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JP4398549B2 - ミシンのマーキングライト装置 - Google Patents

ミシンのマーキングライト装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生地の縫製開始位置を針下へ適切に搬送供給するために、生地に付記されたポイントマークをマーキングライトの照射位置にセットする制御を行うミシンのマーキングライト装置に係り、特に、複雑な作業を自動化して作業者の省力化を図った工業用ミシンに適用するのに好適なミシンのマーキングライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、玉縁縫い用の一般的な工業用ミシン(以下、単にミシンという)1の構造の要部を示す概略図である。
【0003】
本図に示すミシン1は、ミシンベッド1’を本体テーブル2のテーブル面と同一平面上となるように配置されており、この面一とされたミシンベッド1’および本体テーブル2の上には、生地Aをミシン1の針位置NPへスライドさせて供給し得る縫製テーブル3が敷設されている。
【0004】
また、前記ミシン1には、縫製テーブル3上を動作し、生地Aを上方から押さえた状態で針位置NPにスライド搬送可能とされた大押え4、玉布Bを形付けるバインダ5、玉布Bをセットするセット台6が配設されている。
【0005】
また、前記ミシン1には、前記縫製テーブル3上の前記針位置NPに対する生地Aの搬送方向上流側に2つのマーキングライト7,8が配設されており、これらの各マーキングライト7,8は生地Aの縫製方向において前後する所定の場所を照射するように配設されている。このマーキングライト7,8が照射する位置は、生地Aの縫製開始位置SPを適正に針位置NPまで搬送するための移動基準位置となる。
【0006】
そして、従来においては、作業者は縫製に供される生地Aを見て、その生地Aに付された前記玉布Bの取付位置を示すポイントマークPMを2つのマーキングライト7,8のいずれのマーキングライト7,8の照射位置LPに合わせてセットするかを判断し、このポイントマークPMを、選択した前記マーキングライト7,8の照射位置LPに位置させるようにしてその生地Aを縫製テーブル3上にセットするとともに、前記セット台6上でバインダ5を用いて形作った玉布BをポイントマークPMに合わせて配置し、そして、前記大押え4を動作させると、ちょうど生地Aの縫製開始位置SPを針位置NPに搬送することができるようになされていた。
【0007】
このように、生地Aの縫製方向の前後を照射するように配設された2つのマーキングライト7,8を設けている理由は次の通りである。
【0008】
例えば、上着の左右の身頃9,10の生地Aの対称位置にポケットがある場合、通常、ポケットの形成位置の基準となるポイントマークPMは、図6に示すように、身頃9,10の生地Aの表面側の前ラインとなる位置から左右対称の位置(図6においては、ポイントマークPMは破線で示すポケット形成部分の内側端点位置)に付されることとなる。そして、従来より、身頃9,10の生地Aはミシン1により左身頃9と右身頃10とを交互に縫製するように供給されており、また、前記ポケット形成部分に玉縁縫いを施すべく、作業者が図5において手前側に位置して作業する場合、身頃9,10の生地Aは作業空間の関係から、図5に示すミシン1の針位置NPの左方へその右方よりも多くの生地Aが拡開するようにして搬送するのが通常である。そうすると、ミシン1の正の縫製方向から考えて、右身頃10に形成された前記ポイントマークPMは、針位置NPに搬送されることが望ましいが、左身頃9においては、前記ポケット形成部分のポイントマークPMと反対側の端点位置RPMが針位置NPに搬送されることが望ましいこととなる。ところが、この端点位置RPMを生地Aにマークすることはなされていない。そこで、左右の身頃9,10毎に生地Aに予め付された前記ポイントマークPMをセットするマーキングライト7,8を異ならせることとし、前記マーキングライト7,8をポケット形成部分の寸法距離だけ縫製方向の前後に離間させて配設させることとした。こうすることにより、左右交互に供給される身頃9,10の生地Aは前記2つのマーキングライト7,8の照射位置LPに交互にセットすることで、生地Aの縫製開始位置SPを簡単かつ的確に針位置NPへ搬送することができるものとなった。
【0009】
前述した目的を達成する本発明の入力装置の第1の特徴は、縫製に供される左右の身頃の生地上に付された位置基準としてのポイントマークを合わせて位置させる照射位置を照射するミシンのマーキングライト装置において、1台のマーキングライトを配設した投光手段を、布送り方向に離間させて配設された1対のプーリに巻回されている無端状の搬送ベルトにより支持し、前記プーリを回転駆動させるステッピングモータによって布送り方向に往復自在に搬送させる搬送手段と、縫製に供される左身頃と右身頃との種別に関する照射位置データと、前記照射位置データ毎に前記布送り方向に前後に異ならせたマーキングライトの照射位置に関する情報としての、前記投光手段が往復搬送される可動範囲の前記ステッピングモータの正駆動時における搬送ベルトの回転方向における上流側端部を移動基準位置とするステッピングモータのステップ数で管理されたライトセット位置の情報とを含み、1縫製毎に左身頃と右身頃とを交互に縫製に供給する縫製データを入力する操作部と、前記縫製データを記憶する記憶手段を備えるとともに、縫製データから照射位置データを判別する照射位置変更手段が組み込まれ、前記照射位置変更手段により、次の縫製に供される生地が左身頃であると判別された場合には、前記マーキングライトが手前側に位置するライトセット位置へ移動して手前側の照射位置を照射し、次の縫製に供される生地が右身頃であると判断された場合には、前記マーキングライトが手前側のライトセット位置よりも奥側に位置するライトセット位置へ移動して奥側の照射位置を照射するように、前記ステッピングモータの正逆駆動方向および駆動ステップ数を制御する制御手段とを有する点にある。
【0011】
本発明は、これらの点を鑑みてなされたものであり、1台のマーキングライトを布送り方向に往復移動させて、生地上のポイントマークをセットさせるべき照射位置を案内するように制御することのできるミシンのマーキングライト制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るミシンのマーキングライト装置の特徴は、縫製に供される左右の身頃の生地上にポイントマークを照射するミシンのマーキングライト装置において、1台のマーキングライトを配設した投光手段をステッピングモータによって布送り方向に往復自在に搬送させる搬送手段と、縫製に供される左身頃と右身頃との種別に関する照射位置データと、前記照射位置データ毎に前記布送り方向に前後に異ならせたマーキングライトの照射位置に関する情報とを含み、1縫製毎に前記左身頃と右身頃とを交互に縫製へ供給する縫製データを入力する操作部と、前記縫製データを記憶する記憶手段を備えるとともに、縫製データから照射位置データを判別する照射位置変更手段が組み込まれ、前記照射位置変更手段により、次の縫製に供される生地が左身頃であると判別された場合には、前記マーキングライトが移動基準位置から手前側へ移動して手前側の位置を照射し、次の縫製に供される生地が右身頃であると判断された場合には、前記マーキングライトが前記手前側の位置よりも奥側へ移動して、前記手前側の位置よりも奥側の位置を照射するように、前記ステッピングモータの正逆駆動方向および駆動ステップ数を制御する制御手段とを設けた点にある。
【0013】
このような構成を採用することにより、前記搬送手段によって前記投光手段を縫製データ毎に用意される照射位置データに基づいて布送り方向に移動させ、前記マーキングライトを照射位置に照射させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のミシンのマーキングライト装置の一実施形態を示す構成図である。以下、本実施の形態は、2つの異なる縫製データに基づいた縫製を異なった被縫製物に対して繰り返し行なう場合を示しており、具体的には、前述の左右の身頃31,32にポケットの玉縁縫いを施すに際して、左身頃31と右身頃32とを交互に供給するようにし、前記照射位置データとして左身頃31と右身頃32とが1縫製毎に交互に供給されるデータが入力されている場合を示す。
【0015】
本実施形態のミシンのマーキングライト装置はミシン11に付設されるものであり、このミシン11は、従来と同様にミシンベッド11’を本体テーブル12のテーブル面と同一平面上となるように配置されており、この面一とされたミシンベッド11’および本体テーブル12の上には、生地Aをミシン11の針位置NPへスライドさせて供給し得る縫製テーブル13が敷設されている。
【0016】
また、前記ミシン11には、縫製テーブル13上を動作し、生地Aを上方から押さえた状態で針位置NPにスライド搬送可能とされた大押え14、玉布Bを形付けるバインダ15、玉布Bをセットするセット台16が配設されている。
【0017】
そして、前記縫製テーブル13上の前記針位置NPに対する生地Aの搬送方向上流側には、1台のマーキングライト17を有するマーキングライト装置18が配設されている。
【0018】
このマーキングライト装置18は、図1および図2に示すように、前記1台のマーキングライト17を支持する投光手段19を布送り方向に往復自在に搬送させる搬送手段20と、縫製に供される生地Aの縫製データを入力するための操作部21と、縫製データ毎に用意される照射位置データに基づいて前記搬送手段20の駆動を制御し、マーキングライト17の点灯や照度を調整する制御を行う制御手段22とを有している。
【0019】
本実施形態においては、前記搬送手段20は、布送り方向に離間させて配設された1対のプーリ23、23と、前記1対のプーリ23,23に巻回され、前記投光手段19を支持する無端状の搬送ベルト24と、一方のプーリ23に直接回転駆動力を付与するステッピングモータ25とから構成されており、前記マーキングライト17は、前記搬送ベルト24の駆動搬送に伴って、前記一対のプーリ23,23間の投光手段19の配設側片側を可動範囲とし、布送り方向に往復移動するように構成されている。
【0020】
なお、本実施の形態の前記投光手段19の移動基準位置は、前記プーリ23の正駆動時の前記搬送ベルトの回転方向における前記可動範囲の上流側端部とされているものとする。
【0021】
また、前記操作部21はキーボードやボタン等のスイッチからなる入力部26、液晶パネル等からなる表示部27を有している。
【0022】
前記制御手段22は、前記操作部21によって入力された縫製データや、前記縫製データから照射位置データを抽出する照射位置変更プログラム(照射位置変更手段)を記憶するメモリ28を有している。
なお、縫製データとは、具体的には、縫製する生地Aが左身頃31か右身頃32かに関する生地Aの種別に関する照射位置データ、1縫製毎に交互とされる左身頃31と右身頃32の供給順に関する情報、前記照射位置データ毎に布送り方向に前後に異ならせたマーキングライト17の照射位置に関する情報、さらには、マーキングライト17の照度のデータである照度データ等である。
また、前記制御手段22は、縫製データから抽出される照射位置データに基づいて前記ステッピングモータ25の正逆駆動方向や駆動ステップ数を制御したり、マーキングライト17の点灯や照度を調整する制御を行うCPU29を有している。
【0024】
そして、本実施形態においては、前記制御手段22のCPU29は、前記マーキングライト17のスイッチング素子30に接続されており、例えば、明るく照射する場合は、1周期中、オンする時間の占める割合を多くすることでデューティー比を高くし、逆に、暗くする場合は、1周期中、オンする時間の占める割合を少なくしてデユーティー比を低くするようにして、スイッチング素子30により、照度を調整するように構成されている。
【0026】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態のミシンのマーキングライト装置の動作およびこのマーキングライト装置を有するミシンの駆動について、図3に示すフローチャートにより具体的に説明する。
【0027】
作業者は、予め、このミシン11により行われる縫製についてのデータを前記操作部21の入力部26より入力し、この縫製データを制御手段22のメモリ28に記憶させておく。
【0028】
続いて、マーキングライト装置のスイッチをONにし、初期動作を行なう(ステップST1)。
【0029】
即ち、本実施形態においては、マーキングライト17を点灯させるとともに、前記搬送手段20のステッピングモータ25を駆動させて、前記投光手段19およびマーキングライト17を移動基準位置まで移動させる。前記ステッピングモータ25はその回転方向を変えることにより、前記搬送ベルト24の回転方向をかえることができ、これにより、前記マーキングライト17を支持する投光手段を19布送り方向に平行に前後移動させることが可能となっている。なお、前記投光手段19の移動基準位置は、前述の通り、前記プーリ23の正駆動時の前記搬送ベルトの回転方向における前記可動範囲の上流側端部とされているものとする。
【0030】
次に、ミシンの制御手段22のCPU29に組み込まれた照射位置変更プログラムにより、先に入力された縫製データから次の縫製のための照射位置データを抽出する(ステップST2)。すなわち、次の縫製データが左身頃31を縫製するものである場合、照射位置変更プログラムが縫製データから左身頃31であることを判断し、作業者にとって手前側に位置する照射位置LPを照射すための照射位置データを抽出することとなる。
【0031】
この照射位置データに基づき、前記制御手段22のCPU29は前記搬送手段20のステッピングモータ25を駆動させる制御を行う(ステップST3)。すなわち、前記移動基準位置から手前側に位置する照射位置LPを照射するためのライトセット位置までのステップ数だけ、前記ステッピングモータ25を駆動させる。本実施形態においては、このときのステッピングモータ25は正駆動であり、前記搬送ベルト24も正方向に搬送され、よって、投光手段19及びこの投光手段に支持された点灯しているマーキングライト17を布送り方向に平行にライトセット位置へ移動させることができる。
【0032】
投光手段19を搬送し、マーキングライト17をライトセット位置へ移動させたら(ステップST4)、前記ステッピングモータ25の駆動を停止させる(ステップST5)。
【0033】
そして、作業者は、前記マーキングライト17の照射位置LPに、当該左身頃31に付されたポイントマークPMを合わせてセットし、所定の縫製を行う(ステップST6)。
【0034】
続いて一連の縫製データに基づく縫製を行う場合には、作業を終了させずにステップST2へ戻る(ステップST7)。すなわち、次に、供給される生地Aが右身頃32であることを前記照射位置変更プログラムが縫製データから判断し、作業者にとって奥側に位置する照射位置LPを照射すための照射位置データを抽出する(ステップST2)。
【0035】
そして、この照射位置データに基づき、前記制御手段22のCPU29は前記搬送手段20のステッピングモータ25を駆動させる制御を行う(ステップST3)。すなわち、前記手前側に位置する照射位置LPを照射するためのライトセット位置から奥側に位置する照射位置LPを照射するためのライトセット位置までのステップ数だけ、前記ステッピングモータ25を正駆動させることとなる。このモータの正駆動により、前記マーキングライト17がさらに奥側へ移動することは前述の通りである。
【0036】
投光手段19を搬送し、マーキングライト17を照射位置へ移動させたら(ステップST4)、前記ステッピングモータ25の駆動を停止させる(ステップST5)。
【0037】
そして、作業者は、前記マーキングライト17の照射位置LPに当該右身頃32に付されたポイントマークPMを合わせてセットし、所定の縫製を行う(ステップST6)
最後に、全ての作業を終了させるときはマーキングライト装置18をOFFにする(ステップST8)。
【0038】
この作業を繰り返し行うことにより、所望の縫製を得ることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、2種類の被縫製物に対し、それぞれ異なる縫製データに基づいて縫製を施すことを被縫製物毎に繰り返す場合を示したが、同一の被縫製物に対し、複数種の縫製からなる一連の縫製データに基づいて縫製を施すことを被縫製物毎に繰り返すプログラミングをすることも可能である。
【0040】
また、本実施の形態においては、縫製データから照射位置を判別してライトセット位置を変更するようにしているが、照射位置データをテーブルとして予めメモリに記憶しておいて、縫製位置データまたは供給された被縫製物に対応する照射位置データをテーブル上から選択し、ライトセット位置を変更するようにしてもよい。この場合のフローチャートを図4に示し、以下に簡単に説明する。
【0041】
作業者は、予め、このミシン11により行われる縫製についての照射位置に関するデータを前記操作部21の入力部26より入力し、この照射位置データを制御手段22のメモリ28に記憶させておく。そして、前記表示部27にはこの入力された照射位置データのうち、いずれかを選択可能とする照射位置選択ボタンを前記表示部27に表示可能としておく。
【0042】
続いて、マーキングライト装置のスイッチをONにし、前述と同様の初期動作を行なう(ステップST11)。
【0043】
次に、作業者は、表示部27に示された予め入力されている照射位置選択ボタンの中から当該縫製のための照射位置を選択する(ステップST2)。すなわち、次の縫製が左身頃31の縫製である場合、作業者にとって手前側に位置する照射位置LPを照射するための照射位置を選択することとなる。
【0044】
この選択された照射位置データに基づき、前記制御手段22のCPU29は前記搬送手段20のステッピングモータ25を駆動させる制御を行う(ステップST3)。
【0045】
投光手段19を搬送し、マーキングライト17を照射位置へ移動させたら(ステップST4)、前記ステッピングモータ25の駆動を停止させる(ステップST5)。
【0046】
そして、作業者は、前記マーキングライト17の照射位置に、当該左身頃31に付されたポイントマークPMを合わせてセットし、所定の縫製を行う(ステップST6)。
【0047】
そして、この照射位置データに基づく縫製が終了したら、続いて別の照射位置データに基づく縫製を行うか否かの判断を行い(ステップST7)、作業を続ける場合には、また、照射位置を選択し直し(ステップST2)、マーキングライト17を所望の位置に移動させて、続く縫製作業を行う。
【0048】
最後に、全ての作業を終了させるときはマーキングライト装置18をOFFにする(ステップST8)。
【0049】
実施の形態では、予め入力しておいた照射位置データを選択することとしたが、縫製の度ごとに作業者がこのデータを入力することも可能である。たとえば、そのミシン1において、同一の縫製データに基づく縫製を、異なる生地Aに何度も繰り返すような縫製作業の場合は、この方法によっても作業者の面倒にはならない。
【0050】
このように、前述のいずれの実施の形態においても、マーキングライト装置のCPUにより制御されたマーキングライト17の適切な照射による指示に従い、ポイントマークPMを適切なマーキングライト17の照射位置LPに合わせて生地Aをセットすることで、前述のように、バインダ5により形付けられた玉布Bを所定位置に配置した状態で、大押え4を駆動させることにより、生地Aおよび玉布Bを針位置NPに的確に搬送することができる。
【0051】
また、次の縫製作業はどのマーキングライト17の照射位置LPにポイントマークPMを合わせてセットすればよいかを、供給された生地Aをみた自己の判断に加えて、縫製データに基づき制御されたマーキングライト17の照射により確認することができるので、誤った縫製を生地Aに施し、生地Aを破損してしまうことを防止することができる。
【0052】
なお、前記マーキングライト17の照度を調整したい場合には、そのための情報を照度データとして操作部21の入力部26より入力する。具体的には、明るさをレ搬送ベルトして数字で表現し、例えば基準となる明るさをレベル5として、0(暗)〜10(明)の値を入力することで、スイッチング素子30のデューティー比を高くしたり、低くしたりして、照度を調整することができる。例えば、その日の天候、生地Aの色や柄、作業環境などに応じて調整することができるので、縫製の作業効率を高めることができ、作業者の眼精疲労を防止することができるものとなる。
【0053】
また、マーキングライト17の明るさを制御する方法としては、上述したパルス駆動のデューティー比を変化させる公知の方法の他、電圧電源を可変させる方法によりマーキングライト17の明るさを可変させることも可能である。
【0054】
また、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0055】
例えば、前記実施形態においては、前記移動基準位置を1カ所としたが、前記投光手段の可動範囲の両端に1カ所づつ、計2カ所に移動基準位置を設け、夫々を前基準の場合の移動基準位置、後基準の場合の移動基準位置とすることも可能である。
【0056】
また、本発明のミシンのマーキングライト装置は、工業用ミシンのみならず、家庭用ミシンなどその他のミシンにも適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1台のマーキングライトを用い、このライトを布送り方向に移動させて作業者に対し、縫製に供される生地に付されたポイントマークを、いずれのマーキングライトの照射位置にセットすればよいかを的確に案内することができるので、マーキングライトの部品点数を減らすことができ、コストを低廉とすることができる。また、生地のセット位置の決定を作業者の判断にのみ頼ることもなく、生地セットによる縫製の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のミシンのマーキングライト装置の一実施形態とミシンとの位置関係を示す概略図
【図2】 図1のミシンのマーキングライト装置の構成図
【図3】 本実施形態のミシンのマーキングライト装置の駆動の一例を示すフローチャート
【図4】 本実施形態のミシンのマーキングライト装置の駆動の別の例を示すフローチャート
【図5】 一般的な玉縁縫い用の工業用ミシンの構造を示す概略図
【図6】 上着の左右身頃の生地に付されるポイントマークと縫製開始位置との関係を示す説明図
【符号の説明】
11 ミシン
11’ ミシンベッド
12 本体テーブル
13 縫製テーブル
14 大押え
15 バインダ
16 セット台
17 マーキングライト
18 マーキングライト装置
19 投光手段
20 搬送手段
21 操作部
22 制御手段
23 プーリ
24 搬送ベルト
25 ステッピングモータ
26 入力部
27 表示部
28 メモリ
29 CPU
30 スイッチング素子
31 左身頃(生地)
32 右身頃(生地)
A 生地
B 玉布
NP 針位置
SP 縫製開始位置
PM ポイントマーク
RPM ポイントマークの逆サイド基準点
LP 照射位置

Claims (1)

  1. 縫製に供される左右の身頃の生地上に付された位置基準としてのポイントマークを合わせて位置させる照射位置を照射するミシンのマーキングライト装置において、
    1台のマーキングライトを配設した投光手段を、布送り方向に離間させて配設された1対のプーリに巻回されている無端状の搬送ベルトにより支持し、前記プーリを回転駆動させるステッピングモータによって布送り方向に往復自在に搬送させる搬送手段と、
    縫製に供される左身頃と右身頃との種別に関する照射位置データと、前記照射位置データ毎に前記布送り方向に前後に異ならせたマーキングライトの照射位置に関する情報としての、前記投光手段が往復搬送される可動範囲の前記ステッピングモータの正駆動時における搬送ベルトの回転方向における上流側端部を移動基準位置とするステッピングモータのステップ数で管理されたライトセット位置の情報とを含み、1縫製毎に左身頃と右身頃とを交互に縫製に供給する縫製データを入力する操作部と、
    前記縫製データを記憶する記憶手段を備えるとともに、縫製データから照射位置データを判別する照射位置変更手段が組み込まれ、前記照射位置変更手段により、次の縫製に供される生地が左身頃であると判別された場合には、前記マーキングライトが手前側に位置するライトセット位置へ移動して手前側の照射位置を照射し、次の縫製に供される生地が右身頃であると判断された場合には、前記マーキングライトが手前側のライトセット位置よりも奥側に位置するライトセット位置へ移動して奥側の照射位置を照射するように、前記ステッピングモータの正逆駆動方向および駆動ステップ数を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするミシンのマーキングライト装置。
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