JP4304006B2 - Steam turbine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービンに係り、特に蒸気の高温化に対処してタービンノズルボックスの強度保証を高く維持させる蒸気タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気の高温化は、ランキンサイクルの特性を巧みに利用するものであり、蒸気温度を高くすればする程、プラント熱効率を向上させることができるとされている。
【0003】
このため、蒸気タービンは、ひところの比較的低温、低圧の蒸気条件から蒸気温度538℃/566℃または538℃/538℃の一段再熱にほぼ定着しつつある。
【0004】
しかし、最近のように、CO2やNOx等の汚染物質による温暖化現象や環境破壊等が地球規模レベルでクローズアップされている今日、蒸気タービンの分野でも燃料の消費をより一層少なくさせて単機容量を増加させる研究開発が進められており、その一つに中圧タービンを第1中圧タービンと第2中圧タービンとに区分けし、区分けした第1中圧タービンをトップタービンとして配置し、第2中圧タービンを従来と同様にボトムタービンとして配置したコンベンショナルな蒸気タービン部に組み込むとともに、第1中圧タービンにボイラの再熱器からの再熱蒸気を温度700℃以上にして供給することが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
再熱蒸気温度700℃以上の場合、トップタービンとして配置する第1中圧タービンには、解決すべき多くの問題が残されている中で、その一つとして再熱蒸気供給管に接続するタービンノズルボックスの強度がある。
【0006】
このタービンノズルボックスは、ボイラの再熱器から供給される再熱蒸気を再熱蒸気供給管を介してタービン段落に供給する際の蒸気室として機能をするものであるが、何分にも超高温の再熱蒸気に直接晒されるだけに高い強度保証が要求される。現在、高い強度保証を確保することに対し、模索中である。
【0007】
【特許文献1】
特願2003−125672号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、火力発電プラントでは、タービンノズルボックスをコンベンショナルな蒸気タービン部のうち、高圧タービンの蒸気入口側に設置し、温度538℃〜566℃の主蒸気に対処させ、高い強度を維持させていた。
【0009】
しかし、高圧タービンに設置しているタービンノズルボックスを、そのままトップタービンとしての第1中圧タービンに設置しても、再熱蒸気の温度が700℃以上と著しく高くなってくると、高い強度保証を維持させることが難しくなりつつある。
【0010】
このため、蒸気タービンには、タービンノズルボックスを第1中圧タービンに設置しても強度保証を高く維持できる新たな技術の実現化が望まれており、その解決手段として蒸気による冷却の採用が進められている。
【0011】
しかし、蒸気冷却の採用と言えども、蒸気タービンにとっては未開発の分野であり、試行錯誤を繰り返している。
【0012】
本発明は、このような背景技術に基づいてなされたものであり、超高温の再熱蒸気に対処してタービンノズルボックスに高い強度保証を維持させる蒸気タービンを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、再熱蒸気供給管が接続されてボイラから再熱蒸気が供給される中圧タービンを、第1中圧タービンと第2中圧タービンとに区分けし、区分けした第1中圧タービンをトップタービンとして配置し、ボトムタービンとして配置した蒸気タービン部に前記第2中圧タービンを組み込んだ蒸気タービンにおいて、前記第1中圧タービンは、前記再熱蒸気供給管を介して供給される前記再熱蒸気をタービン段落に供給する蒸気室であるタービンノズルボックスを備え、前記タービンノズルボックスは、壁内部に設けられた冷却蒸気通路と、前記冷却蒸気通路から壁内側面に貫通させた噴出口と、前記壁内側面に前記壁内側面から離間させて設けられた遮蔽板とを備え、前記タービンノズルボックスの前記冷却蒸気通路に供給した冷却蒸気を前記噴出孔から前記遮蔽板に向かって噴出させるものである。
【0015】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁内側面の全域を断続的に覆う構成にしたものである。
【0016】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁内側面の全域を密閉して覆う構成にしたものである。
【0017】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、平板状の耐熱板であることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、波状板であることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、支持部で支持させる構成にしたものである。
【0020】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面を覆う遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁内面に対し、層状に配置し、層状に配置した各遮蔽板間に通路を形成する構成にしたものである。
【0021】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面の全域を密閉して覆う遮蔽板は、冷却蒸気を投入する冷却蒸気投入口と冷却蒸気を回収する冷却蒸気回収口とを備えたものである。
【0022】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面の全域を密閉して覆う遮蔽板は、複数に区分けして配置するとともに、複数に区分けした遮蔽板毎に冷却蒸気投入口と冷却蒸気回収口とを備えたものである。
【0023】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面の全域を密閉して覆う遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁内面に対し、層状に配置し、層状に配置した各遮蔽板間に通路を形成するとともに、冷却蒸気投入口から各通路に投入する冷却蒸気を回収する冷却蒸気回収口を備えたものである。
【0024】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、タービンノズルボックスの壁内側面の全域を密閉して覆う遮蔽板は、前記タービンノズルボックスの壁内面に対し、仕切りを設けるとともに、各仕切りに冷却蒸気通過口を備えたものである。
【0025】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、仕切りに設けた冷却蒸気通過口は、前記仕切りに対し、互い違いに蛇行して配置する構成にしたものである。
【0026】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項13に記載したように、冷却蒸気は、蒸気タービン部の高圧タービンの高圧タービン抽気であることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明に係る蒸気タービンは、上述の目的を達成するために、請求項14に記載したように、冷却蒸気は、トップタービンとして配置する第1中圧タービンの中圧タービン抽気であることを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気タービンの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0029】
本発明に係る蒸気タービンの実施形態の説明に先立ち、まず、温度700℃以上の超高温再熱蒸気を用いる蒸気タービンプラントの実施形態を、図1を引用して説明する。
【0030】
本実施形態に係る蒸気タービンプラントは、コンベンショナルな蒸気タービン部1のうち、中圧タービン2を第1中圧タービン2aと第2中圧タービン2bとに区分けし、区分けした第1中圧タービン2aをトップタービンとして配置し、温度700℃以上の再熱蒸気に膨張仕事をさせるとともに、第1中圧タービン2aに超高温再熱蒸気を供給して強度的に充分に保証できるように、ボトムタービンとして配置したコンベンショナルな蒸気タービン部1のうち、高圧タービン3の中間段落からの高圧タービン抽気を冷却蒸気として用い、この冷却蒸気を高圧タービン抽気系5を介して第1中圧タービン2aに供給する蒸気冷却系4を設ける一方、第1中圧タービン2aで膨張仕事を終えた中圧タービン排気を中圧タービン排気系12を介して給水系14の給水を加熱させる過熱器6を設けている。
【0031】
ボトムタービンとして配置したコンベンショナルな蒸気タービン部1は、互いを軸結合させて高圧タービン3、第2中圧タービン2b、複流タイプの低圧タービン7、発電機8を備え、ボイラ9から発生した主蒸気を高圧タービン3に供給し、ここで膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えた高圧タービン排気を低温再熱系10を介してボイラ9の再熱器11に供給され、ここで温度700℃以上の再熱蒸気に生成され、生成された再熱蒸気をトップタービンとしての第1中圧タービン2aに供給している。
【0032】
第1中圧タービン2aは、再熱蒸気に膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えた中圧タービン排気を中圧タービン排気系12を介して過熱器6に供給するとともに、残りを蒸気タービン部1の第2中圧タービン2bに供給し、再び膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えた中圧タービン排気を低圧タービン7に供給し、ここでも膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機8を駆動している。
【0033】
また、本実施形態に係る蒸気タービンプラントは、復水系13と給水系14とを備えている。
【0034】
復水系13は、復水の流れに沿って順に、復水器15、復水ポンプ16、第1低圧給水加熱器17、第2低圧給水加熱器18、第3低圧給水加熱器19、第4低圧給水加熱器20を備え、低圧タービンからの低圧タービン排気を復水器15で凝縮して復水にし、この復水を復水ポンプ16で圧送させ、第1〜第4低圧給水加熱器17,18,19,20で低圧タービン7からの低圧抽気蒸気を熱源として順次、予熱(再生)させている。
【0035】
一方、給水系14は、給水の流れに沿って順に、脱気器21、給水ポンプ22、第1高圧給水加熱器23、第2高圧給水加熱器24、第3高圧給水加熱器25、第4高圧給水加熱器26、過熱器27を備え、脱気器21で復水系13の第4低圧給水加熱器20から供給される復水を蒸気タービン部1の第2中圧タービン3bからの中圧抽気蒸気を熱源として加熱脱気させて給水にし、この給水を給水ポンプ22で昇圧させ、第1〜第4高圧給水加熱器23,24,25,26で蒸気タービン部1の第2中圧タービン3bからの中圧タービン抽気、高圧タービン3からの高圧タービン抽気、高圧タービン3からの高圧タービン排気、過熱器6からの過熱蒸気等を熱源として順次予熱させた後、ボイラ9に戻している。
【0036】
他方、ボトムタービンとして配置したコンベンショナルな蒸気タービン部1に対し、トップタービンとして配置した第1中圧タービン2aには、蒸気タービン部1の高圧タービン3の中間段落から抽気する冷却蒸気として使用する高圧タービン抽気が低温再熱系10、蒸気冷却系4を介して供給されている。
【0037】
また、第1中圧タービン2aは、図2に示すように、外部ケーシング32と内部ケーシング33との2重ケーシング構造にするとともに、再熱蒸気管27から供給される超高温の再熱蒸気を一旦集め、集めた再熱蒸気を内部ケーシング33に収容するタービンロータ34の軸方向に沿って多段落に設けたタービンノズル29とタービン動翼30とで構成するタービン段落28に噴出させるタービンノズルボックス31を備えている。
【0038】
このタービンノズルボックス31は、図3および図4に示すように、一側面を再熱蒸気管27に接続し、タービン段落28に臨む他側面を、ノズル口(絞り口)35を備えた蒸気室36を形成するとともに、蒸気室36を形成する壁37の内部に設けた冷却蒸気通路38と、冷却蒸気通路38からの冷却蒸気を壁37の壁内側面に向って噴出させる噴出口39と、支持部40で支持され、壁面37の壁内側面全体を断続的に覆い、冷却蒸気流出口45を備えた遮蔽板41とで構成される。
【0039】
この遮蔽板41は、例えば、平板状の耐熱板、具体的には耐酸化性に優れたオーステナイト系合金SUS310等が使用される。
【0040】
このような構成を備える第1中圧タービン2aにおいて、タービンノズルボックス31には、図1に示すように、蒸気タービン部1の高圧タービン3の中間段落から抽気する高圧タービン抽気が高圧タービン抽気系5、蒸気冷却系4を介して冷却蒸気として供給される。なお、冷却蒸気は、高圧タービン抽気を用いたが、これに限らず第1中圧タービン2aの中圧タービン抽気でもよく、またはボイラで加熱中の蒸気でもよい。
【0041】
タービンノズルボックス31に供給された冷却蒸気は、図3および図4に示すように、壁37の内部に形成する冷却蒸気通路38を流れる間に壁37を冷却させた後、噴出口39から遮蔽板41に向って噴出し、ここからさらに冷却蒸気流出口45を介して蒸気室36に向って噴出する。
【0042】
図14は、タービンノズルボックス31に超高温の再熱蒸気が供給されたときの遮蔽板41を設けた場合の壁37に与える温度分布線図で、横軸にタービンノズルボックス31の壁37、壁37の内面側の遮蔽板41のそれぞれの各位置を模式的に示し、縦軸に温度を示している。
【0043】
この図から、遮蔽板41があるために、タービンノズルボックス31の壁37に超高温の再熱蒸気から与えられる熱が少なくなっていることがわかった。
【0044】
このように、本実施形態は、タービンノズルボックス31の壁37の内部に冷却蒸気を流す冷却蒸気通路38を形成し、超高温の再熱蒸気とタービンノズルボックス31の壁37との温度差を少なくさせるとともに、タービンノズルボックス31の壁内側面を遮蔽板41で断続的に覆い、タービンノズルボックス31の壁37への超高温の再熱蒸気から与えられる熱を遮蔽させる構成にしたので、タービンノズルボックス31の壁37に発生する熱応力等を少なくさせることができ、高い強度保証を維持させて蒸気タービンに安定運転を行わせることができる。
【0045】
なお、本実施形態では、タービンノズルボックス31の外側を覆う遮蔽板41を平板状の耐熱板を用いたが、この例に限らず、例えば、図5に示すように、遮蔽板42を伸縮材で作製された波状板を用いてもよい。熱移動を効果的に吸収する点で有効である。
【0046】
また、本実施形態では、タービンノズルボックス31の壁内側面を断続的に覆う遮蔽板41を、壁37の内面から同じ高さにして支持部40で支持させているが、この例に限らず、例えば、図6に示すように、支持部41を他の支持部40b,40cよりも高くし、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面と遮蔽板41との空間部43をより広く確保して噴出口39から噴出する冷却蒸気の圧力を回復させてもよく、さらに、例えば、図7に示すように、遮蔽板41a,41b,41c,…を支持する支持部40a,40b,40c,…を順次、タービンノズルボックス31の壁内側面から蒸気室36に向って高くし、層状に配置した遮蔽板41a,41b,41c,…で通路44a,44b,…を形成し、遮蔽板41a,41b,41c,…の内径側、外径側の両面に冷却蒸気を流して冷却させてもよい。
【0047】
図8および図9は、本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックス31の第2実施形態を示す断面図である。
【0048】
本実施形態に係る蒸気タービンは、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を遮蔽板41で密閉にして覆い、密閉にした遮蔽板41を支持部40で支持させるとともに、タービンノズルボックス31の壁37の内部に設けた冷却蒸気通路38と遮蔽板41との間に形成する空間部47に冷却蒸気通路38からの冷却蒸気を噴出させる噴出口4bと、噴出させた冷却蒸気を再び冷却蒸気通路38に回収させる回収口48とを備えたものである
このように、本実施形態は、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を密閉にして覆う遮蔽板41を設けるとともに、密閉した空間部47と冷却蒸気通路38との間に冷却蒸気の噴出と回収とのそれぞれを行わせる噴出口46と、回収口48とを備え、タービンノズルボックス31の壁37に超高温の再熱蒸気から与えられる熱を遮蔽させる構成にしたので、タービンノズルボックス31に発生する熱応力を低く抑えることができ、蒸気タービンに安定運転を行わせることができる。
【0049】
なお、本実施形態に係る蒸気タービンは、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を覆う遮蔽板41を密閉形にし、密閉した空間部47と冷却蒸気通路38との間に冷却蒸気の噴出と回収とのそれぞれを行わせる噴出口46と、回収口47とを備えたが、この例に限らず、例えば、図10に示すように、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を遮蔽板41で密閉にして覆い、その密閉する遮蔽板41を第1遮蔽板41a、第2遮蔽板41b、…と細く複数に区分けし、区分けした遮蔽板41a,41b,…のそれぞれに形成する空間部47a,47b,…と冷却蒸気通路38との間に噴出口46と回収口48とを設けてもよく、さらに、例えば、図11に示すように、遮蔽板41a,41b,41c,…を支持する支持部40a,40b,40c,…を順次タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面から蒸気室36に向って高くし、層状に配置した遮蔽板41a,41b,41c,…で通路44a,44b,…を形成し、遮蔽板41a,41b,41c,…の内径側、外径側の両面に冷却蒸気を流して冷却させてもよい。
【0050】
図12は、本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックス31の第3実施形態を示す一部切欠概念図である。
【0051】
本実施形態に係る蒸気タービンは、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を遮蔽板41で密閉にして覆い、密閉にした遮蔽板41に、例えば図1に示した高圧タービン3からの高圧タービン抽気を冷却蒸気として供給する冷却蒸気供給口49と、タービンノズルボックス31の壁37を冷却させた後の冷却蒸気を、例えば、第1中圧タービン2aの中間段落に回収させる冷却蒸気回収口50とを設けたものである。なお、遮蔽板41は、支持部40で支持される。
【0052】
このように、本実施形態は、遮蔽板41で密閉するタービンノズルボックス31の壁37の壁内側面に冷却蒸気を直接供給して冷却させるので、比較的圧力損失を少なくさせてタービンノズルボックス31の壁37を良好に冷却させることができる。
【0053】
なお、本実施形態は、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を密閉にして覆う遮蔽板41に冷却蒸気供給口49と冷却蒸気回収口50とを設け、タービンノズルボックス31の壁37に、直接、冷却蒸気を供給したが、この例に限らず、例えば、図13に示すように、タービンノズルボックス31の壁37の壁内側面全域を遮蔽板41で密閉にして覆うとともに、密閉にした空間部分に仕切り51,51,…を複数設け、各仕切り51,51,…の互い違いの蛇行位置に冷却蒸気通過口52,52,…を設け、冷却蒸気を蛇行させてタービンノズルボックス31の壁37を冷却させてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る蒸気タービンは、タービンノズルボックスの壁の壁内側面全域を遮蔽板で覆うとともに、タービンノズルボックスの壁を遮蔽板で覆って形成する空間部分に冷却蒸気を直接供給し、タービンノズルボックスの壁に超高温の再熱蒸気からの熱を直接与えない構成にしたので、超高温の再熱蒸気の熱に基づく過度な熱応力等の発生もなく、タービンノズルボックスに高い強度保証を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中圧タービンを第1中圧タービンと第2中圧タービンとに区分けし、区分けした第1中圧タービンをトップタービンとして配置し、第1中圧タービンに超高温の再熱蒸気を供給する蒸気タービンプラントの概略系統図。
【図2】図1で示した第1中圧タービンの概略縦断面図。
【図3】本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの第1実施形態を示す概略断面図。
【図4】図3のX部の部分拡大断面図。
【図5】図3におけるタービンノズルボックスの第1変形例を示す部分断面図。
【図6】図3におけるタービンノズルボックスの第2変形例を示す部分断面図。
【図7】図3におけるタービンノズルボックスの第3変形例を示す部分断面図。
【図8】本発明に係る蒸気タービンに適用するタービンノズルボックスの第2実施形態を示す概略断面図。
【図9】図8のY部の部分拡大断面図。
【図10】図9におけるタービンノズルボックスの第1変形例を示す概念図。
【図11】図9におけるタービンノズルボックスの第2変形例を示す概念図。
【図12】図9におけるタービンノズルボックスの第3変形例を示す概念図。
【図13】図9におけるタービンノズルボックスの第4変形例を示す概念図。
【図14】タービンノズルボックスの壁内側面を遮蔽板で覆った場合、再熱蒸気のタービンノズルボックス壁に与える温度分布線図。
【符号の説明】
1 蒸気タービン部
2 中圧タービン
2a 第1中圧タービン
2b 第2中圧タービン
3 高圧タービン
4 蒸気冷却系
5 高圧タービン抽気系
6 過熱器
7 低圧タービン
8 発電機
9 ボイラ
10 低温再熱系
11 再熱器
12 中圧タービン排気系
13 復水系
14 給水系
15 復水器
16 給水ポンプ
17 第1低圧給水加熱器
18 第2低圧給水加熱器
19 第3低圧給水加熱器
20 第4低圧給水加熱器
21 脱気器
22 給水ポンプ
23 第1高圧給水加熱器
24 第2高圧給水加熱器
25 第3高圧給水加熱器
26 第4高圧給水加熱器
27 再熱蒸気管
28 タービン段落
29 タービンノズル
30 タービン動翼
31 タービンノズルボックス
32 外部ケーシング
33 内部ケーシング
34 タービンロータ
35 ノズル口
36 蒸気室
37 壁
38 冷却蒸気通路
39 噴出口
40,40a,40b… 支持部
41,41a,40b… 遮蔽板
42 遮蔽板
43 空間部
44a,44b… 通路
45 冷却蒸気流出口
46 噴出口
47 空間部
48 回収口
49 冷却蒸気供給口
50 冷却蒸気回収口
51 仕切り
52 冷却蒸気通過口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steam turbine, and more particularly, to a steam turbine that can maintain high strength assurance of a turbine nozzle box by coping with high steam temperatures.
[0002]
[Prior art]
The high temperature of the steam skillfully utilizes the characteristics of the Rankine cycle, and it is said that the higher the steam temperature, the more the plant thermal efficiency can be improved.
[0003]
For this reason, steam turbines are becoming nearly established from the relatively low temperature and low pressure steam conditions to single-stage reheating of steam temperatures of 538 ° C / 566 ° C or 538 ° C / 538 ° C.
[0004]
However, as recently, global warming and environmental destruction caused by pollutants such as CO 2 and NOx have been raised on a global scale, and even in the field of steam turbines, fuel consumption has been reduced to a single unit. Research and development to increase the capacity is underway, one of which is dividing the intermediate pressure turbine into a first intermediate pressure turbine and a second intermediate pressure turbine, and arranging the divided first intermediate pressure turbine as a top turbine, The second intermediate pressure turbine is incorporated in a conventional steam turbine section arranged as a bottom turbine as in the conventional case, and the reheat steam from the boiler reheater is supplied to the first intermediate pressure turbine at a temperature of 700 ° C. or higher. Has been proposed (see Patent Document 1).
[0005]
When the reheat steam temperature is 700 ° C. or higher, the first intermediate pressure turbine arranged as the top turbine still has many problems to be solved, and as one of them, the turbine connected to the reheat steam supply pipe There is strength of the nozzle box.
[0006]
This turbine nozzle box functions as a steam chamber when supplying reheated steam supplied from a boiler reheater to a turbine stage through a reheated steam supply pipe. A high strength guarantee is required only by direct exposure to high-temperature reheat steam. Currently, we are exploring ways to ensure high strength.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application No. 2003-125672 [0008]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, in a thermal power plant, a turbine nozzle box is installed on the steam inlet side of a high-pressure turbine in a conventional steam turbine section to cope with main steam at a temperature of 538 ° C. to 566 ° C. to maintain high strength.
[0009]
However, even if the turbine nozzle box installed in the high-pressure turbine is installed in the first medium-pressure turbine as the top turbine as it is, if the temperature of the reheat steam becomes extremely high at 700 ° C or higher, a high strength guarantee is provided. Is becoming difficult to maintain.
[0010]
For this reason, it is desired for the steam turbine to realize a new technology capable of maintaining a high strength guarantee even when the turbine nozzle box is installed in the first intermediate pressure turbine. It is being advanced.
[0011]
However, adoption of steam cooling is an undeveloped field for steam turbines, and trial and error are repeated.
[0012]
The present invention has been made based on such a background art, and an object of the present invention is to provide a steam turbine that copes with extremely high-temperature reheat steam and maintains a high strength guarantee in a turbine nozzle box.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
Steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 1, and reheat steam supply pipe is connected to pressure turbine in the reheat steam is supplied from the boiler, the In a steam turbine in which a first intermediate pressure turbine is divided into a first intermediate pressure turbine, the divided first intermediate pressure turbine is disposed as a top turbine, and the second intermediate pressure turbine is incorporated in a steam turbine portion disposed as a bottom turbine. The first intermediate pressure turbine includes a turbine nozzle box which is a steam chamber for supplying the reheat steam supplied through the reheat steam supply pipe to a turbine stage, and the turbine nozzle box is disposed inside the wall. A provided cooling steam passage, a jet port penetrating from the cooling steam passage to the inner wall surface, and a shielding plate provided on the inner wall surface away from the inner wall surface Provided is a cooling steam supplied to the cooling steam passage of the turbine nozzle box which is ejected toward the shield plate from the ejection hole.
[0015]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in
[0016]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 3, the shield plate covering the wall inner surface of the turbine nozzle box wall inner surface of the turbine nozzle box The entire area is hermetically covered.
[0017]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in
[0018]
Further, the steam turbine relating to the present invention, to achieve the object, as described in
[0019]
Moreover, in order to achieve the above-mentioned object, the steam turbine according to the present invention is configured such that the shielding plate covering the inner wall surface of the turbine nozzle box is supported by the support portion as described in claim 6. It is.
[0020]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 7, the shielding plate for covering the wall inner surface of the turbine nozzle box to wall inner surface of the turbine nozzle box These are arranged in layers, and a passage is formed between the shielding plates arranged in layers.
[0021]
Further, in order to achieve the above object, the steam turbine according to the present invention, as described in
[0022]
In order to achieve the above object, the steam turbine according to the present invention has a shielding plate that covers and seals the entire area of the inner surface of the wall of the turbine nozzle box, as described in
[0023]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 1 0, shielding plate covering seals the entire region of the wall inner surface of the turbine nozzle box, the turbine nozzle Arranged in layers with respect to the inner wall of the box, and formed a passage between the shield plates arranged in layers, and provided with a cooling steam recovery port for recovering the cooling steam that enters the passage from the cooling steam input port It is.
[0024]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 1 1, shielding plate covering seals the entire region of the wall inner surface of the turbine nozzle box, the turbine nozzle A partition is provided on the inner wall surface of the box, and each partition is provided with a cooling steam passage port.
[0025]
The steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claim 1 2, the cooling steam passage port formed in a partition, compared the partition, and alternately meandering arrangement It is the structure which does.
[0026]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claims 1 to 3, the cooling steam is characterized by a high-pressure turbine extraction of the high-pressure turbine of the steam turbine unit Is.
[0027]
Further, the steam turbine according to the present invention, in order to achieve the above object, as described in claims 1 to 4, the cooling steam is a pressure turbine extraction in the first intermediate-pressure turbine disposed as a top turbine It is characterized by this.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, an embodiment of a steam turbine according to the present invention will be described with reference to the drawings and reference numerals attached to the drawings.
[0029]
Prior to the description of the embodiment of the steam turbine according to the present invention, first, an embodiment of a steam turbine plant using ultra-high temperature reheated steam having a temperature of 700 ° C. or higher will be described with reference to FIG.
[0030]
In the steam turbine plant according to the present embodiment, in the conventional steam turbine unit 1, the
[0031]
A conventional steam turbine unit 1 arranged as a bottom turbine includes a high-pressure turbine 3, a second intermediate-
[0032]
The first intermediate-
[0033]
The steam turbine plant according to this embodiment includes a
[0034]
The
[0035]
On the other hand, the
[0036]
On the other hand, in contrast to the conventional steam turbine section 1 arranged as a bottom turbine, the first
[0037]
Further, as shown in FIG. 2, the first
[0038]
As shown in FIGS. 3 and 4, the
[0039]
As the shielding
[0040]
In the first
[0041]
As shown in FIGS. 3 and 4, the cooling steam supplied to the
[0042]
FIG. 14 is a temperature distribution diagram given to the
[0043]
From this figure, it was found that due to the shielding
[0044]
As described above, in the present embodiment, the cooling
[0045]
In this embodiment, the
[0046]
In the present embodiment, the shielding
[0047]
8 and 9 are cross-sectional views showing a second embodiment of a
[0048]
In the steam turbine according to the present embodiment, the entire inner wall surface of the
[0049]
In the steam turbine according to the present embodiment, the shielding
[0050]
FIG. 12 is a partially cutaway conceptual view showing a third embodiment of a
[0051]
The steam turbine according to the present embodiment covers the entire inner side surface of the
[0052]
As described above, in the present embodiment, the cooling steam is directly supplied to the wall inner surface of the
[0053]
In the present embodiment, a cooling
[0054]
【The invention's effect】
As described above, the steam turbine according to the present invention covers the entire inner side surface of the wall of the turbine nozzle box with the shielding plate, and supplies the cooling steam to the space portion formed by covering the wall of the turbine nozzle box with the shielding plate. Since it is configured to supply directly and heat from the ultra-high temperature reheat steam is not directly applied to the wall of the turbine nozzle box, there is no occurrence of excessive thermal stress etc. due to the heat of the ultra-high temperature reheat steam, and the turbine nozzle The box can maintain a high strength guarantee.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows that a medium-pressure turbine is divided into a first medium-pressure turbine and a second medium-pressure turbine, the divided first medium-pressure turbine is arranged as a top turbine, and an ultrahigh-temperature reheat steam is disposed in the first medium-pressure turbine. The schematic system diagram of the steam turbine plant which supplies
FIG. 2 is a schematic longitudinal sectional view of the first intermediate pressure turbine shown in FIG.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing a first embodiment of a turbine nozzle box applied to a steam turbine according to the present invention.
4 is a partial enlarged cross-sectional view of a portion X in FIG. 3;
FIG. 5 is a partial sectional view showing a first modification of the turbine nozzle box in FIG. 3;
6 is a partial cross-sectional view showing a second modification of the turbine nozzle box in FIG. 3;
7 is a partial cross-sectional view showing a third modification of the turbine nozzle box in FIG. 3;
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view showing a second embodiment of a turbine nozzle box applied to a steam turbine according to the present invention.
9 is a partially enlarged cross-sectional view of a Y portion in FIG.
10 is a conceptual diagram showing a first modification of the turbine nozzle box in FIG. 9;
11 is a conceptual diagram showing a second modification of the turbine nozzle box in FIG. 9;
12 is a conceptual diagram showing a third modification of the turbine nozzle box in FIG.
13 is a conceptual diagram showing a fourth modification of the turbine nozzle box in FIG. 9. FIG.
FIG. 14 is a temperature distribution diagram of reheat steam given to the turbine nozzle box wall when the inner surface of the wall of the turbine nozzle box is covered with a shielding plate.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (14)
前記第1中圧タービンは、前記再熱蒸気供給管を介して供給される前記再熱蒸気をタービン段落に供給する蒸気室であるタービンノズルボックスを備え、
前記タービンノズルボックスは、壁内部に設けられた冷却蒸気通路と、前記冷却蒸気通路から壁内側面に貫通させた噴出口と、前記壁内側面に前記壁内側面から離間させて設けられた遮蔽板とを備え、
前記タービンノズルボックスの前記冷却蒸気通路に供給した冷却蒸気を前記噴出口から前記遮蔽板に向かって噴出させることを特徴とする蒸気タービン。 The intermediate pressure turbine to which the reheat steam supply pipe is connected and the reheat steam is supplied from the boiler is divided into a first intermediate pressure turbine and a second intermediate pressure turbine, and the divided first intermediate pressure turbine is used as a top turbine. In the steam turbine in which the second intermediate pressure turbine is incorporated in the steam turbine section disposed as a bottom turbine,
The first intermediate pressure turbine includes a turbine nozzle box which is a steam chamber for supplying the reheat steam supplied via the reheat steam supply pipe to a turbine stage,
The turbine nozzle box includes a cooling steam passage provided in a wall, a jet port penetrating the cooling steam passage from the cooling steam passage to an inner wall surface, and a shield provided on the inner wall surface away from the inner wall surface. With a board,
A steam turbine, wherein the cooling steam supplied to the cooling steam passage of the turbine nozzle box is jetted from the jet port toward the shielding plate .
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