
【0017】
基板は、(100)面方位を有するシリコン基板からなることができ、支点部材は、板形状部材と接する箇所の面形状が円形状部であることができ、支点部材は、板形状部材と点で接する円錐形状部であることができる。
【0018】
類似技術において、支点部材の板形状部材と接する面は、長方形の長方形状部であることができ、支点部材は前記板状部材と点で接触する4角錐形状であることができ、この4角錐形状の支点部材の底面の大きさが前記板状部材の大きさにほぼ等しいことができる。
【0019】
また、板形状部材が静電引力により変位したとき、基板と点または線で接触することにより、入射光束の反射方向を決定することができ、支点部材は、板形状部材と接する斜面を有することができる。
【0020】
以上、類似技術について説明した。
請求項5記載の発明は、光反射領域を有する部材に与えられる電位に応じた静電引力により変位することにより、該光反射領域に入射する光束が反射方向を変えて偏向される光偏向装置において、基板と、複数の規制部材と、支点部材と、板状部材とを有し、前記複数の規制部材はそれぞれ上部にストッパを有し、前記基板の複数の端部にそれぞれ設けられ、前記支点部材は導電性を有する部材で構成される頂部を有し、前記基板の上面に設けられ、前記板状部材は固定端を持たず、上面に前記光反射領域を有し、少なくとも一部に導電性を有する部材からなる導電体層を有し、裏面の少なくとも前記頂部と接する接触点が導電性を有する部材からなり、前記基板と前記支点部材と前記ストッパの間の空間内で可動的に配置され、前記板状部材の電位を前記支点部材との接触により付与する。
【0021】
板状部材は、上面全域が光反射領域であることができる。
板状部材は、誘電性を有する部材からなる誘電体層と、前記導電体層との積層により構成されていることができる。
【0022】
この場合、誘電体層の比誘電率が3以上であることができ、板状部材の誘電体層はシリコン窒化膜により構成されることができる。
【0023】
板状部材の裏面側に対向する前記基板上に電極が、支点部材の回りに対照的に複数形成され、該電極は前記支点部材の前記頂部と電気的に分離されている。
板状部材の導電体層の少なくとも一部は、前記電極と対向している。
【0024】
板状部材と前記支点部材とがほぼ点で接し、支点部材が、円錐体であることができる。
また、板状部材と前記支点部材とがほぼ点で接し、かつ、支点部材が、複数の斜面を有する多角錐体であることもできる。
【0025】
また、板状部材と支点部材とがほぼ線で接しており、かつ支点部材が、斜面を有し頂部が前記板状部材と線接触可能な稜を有する柱状体であることができる。
【0027】
板状部材の近傍の雰囲気は、ほぼ真空であることもできるし、不活性な気体の雰囲気であることもできる。
【0028】
複数の電極に最大電位差が所定値以上になるようにそれぞれ任意の電位を与え、支点部材の頂部に与える電位を、複数の電極に与える電位の最大値と最小値のいずれか一方の値と等しくすることができる。
前記複数の電極のうち、前記板状部材の変位の軸となる前記頂部を通る直線に関して、同じ側に存在する電極において最大電位差が所定値以上になるようにそれぞれ任意の電位を与え、前記頂部に与える電位を、前記複数の電極に与える電位の最大値と最小値の略中間値とすることができる。
【0029】
導電体層はアルミニウム系金属膜であることができ、光反射領域は前記導電体層が兼ねることができる。
即ち、請求項5記載の光偏向装置では、複数の規制部材は上記板状部材を変位が自由な状態で配置される空隙を基板とともに形成し、支点部材は微小な頂部を有し、導電性を有する部材で構成され、基板の上面に設けられる。
板状部材は裏面の少なくとも頂部と接する接触点が上記導電体層からなり、板状部材の裏面側に対向する基板上に複数の電極が上記支点部材の周りに対称的、かつ、支点部材と電気的に分離して形成されている。
板状部材の裏面と支点部材の頂部は接離自在であり、板状部材の導電体層の少なくとも一部が、電極と対向している。
そして、複数の電極に付与される電位により、導電体層に静電引力を作用させて、板状部材を支点部材の頂部に引き付け、複数の電極に個別に付与される電位と、支点部材を経由して板状部材の導電体層に付与される電位との電位差に起因した静電引力により、板状部材を傾斜させることにより反射手段で入射光の反射方向を変えて光偏向を行う。
請求項5記載の光偏向装置は、これを複数個、任意の基板上に1次元又は2次元アレー状に配置した構成とすることができる(請求項6)。
【0030】
画像投影表示装置において、請求項5記載の光偏向装置、または請求項6記載の光偏向アレーを、画像データに従って入射光の反射方向を切り替える光スイッチ手段として用い、スクリーン上に前記画像データによる画像を投影する構成とすることができ(請求項11)、光偏向装置の板状部材が中立位置にあるときの光反射面の法線方向が、重力の作用方向とほぼ同方向になるように配置することができる。
【0031】
また、画像形成装置において、請求項6記載の光偏向アレーを、ライン露光型の潜像形成手段として用いることができる。かかる画像形成装置において、光偏向装置の前記板状部材が中立位置にあるときの光反射面の法線方向が、重力の作用方向とほぼ同方向になるように配置することができる。
【0032】
また、光伝送装置において、上記光偏向装置を光スイッチ手段として用い、光情報の伝送を、1個の入出力ポートと複数の入出力ポート中の任意のポートとの間で切り替えることができる。
光伝送装置において、請求項6に記載の光偏向アレーを光スイッチ手段として用い、光情報の伝送を、一方の入出力部の複数の入出力ポートの中の任意のポートと他方の入出力部の複数の入出力ポート中の任意のポートとの間でそれぞれ切り替えることができる。
また、上記光伝送装置において、光偏向装置の板状部材が中立位置にあるときの光反射面の法線方向が、重力の作用方向とほぼ同方向になるように配置することができる。
【0033】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の光偏向装置の製造方法であって、任意の基板上に、少なくとも、前記支点部材を形成する工程と、複数の電極及び前記支点部材の導電性を有する部材をパターン化して形成する工程と、第1の犠牲層を堆積及び平坦化する工程と、少なくとも1層からなる前記板状部材をパターン化する工程と、第2の犠牲層を堆積する工程と、第1の犠牲層及び第2の犠牲層をパターン化する工程と、該パターン化された第1及び第2の犠牲層の任意の箇所に前記規制部材をパターン化する工程と、該パターン化された第1及び第2の犠牲層をエッチングにより除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0034】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の光偏向アレーの製造方法であって、任意の基板上に複数の区画を、1次元または2次元状に密着させて形成し、各区画毎に、少なくとも、前記支点部材を形成する工程と、複数の電極及び前記支点部材の導電性を有する部材をパターン化して形成する工程と、第1の犠牲層を堆積及び平坦化する工程と、少なくとも1層からなる前記板状部材をパターン化する工程と、第2の犠牲層を堆積する工程と、第1の犠牲層及び第2の犠牲層をパターン化する工程と、該パターン化された第1及び第2の犠牲層の任意の箇所に前記規制部材をパターン化する工程と、該パターン化された第1及び第2の犠牲層をエッチングにより除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0035】
上記製造方法において、少なくとも、複数の電極上に薄膜を堆積させる工程と、該薄膜をパターン化し凸部位を形成する工程を有することができる。
【0036】
支点部材は円錐体であることができるが、円錐体の頂部は球状であることができる。
【0037】
支点部材はまた、円錐体と、該円錐体底面の下に該底面の径と同径の底面を有する円柱とを合体させた形状とすることができる。
【0038】
また、支点部材を円錐台形状とすることもできる。
【0039】
さらに、支点部材が円錐台と、該円錐台底面の下に該底面の径と同径の底面を有する円柱とを合体させた形状であることができる。
【0040】
また、支点部材は、端面が微小な円柱であることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は本発明の第1の実施形態に係る光偏向装置の断面図、及び平面図であり、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置0は、入射光を反射する反射面を備えた反射手段1と、反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2と、板形状部材2を固定することなく載置する基板3の(100)面方位を有するシリコン基板3bと、基板3の上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上の傾斜する板形状部材2の変位時の支点となる支点部材4と、支点部材4上に板形状部材2を変位が自由の状態で配置される空隙(G)を形成する笠形状の笠形状部材5と、基板3の上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上の支点部材4の周囲に板形状部材2の裏面と対向して配置した電極6とからなり、反射手段1と板形状部材2を、基板3の上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上に固定することなく基板3の上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上の支点部材4上と笠形状部材5間に形成される空隙(G)内に変位が自由の状態で配置して、基板3の上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上の支点部材4の周囲に板形状部材2と対向して配置した電極6に電位を付与して、支点部材4上に傾斜して載置する板形状部材2上の反射手段1で入射光の反射方向を変えて光偏向を行うようにしたので、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で歩留も高く低コストで、使用環境も制限されない。
【0062】
反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2は、後述するように、薄膜で形成されているので、重量が低減されて、待機時に板形状部材2が笠形状部材5に衝突した場合の衝撃や、動作時に板形状部材2が基板3に接触した場合の衝撃が低減されて、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少ない光偏向装置0を提供することが出来るようになっている。
基板3は、微細化のことを考慮するとシリコン、及び、ガラス等の、一般に半導体プロセスや液晶プロセスにて用いられているものが望ましい。
更に、光偏向装置0における基板3は、駆動系回路と同一基板に形成して簡単な構成と低コスト化を考慮して、上記(100)面方位を有するシリコン基板3bで形成されている。
笠形状部材5は、板形状部材2の変位する可動範囲を任意の空隙(G)に制限するように、笠形状で、板形状部材2の外周に対応して複数個の各笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4を所定の間隔(g)を空けて4隅に配置されている。又は、図示しないが、笠形状部材5は、板形状部材2の外周に対応する全領域に配置される。
笠形状部材5は、酸化シリコン膜5d、又は、酸化クロム膜5fにより形成されている。従って、光偏向装置0を、図示しない1次元光偏向アレー10、又は、2次元光偏向アレー20のようにアレー化した時に、反射手段1の反射面1aの反射領域の面積割合を最大にするために極力薄膜、及び、省スペースで構成でき、且つ、機械的強度が強くなっている。
支点部材4は、板形状部材2が変位する時の支点となり、後述するように、光偏向装置0に求められる性能に応じて任意の形状が選択される。支点部材4は、酸化シリコン膜4f、又は、シリコン窒化膜4gで形成されているから機械的強度が強くなっている。但し、支点部材4を通して、板形状部材2の電位を取る場合は、各種金属膜等の導電性材料で形成される。
【0063】
図3と図4は構成及び動作説明図であり、同図において、板形状部材2の表面に組み合わせ構成された反射手段1の少なくとも光反射領域の反射面1aは、平板で形成されている。図3に、反射手段1の上記反射面1aが、平板である場合の光反射の模式図を、図4に、反射手段1の上記反射面1aが、図示のように凸形状である場合の光反射の模式図を示す。
図3に示すように、反射手段1の上記反射面1aが、平板であることにより、光反射領域に入射した光束は反射方向を揃えて反射することが可能で、反射光を拡散することなく目的の反射方向にのみ光変更が可能となり、光偏向装置0を、図示しない各光情報処理装置100、画像形成装置200、画像投影表示装置300、及び、光伝送装置400等に用いる場合にも、隣接素子への影響を抑制され、重要である。尚、反射手段1の上記反射面1aの平面性としては、曲率半径Raが数m以上であることが望まれる。
他方、図4に示すように、仮に、反射手段1の上記反射面1aが、図示のように凸形状を示していた場合、光反射領域に入射した光束は、反射方向を拡散して反射してしまうため、隣接素子への影響が顕著となる。このことは、特に、図示しない上記画像形成装置200や上記画像投影表示装置300等において、反射光を、更に、拡大光学系にて光書込み、及び、表示させる場合等に顕著となる。
図5乃至図8は本発明の第2の実施形態の断面図、平面図、動作説明図、及び湾曲形状部がない場合の欠点を示す図であり、各図において、板形状部材2は、支点部材4と接する個所の面形状に湾曲形状の湾曲形状部2aが形成されている(図5と図6を参照)。上記湾曲形状部2aを形成する方法は、後述する。
上記湾曲形状部2aは、これを支点部材4の近傍の板形状部材2に配置することにより、静電引力により板形状部材2が傾斜変位する時に、板形状部材2の変位時に上記湾曲形状部2aを中心とした変位が可能となり、板形状部材2がずれることを抑制することが出来る。言い換えると、支点部材4に対する板形状部材2の位置決めが自発的に容易となる。
それにより、図7に示すように、板形状部材2の変位時に、板形状部材2が笠形状部材5の側面に接触することを抑制する。
他方、図8に示すように、仮に、上記湾曲形状部2aが無い場合には、板形状部材2が、図示の矢印C方向の位置にずれる等の不具合が発生し、それによる反射性能は低下し、支点部材4とその部位の機械的磨耗の発生が顕著となり機械的強度が低下する。
【0064】
図9乃至図12は本発明の第3の実施形態の断面図、平面図、及び支点部材の構成例を示す斜視図であり、各図において、支点部材4は、板形状部材2と接する個所の面形状が円形状部4aである円柱形状4a1であり、上述のように、上記酸化シリコン膜4f、又は、上記シリコン窒化膜4gで形成されているから機械的強度が強くなっている。同様に、支点部材4を通して、板形状部材2の電位を取る場合は、各種金属膜等の導電性材料で形成される。
図11に示すように、支点部材4は、上記円柱形状4a1である。
然し、図12に示すように、板形状部材2に近い個所において斜面4dの斜面4d1を有し、上記円形状部4aの接触面積を極力低下させる形状でも良い。
従って、支点部材4は、板形状部材2と接触する領域において、上記円形状部4aを有することから、静電引力に作用する方向に対応した任意の方向へ、反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2を傾斜変位させることが容易に可能となり、板形状部材2と支点部材4の接触面積を低下させて2軸方向の光偏向が容易となる。
図13乃至図16は本発明の第4の実施形態の断面図、平面図、及び支点部材の構成例を示す斜視図であり、各図において、支点部材4は、板形状部材2に接する支点部位がほぼ点で接する円錐形状部4bであり、上述のように、上記酸化シリコン膜4f、又は、上記シリコン窒化膜4gで形成されているから機械的強度が強くなっている。同様に、支点部材4を通して、板形状部材2の電位を取る場合は、各種金属膜等の導電性材料で形成される。
図15に示すように、支点部材4の上記円錐形状4bは、頂点が点形状4b1を有する。
然し、図16に示すように、板形状部材2に近い個所において、頂点近傍が丸みを有する丸形状4b2でも良い。
従って、支点部材4が、図示のような上記円錐形状部4bであることから、支点部材4の支点部位の基板3側の機械的強度を強めることが出来、且つ、板形状部材2の変位は、板形状部材2の端部における基板3の上面との接触部2dで規定されるので、接触面積を極力低減して板形状部材2の基板3への固着や接触帯電を抑制できる。
又、同様に、支点部材4が、板形状部材2と接触する領域において点形状を有することから、静電引力に作用する方向に対応した任意の方向へ板形状部材2を傾斜変位させることが容易となる。
【0065】
図17と図18は本発明の第5の実施形態の断面図、及び平面図であり、同図において、支点部材4は、板形状部材2に接する支点部材4の支点部位の面が長方形の長方形状部4cであり、上述のように、上記酸化シリコン膜4f、又は、上記シリコン窒化膜4gで形成されているから機械的強度が強くなっている。同様に、支点部材4を通して、板形状部材2の電位を取る場合は、各種金属膜等の導電性材料で形成される。従って、板形状部材2に接する支点部材4の上記長方形状部4cが長方形であることから、支点部材4の短尺方向への支点部材4の傾斜変位、即ち、1軸方向の板形状部材2の静電引力による傾斜変位を安定して起こすことが出来る。
図19乃至図22は本発明の第6の実施形態の断面図、平面図、及び支点部材の構成例を示す斜視図であり、支点部材4は、板形状部材2に接する支点部材4の支点部位がほぼ線で接する上記斜面4dの斜面4d2を有する尾根の形状からなる尾根形状部4eであり、上述のように、上記酸化シリコン膜4f、又は、上記シリコン窒化膜4gで形成されているから機械的強度が強くなっている。同様に、支点部材4を通して、板形状部材2の電位を取る場合は、各種金属膜等の導電性材料で形成される。
図21に示すように、支点部材4の上記尾根形状部4eの支点部位は線を頂点とする線形状4e1であるが、図22に示すように、頂点近傍が丸みを有する丸形状4e2でも良い。
板形状部材2に接する支点部材4の上記尾根形状部4eの支点部位がほぼ線で接していることから、支点部材4の上記尾根形状部4eと板形状部材2の接触面積を低減して1軸方向の板形状部材2の静電引力による傾斜変位を安定して起こすことが出来る。
又、支点部材4の上記尾根形状部4eが上記斜面4dの斜面4d2を有する尾根状形状であることから、支点部材4の機械的強度を強め、且つ、板形状部材2の変位は板形状部材2の端部における基板3の上面との上記接触部2dで規定されるので、接触面積を極力低減して板形状部材2の基板3への固着や接触帯電を抑制できる。
【0066】
図23と図24において、静電引力を作用させるための電極6は、少なくとも2個以上、例えば、図示のように電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の4個が、板形状部材2の裏側に対向する支点部材4が形成された基板3上に形成されており、且つ、板形状部材2は電気的に浮いている。電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の材質としては、導電性などを考慮すると、アルミニウム系金属や窒化チタンやチタン等の金属が望ましい。
図示のように、基板3に形成された2個以上の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の4個間の電位差に起因した静電引力を、板形状部材2を誘電的に経由して板形状部材2と電極6の各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の間に働かせ、板形状部材2を目的の方向へ変位させることが出来る。
更に、引き続き支点部材4がを中心として対向する電極6の各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4へ任意の電圧を印加することにより、板形状部材2の変位方向を高速で変えることが出来る。
更に、電極6の複数の各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間に任意に電位差を生じさせることが出来、それにより板形状部材2の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御されて、光偏向を行う構造と制御が更に簡単容易で作動が安定で応答も更に速く出来る。
図25と図26において、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域、又は、板形状部材2の少なくとも一部に導電性を有する導電性領域2bが形成され、且つ、上記導電性領域2bの少なくとも一部が、電極6と対向している。上記導電性領域2bの材質としては、導電性などを考慮すると、アルミニウム系金属や窒化チタンやチタン等の金属が望ましい。更に、上記導電性領域2bにより反射手段1の上記反射面1aの光反射領域を兼ねて低コスト化する場合には、反射性能が良好であることが望ましく、その場合には、特に、上記アルミニウム系金属1bが望ましい。
図示のように、基板3に形成された2個以上の、例えば、電極6の複数の各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間の電位差に起因した静電引力を、上記導電性領域2bを経由して板形状部材2と電極6の複数の各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間に働かせ、より低い駆動電圧で板形状部材2を目的の方向へ変位させることが出来る。
更に、引き続き支点部材4の支点部位を中心として電極6の複数の対向する各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4へ任意の電圧を印加することにより、板形状部材2の変位方向を高速で変えることが出来る。
更に、電極6の複数の対向する各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間に任意に電位差を生じさせることが出来、それにより板形状部材2の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御することが出来る。
【0067】
図27と図28において、光偏向装置0は、入射光を反射する反射手段1と、反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2と、板形状部材2を固定することなく載置する基板3と、基板3上の傾斜する板形状部材2の変位時の支点となる支点部材4と、支点部材4上に板形状部材2を変位が自由の状態で配置される空隙(G)を形成する笠形状の笠形状部材5の笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4と、基板3上の支点部材4の周囲に板形状部材2の裏面と対向して配置した電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4とからなる(図27を参照)。
そして、光偏向装置0においては、板形状部材2は、固定端を有していないので、その初期の位置を、基板3上の支点部材4上と笠形状の笠形状部材5の笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4間に形成される空隙(G)内に制限されて変位が自由であるから、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4より最も遠ざかる配置を記載した(図28を参照)。
図29と図30において、光偏向装置0は、初期状態から、板形状部材2を支点部材4上に設置するために、リセット動作を行う。
リセット動作においては、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4よりの電位をそれぞれ電極6a1=X(V)、電極6a2=0(V)、電極6a3=X/2(V)、電極6a4=X/2(V)とすることにより、図示の白抜き矢印線で示したような静電引力分布が得られ、白抜き矢印線の大きさにより静電引力の大小を示した。
図示の矢印M方向に板形状部材2が傾斜し、板形状部材2の少なくとも一部、例えば、板形状部材2の端部の上記接触部2dが基板3と接触して、図示のように方向を規定して、リセット方向に反射光が得られる。
尚、ここで印加されるX(V)は、板形状部材2と各電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4との間の距離、及び、静電容量などにより決定され、通常の板形状部材2の変位、即ち、支点部材4の支点部位を中心とした傾斜を起こす電圧Y(V)よりやや大きい電圧となる。
【0068】
図31と図32において、次に、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4よりの電位をそれぞれ電極6a1=Y/2(V)、電極6a2=Y/2(V)、電極6a3=Y(V)、電極6a4=0(V)とすることにより、リセット方向と反対方向に高速に図示の矢印N方向に板形状部材2が傾斜し、板形状部材2の少なくとも一部、例えば、板形状部材2の端部の上記接触部2dが基板3と接触して、図示のように方向を規定して、光偏向を行う。
即ち、支点部材4の支点部位を中心とし対向する電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4へ任意の電圧を印加することにより、板形状部材2の変位方向を高速で変えることが出来る。
図33と図34において、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の電位をそれぞれ電極6a1=Y/2(V)、電極6a2=0(V)、電極6a3=Y/2(V)、電極6a4=Y(V)とすることにより、図31と図32の光偏向(1)とは軸を変えて、高速に板形状部材2が図示の矢印O方向に傾斜変位し、板形状部材2の少なくとも一部、例えば、板形状部材2の端部の上記接触部2dが基板3と接触して、方向を規定して、光偏向(2)を行う。
即ち、板形状部材2の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御することが出来る。
以上のように、電極6の2個以上の電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間に異なる電位を与えることにより、板形状部材2が静電引力により変位し、即ち、支点部材4の支点部位を中心に傾斜し、入射する光束が反射方向を変えることが出来る。
尚、支点部材4の図示しない上記斜面4dの少なくとも一部に板形状部材2を接触させて光偏向を行うことにより、接触時の衝撃を面で受けることが出来、板形状部材2に及ぼす衝撃を緩和することが出来る。又、支点部材4の図示しない上記斜面4dにより板形状部材2の傾斜の向きを規定でき、傾斜の制御性及び安定性を向上する。
【0069】
図35において、次に、異なる電極6、例えば、電極6a1と電極6a2間に異なる電位を与えることにより、静電引力が発生する原理を、板形状部材2上に上記導電性領域2bを配置した効果を含めて、リセット動作時を例に説明する。電極6a1には、正電位X(V)が印加され、電極6a2には0(V)が印加されている。この時、両電極6a1と電極6a2と電気的に浮いている板形状部材2の間には静電引力が発生し、板形状部材2を電極側に変位させるのであるが、まず電極6a1に印加された正電位により電極6a1には正電荷が現れる。そして空隙(G)を介して板形状部材2に誘電的に負電荷が発生し、同時に上記導電性領域2bにおいて導電的に効率よく負電荷が広がる。逆に言うと、上記導電性領域2bにより効率的に板形状部材2に負電荷を発生させる。この時、板形状部材2と上記導電性領域2bは電気的に浮いているので、電極6a2に空隙(G)を介して対向する板形状部材2と上記導電性領域2bには模式的には正電荷が広がる。その正電荷に対応するように、電極6a2には模式的に負電荷が発生する、電極6a2は実際には接地されているが、模式的に考えた場合はそのようになる。それにより、電極6a2上部に位置する板形状部材2においても静電引力が発生する。
上記説明は一連の流れにて説明したが、必ずしも一連の流れにより起こる訳ではなく、両電極6a1と電極6a2の電位差がそれらの現象を同時進行的に発生させる。
尚、実際には、電気的に浮いている板形状部材2と上記導電性領域2bは電極6a1と電極6a2の間の任意の電位となり、任意の電位と電極6a1の電位差による静電引力、及び、任意の電位と電極6a2の電位差による静電引力が発生することとなる。
この任意の電位は空隙(G)、及び、電極6a1と電極6a2の面積などの構造的要因により異なる。このようにして発生した静電引力により、板形状部材2が、電極6a1、又は、電極6a2側に変位する。
【0070】
図36と図37において、光偏向装置0において、支点部材4の上記斜面4dの斜面4d3が、板形状部材2のほぼ全域に対応して形成され、且つ、上記斜面4dの上記斜面4d3上に静電引力を作用させるための電極6の少なくとも2個以上の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4を有する。上記斜面4dの上記斜面4d3上からなる支点部材4の材質としては、同様に、上記酸化シリコン膜4f、又は、上記シリコン窒化膜4gである。
図示のように、支点部材4の支点部位に近づくにつれ、電極6を板形状部材2に近接して設置でき、それにより、より大きな静電引力を発生させることが出来る。言い換えると、より低電圧で板形状部材2の変位を可能とする。
又、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の全面に接触して、板形状部材2を変位させることが出来るので、接触時の衝撃を分散させることが出来て機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が更に少なくなる。又、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4の全面に接触して板形状部材2を変位させることにより、板形状部材2の変位方向の制御が容易となり、作動が更に安定で応答も更に速くなる。
図38と図39において、光偏向装置0において、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域、又は、板形状部材2の少なくとも一部に導電性を有する上記導電性領域2bが形成され、且つ、上記導電性領域2bの少なくとも一部が電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4と対向している。
上記導電性領域2bの材質としては、導電性などを考慮すると、アルミニウム系金属や窒化チタンやチタン等の金属が望ましい。
基板3に形成された電極6の2個以上の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間の電位差に起因した静電引力を、上記導電性領域2bを経由して板形状部材2と電極6の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4間に働かせ、より低い駆動電圧で、板形状部材2を目的の方向へ変位させることが出来る。
更に、引き続き、支点部材4の支点部位を中心として対向する電極6の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4へ任意の電圧を印加することにより、板形状部材2の変位方向を高速で変えることが出来る。
更に、電極6の複数の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4間に任意に電位差を生じさせることが出来る。
【0071】
図40と図41において、光偏向装置0は、基板3上に形成された窪み形状の窪み形状部3aを有し、且つ、上記窪み形状部3aの任意の箇所に支点部材4の上記斜面4dの上記斜面4d4、及び、電極6の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を有し、且つ、笠形状部材5を上記基板5の平面上部に有し、且つ、笠形状部材5と上記窪み形状部3aにより構成される空隙(G)に板形状部材2を有し、且つ、板形状部材2は電気的に浮いており、且つ、支点部材4と板形状部材2が接触する個所、即ち、支点部材4の頂点が、基板3の上面より窪み形状部3a側に低く形成されている。
窪み形状部3a、及び、支点部材4は、基板3をエッチング加工することにより形成されるが、基板3上に厚く絶縁膜3cを形成後、これを加工しても良い。
支点部材4の頂点、即ち、板形状部材2の変位の支点部位は、上記加工時に基板3の表面より低く形成することが可能である。
尚、上記該光偏向装置0の製造方法は後述するが、板形状部材2の可動範囲を制限する空隙(G)の下方部を基板3の上記窪み形状部3aに構成されているため、笠形状部材5の高さを低く出来る。
笠形状部材5は、板形状部材2を空隙(G)に留めるために衝突等の衝撃を受ける。
そのため、機械的強度を高めることが重要で、笠形状部材5を低く形成することは、笠形状部材5自体の自立安定につながり、ひいては機械的強度を高めることになる。
又、後述する製造方法により歩留まりも向上し、光偏向装置0の空隙(G)は、基板3に形成した上記窪み形状部3aの深さと図示しない第2の犠牲層7bの膜厚により規定することが出来、図示しない第1犠牲層7aの平坦化の割合に大きく依存しないため、但し、基板3に至る平坦化は少なくとも必要で、空隙(G)の高さの制御性を向上でき、駆動電圧、及び、リセット電圧の制御性が良くなった。
【0072】
図42乃至図44は本発明の第11の実施形態を示す光偏向装置の一単位の断面図、平面図、及び集合状態を示す平面図である。各図において、光偏向装置0において、板形状部材2が、図示のように外形が円形状である(図43を参照)。
板形状部材2が図示のように円形状であることから、板形状部材2に組み合わされた反射手段1の上記反射面1aの反射領域にて反射した反射光が円形となり、光偏向装置0を具備する図示しない上記画像形成装置200、及び、図示しない上記画像投影装置300等における1画素を円形状とすることが出来る。それにより、隣接画素の隙間部をドット状に点在させることが出来る(図44を参照)。従って、矩形な板形状部材2による矩形な画素形状の隣接画素の隙間部が線状の筋となるのと異なり、高精彩な画像を得ることが出来る。
図45と図46は他の実施形態の断面図、及び平面図であり、この光偏向装置0においては、笠形状部材5が、板形状部材2の外周に対応する任意の個所に、例えば、笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4が間隔(g)を空けて複数個設置されている。後述する光偏向装置0の製造方法における、図示しない犠牲層7のエッチング除去を複数の間隔(g)部から開始することが可能なので、図示しない上記犠牲層7のエッチング除去時に要する時間を短縮化できる。
エッチング除去時には、板形状部材2や基板3がエッチング液に晒されるので、そのエッチング時間が短くなることにより、歩留の向上が得られる。
【0073】
図47と図48は第13の実施形態の断面図、及び平面図であり、光偏向装置0においては、笠形状部材5が、板形状部材2の外周に対応する個所全領域に設置されている。笠形状部材5が、板形状部材2の全周に渡って連続配置されていることから、板形状部材2が機械的に可動範囲を制限された空隙(G)よりはみ出し、光偏向装置0が故障することを極力低減するから、作動が更に安定で機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が更に少なくすることが出来る。
次に、光偏向装置0における笠形状部材5が絶縁性を有する絶縁膜5bにより構成されている。前述のように、笠形状部材5は、板形状部材2を任意の空隙(G)に留めるために、板形状部材2と接触する。そのため、笠形状部材5が導電性であると、電気的に浮いている板形状部材2の電位が変動する危険性が高い。即ち、板形状部材2が笠形状部材5に接触した場合でも、電気的に浮いている板形状部材2の電荷が笠形状部材5を経由して移動しないので板形状部材2の電位が変動することを抑制できる。
次に、光偏向装置0において、笠形状部材5が、入射光束に対し透光性を有する透光性膜5cにより構成されて、特に、上記酸化シリコン膜5dにより構成されている。笠形状部材5を上記透光性膜5cとすることにより、板形状部材2と組み合わせ構成される反射手段1の上記反射面1aの光反射領域の笠形状部材5と重なる領域からの反射光も寄与させることが出来るので、1素子における反射光の面積、及び、光量を増加させることが出来る。即ち、ON光量が増大するから、光偏向を行う構造と制御が更に簡単容易で作動が更に安定で応答も更に速くさせることが出来る、
更に、笠形状部材5を上記酸化シリコン膜5dとすることにより、高い絶縁性と高い透光性を両立した笠形状部材5を提供でき、後述する光偏向装置0の製造方法において、微細化と集積化の作製が可能となり、構造と制御が更に簡単容易で作動が更に安定で応答も更に速く、微細化と集積化が更に可能で更に低コスト化が出来る。
【0074】
次に、光偏向装置0における笠形状部材5が、入射光束に対し遮光性を有する遮光性膜5eにより構成されて、特に、酸化クロム膜5fにより構成されている。笠形状部材5を上記遮光性膜5eとすることにより、笠形状部材5に入射した光束の望まれない方向への反射を抑制することができる。それにより、目的方向への光偏向の迷光を低下させることが出来る。迷光は、目的方向への光偏向を行っていない場合にも生じる成分なので、OFF光量が抑制されて、光偏向を行う構造と制御が更に簡単容易で作動が更に安定になる。
更に、笠形状部材5を上記酸化クロム膜5fとすることにより、高い絶縁性と高い遮光性を両立した笠形状部材5を提供でき、後述する光偏向装置0の製造方法において、微細化と集積化の作製が可能となり、光偏向を行う構造と制御が更に簡単容易で作動が更に安定で応答も更に速く、更に低コストとなる。
次に、光偏向装置0において、板形状部材2が、シリコン窒化膜2cにより構成され、且つ、板形状部材2に組み合わせ構成される反射手段1の上記反射面1aの光反射領域が高い導電性を有し、且つ、高い反射性を有する上記アルミニウム系金属膜1bにより構成されている。
上記シリコン窒化膜2cの板形状部材2は、高い絶縁破壊電圧を有し、且つ、長期的な劣化、即ち、繰り返し変位に伴う疲労に対する耐性も高いので極力軽量、及び、薄膜化でき、それにより高い周波数における駆動が可能な、即ち、数10kHz以上の高速動作が可能となる。
又、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域を高い反射性能と高い導電性を両立する上記アルミニウム系金属膜1bとすることにより、上記導電性領域2bと兼ねることができ、それにより、光偏向装置0の光偏向動作、即ち、板形状部材2の変位を、より高い反射光量を得ながら低電圧にて行うことが出来る。
【0075】
図49と図50において、光偏向装置0は、複数個を1次元アレー形状に配列した1次元光偏向アレー10として、図示しない上記画像形成装置200における図示しない潜像形成手段202等に使用することが出来る(図49を参照)。
更に、上記1次元光偏向アレー10を複数組み合わせて、2次元アレー形状に配列した2次元光偏向アレー20として、図示しない上記画像投影表示装置300における光スイッチ手段301等に使用することが出来る(図50を参照)。
【0076】
図51乃至図59において、光偏向装置0は、次のように、基板3上に支点部材4と電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を形成し、堆積して平坦化した上記第1の犠牲層7aを介して反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2を形成して、更に、堆積した上記第2の犠牲層7bとをパターン化した所定の位置に笠形状部材5をパターン化した後に、上記第1の犠牲層7aと上記第2の犠牲層7bをエッチングにより除去するから、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0の製造方法を提供することが出来るようになった。
基板上支点部材形成工程(a1)において、上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3上に、支点部材4を構成する上記酸化シリコン膜4fがプラズマCVD法により堆積され、その後、面積階調を有するパターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法やレジストパターン形成後熱変形させる写真製版法により、支点部材4の形状とほぼ同形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により目的形状の支点部材4が形成される。
尚、上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上に2μm程度の酸化シリコン膜を形成し、その上層1μm程度にて同様の加工を行っても良い。
又、支点部材4の支点部位の頂点における高さは、およそ1μmである(図51を参照)。
【0077】
電極形成工程(a2)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を窒化チタン(TiN)膜の薄膜で形成する。
TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により、厚さ0.01μmに成膜し、写真製版法、及び、ドライエッチング法の手法により複数の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4としてパターン化した(図52を参照)。
保護膜形成工程(a3)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4の保護膜6bとして、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜を膜厚0.2μmで形成した(図53を参照)。
第1の犠牲層形成工程(a4)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により2μm堆積させ、CMP技術を用いて処理時間制御にて平坦化した。この時、支点部材4の頂点上に残る非晶質シリコン膜の膜厚を0.1μmとなる時間にて処理した。残存する非晶質シリコン膜が上記第1の犠牲層7aである。
尚、上記第1の犠牲層7aとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることも出来、平坦化の手法としては、熱処理によるリフロー法やドライエッチングによるエッチバック法を用いることも出来る(図54を参照)。
反射手段と板形状部材形成工程(a5)において、板形状部材2となる上記シリコン窒化膜2cをプラズマCVD法により厚さ0.2μmで堆積させ、引き続き、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域を兼ねる上記導電性領域2bとなる上記アルミニウム系金属膜1bを0.05μmの厚さでスパッタリング技術により堆積させた。その後、上記導電性領域2b、及び、板形状部材2をそれぞれ写真製版法、及び、ドライエッチング法によりパターン化した(図55を参照)。
【0078】
第2の犠牲層形成工程(a6)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により1μm堆積させ、上記第2の犠牲層7bとした。尚、上記第2の犠牲層7bとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることも出来る(図56を参照)。
笠形状部材パターン化工程(a7)において、光偏向装置0を個別に分離し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2の周囲に、図示しない笠形状部材5を配置するために、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bを同時に、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2よりやや広くパターン化した(図57を参照)。
笠形状部材形成工程(a8)において、笠形状部材5を構成する上記酸化シリコン膜5dをプラズマCVD法により厚さ0.8μmで堆積させ、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、パターン化して、笠形状部材5を形成した。
尚、笠形状部材5は、図示のような形状に留まらず、図60、又は、図61に図示するような形状を取ることも出来る(図58を参照)。
犠牲層除去工程(a9)において、残存する上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bを、ウェットエッチング技術により開口部を通してエッチング除去し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2を可動範囲が制限された空隙(G)に配置して、光偏向装置0が完成する。
尚、笠形状部材5が、板形状部材2の外周に対応して複数個の例えば、各笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4を所定の間隔(g)を空けて配置することにより、間隔(g)部には上記犠牲層7の上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bが、3次元的に露出しているので、エッチングがより短時間で終了できる(図59を参照)。
【0079】
図62乃至図71は本発明の他の実施形態に係る光偏向装置の製造手順を示す図であり、光偏向装置0は、次のように、基板3上に支点部材4と電極6を複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を形成し、支点部材4を突出させて堆積して平坦化した上記第1の犠牲層7aに重ねて堆積して平坦化した第3の犠牲層7cを介して反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された湾曲形状の上記湾曲形状部2aからなる板形状部材2を形成して、更に、堆積した上記第2の犠牲層7bとをパターン化した所定の位置に笠形状部材5をパターン化した後に、上記犠牲層7の上記第1の犠牲層7aと上記第2の犠牲層7bと上記第3の犠牲層7cをエッチングにより除去するから、静電引力により板形状部材2が傾斜変位する時に、板形状部材2の変位時に上記湾曲形状部2aを中心とた変位が可能となり、板形状部材2がずれることを抑制し、言い換えると、支点部材4に対する板形状部材2の位置決めが自発的に容易となり、板形状部材2の変位時に、板形状部材2が笠形状部材5の側面に接触することを抑制して、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が更に安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が更に少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0の製造方法を提供することが出来るようになった。
基板上支点部材形成工程(b1)において、上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3上に、支点部材4を構成する上記酸化シリコン膜4fがプラズマCVD法により堆積され、その後、面積階調を有するパターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法やレジストパターン形成後熱変形させる写真製版法により、支点部材4の形状とほぼ同形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により目的形状の支点部材4が形成される。
尚、上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上に2μm程度の酸化シリコン膜を形成し、その上層1μm程度にて同様の加工を行っても良い。
又、支点部材4の支点部位の頂点における高さは、およそ1μmである(図62を参照)。
【0080】
電極形成工程(b2)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を窒化チタン(TiN)膜の薄膜で形成する。
TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により、厚さ0.01μmに成膜し、写真製版法、及び、ドライエッチング法の手法により複数の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4としてパターン化した(図63を参照)。
保護膜形成工程(b3)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4の上記保護膜6bとして、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜を膜厚0.2μmで形成した(図64を参照)。
第1の犠牲層形成工程(b4)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により2μm堆積させ、CMP技術を用いて支点部材4が露出し、更に、時間をオーバーさせて平坦化した。この時、支点部材4、及び、上記保護膜6bとの研磨選択性の高いCMP条件とすることにより、支点部材4の頂点近傍では支点部位が残存し、非晶質シリコン膜がやや低く残存する。支点部材4の支点部位が約0.2μm突出した。残存する非晶質シリコン膜が上記第1の犠牲層7aである。尚、上記第1の犠牲層7aとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることも出来、平坦化の手法としては、ドライエッチングによるエッチバック法を用いることも出来る(図65を参照)。
【0081】
第3の犠牲層形成工程(b5)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により0.1μm堆積させ、上記第3の犠牲層7cとした(図66を参照)。
反射手段と板形状部材形成工程(b6)において、板形状部材2となる上記シリコン窒化膜2cをプラズマCVD法により厚さ0.2μmで堆積させ、引き続き、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域を兼ねる上記導電性領域2bとなる上記アルミニウム系金属膜1bを0.05μmの厚さでスパッタリング技術により堆積させた。その後、上記導電性領域2b、及び、板形状部材2をそれぞれ写真製版法、及び、ドライエッチング法によりパターン化した(図67を参照)。
第2の犠牲層形成工程(b7)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により1μm堆積させ、上記第2の犠牲層7bとした。尚、上記第2の犠牲層7bとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることも出来る(図68を参照)。
笠形状部材パターン化工程(b8)において、光偏向装置0を個別に分離し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2の周囲に、図示しない笠形状部材5を配置するために、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7b、上記第3の犠牲層7cを同時に、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2よりやや広くパターン化した(図69を参照)。
笠形状部材形成工程(b9)において、笠形状部材5を構成する上記酸化シリコン膜5dをプラズマCVD法により厚さ0.8μmで堆積させ、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、パターン化して、笠形状部材5を形成した。尚、笠形状部材5は、図示のような形状に留まらず、図60、又は、図61に図示するような形状を取ることも出来る(図70を参照)。
犠牲層除去工程(b10)において、残存する上記第1の犠牲層7a、上記第2の犠牲層7b、及び、上記第3の犠牲層7cを、ウェットエッチング技術により開口部を通してエッチング除去し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2を可動範囲が制限された空隙(G)に配置して、光偏向装置0が完成する。
尚、笠形状部材5が、板形状部材2の外周に対応して複数個の例えば、各笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4を所定の間隔(g)を空けて配置することにより、間隔(g)部には上記犠牲層7の上記第1の犠牲層7a、上記第2の犠牲層7b、及び、上記第3の犠牲層7cが、3次元的に露出しているので、エッチングがより短時間で終了できる(図71を参照)。
【0082】
図72乃至図80は本発明の更に他の実施形態に係る光偏向装置の製造手順を示す図であり、この光偏向装置0は、次のように、基板3上に上記窪み形状部3aと上記窪み形状部3a内に上記斜面4dの斜面4d4からなる支点部材4と電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を形成し、堆積して平坦化した上記第1の犠牲層7aを介して反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2を形成して、更に、堆積した上記第2の犠牲層7bとをパターン化した所定の位置に笠形状部材5をパターン化した後に、上記第1の犠牲層7aと上記第2の犠牲層7bをエッチングにより除去するから、笠形状部材5の高さが低くなり、笠形状部材5自体の自立安定につながり、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が更に少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0の製造方法を提供することが出来るようになった。
基板上窪み形状部と支点部材形成工程(c1)において、上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3上に、面積階調や濃度階調を有するパターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法により、上記窪み形状部3a、及び、支点部材4の形状とほぼ同形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3上をエッチング加工する。その後、上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3との絶縁性を取るために、支点部材4を構成する上記酸化シリコン膜4fを約1μmプラズマCVD法により堆積させる。以上の工程により、目的形状の上記窪み形状部3a、及び、支点部材4が形成される。
尚、上記(100)面方位を有するシリコン基板3b上に2μm程度の酸化シリコン膜を形成し、その上層1μm程度にて同様の加工を行っても良い。上記窪み形状部3aの最大深さは、およそ3μmであり、支点部材4の支点部位の頂点における深さはおよそ0.3μmである(図72を参照)。
【0083】
電極形成工程(c2)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4を窒化チタン(TiN)膜の薄膜で形成する。TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により、厚さ0.01μmに成膜し、写真製版法、及び、ドライエッチング法の手法により複数の、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、電極6a4としてパターン化した(図73を参照)。
保護膜形成工程(c3)において、電極6の複数個、例えば、電極6a1、電極6a2、電極6a3、又は、電極6a4の上記保護膜6bとして、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜を膜厚0.2μmで形成した(図74を参照)。
第1の犠牲層形成工程(c4)において、非晶質なシリコン膜をプラズマCVD法により2μm堆積させ、CMP技術を用いて上記(100)面方位を有するシリコン基板3bの基板3、及び、上記保護膜6bをエッチングストップ層として研磨し平坦化した。
この時、該エッチングストップ層の効果により、上記窪み形状部3a内の非晶質なシリコン膜はオーバー研磨をほとんど生じることなく高い制御性を有して平坦化が可能である。
支点部材4の支点部位の頂点上に残る非晶質シリコン膜の膜厚はおよそ0.2μmとなった。上記窪み形状部3a内に残存する非晶質シリコン膜が上記第1の犠牲層7aである。尚、上記第1の犠牲層7aとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や、多結晶シリコン膜などを用いることも出来、平坦化の手法としては、熱処理によるリフロー法やドライエッチングによるエッチバック法を用いることも出来る(図75を参照)。
反射手段と板形状部材形成工程(c5)において、板形状部材2となる上記シリコン窒化膜2cをプラズマCVD法により厚さ0.2μmで堆積させ、引き続き、反射手段1の上記反射面1aの光反射領域を兼ねる上記導電性領域2bとなる上記アルミニウム系金属膜1bを0.05μmの厚さでスパッタリング技術により堆積させた。その後、上記導電性領域2b、及び、板形状部材2をそれぞれ写真製版法、及び、ドライエッチング法によりパターン化した(図76を参照)。
【0084】
第2の犠牲層形成工程(c6)において、非晶質なシリコン膜をスパッタ法により1μm堆積させ、上記第2の犠牲層7bとした。尚、上記第2の犠牲層7bとしては、上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることも出来る(図77を参照)。
笠形状部材パターン化工程(c7)において、光偏向装置0を個別に分離し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2の周囲に、図示しない笠形状部材5を配置するために、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bを同時に、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2よりやや広くパターン化した(図78を参照)。
笠形状部材形成工程(c8)において、笠形状部材5を構成する上記酸化シリコン膜5dをプラズマCVD法により厚さ0.8μmで堆積させ、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、パターン化して、笠形状部材5を形成した。
尚、笠形状部材5は、図示のような形状に留まらず、図60、又は、図61に図示するような形状を取ることも出来る(図79を参照)。
犠牲層除去工程(c9)において、残存する上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bを、ウェットエッチング技術により開口部を通してエッチング除去し、反射手段1を組み合わせ構成する板形状部材2を可動範囲が制限された空隙(G)に配置して、光偏向装置0が完成する。
尚、笠形状部材5が、板形状部材2の外周に対応して複数個の例えば、各笠形状部材5a1、笠形状部材5a2、笠形状部材5a3、笠形状部材5a4を所定の間隔(g)を空けて配置することにより、間隔(g)部には上記犠牲層7の上記第1の犠牲層7a、及び、上記第2の犠牲層7bが露出しているので、エッチングがより短時間で終了できる(図80を参照)。
【0085】
図81において、電子写真プロセスで光書き込みを行なって画像を形成する上記画像形成装置200は、図示の矢印(V)方向に回動可能に保持されて形成画像を担持する画像担持体201のドラム形状の感光体と、帯電手段205で均一に帯電された上記画像担持体201のドラム形状の感光体上を、上記1次元光偏向アレー10の複数個の各光偏向装置0を各々独立に駆動する独立駆動手段101とからなる上記光情報処理装置100からなる上記潜像形成手段202で光書き込みを行なって潜像を形成し、上記潜像形成手段202の上記1次元光偏向アレー10の各光偏向装置0によって形成された潜像を現像手段203で顕像化してトナー画像を形成し、上記現像手段203で形成されたトナー画像を転写手段204で被転写体(P)の転写紙に転写して、被転写体(P)の転写紙に転写されたトナー画像を定着手段206で定着した後に、被転写体(P)の転写紙を排紙トレイ207に排紙して収納される。
他方、トナー画像を上記転写手段204で被転写体(P)の転写紙に転写した後の上記画像担持体201のドラム形状の感光体は、クリーニング手段208でクリーニングされて次工程の画像形成に備えるようになっている。
【0086】
上記潜像形成手段202における上記光情報処理装置100は、光源102からの入射光束(R)は第1のレンズシステム103を介して、上記1次元光偏向アレー10の複数個の各光偏向装置0に照射され、上記1次元光偏向アレー10の複数個の各上記光変調装置0は、上記独立駆動手段101により、画像情報に応じて独立して個々の入射光を反射する反射手段1を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材2を、基板3上に固定することなく基板3上の支点部材4上と笠形状の笠形状部材5間に形成される空隙(G)内に変位が自由の状態で配置して、基板3上の支点部材4の周囲に板形状部材2と対向して配置した電極6に電位を付与して、支点部材4上に傾斜して載置する板形状部材2上の反射手段1で入射光の反射方向を変えて光偏向を行なって、反射手段1を通じて入射光束(R)を第2のレンズシステム104を通じて上記画像担持体201のドラム形状の感光体上の表面に、構造と制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制して、結像する。
尚、上記1次元光偏向アレー10は、シリコンウエハーを基板として、上述の製造方法と同様の方法で形成した。
従って、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と光書込み時のON、及び、OFF等の制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制でき、作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0を具備して、構造と制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制する光偏向装置0を具備する上記光情報処理装置100、及び、光書き込み時のON/OFF制御が良好で高速動作が可能で、且つ、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動され、S/N比も向上出来る高速で高精彩な画像を形成する上記画像形成装置200を提供することが出来るようになった。
【0087】
図82において、画像を投影して表示する上記画像投影表示装置300は、投影画像データの入射光束(R)の反射方向を変えて光偏向を行なって画像を投影する、上記2次元光偏向アレー20の複数個の各光偏向装置0を各々独立に駆動する上記独立駆動手段101とからなる上記光情報処理装置100からなる光スイッチ手段301の各上記光変調装置0が画像を投影スクリーン302に投影して表示するようになっている。
上記光スイッチ手段301における上記光情報処理装置100は、上記光源102からの入射光束(R)を上記2次元偏向アレー20に配列された複数個の各光偏向装置0に照射して、上記独立駆動手段101により所望の画像のデータを各々の板形状部材2に組み合わせ構成された反射手段1により反射し、投影レンズ105、及び、絞り106を介して上記投影スクリーン302に、構造と画像投影データの表示、即ち、画素の明暗時のON、及び、OFF等の制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制して、投影する。
カラー表示を行うためには、上記光源102の前に回転カラーホール107を設けたり、又、性能向上のためにマイクロレンズアレー108を用いることも出来る。
尚、上記2次元光偏向アレー20は、シリコンウエハーを基板として、上述の製造方法と同様の方法で形成した。
従って、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と画像投影データの表示、即ち、画素の明暗時のON、及び、OFF等の制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制でき、作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0を具備して、構造と制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制する上記光情報処理装置100、及び、画像の明暗制御時のON/OFF制御が良好で高速動作が可能で、且つ、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動され、コントラスト比も向上出来るので、高輝度でありながら高いコントラストを有する高精細な画像を投影して表示する上記画像投影表示装置300を提供することが出来るようになった。
【0088】
図83において、光信号の光路を決定して出力して伝送する光伝送装置400は、光信号を入力する光信号入力手段401と、上記光信号入力手段401からの光信号の入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行なって、各光信号の光路を決定する上記2次元光偏向アレー20の光偏向装置0からなる光スイッチ手段402と、上記光スイッチ手段402からの光信号を出力する光信号出力手段403とからなり、光信号の光路を決定して出力して伝送するようになっている。
上記光スイッチ手段402は、上記光信号入力手段401が有する1個、又は、複数個の信号入力伝達ポート401a、例えば、信号入力伝達ポート401a1、信号入力伝達ポート401a2、信号入力伝達ポート401a3から入力された光情報信号を、2段に配置された各上記2次元光偏向アレー20の2次元光偏向アレー20aと2次元光偏向アレー20bに配列された複数個の各光偏向装置0により1軸、又は、2軸方向に偏向され、所定の出力ポートを選択し決定して、複数の信号出力伝達ポート403a、例えば、信号出力伝達ポート403a1、信号出力伝達ポート403a2、信号出力伝達ポート403a3を有する上記光信号出力手段403から出力して、構造と出力光情報信号のポートを決定する選択等の制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制して、伝送する。
上記光スイッチ手段402は、上記2次元光偏向アレー20を2段に配置して、光偏向角を大きく取っているが、選択するポートの数等によっては、上記2次元光偏向アレー20は1個でも良い。
又、各上記2次元光偏向アレー20の2次元光偏向アレー20aと2次元光偏向アレー20bに配列された、複数個の各光偏向装置0を同時に、且つ、独立して駆動制御するための制御装置402aの各制御装置402a1と各制御装置402a1がそれぞれ具備されている。
従って、入射光の反射方向を1軸、又は、2軸方向に変えて光偏向を行う構造と出力光情報信号のポートを決定する選択等の制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制でき、作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置0を具備して、構造と制御が簡単容易で、且つ、迷光、反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光を抑制し、2軸方向の光偏向を容易に正確に行なうことが出来、各ポートの選択の制御が良好で隣接ポートへの迷光、を抑制して、高速な光路切替が可能で、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動され、同一基板上に集積化が出来るので、小型でありながら高速で誤動作の少ない光信号の光路を決定して出力して伝送する上記光伝送装置400を提供することが出来るようになった。
【0089】
図84は本発明の第16の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
図85は図84のA−A’線断面図である。
図において、支点部材4は、板形状部材2に接する支点部位がほぼ点で接する四角錐形状であり、上述のように、上記酸化シリコン膜、又は、上記シリコン窒化膜で形成されているから機械的強度が強くなっている。頂部はとがっていても構わないが、先端部を半球状にしておけば、応力集中が弱められる。
【0090】
図86は本発明の第17の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
図87は図86のA−A’線断面図である。
図において、支点部材4は板形状部材2に接する支点部位がほぼ点で接する四角錐形状である点では上記と同様であるが、異なる点は、四角錐の底面の大きさが板形状部材2とほぼ同程度の大きさになっている点である。したがって、板形状部材2が静電力を受けて傾斜したとき、板形状部材2の裏面が支点部材4の4つの斜面の内の1つの斜面に密接し、非常に安定した位置を保つ。
【0091】
図88は本発明の第18の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
図において、符号6a1ないし6a8は8つの電極を示す。
光偏向装置0は図43に示した実施形態と同様、外形と板形状部材2が円形に構成されている。この実施形態においては、支点部材4が8角錐に形成されている。8つの電極6a1〜6a8は8角錐の各斜面に対応して設けられていて、互いに絶縁されている。いま仮に、電極6a1〜6a5=Y/2(V)、電極6a6=Y(V)、6a7=Y/2(V)、電極6a8=0(V)とすることにより、板形状部材2は電極6a6と板形状部材2の間、及び、板形状部材2と電極6a8の間に働く静電引力に引かれるが、両者の中間に別の斜面があるため、電極6a7の側に傾斜する。
【0092】
8角錐の底面の大きさを板形状部材2の大きさにほぼ等しくしておくと、板形状部材2の裏面が傾斜部に当接密着して光の反射方向が安定する。なお、図43では笠形状部材5が円形の基板の全周に設けられているが、本実施形態では離散的に4カ所に設けられている。どちらにする方がよいかは、アレーに構成する場合の全体の構成の都合で決めればよい。
本実施形態においては、支点部材4は多角錐であれば、例えば6角錐でも、7角錐でも、或いは10角錐でも構わない。6角錐の場合は3つの軸方向に変えて光偏向を行うことができる。同様に、8角錐であれば4軸、10角錐であれば5軸方向に変えて光偏向を行うことができる。
更に言えば、支点部材4は円錐形状であっても、電極6を互いに絶縁された例えば8個のように、任意数の複数の電極に分割すれば、板形状部材2の傾斜位置での安定性に不安はあるが、上記と同じ作用をさせることができる。
【0093】
図89は本発明の第19の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
図90は図89のA−A’線断面図である。
本実施形態では、板形状部材2が単層の部材で構成される。例えば、アルミニュウムのように、それ自体反射率の高い材質を用いることによって、別途の反射手段を組み合わせることなく、目的の機能を達成することができる。
【0094】
図91は本発明の第20の実施形態を説明するための図であり、図91(a)は光偏向装置の上面図、図91(b)はそのA-A'線の断面図である。なお、煩雑さを避けるため、断面図は、切断端面のみを示す。以下すべての断面図においても同様である。以下の説明においては、これまで板形状部材と呼んでいた部材を単に板状部材と呼ぶ。また、笠形状部材は規制部材と呼ぶことにする。
【0095】
図91において、符号2100は光偏向装置、符号2101は基板、符号2102は規制部材、符号2103は支点部材、符号2104は板状部材をそれぞれ示す。
基板2101の材質は任意でもよいが、微細化のことを考慮するとシリコンあるいはガラス等、一般に半導体プロセスや液晶プロセスにて用いられているものが望ましい。また、本発明においては後述の駆動系回路と同一基板に形成することを考慮すると(100)面方位を有するシリコン基板が望ましい。規制部材2102は、一端にストッパ2102aを有した形状で複数配置されている。規制部材2102の材質としては、アレー化した時の反射領域の面積割合を最大にするために極力薄膜及び省スペースで構成でき、かつ機械的強度が強いことが望まれる。さらに、規制部材2102によるミラー性能の低下を抑制するために、透光性を有するシリコン酸化膜等が望まれるが、乱反射の原因になるおそれがあるときは、規制部材2102の表面に光吸収性の処理をしてもよい。
【0096】
支点部材2103は円錐体であるが、板状部材2104が変位する時の支点となるので、支点となり得る形状であれば、その形は問わない。支点部材2103の少なくとも板状部材2104と接する頂部2103aは導電性である。支点部材2103の材質としては、導電性及び機械的強度を考慮すると、低抵抗な結晶シリコン膜や多結晶シリコン膜、または金属膜、またはタングステンシリサイドやチタンシリサイドなどの金属シリサイド膜、またはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜の絶縁膜と金属膜の積層が望ましい。但し、絶縁膜と金属膜の積層の場合には板状部材2104へ電位を付与するために電位供給線と該金属膜を接続する接続孔が必要となる。板状部材2104は、固定端を有していない。板状部材2104は、基板2101と支点部材2103と規制部材2102およびストッパ2102aとで可動範囲が所定の空間に制限されており、後述する製造方法により形成される。板状部材2104は、部材全体が導電体層である。ただし、後述の静電引力を作用させる都合上、上面または裏面、あるいは部材全体、すなわち、少なくとも一部に、導電性の部材からなる導電体層を有していればよい。
【0097】
板状部材2104の裏面側の少なくとも支点部材2103と接する接触部2104aは導電性である。接触部2104aは前述の導電体層と一体でもよいし、別体でもよい。ただし、別体の場合は双方を電気的に接続しておく必要がある。板状部材2104の材質としては、導電性及び機械的強度を考慮すると、アルミニウムやクロムやチタンや金や銀などの金属膜であることが望ましい。板状部材2104の上面2104b全域を光反射領域にする場合には、反射性能の良好なアルミニウム系金属膜であることが好ましい。また、板状部材2104は前述のように可動範囲を制限されており、ほぼ支点部材2103を中心とした傾斜変位のみが起こるように規制部材2102が配置されている。さらに、板状部材2104は、少なくとも光反射領域2104bにおいて平板であることが望まれる。板状部材2104が平板であることにより光反射領域に入射した光束は反射方向をそろえて反射することが可能で、光偏向装置を画像形成装置や画像投影表示装置、あるいは、光伝送装置に用いる場合は光学的特性を維持する上で重要である。なお、板状部材2104の平面性としては曲率半径Raが数メートル以上であることが望まれる。光反射領域2104bの光反射機能に着目するときは単に光反射面と呼ぶことがある。
【0098】
図92は本発明の第21の実施形態を示す図である。図92(a)は光偏向装置の上面図であり、図92(b)はA-A'線の断面図である。
同図において、符号2100〜2104は第20の実施形態と同様である。板状部材2104は、誘電性を有する部材からなる誘電体層2201と導電性を有する部材からなる導電体層2202の積層により構成され、かつ板状部材2104の少なくとも支点部材2103の頂部2103aと接する接触部2104aにおいては導電体層2202のみにより構成されている。導電体層2202は、図91における板状部材2104と同様な構成で良い。誘電体層2201は、比誘電率が3以上と高い誘電性を有することが望ましく、比誘電率が6〜8と高い誘電性を示しかつ機械的強度が大きいシリコン窒化膜により構成されることが望ましい。符号2203は、誘電体層2201に形成された開口部位を示し、接触部2104aが頂部2103aと接触できるようにしている。開口部位2203は、写真製版技術によるパターン化で形成されている。
【0099】
図93は本発明の第22の実施形態を示す図である。図93(a)は光偏向装置の上面図であり、図93(b)はB-B'線の断面図である。
同図において、符号2100〜2104は第20の実施形態と同様である。図において静電引力を作用させるための電極2301が基板2101上に4個設けられている。電極2301は、支点部材2103に構成された導電性の頂部と電気的に分離されている。電極2301の材質としては、第20の実施形態と同様、後述する製造方法により作製可能であることが望ましく、導電性などを考慮すると、アルミニウム系金属や窒化チタンやチタン等の金属が望ましく、板状部材2104に構成された導電体層の少なくとも一部が電極2301と対向している。それにより基板2101に形成された4個の電極2301のいずれかに与える電位と支点部材2103を経由して付与された板状部材2104の電位との電位差に起因した静電引力を、両者の間に働かせ、板状部材2104を目的の方向へ変位(傾斜)させることが出来る。さらに、引き続き支点部材2103を中心として対向する電極2301の他の部分へ任意の電位を印加することにより、板状部材2104の変位方向を高速で変えることが出来る。さらに、4個の電極2301のそれぞれに与える電位を任意に切り替えることにより板状部材2104の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御することが出来る。
【0100】
図94は本発明の第23の実施形態を示す図である。図94(a)は光偏向装置の上面図であり、図94(b)はB-B'線の断面図である。
図95は支点部材の変型例を示す図である。
図94において、2100〜2102は第20の実施形態と同様である。規制部材2102の配置は第20の実施形態と異なるが基本構成は同じである。図94には支点部材2401が示されている。第22の実施形態までは、支点部材2103が単なる円錐体であったが、本実施形態の支点部材2401は、板状部材2104が支点部材2401に線状で接しており、かつ支点部材2401が斜面を有する尾根形状であり、したがって、板状部材2104は、前記接触線で規定される1軸方向のみの変位が得られる。支点部材2401の材質としては第1の実施例における支点部材2103の材質と同様である。
【0101】
図95(a)に示すように、支点部材2401は鉛直断面が点を頂部とする逆V字型形状の角柱を代表とするが、図95(b)に示すように、頂部近傍が丸みを有する形状でも良い。あるいは図95(c)に示すように断面が5角形であっても差し支えない。要は、板状部材2104と線接触できるような稜を持った柱状体であればよい。図94及び図95に示すように、板状部材2104に接する支点部材2401が線状で接していることから、支点部材2401と板状部材2104の接触面積を低減して板状部材2104の静電引力による1軸方向の傾斜変位を安定して起こすことが出来る。支点部材2401が斜面を有する尾根形状であることから、支点部材2401の機械的強度を強めることが出来る。板状部材1204の変位は、基板上面における板状部材の端部との接触部位2402、もしくは、規制部材2102のストッパ2102aの少なくともいずれか一方で規制されるので、板状部材2104と他部材との接触面積を極力低減して板状部材2104の基板その他への固着を抑制できる。
【0102】
図96は本発明の第24の実施形態を示す図である。図96(a)は光偏向装置の上面図であり、図96(b)はB-B'線の断面図である。
同図において、符号2100〜2102及び2104は第20の実施形態と同様で、符号2301は第22の実施形態と同様である。符号601は支点部材、符号602は導電部材、符号603は絶縁性膜をそれぞれ示す。
光偏向装置2100の支点部材601の斜面が、板状部材2104のほぼ全域に対応して形成され、かつ斜面上に静電引力を作用させるための電極2301を4個有する。支点部材601の材質としては、601の斜面上に電極2301が構成されるため、電極間を電気的に分離する目的で絶縁性であることが望ましい。その場合、板状部材2104に電位を付与するために支点部材601の頂部601aは導電性を有する導電部材602で形成することが必要である。さらに導電部材602は電極2301と同一膜により同時に形成されることが望ましい。
【0103】
電極2301全面に接触して板状部材2104を変位させるため、板状部材2104と電極2301間の電気的短絡を防止する目的で、第21の実施形態に示したように板状部材2104の裏面に誘電体層2201を構成するか、もしくは、電極2301上に絶縁性膜603を構成することが必要である。絶縁性膜603は絶縁性を有するシリコン酸化膜、または、シリコン窒化膜であることが望ましい。さらに、絶縁性膜603は板状部材2104への電位付与を妨げないようにするために、導電部材602の部分にて開口していることが必要となる。図において、頂部601aに近づくにつれ電極2301を板状部材2104に近接して設置でき、それにより、より大きな静電引力を発生させることが出来る。言い換えると、より低電圧で板状部材2104の変位を可能とする。この実施例においては斜面に面接触して板状部材2104を変位させることが出来るので、接触時の衝撃を分散させることが出来る。斜面に面接触して板状部材2104を変位させることにより、板の変位方向の制御が容易となる。
【0104】
図97は本発明の第25の実施形態を示す図である。図97(a)は光偏向装置の上面図であり、図97(b)はB-B'線の断面図である。
図97において、符号2100〜2102及び2104は第20の実施形態と同様である。符号2301は第22の実施形態と同様である。符号601及び602は第24の実施形態と同様である。符号604は斜面上の電極2301を部分的に覆う絶縁性膜を示す。
絶縁性膜604の材質に関しては第24の実施形態に示した絶縁性膜603と同様である。電極上の絶縁性膜604は斜面上の任意の部位において多数の凸部位701を有しており、凸部位701への板状部材2104の接触により光偏向方向が規定される。凸部位701は後述の製造方法により、絶縁性膜603のような絶縁性膜をパターン化して形成されることが望ましい。凸部位701の大きさ及び高さ及び間隔は、板状部材2104が弾性変形により凹部位の電極2301へ接触しない範囲で任意の形状として、静電引力と板状部材の剛性の関係から設計することができる。板状部材2104が充分に硬い材質及び厚膜の場合、板状部材は弾性変形しにくいので、凸部位701の大きさは出来る限り小さくし、高さも低くし、間隔は広くすることができる。それにより板状部材2104との接触面積を極力低減することが出来、長期にわたる駆動時の固着の可能性を低減できる。
【0105】
図98は、本発明の第26の実施形態を示す図である。
この実施形態において、符号2100ないし2103は第20の実施形態と同様である。符号2201〜2203は第21の実施形態と同様である。符号800a、800b、800c、800dは、第22の実施形態に示した電極2301と同等の電極を示す。符号801及び802は支点部材2103の構成要素を示し、符号801は絶縁層、符号802は導電層を示す。電極800a、800b、800c、800dは、誘電体層2201と導電体層2202とからなる板状部材2104に対向して配置されており、材質は第22の実施形態に示した電極2301の材質と同様である。支点部材2103の頂部2103aは、絶縁性のシリコン酸化膜を材質とする絶縁層801と導電性の導電層802との積層により構成されている。導電層802は電極800a、800b、800c、800dと同時にパターン化されて形成された同一材質の部材である。
【0106】
図98(a)は、第26の実施形態に用いる光偏向装置2100の上面図である。図98(b)は、初期状態の光偏向装置2100のA-A'線及びB-B'線の断面図である。図98(c-1)は、リセット動作前の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。図98(c-2)は、リセット動作後の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。図98(d)は一方向へ光偏向した場合の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。図98(e)は、偏向軸を変えて光偏向した場合の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図を示す。
【0107】
図98(b)において、初期の光偏向装置2100は、板状部材2104が固定端を有していないので、その位置は所定空間内では自由である。そこで、図98(b)においては、電極から最も遠ざかる配置を記載した。この図のように、板状部材2104が基板2101上のすべての電極から等距離にあるとき、板状部材2104と頂部2103aとの接触の有無にかかわらず、板状部材2104は中立位置にあると呼ぶことにする。図98(c-1)には、板状部材2104が支点部材2103に接触前を示してある。また、図98(c-2)には、板状部材2104が支点部材2103に接触後を示してある。初期状態から、板状部材2104を支点部材2103に接触させるために、図98(c-1)及び図98(c-2)におけるリセット動作を行う。
【0108】
リセット動作においては、電極800a、800bの電位をX(V)とし、電極800c、800d 、導電層802の電位を0(V)とする。図98(c-1)の支点部材2103に板状部材2104が接触する前は板状部材が電気的に浮いている状態なので、図98(c-1)における下向きの白抜き矢印で示したような静電引力分布が得られる。以降、白抜き矢印の大きさにより静電引力の大小を模式的に示す。すなわち、電気的に浮いている板状部材2104を経由して電極800a、800bと電極800c、800d間に静電引力が作用し、板状部材2104が基板2101表面に垂直に引き寄せられる。その後、図98(c-2)の支点部材2103に板状部材2104が接触した後は、板状部材2104の電位が支点部材2103の電位と等しくなるため、板状部材2104と電極800c、800dの間には反発力は作用しても静電引力は作用せず、板状部材2104と電極800a、800bの間には強い静電引力が作用する。そのため板状部材2104が電極800a、800bのある側に傾斜し、板状部材2104の端部2104cが基板2101と接触して方向を規制されて、特定の方向に反射光が得られる。この状態をリセット状態とし、このときの反射光の方向をリセット方向と呼ぶ。
【0109】
ここで印加される電位X(V)は、板状部材2104と電極との距離及び静電容量などにより決定され、通常の板状部材2104の変位、すなわち、支点部材2103を中心とした傾斜をひき起こす限界の電圧Z(V)よりやや大きい電圧とする。この電圧(実際には後述のように電位差)をこの実施例における所定の電位差と呼ぶ。次に図98(d)において、電極800a、800bの電位を0(V)、 電極800c、800dの電位をX(V)に切り替えることにより、リセット方向と反対方向に高速に板状部材2104が傾斜変位し、板状部材2104の端部2104dが基板2101と接触して方向を規制されて、図のように”光偏向1”の状態になる。
【0110】
それぞれの電極及び導電層に、正負の極性にかかわらず、同じ値のバイアス電圧を加算しても、各部位の間の電位差が同じなので動作は変わらない。すなわち、静電引力は、電位そのもので発生するのではなく、対向する部材の間に存在する電位差で発生するものである。なお、この例では支点部材2103の導電層802には0(V)の電位を与えたままにして、電極側の電位を切り替えているが、板状部材2104の変位を単にリセット方向と反対方向に切り替えるだけなら、電位の与え方を逆の関係にしても同じ動作が得られる。すなわち、電極800a、800bにはX(V)の電位を、電極800c、800dには0(V)の電位を与えたままにしておき、導電層802にリセット時は0(V)の電位を与えて、”光偏向1”の状態への動作時にはX(V)の電位に切り替えるようにしてもよい。板状部材2104は、電極との間に電位差のある側、もしくは電位差のより大きい側に強い静電引力を受けてその方向に傾斜する。すなわち、支点部材2103を中心として対向する電極へ任意の電位を印加し、導電層802の電位をいずれかの電極の電位と等しくすることにより、板状部材2104の変位方向を高速で変えることが出来る。これらのことは以後の実施例においても同様のことがいえる。
【0111】
次に図98(e)において、電極800a、800c及び支点部材802の電位を0(V)、電極800b、800dの電位をX(V)とすることにより、図98(d)の光偏向とは軸を変えて、高速に板状部材2104が傾斜変位し、板状部材2104の端部2104eが基板2101と接触して方向を規制されて、「光偏向2」の状態になる。この軸方向においても、上記のように電極、あるいは、導電層に与える電位を切り替えることで、板状部材2104を逆方向に反転傾斜させ、「光偏向3」の状態にさせることができる。したがって、板状部材2104は初期位置以外に3つの態位をとることができる。すなわち、板状部材2104の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御することが出来る。以上のように、複数の電極に異なる電位を与えることにより、板状部材2104が静電引力により変位し、すなわち、支点を中心に傾斜し、入射する光束の反射方向を初期位置も含めて合計4方向に変えることが出来る。
【0112】
次に、図98(c-1)のリセット動作時のように電気的に浮いている板状部材2104を、異なる電極800a、800b、800c、800d及び導電層802に異なる電位を与えることにより静電引力を発生させて変位させる原理を、図99に簡単に説明する。なお、図99における説明では、板状部材2104上に導電体層2202を配置した効果も含めて記載する。
【0113】
図99は、図98における光偏向装置2100の、リセット動作時のD-D'線の断面図である。
同図において、電極800bには正電位X(V)が印加され、電極800dには0(V)が印加されている。この時両電極800b、800dと電気的に浮いている板状部材2104の間には静電引力が発生し、板状部材2104を電極側に変位させるのであるが、まず電極800bに印加された正電位により電極800bには正電荷が現れる。そして空隙901を介して誘電体層2201に誘電的に負電荷が発生し、同時に導電体層2202において導電的に効率よく負電荷が広がる。逆に言うと、導電体層2202により効率的に誘電体層2201に負電荷を発生させる。
【0114】
この時、誘電体層2201と導電体層2202は電気的に浮いているので、電極800dに空隙901を介して対向する誘電体層2201と導電体層2202には模式的には正電荷が広がる。その正電荷に対応するように、電極800dには模式的に負電荷が発生する。電極800dは実際には0(V)であるが、模式的に考えた場合はそのようになる。それにより電極800d上部に位置する板状部材においても静電引力が発生する。上記説明は一連の流れにて説明したが、必ずしも一連の流れにより起こる訳ではなく、電極800bと800dの電位差がそれらの現象を同時進行的に発生させる。実際には、電気的に浮いている誘電体層2201と導電体層2202は電極800bと電極800dの間の特定の電位となり、該特定の電位と電極800bの電位差による静電引力及び該特定の電位と電極800dの電位差による静電引力が発生することとなる。この特定の電位は空隙901及び電極800b、800dの面積などの構造的要因により定まる。このようにして発生した静電引力により板状部材2104が電極側に傾斜変位する。
【0115】
図100は、本発明の第8の実施例を示す図である。
図100(a)は、図98(a)同様、第26の実施形態に示したものと同じ光偏向装置2100の上面図である。図100(b)は、図98(b)同様、初期状態の光偏向装置2100のA-A'線及びB-B'線の断面図である。図100(c-1)及び図100(c-2)は、図98(c-1)及び図98(c-2)同様、それぞれリセット動作前と後の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。図100(d)は、一方向へ光偏向した場合の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。図100(e)は、偏向軸を変えて光偏向した場合の光偏向装置2100のA-A'線上及びC-C'線上の断面図である。
【0116】
図100(b)の初期状態及び図100(c-1)、図100(c-2)のリセット動作は図98と似ているが電位の与え方は異ならせてある。電極800aの電位をY(V)、電極800c、800d、及び、導電層802の電位を略Y/2 (V)、電極800bの電位を0(V)とする。板状部材2104が支点部材2103に接触していない場合でも、図98で説明したリセット動作とほぼ同様の現象により、板状部材2104は支点部材2103に接触し、導電層802から略Y/2 (V)の電位が与えられる。
電極800c、800dは板状部材と同じ電位が与えられているので両者の間のは静電引力は働かない。電極800bと板状部材、および、板状部材2104と電極800aの間の電位差はともに略Y/2 (V)となり、電極と板状部材との間に強い静電引力が働き、板状部材2104は電極800a、800bのある側に傾斜する。この状態をリセット状態とする。
【0117】
図100(d)において、電極800cの電位をY(V)、電極800a、800b、及び、導電層802の電位を略Y/2 (V)、電極800dの電位を0(V)とすることにより、リセット方向と反対方向に高速に板状部材2104が傾斜変位し、板状部材2104の端部2104dが基板2101と接触して方向を規制されて、”光偏向1”の状態になる。それぞれの電極及び導電層に、正負の極性にかかわりなく、一定値のバイアス電位を加算しても動作は全く同じである。すなわち隣接する2つの電極へ大小異なる任意の電位を印加し、残りの2つの電極と導電層802には前記大小の電位の中間の電位を与えることにより、板状部材2104の変位方向を高速で変えることが出来る。ここで印加される電位Y(V)は、所定値のことであり、次の条件で定める。すなわち、導電層802に与える電位Y/2(V)が板状部材2104の変位を引き起こす限界の電圧Z(V)よりやや大きい電位となるように設定する。
【0118】
次に図100(e)において、電極800bの電位をY(V)、電極800a、800c、及び、導電層802の電位を略Y/2(V)、800dの電位を0(V)とすることにより、図100(d)の光偏向とは軸を変えて、高速に板状部材2104が傾斜変位し、板状部材2104の端部2104eが基板2101と接触して方向を規制されて、「光偏向2」の状態となる。すなわち、板状部材の傾斜の向きを2軸方向で高精度に制御することが出来る。以上のように、複数の電極間に異なる電位を与えることにより、板状部材2104が静電引力により支点を中心に傾斜し、入射する光束の反射方向を変えることが出来る。以下に、光偏向のための静電引力の作用を、図100(d)を例に簡単に述べると、支点部材802を略Y/2(V)とすることにより板状部材の電位も略Y/2(V)となる。そのため、電極800a、800bに対向する部位においては同電位なので静電引力はほぼ作用しない。それに対し、電極800c、800dに対向する部位においては電位差が略Y/2(V)生じるので、それぞれほぼ同等の静電引力 すなわち略Y/2(V)の電位差に対応する静電引力が作用し、板状部材が”光偏向1”方向へ傾斜する。図100(e)においても、軸が異なるが同様に、板状部材が”光偏向2”方向へ傾斜する。本実施例では、最大電位を与える電極と最小電位を与える電極とが、板状部材の変位の軸となる、支点部材の頂部を通る直線に関して同じ側に存在していることが条件である。電極数が4個の場合は隣接する電極が条件になる。
【0119】
次にこの実施例の光偏向方式の利点を、図100(d)を例に説明する。図100(d)において、電極800c、800dにはそれぞれY(V)、0(V)が印加されているので、仮に板状部材2104が傾斜変位の過程で支点部材2103から離れ、板状部材2104が電気的に浮いた状態となっても、図99に記載のように電極800c、800dに対向する板状部材には静電引力を発生させることが出来る。それにより、目的方向への光偏向を達成できる。すなわち、利点として安定した光偏向を可能とすることが出来る。特に、光偏向装置の使い方が図とは上下が逆であった場合において、この効果は顕著に出る。すなわち、このような使い方の場合は、装置に何も電位が印加されていない場合は、常に板状部材2104が支点部材2103から離れた状態になっているからである。
さらに、他の利点は、後述の第29の実施例と組み合わせることによって得られる。
【0120】
次に、図100(f)を用いて、第27の実施形態の変形実施形態を説明する。
電極800aの電位をX(V)、電極800b、800cの電位を略X/2(V)、電極800dの電位を0(V)とし、導電層802の電位を0(V)とする。ここで示す電位X(V)は、第26の実施形態で説明したものと同じである。
板状部材2104は、電極800aとの間に大きな電位差があるため強い静電引力が働き、電極800b、800cとの間には小さい電位差があるため弱い静電引力が働き、電極800dとの間には電位差がないため静電引力が働かない。したがって、板状部材2104は図100(f)のように電極800aの方向に傾斜し、板状部材2104の対角線上の端点2104fにおいて基板2101と接する。すなわち、図100(d)、図100(e)に示す変位方向は、いずれもほぼ正方形で示す板状部材2104の辺の方向への傾斜であったが、変形実施形態で得られる傾斜方向は板状部材2104の対角線方向への傾斜である。この実施形態でも、電極への電位の与え方で4通りの傾斜方向が得られる。
【0121】
実施形態27と変型実施形態は同じ構成で、印加電位の組み合わせ方を変えているだけなので、制御次第で光の反射方向を合計8方向に切り替えることができる。第26の実施形態と変型実施形態を組み合わせた制御を行っても同様の効果が得られる。電極800b、800cに与える略X/2(V)という電位は電位0(V)の板状部材2104との間で弱い静電引力を発生させるので、板状部材2104の剛性が小さい場合はたわみが発生するおそれもある。そのような構成の場合は、電極800b、800cに与える電位を小さくするか、導電層802と同電位の0(V)としてもよいし、あるいは、電源から切り離して、電気的に浮いた状態にしてもよい。電極800b、800cに与える電位を、略X/2(V)とするか、電気的に浮いた状態にした場合は、導電層802に与える電位を0(V)からX(V)に切り換えるだけで板状部材2104の傾斜方向を逆側の電極800d側に反転させることができる。以上述べた各例から分かるように、板状部材2104の光反射面の法線を傾けたい場合、その方向にある電極と、板状部材2104との間の電位差が最大になるように与えることが基本である。このときの電極数は1個の場合と2個の場合があるのは既述の通りである。板状電極2104と隣り合う2個の電極との間に、同時に所定の電位差を与える場合は板状電極2104が辺の方向へ傾斜し、1個の電極との間に所定の電位差を与えれば、対角線方向へ傾斜する。
【0122】
次に、光偏向装置2100の形状について述べる。これまでの説明では理解を容易にするために、板状部材がほぼ正方形である場合について説明してきたが、本発明の構成はこれに限定されるものではない。また、基板上の電極の数も最大4個までで説明してきたが、これも4個に限定されるものではない。
図101は、本発明の第28の実施形態を説明する図である。図101において、外形その他が円形に構成されているが、符号2100ないし2104は第1の実施例と同様である。ただし、支点部材2103は板状部材の直径より小さめの底面を有する円錐体状に示されている。符号800aないし800hは、円錐体状の支点部材2103の側面に分割して設けられた8個の電極であり、各電極は相互に絶縁されている。
【0123】
電極800aの電位をX(V)、電極800eの電位を0(V)とし、その他の電極をたとえば電気的に浮いた状態にしておく。支点部材2103の導電層802に仮に0(V)の電位を与えると、板状部材2104は電極800aとの間の大きな電位差により、電極800aの方向に傾斜する。また、導電層802に仮にX(V)の電位を与えると、板状部材2104は逆に電極800eの方向に傾斜する。このようにして、電極及び導電層に与える電位の組合せで、板状部材2104は、電極のあるすべての方向に傾斜させることが可能になる。したがって、光の反射方向として8方向を選択的に設定することができる。上記説明では支点部材2103を円錐体として説明したが、正8角錐体にしても構わない。第23の実施形態と類似の考え方で、動作時に板状部材2104を支点部材の斜面に沿わせるように構成する場合は、円錐体の側面より角錐体の側面の方が傾斜方向の設定が安定する。本実施例では8個の電極で説明したが、その個数は角錐体が作れる範囲で全く自由である。すなわち、第23の実施形態に用いた柱状体の代わりに、上記に示した角錐体を、板状部材のほぼ全域に対応して斜面を有するように設置し、各斜面には互いに絶縁された電極を斜面の数だけ設ければ、任意の数の偏向方向を有する安定した光偏向装置が得られる。
【0124】
第27の実施形態における電位の与え方は、最大電位を与える電極と最小電位を与える電極とが、板状部材の変位の軸となる支点部材の頂部を通る直線に関して同じ側に存在していることが条件であると述べた。電極数が4個の場合は隣接する電極であることが必須であるが、電極数が6個以上の場合は必ずしも隣接している必要がなくなる。すなわち、最大電位を与える電極と最小電位を与える電極との間に、他の電極が1個以上入っていても構わない。電極数が6個の場合は1個しか間に入り得ないが、電極数が8個の場合は、最大2個まで間に入り得る。このように電位を与えると、板状部材の変位は力関係により、電位差を与えた両電極の中間に向けて傾斜する。間に挟まっている電極数が奇数、すなわち、1個もしくは3個なら、板状部材は中間の電極の斜面に接触して安定する。したがって、この、間に挟まった電極には電位を与えないで電気的に浮いた状態にしておけば、最大の電位差が隣接同士の電極にかかることがなく、放電や、短絡のおそれがなく安定した動作が期待できる。
【0125】
図102は本発明の第29の実施形態を説明する図である。この実施形態では、光偏向装置2100を任意の基板上にアレー状に並べて光偏向アレー1200とした。図102(a)は上面図であり、102(b)はA-A'線の断面図である。図では、1次元に並べた状態を示しているが、2次元に並べても構わない。光偏向装置2100を集積化することにより、光偏向装置2100を同時にかつ独立に駆動制御して光偏向させることができる。このように集積化してアレー状に並べたときの個別の光偏向装置2100を便宜上”素子”と呼ぶことがある。
【0126】
次に、第30の実施形態を説明する。この実施形態における光偏向装置は、第20ないし第29の実施形態における光偏向装置2100の板状部材2104の近傍の雰囲気がほぼ真空である。真空状態を形成する方法としては、光偏向装置2100をパッケージ化する際に、真空封止することにより達成可能である。図102にほぼ真空状態とする利点を図98に示す光偏向装置2100を複数1次元アレー化した実施例30の場合を例として説明する。前述のように、図102の光偏向アレー1200の各素子において、2101及び2102は図91と同様である。2201〜2203は図92と同様である。800a、800b、800c、800d及び801、802は図98と同様である。図102(a)は、実施形態30の光偏向アレー1200の上面図である。図102(b)は、各素子が任意の光偏向を行っている場合の光偏向アレー1200のA-A'線の断面図である。
【0127】
図102(b)は板状部材2104の近傍の雰囲気が通常の大気である場合を模式的に示している。一つの素子(左端の素子)の板状部材2104が傾斜変位したことにより板状部材2104直下の大気が圧力を受け、隣接する素子(中央の素子)へ浮力を及ぼすことになる。それにより、隣接する素子は白抜き矢印で示した目的の方向への変位を妨げられることになる。板状部材2104の近傍の雰囲気をほぼ真空にすることにより、光偏向アレー1200においては、上記浮力の影響を抑制することができる。単体の光偏光装置においては、空気中の埃などが入らないように装置周囲をカバーで覆うようにパッケージ化した場合、電圧印加による板状部材2104の急速な傾斜の変化に対して雰囲気の気体が粘性抵抗となり、わずかな応答遅れが生ずることを防ぐことができる。
【0128】
次に、第31の実施形態を説明する。この実施形態の光偏向装置2100は、板状部材2104の近傍の雰囲気が不活性な気体である。不活性な気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどがあり、その中では比較的安価であり安全な窒素が望ましい。不活性な気体雰囲気を形成する方法としては、光偏向装置2100をパッケージ化する際に、不活性気体中において封止することにより達成可能である。板状部材の近傍の雰囲気を該不活性な気体とする利点は、雰囲気中の水分を低減することができ、それにより、板状部材が傾斜変位し基板へ接触した時の接触点及び支点部材と板状部材の接触点における固着を抑制できることである。ただし、封入気体が板状部材2104の変位に対して粘性抵抗となるおそれがあれば、なるべく低圧にして封入することが望ましい。
【0129】
画像投影表示装置に本発明を適用した実施例を、図103を用いて説明する。
図103は本発明の光偏向アレー1200を、画像投影表示装置に適用した例を説明する図である。同図において、符号1300は画像投影表示装置、符号1301は光スイッチ手段、符号1302は光源、符号1303はレンズ、符号1304は絞り、符号1305は回転カラーホール、符号1306はマイクロレンズアレー、符号1310は投影スクリーンをそれぞれ示す。
光偏向装置2100または光偏向アレー1200のいずれも、画像投影データの表示(すなわち画素の明暗表示)装置の光スイッチ手段として用いることができる。したがって、画素の明暗制御(すなわち光スイッチのON/OFF制御)が良好で、迷光(反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光)を抑制でき、高速な動作が可能で、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動でき、かつコントラスト比を向上できる。この実施例では光偏向アレー1200を用いている。
【0130】
画像を投影して表示する画像投影表示装置1300は、投影画像データの入射光束(R)の反射方向を変えて光偏向を行なって画像を投影する光偏向アレー1200からなる光スイッチ手段1301が画像を投影スクリーン1310に投影して表示するようになっている。上記光スイッチ手段1301は、光源1302からの入射光束(R)が光偏向アレー1200に照射され、光偏向アレー1200内の各素子の板状部材2104の光反射面により反射し、投影レンズ1303、及び、絞り1304を介して上記投影スクリーン1310に投影する。カラー表示を行うためには、上記光源1302の前に回転カラーホール1305を設けてもよい。性能向上のためにマイクロレンズアレー1306を用いることも出来る。したがって、入射光の反射方向を変えて光偏向を行う、構造が簡単で応答も速く、使用する入射光(R)の波長が制限されることなく、駆動電圧が低く作動が安定で信頼性も高く、製造工程が少なく低コストの光偏向アレー1200を具備する画像投影表示装置1300を提供することが出来るようになった。
【0131】
次に、画像投影表示装置における光偏向アレー1200の好ましい配置の仕方について説明する。すなわち、光偏向アレー1200の各素子の、板状部材2104の中立位置における光反射面の法線方向が重力の作用方向とほぼ同方向になるように配置する。本発明の光偏向アレー1200を画像投影表示装置に用いる場合、このように配置することにより、基板表面2101に形成された支点部材に板状部材2104が接触する場合に板状部材2104に重力が作用するので、どの電極の方向への板状部材2104の傾斜も、重力が均等に作用し、偏りがない。それにより、板状部材2104が傾斜変位する場合にさらに安定した動作、すなわち、長期信頼性や繰り返し再現性のある動作を得ることが出来る。本発明の光偏向装置2100は偏向ミラーに相当する板状部材が固定端を有していないので、より効果的である。なお、図103は一般的な使い方を説明する図であるため、光偏向アレー1200の各素子の板状部材2104の中立位置の向きについて特定の方向を示していないが、この配置を採用する場合は、必要に応じて、中間に反射鏡などを使えば目的を達成することができる。また、光偏向アレーの代わりに光偏向装置を用いる場合でも、同様に上記配置は有効である。
【0132】
画像形成装置に本発明を適用した実施例を、図104を用いて説明する。
図104は、本発明の光偏向アレー1200を複写機等の画像形成装置に適用した例を示す図である。図において、画像形成装置1400 は、主な機能ブロックとして、ドラム形状の感光体の画像担持体1401と、潜像形成手段1402と、現像手段1403と、転写手段1404と、帯電手段1405と、定着手段1406と、排紙トレイ1407と、クリーニング手段1408とからなる。
本実施例は、光偏向アレー1200を潜像形成手段1402に組み込むことから、光書込み時のON/OFF制御が良好で、迷光(反射方向が乱れた時に発生する隣接素子からの反射光)を抑制でき、高速な動作が可能で、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動でき、かつS/N比を向上できる。
【0133】
潜像形成手段1402以外は周知の画像形成手段であるので、それらについての詳細な説明は省略する。画像担持体1401は図示の矢印D方向に回転可能に保持されて形成画像を担持する。潜像形成手段1402は本発明の光偏向アレー1200をライン露光型の露光手段として用いる。
帯電手段1405で均一に帯電された感光体上に、潜像形成手段1402で光書き込みが行なわれて潜像が形成される。すなわち、入力された画像データに対応して光偏向アレー1200の各素子のスイッチングが行われ、形成された潜像は現像手段1403で顕像化されトナー画像が形成され、形成されたトナー画像は転写手段1404で被転写体(P)に転写されて、定着手段1406で定着された後に、被転写体(P)は排紙トレイ1407に排紙されて収納される。他方、トナー画像を上記転写手段1404で被転写体(P)に転写した後の上記画像担持体1401のドラム形状の感光体は、クリーニング手段1408でクリーニングされて次工程の画像形成に備えるようになっている。
【0134】
上記潜像形成手段1402は、光源1402aからの入射光束(R)を、第1のレンズシステム1402bを介してアレー状に複数個配置された素子に照射し、各素子は画像情報に応じて、反射手段としての光偏向アレー1200を経て入射光束(R)を第2のレンズシステム1402cを通して画像担持体1401のドラム形状の感光体上の表面に結像させるようになっている。従って、入射光の反射方向を変える光偏向の構造が簡単で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、駆動電圧が低く、作動が安定で信頼性も高く、製造工程が少なく低コストの光偏向アレー1200を具備する画像形成装置1400を提供することが出来るようになった。
【0135】
光伝送装置に本発明を適用した実施例を、図105を用いて説明する。
図105は2次元的に配列された本発明の光偏向アレー1200を光伝送装置に適用した例を示す図である。
図105(a)は複数のポートから複数のポートへの光電送の例、図105(b)は単数のポートから複数のポートへの光電送の例を示す図である。
図105(a)において、光伝送装置1500は、基本構成として、光信号入力部1502と、1段目の光偏向アレー1503と、その制御装置1504と、2段目の光偏向アレー1505と、その制御装置1506と、光信号出力部1507と、信号伝達ポート1508とを有する。
図105(a)において、光偏向アレー1200を、入力光情報信号の反射方向を変えて出力光情報信号のポートを決定する光スイッチ手段として用いることから、2軸方向の光偏向を容易に正確に行うことが出来、それによりポートの選択の制御が良好で、隣接ポートへの迷光を抑制でき、高速な光路切り替えが可能で、長期的な信頼性が高く、低電圧で駆動でき、かつ同一基板上に集積化できる。
【0136】
光情報信号が複数の信号伝達ポート1508を有する光信号入力部1502から本発明の光伝送装置1501に入力され、それが2段の光偏向アレー1503及び1505により2軸方向に偏向され、出力ポートを選択して複数の信号伝達ポート1508を有する光信号出力部1507から出力される。本実施例においては、光偏向角を大きく取るために1段目の光偏向アレー1503及び2段目の光偏向アレー1505の2段としたが、選択するポートの数によっては、光偏向アレーは1個でも良い。光偏向アレー1503及び1505は、それぞれの光偏向アレー内の各素子を同時にかつ独立して駆動制御するための制御装置1504及び1506をそれぞれ具備している。なお、これまでの説明では分かりやすくするため、信号入力部と信号出力部、あるいは、入力ポートと出力ポートは相異なるものとして説明してきたが、光伝送は、通常、双方向伝送が可能なので、実際は”信号入出力部”、あるいは、”入出力ポート”として、信号入力部と信号出力部、あるいは、入力ポートと出力ポートを区別する必要はない。
【0137】
光伝送装置の他の実施例を図105(b)を用いて説明する。この実施例の構成は、1個の入出力ポート1511を有し、単体の光偏向装置2100と、光偏向装置2100の選択可能な反射光の方向の数だけの入出力ポート1514のみを有した信号入出力部1513を有している。図は実施形態26に示す光偏向装置2100を用いる場合を示しているが、この実施形態では、選択可能な反射光の方向は4方向あるので、一方の入出力ポートとして1個であっても、他方の入出力ポートとしては4個まで設定し得る。図の光路を示す実線は、光偏向装置2100によって1つの入出力ポート1514が選択されている場合を示し、破線は他の入出力ポートに切り換えられた場合を示す。図では反射鏡1512を介して入出力ポート1511と光偏向装置2100とを光学的に接続しているが、反射鏡をやめて、入出力ポート1511を信号入出力部1513の中心部に配置することもでき、構造的には非常に簡単になる。さらに、このような組み合わせの入出力ポートのセットを複数セット一体化して用いることもできる。
【0138】
次に、光偏向装置の製造方法について説明する。
図106は光偏向装置2100または光偏向アレーの製造工程を示す図である。
図106(a)〜(h)に、第26の実施形態に示す光偏向装置2100を例に取り、代表的な工程に沿って示した。図106(a)〜(h)は同実施形態におけるB-B'線上の断面概略図である。
シリコン基板上に複数の区画を形成する。区画の並べ方は1次元でも2次元でもよい。単体の光偏向装置を得る目的であれば、各区画の間に切り離しのためのマージンを設けておく。光偏向アレーを得る目的であれば、各区画は密着させて形成する。
【0139】
図106(a):シリコン基板2101上に、支点部材の誘電層801を構成するシリコン酸化膜1601がプラズマCVD法により堆積され、
その後、面積階調を有するパターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法やレジストパターン形成後熱変形させる写真製版法により、支点部材の形状とほぼ同形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により目的形状の誘電層801が形成される。
図106(b):電極800b、800d及び支点部材の導電層802を窒化チタン(TiN)膜の薄膜で形成する。図に見えない電極800a、800cもこのとき同時に形成される。
TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により成膜し、写真製版法及びドライエッチング法の手法により複数の電極としてパターン化した。
【0140】
図106(c):非晶質のシリコン膜をスパッタ法により堆積させ、CMP技術を用いて処理時間制御にて平坦化した。
残存する非晶質シリコン膜が第1の犠牲層1602である。なお、犠牲層としては上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜(一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜)や多結晶シリコン膜などを用いることも出来、平坦化の手法としては、熱処理によるリフロー法やドライエッチングによるエッチバック法を用いることも出来る。
図106(d):板状部材の誘電体層2201としてシリコン窒化膜をプラズマCVD法により堆積させ、写真製版法及びドライエッチング法の手法によりパターン化し、開口部2203及び誘電体層2201を形成した。引き続き光反射領域を兼ねる導電体層2202となるアルミニウム系金属膜をスパッタリング技術により堆積させ、写真製版法及びドライエッチング法によりパターン化した。
【0141】
図106(e):非晶質なシリコン膜をスパッタ法により堆積させ、第2の犠牲層1603とした。やはり犠牲層としては上記シリコン膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜(一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜)や多結晶シリコン膜などを用いることも出来る。第2の犠牲層1603は第1の犠牲層1602と同じ材質であることが望まれる。
図106(f):光偏向装置2100を個別に分離し、板状部材の周囲に規制部材2102を配置するために、写真製版法及びドライエッチング法により、第1の犠牲層1602及び第2の犠牲層1603を同時に板状部材よりやや広くパターン化した。
図106(g):規制部材2102を構成するシリコン酸化膜をプラズマCVD法により堆積させ、写真製版法及びドライエッチング法により任意の箇所にパターン化し規制部材2102とした。
図106(h):残存する第1の犠牲層1602及び第2の犠牲層1603を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)液によるウェットエッチング技術により、規制部材2102近傍の開口部を通してエッチング除去し、板状部材2104を可動範囲が制限された空間に配置して、本発明の光偏向装置が完成する。
【0142】
次に、第25の実施例における光偏向装置の製造方法について説明する。この製造方法は、光偏向装置2100の製造方法の一部の工程であり、少なくとも、複数の電極上に誘電性薄膜を堆積させる工程を有し、その薄膜をパターン化し凸部位を形成する工程を有する。
図107は光偏向装置2100の支点部材の斜面の凸部位を形成する工程を示す図である。
図107(a)〜(i)に、代表的な工程にを示した。図107(a)〜(i)はB-B'線上の断面概略図である。
【0143】
図107(a):シリコン基板2101上に、支点部材を構成するシリコン酸化膜がプラズマCVD法により堆積され、その後、面積階調を有するパターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法やレジストパターン形成後熱変形させる写真製版法により、支点部材の形状とほぼ同形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により目的形状の支点部材601が形成される。
図107(b):電極2301及び支点部材の導電性を有する部材602を窒化チタン(TiN)膜の薄膜で形成する。
TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により成膜し、写真製版法及びドライエッチング法の手法により複数の電極としてパターン化した。
【0144】
図107(c):板状部材と電極の電気的短絡を防止するための絶縁膜603としてシリコン酸化膜がプラズマCVD法により堆積され、その後写真製版法及びドライエッチング法の手法により目的形状の凸部位701が任意の箇所にパターン化される。なお、この時同時に板状部材の電位を付与するために支点部材の頂部近傍が開口される。
図107(d):非晶質のシリコン膜をスパッタ法により堆積させ、CMP技術を用いて処理時間制御にて平坦化した。
残存する非晶質シリコン膜が第1の犠牲層1702である。なお、犠牲層としては上記膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜(一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜)や多結晶シリコン膜などを用いることも出来、平坦化の手法としては、熱処理によるリフロー法やドライエッチングによるエッチバック法を用いることも出来る。
【0145】
図107(e):板状部材2104として、光反射領域を兼ねて導電性を有するアルミニウム系金属膜をスパッタリング技術により堆積させ、写真製版法及びドライエッチング法によりパターン化した。
図107(f):非晶質のシリコン膜をスパッタ法により堆積させ、第2の犠牲層1703とした。やはり犠牲層としては上記シリコン膜以外にもポリイミド膜や感光性有機膜(一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜)や多結晶シリコン膜などを用いることも出来る。第2の犠牲層1703は第1の犠牲層1702と同じ材質であることが望まれる。
【0146】
図107(g):光偏向装置2100を個別に分離し、板状部材の周囲に規制部材2102を配置するために、写真製版法及びドライエッチング法により、第1の犠牲層1702及び第2の犠牲層1703を同時に板状部材2104よりやや広くパターン化した。
図107(h):規制部材2102を構成するシリコン酸化膜をプラズマCVD法により堆積させ、写真製版法及びドライエッチング法により任意の箇所にパターン化し規制部材2102とした。
図107(i):残存する第1の犠牲層1702及び第2の犠牲層1703を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)液によるウェットエッチング技術により、規制部材2102近傍の開口部を通してエッチング除去し、板状部材を可動範囲が制限された空間に配置して、本発明の光偏向装置が完成する。
【0147】
ここで、支点部材2103の形状について、図108、図109を用いて説明する。
図108(a)は基本となる円錐体を示した図である。この図では、円錐体2103の頂部2103aは鋭い尖端となっている。板状部材2104に静電引力が作用したとき、これを支えるに当たって、両部材の接触点に応力が集中するため、該尖端形状を維持しきれなくなるおそれもあるので、図108(b)のように、頂部2103aを小さな球状に形成すると、安定した作動が得られるので良い。図108(a)、(b)どちらの形状の場合も、図108(c)に示すように、円錐体底面の下に該底面の径と同型の底面を有する円柱とを合体させた形状にするとさらによい。すなわち、支点部材の高さを同じにする場合、円錐体の頂角を大きくすることができるので、頂部の強度的安定性が得られる。このような形状にしても、使用上は全く同じに扱える。
【0148】
頂部を球状にする代わりに、平面にしても構わない。図109(a)のように円錐台形状にして、尖端形状をなくすと、応力集中の心配がさらになくなり、支点部材の破損などの危険性がより少なくなる。図108(c)と同様に、円錐台の底面の下に、該底面の径と同型の底面を有する円柱を合体させた図109(b)のような形状でも構わない。効果は図108(c)の場合とほぼ同様である。頂部2103aの面積があまり大きくならなければ図109(c)のように単なる円柱でも一応使うことはできる。この形状は円錐体の部分は無いが、製造が容易である。
【0149】
図110、111に、図97で示した本発明の第25実施形態における凸部位に対する、変形実施形態を示す。
図110において符号2005は凸部位を示す。凸部位2005は、図97に示した実施例の凸部位701と同様の製造方法により得られ、同様の役割を果たすものであるが、その形状が凸部位701とは異なっている。
凸部位2005は絶縁性膜により、4個の電極2301の上に、複数の帯状に配列されている。帯の幅、間隔、長さなどは、前述したとおり、板状部材2104が弾性変形により凹部位の電極2301へ接触しない範囲で任意の形状として、静電引力と板状部材の剛性の関係から設計することができる。凸部位を形成する斜面は、図97に示す尾根状の頂部を有する柱状体の支点部材に限らず、図101の実施例で述べた、多角錐体の斜面でも良い。
凸部位を形成するためのフォトマスクを作成するに際し、これら凸部位の大きさは解像限界に近いため、図97に示した円形のみの構成では精度が低下しやすい。そこで、本実施例のように、帯状に構成することによって面積的に大きくして、精度を出しやすくする。
【0150】
図111において符号2105は凸部位を示す。凸部位2105は、図97に示した実施例の凸部位701とは一部異なる製造方法により形成されるが、その他に関しては上記凸部位2005と同様である。
凸部位2105は、電極2301の上に載っているのではなく、電極と電極の間に突出しているような構成となっている。
【0151】
凸部位2105は、4個の電極を形成する前に、支点部材601の形成時に、所定のパターンによって形成しておく。支点部材601が絶縁性材料で形成されている場合は、支点部材601自身の表面をパターン化すれば良いが、支点部材601が導電性部材の場合は、支点部材601形成後表面に絶縁性膜を施してから、所定のパターンによって帯状の絶縁性凸部位2105を形成する。電極2301は凸部位2105の周囲の平坦部にのみ形成する。ただし、これとは別に、支点部材601の頂部には、板状部材2104に電位を供給するための導電部材602を形成する必要があるが、工程上は、上記電極2301を形成するときに、一緒に形成することができる。電極2301を凸部位以外のところにだけ設ける理由は、凸部位の下に電極がある場合は、凸部位表面に分極による静電荷が発生して、これが板状部材2104を吸着してしまう虞があるからである。この吸着が強くなると、電極に対する印加電圧が消滅した後も、板状部材2104が凸部位に吸着したまま離れない、いわゆる固着現象が発生することもある。
【0152】
図112は、図101に示した第9の実施例の円形の光偏向装置2100を、最稠密状態に並べて2次元的なアレー状に構成する場合の、規制部材の実施形態を示す図である。図は説明を容易にするため、最小の構成を示してあるが、実用上はこのような構成が縦及び横に多数配列されたものが使用される。
図において、符号2102’は2個の光偏向装置に共有された複合規制部材を示す。一般に円を最稠密に並べた場合、1つの円の周囲には6個の円が等間隔に隙間無く並ぶ。したがって、規制部材2102は基板2101の円周上に等間隔に6個形成すると隣接する基板2101と規制部材の位置を一致させることができる。複数の光偏向装置2100を集積化して一度に作る場合、規制部材の位置が一致していると両者を一体化して複合規制部材2102’として形成することができる。特に図示はしないが、1次元アレーの場合でも隣接する基板同士の規制部材を一体化することができるのは同じである。ただし、1次元の場合の規制部材の個数は、図101に示す4個でも構わない。また、2次元アレーであっても、正方マトリクス状に配列する場合は、基板同士は縦、及び、横に連結されるので、規制部材は図101のように4個が丁度良い。
【0153】
図113は規制部材2102の変形実施形態を説明するための斜視図である。
図114は上記変形実施形態の規制部材2102を用いた光偏向装置2100の断面図である。
図113(a)に示す規制部材2102は、直立部2102cの頂部に設けられたストッパ2102aの突出方向とは逆方向に突出した延長基部2102bを直立部2102cの下端部に有する。この規制部材2102は、図91、あるいは、図101に示すような、基板2101の周縁部に規制部材を設ける場合に用いる。図114からも分かるように、板状部材2104の可動範囲として規制される空間は、規制部材2102の延長基部2102bの有る分だけ、基板2101よりも小さい範囲に限定される。このようにする理由は、規制部材2102が基板2101と接合する部分の面積があまり小さいと、わずかな応力にも破損しやすくなる虞があるためで、延長基部2102bによって上記接合面積を大きくすることによって、十分な強度が得られるようになる。
【0154】
図113(b)に示す規制部材2102は、図94に示すような角部における規制部材に関して、上記接合面積を大きくしたものである。使用法、及び、効果は上記と同じなので説明を省略する。
【0155】
図115は規制部材の更なる変形実施形態を示す斜視図である。
図116、117は変形実施形態の規制部材の使用例を示す断面図である。
図において、符号2102’は図112と同様、2個の光偏向装置に共有される複合規制部材を示す。複数の光偏向装置を並べてアレー状にして用いる場合、隣接する光偏向装置の連結位置において、規制部材を共有することができる。図102、あるいは、図112にその例が示されている。図115(a)に示す複合規制部材2102’は、図113に示した規制部材2102の変形であり、2個の規制部材の延長基部同士をつきあわせて連結した形の基部2102’bを有している。逆に言えば、隣接する2個の基板2101の境界線K上に、両基板に等分に跨って横たわる平板状の基部2102’bの対向する両端に、直立部2102’cを設け、両直立部2102’cの頂部に、前記境界線Kと逆方向に突出するストッパ2102aをそれぞれ設けた形となっている。
【0156】
図115(b)に示す複合規制部材2102’は、上記と同様な位置において、図91に示す規制部材2102を2個、ストッパの存在しない側の面を、互いに密着させて連結した形になっており、アルファベットのTの字の形に似ている。この構成では、図115(a)に示す直立部2102’cを2枚合わせた厚さ、または、それ以上の厚さとし、基板2101と接合する部分の面積が大きくしてあるので、特に基部としての形状を持たないが、十分な強度を有することになる。
【0157】
図118ないし図127は、本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
図において、符号2802、2803、2804は第1、第2、第3の犠牲層をそれぞれ示す。
基板2101上に支点部材2103を形成する(図118)。
面方位[100]を有するシリコン基板2101上に、支点部材2103を構成する酸化シリコン膜がプラズマCVD法により堆積され、その後、面積階調を有する、パターンを形成したフォトマスクを用いた写真製版法や、レジストパターン形成後熱変形させる写真製版法により、支点部材2103とほぼ同じ形状の任意の膜厚を有するレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチング法の手法により目的形状の支点部材2103が形成された。
なお、上記[100]面方位を有するシリコン基板2101上に2μm程度の酸化シリコン膜を形成し、その上層1μm程度にて同様の加工を行っても良い。
また、支点部材2103の頂部2103aの高さはおよそ1μmである。
【0158】
次いで、複数の電極2301を形成する(図119)。
電極2301は窒化チタン(TiN)の薄膜で形成する。TiN薄膜は、TiをターゲットとしたDCマグネトロンスパッタ法により、厚さ0.01μmに成膜し、写真製版法、及び、ドライエッチング法の手法により、複数の、たとえば、4個の電極2301としてパターン化した。
次に、電極2301の上に保護膜2301aを形成する(図120)。
保護膜2301aとしては、プラズマCVD法により、シリコン窒化膜を膜厚0.2μmで形成した。
【0159】
次に、第1の犠牲層2802を形成する(図121)。
第1の犠牲層2802として、非晶質シリコン膜をスパッタ法により2μm堆積させ、CMP技術を用いて処理時間制御にて、支点部材2103の頂部2103aが露出させ、さらに時間をオーバーさせて平坦化させる。このとき、支点部材2103、及び、保護膜2301aとの研磨選択性の高いCMP条件とすることにより、支点部材2103の頂点近傍では、頂部2103aが残存し、非晶質シリコン膜が薄く存在する。支点部材2103の頂点部が約0.2μm突出した。残存する非晶質シリコン膜が第1の犠牲層2802で有る。第1の犠牲層としては、上記以外にも、ポリイミド膜や感光性有機膜、あるいは、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることもできる。また、平坦化の手法としては、ドライエッチングによるエッチバック法を用いることもできる。
【0160】
次いで、第2の犠牲層2803を形成する(図122)。
非晶質シリコン膜をスパッタ法により支点部材2103の先端部まで含めて0.1μm堆積させた。
【0161】
次に、板状部材2104の誘電体層2201と導電体層2202を形成する(図123)。
誘電体層2201となる基材として、シリコン窒化膜をプラズマCVD法により、厚さ0.2μmで堆積させ、引き続き、光反射領域を兼ねる導電体層2202となる、アルミニウム系金属膜を0.05μmの厚さで、スパッタリング技術により堆積させた。その後、上記金属膜と上記シリコン窒化膜を、それぞれ、写真製版法、及び、ドライエッチング法によりパターン化した。後の工程で、基板2101の周縁部に、規制部材2102を形成するためのスペースを残すため、誘電体層2201は基板2101より小さめに形成する。また、導電体層2202は、誘電体層2201の上に載るように、それより小さめに形成する。
【0162】
次に、第3の犠牲層2804を形成する(図124)。
非晶質のシリコン膜をスパッタ法により、1μm堆積させ、第3の犠牲層2904とした。なお、第3の犠牲層としては、上記以外にも、ポリイミド膜や感光性有機膜、あるいは、一般的に半導体プロセスにて用いられるレジスト膜や多結晶シリコン膜などを用いることもできる。
【0163】
次に、規制部材2102を形成するスペースを作る(図125)。
写真製版法、及び、ドライエッチング法により、第1の犠牲層、第2の犠牲層、および第3に犠牲層を同時にパターン化して、基板2101の周縁部に沿った部分を除去し、規制部材2102用のスペースを形成する。このとき、残す犠牲層の大きさは誘電体層2201が露出しないように誘電体層2201の大きさよりも大きくしておく。
【0164】
次に、規制部材2102を形成する(図126)。
酸化シリコン膜をプラズマCVD法により厚さ0.8μmで堆積させ、写真製版法、及び、ドライエッチング法により、パターン化して、規制部材2102を形成した。なお、規制部材2102は図示の形状に限るものではなく、図113、115に示したように種々の変形があり得る。
【0165】
最後に、犠牲層の除去を行う(図127)。
残存する第1ないし第3の犠牲層、2802、2803および2804を、ウェットエッチング技術により、開口部を通してエッチング除去し、反射面を有した板状部材2104の可動範囲が、基板2101と、規制部材2102と、支点部材2103によって所定の空間に規制された光偏向装置2100が得られた。
【0166】
この製造方法では、板状部材2104の裏面の中央部が、支点部材2103と凹凸の関係で組み合わさるようになり、板状部材2104が電極2301から静電引力を受けて傾斜する場合にも、横滑りが生ぜず、中央部が常に一定した位置にあるので、マイクロミラーデバイスとして用いた場合、反射光の方向制御が精度良くできるようになる。
【0167】
本発明の作用効果を全体的に述べると、ミラーの役割をする板状部材が斜面や基板に接触して傾斜角が決まることから、ミラーの偏向角の制御が容易かつ安定である。支点部材を中心として対向する電極に異なる電位を印加することにより高速に板状部材を反転できるので、応答速度が速くできる。板状部材が固定端を有していないのでねじり変形などの変形を伴わず長期的な劣化が少なく低電圧で駆動できる。半導体製造技術により微細で軽量な板状部材を形成できるので、規制部材との衝突による衝撃が少なく、長期的な劣化が少ない。規制部材や板状部材の構成を任意に決めることにより、反射光のON/OFF比(画像機器におけるS/N比、映像機器におけるコントラスト比)を向上できる。半導体製造技術及び装置を使用できるので低コストにて微細化と集積化が可能である。また、支点部材を中心として複数の電極を配置することにより、1軸及び2軸方向の光偏向が可能である。
【0168】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、請求項1、5の発明によれば、入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う構造と制御が簡単容易で作動が安定で応答も速く、使用する入射光の波長が制限されることなく、機械的強度が長期間使用時にも変化と劣化が少なく、駆動電圧が低く省資源で、微細化と集積化が可能で低コストで、使用環境も制限されない光偏向装置を提供することが出来る。
【0181】
請求項4記載の発明によれば、上記光偏向装置の製造方法を提供出来る。
【0183】
請求項9記載の発明によれば、この発明の光偏向装置を具備する光情報処理装置を提供できる。
【0184】
請求項10記載の発明によれば、この発明の光偏向装置を具備する画像投影表示装置を提供出来る。
【0185】
請求項11記載の発明によれば、この発明の光偏向装置を具備する光伝送装置を提供することが出来る。
【0199】
請求項7記載の発明によれば、請求項5記載の光偏向装置の製造方法を提供できる。
請求項8記載の発明によれば、請求項6記載の光偏向装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光偏向装置を説明する図2のA−A線断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す光偏向装置の主要部の状態を説明する説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す光偏向装置の主要部の他の状態を説明する説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図6のB−B線断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する説明図である。
【図8】図7の変形例の欠点を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部を説明する図10のD−D線断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の変形例を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図14のE−E線断面図である。
【図14】図13の平面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図16】本発明の第4の実施形態の変形例を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図17】本発明の第5の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図18のF−F線断面図である。
【図18】図17の平面図である。
【図19】本発明の第6の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図14のG−G線断面図である。
【図20】図19の平面図である。
【図21】本発明の第6の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図22】本発明の第6の実施形態の変形例を示す光偏向装置の主要部を説明する拡大斜視図である。
【図23】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図24のH−H線断面図である。
【図24】図23の平面図である。
【図25】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図26のI−I線断面図である。
【図26】図25の平面図である。
【図27】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部を説明する平面図である。
【図28】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の動作を説明する図27のJ−J線断面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のJ−J線断面図である。
【図30】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のK−K線断面図である。
【図31】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のJ−J線断面図である。
【図32】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のK−K線断面図である。
【図33】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のJ−J線断面図である。
【図34】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置の他の主要部の他の動作を説明する図27のK−K線断面図である。
【図35】本発明の第7の実施形態を示す光偏向装置における静電力の発生を説明する図27のL−L線断面図である。
【図36】本発明の第8の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図37のP−P線断面図である。
【図37】図36の平面図である。
【図38】本発明の第9の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図39のQ−Q線断面図である。
【図39】図38の平面図である。
【図40】本発明の第10の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図41のR−R線断面図である。
【図41】図40の平面図である。
【図42】本発明の第11の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図43のS−S線断面図である。
【図43】図42の平面図である。
【図44】本発明の第11の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する説明図である。
【図45】本発明の第12の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図46のT−T線断面図である。
【図46】図45の平面図である。
【図47】本発明の第13の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明する図48のU−U線断面図である。
【図48】図47の平面図である。
【図49】本発明の第14の実施形態を示す光偏向装置を説明する説明図である。
【図50】本発明の第15の実施形態を示す光偏向装置を説明する説明図である。
【図51】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図52】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図53】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図54】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図55】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図56】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図57】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図58】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図59】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図60】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図61】本発明の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の他の主要部の工程を説明する説明図である。
【図62】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図63】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図64】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図65】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図66】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図67】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図68】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図69】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図70】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図71】本発明の他の実施形態に示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図72】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図73】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図74】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図75】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図76】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図77】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図78】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図79】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図80】本発明の更に他の実施形態を示す光偏向装置の製造方法の主要部の工程を説明する説明図である。
【図81】本発明の実施形態に示す光偏向装置を具備する画像形成装置を説明する説明図である。
【図82】本発明の実施形態に示す光偏向装置を具備する画像投影表示装置を説明する説明図である。
【図83】本発明の実施形態に示す光偏向装置を具備する光伝送装置を説明する説明図である。
【図84】本発明の第16の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
【図85】図84のA−A’線断面図である。
【図86】本発明の第17の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
【図87】図86のA−A’線断面図である。
【図88】本発明の第18の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
【図89】本発明の第19の実施形態を示す光偏向装置の主要部を説明するための平面図である。
【図90】図89のA−A’線断面図である。
【図91】本発明の第20の実施形態を説明する図である。
【図92】本発明の第21の実施形態を説明する図である。
【図93】本発明の第22の実施形態を説明する図である。
【図94】本発明の第23の実施形態を説明する図である。
【図95】第23の実施形態に適用する支点部材の変形例を示す図である。
【図96】本発明の第24の実施形態を説明する図である。
【図97】本発明の第25の実施形態をを説明する図である。
【図98】本発明の第26の実施形態をを説明する図である。
【図99】図98における光偏向装置2100の、リセット動作時のD-D'線の断面図である。
【図100】本発明の第27の実施形態を説明する図である。
【図101】本発明の第28の実施形態を説明する図である。
【図102】本発明の第29の実施形態を説明する図である。
【図103】本発明の光偏向アレー1200を、画像投影表示装置に適用した例を説明する図である。
【図104】本発明の光偏向アレー1200を複写機等の画像形成装置に適用した例を示す図である。
【図105】本発明の光偏向アレー1200を光伝送装置に適用した例を示す図である。
【図106】本発明の光偏向装置2100または光偏向アレー1200の製造工程を示す図である。
【図107】第24の実施例の斜面の凸部位を形成する工程を示す図である。
【図108】支点部材の形状について説明するための図である。
【図109】支点部材の形状について説明するための図である。
【図110】本発明の第25実施形態における凸部位に対する、変形実施形態を示す図である。
【図111】本発明の第25実施形態における凸部位に対する、変形実施形態を示す図である。
【図112】規制部材の実施形態を示す図である。
【図113】規制部材の変形実施形態を説明するための斜視図である。
【図114】変形実施形態の規制部材を用いた光偏向装置の断面図である。
【図115】規制部材の更なる変形実施形態を示す斜視図である。
【図116】変形実施形態の規制部材の使用例を示す断面図である。
【図117】変形実施形態の規制部材の使用例を示す断面図である。
【図118】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図119】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図120】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図121】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図122】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図123】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図124】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図125】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図126】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【図127】本発明の他の実施形態に係わる光偏向装置の製造手順を示す図である。
【符号の説明】
0 光偏向装置
1 反射手段
1a 反射面
1b アルミニウム系金属膜
2 板形状部材
2a 湾曲形状部
2b 導電性領域
2c シリコン窒化膜
2d 接触部
3 基板
3a 窪み形状部
3b (100)面方位を有するシリコン基板
3c 絶縁膜
4 支点部材
4a 円形状部
4a1 円柱形状
4b 円錐形状部
4b1 点形状
4b2 丸形状
4c 長方形状部
4d,4d1,4d2,4d3,4d4 斜面
4e 尾根形状部
4e1 線形状
4e2 丸形状
4f 酸化シリコン膜
4g シリコン窒化膜
5 笠形状部材
5a1〜n 笠形状部材
5b 絶縁膜
5c 透光性膜
5d 酸化シリコン膜
5e 遮光性膜
5f 酸化クロム膜
6,6a1,6a2,6a3,6a4 電極
6b 保護膜
7 犠牲層
7a 第1の犠牲層
7b 第2の犠牲層
7c 第3の犠牲層
10 1次元光偏向アレー
20,20a,20b 2次元光偏向アレー
100 光情報処理装置
101 独立駆動手段
102 光源
103 第1のレンズシステム
104 第2のレンズシステム
105 投影レンズ
106 絞り
107 回転カラーホール
108 マイクロレンズアレー
200 画像形成装置
201 画像担持体
202 潜像形成手段
203 現像手段
204 転写手段
205 帯電手段
206 定着手段
207 排紙トレイ
208 クリーニング手段
300 画像投影表示装置
301 光スイッチ手段
302 投影スクリーン
400 光伝送装置
401 光信号入力手段
401a,401a1,401a2 信号入力伝達ポート
402 光スイッチ手段
402a,402a1 制御装置
403 光信号出力手段
403a,403a1,403a2 信号出力伝達ポート
(a1) 基板上支点部材形成工程
(a2) 電極形成工程
(a3) 保護膜形成工程
(a4) 第1の犠牲層形成工程
(a5) 反射手段と板形状部材形成工程
(a6) 第2の犠牲層形成工程
(a7) 笠形状部材パターン化工程
(a8) 笠形状部材形成工程
(a9) 犠牲層除去工程
(b1) 基板上支点部材形成工程
(b2) 電極形成工程
(b3) 保護膜形成工程
(b4) 第1の犠牲層形成工程
(b5) 第3の犠牲層形成工程
(b6) 反射手段と板形状部材形成工程
(b7) 第2の犠牲層形成工程
(b8) 笠形状部材パターン化工程
(b9) 笠形状部材形成工程
(b10) 犠牲層除去工程
(c1) 基板上窪み形状部と支点部材形成工程
(c2) 電極形成工程
(c3) 保護膜形成工程
(c4) 第1の犠牲層形成工程
(c5) 反射手段と板形状部材形成工程
(c6) 第2の犠牲層形成工程
(c7) 笠形状部材パターン化工程
(c8) 笠形状部材形成工程
(c9) 犠牲層除去工程
601 支点部材
602 導電部材
603 絶縁性膜
701 凸部位
800 電極
801 絶縁層
802 導電層
1200 光偏向アレー
1300 画像投影表示装置
1301 光スイッチ手段
1400 画像形成装置
1402 潜像形成手段
1500 光伝送装置
1502 光信号入力部
1503 1段目の光偏向アレー
1505 2段目の光偏向アレー
1507 光信号出力部
2100 光偏向装置
2101 基板
2102 規制部材
2103 支点部材
2104 板状部材
2201 誘電体層
2202 導電体層
2301 電極
2401 支点部材
2402 接触部位
Claims (13)
- 入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置であって、
入射光を反射する反射手段および該反射手段を表面に組み合わせ構成する薄膜で形成された板形状の板形状部材と、
平面状部分を有する基板と、
上記基板の平面状部分とともに上記板形状部材を変位が自由な状態で配置される空隙を形成する笠形状部材と、
上記基板の平面状部分に突設され、その微小な頂部が、上記空間内に配置された上記板形状部材の裏面に接離自在で、上記板形状部材の傾斜の支点となる支点部材と、
上記基板の平面状部分に、上記支点部材に対して対称的に形成された複数の電極と、
上記板形状部材に、上記基板の平面状部分に対向し、且つ、電気的に浮いた状態で設けられた導電性領域と、を有し、
上記基板の上記複数の電極に個別に付与される電位の組み合わせに応じ、上記導電性領域に作用する静電引力により、上記板形状部材の裏面を上記支点部材の頂部に引き付け、
上記裏面が上記支点部材の頂部に当接した状態で、上記頂部を支点として傾斜させることにより上記反射手段で入射光の反射方向を変えて光偏向を行うように構成したことを特徴とする光偏向装置。 - 請求項1記載の光偏向装置を1次元アレー状に配列した1次元光偏向アレーを形成したことを特徴とする光偏向装置。
- 請求項1記載の光偏向装置を2次元アレー状に配列した2次元光偏向アレーを形成したことを特徴とする光偏向装置。
- 入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う請求項1〜3の何れか1項に記載の光偏向装置の製造方法において、
基板上に支点部材と電極を形成したのち、これらの上に堆積して平坦化した第1の犠牲層を介して反射手段を表面に組み合わせて構成する薄膜で板形状の板形状部材を形成し、更に堆積した第2の犠牲層の所定の位置に笠形状部材をパターン化した後に、上記第1の犠牲層と上記第2の犠牲層を除去することを特徴とする光偏向装置の製造方法。 - 光反射領域を有する部材に与えられる電位に応じた静電引力により変位することにより、該光反射領域に入射する光束が反射方向を変えて偏向される光偏向装置において、
基板と、複数の規制部材と、支点部材と、板状部材とを有し、
上記複数の規制部材はそれぞれ上部にストッパを有し、上記基板の複数の端部にそれぞれ設けられて、上記板状部材を変位が自由な状態で配置される空隙を上記基板とともに形成し、
上記支点部材は微小な頂部を有し、導電性を有する部材で構成され、上記基板の上面に設けられ、
上記板状部材は上面に上記光反射領域を有し、少なくとも一部に、導電性を有する部材からなる導電体層を有し、上記板状部材は裏面の少なくとも上記頂部と接する接触点が上記導電体層からなり、
上記板状部材の裏面側に対向する上記基板上に複数の電極が上記支点部材の周りに対称的、かつ、上記支点部材と電気的に分離して形成され、
上記板状部材の裏面と上記支点部材の頂部は接離自在であり、
上記板状部材の導電体層の少なくとも一部が、上記電極と対向しており、
上記複数の電極に付与される電位により、上記導電体層に静電引力を作用させて、上記板状部材を上記支点部材の上記頂部に引き付け、上記複数の電極に個別に付与される電位と、上記支点部材を経由して上記板状部材の上記導電体層に付与される電位との電位差に起因した静電引力により上記板状部材を傾斜させることにより上記反射手段で入射光の反射方向を変えて光偏向を行うように構成したことを特徴とする光偏向装置。 - 請求項5記載の光偏向装置を、基板を共通として複数個、1次元又は2次元アレー状に配置したことを特徴とする光偏向アレー。
- 任意の基板上に、少なくとも、支点部材を形成する工程と、
複数の電極及び前記支点部材の導電性を有する部材をパターン化して形成する工程と、
第1の犠牲層を堆積及び平坦化する工程と、
少なくとも1層からなる板状部材をパターン化する工程と、
第2の犠牲層を堆積する工程と、
第1の犠牲層及び第2の犠牲層をパターン化する工程と、
該パターン化された第1及び第2の犠牲層の任意の箇所に規制部材をパターン化する工程と、
該パターン化された第1及び第2の犠牲層をエッチングにより除去する工程と、を有することを特徴とする請求項5記載の光偏向装置の製造方法。 - 任意の基板上に複数の区画を、1次元または2次元状に密着させて形成し、各区画毎に、少なくとも、支点部材を形成する工程と、
複数の電極及び前記支点部材の導電性を有する部材をパターン化して形成する工程と、
第1の犠牲層を堆積及び平坦化する工程と、
少なくとも1層からなる前記板状部材をパターン化する工程と、
第2の犠牲層を堆積する工程と、第1の犠牲層及び第2の犠牲層をパターン化する工程と、
該パターン化された第1及び第2の犠牲層の任意の箇所に前記規制部材をパターン化する工程と、該パターン化された第1及び第2の犠牲層をエッチングにより除去する工程と、を有することを特徴とする請求項6記載の光偏向アレーの製造方法。 - 入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行う光偏向装置を使用して光情報の処理を行なう光情報処理装置において、
複数の上記請求項1または2または3または5または6に記載の光偏向装置と、
複数の上記光偏向装置を各々独立に駆動する独立駆動手段とからなることを特徴とする光情報処理装置。 - 電子写真プロセスで光書き込みを行なって画像を形成する画像形成装置において、
回動可能に保持されて形成画像を担持する画像担持体と、
上記画像担持体上に光書き込みを行なって潜像を形成する請求項1または2または3または5または6に記載の光偏向装置からなる潜像形成手段と、
上記潜像形成手段の上記光偏向装置によって形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段と、上記現像手段で形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段。 - 画像を投影して表示する画像投影表示装置において、
画像投影データの入射光の反射方向を変えて光偏向を行なって画像を投影して表示する請求項1または2または3または5または6に記載の光偏向装置からなる光スイッチ手段と、
上記光スイッチ手段が投影する画像を表示する投影スクリーンとからなることを特徴とする画像投影表示装置。 - 光信号の光路を決定して出力して伝送する光伝送装置において、
光信号を入力する光信号入力手段と、
上記光信号入力手段からの光信号の入射光の反射方向を1軸又は2軸方向に変えて光偏向を行なって、各光信号の光路を決定する請求項1または2または3または5または6記載の光偏向装置からなる光スイッチ手段と、
上記光スイッチ手段からの光信号を出力する光信号出力手段とからなることを特徴とする光伝送装置。 - 請求項12記載の光伝送装置において、
光スイッチ手段は、複数段の光偏向装置からなることを特徴とする光伝送装置。
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