JP4304443B2 - ゴルフボール - Google Patents

Description

本発明は、コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるスリーピース以上のゴルフボールに関するものであり、特に、見る角度によって色調が変化するボール外観を有した光輝性を付与すると共に、ボール全体の色調の調和が良く、スピン性能、耐擦過傷に優れたゴルフボールに関するものである。

ゴルフボールの色は通常は白色であるが、白色以外でも様々な着色のゴルフボールが市場に出回っている。このようなボールは、カラーボールと呼ばれ、ボール表面の樹脂組成物に白色顔料や蛍光顔料を含有することにより、赤色、青色、黄色、橙色、緑色などの着色を実現している。最近では、ボールのファッション性を更に向上させるために、光輝性を有し、見る角度によって色調が変化する外観をボールに与える手段として、ネマチック相が螺旋状に積層したコレステリック相構造を有するコレステリック液晶ポリマーをカバー樹脂組成物に含有させる技術がある。

例えば、特開２００２−１０２３８９号公報には、コアとカバーとからなるゴルフボールにおいて、該カバーの基材樹脂１００重量部に対してコレステリック液晶を０．１〜２０重量部含有させることにより、光輝性を有し、視点によって色調が変化するボール外観を有するゴルフボールが開示されている。

しかしながら、スリーピース等のソリッドコアとカバーとの間に中間層等が形成されたゴルフボールについては、上記のカバー組成物をカバー材として使用する場合、中間層の色調によってボール外観が大きく影響することとなり、上記のコレステリック液晶ポリマーによる光輝性が得られたとしてもボール全体の色調の調和が悪くなることがある。特に、カバー樹脂組成物を射出成形した後にボール表面に成形跡が目立ってしまうとボール外観が悪くなってしまい、上記のコレステリック液晶ポリマーにより光輝性が得られたボール表面の成形跡が目立ってしまうことがあり、更なるボール外観の改良が望まれる。

また、コレステリック液晶ポリマーや酸化チタンや蛍光顔料等の各種顔料の配合バランスや基材樹脂の樹脂組成によっては、本来ゴルフボールに要求されるボール反発性、コントロール性、フィーリング（打感）耐久性、耐擦過傷等のボール諸性能が劣ってしまうことがある。特に、上記公知のゴルフボールではスピン性能や耐擦過傷に劣るものである。

特開２００２−１０２３８９号公報 特表２００２−５０２６７８号公報

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、見る角度によって色調が連続的に変化するボール外観を有し、優れた光輝性を有すると共に、ボール全体の色調の調和が良く、スピン性能、耐擦過傷にも優れたゴルフボールを提供することを目的とする。

本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーのうち最外層カバーの基材樹脂にコレステリック液晶ポリマーを基材樹脂１００質量部に対して０．２〜５質量部配合含有させると共に、最外層カバーに隣接する内側カバーの基材樹脂に酸化チタンを１質量部以下、及び蛍光顔料を１質量部以下にそれぞれ配合させることにより、最外層カバー及びこれに隣接する内側カバーの色調のバランスが良好となり、見る角度によって色調が鮮やかに変化し得、光輝性に優れたボール外観を得ると共に、ゴルフボールに要求される諸物性、特にスピン性能及び耐擦過傷に優れたゴルフボールを得ることを知見し、本発明を完成したものである。

従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供するものである。
請求項１：コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーのうち最外層カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂１００質量部に対してコレステリック液晶ポリマーを０．２〜５質量部及び酸化チタンを０．４質量部以下それぞれ含有すると共に、最外層カバーに隣接する内側カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂に１００質量部に対して酸化チタンを１質量部以下、蛍光顔料を１質量部以下にそれぞれ含有することを特徴とするゴルフボール。
請求項２：上記コレステリック液晶ポリマー１００質量部に対してカーボンブラックを０．０１〜０．５質量部添加してなる請求項１記載のゴルフボール。
請求項３：ソリッドコアの初荷重１０ｋｇｆ（９８．０７Ｎ）から終荷重１３０ｋｇｆ（１２７４．９１Ｎ）を負荷した時の圧縮変形量が２．５〜５．０ｍｍ、最外層カバーのショアＤ硬度が５０〜６２、最外層カバーに隣接する内側カバーのショアＤ硬度が４５〜５５であり、かつゴルフボール全体の初荷重１０ｋｇｆ（９８．０７Ｎ）から終荷重１３０ｋｇｆ（１２７４．９１Ｎ）を負荷した時の圧縮変形量が２．０〜４．０ｍｍである請求項１又は２記載のゴルフボール。
請求項４：コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーのうち最外層カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂１００質量部に対してコレステリック液晶ポリマーを０．２〜５質量部含有し、更に該コレステリック液晶ポリマー１００質量部に対してカーボンブラックを０．０１〜０．５質量部添加すると共に、最外層カバーに隣接する内側カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂に１００質量部に対して酸化チタンを１質量部以下、蛍光顔料を１質量部以下にそれぞれ含有することを特徴とするゴルフボール。
請求項５：上記コアは、ポリブタジエンを主材とし、これに、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる他のゴムを併用配合したゴム組成物にて形成される請求項４記載のゴルフボール。
請求項６：上記コアは、１，１−ビス−ｔ−ブチルパーオキシ−３，３，５−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）−メタ−ジイソプロピルベンゼン及び２，５−ジメチル−２，５−ジ−ｔ−ブチルパーオキシヘキサンの群から選ばれる有機過酸化物を基材ゴム１００質量部に対し０．１〜５質量部配合したゴム組成物にて形成される請求項４又は５記載のゴルフボール。

本発明のゴルフボールによれば、見る角度によって色調が連続的に変化するボール外観を有し、優れた光輝性を有すると共に、ボール全体の色調の調和が良く、スピン性能にも優れ、耐擦過傷にも優れたものである。

以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明のゴルフボールは、ソリッドコアに２層以上のカバーを被覆した３層構造以上のゴルフボール（マルチピースゴルフボール）である。

ここで、上記ソリッドコアは、公知のゴム組成物を使用して形成することができ、基材ゴムとしては、ポリブタジエンを挙げることができ、特に、シス構造を少なくとも４０％以上有するシス−１，４−ポリブタジエンを主材として使用することが推奨される。なお、この基材ゴム中には、更に天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを併用配合することもできる。

上記ゴム組成物中には、架橋剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステル化合物を配合し得るが、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量は、上記基材ゴム１００質量部に対し、通常１０質量部以上、特に１５質量部以上、上限として５０質量部以下、特に４０質量部以下配合することができる。

上記ゴム組成物中には、有機過酸化物を配合することができ、例えば、１，１−ビス−ｔ−ブチルパーオキシ−３，３，５−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）−メタ−ジイソプロピルベンゼン、２，５−ジメチル−２，５−ジ−ｔ−ブチルパーオキシヘキサン等が挙げられる。このような市販品としては、パークミルＤ（日本油脂製）、トリゴノックス２９−４０（化薬アクゾ（株）製）等を挙げることができる。これら、有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴム１００質量部に対し、通常０．１質量部以上、特に０．５質量部以上、上限として５質量部以下、特に２質量部以下配合することができる。

上記組成物中には、更に、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、硫黄、老化防止剤、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛等を配合することができる。これら添加剤の配合量は、特に制限されるものではない。

また、上記ソリッドコアは、たわみ硬度［初期荷重９８Ｎ（１０ｋｇｆ）から１２７５Ｎ（１３０ｋｇｆ）荷重負荷時のたわみ（変形）量］が、２．５〜５．０ｍｍであり、好ましくは３．０〜４．５ｍｍ、更に好ましくは３．５〜４．０ｍｍである。たわみ硬度が小さすぎると、ドライバー打撃時の打感が硬くなり、耐擦過傷性が悪くなることがある。たわみ硬度が大きすぎると、ドライバー打撃時のフィーリングが軟らかくなり過ぎるとともに、飛距離が大きく低下することがある。

上記ソリッドコアは、公知の方法で製造することができ、コア用ゴム組成物からソリッドコアを得るには、通常の混練機（例えば、バンバリーミキサー、ニーダー及びロール等）を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用金型で成形するコンプレッション成形等を好適に採用することができる。

次に、本発明においては、ソリッドコアに被覆するカバー層が少なくも２層以上に構成されるものである。本発明のおけるカバーのうち最外層のカバーの基材は熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂や熱可塑性エラストマーを好適に使用できる。アイオノマー樹脂としては、市販品として、例えば、ハイミラン（三井・デュポンポリケミカル社製アイオノマー樹脂）、サーリン（米国デュポン社製アイオノマー樹脂）、アイオテック（エクソン社製アイオノマー樹脂）などを挙げることができる。また、熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマーなどを挙げることができ、市販品としては、東レ・デュポン社製ハイトレル、東洋紡社製ペルプレン、東レ社製ペバックス、大日本インキ化学工業社製パンデックス、モンサント社製サントプレーン、旭化成工業社製タフテック、ＪＳＲ社製ダイナロン等を挙げることができる。

上記最外層カバーの基材樹脂にはコレステリック液晶ポリマーが配合されるものであり、これにより、見る角度により色調が変化して光輝性をボール外観に与えるものである。即ち、コレステリック液晶ポリマーは、メソゲン基を側鎖に持った側鎖型液晶ポリマーであり、光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の波長領域のみが反射し、これ以外の領域の波長は全て透過するという機能を有するものであり、この機能によって見る方向によって色調が連続的に変化する特性をボール外観に与えるものである。
コレステリック液晶ポリマーとしては市販品を用いることができ、例えば、ヘリコーンＨＣ（ワッカーケミー社製）を好適に採用することができる。

上記コレステリック液晶ポリマーの配合量は、最外層カバーの基材樹脂１００質量部に対して０．２〜５質量部であり、上限値として好ましくは２質量部であり、下限値として好ましくは０．５質量部である。コレステリック液晶ポリマーの配合量が所定量よりも少な過ぎるとボール外観の改良効果が十分に発揮されず、また上記配合量が多過ぎると成形後の成形跡がボール表面に目立つようになりボール外観が悪くなってしまう。

また、上記コレステリック液晶ポリマーにカーボンブラックを添加することでき、カーボンブラックの配合量は、コレステリック液晶ポリマー１００質量部に対して０．０１〜０．５質量部、好ましい下限値は、０．０５質量部、より好ましくは、０．０８質量部であり、好ましい上限値は、０．２質量部、より好ましくは、０．１５質量部である。このようにカーボンブラックを配合すると、コレステリック液晶ポリマーとカーボンブラックとの相乗効果により見る角度による色調変化と光輝性が際立って良くなり、またボール外観の色調を鮮やかなものにすることができる。

最外層カバー材には、酸化チタンを基材樹脂１００質量部に対して０．４質量部を超えないように添加することもできる。添加量が所定量よりも多過ぎると光輝性が十分に得られなくなり、最外層カバーに隣接する内側カバーとの色調の相乗効果が十分に得られなくなるおそれがある。

最外層カバーの硬度については、ショアＤ硬度で５０以上、特に５３以上、上限として６２以下、特に６０であることが推奨され、高すぎるとアプローチショット時の適度なスピンが得られ難くなりコントロール性に劣ってしまうおそれがある。一方、ショアＤ硬度が小さ過ぎるとボール反発性に劣ってしまい飛距離が低下するおそれがある。

最外層カバーの厚さは０．７ｍｍ以上、特に１．２ｍｍ以上、上限として２．２ｍｍ以下、特に１．６ｍｍ以下になるように形成されることが望ましく、カバーが薄いとスピン性能が十分に得られなくなったり、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなったりする場合がある。カバーが厚いと内側カバーとの色調の相乗効果が十分に得られず色調の調和が悪くなったり、ボール反発性が低下して飛距離が低下するおそれがある。

ここで、最外層カバーに隣接する内側カバー（以下、「内側カバー」と略す。）について説明する。

内側カバーの基材は熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂としては、上述した最外層カバーで挙げたものを好適に使用できる。もし、内側カバーの基材がゴム組成物であると、ボール外観の光輝性に劣るおそれが十分にある。

上記内側カバーの基材樹脂には、酸化チタン及び蛍光顔料を添加するものである。酸化チタンの配合量は、内側カバーの基材樹脂１００質量部に対して１質量部以下、好ましくは０．５質量部以下、より好ましくは０．４質量部以下、より更に好ましくは０．２質量部以下であり、下限値としては０．１質量部にすることが好ましい。酸化チタンの配合量が多過ぎると蛍光顔料による色調がボール外観に十分に反映することができなくなる。一方、蛍光顔料の配合量は、内側カバーの基材樹脂１００質量部に対して１質量部以下、好ましくは０．５質量部以下、より好ましくは０．２質量部以下であり、下限値としては０．０５質量部にすることが好ましい。蛍光顔料が所定量より多過ぎると内側カバーが濃色となり、最外層カバーとの色調のバランスが悪くなり、ボールの美的外観を向上させることができなくなる。内側カバーの基材樹脂に用いられる蛍光顔料としては、例えば、蛍光色素混合物ＤｅｒｍａＧｌｏ（ＤａｙＧｌｏ社製）を採用することができ、この蛍光色素混合物を上記の所定範囲量内で使用することにより、内側カバー層に白色、黄色、桃色、黄緑色、水色系統の色調を与えることが望まれる。これらの色調は比較的薄いので最外層カバーを射出成形した後に生じるゲート跡やウエルドラインの存在を可及的に目立たなくする利点があり、また、色調を比較的濃くすると実際にプレーする際にボールが小さく見えるようになりゴルフプレイヤーに不快感を与えるおそれがある。

内側カバーの硬度については、ショアＤ硬度で４５以上、特に４８以上、上限としては５５以下、特に５３以下であることが推奨される。内側カバーのショアＤ硬度が小さ過ぎるとボール反発性に劣ってしまい飛距離が低下するおそれがあり、ショアＤ硬度が大き過ぎると打感が悪くなったり、耐擦過傷性に劣るおそれがある。

内側カバーの厚さは０．８ｍｍ以上、特に１．２ｍｍ以上、上限として２．２ｍｍ以下、特に１．８ｍｍ以下になるように形成されることが望ましく、カバーが薄いと繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがあり、カバーが厚いとボール反発性が低下して飛距離が低下するおそれがある。

上記カバーの基材樹脂には、ＵＶ吸着剤、酸化防止剤、金属石鹸、上記以外の顔料、無機充填剤等の各種添加剤を適宜量配合することができる。

上記カバーをソリッドコアに被覆してゴルフボールを得るには、射出成形、コンプレッション成形等の公知の方法を採用できる。例えば、射出成形を行なう場合には、予め作成したソリッドコアを金型内にセットし、常法に従い、該金型内にカバー材を導入して製造することができる。

なお、本発明のゴルフボールでは、２層以上のカバーから構成されるものであり、上述した最外層カバー及び内側カバーの他にも、１又は２以上の中間層を上記ソリッドコアと上記内側カバーとの間に構成することもできる。この中間層の基材樹脂は上述した内側カバーで挙げたものを好適に使用できる。

以上のようにして形成される本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、ボール自体のたわみ硬度、即ち、初期荷重９８Ｎ（１０ｋｇｆ）から１２７５Ｎ（１３０ｋｇｆ）荷重負荷時のたわみ変形量が、通常２．０ｍｍ以上、好ましくは２．３ｍｍ以上、より好ましくは２．５ｍｍ以上、上限として４．０ｍｍ以下、好ましくは３．５ｍｍ以下、より好ましくは３．２ｍｍ以下であることが推奨される。ボールのたわみ硬度が所定量よりも小さくなると、打感が悪くなったり、特にアイアンショット時のスピン量が増え過ぎてしまい飛距離が大きく低下する場合がある。逆に、ボールのたわみ硬度が所定量より大きくなると、ボール反発性に劣ってしまい、特にドライバーでの打撃時の飛距離が低下する場合がある。

本発明のゴルフボールは、その直径、重さはゴルフ規則に従い、直径４２．６７ｍｍ以上、重量は４５．９３ｇ以下に形成することができる。

以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。

〔実施例１〜４，比較例１〜４〕
表１に示すゴム組成物を用い、１５７℃で１５分間の加硫により、ソリッドコアを作成した。
次に、表２に示す組成の内側カバー材を２００℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状の内側カバー材を得た後、上記ソリッドコアを配備した金型内に射出し、内側カバー材で被覆されたソリッドコアを製造した。
さらに、表２に示す組成の最外層カバー材を２００℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状のカバー材を得た後、上記内側カバー材で被覆されたソリッドコアを配備した金型内に射出し、マルチピースソリッドゴルフボールを製造した。
得られた各ゴルフボールの諸特性を表３に示した。なお、各ボール外観及び特性の評価は以下の方法に基づくものである。

ボール硬度及びソリッドコアの硬度
得られたボール及びソリッドコアを初荷重１０ｋｇｆ（９８．０７Ｎ）から終荷重１３０ｋｇｆ（１２７４．９１Ｎ）に負荷した時の圧縮変形量（ｍｍ）をそれぞれ測定した。

ボール外観
ハンディーキャップが１０以内のアマチュアゴルファーが目視によりボール表面を観察し、下記表３に示した項目ごとの評価を行った。
○：１０人中８人以上が各項目で優れていると評価したもの
△：１０人中４〜６人が各項目で優れていると評価したもの
×：１０人中３人以下が各項目で優れていると評価したもの

ボール初速
ＵＳＧＡ（Ｒ＆Ａ）の測定法に準じて測定した。

耐擦過傷性
フェース面にめっきを施していないピッチングウェッジをスイングロボットマシンに取り付け、得られたボールをヘッドスピード４０ｍ／ｓにて一回打撃し、打撃傷を目視で判断した。次の評価基準で評価した。
○：表面の毛羽立ちが小さく、使用上、気にならない程度の傷。
×：表面の毛羽立ちが大きく、使用することに耐え難い程度のひどい傷。

上記結果より、本実施例１〜４のゴルフボールについては、表２に示すような最外層カバー及び内側カバーの組合せにより、ボール外観に優れており、耐擦過傷性にも優れていることが分かる。これに対して、各比較例のゴルフボールでは、ボール外観評価の少なくともいずれか１項目の評価が悪く、特に、比較例１，４のゴルフボールは耐擦過傷性にも劣るものである。

Claims (6)

1. コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーのうち最外層カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂１００質量部に対してコレステリック液晶ポリマーを０．２〜５質量部及び酸化チタンを０．４質量部以下それぞれ含有すると共に、最外層カバーに隣接する内側カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂に１００質量部に対して酸化チタンを１質量部以下、蛍光顔料を１質量部以下にそれぞれ含有することを特徴とするゴルフボール。
2. 上記コレステリック液晶ポリマー１００質量部に対してカーボンブラックを０．０１〜０．５質量部添加してなる請求項１記載のゴルフボール。
3. ソリッドコアの初荷重１０ｋｇｆ（９８．０７Ｎ）から終荷重１３０ｋｇｆ（１２７４．９１Ｎ）を負荷した時の圧縮変形量が２．５〜５．０ｍｍ、最外層カバーのショアＤ硬度が５０〜６２、最外層カバーに隣接する内側カバーのショアＤ硬度が４５〜５５であり、かつゴルフボール全体の初荷重１０ｋｇｆ（９８．０７Ｎ）から終荷重１３０ｋｇｆ（１２７４．９１Ｎ）を負荷した時の圧縮変形量が２．０〜４．０ｍｍである請求項１又は２記載のゴルフボール。
4. コア及び該コアを被覆する２層以上のカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーのうち最外層カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂１００質量部に対してコレステリック液晶ポリマーを０．２〜５質量部含有し、更に該コレステリック液晶ポリマー１００質量部に対してカーボンブラックを０．０１〜０．５質量部添加すると共に、最外層カバーに隣接する内側カバーの基材が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂に１００質量部に対して酸化チタンを１質量部以下、蛍光顔料を１質量部以下にそれぞれ含有することを特徴とするゴルフボール。
5. 上記コアは、ポリブタジエンを主材とし、これに、天然ゴム、ポリイソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムから選ばれる他のゴムを併用配合したゴム組成物にて形成される請求項４記載のゴルフボール。
6. 上記コアは、１，１−ビス−ｔ−ブチルパーオキシ−３，３，５−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）−メタ−ジイソプロピルベンゼン及び２，５−ジメチル−２，５−ジ−ｔ−ブチルパーオキシヘキサンの群から選ばれる有機過酸化物を基材ゴム１００質量部に対し０．１〜５質量部配合したゴム組成物にて形成される請求項４又は５記載のゴルフボール。