JP4300851B2 - Linear motion guide bearing device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば産業機械分野等に用いられる直動案内軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の直動案内軸受装置としては、例えば図5に示すように、軸方向に延びる案内レール1と、該案内レール1上に軸方向に相対移動可能に跨架されたスライダ2とを備えたものが知られている。
案内レール1の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝3が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されており、スライダ2のスライダ本体2Aには、その両袖部4の内側面に、それぞれ転動体転動溝3に対向する転動体転動溝31が形成されている。
【0003】
そして、これらの向き合った両転動体転動溝3,31の間には転動体としての多数のボールBが転動自在に装填され、このボールBの転動を介してスライダ2が案内レール1上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。
この移動につれて、案内レール1とスライダ2との間に介在するボールBは転動してスライダ2の端部に移動するが、スライダ2を軸方向に継続して移動させていくためには、これらのボールBを無限に循環させる必要がある。
【0004】
このため、スライダ本体2Aの袖部4内に軸方向に貫通する片側上下二つ(合計4つ)の転動体通路8を形成すると共に、スライダ本体2Aの前後両端にそれぞれエンドキャップ5を例えばねじ12等を介して固定し、このエンドキャップ5に上記両転動体転動溝3,31間と上記転動体通路8とを連通する半円弧状に湾曲した方向転換路6を形成することにより、転動体無限循環軌道を構成している。なお、図において符号10はスライダ本体2Aの端面にエンドキャップ5をねじ止め固定するためのタップ穴、11はサイドシール、13はエンドキャップの側面や端面等に設けられる給脂用ニップルである。
【0005】
ところで、エンドキャップ5をスライダ本体2Aの端面に固定する際には、両転動体転動溝3,31間及び転動体通路8とエンドキャップ5側の方向転換路6との位置合わせがボールBのスムースな循環を確保する上で重要になることから、従来においては、図6及び図7に示すように、スライダ本体2Aの上下二列の転動体転動溝31の間に該転動体転動溝31と平行な位置決め溝32を転動体転動溝31と同時に軸方向に沿って研削加工し、エンドキャップ5には、図8に示すように、前記位置決め溝32に係合する突起33を設けて該突起33を前記位置決め溝32に嵌め込むことで該エンドキャップ5の位置決めを行っている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−139035号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の直動案内軸受装置においては、スライダ2を案内レール1に挿入にすることによるスライダ本体2Aの開き変形と熱処理による変形が生じた場合、一般的に、断面コ字形のスライダ本体2Aは上面の中心が回転中心となって袖部4が幅方向外側に開くように変形し、この変形は袖部4の下端側に向かうにつれて大きくなる。
【0008】
従って、上記のように、スライダ本体2Aの上下二列の転動体転動溝31の間に位置決め溝32を設けてこれをエンドキャップ5の位置決め基準とすると、エンドキャップ5の位置決め基準より下端側の部分の変形がスライダ本体2Aの変形に追従しなくなり、変形率の大きいスライダ本体2Aの下側の転動体転動溝31と方向転換路6との位置決め精度が悪化してボールBの循環に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0009】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、スライダ本体側の上下の転動体転動溝とエンドキャップ側の方向転換路との位置決め精度を高めることで、転動体のスムースな循環を確保して作動性の向上を図ることができる直動案内軸受装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、両側部に軸方向に延びる転動体転動溝を有して軸方向に延長された案内レールと、該案内レールの前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体転動溝間に挿入された転動体の転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに跨架されたスライダとを備え、前記スライダは、前記転動体転動溝及び軸方向に貫通する転動体通路が設けられたスライダ本体と、前記両転動体転動溝間と前記転動体通路とを連通する湾曲状の方向転換路を有して前記スライダ本体の軸方向の両端面に固定された一対のエンドキャップとを具備し、更に、前記両転動体転動溝が片側上下二条列で合計4条列とされると共に前記転動体通路が片側上下二つずつで合計4つとされた直動案内軸受装置であって、
前記スライダ本体の袖部の下端部の内側面に凹部を設けると共に、前記エンドキャップに前記凹部に係合して該エンドキャップの位置決めをなす突起を設け、このエンドキャップは、前記スライダ本体の袖部の変形分に基づいて幅方向に開くように成形されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記凹部を前記スライダ本体の前記転動体転動溝と同時に軸方向に研削加工したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置を説明するための一部を切り欠いた図、図2はスライダ本体とエンドキャップとの分解斜視図、図3はスライダ本体とエンドキャップの変形を説明するための斜視図、図4はスライダ本体の変形を説明するための説明図である。
【0013】
本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置50は、図1に示すように、軸方向に延びる案内レール51と、該案内レール51上に軸方向に相対移動可能に跨架されたスライダ52とを備えている。
案内レール51の幅方向の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝53が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されており、スライダ52のスライダ本体52Aには、その両袖部54の内側面にそれぞれ転動体転動溝53に対向する転動体転動溝55が形成されている。
【0014】
両転動体転動溝53,55の間には転動体としての多数のころ56が転動自在に装填され、これらのころ56の転動を介してスライダ52が案内レール51上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。この移動につれて、案内レール51とスライダ52との間に介在するころ56は転動してスライダ52の軸方向の端部に移動するが、スライダ52を軸方向に継続移動させていくためには、これらのころ56を無限に循環させる必要がある。
【0015】
このため、スライダ本体52Aの両側の袖部54内にそれぞれ軸方向に貫通する上下二つ(合計4つ)の孔57を形成して該孔57に内部がころ56の通路(転動体通路)58aとされた循環チューブ58を嵌め込むと共に、スライダ本体52Aの軸方向の両端にそれぞれ転動体循環部品としての一対のエンドキャップ59をねじ等を介して固定し、このエンドキャップ59に上記両転動体転動溝53,55間と上記転動体通路58aとを連通する半円弧状に湾曲した方向転換路(図示せず)を形成することにより、ころ56の無限循環軌道を形成している。
【0016】
なお、エンドキャップ59に設けられた方向転換路は、この実施の形態では転動体としてころ56を用いているため、上側の転動体通路58aと下側の両転動体転動溝53,55間とを連通するものと、下側の転動体通路58aと上側の両転動体転動溝53,55間とを連通するものを備えている。
ここで、この実施の形態では、図1及び図2に示すように、スライダ本体52Aの下側の転動体転動溝55の下方に該転動体転動溝55と同時に軸方向に研削加工された断面V形状の位置決め溝(凹部)60を転動体転動溝55と平行に設けると共に、エンドキャップ59に前記位置決め溝60に係合するV形状の突起61を設けて、該突起61を前記位置決め溝60に嵌め込むことで該エンドキャップ59の位置決めを行い、これにより、両転動体転動溝53,55間及び転動体通路58aとエンドキャップ59側の方向転換路との位置合わせをしている。
【0017】
このようにこの実施の形態では、スライダ本体52Aの下側の転動体転動溝55の下方にエンドキャップ59の突起61が係合する位置決め溝60を設けているので、スライダ52を案内レール51に挿入にすることによるスライダ本体52Aの開き変形と熱処理による変形が生じて、図3及び図4に示すように、断面コ字形のスライダ本体52Aが上面の中心を回転中心として袖部54が幅方向外側に開くように変形しても、スライダ本体52Aの袖部54の下端側の変形に追従してエンドキャップ59が変形することになる。この場合、エンドキャップ59は、スライダ本体52Aの袖部54の変形分を加味してエンドキャップ59の前記袖部54に対応する部分を多少幅方向外側に開くように成形しておく。
【0018】
この結果、スライダ本体52A側の上下の転動体転動溝55とエンドキャップ59側の方向転換路との位置決め精度を高めることができ、ころ56のスムースな循環が確保されて作動性の向上を図ることができる。
なお、本発明の直動案内軸受装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0019】
例えば、上記実施の形態では、転動体としてころ56を採用した直動案内軸受装置を例に採ったが、これに代えて、転動体としてボールを採用した直動案内軸受装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、位置決め溝60及び突起61をV形状とした場合を例に採ったが、これらの形状は特に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、スライダ本体側の上下の転動体転動溝とエンドキャップ側の方向転換路との位置決め精度を高めることができるので、転動体のスムースな循環を確保して作動性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置を説明するための一部を切り欠いた図である。
【図2】スライダ本体とエンドキャップとの分解斜視図である。
【図3】スライダ本体とエンドキャップの変形を説明するための斜視図である。
【図4】スライダ本体の変形を説明するための説明図である。
【図5】従来の直動案内軸受装置の一例を説明するための一部を破断した斜視図である。
【図6】スライダ本体への従来の位置決め溝の形成位置を説明するための説明図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】従来の位置決め溝に係合する突起を備えたエンドキャップを示す図である。
【符号の説明】
50…直動案内軸受装置
51…案内レール
52…スライダ
52A…スライダ本体
53…転動体転動溝(案内レール側)
55…転動体転動溝(スライダ側)
56…ころ(転動体)
58a…転動体通路
59…エンドキャップ
60…位置決め溝(凹部)
61…突起[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a linear motion guide bearing device used, for example, in the industrial machine field.
[0002]
[Prior art]
As a conventional linear motion guide bearing device of this type, for example, as shown in FIG. 5, a guide rail 1 extending in the axial direction, and a
On both side surfaces of the guide rail 1, rolling element rolling grooves 3 extending in the axial direction are formed in two rows on one side, and a total of four rows. The
[0003]
A large number of balls B as rolling elements are slidably loaded between the
Along with this movement, the ball B interposed between the guide rail 1 and the
[0004]
Therefore, two upper and lower rolling element passages 8 (four in total) penetrating in the axial direction are formed in the sleeve portion 4 of the slider
[0005]
By the way, when the
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-139035
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional linear motion guide bearing device, when the
[0008]
Accordingly, as described above, when the
[0009]
The present invention has been made in order to eliminate such inconvenience, and by increasing the positioning accuracy of the upper and lower rolling element rolling grooves on the slider body side and the direction changing path on the end cap side, the rolling element can be made smooth. An object of the present invention is to provide a linear motion guide bearing device capable of ensuring a good circulation and improving operability.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is directed to a guide rail having axially extending rolling element rolling grooves extending on both sides, and the rolling element rolling of the guide rail. There is a rolling element rolling groove facing the rolling groove, and it straddles the guide rail so as to be relatively movable along the axial direction through rolling of the rolling element inserted between both rolling element rolling grooves. A slider body provided with a rolling element passage groove and a rolling element passage penetrating in the axial direction, and communicating between the rolling element passage groove and the rolling element passage. And a pair of end caps fixed to both end faces in the axial direction of the slider main body, and the rolling elements rolling grooves are arranged in a total of 4 on one side of the upper and lower two rows. The rolling element passages were arranged in a row and the number of rolling element passages was four in total. A motion guide bearing device,
A concave portion is provided on the inner surface of the lower end portion of the sleeve portion of the slider body, and a projection is provided on the end cap to engage with the concave portion to position the end cap. It is formed so as to open in the width direction based on the deformation of the part .
[0011]
The invention according to
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 is a partially cutaway view for explaining a linear guide bearing device as an example of an embodiment of the present invention, FIG. 2 is an exploded perspective view of a slider body and an end cap, and FIG. 3 is a slider body. 4 is a perspective view for explaining the deformation of the end cap, and FIG. 4 is an explanatory view for explaining the deformation of the slider body.
[0013]
As shown in FIG. 1, a linear motion guide bearing device 50, which is an example of an embodiment of the present invention, is stretched over a
On both side surfaces of the
[0014]
A large number of
[0015]
For this reason, two upper and lower (total four)
[0016]
Since the direction change path provided in the
Here, in this embodiment, as shown in FIGS. 1 and 2, grinding is performed in the axial direction simultaneously with the rolling
[0017]
Thus, in this embodiment, since the
[0018]
As a result, the positioning accuracy of the upper and lower rolling
The linear guide bearing device of the present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be appropriately changed without departing from the gist of the present invention.
[0019]
For example, in the above-described embodiment, the linear motion guide bearing device employing the
Moreover, in the said embodiment, although the case where the positioning groove |
[0020]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, since the positioning accuracy between the upper and lower rolling element rolling grooves on the slider body side and the direction changing path on the end cap side can be increased, the rolling element can be smoothly smoothed. The effect of ensuring the circulation and improving the operability is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway view for explaining a linear guide bearing device as an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an exploded perspective view of a slider body and an end cap.
FIG. 3 is a perspective view for explaining deformation of a slider main body and an end cap.
FIG. 4 is an explanatory diagram for explaining a deformation of the slider body.
FIG. 5 is a partially broken perspective view for explaining an example of a conventional linear motion guide bearing device.
FIG. 6 is an explanatory diagram for explaining a position where a conventional positioning groove is formed on a slider body.
7 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 8 is a view showing an end cap provided with a protrusion that engages with a conventional positioning groove;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 50 ... Linear motion
55 ... rolling element rolling groove (slider side)
56 ... Rollers (rolling elements)
58a ... rolling
61 ... Protrusions
Claims (2)
前記スライダ本体の袖部の下端部の内側面に凹部を設けると共に、前記エンドキャップに前記凹部に係合して該エンドキャップの位置決めをなす突起を設け、このエンドキャップは、前記スライダ本体の袖部の変形分に基づいて幅方向に開くように成形されたことを特徴とする直動案内軸受装置。A guide rail extending in the axial direction with rolling element rolling grooves extending in the axial direction on both sides, and a rolling element rolling groove facing the rolling element rolling groove of the guide rail, and And a slider straddling the guide rail so as to be relatively movable along the axial direction via rolling of the rolling elements inserted between the rolling elements rolling grooves, the slider rolling the rolling elements A slider body provided with a groove and a rolling element passage penetrating in the axial direction; and a shaft of the slider body having a curved direction changing path communicating between the rolling element rolling grooves and the rolling element passage. A pair of end caps fixed to both end faces in the direction, and further, the rolling element rolling grooves are arranged in four rows in one upper and lower two rows, and the rolling element passages are in two upper and lower sides on one side. A total of four linear motion guide bearing devices,
A concave portion is provided on the inner surface of the lower end portion of the sleeve portion of the slider body, and a projection is provided on the end cap to engage with the concave portion to position the end cap. A linear guide bearing device formed to open in the width direction based on the deformation of the portion .
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