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JP4301278B2 - 工作機械の加工寸法予測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータのような駆動源を備える駆動装置により回転駆動される工具を備えた工作機械において、ワークを加工する前に、工具の取付状態に応じた加工寸法を予測する工作機械の加工寸法予測装置に関するものである。
従来から、数値制御工作機械の自動工具交換装置において、工具交換アームの交換動作の異常を監視する装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この装置は、工具交換アームの交換動作中の各位置における駆動モータのトルク波形パターンを検出し、工具交換アームの正常運転時における駆動モータのトルク波形パターンと比較して、工具交換動作の異常を検出するものである。トルク波形パターンの比較には、工具交換アームの交換動作中の同一位置でのトルク値の誤差量を求め、この誤差量が許容範囲内か否かによって工具交換動作について異常の有無を判断している。
特許文献1に記載された装置は、工具交換アームの製作誤差に起因する工具交換動作の異常の有無を監視することによって、工作機械やワークの損傷を未然に防ぐという技術的課題を解決している。特許文献1には、工具マガジンに保管されている複数個の工具について工具の重量差を考慮し、交換する工具に合わせたトルク波形パターンを記憶させておき、工具交換時には交換する工具に合わせたトルク波形パターンを用いることも記載されている。
特開平11−333657号公報
ところで、特許文献1に記載された技術は、自動工具交換装置の異常の有無を検出するものであり、自動工具交換装置が正常に動作していれば、駆動装置に対して工具が正常に取り付けられるとみなしている。しかしながら、工具が駆動装置に正常に取り付けられワークの加工に支障をきたさない場合であっても、軸心のずれ、工具の傾き、工具の摩耗や欠けなどによって加工寸法には若干の誤差が生じることがある。誤差の範囲は公差として規定されているから、加工寸法が公差の範囲内であれば問題はないが、加工寸法が公差の範囲を超えていると不良品になる。加工寸法はワークの加工後にしか知ることができないからワークに無駄が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ワークの加工前に加工寸法を予測することにより、加工寸法が公差を超えることによるワークの無駄を低減させる工作機械の加工寸法予測装置を提供することにある。
請求項1の発明は、駆動装置により回転駆動される工具を備えた工作機械において駆動装置から発生する振動を検出する振動センサと、振動センサの出力である対象信号から複数のパラメータからなる特徴量を抽出する特徴抽出部と、特徴抽出部により抽出した特徴量のカテゴリを分類する競合学習型ニューラルネットワークと、工具を駆動装置に取り付けた状態で空転させたときの対象信号の特徴量と学習済みの競合学習型ニューラルネットワークにおいて発火したニューロンの重みベクトルとのユークリッド距離をワークの加工寸法に換算する換算部と、換算部で得られたワークの加工寸法を予測値として出力する出力部とを備え、競合学習型ニューラルネットワークを学習させる学習データは工具を駆動装置に正常に取り付けた状態で空転させたときの対象信号の特徴量を用いており、換算部には、学習後の競合学習型ニューラルネットワークに学習データを再度入力し、発火したニューロンの重みベクトルと当該学習データとのユークリッド距離が、当該学習データが得られたときの工具でワークを加工した加工寸法に対応付けて登録されることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記工作機械は工具マガジンに保管された複数個の工具を指示された順序で自動的に交換する構成であって、前記ニューラルネットワークは工具別の学習データを用いて学習され、前記換算部は、工作機械において工具を交換する指示に同期してユークリッド距離と加工寸法との対応関係を変更することを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明において、前記出力部は、前記換算部で求めた加工寸法が規定した閾値を超えているときには駆動装置への工具の取付状態に不具合があると判定することを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、工具を駆動装置に取り付けた状態で空転させたときに振動センサから得られる出力の特徴量の分布と、当該工具でワークを加工したときの加工寸法の分布とに相関があることに着目して、振動センサの出力の特徴量を用いて加工寸法を予測するから、ワークを加工する前に加工寸法を予測することにより、工具の取付状態によって加工精度の低い加工がなされるのを防止することができ、結果的に不良品の発生を未然に防止することができる。
請求項2の発明の構成によれば、工具の種類が異なる場合でも、各工具ごとに加工寸法を予測することができるから、マシニングセンタのように多数個の工具を自動的に交換して加工工作を行う場合でも、各工具毎の加工寸法を予測してワークが無駄に加工されるのを防止することができる。
請求項3の発明の構成によれば、加工寸法を予測するだけではなく、工具の取付状態の不具合も検出することができる。
以下に説明する実施形態は、工作機械として、マシニングセンタやターニングセンタのように、工具マガジンに保持された複数個の工具から使用する工具をプログラムに従って自動的に選択し、選択した工具を駆動装置に自動的に装着するものを想定するが、単機能の工作機械であっても駆動装置がモータのような駆動源を持ち、工具を回転駆動するものであれば、本発明の技術思想は適用可能である。駆動装置としては、モータを駆動源に用いるものであればよく、駆動源と工具との間にギアボックスやベルトなどの適宜の伝達機構を設けてあってもよい。以下では、駆動装置としてハウジングを備えるスピンドルを想定する。
本実施形態で説明する工作機械の加工寸法予測装置は、図1に示すように、教師なしの競合学習型ニューラルネットワーク(以下、とくに必要がなければ単に「ニューラルネット」と呼ぶ)1を用いている。競合学習型ニューラルネットワークは、学習の際にカテゴリ毎の学習データを用いて学習させるだけでよく、一旦学習した後も追加学習によって学習を強化させることが可能である。
ニューラルネット1は、図2に示すように、それぞれ入力層11と出力層12との2層からなり、出力層12の各ニューロンN2が入力層11のすべてのニューロンN1とそれぞれ結合された構成を有している。ニューラルネット1は、逐次処理型のコンピュータで適宜のアプリケーションプログラムを実行することにより実現する場合を想定しているが、専用のニューロコンピュータを用いることも可能である。
ニューラルネット1の動作には、学習モードと検査モードとがあり、学習モードにおいて適宜の学習データを用いて学習した後に、検査モードにおいて実際の対象信号から生成した複数のパラメータからなる特徴量(検査データ)のカテゴリを分類する。
入力層11のニューロンN1と出力層12のニューロンN2との結合度(重み係数)は可変であり、学習モードにおいて、学習データをニューラルネット1に入力することによりニューラルネット1を学習させ、入力層11の各ニューロンN1と出力層12の各ニューロンN2との重み係数を決める。言い換えると、出力層12の各ニューロンN2には、入力層11の各ニューロンN1との間の重み係数を要素とする重みベクトルが対応付けられる。したがって、重みベクトルは入力層11のニューロンN1と同数の要素を持ち、入力層11に入力される特徴量のパラメータの個数と重みベクトルの要素の個数とは一致する。
一方、検査モードでは、カテゴリを判定すべき検査データをニューラルネット1の入力層11に与えると、出力層12のニューロンN2のうち、重みベクトルと検査データとのユークリッド距離が最小であるニューロンN2が発火する。学習モードにおいて出力層12のニューロンN2にカテゴリが対応付けられていれば、発火したニューロンN2の位置のカテゴリによって検査データのカテゴリを知ることができる。
出力層12のニューロンN2には、たとえば6×6個の領域を有する2次元のクラスタリングマップ4の各領域に一対一に対応付けられている。したがって、学習モードにおいて、クラスタリングマップ4の各領域に学習データのカテゴリを対応付けておけば、検査データにより発火したニューロンN2に対応するカテゴリをクラスタリングマップ4により知ることができる。クラスタリングマップ4はニューラルネット1による分類結果を出力する出力部として機能する。
クラスタリングマップ4の各領域(実質的には出力層12の各ニューロンN2)にカテゴリを対応付けるに際しては、学習済みのニューラルネット1を出力層12から入力層11に向かって逆向きに動作させて出力層12の各ニューロンN2ごとに入力層11に与えたデータを推定し、推定したデータとのユークリッド距離がもっとも近い学習データのカテゴリを、出力層12における当該ニューロンN2のカテゴリに用いる。言い換えると、出力層12の各ニューロンN2のカテゴリには、各ニューロンN2の重みベクトルとのユークリッド距離が最小である学習データのカテゴリを用いる。これにより、出力層12の各ニューロンN2のカテゴリには、学習データのカテゴリが反映される。
各カテゴリについて多数個(たとえば、150個)の学習データを与えることにより、類似度の高いカテゴリがクラスタリングマップ4上で近い位置に配置される。つまり、出力層12のニューロンN2のうち同種のカテゴリに属する学習データに対応して発火したニューロンN2は、クラスタリングマップ4上で近い位置に集まりニューロンN2の集合からなるクラスタを形成する。
なお、学習後にクラスタが形成されるとともにカテゴリが対応付けられたものが、本来の意味のクラスタリングマップ4であるが、本実施形態では学習前であってもクラスタリングマップ4と呼んでとくに区別しない。学習モードでニューラルネット1に与えられる学習データは学習データ記憶部5に格納されており、必要に応じて学習データ記憶部5から読み出されてニューラルネット1に与えられる。
ところで、ニューラルネット1で検出しようとする情報は、駆動装置Xに対する工具Yの装着状態であって、最終的には加工寸法を予測するから、駆動装置Xへの工具Yの取付状態は正常状態であることが前提になる。そこで、カテゴリとしては正常状態のみを検出することができればよく、正常状態以外は異常状態と判断すればよい。また、駆動装置Xには複数個の工具Yを取り換えて装着するから、工具Yごとに正常状態を検出する必要がある。
駆動装置Xに対して工具Yの装着状態を判定するために、駆動装置Xに密着するように取り付けた振動センサ2の出力を検査すべき対象信号として用いる。振動センサ2としては加速度ピックアップを用いており、振動センサ2は、図3に示すように、駆動装置Xのハウジング13の外側面に密着させる形で取り付けられる。振動センサ2を駆動装置Xに取り付けるにあたっては、駆動装置Xの動作を妨げず、かつ駆動装置Xの動作によって取付状態の変化しないことが要求される。したがって、接着ないし溶着によって振動センサ2を駆動装置Xのハウジング13に固着する。また、振動センサ2の着脱を可能とするために、振動センサ2を着脱可能に結合する保持具をハウジング13に固着する構成を採用してもよい。
振動センサ2から出力される電気信号は対象信号として特徴抽出部3に与えられ、特徴抽出部3では対象信号について複数のパラメータを持つ特徴量を抽出する。特徴量は対象信号において着目する属性に応じて適宜に取り出すことができるが、本実施形態では対象信号の周波数成分(周波数帯域ごとのパワー)に着目している。駆動装置Xはスピンドルであるから振動センサ2の出力は周期性を有しているが、振動センサ2の出力について時間軸上のどの部位から特徴量を抽出するかによって抽出される特徴量が変化するから、特徴抽出部3では特徴量を抽出する前に、振動センサ2の出力から特徴量を抽出する部位を揃えるための前処理が必要である。
そこで、特徴抽出部3では、駆動装置Xの動作に同期したタイミング信号(トリガ信号)を用いたり、対象信号の波形の特徴(たとえば、ひとまとまりの対象信号の開始点と終了点)を用いたりすることによって、振動センサ2から出力された対象信号について時間軸方向の着目部分の切り出し(セグメンテーション)を行う。ここに、セグメンテーションの際に、1周期の対象信号から1区間分だけ信号を取り出すのではなく、適宜の単位時間ごとの複数区間に分割してもよい。特徴抽出部3では、区間ごとに複数個のパラメータからなる1セットの特徴量を抽出する。
上述の前処理を行うために、特徴抽出部3は振動センサ2から与えられる対象信号を一時的に記憶するバッファを備える。また、特徴抽出部3の前処理では、必要に応じて周波数帯域を制限するなどしてノイズを低減させる。さらに、振動センサ2から出力される対象信号をデジタル信号に変換する機能も備える。
特徴抽出部3において周波数成分を抽出するには、FFT(高速フーリエ変換)の技術、あるいは多数個のバンドパスフィルタからなるフィルタバンクを用いる。どの周波数を特徴量に用いるかは、対象とする駆動装置Xや工具Yに応じて適宜に選択される。特徴抽出部3から得られた特徴量は、学習モードの前に学習データを収集する際には学習データ記憶部5に格納され、検査モードの際には特徴量の抽出のたびにニューラルネット1に与えられ、特徴量を検査データとしてニューラルネット1が検査データのカテゴリを分類する。
学習データ記憶部5に格納されているデータをデータセットと呼ぶこととし、データセットに含まれる各データは駆動装置Xに工具Yが正常に取り付けられた状態に対応しているものとする。つまり、学習データ記憶部5には正常状態のカテゴリのデータのデータセットが格納されている。データセットを構成するデータの個数は学習データ記憶部5に格納可能な範囲内で任意であるが、上述のようにニューラルネット1の学習には150個程度のデータを用いるのが望ましい。
学習データ記憶部5には、正常状態のカテゴリを対応付けたデータセットのみが格納されているから、ニューラルネット1を学習モードとして学習データ記憶部5に格納された各データセットで学習を行うとニューラルネット1は正常状態のみの学習を行うことになる。言い換えると、クラスタリングマップ4のカテゴリは正常状態のみであるから、上述のように学習後に逆向きに動作させてカテゴリを設定する作業は省略することができる。
ところで、本発明は、駆動装置Xへの工具Yの取付状態が正常であるときに加工寸法を予測することが目的であるから、学習データを得るために用いた対象信号と加工寸法とを対応付ける必要がある。そのため、学習データを得るために用いた対象信号が得られたときの状態でワークを実際に加工し、このときの加工寸法を実測して各学習データに対応付ける。得られた加工寸法の実測値はキーボードなどの別途の装置を用いて学習データ記憶部5に登録する。
上述のように学習を行えば、出力層12の各ニューロンN2には、それぞれ入力層11の各ニューロンN1との重み係数を要素とする重みベクトルが設定される。したがって、ニューラルネット1を検査モードとして1つのカテゴリの学習データを与えると、当該カテゴリに相当するニューロンN2が発火する。
ニューラルネット1の学習後には、学習モードを終了して換算部6へのデータの登録を行う。すなわち、ニューラルネット1に学習データを再度入力し、ニューラルネット1の出力総12において発火したニューロンN2の重みベクトルと与えた学習データとのユークリッド距離を求める。発火したニューロンN2の重みベクトルは、学習データの分布の中心付近の特徴量に対応しており、求めたユークリッド距離が大きくなるほど特徴量の帰属度が低下すると言える。つまり、発火したニューロンN2の重みベクトルとのユークリッド距離が小さいほど加工寸法は真値に近く、ユークリッド距離が大きくなるほど加工寸法の真値からのずれが大きくなると予想される。もっとも、この関係は駆動装置X、工具Y、ワークの種類によって異なるが、工具Yとしてドリルビットを用いる場合には、ほぼ線形関係になるという知見が得られている。
そこで、上述のように学習データから求めたユークリッド距離と、当該学習データに対応する加工寸法の実測値との組から両者の対応関係を求める。対応関係は関数で表すことができると予測されるときには最小二乗法などを適用して自動的に演算し換算部6に登録することができる。また、対応関係を関数で表すことができない場合には適宜の規則(複数区間に分けて、区間ごとに平均値を適用するなど)を用いてデータテーブルの形で換算部6に登録する。
学習モードによりニューラルネット1の学習を行い、上述のようにしてユークリッド距離と加工寸法との対応関係を換算部6に登録した後に、ニューラルネット1を検査モードとして検査データを与えると、検査データが駆動装置Xへの工具Yの装着状態に応じた加工寸法を換算部6で求めることができる。この加工寸法は出力部7に付設したディスプレイ装置などを通して利用者に示される。
ここで、駆動装置Xへの工具Yの装着状態が正常ではない場合には、正常のカテゴリに属していないニューロンN2が検査データによって発火するから、異常と判断することができる。また、上述のように換算部6において加工寸法を予測しているから、予測した加工寸法が規定の閾値(たとえば、設定した公差)を超えている場合には、検査データによって正常のカテゴリに属するニューロンN2が発火した場合でも、取付状態の異常と判断することができる。このような異常の判断は出力部7において行う。したがって、異常と判断したときはディスプレイ装置に表示される。異常を報知する手段として、出力部7においてランプを点灯させたり警報音を発生させたりしてもよい。
ニューラルネット1、特徴抽出部3、クラスタリングマップ4、学習データ記憶部5、換算部6、出力部7(ディスプレイ装置、ランプなどを除く)は1つの筐体14に収納され、振動センサ2とは別に配置される。筐体14と振動センサ2とはセンサ線15を介して接続される。センサ線15は振動センサ2に付設されており、筐体14に対してはコネクタなどによって着脱可能に接続される。また、センサ線15を通して対象信号に雑音成分が混入しないように、センサ線15にはシールド線を用いることが望ましい。
実際に使用するにあたっては、工具Yを駆動装置Xに取り付けた状態で、ワークを加工する前に駆動装置Xを空転させ、このときに得られる振動センサ2の出力を対象信号に用いる。検査データだけではなく学習データも同様である。検査モードにおいて、空転時に工具Yの装着状態が異常であることが検出されるか、予測される加工寸法が閾値を超えると判断されたときには、ワークに工具Yが接触する前に駆動装置Xを停止させるとともに異常を通知する。
上述したように空転時における振動センサ2の出力を用いて工具Yによるワークの加工寸法を予測するから、加工寸法が規定した閾値を超えると予測される場合や駆動装置Xへの工具Yの取付状態に不具合がある場合には、ワークに工具Yが接触する前に駆動装置Xを停止させることが可能になる。
図4に示すように、工具マガジン16に複数種類の工具Yが保管されており、あらかじめ設定されたプログラムの指示に従って、工具交換アーム17によって駆動装置4に装着される工具Yを順に取り換える場合には、学習データ記憶部5に格納する学習データのデータセットを工具Yごとに設けておき、工具Yごとの学習データによってニューラルネット1を学習させる。このように学習させたニューラルネット1では、クラスタリングマップ4において、複数種類の工具Yについて正常状態のカテゴリを対応付けた領域が生じるから、工具Yごとに加工寸法を予測することが必要である。
どの工具Yが駆動装置4に装着されるかはプログラムによって既知であるから、判定部としてクラスタリングマップ4に加えてプログラムの指示によりクラスタリングマップ4の領域を選択する領域選択部8を設けている。領域選択部8では、工具Yごとにクラスタリングマップ4のどの領域を正常状態として用いるかを選択し、ニューラルネット1に与えた検査データに対して、クラスタリングマップ4において選択した領域のニューロンN2を用いて加工寸法を予測することになる。
なお、上述の例では、振動センサ2の出力を対象信号に用いているが、駆動装置Xの駆動源がモータである場合には、モータの負荷電流を対象信号に用いることが可能であり、モータがサーボ制御されている場合にはモータに設けたエンコーダの出力を対象信号に用いてもよい。
本発明の実施形態1を示すブロック図である。 同上に用いるニューラルネットの概略構成図である。 同上の概略構成図である。 同上の概略構成図である。
符号の説明
1 ニューラルネット(競合学習型ニューラルネットワーク)
2 振動センサ
3 特徴抽出部
4 クラスタリングマップ(判定部)
5 学習データ記憶部
6 換算部
7 出力部
8 領域選択部
11 入力層
12 出力層
13 ハウジング
14 筐体
15 センサ線
16 工具マガジン
17 工具交換アーム
N1 ニューロン
N2 ニューロン
X 駆動装置

Claims (3)

  1. 駆動装置により回転駆動される工具を備えた工作機械において駆動装置から発生する振動を検出する振動センサと、振動センサの出力である対象信号から複数のパラメータからなる特徴量を抽出する特徴抽出部と、特徴抽出部により抽出した特徴量のカテゴリを分類する競合学習型ニューラルネットワークと、工具を駆動装置に取り付けた状態で空転させたときの対象信号の特徴量と学習済みの競合学習型ニューラルネットワークにおいて発火したニューロンの重みベクトルとのユークリッド距離をワークの加工寸法に換算する換算部と、換算部で得られたワークの加工寸法を予測値として出力する出力部とを備え、競合学習型ニューラルネットワークを学習させる学習データは工具を駆動装置に正常に取り付けた状態で空転させたときの対象信号の特徴量を用いており、換算部には、学習後の競合学習型ニューラルネットワークに学習データを再度入力し、発火したニューロンの重みベクトルと当該学習データとのユークリッド距離が、当該学習データが得られたときの工具でワークを加工した加工寸法に対応付けて登録されることを特徴とする工作機械の加工寸法予測装置。
  2. 前記工作機械は工具マガジンに保管された複数個の工具を指示された順序で自動的に交換する構成であって、前記ニューラルネットワークは工具別の学習データを用いて学習され、前記換算部は、工作機械において工具を交換する指示に同期してユークリッド距離と加工寸法との対応関係を変更することを特徴とする請求項1記載の工作機械の加工寸法予測装置。
  3. 前記出力部は、前記換算部で求めた加工寸法が規定した閾値を超えているときには駆動装置への工具の取付状態に不具合があると判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の工作機械の加工寸法予測装置。
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