JP4398301B2

JP4398301B2 - 液体口腔用組成物

Info

Publication number: JP4398301B2
Application number: JP2004152144A
Authority: JP
Inventors: 純子設楽
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2004-05-21
Filing date: 2004-05-21
Publication date: 2010-01-13
Anticipated expiration: 2024-05-21
Also published as: JP2005330251A

Description

本発明は、使用感及び洗浄力に優れた有機酸含有液体口腔用組成物に関する。

有機酸を含有した液体口腔用組成物としては、茶エキスとクエン酸を含有する洗口液やクエン酸をポリオキシエチレン（３０）硬化ヒマシ油を含有する洗口液の報告がある（特許文献１、２）。しかし、有機酸、陰イオン界面活性剤及びカリウム塩を含有する液体口腔用組成物の報告はない。
特開平７−２５８０５４号公報特開平７−１２６１３１号公報

本発明者は、有機酸が着色除去作用を有し、陰イオン界面活性剤が優れた洗浄作用、サッパリ感を有するという知見に基づき、これらを含有する液体口腔用組成物の設計を行った。しかし、有機酸及び陰イオン界面活性剤を含有した液体口腔用組成物においてはpH調整剤等としてナトリウム塩を添加すると強い塩味が生じ使用感が損なわれることが判明した。

そこで、ナトリウム塩にかえてカリウム塩の使用を試みたが、低温保存安定性の点で不都合を生じることがわかった。さらに陰イオン界面活性剤について検討したところ、アシルタウリン塩を使用し、かつ、特定のpHとすることにより上記の不都合も解消し、使用感及び洗浄力に優れ、低温保存時にも安定な液体口腔用組成物が得られ、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、カリウムイオン供給化合物、アシルタウリン塩、有機酸又はその塩、及び水を含有し、かつpH５〜８の液体口腔用組成物である。

本発明により、使用感及び洗浄力に優れ、低温保存時にも安定な有機酸含有液体口腔用組成物の提供が可能となった。

本発明に用いられる（Ａ）カリウムイオン供給化合物とは、水に溶けてカリウムイオンを放出する化合物であり、例えば、水酸化カリウム等があげられる。その含有量は、塩味低減による使用感の改善効果の点から口腔用組成物全体に対してカリウムイオン換算で０．０１質量％以上であるが、知覚過敏抑制及び組成物の安定性の点から０．０５〜２質量％、さらに好ましくは０．２〜１質量％である。また、塩味を少なくする点からナトリウムイオンは０．００００１〜０．２質量％であることが好ましく、さらに好ましくは０．１質量％以下、より好ましくは０．０５質量％以下である。

本発明で用いられる（Ｂ）アシルタウリン塩としては、アシルＮ−メチルタウリン塩、例えばＣ₆−Ｃ₂₄脂肪族アシルＮ−メチルタウリン塩が挙げられる。より具体的にはカプロイルメチルタウリン塩、ラウロイルメチルタウリン塩、ミリストイルメチルタウリン塩、パルミトイルメチルタウリン塩、オレオイルメチルタウリン塩等が挙げられる。ここで塩としては、アルカリ金属塩が好ましい。その含有量は、口腔用組成物全体に対して０．０１〜５質量％、好ましくは０．０５〜２質量％である。

本発明で用いられる（Ｃ）有機酸又はその塩としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等の一塩基酸；シュウ酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸等の二塩基酸；乳酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、グリセリン酸等のヒドロキシカルボン酸；グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸；ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸等のケト酸；安息香酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸；エチレンジアミンテトラ酢酸等のポリカルボン酸類等が挙げられる。原料の入手しやすさ、コストの低減の点から乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が好ましい。さらに口腔用組成物の味・風味の改善及び着色除去効果からリンゴ酸、酒石酸がより好ましい。その含有量は、０．０５〜５質量％であるが、さらに好ましくは０．１〜２質量％、より好ましくは０．１〜１質量％である。

また、本発明の液体口腔用組成物中の（Ｄ）水の含有量は、６０〜９８質量％であるが、さらに好ましくは６５〜８５質量％である。
また、組成物のpHは、組成物の安定性及び刺激低減の点からpH５〜８であるが、好ましくはpH５．５〜７．５である。

また、本発明の液体口腔用組成物は、カリウムイオンを安定させる点からさらに（Ｅ）非イオン界面活性剤を配合することが好ましい。
（Ｅ）非イオン界面活性剤は、口腔用組成物に一般に用いられる非イオン界面活性剤であれば良く、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油等が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤の脂肪酸部分は、炭素数８〜２０のものが好ましい。可溶化力の点でショ糖脂肪酸エステルが好ましい。

また、本発明の液体口腔用組成物はさらに香料を配合することが好ましい。特に非イオン界面活性剤を配合する場合は、苦味を低減化する点から香料配合が特に有効である。
本発明で用いられる香料は、口腔用剤に用いられる香料であればよく、例えばシナモン、スペアミント、ペパーミント、アニス、メントール、サリチル酸メチル及びそれらの混合物が挙げられる。当該香料は組成物中に香気付与に有効な量含有すればよく、例えば０．０５〜１０質量％、さらに０．０８〜５質量％、特に０．１〜３質量％含有するのが好ましい。

本発明の液体口腔用組成物中には、これらの成分の他に、エタノール等の溶剤、グリセリン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等の粘結剤、サッカリンナトリウム等の甘味剤、着色剤、パラオキシ安息香酸メチル等の保存剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等の殺菌剤、消炎剤等を配合することができる。

本発明の液体口腔用組成物の形態としては、洗口液、液状歯磨剤等が挙げられる。

表１の実施例１〜３及び比較例１〜３の洗口液を製造し、塩味及び低温保存安定性について評価を行った。

塩味：
調製した組成物を被験者５名に使用してもらい、塩味を以下の基準で評価した。
塩味を感じない：１
わずかに塩味を感じるが、気にならない：２
塩味を感じる：３
なお、表１に示す判定の結果は、５名の平均値を示した。
低温保存安定性：
調製した組成物を密閉できるガラス容器に入れて５℃に１週間保存し、浮遊物・沈殿物の生成状態を判断した。
浮遊物・沈殿物なし：１
ほんの少し浮遊物がみられる：２
少量の浮遊物と沈殿物がみられる：３
浮遊物と沈殿物が多くみられる：４
表１に示すように、カリウムイオン供給化合物、アシルタウリン塩、有機酸及び水を含有し、pHが５〜８に収まる液体口腔用組成物の実施例１〜３のすべてにおいて、塩味・低温保存安定性において優れていた。これに対し比較例１では、pH調整に水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いたところ、低温保存安定性は問題ないが、塩味が強くなった。比較例２では、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウムを使用すると、低温で沈殿が生じ保存安定性が低下した。比較例３では、pHを９以上にしたところ室温でも低温でも白濁が生じた。なお、調製した洗口剤はいずれも優れた洗浄力を示した。

Claims

下記成分（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）及び（Ｄ）：
（Ａ）水に溶けてカリウムイオンを放出するカリウムイオン供給化合物カリウムイオン換算で０．０５〜２質量％
（Ｂ）アシルタウリン塩０．０１〜５質量％
（Ｃ）ヒドロキシカルボン酸又はその塩０．１〜５質量％
（Ｄ）水６０〜９８質量％
を含有し、かつpH５〜８である液体口腔用組成物。
（Ｃ）ヒドロキシカルボン酸又はその塩が、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、クエン酸及びそれらの塩から選ばれる１種又は２種以上である請求項１記載の液体口腔用組成物。
さらに成分（Ｅ）非イオン界面活性剤を含有する請求項１又は２記載の液体口腔用組成物。
さらにナトリウムイオンを０．００００１〜０．２質量％含有するものである請求項１〜３のいずれかに記載の液体口腔用組成物。