JP4304862B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体スイッチング素子を組み込み、直流電力の出力電力の制御、或いは直流電力と交流電力との間で一方から他方に電力変換するようにした電力変換装置に関し、特に、そのスイッチング損失を低減するようにした電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば直流電源から三相交流電源を作る三相インバータは、例えば図10に示すように構成されている。すなわち、半導体スイッチング素子SWが二つずつ直列に接続されてこれが3組形成され、各半導体スイッチング素子SWn(n=1〜6)には、逆並列にダイオードDn(n=1〜6)が接続されている。そして、直流電源1の両端にコンデンサC及び各相に対応する3組の直列に接続された半導体スイッチング素子SWnが接続されると共に、各半導体スイッチング素子どうしの接続点に負荷2が接続されている。そして、例えばPWM制御によって所定のタイミングで各半導体スイッチング素子SWnをオンオフ動作させることによって、直流電源の直流電力が三相交流電力に変換されて負荷に供給されるようになっている。
【0003】
ところで、このような、半導体スイッチング素子を用いた電力変換回路においては、半導体スイッチング素子のオンオフ動作時に過電圧が生じることが知られており、これを抑制するために、スナバ回路が設けられている。このスナバ回路としては、例えば図11(a)に示すように、抵抗Rとこれと直列に接続されたコンデンサCとから構成されるもの、また、例えば図11(b)に示すように、ダイオードDとそのカソード側に接続されたコンデンサCとこれらの接続点に接続された抵抗Rとから構成されるもの等が知られている。そして、これらスナバ回路は、図10に示すように電力変換回路を構成する各半導体スイッチング素子と並列に接続されたり、又は直流電源1のプラスとマイナス間に一括して接続されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電力変換装置にあっては、半導体スイッチング素子はいわゆるハードスイッチング状態となるため、ターンオン及びターンオフでのdv/dtが非常に高いためにスイッチング損失が大きく、さらに大きなノイズを発生する。また、スナバ回路は過電圧を抑制するだけのものであるため、それぞれ程度は違うもののスナバ損失が発生するという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、半導体スイッチング素子両端電圧が零の状態でターンオン及びターンオフ動作をするいわゆるZVS(Zero Voltage Switching)を実現し、半導体スイッチング素子のスイッチング損失を限りなく零に近づけてノイズを低減すると共に、半導体スイッチング素子の過電圧を抑制しスナバ損失を低減することの可能な電力変換装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電源の出力電力を制御するようにした電力変換装置において、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、当該主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続された第1の補助回路部と、を備え、当該第1の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第1の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第1の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第1の直列接続部と、前記第1の補助スイッチング素子及び前記第1の補助ダイオードの接続点に接続された第1の共振用リアクトルと、当該第1の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第2の補助ダイオードと、から構成され、前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を一方の入出力端とし、前記主スイッチング部の低電位側の半導体スイッチング素子の両端を他方の入出力端とすることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係る電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電源の出力電力を制御するようにした電力変換装置において、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、当該主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続された第2の補助回路部と、を備え、当該第2の補助回路部は、第3の補助ダイオード及び当該第3の補助ダイオードと直列に接続されると共に逆並列にダイオードが接続された第2の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第2の直列接続部と、前記第3の補助ダイオード及び前記第2の補助スイッチング素子の接続点に接続された第2の共振用リアクトルと、当該第2の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第4の補助ダイオードと、から構成され、前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を一方の入出力端とし、前記主スイッチング部の高電位側の半導体スイッチング素子の両端を他方の入出力端とすることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に係る電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子を含む変換モジュールと、当該変換モジュールと並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサとを備え、前記半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電力及び交流電力間で一方から他方へ電力変換するようにした電力変換装置であって、前記変換モジュールは、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点にそれぞれ接続された第1の補助回路部及び第2の補助回路部と、を有し、前記第1の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第1の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第1の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第1の直列接続部と、前記第1の補助スイッチング素子及び前記第1の補助ダイオードの接続点に接続された第1の共振用リアクトルと、当該第1の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第2の補助ダイオードと、から構成され、前記第2の補助回路部は、第3の補助ダイオード及び当該第3の補助ダイオードと直列に接続されると共に逆並列にダイオードが接続された第2の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第2の直列接続部と、前記第3の補助ダイオード及び前記第2の補助スイッチング素子の接続点に接続された第2の共振用リアクトルと、この第2の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第4の補助ダイオードと、から構成され、前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を前記直流電力の入出力端とし、前記二つのコンデンサどうしの接続点及び前記二つの半導体スイッチング素子どうしの接続点を前記交流電力の入出力端とすることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に係る電力変換装置は、上記請求項3記載の電力変換装置において、前記変換モジュールを二組有し、直流電力と単相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴としている。
また、請求項5に係る電力変換装置は、上記請求項3記載の電力変換装置において、前記変換モジュールを三組有し、直流電力と三相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴としている。
【0010】
また、請求項6に係る電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電力と交流電力との間で一方から他方へ電力変換するようにした電力変換装置において、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された複数の主スイッチング部と、これら主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、前記各主スイッチング部の第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続される第3の補助回路部と、を備え、当該第3の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第3の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第5の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第3の直列接続部と、第6の補助ダイオード及び当該第6の補助ダイオードと直列に接続され且つ逆並列にダイオードが接続された第4の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第4の直列接続部と、前記主スイッチング部毎に設けられ且つ第7の補助ダイオード及び第8の補助ダイオードが直列に接続されると共にこれら補助ダイオードどうしの接続点が前記主スイッチング部の半導体スイッチング素子どうしの接続点に接続されるダイオード接続部と、前記第3の補助スイッチング素子及び前記第5の補助ダイオードの接続点と前記ダイオード接続部の前記第7の補助ダイオード側との間に接続された第3の共振用リアクトルと、前記第6の補助ダイオード及び前記第4の補助スイッチング素子の接続点と前記ダイオード接続部の前記第8の補助ダイオード側との間に接続された第4の共振用リアクトルと、から構成され、前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を前記直流電力の入出力端とし、前記二つのコンデンサどうしの接続点及び、前記第7の補助ダイオードと前記第8の補助ダイオードとの接続点を前記交流電力の入出力端とすることを特徴としている。
【0011】
また、請求項7に係る電力変換装置は、上記請求項6記載の電力変換装置において、前記主スイッチング部及び前記ダイオード接続部をそれぞれ二組有し、直流電力と単相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴としている。
さらに、請求項8に係る電力変換装置は、上記請求項6記載の電力変換装置において、前記主スイッチング部及び前記ダイオード接続部をそれぞれ三組有し、直流電力と三相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴としている。
【0012】
この請求項1乃至請求項8に係る発明においては、例えば、直流電力の出力電力値を変換する場合或いは交流電力に変換する場合等、前記第1の半導体スイッチング素子をターンオンし且つ第2の半導体スイッチング素子をターンオフする場合には、まず第1の補助スイッチング素子を導通させ、第1の共振用リアクトルに電流を流しこれを増加させた後、第2の半導体スイッチング素子をターンオフさせて第1の共振用リアクトルと共振用コンデンサを共振させ、第2の半導体スイッチング素子と並列に接続された共振用コンデンサを充電すると共に他方の共振用コンデンサを放電させる。そして、この共振用コンデンサの放電が終了した後、第1の共振用リアクトルを流れる電流が、前記第1の半導体スイッチング素子と逆並列に接続されたダイオードに還流している間に前記第1の半導体スイッチング素子をターンオンし、第1の補助スイッチング素子を遮断する。
【0013】
逆に、第1の半導体スイッチング素子をターンオフし且つ第2の半導体スイッチング素子をターンオンする場合には、第2の補助スイッチング素子を導通させ、第2の共振用リアクトルに電流を流しこれを増加させた後、第1の半導体スイッチング素子をターンオフさせて第2の共振用リアクトルと共振用コンデンサとを共振させ、第1の半導体スイッチング素子と並列に接続された共振用コンデンサを充電すると共に他方の共振用コンデンサを放電させる。そして、この共振用コンデンサの放電が終了した後、第2の共振用リアクトルを流れる電流が、前記第2のスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオードに還流している間に前記第2の半導体スイッチング素子をターンオンし、第2の補助スイッチング素子を遮断する。
【0014】
このようにすることによって、第1及び第2の半導体スイッチング素子をターンオン或いはターンオフする場合には零電圧スイッチング状態となって、スイッチング損失の低減を図ることが可能となる。
なお、前述の、第3の補助スイッチング素子、第3の共振用リアクトル、第4の補助スイッチング素子、第4の共振用リアクトルを用いる場合には、上記第1の補助スイッチング素子を第3の補助スイッチング素子に、第1の共振用リアクトルを第3の共振用リアクトルに、第2の補助スイッチング素子を第4の補助スイッチング素子に、第2の共振用リアクトルを第4の共振用リアクトルに置き換えた場合と同様の動作となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における電力変換装置を示す概略構成図であって、チョッパ回路に適用したものである。
図1に示すように、この電力変換装置は、直流電源1の電源電圧分割用の、直列に接続された同一容量値を有するコンデンサC1 及びC2 と、主スイッチング部11と、当該主スイッチング部11のZVS(Zero Voltage Switching)を実現するための補助回路部12とから構成され、直列に接続された前記コンデンサC1 及びC2 と主スイッチング部11とは、前記直流電源1と並列に接続されている。
【0016】
前記主スイッチング部11は、自己消弧形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SP1及びこれと直列に接続された自己消弧形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SN1と、スイッチング素子SP1及びSN1のそれぞれに逆並列に接続されたダイオードFP1及びFN1と、スイッチング素子SP1及びSN1のそれぞれに並列に接続された、同一容量のコンデンサCP1及びCN1とから構成されている。
【0017】
前記補助回路部12は、自己消孤形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SSN1と、このスイッチング素子SSN1と逆並列に接続されたダイオードSFN1と、このダイオードSFN1のアノード側にカソード側が接続されたダイオードDFN1と、スイッチング素子SSN1及びダイオードDFN1の接続点に一端が接続された共振用のリアクトルLN1と、このリアクトルLN1の他端にアノード側が接続されたダイオードDN1とから構成されている。そして、ダイオードSFN1のカソード側が前記コンデンサC1 及びC2 の接続点に接続されると共に、ダイオードDFN1のアノード側が直流電源1の低電位側に接続され、さらに、ダイオードDN1のカソード側が前記スイッチング素子SP1及びSN1の接続点に接続されている。
【0018】
そして、このスイッチング素子SP1及びSN1の接続点とダイオードFN1のアノード側との間に負荷2が接続されている。
そして、制御回路10によってスイッチング素子SP1、SN1を切り替え、またPWM制御することによって、直流電源1の出力電圧を所定電圧に変換して負荷2に供給すると共に、スイッチング素子SP1及びSN1の切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSN1のオンオフ制御を行うことによってスイッチング素子SP1及びSN1の零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0019】
ここで、スイッチング素子SP1が第1の半導体スイッチング素子に対応し、スイッチング素子SN1が第2の半導体スイッチング素子に対応し、コンデンサCP1及びCN1が共振用コンデンサに対応し、補助回路部12が第1の補助回路部に対応し、スイッチング素子SSN1が第1の補助スイッチング素子に対応し、ダイオードDFN1が第1の補助ダイオードに対応し、直列に接続されたスイッチング素子SSN1及びダイオードDFN1が第1の直列接続部に対応し、リアクトルLN1が第1の共振用リアクトルに対応し、ダイオードDN1が第2の補助ダイオードに対応している。
【0020】
次に、上記第1の実施の形態の動作を、図2に示すタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図2において、(a)はスイッチング素子SP1のオンオフ制御状態、(b)はスイッチング素子SN1のオンオフ制御状態、(c)はスイッチング素子SSN1のオンオフ制御状態、(d)はコンデンサCP1及びCN1の両端電圧VCP1 及びVCN1 、(e)はスイッチング素子SP1を流れる電流iSP1 及びダイオードFP1を流れる電流iFP1 、(f)はスイッチング素子SN1を流れる電流iSN1 及びダイオードFN1を流れる電流iFN1 、(g)はリアクトルLN1を流れる電流iLN1 、(h)はモード、をそれぞれ表したものである。
【0021】
今、スイッチング素子SN1がオンしている状態から、スイッチング素子SN1をオフ、スイッチング素子SP1をオンに切り替えるものとする。
まず、スイッチング素子SN1がオン状態であり且つダイオードFN1が導通し、負荷2→ダイオードFN1→負荷2の経路で負荷電流IOUT が還流している状態を考える(モード1)。このとき、スイッチング素子SP1及びSSN1はオフ状態である。
【0022】
この状態から、例えば時点t11でスイッチング素子SSN1をオン状態にすると、直流電源1の電源電圧を二分割するコンデンサC2 を電源として、コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1→ダイオードDN1→スイッチング素子SN1→コンデンサC2 の経路でリアクトルLN1を流れる電流iLN1 が増加する。このとき、負荷電流IOUT は、モード1と同様に、負荷2→ダイオードFN1→負荷2の経路で還流を継続する。したがって、ダイオードFN1を流れる電流iFN1 は、前記リアクトルLN1を流れる電流iLN1 の増加に伴って減少する(モード2)。
【0023】
そして、時点t12で、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が負荷電流IOUT を越えると、負荷電流IOUT はダイオードFN1を流れる経路からダイオードDN1を流れる経路に転流し、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 は、コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1→ダイオードDN1→負荷2→コンデンサC2 の経路と、コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1→ダイオードDN1→スイッチング素子SN1→コンデンサC2 の経路とに流れる。そして、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 の増加に伴って、スイッチング素子SN1を流れる電流iSN1 が増加する(モード3)。
【0024】
そして、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が負荷電流IOUT を越えている時点、例えば時点t13でスイッチング素子SN1をオフ状態にすると、リアクトルLN1とコンデンサCP1及びCN1とが共振を始め、リアクトルLN1とコンデンサCP1及びCN1との並列容量で決まる共振周波数で共振し、共振電流がリアクトルLN1→ダイオードDN1→コンデンサCP1→コンデンサC1 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路と、リアクトルLN1→ダイオードDN1→コンデンサCN1→コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路とに流れる。これによって、コンデンサCP1は直流電源電圧Edから零電圧に向かって放電され、逆にコンデンサCN1は零電圧から直流電源電圧Edに向かって充電される。したがって、スイッチング素子SN1の両端電圧は共振現象によって上昇し、dv/dtが抑制された状態で直流電源1の直流電源電圧Edにクランプされるいわゆるソフトスイッチング動作を行う。なお、このとき負荷電流IOUT はモード3と同様の経路で流れる(モード4)。
【0025】
ここで、前記スイッチング素子SN1をオフにするタイミングは、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が負荷電流IOUT 以上であり且つ、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が前述のリアクトルLN1とコンデンサCP1及びCN1との共振動作を確実に行わせることの可能な電流値を満足する間であれば、どの時点でもよい。
【0026】
続いて、時点t14でコンデンサCP1の放電及びコンデンサCN1の充電が完了し共振動作が終了すると、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 は、リアクトルLN1→ダイオードDN1→負荷2→コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路で還流すると共に、リアクトルLN1→ダイオードDN1→ダイオードFP1→コンデンサC1 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路で、負荷電流IOUT を越える電流分が回生される。
【0027】
したがって、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 は減少し、この減少に伴ってダイオードFP1を流れる電流iFP1 も減少する(モード5)。
そして、このダイオードFP1に電流iFP1 が流れている時点、例えば時点t15でスイッチング素子SP1をオン状態にする。このとき、スイッチング素子SP1の両端の電圧は零電圧となっているからZVS動作が可能となる。
【0028】
なお、前記スイッチング素子SP1をオン状態にするタイミングは、前記コンデンサCP1の放電が完了し、且つ前記ダイオードFP1に電流iFP1 が流れている間であればよい。
そして、時点t15でスイッチング素子SP1をオン状態にすると、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が負荷電流IOUT よりも大きい間は、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 は継続して、リアクトルLN1→ダイオードDN1→ダイオードFP1→コンデンサC1 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路で回生されると共に、リアクトルLN1→ダイオードDN1→負荷2→コンデンサC2 →スイッチング素子SSN1→リアクトルLN1の経路で還流し、時点t16で、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が負荷電流IOUT 以下となると、直流電源1→スイッチング素子SP1→負荷2→直流電源1の経路でスイッチング素子SP1に電流が流れるようになり、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 の減少に伴ってスイッチング素子SP1を流れる電流iSP1 が増加し、時点t17で、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 がリセットされると、スイッチング素子SP1には、負荷電流IOUT に相当する電流iLN1 が流れるようになる(モード6)。
【0029】
そして、時点t17で、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 がリセットされた後、例えば時点t18でスイッチング素子SSN1をオフにする。
以上の動作によって、スイッチング素子SN1がオフ状態に切り替えられ、またスイッチング素子SP1がオン状態に切り替えられたことになる。
続いて、時点t19でスイッチング素子SP1をオフ状態、スイッチング素子SN1をオン状態に切り替えると、負荷電流IOUT はダイオードFN1に転流し、また、コンデンサCP1は零から直流電源電圧Edに向かって充電され、逆に、コンデンサCN1は放電されてモード1の状態に戻る。
【0030】
したがって、スイッチング素子SP1はZVS状態となり、また、スイッチング素子SN1は、負荷電流IOUT がダイオードFN1に転流するためターンオン損失は発生しない。なお、前記スイッチング素子SP1をオフ、スイッチング素子SN1をオンに切り替えるタイミングは、前記スイッチング素子SSN1がオフに制御された時点以後であればいつでもよい。
【0031】
そして、この動作を繰り返し行うことによって、スイッチング素子SN1及びSP1が順次オン/オフに切り替えられることになる。
このように、スイッチング素子SP1のターンオン時及びスイッチング素子SN1のターンオフ時のソフトスイッチング動作を実現することができるから、これらスイッチング素子SP1,SN1のスイッチング動作時におけるdv/dtを抑制することができスイッチング損失を低減することができる。また、スナバ回路による損失も発生せずまた、そのスイッチング損失を低減することができる。また、スイッチング時の跳ね上がり動作(サージ電圧)に伴うノイズの発生をも低く抑えることができるから、低損失で低ノイズスイッチングを実現することができる。
【0032】
また、スイッチング素子SSN1を、零電流スイッチングで動作させることが可能であるが、制御誤差等により電流が流れている状態でスイッチング動作を行った場合であっても、ダイオードDFN1によって、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 をダイオードDFN1を経由して直流電源電圧Edを二分しているコンデンサC1 及びC2 に回生させることができ、損失を最小限に抑えると共に、スイッチング素子SSN1を直流電源電圧Ed以下でクランプすることができる。
【0033】
また、リアクトルLN1を流れる電流iLN1 が零となった時点以後にスイッチング素子SSN1をオフ状態にすればよいから、スイッチング素子SSN1をオフするタイミングに対する制御条件を緩やかにすることができ、その分制御を容易に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0034】
上記第1の実施の形態は、スイッチング素子SP1のターンオン及びスイッチング素子SN1のターンオフ時のZVS動作を実現するようにしたものであるのに対し、この第2の実施の形態は、スイッチング素子SP1のターンオフ及びスイッチング素子SN1のターンオン時のZVS動作を実現するようにしたものである。
【0035】
図3に示すように、この電力変換装置は、上記第1の実施の形態と同様に構成されたコンデンサC1 及びC2 と、上記第1の実施の形態と同様に形成された主スイッチング部11と、当該主スイッチング部11のZVSを実現するための補助回路部13とから構成され、直列に接続されたコンデンサC1 及びC2 及び主スイッチング部11は、直流電源1と並列に接続されている。
【0036】
そして、前記補助回路部13は、ダイオードDFP1、このダイオードDFP1のアノード側に接続された自己消孤形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SSP1、このスイッチング素子SSP1に逆並列に接続されたダイオードSFP1、ダイオードDFP1及びスイッチング素子SSP1の接続点に一端が接続された共振用のリアクトルLP1、このリアクトルLP1の他端に接続されたダイオードDP1とから構成されている。そして、前記ダイオードSFP1のアノード側が前記コンデンサC1 及びC2 の接続点に接続されると共に、前記ダイオードDP1のアノード側が前記スイッチング素子SP1及びSN1の接続点に接続され、さらに、前記ダイオードDFP1のカソード側が直流電源1の高電位側に接続されている。
【0037】
そして、ダイオードFP1のカソード側とスイッチング素子SP1及びSN1の接続点との間に負荷2が接続されている。
そして、制御回路10によってスイッチング素子SP1及びSN1を所定のタイミングで切り替え、また、PWM制御を行うことによって、直流電源1の直流電源電圧Edを所定電圧に変換して負荷2に供給すると共に、スイッチング素子SP1及びSN1の切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSP1をオンオフ制御することによってスイッチング素子SP1及びSN1の零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0038】
ここで、補助回路部13が第2の補助回路部に対応し、ダイオードDFP1が第3の補助ダイオードに対応し、スイッチング素子SSP1が第2の補助スイッチング素子に対応し、直列に接続されたダイオードDFP1及びスイッチング素子SSP1が第2の直列接続部に対応し、リアクトルLP1が第2の共振用リアクトルに対応し、ダイオードDP1が第4の補助ダイオードに対応している。
【0039】
次に、上記第2の実施の形態の動作を、図4に示すタイミングチャートに基づいて説明する。なお、図4において、(a)はスイッチング素子SP1のオンオフ制御状態、(b)はスイッチング素子SN1のオンオフ制御状態、(c)はスイッチング素子SSP1のオンオフ制御状態、(d)はコンデンサCP1及びCN1の両端電圧VCP1 及びVCN1 、(e)はスイッチング素子SP1を流れる電流iSP1 及びダイオードFP1を流れる電流iFP1 、(f)はスイッチング素子SN1を流れる電流iSN1 及びダイオードFN1を流れる電流iFN1 、(g)はリアクトルLP1を流れる電流iLP1 、(h)はモード、をそれぞれ表したものである。
【0040】
今、スイッチング素子SP1がオンしている状態から、スイッチング素子SP1をオフ、スイッチング素子SN1をオンに切り替えるものとする。
まず、スイッチング素子SP1がオン状態であり且つダイオードFP1が導通し、負荷2→ダイオードFP1→負荷2の経路で負荷電流IOUT が還流している状態を考える(モード1)。このとき、スイッチング素子SSP1及びSN1はオフ状態である。
【0041】
この状態から、例えば時点t21でスイッチング素子SSP1をオン状態にすると、直流電源1の直流電源電圧Edを二分割するコンデンサC1 を電源としてコンデンサC1 →スイッチング素子SP1→ダイオードDP1→リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC1 の経路でリアクトルLP1を流れる電流iLP1 が増加する。このとき、負荷電流IOUT は、モード1と同様に、負荷2→ダイオードFP1→負荷2の経路で還流を継続する。したがって、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 の増加に伴って、ダイオードFP1を流れる電流iFP1 が減少する(モード2)。
【0042】
そして、時点t22で、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 が負荷電流IOUT 以上となると、負荷電流IOUT はダイオードFP1を流れる還流経路から、リアクトルLP1を経由する前述の経路に転流する。そして、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 はコンデンサC1 →スイッチング素子SP1→ダイオードDP1→リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC1 の経路と、コンデンサC1 →負荷2→ダイオードDP1→リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC1 の経路とを流れる。つまり、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 のうち負荷電流IOUT を越えた電流分がスイッチング素子SP1を流れるようになる(モード3)。
【0043】
そして、リアクトルLP1の電流iLP1 が負荷電流IOUT を越えている時点、例えば時点t23でスイッチング素子SP1をオフ状態にすると、リアクトルLP1と、コンデンサCP1及びCN1とが共振動作を開始し、リアクトルLP1、コンデンサCP1及びCN1の並列容量で決まる共振周波数で共振する。これによって、コンデンサCP1は零電圧から直流電源電圧Edに向かって充電され、コンデンサCN1は直流電源電圧Edから零電圧に向かって放電される。
【0044】
その結果、スイッチング素子SP1の両端電圧は共振現象によって徐々に上昇し、dv/dtが抑制された状態で直流電源電圧Edにクランプされる、いわゆるソフトスイッチング動作を行う(モード4)。
なお、前記スイッチング素子SP1をオフ状態にするタイミングは、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 が負荷電流IOUT を越え、且つ、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 が前記リアクトルLP1とコンデンサCP1及びCN1との共振動作を確実に開始することの可能な電流値であるときであればよい。
【0045】
続いて、時点t24でコンデンサCN1の放電が完了すると、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 はダイオードFN1に転流し、リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC1 →負荷2→ダイオードDP1→リアクトルLP1の経路を流れると共に、リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC2 →ダイオードFN1→ダイオードDP1→リアクトルLP1の経路で回生される。したがって、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 は減少し、これに伴って、ダイオードFN1を流れる電流iFN1 も減少する(モード5)。
【0046】
そして、このダイオードFN1に電流が流れている間に、例えば時点t25でスイッチング素子SN1をオン状態にすると、このとき、スイッチング素子SN1の両端は零電圧となっているから、ZVS状態となる。
なお、このスイッチング素子SN1をオンするタイミングは、コンデンサCN1の放電が完了し、且つダイオードFN1に電流が流れている間であればよい。
【0047】
そして、時点t25でスイッチング素子SN1をオン状態にすると、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 が負荷電流IOUT よりも大きい間は、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 は継続して、リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC1 →負荷2→ダイオードDP1→リアクトルLP1の経路で還流すると共に、リアクトルLP1→スイッチング素子SSP1→コンデンサC2 →ダイオードFN1→ダイオードDP1→リアクトルLP1の経路で減衰し、時点t26で、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 が負荷電流IOUT 以下となると、直流電源1→負荷2→スイッチング素子SN1→直流電源1の経路でスイッチング素子SN1に電流iSN1 が流れるようになり、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 の減少に伴ってスイッチング素子SN1を流れる電流iSN1 が増加し、時点t27で、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 がリセットされると、スイッチング素子SN1には、負荷電流IOUT に相当する電流iSN1 が流れるようになる(モード6)。
【0048】
そして、時点t27で、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 がリセットされた後、例えば時点t28でスイッチング素子SSP1をオフにする。
以上の動作によって、スイッチング素子SP1がオフ状態に切り替えられまたスイッチング素子SN1がオン状態に切り替えられたことになる。
続いて、時点t29でスイッチング素子SP1をオン状態、スイッチング素子SN1をオフ状態に切り替えると、負荷電流IOUT はダイオードFP1に転流し、また、コンデンサCP1は直流電源電圧Edから零電圧に向かって放電されると共に、コンデンサCN1は零電圧から直流電源電圧Edに向かって充電され、モード1の状態に戻る。したがって、スイッチング素子SN1はZVS状態となり、また、スイッチング素子SP1は負荷電流IOUT がダイオードFP1に転流するためターンオン損失は発生しない。
【0049】
そして、この動作を繰り返し行うことによって、スイッチング素子SN1及びSP1が順次オン/オフに切り替えられることになる。
したがって、この場合も上記第1の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。また、この場合も、スイッチング素子SSP1は零電流スイッチングで動作することが可能であるが、制御誤差等によりリアクトルLP1を流れる電流iLP1 がリセットされていない状態でスイッチング素子SSP1がオフ状態に制御されたとしても、リアクトルLP1を流れる電流iLP1 はダイオードDFP1を経由して、直流電源電圧Edを二分割しているコンデンサC1 及びC2 へ回生させることができるから、損失を最小限に抑えると共にスイッチング素子SSP1を直流電源電圧Ed以下でクランプすることができる。
【0050】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図5は、第3の実施の形態における電力変換装置を示す概略構成図である。図5に示すように、直流電力を単相交流電力に変換するようにしたハーフブリッジのインバータ回路に適用したものであって、上記第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせたものである。
【0051】
第3の実施の形態における電力変換装置は、図5に示すように、上記第1の実施の形態と同様の、直流電源電圧Ed分割用のコンデンサC1 及びC2 と、上記第1の実施の形態における主スイッチング部11と、この主スイッチング部11の各スイッチング素子のZVSを実現するための補助回路部ARCSとから構成され、直列に接続されたC1 及びC2 と主スイッチング部11とは、前記直流電源1に並列に接続されている。
【0052】
そして、前記補助回路部ARCSは、第1の実施の形態における補助回路部12と、第2の実施の形態における補助回路部13とから構成されている。そして、補助回路部12のダイオードDFN1のアノード側が直流電源1の低電位側に接続され、ダイオードSFN1のカソード側が前記コンデンサC1 及びC2 の接続点に接続されさらに、ダイオードDN1のカソード側が前記主スイッチング部11のスイッチング素子SP1及びSN1の接続点に接続されている。同様に、補助回路部13のダイオードDFP1のカソード側が直流電源1の高電位側に接続され、ダイオードSFP1のアノード側が前記コンデンサC1 及びC2 の接続点に接続され、ダイオードDP1のアノード側が前記主スイッチング部11のスイッチング素子SP1及びSN1の接続点に接続されている。
【0053】
そして、制御回路10によって、各スイッチング素子SP1、SN1を所定のタイミングで交互に切り替え、またPWM制御を行うことによって、直流電源1の出力電力を単相交流電力に変換して負荷3に供給すると共に、スイッチング素子SP1及びSN1の切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSN1、SSP1をオンオフ動作させることによって、スイッチング素子SP1及びSN1の零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0054】
ここで、主スイッチング部11及び補助回路部ARCSが、変換モジュールに対応し、補助回路部12が第1の補助回路部に対応し、補助回路部13が第2の補助回路部に対応し、直列に接続されたスイッチング素子SSN1及びダイオードDFN1が第1の直列接続部に対応し、直列に接続されたダイオードDFP1及びスイッチング素子SSP1が第2の直列接続部に対応し、リアクトルLN1が第1の共振用リアクトルに対応し、リアクトルLP1が第2の共振用リアクトルに対応している。
【0055】
つまりこの場合には、スイッチング素子SP1及びSN1のオン/オフ動作に同期して、スイッチング素子SSN1及びSSP1をオンオフ制御し、すなわち、次にスイッチング素子SP1をターンオン、スイッチング素子SN1をターンオフするときには、上記第1の実施の形態にしたがってスイッチング素子SSN1をオンオフ制御し、次にスイッチング素子SP1をターンオフ、スイッチング素子SN1をターンオンするときには、上記第2の実施の形態にしたがってスイッチング素子SSP1をオンオフ動作させることによって、スイッチング素子SP1及びSN1のターンオン及びターンオフ時のZVS動作を実現することができる。
【0056】
したがって、この場合も、上記第1及び第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
図6は、第4の実施の形態における電力変換装置を示す概略構成図である。図6に示すように、直流電力を多相交流電力に変換するようにしたインバータ回路に適用したものであって、前記第3の実施の形態において主スイッチング部11と補助回路部ARCSとで構成される変換モジュールを、相数Mに応じてM組設けている。
【0057】
そして、各相に対応する主スイッチング部11のスイッチング素子SPn(n=1〜M)及びSNn(n=1〜M)の接続点が負荷4に接続されている。
そして、制御回路10によって、各スイッチング素子SPn、SNnを公知の通電手順にしたがって切り替え、またPWM制御することによって、直流電源1の出力電力を多相交流電力に変換して負荷4に供給すると共に、スイッチング素子SPn、SNnの切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSNn(n=1〜M)、SSPn(n=1〜M)をオンオフ制御することによって、スイッチング素子SPn、SNnの零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0058】
つまり、例えば、直流電源1の両端に、主スイッチング部11及び補助回路ARCSを二組設け、いわゆるフルブリッジ回路を構成して、直流電力を単相交流電力に変換するようにした電力変換装置に適用した場合には、図7のタイミングチャートに示すように、スイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2を所定のタイミングでオンオフ制御して階段波を発生させる。これと共に、スイッチング素子SP1及びSN1のオン/オフ動作に同期して、スイッチング素子SSN1及びSSP1、SSN2及びSSP2をオンオフ制御し、すなわち、図7に示すように、次の時点t32でスイッチング素子SP1(図7(a))をターンオン、スイッチング素子SN1(図7(b))をターンオフするときには、上記第1の実施の形態にしたがってスイッチング素子SSN1(図7(e))を予め時点t31でオン動作させ、スイッチング素子SP1及びSN1を切り替えた後オフにし、次の時点t35でスイッチング素子SP2(図7(c))をターンオン、スイッチング素子SN2(図7(d))をターンオフするときにも、上記第1の実施の形態にしたがってスイッチング素子SSN2(図7(g))を予め時点t33でオン動作させ、スイッチング素子SP2及びSN2を切り替えた後オフにする。また、次の時点t36でスイッチング素子SP1及びSN1を切り替えるときには、上記第2の実施の形態にしたがって、スイッチング素子SSP1(図7(f))を予め時点t34でオン動作させ、スイッチング素子SP1及びSN1を切り替えた後オフにし、同様に、時点t39でスイッチング素子SP2及びSN2を切り替えるときには、SSP2(図7(h))を予め時点t37でオン動作させ、スイッチング素子SP2及びSN2を切り替えた後にオフする。
【0059】
このようにすることによって、スイッチング素子SP1及びSN1、SP2及びSN2のターンオン及びターンオフ時のZVS動作を実現することができる。そして、例えば、三相の交流電力に変換するようにした場合には、三相分の主スイッチング部11及び補助回路部ARCSを設け、各相に対応する主スイッチング部11の各スイッチング素子SP及びSNを、例えば、120度通電方式或いは180度通電方式等による公知のタイミングでオンオフ制御し、このとき、スイッチング素子SP及びSNのターンオフ及びターンオンに応じて対応するスイッチング素子SSNn或いはSSPnをオンオフ動作すればよく、多相の交流電力に変換した場合も同様である。
【0060】
したがって、この場合も、上記第1及び第2の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、上記第4の実施の形態においては、M相のインバータの負荷を線間に接続した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、M相のインバータの各出力とコンデンサC1 及びC2 の接続点との間にM組の単相負荷が接続された場合であっても、上記と同等の作用効果を得ることができるのはいうまでもない。
【0061】
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
図8は、第5の実施の形態における電力変換装置を示す概略構成図であって、直流電力を単相交流電力に変換するようにしたインバータ回路に適用したものである。前記第3の実施の形態では、インバータ回路をハーフブリッジで構成したのに対し、第5の実施の形態では、インバータ回路をフルブリッジで構成している。
【0062】
すなわち、この第5の実施の形態における電力変換装置は、図8に示すように、直流電源1の直流電源電圧Ed分割用の、同一の容量値を有する直列に接続されたコンデンサC1 及びC2 と、前記第1の実施の形態における主スイッチング部11と同一に構成された主スイッチング部11U及び11Vと、これら主スイッチング部11U及び11Vを構成する各スイッチング素子のZVS動作を実現するための補助回路部15とから構成され、直列に接続されたコンデンサC1 及びC2 、前記主スイッチング部11U及び11Vは、それぞれ直流電源1と並列に接続されている。
【0063】
前記補助回路部15は、自己消弧形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SSN1及びこれと逆並列に接続されたダイオードSFN1と、自己消弧形の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子という。)SSP1及びこれと逆並列に接続されたダイオードSFP1と、ダイオードブリッジ部15aを構成する、ダイオードDN1、DN2、DP1、DP2と、前記ダイオードSFN1のアノード側とダイオードブリッジ部15aを構成するダイオードDN1及びDN2のアノード側との間に接続されたリアクトルLN1と、前記ダイオードSFP1のカソード側とダイオードブリッジ部15aを構成するダイオードDP1及びDP2のカソード側との間に接続されたリアクトルLP1と、前記スイッチング素子SSP1及びリアクトルLP1の接続点にアノード側が接続されたダイオードDFP1と、前記スイッチング素子SSN1及びリアクトルLN1の接続点にカソード側が接続されたダイオードDFN1とから構成されている。そして、前記ダイオードDFP1のカソード側が直流電源1の高電位側に、またダイオードDFN1のアノード側が直流電源1の低電位側に接続され、さらに、前記ダイオードSFN1のカソード側及びダイオードSFP1のアノード側が前記コンデンサC1 及びC2 の接続点に接続され、また、ダイオードブリッジ部15aを構成するダイオードDN1及びDP1の接続点が主スイッチング部11Uを構成するスイッチング素子SP1及びSN1の接続点に接続され、ダイオードDN2及びDP2の接続点が主スイッチング部11Vを構成するスイッチング素子SP2及びSN2の接続点に接続され、これらスイッチング素子SP1及びSN1の接続点とスイッチング素子SP2及びSN2の接続点との間に負荷3が接続されている。
【0064】
そして、制御回路10によって各スイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2を、所定のタイミングで切り替え、また、PWM制御を行うことによって、直流電源1の出力電力を単相交流電力に変換して負荷3に供給すると共に、スイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2の切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSP1及びSSN1をオンオフ制御することによって、スイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2の零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0065】
ここで、補助回路部15が第3の補助回路部に対応し、スイッチング素子SSN1が第3の補助スイッチング素子に対応し、ダイオードDFN1が第5の補助ダイオードに対応し、直列に接続されたスイッチング素子SSN1及びダイオードDFN1が第3の直列接続部に対応し、ダイオードDFP1が第6の補助ダイオードに対応し、スイッチング素子SSP1が第4の補助スイッチング素子に対応し、直列に接続されたダイオードDFP1及びスイッチング素子SSP1が第4の直列接続部に対応し、ダイオードDN1及びDN2が第7の補助ダイオードに対応し、ダイオードDP1及びDP2が第8の補助ダイオードに対応し、直列に接続されたダイオードDN1及びDP1、DN2及びDP2がダイオード接続部に対応し、リアクトルLN1が第3の共振用リアクトルに対応し、リアクトルLP1が第4の共振用リアクトルに対応している。
【0066】
つまりこの場合には、前記図7に示すように、所定のタイミングでスイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2をオン/オフ制御すると共に、このオンオフ動作に同期して、スイッチング素子SSP1及びSSN1を動作させ、すなわち、スイッチング素子SP1及びSN1を切り替える場合には、ダイオードDN1及びDP1を経由し、逆に、スイッチング素子SP2及びSN2を切り替える場合には、ダイオードDN2及びDP2を経由して、前記第1又は第2の実施の形態にしたがって、スイッチング素子SSN1及びSSP1を、オンオフ動作させることによって、スイッチング素子SP1、SN1、SP2、SN2のターンオン及びターンオフ時のZVS動作を実現することができる。
【0067】
したがって、この場合も、上記第3の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この場合、各主スイッチング部11U、11Vに対してZVSを実現するためのダイオード及びスイッチング素子を設ける必要がないから、その分電力変換装置の構成品の削減を図ることができる。
【0068】
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。
この第6の実施の形態は、第5の実施の形態において、直流電力を三相交流電力に変換するようにしたものであって、図9に示すように、主スイッチング部11Wが追加されると共に、2相のダイオードブリッジ部15aに代えて、3相のダイオードブリッジ部15bが設けられている。
【0069】
すなわち、ダイオードブリッジ部15bは、ダイオードDN1及びこれと直列に接続されたダイオードDP1、ダイオードDN2及びこれと直列に接続されたダイオードDP2、ダイオードDN3及びこれと直列に接続されたダイオードDP3の三組のダイオード接続部から構成され、ダイオードDN1、DN2、DN3のアノード側がリアクトルLN1に接続されると共に、ダイオードDP1、DP2、DP3のカソード側がリアクトルLP1に接続されている。
【0070】
そして、ダイオードDN1及びDP1の接続点、ダイオードDN2及びDP2の接続点、ダイオードDN3及びDP3の接続点と、スイッチング素子SP1及びSN1の接続点、スイッチング素子SP2及びSN2の接続点、スイッチング素子SP3及びSN3の接続点の接続点がそれぞれ接続され、さらに、これら各スイッチング素子の接続点が負荷5に接続されている。
【0071】
そして、制御回路10によって、各スイッチング素子SP1〜SP3、SN1〜SN3を公知の120度通電方式或いは180度通電方式にしたがって所定のタイミングで切り替え、またPWM制御を行うことによって、直流電源1の出力電力を三相交流電力に変換して負荷5に供給すると共に、スイッチング素子SP1〜SP3、SN1〜SN3の切り替えタイミングに同期してスイッチング素子SSP1及びSSN1をオンオフ制御することによって、スイッチング素子SP1〜SP3、SN1〜SN3の零電圧スイッチング動作ZVSを実現するようになっている。
【0072】
つまりこの場合には、スイッチング素子SP1及びSN1、SP2及びSN2、SP3及びSN3のオン/オフ動作に同期して、上記第1及び第2の実施の形態と同様にスイッチング素子SSP1又はSSN1を動作させることによって、スイッチング素子SP1及びSN1が切り替わるときにはダイオードDN1及びDP1を経由し、また、スイッチング素子SP2及びSN2が切り替わるときにはダイオードDN2及びDP2を経由し、スイッチング素子SP3及びSN3が切り替わるときにはダイオードDN3及びDP3を経由して動作することによって、スイッチング素子SP1〜SP3、SN1〜SN3のターンオン及びターンオフ時のZVS動作を実現することができる。
【0073】
したがって、この場合も、上記第5の実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この場合も、各主スイッチング部11U、11V、11Wそれぞれに対してZVSを実現するためのダイオード及びスイッチング素子を設ける必要がないから、その分電力変換装置の構成品の削減を図ることができる。
【0074】
なお、この第6の実施の形態においては、三相の交流電力に変換するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、多相の交流電力に変換することも可能であり、この場合には、相数に応じて主スイッチング部を追加すると共に、補助回路部15のダイオードブリッジ部の相数を増加させればよい。
また、第6の実施の形態において、単相負荷を、コンデンサC1 及びC2 の接続点と、各相に対応する主スイッチング部11のスイッチング素子の接続点との間に接続するようにした場合にあっても、同等の作用効果を得ることができる。
【0075】
なお、上記各実施の形態において、負荷の前段にPWM制御による高周波リプルを除去するためのフィルタが挿入されている場合でも適用することができ、同等の作用効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態においては、チョッパ回路、また、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路について説明したが、これに限るものではなく、交流電力から直流電力に変換するコンバータ回路に適用することができるのはいうまでもない。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項8に係る電力変換装置によれば、第1又は第2の半導体スイッチング素子の零電圧スイッチング状態を実現するようにしたから、これら半導体スイッチング素子のスイッチング損失を低減することができると共に、半導体スイッチング素子のdv/dtは共振現象及びコンデンサへの充電動作によって低く抑えられているからスイッチング時の跳ね上がり電圧に伴うノイズの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における電力変換装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図3】第2の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図4】第2の実施の形態における電力変換装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図5】第3の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図6】第4の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図7】第4の実施の形態における電力変換装置の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図8】第5の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図9】第6の実施の形態における電力変換装置の概略構成図である。
【図10】従来の電力変換装置の概略構成図である。
【図11】スナバ回路の一例である。
【符号の説明】
1 直流電源
2〜5 負荷
10 制御回路
11 主スイッチング部
12〜15 補助回路部
Claims (8)
- 複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電源の出力電力を制御するようにした電力変換装置において、
第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、
当該主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、
前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続された第1の補助回路部と、を備え、
当該第1の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第1の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第1の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第1の直列接続部と、
前記第1の補助スイッチング素子及び前記第1の補助ダイオードの接続点に接続された第1の共振用リアクトルと、
当該第1の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第2の補助ダイオードと、から構成され、
前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を一方の入出力端とし、前記主スイッチング部の低電位側の半導体スイッチング素子の両端を他方の入出力端とすることを特徴とする電力変換装置。 - 複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電源の出力電力を制御するようにした電力変換装置において、
第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、
当該主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、
前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続された第2の補助回路部と、を備え、
当該第2の補助回路部は、第3の補助ダイオード及び当該第3の補助ダイオードと直列に接続されると共に逆並列にダイオードが接続された第2の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第2の直列接続部と、
前記第3の補助ダイオード及び前記第2の補助スイッチング素子の接続点に接続された第2の共振用リアクトルと、
当該第2の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第4の補助ダイオードと、から構成され、
前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を一方の入出力端とし、前記主スイッチング部の高電位側の半導体スイッチング素子の両端を他方の入出力端とすることを特徴とする電力変換装置。 - 複数の半導体スイッチング素子を含む変換モジュールと、
当該変換モジュールと並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサとを備え、前記半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電力及び交流電力間で一方から他方へ電力変換するようにした電力変換装置であって、
前記変換モジュールは、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された主スイッチング部と、
前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点にそれぞれ接続された第1の補助回路部及び第2の補助回路部と、を有し、
前記第1の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第1の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第1の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第1の直列接続部と、前記第1の補助スイッチング素子及び前記第1の補助ダイオードの接続点に接続された第1の共振用リアクトルと、当該第1の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第2の補助ダイオードと、から構成され、
前記第2の補助回路部は、第3の補助ダイオード及び当該第3の補助ダイオードと直列に接続されると共に逆並列にダイオードが接続された第2の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第2の直列接続部と、前記第3の補助ダイオード及び前記第2の補助スイッチング素子の接続点に接続された第2の共振用リアクトルと、この第2の共振用リアクトルと前記第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点との間に接続された第4の補助ダイオードと、から構成され、
前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を前記直流電力の入出力端とし、前記二つのコンデンサどうしの接続点及び前記二つの半導体スイッチング素子どうしの接続点を前記交流電力の入出力端とすることを特徴とする電力変換装置。 - 前記変換モジュールを二組有し、直流電力と単相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
- 前記変換モジュールを三組有し、直流電力と三相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
- 複数の半導体スイッチング素子を有し、これら半導体スイッチング素子を制御することによって、直流電力と交流電力との間で一方から他方へ電力変換するようにした電力変換装置において、
第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子が直列に接続され且つ前記第1及び第2の半導体スイッチング素子それぞれに逆並列にダイオードが接続されると共に当該ダイオードのそれぞれに共振用コンデンサが並列に接続された複数の主スイッチング部と、
これら主スイッチング部と並列に接続され且つ同一容量値を有する直列に接続された二つのコンデンサと、
前記各主スイッチング部の第1及び第2の半導体スイッチング素子の接続点に接続される第3の補助回路部と、を備え、
当該第3の補助回路部は、逆並列にダイオードが接続された第3の補助スイッチング素子及びこれと直列に接続された第5の補助ダイオードから構成され且つ前記二つのコンデンサのうちの低電位側のコンデンサの両端に接続された第3の直列接続部と、
第6の補助ダイオード及び当該第6の補助ダイオードと直列に接続され且つ逆並列にダイオードが接続された第4の補助スイッチング素子から構成され且つ前記二つのコンデンサのうち高電位側のコンデンサの両端に接続された第4の直列接続部と、
前記主スイッチング部毎に設けられ且つ第7の補助ダイオード及び第8の補助ダイオードが直列に接続されると共にこれら補助ダイオードどうしの接続点が前記主スイッチング部の半導体スイッチング素子どうしの接続点に接続されるダイオード接続部と、
前記第3の補助スイッチング素子及び前記第5の補助ダイオードの接続点と前記ダイオード接続部の前記第7の補助ダイオード側との間に接続された第3の共振用リアクトルと、
前記第6の補助ダイオード及び前記第4の補助スイッチング素子の接続点と前記ダイオード接続部の前記第8の補助ダイオード側との間に接続された第4の共振用リアクトルと、から構成され、
前記直列に接続された二つのコンデンサの両端を前記直流電力の入出力端とし、前記二つのコンデンサどうしの接続点及び、前記第7の補助ダイオードと前記第8の補助ダイオードとの接続点を前記交流電力の入出力端とすることを特徴とする電力変換装置。 - 前記主スイッチング部及び前記ダイオード接続部をそれぞれ二組有し、直流電力と単相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
- 前記主スイッチング部及び前記ダイオード接続部をそれぞれ三組有し、直流電力と三相交流電力との間で電力変換を行うことを特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
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