JP4302930B2 - 高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部窒化処理と外部窒化処理を組み合わせて強度・靭性の他に耐食性を改善した窒化処理Mo合金加工材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
Moは融点が約2600℃と高く、他の高融点金属に比べて比較的に機械的強度に優れており、熱膨張率が小さく、電気伝導性・熱伝導性が良好、溶融アルカリ金属や塩酸に対する耐食性が良好、などの特徴を有し、電極、管球用部品、半導体部品、耐熱構造部品、原子炉用材料などの用途がある。
【0003】
しかし、加工組織を有する加工材ではクラック伝播が困難で高靭性を示すのに対して、一旦、加熱(約1050℃以上)後の再結晶材では、クラック伝播が容易になり脆化するので高温強度が十分ではなく、高温強度を改善したMo合金としてTZM合金(Mo-0.5Ti-0.08Zr-0.03C)やTZC(Mo-1.5Nb-0.5Ti-0.03Zr-0.03C)合金が開発されている。
【0004】
本発明者らは、先に、多段階の内部窒化処理を行って超微細窒化物を分散含有させたMoなどの高融点金属合金加工材において、加工材の少なくとも表面側は加工組織を維持したままとすることにより高靭性・高強度が得られることを見出だした(特開2001−73060号公報)。
【0005】
Moは上記のように優れた特性を有するが、熱濃硫酸や硝酸などの酸化性の酸に対する耐食性がない。耐食性改善に関して、本発明者らは、MoおよびMo系合金を窒化処理して厚さ0.5〜10μmのMo2N層を設けた高耐食性Mo系複合材料を開発した(特開平11−286770号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
超苛酷腐食条件下(例えば、沸騰濃硫酸溶液)での装置材料としては、現在までTa金属しか有用でなかった。しかし、Ta金属は低強度であり、特に高温度での強度は低く、高強度が要求される装置・構造材料としては適していない。また、Ta金属に代わる材料として本発明者らが開発した上記の高耐食性Mo系複合材料は製造過程において母材が再結晶する結果、材料全体が脆化する欠点があった。
【0007】
そこで、本発明は、沸騰濃硫酸溶液(例:75%H2SO4水溶液(180℃))など超苛酷腐食条件下でも十分に高耐食性および高強度を示し、その上、高温においても高強度で、かつ低温でも高靭性を有するこれまでにない物性を合わせ持つ革新的材料とその効率的な製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、Mo加工材に内部窒化処理と外部窒化処理を組み合わせることにより、効率的に安価に高強度・高靭性とともに酸化性の酸に対しても優れた耐食性を有するMo合金加工材が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、Mo合金加工材のMo母相中に固溶した窒化物形成金属元素が内部窒化されて生成した窒化物粒子が該加工材内部の表面側の加工組織または回復組織に分散した層が形成され、さらに、該加工材表面の加工組織または回復組織が外部窒化されて生成したδ−MoN、γ−Mo 2 Nまたはβ−Mo 2 Nの少なくとも1種からなる厚さ3μm以下のMo窒化物層が表面に形成されており、該加工材内部が再結晶組織層である、三層構造からなり、前記内部窒化した段階よりも大きな降伏強度を有することを特徴とする高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材である。
【0010】
また、本発明は、Mo合金加工材のMo母相中に固溶した窒化物形成金属元素が内部窒化されて生成した窒化物粒子が該加工材内部の表面側の加工組織または回復組織に分散した層が形成され、さらに、該加工材表面の加工組織または回復組織が外部窒化されて生成したδ−MoN、γ−Mo 2 Nまたはβ−Mo 2 Nの少なくとも1種からなる厚さ3μm以下のMo窒化物層が表面に形成されている、内部まで加工組織が保持され、再結晶層のない二層構造からなり、前記内部窒化した段階よりも大きな降伏強度を有することを特徴とする高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材である。
【0011】
さらに、本発明は、Moを母相とし、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの少なくとも1種を固溶した合金加工材に段階的に処理温度を上げて少なくとも3段階の内部窒化処理を行い、次いで外部窒化処理を900℃以下で行い厚さ3μm以下のMo窒化物層を表面に形成することを特徴とする上記の窒化処理Mo合金加工材の製造方法である。
【0012】
また、本発明は、内部窒化処理をN2ガスで行い、次いで外部窒化処理をNH3ガスで行うことを特徴とする上記の窒化処理Mo合金加工材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の窒化処理Mo合金加工材の断面構造の一例を示す模式図である。図1に示す本発明の窒化処理Mo合金加工材は、加工材1の内部の表面側の加工組織または回復組織層3に分散したナノサイズ窒化物粒子2の層、加工材の表面の加工組織または回復組織層3が外部窒化されて生成したMo2N表面層4と加工材の内部のMo再結晶組織層5からなる三層構造となる。加工材が比較的薄い場合には内部まで完全に加工組織が保持されたままとすることも可能であり、その場合はMo再結晶層5のない二層構造となる。
【0014】
加工材は、Moを母相とし、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの少なくとも1種を固溶した希薄合金を圧延などの加工を行ったものである。なお、希薄合金とは固溶体合金の溶質元素の濃度が約5重量%以下の微少量含有される合金をいう。
【0015】
本発明の高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材は下記の内部窒化処理(1)〜(3)と外部窒化処理(4)により製造される。図2の(1)〜(3)は、段階的に処理温度を上げて行う内部窒化処理(1)〜(3)の各段階の加工材の組織を示す模式図である。
【0016】
(1)第1段窒化処理:窒化雰囲気中において再結晶上限温度以下で、かつ再結晶下限温度−200℃以上の温度で加熱して、窒化物形成用金属元素の超微細窒化物粒子を分散形成させる。第1段窒化処理では、希薄合金加工材の加工組織X1を維持したまま窒素を加工材に拡散することにより母相中に固溶されている窒化物形成金属元素を優先窒化して直径1〜2nm程度のサブナノ板状窒化物粒子を形成し、母相に分散させる。なお、優先窒化とは、母相の金属ではなく窒化物形成元素のみが優先的に窒化される現象をいう。この窒化処理により生成した析出粒子のピン止め効果により加工材表面部の再結晶温度が上昇する。
【0017】
(2)第2段窒化処理:窒化雰囲気中において第1段窒化処理で得られた加工材の再結晶下限温度以上の温度で加熱して、超微細窒化物粒子を粒成長させ安定化させる。第2段窒化処理により析出粒子の成長・安定化により再結晶温度がさらに上昇する。窒化時に加工材内部は再結晶し加工組織X2が残るが、加工材が比較的薄い場合(3mm以下)には内部まで完全に加工組織の保持が可能である。
【0018】
(3)第3段以降の窒化処理:窒化雰囲気中において前段処理で得られた加工材の再結晶下限温度以上の温度で加熱して、窒化物粒子を粒成長させ安定化させる。第3段以降の窒化処理は、加工組織X3を残したまま、窒化物粒子の更なる成長・安定化を目的とするものであり、太さ約10nm、長さ約50nmの棒状窒化物粒子がMo母相に均一に分散する。第3段以降の第4段、第5段などの窒化処理は適宜行うことができる。
【0019】
(4)外部窒化処理:強い窒化処理によりMoの窒化物層を表面に形成する。窒化雰囲気は、アンモニアガス雰囲気、N2ガス雰囲気、フォーミングガス雰囲気(水素ガス:窒素ガス=1:9〜5:5)、およびこれら三者のガスのそれぞれにプラズマ放電させた雰囲気などいずれでもよい。形成されるMo窒化物はδ−MoN、γ−Mo2Nまたはβ−Mo2Nの少なくとも1種からなる。表面のMo窒化物層と加工材内部のMo母相との間には加工組織または回復組織が残るようにする。
【0020】
外部窒化処理の加熱処理温度と皮膜の厚さの関係をMo−0.5wt%Ti合金の場合について下記の表1に示す。加熱温度が高いほど膜厚が大きくなる。耐食性の観点からは膜厚は厚い方がよいといえるが、厚くするにつれ内部窒化した段階よりも靭性(曲げ特性)が低下することが分かった。したがって、靭性と耐食性を兼ね備える条件としては、900℃以下の外部窒化処理(厚さ約3μm以下)とする必要がある。
【0021】
【表1】
【0022】
本発明の窒化処理Mo合金加工材は、半導体・セラミックス・金属高温焼成用支持板、高温加熱炉用ヒーター、高温加熱炉用部材、腐食環境下の化学設備・装置用構造材(高温焼却炉等も含む)、超臨界・亜臨界溶液反応装置材料などの他、硫酸、硝酸などの酸化性の酸用の耐酸容器や管材、超苛酷腐食条件下(例えば、沸騰濃硫酸溶液)での装置材料、超高温ヒーター、金属射出成型金型、ディーゼルエンジン用噴射ノズルなどとして有用である。
【0023】
【実施例】
比較例1
厚さ1mm、一辺10mmの平板状のMo−1.0wt%Ti合金加工材をN2ガス(1気圧)気流中にて加熱温度を変えて4段内部窒化した。加熱温度は、900℃→950℃→1200℃→1500℃とした。
【0024】
この多段窒化処理により、加工材の表面域(表面から深さ約200μmまで)は加工・回復組織を保持し(内部は再結晶組織)、加えて微細なTiN粒子を分散析出させた。さらに、NH3ガス(1気圧)気流中にて1000℃、4時間外部窒化処理して加工材の表面に厚み14.0μmのMo窒化物(γ‐Mo2Nなど)層を形成した。
【0025】
この加工材では、加工材の表面がMo窒化物層、その内側が微細TiN粒子が分散析出した加工・回復結晶粒組織のMoを母相とする固溶元素の窒化物層、さらにその内側は大きな等軸再結晶粒組織のMo合金層の三層構造を呈する。しかしながら、表面のMo窒化物層の膜厚が大きく内部窒化した段階よりも靭性が低下した。
【0026】
次に、苛酷腐食環境下での耐食性を検討するため、75%濃硫酸沸騰溶液(185℃)中で腐食試験を行った結果を図3に示す。図3中には、比較試料として純Moの結果も示す。純Moの腐食速度は8mm/年と高く、激しく腐食するのに対して、比較例1の加工材は0.076mm/年と殆ど腐食せず、ほぼ完全耐食性(腐食速度:<0.05mm/年)を示すことが見出された。
【0027】
実施例1
Mo−0.5wt%Ti合金加工材をN2ガス(1気圧)気流中にて加熱温度を変えて3段内部窒化した。温度は、900℃→1200℃→1500℃とした。3段内部窒化処理したMo合金を、さらに、1気圧NH3気流中で900℃、4h加熱(外部窒化処理)して、加工材表面にMo窒化物(δ−MoN,γ−Mo2N)層を均一に形成した。この多段窒化処理により、微細TiN粒子が分散析出し、加工・回復結晶粒組織の内部窒化層は310μmであり、Mo窒化物の外部窒化層は2.8μmであった。また、加工材表面のX線回折パターンより、δ−MoNとγ−Mo2Nの外部窒化物層の形成が認められた。
【0028】
75%濃硫酸沸騰溶液(185℃)中で腐食試験を行った結果を図3に示す。実施例2の加工材では、0.046mm/年と殆ど腐食せず、完全耐食性(腐食速度:<0.05mm/年)を示す。
【0029】
さらに、実施例1の3段内部窒化処理(900℃→1200℃→1500℃)した加工材とその後に外部窒化処理(900℃−4h)した加工材の室温における曲げ強度(降伏強度と最大強度)を表2に示す。また、図4に(a)断面組織写真と(b)曲げ試験後の試片のマクロ写真を示す。
【0030】
表2より、実施例1の900℃、4h外部窒化処理した加工材(Mo窒化物層厚さ:約2.8μm)の降伏強度と最大強度は、いずれも3段内部窒化処理材(高強度・高靭性化)よりも大きく、外部窒化処理により内部窒化した段階よりも大きい降伏応力値を示すことが見出された。
【0031】
即ち、本発明の窒化処理Mo合金加工材は高耐食性とともに極めて高い強度を有することが明らかとなった。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明は、窒化処理のみにより効率的に安価に高強度・高靭性とともに酸化性の酸に対しても優れた耐食性を有し、極限腐食環境に対応できる窒化処理Mo合金加工材を提供するもので、従来のMoまたはMo合金の各種用途はもちろん、超苛酷腐食条件下(例えば、沸騰濃硫酸溶液)での装置材料、超高温ヒーター、金属射出成型金型、ディーゼルエンジン用噴射ノズルなどの各種用途へのMo材料の実用化に貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の窒化処理Mo合金加工材の断面構造を示す模式図である。
【図2】本発明の窒化処理Mo合金加工材を製造する工程における内部窒化処理(1)〜(3)の各段階の加工材の組織を示す模式図である。
【図3】比較例1および実施例1により得られた窒化処理Mo合金加工材と比較例(純Mo材料)の腐食試験結果を示すグラフである。
【図4】実施例1により得られた窒化処理Mo合金加工材の図面代用断面組織写真(a)および曲げ試験後の窒化処理Mo合金加工材試片の図面代用マクロ写真(b)である。
Claims (4)
- Mo合金加工材のMo母相中に固溶した窒化物形成金属元素が内部窒化されて生成した窒化物粒子が該加工材内部の表面側の加工組織または回復組織に分散した層が形成され、
さらに、該加工材表面の加工組織または回復組織が外部窒化されて生成したδ−MoN、γ−Mo 2 Nまたはβ−Mo 2 Nの少なくとも1種からなる厚さ3μm以下のMo窒化物層が表面に形成されており、
該加工材内部が再結晶組織層である、
三層構造からなり、
前記内部窒化した段階よりも大きな降伏強度を有することを特徴とする高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材。 - Mo合金加工材のMo母相中に固溶した窒化物形成金属元素が内部窒化されて生成した窒化物粒子が該加工材内部の表面側の加工組織または回復組織に分散した層が形成され、
さらに、該加工材表面の加工組織または回復組織が外部窒化されて生成したδ−MoN、γ−Mo 2 Nまたはβ−Mo 2 Nの少なくとも1種からなる厚さ3μm以下のMo窒化物層が表面に形成されている、
内部まで加工組織が保持され、再結晶層のない二層構造からなり、
前記内部窒化した段階よりも大きな降伏強度を有することを特徴とする高耐食性・高強度・高靭性窒化処理Mo合金加工材。 - Moを母相とし、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Taの少なくとも1種を固溶した合金加工材に段階的に処理温度を上げて少なくとも3段階の内部窒化処理を行い、次いで外部窒化処理を900℃以下で行い厚さ3μm以下のMo窒化物層を表面に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化処理Mo合金加工材の製造方法。
- 内部窒化処理をN2ガスで行い、次いで外部窒化処理をNH3ガスで行うことを特徴とする請求項3記載の窒化処理Mo合金加工材の製造方法。
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