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JP4399656B2 - 耐久性ポリイミド系フイルム、その製造方法及びその使用 - Google Patents

耐久性ポリイミド系フイルム、その製造方法及びその使用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はより耐久性等に優れたポリイミド系フイルム、その製造方法及びその使用に関する。該フイルムがポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミドをマトリックス樹脂とする半導電性管状フイルムにあっては、トナー(多色)複写機の用紙搬送用又は中間転写兼加熱定着用のベルトとして有効に使用される。
【0002】
【従来の技術】
例えば熱硬化性ポリイミドの管状フイルムは、耐熱・耐薬・各種物性に卓越していることから、機能部材、例えば(カラー)トナー複写機の中間転写(兼加熱定着)用ベルトとしての使用が有効とされ、これについての特許出願も多数行われている。特許出願の中で多く見られる技術の1つは、画像トナーの複写用紙への転写改良のための手段である。その基本的な考え方は、該フイルムに離型性を付与することにあり、具体的には例えばフッ素系樹脂を練り込むとか、該樹脂のデスパージヨン液をスプレーコーテングして表面離型層を形成して行うとか(特開昭61−95361号公報、特開平7−246671号公報等)、該樹脂の管状フイルムを被嵌して表面離型層にして行うとか(特開平10−296826号公報)、更には該管状フイルムに液状フッ素系ポリマが含侵されてなる多孔質フッ素樹脂を被覆して行う(特開平10−31371号公報)と言った方法である。
そしてその2つめは、該フイルムに適性な帯電性と除電性を付与するために、導電性部材、例えば導電性カーボンブラックを混合分散して半導電性を付与させると言うものである。
【0003】
ところで、一方ではカラー複写技術の進歩と共に市場で要求される特性もより厳しくなり、前記のような手段では満足されなくなってきているのが実状である。その要求は、より適正な電荷保持能(帯電性)とそれの除電性及び離型性は勿論のこと、コロナ放電による表面劣化防止(耐コロナ性)、より高い耐摩耗性、ベルトの駆動トルクの低下(静摩擦性に優れる)等である。特にこの中で該表面劣化(着色等)防止は、ハードコピーの光沢度を常に一定に保つのを光電的管理し画質を管理するのに重要であり、そのためにも表面コート層はより透明であることも必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記するような新たな要求については前記の従来技術では勿論、その後に見られる特許出願でも十分に解決されるに至ったものは見当たらない。本発明は前記の要求項目に対して、これを十分に満足できるような解決手段を見出すために、種々鋭意検討した結果なされたものである。その解決手段は次の通りである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、まず請求項1及び2に記載する、フッ化アルカリ土類塩による透明薄膜層が、ポリイミド系フイルムの表面又は表面ゴム弾性層に被覆されていることを特徴とする耐久性ポリイミド系フイルムである。そして該フイルムの好ましい製造方法として、請求項10で、前記フッ化アルカリ土類塩をターゲットとして、これをポリイミド系フイルムの表面にスパッタリングして透明薄膜層を形成することを提供する。更に該フイルムの好ましい用途として、請求項11と12にでトナー複写機の用紙搬送用と中間転写兼加熱定着用のベルトとしての使用も提供する。
【0006】
又請求項3〜9に記載の発明も提供するが、これは請求項1又は2に従属して好ましい態様として提供するものである。以下本発明を次の実施形態によって詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず基体であるポリイミド系フイルムについて説明する。
このものは一般に知られているポリアミドイミド(以下PAIと呼ぶ)、熱可塑性ポリイミド(以下tPIと呼ぶ)又は熱硬化性ポリイミド(以下tsPIと呼ぶ)をマトリックス樹脂としこれを適当な方法でもってウェッブ状のフイルム又は管状のフイルムに成形(型)した物である。従って該マトリックス樹脂の製造法とか、成形法については制約するものはなく、一般に特許出願等でも見られる方法で得られるが、参考までにそれを次ぎに例示し説明しておく。
【0008】
前記PAIは、例えばトリメリット酸1無水物等の芳香族トリカルボン酸1無水物と例えば3,3′―ジアミノベンゾフエノン、P―フエニレンジアミン、4,4′―ジアミノジフエニル、4,4′―ジアミノジフエニルメタン、4,4′―ジアミノジフエニルエーテル、ビス[4―{3―(4―アミノフエノキシ)ベンゾイル}フエニル]エーテル、4,4′―ビス(3―アミノフエノキシ)ビフエニル、ビス[4―(3―アミノフエノキシ)フエニル]スルホン、2,2′―ビス[4―(3―アミノフエノキシ)フエニル]プロパン等の芳香族ジアミンの1種又は2種とを原料として、これの当モル量をジメチルアセトアミド、ジメチルフオルムアミド、ジメチルスルホオキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性の極性の有機溶媒中で重縮合反応することで得る。ここでPAIは、それ自身該溶媒に溶解するので該反応と共に、全んどイミド化も終えて得ることができる。
【0009】
そしてtPIは、例えがピロメリット酸2無水物、2,2′,3,3′―ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、3,3′,4,4′―ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、ビス(2,3―ジカルボキシフェニル)メタン2無水物等の芳香族テトラカルボン酸2無水物とビス[4―{3―(4―アミノフエノキシ)ベンゾイル}フエニル]エーテル、4,4′―ビス(3―アミノフエノキシ)ビフエニル、ビス[4―(3―アミノフエノキシ)フエニル]スルホン、2,2′―ビス[4―(3―アミノフエノキシ)フエニル]プロパン等の芳香族ジアミンの1種又は2種とを原料として、これの当モル量を前記非プロトン性の有機溶媒中で重縮合反応することで得る。ここでtPIは、それ自身該溶媒に溶解するので該反応と共に、全んどイミド化も終えて得ることができるが、この溶解性はポリマ主鎖中に2〜3個の−O−、−SO―、―CO−、アルキレン基(C3以上)等が入り、熱可塑性になったことによる。
【0010】
そしてtsPIは、前記芳香族テトラカルボン酸2無水物と3,3′―ジアミノベンゾフエノン、P―フエニレンジアミン、4,4′―ジアミノジフエニルエ−テル等の芳香族有機ジアミンとの等モル量を前記非プロトン性有機溶媒中で重縮合反応して得るが、しかしtsPI自身は該溶媒に不溶であるので、該反応は20℃以下の低温で行いその前駆体のポリアミド酸の段階で停止する必要がある。従ってフイルムへの成形(型)は、まずポリアミド酸の段階で溶媒を除去し、フイルムとしての実質的成形は終わり、後は残存する溶媒の除去と共に、イミド化を行うと言う2工程をとることになる。
【0011】
尚前記PAI、tPI、tsPIは一般には、それ単独で使用されるが、適宜これらがブレンドされたブレンドポリイミド系としても良い。何を選択するかは、目的とする用途によるが、例えば後記するトナー複写機の中間転写兼加熱定着用ベルトとしては、より高い耐熱性と機械的物性等を有することから特にtsPIが好ましく使用される。
【0012】
各フイルムへの成形は、一般に前記の各ポリイミド系の有機溶媒溶液が原料(原液)となるが、ここで該フイルムにある種の特性を付与したい場合には、その為の添加剤が該原液に添加される。例えば電気抵抗性を付与したい場合には導電性カーボンブラック(以下単にCBと呼ぶ)等の導電剤、熱伝導性はBN等の熱伝導剤、難燃化はCa(OH)等の難燃剤、機械的強度改良は9Al・2B等の強化剤、圧電性はBaTiO等の圧電剤、光散乱・反射性はTiO等の光反射剤、摺動性はMoS等の摺動剤である。
【0013】
前記添加剤の添加の場合の例として、フイルムがトナー複写機の中間転写兼加熱定着用ベルトとして使用される場合は、適正な帯電性と除電性を有しているのが良いので、その為に適正な電気抵抗が付与される。その特性付与は前記のCBの添加によって行うのがよい。更にこれに熱伝導性を付与したい場合は、前記熱伝導剤も併用される。
ここで該電気抵抗の付与は、例えば体積抵抗値で言えば約10〜1014Ω・cmの範囲以内で好ましく行われ、これは体積抵抗値が10Ω・cm前後のCB粉体を使い、該範囲になるように添加量を変えることで行われる。
【0014】
フイルムへの成形(型)は、例えば次のような手段で行われる。
まずウェッブフイルムの場合は、前記各原液を加熱されている金属製ベルト又は金属製ドラム上にキャステングすることで押出し・流延し、有機溶媒を蒸発しフイルム状に固化する方法。
一方管状フイルムの場合は、該ウェッブフイルムを所定長さにカットして両端を継合する方法、回転する金属ドラムの外周面又は内周面を使ってコーテングして加熱する方法が例示できる。
【0015】
尚前記ウェッブフイルムか、管状フイルムかは使用目的によるが、例えばトナーの複写機の用紙搬送用又は中間転写兼加熱定着用のベルト部材として使用する場合は管状フイルムである。これの成型手段には前記の通り3例あるが、該ベルトでは継目がなく(無端)且つ表面と厚み精度により優れていることが要求されるので、回転する金属ドラムの内周面にコート・加熱する成型方法、つまり遠心成型法が好ましい。この遠心成型法も、遠心力下で成型する場合と、実質的無遠心力下での成型の場合がある。この両者の差は、特に添加剤入りのポリイミド系溶液の場合に現れる。つまり遠心力下では、添加剤は表面層部分に多く全体に傾斜的に分散した状態で、逆に無遠心力下では全体に均一に分散した状態で無端フイルムが得られる。従って得られる無端管状フイルムの特性も異なってくる。例えばCBによって付与された電気抵抗について言えば、遠心力下では体積抵抗値と表面抵抗値との差が大きく、無遠心力下になるとこの両者の差が小さくなる傾向になる。
【0016】
前記各成形(型)法における条件(原液濃度、加熱方法と温度、遠心力下の有無等)は各々事前チエックにより決まるが、特に(無)遠心注型の場合には、tsPIに限らず2工程で完成させることが好ましい。この2工程とは、金属ドラム中で全ての有機溶媒を蒸発除去されるまで加熱を続けるのではなく、ある程度該溶媒を残してここでの成型を終わり、そして該ドラムを該装置から外してそのまま別途設けられた熱風乾燥機等に投入する。或いは前記蒸発により得られた成型フイルムを該ドラムから一旦剥離して取り出し、これを別途設けられたほぼ同形の円筒金型に嵌挿して、該乾燥機等に投入してより高い温度で徐々に加熱すると言う2工程である。このいずれかの方法を採ることで残存溶媒をより迅速・円滑・完全に除去でき、且つ特にtsPIのアミド酸ではイミド化がより迅速・円滑・完全に行われる。その結果、表面状態はより平滑で、品質の良い管状の、tsPIの各フイルムを得ることができる。
【0017】
そして以上により得られたポリイミド系フイルムには、この表面全体にフッ化アルカリ土類塩による透明薄膜層が形成されるが、該フイルムに予め例えばゴム弾性層を設け、この上に該薄膜層を設ける場合がある。以下にこれについて説明する。
【0018】
まず前記透明薄膜層は、特にフッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化ベリリウム(BeF)のいずれかのフッ化アルカリ土類塩により形成される。これによって前記基体フイルム表面は完全に保護され、一挙に耐コロナ性と共に、耐摩耗性、更には離型性等とが付与されることになる。この効果はこれらフッ化アルカリ土類塩においてほぼ同等に得られるが、その中でもより優れた密着性(対前記基体フイルム表面)、耐摩耗性(高い表面硬度)、透明性(例えば全光線透過率で90%以上)等の点で前3者が好ましい。
【0019】
そして前記による透明誘電層の膜厚は、特に薄膜に特定される。ここで薄膜と言っているのは、一般に行われる溶液でのコーテングによる得られる厚膜範疇とは、大きく異なり極めて薄い膜厚範疇を概念としているものである。数値的に例示すると5000Å以下、更には3000Å以下と言った薄さを意味しているが、下限については100Å程度とするのが良い。これはあまりにも薄いと特に耐摩耗性、耐コロナ性の点で目標とする改良効果が十分でないからである。上限については前記するが、より好ましいのは2000Åである。これはより厚い方向では、耐屈曲性と透明性の面で悪くなる傾向になり、層剥離と言ったような危険性も増すことによる。又例えば前記基体フイルムに微細凹凸を着けてこれに該薄膜を形成する場合に、これがあまりにも厚膜であると、微細凹凸が消失することにもよる。つまり数値的な点での薄膜厚は、請求項5に記載する100〜2000Åを好ましい範囲として例示できる。
【0020】
そして前記透明薄膜層は、一般に真空蒸着(抵抗加熱蒸発、EB蒸発)法、イオンプレーテング(ARE、RF)法又はスパッタリング法に見られる物理的薄膜形成手段によって好ましく形成されるが、中でもより低温で、且つ効率的に行える方法はスパッタリング法である。このスパッタリング法による該薄膜層形成条件は概略次の通りである。
【0021】
まずスパッタリングするに先行して、少なくとも前記基体フイルムの面は、脱脂洗浄(水、溶剤)及び/又はプラズマ、コロナ等にによる前処理を行なうのが望ましい。これは該薄膜層の密着性をより向上させるためである。
又該フイルム面に積極的に微細凹凸を賦形しこれをフイルム基板とする場合もある。これは例えばベルトとして使用する場合に、耐摩耗性のより向上と接触回転で起こる静摩擦等をより小さくするのに有効であるからである。
尚微細凹凸の賦形手段、形状、大きさ等は効果との関係において、逐次実験的手段によって決めれば良いので特定はされない。
【0022】
そして前記前処理されたポリイミド系フイルム基板(ウェッブ、管状のストリップ該フイルム又はゴム弾性層付き該フイルム)は、ウェッブフイルムではロール状で、管状フイルムではベルト状でスパッタリング装置のスパッタ室に置かれる。そして該フイルム基板面に対峙してフッ化アルカリ土類塩が平面状(ターゲット)で置かれる。次ぎに該室内部を真空にして、アルゴン等の不活性ガスで空気を置換して最終的には10〜10−2Paの該ガス雰囲気に変える。次ぎに該ターゲットと該フイルム基板とを両極として、高周波電源から例えば周波数13.65MHz、投入電力5〜10W/cmで高周波(以下RFと略す)電圧を印加する。
透明誘電薄膜層の厚さは該出力の強さ、スパッタリング速度(該フイルムの送り速度)、スッパタリング回数等によって決まる。形成される該薄膜層は離型性にも優れ、モース硬度でほぼ4〜6の高硬度を有し十分に密着されている。しかも微細凹凸面をもってなる該フイルム基体では該凹凸形状を残して、細部にまで同じ膜厚をもって形成されている。この作用効果は、一般的な溶液コーテング法で形成される被膜層の欠点、つまり気泡が入りやすく、緻密さに欠け、密着力も十分なく、しかも膜厚精度も十分なく、更には付与された微細凹凸の深さとか形状が変化すると言ったこととは大きな差があると言える。
【0023】
尚、ゴム弾性層を設ける場合は、一般に知られているゴム弾性を有するシリコーン樹脂、フッ素樹脂又は両者の適宜結合によりなるフロロシリコーン樹脂によって好ましく形成されるが、その層厚は、少なくともゴム弾性が失われない厚さを要するが、逆に厚すぎて弾性回復性が低下するとか、トナー画像が変形する様なことがある。かかることから好ましいのは20〜100μmである。該ゴム樹脂自身の有する硬度(ショアA硬度)は、30〜80程度が好ましい。又該層の形成は、一般には該樹脂の前駆体液をコーテングして後硬化するが、特に管状フイルム基体の場合には、予め別途管状フイルムに成型されたものを該基体に嵌着して形成することでも行われる。
【0024】
又本発明の特にフッ化アルカリ土類塩によって、且つその透明薄膜状での層形成による作用効果は、該層自身が極めて緻密(気泡、表面凹凸も全くない)につくられ、硬質で表面張力も大きく、且つ桁外れの強度と硬さを有していることによると考えられる。
【0025】
かくして得られた前記耐久性ポリイミド系フイルムは、優れた多様な特性から種々の用途に利用されるが、例えば、管状フイルムの場合について例示すると次ぎの通りである。
インキとか、接着剤、2種以上の成分等を常温又は加熱下で練って混合する場合の練りローラ用。キャステング製膜する場合のキャステングベルト用。そして請求項11、12に記載するトナー複写機の用紙搬送用ベルト又は中間転写兼加熱定着用ベルトである。
【0026】
前記トナー複写機の用紙(紙に限らず被複写体を意味する)搬送用ベルトは、後述の中間転写兼加熱定着用ベルトとは異なり、用紙を待機する感光ドラムの下に搬送し、そこで該ドラム上のトナー画像を直接用紙に転写しそして後工程として設けられた加熱定着装置に引き渡すためのベルトである。
【0027】
参考までに前記装置の例を4色タンデムエンジン型でもって図1で示す。該図でまずベルト1が、2つの張架ローラ2、2aによってしっかりと張架されている。そして4つの感光ドラム3(K−黒、Y−黄、M−赤、C−青)が該ベルトに実質的に接して横設されている。そして4器のコロトロン帯電器4が、該各ドラムに対峙してベルト1の裏側に配設されている。これは該ベルトを帯電することによって、感光ドラム3上の顕像の用紙への転写の助勢(静電気的作用)もするが、主として用紙をベルト面に静電吸着しつつ搬送するための帯電用として使われる。従って張架ロール2に対峙して設けられているコロトロン帯電器8も、少なくとも用紙5を感光ドラムKまで静電吸着しつつ搬送するために設けられる。最後の感光ドラムCを経た用紙5は、除電器6によって除電されて加熱定着器7に搬送され、7aの加熱ローラとその受けローラ7bとに挟まれつつ画像定着を終えて複写紙となる。
【0028】
前記の用紙搬送用ベルトとして好ましい形態は、敢えてより高い耐熱性は必要でないが、より小径の張架ロールに張架する場合があるので、より柔軟に屈曲し易いことが望まれる。そして適正な電気抵抗(少なくとも用紙がベルトに効果的に静電吸着されるに必要なもの)を有していることと、表面積がより大きいことである。勿論耐摩耗性、表面非劣化性に優れていることも必要なことである。
【0029】
前記の様な点から、具体的に選択すると、まず半導電の管状PAI又は管状tPIのフイルムが好ましい。そして半導電はCB等の導電剤で付与されるのが好ましいが、その半導電は前記の静電吸着を効果的(低印加電圧でも帯電寿命が長い)に行うために、体積抵抗値で1010〜1014Ω・cm程度(表面抵抗値で10〜1013Ω/□程度)の電気抵抗が付与されていることが好ましい。また該フイルム面は平滑よりも微細凹凸を有し表面積を大きくすることが好ましく、更にこれがゴム弾性層面であることも好ましいことである。
【0030】
一方中間転写兼加熱定着用ベルトは、感光ドラム上に形成されたトナー顕像を一旦ベルトに転移し、これを用紙に転写と同時に加熱定着すると言う間接複写方式を取り入れたコピー複写機のベルト部材であるが、特に該ベルト上で多重画像にしてこれを一挙に用紙に転写し、加熱定着するタンデムエンジン型多色複写方式を取り入れたベルトとして有効である。
【0031】
参考までに前記方式の概要を図2で例示する。まずベルト9が張架ローラ10、10aと張架兼加熱ローラ11aとによって、しっかりと張架されている。そしてベルト9に接して4つの感光ドラム12(K−黒、Y−黄、M−赤、C−青)横設され、この各ドラムに対峙して4器のコロトロン帯電器13が該ベルト裏側に配設されている。これは該ベルトを帯電して、これに感光ドラム12上の顕像を積極的に静電転移するためのものである。14は濃度センサ(光)であり、ベルト面の光沢度の変化をチェックする。KYMCの順で転移したトナ画像15は、11の加熱定着器に送られ加熱ロ−ラ11aによって加熱され、受けロ−ラ11bによって用紙16上に圧着・転写される。転写を終えた該ベルトは残存する帯電荷を除電器17によって除電し、クリ−ナ18を通して表面洗條され1サイクルを終了する。
【0032】
前記としてのベルトの好ましい形態は、まず基体自身が円滑にベルト回転するものであることは言うまでもないが、まずより耐熱性(少なくとも200℃)が高く、この温度下での長期間(例えば1ヶ月以上の連続使用)使用でも伸縮、表面摩耗、及び耐コロナ性(これによる変質・着色等)等もないこと。そしてトナー画像の転移(表面積大)と転写(表面離型性大)が容易に且つ確実に行われ、更には良好な帯電と徐電のために適正な電気抵抗性があること及び特に転写不良を光電的にチェックする場合に必要な光沢と透明性(全光線透過率で80%以上)があること。更には回転時に作用する感光ドラムと該ベルトとの間の静摩擦が小さいこと(これが大きいと始動時の回転にブレが出易く、それによる色ズレがでる等の問題)等である。
【0033】
前記の様な点から、具体的に選択すると、前記耐久性ポリイミド系フイルムとして管状tsPIフイルムで、且つCB等の導電剤で電気抵抗が付与され、そしてその抵抗は体積抵抗値10〜1011Ω・cm程度、表面抵抗値10〜1012Ω/□程度の範囲にあり、更には両抵抗値の差が1桁以内に入っているものが一層好ましい。この両抵抗値の差は、一般には2〜3桁差があるものが選ばれるが、1桁以内に接近している該フイルムでは、例えば印加電圧に対する依存性がより小さいとか(印加電圧が複写途中で変わっても抵抗に変化がない)、連続電圧印加のもとでの抵抗の経時変化がないと言ったような効果がより大きいからである。また該フイルムの表面は、平滑よりも微細凹凸を有していることも好ましく、更にはこれがゴム弾性層であることもより好ましいことである。
【0034】
【実施例】
以下に比較例と共に参考例、実施例によって更に詳述する。
尚、本例中体積抵抗値(Rv)、表面抵抗値(Rs)は三菱化学株式会社製、抵抗測定器ハイレスタIP・HRブローブにより500V印加、30秒経過後に測定した値、微細凹凸(表面粗さRz)は東京精密株式会社製・表面粗さ計を用いてサンプル長さ2.5mmの中でカットオフ値0.8mmにて測定し求めた値、静摩擦係数(μs)(ミューズ)は新東化学株式会社製HEIDONトライボギア・ミューズ計(μs型)で測定した値、そして表面張力(°)は協和界面科学株式会社製・CA−Sミクロ2型で測定した標準水に対する接触角で示す。
【0035】
(参考例1)(マトリックス樹脂としてのstPIのポりアミド酸の製造例)
ピロメリット酸2無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエ−テルとの当モル量をN−メチルピロリドン溶媒中、20℃で重縮合反応して固形分濃度16重量%の芳香族ポリアミド酸溶液(溶液粘度4.2Pa・s)(以下PA原液)15kgを得た。
【0036】
(参考例2)(マトリックス樹脂としてのtPIの製造例)
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物とビス[4−{3−(4−アミノフエノキシ)ベンゾイル}フエニル]エーテルとの当モル量をジメチルアセトアミド溶媒中で、35℃で重縮合反応して固形分濃度18重量%の溶液15kgを得た。この一部を採取してIR分析したところ、実質的にイミド結合に由来する吸収のみで、アミド結合に由来する吸収は確認されなかった。該液の粘度は1.9Pa・sであり、以下tPI原液と呼ぶ。
【0037】
(参考例3)(マトリックス樹脂としてのPAIの製造例)
トリメリット酸1無水物と4,4′−ジアミノジフェニルメタンとの当モル量を、N−メチルピロリドン溶媒中、30℃で重縮合反応して22重量%(固形分濃度)の芳香族PAI溶液15kgを得た。該液の粘度は2Pa・sであり、以下これをPAI原液と呼ぶ。
尚、該溶液の一部を採ってIR分析したところ、アミド基と(僅少の未閉環のアミド酸に由来する吸収はあるも)大部分がイミド基に基づく吸収であった。
【0038】
(参考例4)(半導電性tsPI無端管状フイルムの成型例)
参考例1のPA原液5kgを採取し、これに100gのCB粉体(10−1Ω・cm)を添加(固形分に対して11.1重量%)し予備的混合後に、ボールミルにて本格的に混合分散し、そしてこれを用いて次の様な構造の成型装置と成型条件で半導電性tsPI無端管状フイルムに成型した。
【0039】
成型装置としては、内面鏡面仕上げ(クロムメッキ仕上げで、R=0.6μm)した両サイド開口の幅500mm、内径350mmの金属製成型ドラムが、2本の回転ローラ上に載置され、そして該ドラムの外側上面には遠赤外線ヒータ、該ローラには該ヒータ(補助的加熱)を内設して該ドラム内を加熱する。そして成型ポリマ原液を該ドラム内に供給するための供給ノズルと蒸発する有機溶媒を積極的に系外に除去するための給排用ノズルとが一体化されて該ドラム内に挿脱自在機構をもって設けられている。該ドラム内に供給された該原液は該ローラの回転により回転・加熱されつつ無端フイルム状に成型されるように構成されている。
【0040】
成型条件としては、まず前記成型ドラムを常温で6rad/sの角速度でゆっくりと回転し、そして前記CB混合液を左右動する幅50mmの供給ノズル(スリット)から2.5×10Paの圧力で該ドラム内面に向かって噴射を開始した。該ノズルは回転に同調して右から左に移動し、所定塗布厚になったら噴射を停止した。そして引き続き同角速度を維持して、遠赤外線ヒータでの加熱を開始し120℃(該ドラム内温度)に到達したらその温度で90分間加熱し、更に150℃まで昇温してその温度で60分間加熱した。この加熱の間は、吸排ノズルを使って蒸発する溶媒を積極的に系外に排出除去した。最後に加熱を停止し常温に冷却されたら、回転を停止して該ドラムから成型体を剥離し取り出した。成型体は、若干の有機溶媒を含んだポリアミド酸の半導電性無端管状フイルムであった。
【0041】
次ぎに前記ポリアミド酸の管状フイルムを外径340mm、幅420mmの円筒金属金型に嵌挿して、これを熱風乾燥機に投入した。ここでの加熱温度と時間はまず300℃で30分間、引き続いて450℃で30分間加熱とし、終わったら冷却して該金型から嵌脱した。得られたフイルムは完全に脱溶媒され、イミド化されたtsPIの半導電性無端管状フイルムに変化した。該フイルムの厚さは65μm、内径340mm、幅400mm(カット仕上げ)、Rは0.5μm、Rvは5×1010Ω・cm、Rsは5×1011Ω/□、静摩擦係数0.29であった。
尚、同一条件で同じ該管状フイルムをもう1本成型し、2本とした。
【0042】
(参考例5)(半導電性PAI無端管状フイルムの成型例)
参考例3のPAI原液4kgを採取し、これに120gのCB粉体(10−1Ω・cm)を添加(固形分に対して12重量%)し予備的混合後に、、ボールミルにて本格的に混合分散し、そして前記参考例4での成型装置を使い、同じ成型条件で半導電性PAI無端管状フイルムに成型した。但しこの場合の成型ドラムの内面の仕上げは、Rz=3.8μmとした。そして該ドラムを装置から外してそのまま熱風乾燥機に投入し、260℃で80分間加熱乾燥した。冷却して該ドラムからフイルムを剥離し目的のPAI半導電性無端管状フイルムを得た。
該フイルムの厚さは100μm、内径339.5mm、幅400mm(カット仕上げ)R=2.2μm、Rv=2×1012Ω・cm、静摩擦係数0.34であった。
尚、同一条件で同じ該管状フイルムをもう1本成型し、2本とした。
【0043】
(参考例6)(非半導電性tPI無端管状フイルムの成型例)
参考例2で得たtPI原液を使い前記参考例5での成型装置によって、次の条件で遠心注型した。
まず無加熱の前記成型ドラムを常温で6rad/sの角速度でゆっくりと回転し、そして該原液を左右動する幅50mmの供給ノズル(スリット)から液吐出を開始し、該ノズルは回転に同調して該ノズルを右から左に移動し、所定塗布厚になったら供給を停止した。そして該ドラムの加熱をスタートすると共に、回転を徐々に加速し角速度が100rad/sに到達し、温度が130℃に到達したらその状態で90分間加熱し、更に170℃まで昇温してその状態で60分間加熱した。この加熱の間は、吸排ノズルを使って蒸発する溶媒を積極的に系外に排出除去した。最後に加熱を停止し常温に冷却されたら、回転を停止して該ドラムから成型体を剥離し取り出した。
【0044】
次ぎに前記成型体を外径340mm、幅420mmの円筒金属金型に嵌挿して、これを熱風乾燥機に投入し、260℃で80分間加熱乾燥した。そして冷却して該金型から嵌脱した。得られたフイルムは完全に脱溶媒されtPIの無端管状フイルムであった。
該フイルムの厚さは73μm、内径340mm、幅400mm(カット仕上げ)、Rは2.0μmであった。
【0045】
(参考例7)(参考例4にゴム弾性層を設ける例)
参考例4で得た1本の半導電tsPI無端管状フイルムを2本の回転ロールに張架し、そして該ロールに対峙・接してグラビヤロールを設け、該ロールを介して1液型シリコーンゴム液(信越化学工業株式会社製で品番KE−3418)を回転しながらコーテングし、最後に100℃に加熱しつつ、60分間加熱し硬化してシリコーンゴム層を設けた。得られた該層の厚さは60μm、硬度(A)は約40、Rは0.4μmであった。
【0046】
(参考例8)(参考例5にゴム弾性層を設ける例)
参考例5で得た1本の半導電PAI無端管状フイルムを、回転する外径339.5mmの金属筒に嵌挿して、スプレーガンからフッ素ゴムラテックス(ダイキン工業株式会社製の品番GLS−213)を噴射してコーテングした後、最後に200℃に加熱しつつ、90分間加熱し硬化してフッ素ゴム層に変えた。得られた該層の厚さは20μm、硬度(A)は約70、Rは2.8μmであった。
【0047】
(参考例1)
参考例6で得た非半導電性tPI無端管状フイルムの表面を十分に脱脂洗浄し、この面に次の条件でRFスパッタリングを行い相当する透明薄膜層を形成した。まず逆正三角形状に設けられた3本の回転ロールに該管状フイルムを張架し、これを装置のスパッタ室に平面状のCaF(ターゲット)に対峙して(該フイルムとの間隔50mm)配置した。そして該スパッタ室を真空にしながらアルゴンガスで置換し、真空度10−1〜10−2Paに保った。そして該ロールを1m/minの速度で回転し、6.4W/cmの出力でRF電圧を20分間印加し、スパッタリングを停止した。得られた該フイルムを取り出し、表面を見ると、透明なCaF膜が高い光沢をもって、強固に密着されていた。尚、この密着については該フイルムを20mm径の2本のゴムロールに張架して100℃の下で60rpmの速度で10日間連続回転し、該層が剥離したかどうかを確認した結果である。勿論光沢にも変化は見られなかった。得られた層の膜厚、静摩擦係数、表面粗さ及び表面張力(接触角)は、参考例6と共に表1にまとめた。
【0048】
【表1】
Figure 0004399656
【0049】
(実施例2)参考例7で得られたゴム弾性層を有する半導電tsPI無端管状フイルムの該弾性層面に、ターゲットとして平面状のMgFを使用する以外は参考例1と同様条件にRFスッパタリングした。得られた該フイルムを取り出し、表面を見ると透明なMgF膜が高い光沢をもって、強固に密着されていた。尚、この密着については参考例1と同様にしてテストして確認した結果である。勿論光沢にも変化は見られなかった。得られた層の膜厚、静摩擦係数、表面粗さ及び表面張力(接触角)は、参考例7と共に表1にまとめた。
【0050】
(参考例3)参考例8で得られたゴム弾性層を有する半導電PAI無端管状フイルムの該弾性層面に、ターゲットとして平面状のBaFを使用する以外は参考例1と同様条件にRFスッパタリングした。得られた該フイルムを取り出し、表面を見ると透明なBaF膜が高い光沢をもって、強固に密着されていた。尚、この密着については参考例1と同様にしてテストして確認した結果である。勿論光沢にも変化は見られなかった。得られた層の膜厚、静摩擦係数、表面粗さ及び表面張力(接触角)は、参考例8と共に表1にまとめた。
【0051】
(実施例4)(請求項12に対応する使用例)
実施例2で得た無端管状フイルム(半導電tsPI無端管状フイルム+シリコーンゴム弾性層+MgF透明薄膜層)を幅300mmにカットし、これを図2に示す4色トナー複写機の中間転写兼加熱定着ベルト9に装着して、次の条件で複写テストを行ない、表面光沢(艶)、静摩擦係数とこれに対する該ベルトの駆動トルク及び画質の経時変化についてチェックした。結果は表2に示した。
尚光沢、画質は1000枚目を基準にこれとの差(ベタ濃度、ゴースト、白抜け)を肉眼観察にて比較したものであり、そして該駆動トルクは、該ベルト11aを張架した回転ロール10にトルクメータを付け電流値を測定して比較した。◎複写原稿・・B5コート紙に幅40mm、長さ150mmの帯線で黒、黄、赤、青の順で作製したベタ画像
◎加熱ローラ11aの温度・・230℃(該ベルトの表面温度は200℃)
◎複写枚数・・1000〜10万枚
◎複写速度・・25枚/min
このテスト結果は、表2に示した。
【0052】
【表2】
Figure 0004399656
【0053】
(比較例1)
参考例7で得られた無端管状フイルム(半導電tsPI無端管状フイルム+シリコーンゴム弾性層)を幅300mmにカットし、これを図2に示す4色トナー複写機の中間転写兼加熱定着ベルト9に装着して、実施例4と同じ条件で複写テストを行ない、同様に表面光沢、静摩擦係数とこれに対する該ベルトの駆動トルク及び画質の経時変化についてチェックし、結果を表2に示した。
【0054】
表2から明らかなように、実施例4に比較して、比較例1では既に最初から光沢に欠け、そして5万枚目頃から着色が始まり、それに伴って画質も悪くなっている。これはコロナ帯電により表面変質によりトナーの転移・転写性に変化があったためと考えられる。
又、静摩擦係数、駆動トルクについては両例に経時変化は見られないが、本来有する静摩擦係数、それによる駆動トルクの差がそのまま現れていることが良く判る。
【0055】
【発明の効果】
本発明は前記の通り構成されているので、次のような効果を奏する。
【0056】
まずポリイミド系フイルム表面の耐摩耗性が格段に向上したために、各種連続使用に対して使用寿命(耐久性)が大幅に向上した。
【0057】
帯電状態で使用する場合、コロナ放電によって起こる(電気化学的作用)表面劣化(着血、表面張力等の変化)が、起こらなくなりこれによる耐久性も大きく向上した。
【0058】
ベルト状態である物体と接触しつつ回転使用する場合に、回転ブレのような異常回転はなく低駆動トルクで極めて円滑にモータ回転ができるようになった(これは表面の静摩擦が小さくなったためである)。
【0059】
あるものとの接触面積を大きくするために付与された微細凹凸をもって成るフイルムでは、フッ化アルカリ土類塩の透明薄膜層が形成されたことでその形状が変化するようなことは一切なくなった。従って使用の前後でこれに基づく作用効果に差がでるようなこともなく、生産・品質管理も容易になった。
【0060】
種々への使用がより一層有効になった。例えばカラー複写機における用紙搬送用又は中間転写兼加熱定着用のベルト部材としての使用は、表面の耐摩耗性は勿論、非劣化を初め種々の点で格段の改善がなされたことでより長期間にわたって安定した高画質カラーで複写できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙搬送ベルトを使用するカラー複写機の主要概略図である。
【図2】中間転写兼加熱定着用ベルトを使用するカラー複写機の主要概略図である。
【符号の説明】
1 用紙搬送ベルト
3、12 (4色用)感光ドラム
4、8、13 コロトロン帯電器
5、16 用紙
6、17 除電器
7、11 加熱定着器
9 中間転写兼加熱定着用ベルト

Claims (6)

  1. 表面ゴム弾性層を有する、10 〜10 11 Ω・cmの体積抵抗値、10 〜10 12 Ω/□の表面抵抗値を有し、且つ両者の差が1桁以内にある半導電性熱硬化性ポリイミドからなる管状フイルムの該弾性層に、フッ化アルカリ土類塩による透明薄膜層が被覆されていることを特徴とする耐久性ポリイミド系フイルムを用いてなる、トナー複写機の中間転写兼加熱定着用ベルト。
  2. 前記表面ゴム弾性層がシリコーン系ゴム又はフッ素系ゴムのいずれかにより形成されてなる請求項1に記載の中間転写兼加熱定着用ベルト
  3. 前記フッ化アルカリ土類塩がフッ化バリウム、フッ化カルシウム又はフッ化マグネシウムのいずれかである請求項1又は2に記載の中間転写兼加熱定着用ベルト
  4. 前記透明薄膜層の膜厚が、100〜2000Åである請求項1〜3のいずれか1項に記載の中間転写兼加熱定着用ベルト。
  5. 前記ポリイミド系フイルムが、導電性カーボンブラックの含有により付与された半導電性ポリイミド系フイルムからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の中間転写兼加熱定着用ベルト。
  6. 前記フッ化アルカリ土類塩をターゲットとして、これをポリイミド系フイルムの表面にスパッタリングして透明薄膜層を形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の中間転写兼加熱定着用ベルトの製造方法。
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