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JP4306107B2 - 通気装置 - Google Patents

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JP4306107B2 JP2000283691A JP2000283691A JP4306107B2 JP 4306107 B2 JP4306107 B2 JP 4306107B2 JP 2000283691 A JP2000283691 A JP 2000283691A JP 2000283691 A JP2000283691 A JP 2000283691A JP 4306107 B2 JP4306107 B2 JP 4306107B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気装置に係り、特に管内の排水を円滑に流れさせるのに好適な通気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置、あるいは液晶パネルといった精密部品は、通常クリーンルーム内で各種製造工程を経て製造される。そして前記製造工程では、成膜工程に用いられる反応ガスや、ウェハ清掃に用いられるPFCガス(パーフルオロカーボン)、あるいはレジスト膜等の除去をなすエッチング液などが種々用いられているが、これらは毒性、腐食性を有しているものが多く、環境保護の観点から、使用済みの気液をそのまま大気中に放出することができないものになっている。
【0003】
図4は、従来のクリーンルームの配管経路を示す配管説明図である。同図(1)に示すようにクリーンルーム1に設置された複数の製造装置2には、グレーチング下方に、排ガス回収用の排気ダクト3と、廃液回収用の排水管4とが接続されており、製造装置2から排出された使用済みの気液を、大気から遮断して回収できるようにしている。そしてこのように排気ダクト3と、排水管4にて廃液を回収するようにすれば、当該廃液から生じるガスが大気中に飛散するのを防止することができるようになっている。
【0004】
なお同図(2)に示すように、排水管4の終端部分に中継タンク5を設け、この上部から連通管6を引き出すとともに、当該連通管6の先端を排気ダクト3に装着し、排水管4内のガスを周囲の大気7とともに、排気ダクト3側に送り出す方法も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した排水管にて廃液を回収する方法では、下記に示すような問題点があった。
すなわち前記排水管は、廃液が大気に触れないようにする目的から、同図(1)および同図(2)の場合においても、その表面に圧力調整用の通気穴が空けられていない。このため製造装置から大量の廃液が排水管に流れ込むと、排水管内に存在するガスの逃げ場が無くなり、当該ガスの圧力が上昇することによって、管内の廃水が円滑に流れなくなるという問題点があった。またガスの圧力上昇によって、製造装置と排水管との間に形成された封水(図示せず)が破壊され、前記ガスが製造装置側に逆流するおそれもあった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、廃液から生じたガスや、廃液自体が大気中に飛散するのを防止しつつ、大量の廃液が排水管に流れ込んでも、円滑に前記廃液を流すことができる通気装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排ガス回収用となる排気ダクトと、廃液回収用となる排水管とを接続する連通管を設け、この連通管に廃液の水位にて管路を遮蔽する手段を設けるようにすれば、排水管内の圧力調整ができるとともに、廃液から生じたガスや、廃液自体が大気中に飛散するのを防止することができるという知見に基づいてなされたものである。
【0008】
すなわち本発明に係る通気装置は、排気ダクトとその下方に位置する排水管との間にこれらを連絡するように前記排水管の天井部から引き出され、負圧に設定された排気ダクトに接続する連通管を設け、この連通管における前記排気ダクト側に大気に開放する空気取込口を形成するとともに、前記連通管における前記排水管側に、フロートにて前記連通管を遮断可能なフロート式開閉手段を設け、前記排水管からの水位に応じて前記連通管の遮断をなすよう構成した。
【0009】
そして少なくとも前記フロート式開閉手段が設けられる前記連通管の範囲を透明部材で形成し、前記フロート式開閉手段の状態を前記連通管の外方より目視可能にすることが望ましい。
【作用】
【0010】
上記構成によれば、排気ダクト内は排ガスを吸引するため大気中に比べ負圧になっている。このため大気中の空気は、常時、空気取込口から連通管内に取り込まれ、排気ダクト側へと流れる。
【0011】
なお連通管は、排気ダクトと排水管とを連結しているので、例えば排水管を流れる廃水の量が増大すると、この廃水の増量分に相当するガスは、排水管から連通管を通じて排気ダクト側に移動する。ここで前述の通り、大気中の空気は、空気取込口から排気ダクト側へと流れているので、排水管から排気ダクト側に移動するガスは、この気流の流れに逆らうことなく、排気ダクト側に移動する(廃水の量が低減する場合は、逆の流れになる)。このため前記ガスが、空気取込口から大気中に漏れ出すのを防止することができる。
【0012】
ところで排水管内の廃液の水位が上昇していくと、空気取込口に下方に設けられたフロート式開閉手段を構成するフロートが廃液によって浮き上がり、連通管における管路を封止する。このため廃液は、フロートが天井となり、水位が上昇することがなく、前記廃液がエア導入部から漏れたり、排気ダクトに達することを防止することができる。なおフロートによって連通管の管路が封止されても、フロート式開閉手段の上部となる空気取込口から排気ダクトに至るまでの経路は、通気が確保されるので、空気取込口から排気ダクトへの空気の供給は確実に行うことができる。
【0013】
そして排水管内の廃液の水位が低下すれば、フロートが下降し、連通管の管路が確保されるので、排水管内と排気ダクト側との圧力は再び均衡状態となり、排水管内の廃液の流れを円滑にすることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る通気装置に好適な具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る通気装置の形態を示す構造説明図である。同図(1)および同図(2)に示すように本実施の形態に係る通気装置10は、第1連通管12と第2連通管14とを上下方向に積み重ねた形態となっている。
【0016】
通気装置10において上方側となる第1連通管12は、その本体が直管形状からなるとともに、側部の中央付近からは半径方向に向かって分岐用管16が引き出され、前記第1連通管12の外観は全体としてT字状となっている。また前記本体の両端部、および分岐用管16の先端にはフランジ部がそれぞれ設けられており、第2連通管14との接続や、空気取込口となる前記分岐用管16の先端に防虫網17を装着可能にしている。なお前記防虫網17は、大気中に放置されることから、防錆に優れたステンレス製のものを用いることが望ましい。
【0017】
一方、第1連通管12の下方側に取り付けられる第2連通管14も、前記第1連通管12と同様、本体が直管形状からなり、その両端部にはフランジ部がそれぞれ形成されている。そして第2連通管14における管路内側には、内壁の肉盛りによって形成された絞り部18が設けられるとともに、当該絞り部18の下方には、絞り部18に接触し、管路の封止をなすための球形のフロート20が設けられ、前記絞り部18と前記フロート20とでフロート式開閉手段を構成するようにしている。また第2連通管14の底面には前述したフランジ部に金網22が取り付けられており、前記フロート20を第2連通管14の内部に閉じこめるようにしている。なお金網22は、種々の廃液に浸されることから、耐腐食性に優れたステンレス製のものを用いることが望ましい。
このように構成された通気装置10をクリーンルームの配管経路に組み込んだ状態を説明する。
【0018】
図2は、クリーンルームの配管経路に本実施の形態に係る通気装置を組み込んだ状態を示す配管説明図である。
これらの図に示すように、クリーンルーム24においては、半導体装置や液晶パネルの製造を行うための製造装置26が複数設置されており、これら製造装置26には、グレーチング28の下方に引き回された、排ガス回収用の排気ダクト30と、当該排気ダクト30の下方に位置する廃液回収用の排水管32とが接続されており、製造装置26から排出された使用済みの気液を、大気から遮断して回収できるようにしている。なお製造装置26と、排気ダクト30および排水管32との間にはそれぞれ開閉バルブ34が設けられており、当該開閉バルブ34を開閉させることで、例えば休止状態にある製造装置26を、排気ダクト30および排水管32から任意に遮断できるようにしている。
【0019】
このように構成されたクリーンルーム24の配管において、前記排気ダクト30と、前記排水管32との間に、これら管同士を結ぶよう通気装置10が装着される。なお装着の際には、第1連通管12が排気ダクト30側、第2連通管14が排水管32側となるように、前記通気装置10は、方向性をもって取り付けられる。さらに通気装置10の上側、すなわち当該通気装置10と排気ダクト30との間には、開閉バルブ36が設けられ、当該開閉バルブ36の稼働(開閉)によって通気装置10の稼働と停止を制御できるようにしている。
【0020】
ここで排気ダクト30と、排水管32との間に通気装置10を設けたクリーンルーム24において、使用済みの気液を排出する手順を説明する。
まず図2に示すように、クリーンルーム24における製造装置26を稼働させ、半導体装置や液晶パネルなどの製造を行うと、これに伴い、使用済みのガスや廃液が発生する。そしてこれら使用済みガスや廃液は、開閉バルブ34を通じてグレーチング28下の排気ダクト30と、排水管32とに導入されることとなる。そして排気ダクト30の下流側(矢印の先端方向)には、図示しない吸引ポンプが設けられており、当該吸引ポンプの稼働によってダクト内を負圧にすることで、前記製造装置26から導入された使用済みガスを吸引ポンプ側へと移動させるようにしている。またダクト内の負圧によって、これら使用済みガスとともに第1連通管12における分岐用管16の先端開口から、大気中の空気を取り込むようにしている。
【0021】
図3は、通気装置の稼働状態を示す断面説明図である。同図(1)に示すように、製造装置26から導入された廃液が適量であるときには、前記廃液の水位は、第2連通管14の下方に装着された金網22の高さまで達することがない。このためフロート20自体には、浮力が発生せず、前記金網22上に載ったままの状態となっている。そしてフロート20に浮力が発生せず、金網22上に載ったままであると、当該フロート20の上方の絞り部18が開放されたこととなり、当該絞り部18を通じて気体が行き来することが可能になる。
【0022】
ゆえに排水管32に導入される廃液の量が増減し、当該廃液の増減に応じて排水管32の内部の圧力が変動しようとしても、通気装置10を介して排気ダクト30側と通じているので、この圧力変動が開放され、排水管32の内部圧力は、ほぼ一定に保たれ、廃水を円滑に送り出すことが可能になる。なお排気ダクト30と、排水管32との間でガスの移動があっても、前述の通り、分岐用管16の先端開口からは、大気中の空気が常に取り込まれているので、この気流の流れに逆らって前記ガスは分岐用管16の先端開口から漏れることがない。このため、廃液から生じたガスや、排気ダクト30内に存在するガスが、大気中に飛散するのを防止することができる。また前述のように排水管32の内部の圧力が一定に調整されるため、製造装置26と排水管32との間に逆流止め用の封水が形成されていても、これらが圧力上昇によって破壊されるのを防止することが可能になる。
【0023】
ところで何らかの理由で排水管32が詰まり、当該排水管32内の廃液38の水位が上昇すると、前記廃液38は、通気装置10の内部にも浸水してくる。しかし前記通気装置10の下方には、フロート20が設けられており、当該フロート20は、廃液38中で浮き上がり水位の上昇に伴ってその位置が上昇する。そして廃液38の水位がある一定以上になると、フロート20が絞り部18に接触し、排気ダクト30と排水管32との間の通気を遮断する。このため廃液38は、排気ダクト30および分岐用管16側に達することなく、廃液が大気中等に飛散するのを防止することができる。なおフロート20によって排気ダクト30と排水管32との間の通気を遮断しても、前記排気ダクト30と分岐用管16との間の経路は確保されるので、前記分岐用管16から取り込まれた空気は、確実に排気用ダクト30側に導入されることとなる。
【0024】
このように排気ダクト30と排水管32とを連通管で接続するとともに、この連通管内にフロート式の開閉手段を設けるようにすれば、排水管32内の圧力をほぼ一定にすることができ、廃液を円滑に流すことが出来る。また廃液の水位が上昇してもフロートが通気経路を遮断するので、廃液が外部に漏れるのを防止することができる。
【0025】
ところで本実施の形態の応用例として、第2連通管14を透明部材で構成し、フロート20の動作状態を外部より目視観測できるようにしてもよい。このように絞り部18とフロート20との関係を通気装置10の外部から確認できるようにすれば、絞り部18とフロート20との間に異物が有るか否かの確認を容易に行うことができ、通気装置10自体のメンテナンス性を向上させることができるのである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気ダクトとその下方に位置する排水管との間にこれらを連絡するように前記排水管の天井部から引き出され、負圧に設定された排気ダクトに接続する連通管を設け、この連通管における前記排気ダクト側に大気に開放する空気取込口を形成するとともに、前記連通管における前記排水管側に、フロートにて前記連通管を遮断可能なフロート式開閉手段を設け、前記排水管からの水位に応じて前記連通管の遮断をなしたことから、廃液から生じたガスや、廃液自体が大気中に飛散するのを防止しつつ、大量の廃液が排水管に流れ込んでも、円滑に前記廃液を流すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る通気装置の形態を示す構造説明図である。
【図2】クリーンルームの配管経路に本実施の形態に係る通気装置を組み込んだ状態を示す配管説明図である。
【図3】通気装置の稼働状態を示す断面説明図である。
【図4】従来のクリーンルームの配管経路を示す配管説明図である。
【符号の説明】
1………クリーンルーム、2………製造装置、3………排気ダクト、
4………排水管、5………中継タンク、6………連通管、7………大気、
10………通気装置、12………第1連通管、14………第2連通管、
16………分岐用管、17………防虫網、18………絞り部、
20………フロート、22………金網、24………クリーンルーム、
26………製造装置、28………グレーチング、30………排気ダクト、
32………排水管、34………開閉バルブ、36………開閉バルブ、
38………廃液

Claims (2)

  1. 排気ダクトとその下方に位置する排水管との間にこれらを連絡するように前記排水管の天井部から引き出され、負圧に設定された前記排気ダクトに接続する連通管を設け、この連通管における前記排気ダクト側に大気に開放する空気取込口を形成するとともに、前記連通管における前記排水管側に、フロートにて前記連通管を遮断可能なフロート式開閉手段を設け、前記排水管からの水位に応じて前記連通管の遮断をなすことを特徴とする通気装置。
  2. 少なくとも前記フロート式開閉手段が設けられる前記連通管の範囲を透明部材で形成し、前記フロート式開閉手段の状態を前記連通管の外方より目視可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の通気装置。
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