JP4398115B2 - Tube drawer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物のスラブ内に配管される合成樹脂製の配管材をスラブ上に引き出すための管引出具に関するものである。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
従来、建物のスラブ内に配管される配管材を、スラブ上に引き出すための引出具として、例えば、特開平8−296259号公報に示される管引出具が知られていた(図11参照)。この管引出具11によると、スラブ12を形成するコンクリート12aを打設する前に、この管引出具11が鉄筋等に固定されるとともに、配管材13が管引出具11の内部に導かれた。そして、コンクリート12aの打設および養生後に、管引出具11の上端部分の閉塞板部(図示せず)が打ち抜かれ、その打ち抜きによってできた引出口11aから内部の配管材13がスラブ12上に引き出された。
【0003】
しかしながら、前記従来の管引出具11にあっては、引出口11aから内部の配管材13をスラブ12上に引き出した後、その引出口11aをコンクリート12aによって埋める必要があった。
【0004】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配管材を引き出す引出口をコンクリートによって埋める必要がない管引出具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る管引出具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る管引出具は、建物のスラブ内に埋設されるとともに、前記スラブ内に配管される合成樹脂製の配管材を前記スラブ上に引き出すための管引出具である。この管引出具は、前記スラブ内の前記配管材を引き込む引込口、およびその引き込まれた前記配管材を前記スラブ上に引き出す引出口を有する引出具本体と、前記引出口を被うとともに、前記配管材を前記スラブ上に導く開口部を有する蓋体と、を備える。そして、前記引出具本体は、前記蓋体を支持する支持部を有し、その支持部は、その下方に、前記スラブを形成するコンクリートが入り込むように、前記引出具本体の側方に突出して形成されている。また、前記蓋体は、前記開口部が設けられた蓋体本体が平面視が円形に形成されて、前記引出具本体に対して鉛直軸回りに回動可能となっており、前記開口部は、前記鉛直軸から偏心して設けられて、前記蓋体の回動により、前記引出具本体に対する前記開口部の位置が調整される。そして、前記開口部の位置が調整されてその開口部を通る前記配管材が前記スラブ上の所要の方向に導かれる、前記蓋体の各々の回動位置にて、前記蓋体は、前記引出具本体に固定可能となっている。
【0006】
これにより、建物のスラブ内に配管される合成樹脂製の配管材は、引込口から引出具本体内に入り、引出口からスラブ上に引き出される。そして、この管引出具は、引出口を覆う蓋体を備えており、詳細には、配管材は、この蓋体が有する開口部を通ってスラブ上に導かれる。さらに、蓋体は、引出具本体の支持部に支持されるとともに、その支持部の下方に入り込むコンクリートによって間接的に支持される。また、蓋体を、引出具本体に対して鉛直軸回りに適宜回動することで、引出具本体に対する開口部の位置を調整することができ、その回動位置にて、蓋体を引出具本体に固定することができる。
また、請求項2に記載の発明に係る管引出具のように、請求項1に記載の管引出具において、前記引出具本体は、固定片を有し、前記蓋体本体には、通し孔が、前記蓋体の回動位置に応じて、前記引出具本体の前記固定片と対応するように、前記鉛直軸回りに複数設けられて、螺子が、前記通し孔を挿通し、前記固定片に螺入することで、前記蓋体は、前記引出具本体に固定されてもよい。
【0007】
また、請求項3に記載の発明に係る管引出具のように、請求項1または2に記載の管引出具において、前記蓋体は、前記蓋体本体と、その蓋体本体に螺合するとともに前記支持部に当接して前記蓋体本体を支える複数本のビスとを備え、前記蓋体本体の上面の高さは、その蓋体本体への前記ビスの螺入量によって調整可能となっていてもよい。これにより、蓋体本体へのビスの螺入量を変えることで、蓋体本体の上面の高さを調整すれば、その蓋体本体の上面を、例えば、スラブの上面と同一の高さ位置にすることができる。なお、ビスの本数は、3本であるのが望ましい。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る管引出具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1ないし図10は、本発明に係る管引出具の一実施の形態を示す。図中符号1は、建物のスラブである。2は、スラブ1内に配管される合成樹脂製の配管材である。3は、スラブ1内において、前記配管材2を収容保護する保護管である。4は、スラブ1内に埋設されるとともに、前記配管材2をスラブ1上に引き出すための管引出具であり、この管引出具4によって、例えば、湯が流れる配管材2が、スラブ1上に引き出され、その湯が床暖房に利用される。5は、スラブ1を形成するコンクリート1aの打設の際に用いられるキャップ体である。6は、管引出装置であって、前記管引出具4と前記キャップ体5とからなる。
【0011】
ここで、管引出具4は、引出具本体7と、蓋体8と、耐火部材9と、を備えている。引出具本体7は、スラブ1内の配管材2を引き込む引込口7a、その引き込まれた配管材2をスラブ1上に引き出す引出口7b、蓋体8を支持する支持部7c、蓋体8を固定するための螺子Rが雌ねじを形成するようにして螺入する固定片7d、そして少なくとも引込口7a付近に透明または半透明な光透過部7eを有している。具体的には、引出具本体7は、例えば、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂製であり、半透明体であって中空に形成されている。そして、引出具本体は、図4および図5に示すように、略逆円錐台形状の本体部7fと、その本体部7fの側壁7gから斜め下方に延びる筒部7hと、その筒部7hの先端面7iから窪むように形成された、当然に半透明な前記光透過部7eとからなる。
【0012】
本体部7fは、その上方側が開口して、前記引出口7bとなっている。また、本体部7fの上端部分に前記支持部7cが設けられており、この支持部7cは、その下方に、スラブ1を形成するコンクリート1aが入り込むように、引出具本体7の側方(図示実施の形態においては、本体部7fにおける筒部7h側を除く全側方)に突出して形成されている。そして、支持部7cの周縁および筒部7h側の側壁7gには、上方に向かって短円筒状に起立する上端部側壁7jが形成されている。そして、この上端部側壁7jには、その内側であって周方向の4ヵ所に、その周方向に長手となる係合突起7k、7kが設けられている。
【0013】
固定片7dは、スラブ1を形成するコンクリート1a内に埋設されるよう、引出具本体7の側方(図示実施の形態においては、側壁7gにおける筒部7h方向とは直交する二方向の側方)に突出している。詳細には、固定片7dは、引出具本体7の外側であって、支持部7cと側壁7gとに跨るようにして、縦に延びている。そして、この固定片7dには、引出具本体7の内側であって、縦に延びて上方が支持部7cの上面に開口する溝7mが形成されており、この溝7mに前記螺子Rが螺入するようになっている。
【0014】
また、本体部7fには、スラブ1を形成するコンクリート1aの打設前に、そのコンクリート1aに配筋される鉄筋T等に引出具本体7を固定するための、第1および第2の取付孔7n、7pが必要に応じて設けられる。ここで、第1の取付孔7nは、本体部7fの、筒部7hとは反対側の側方に突出する取付部7qに明けられ、また、第2の取付孔7pは、本体部7fの底壁7rに明けられる。
【0015】
光透過部7eは、耐火部材9の先端部分が入り込む凹部7sを備えており、この凹部7sは、筒部7hの先端面7iから段状に窪んで形成されている。また、光透過部7eは、凹部7sからさらに奥側ほど径小となるようにして窪むテーパー部7tを備えている。そして、このテーパー7t部の奥端が開口して、前記引込口7aとなっている。
【0016】
蓋体8は、図1に示すように、引出具本体7における引出口7bを被うとともに、配管材2をスラブ1上に導く開口部8aを有している。また、蓋体8は、引出具本体7の上端部側壁7jと嵌合するようにして支持部7cに載ることで、その引出具本体7に対して鉛直軸V回りに回動可能となっている。そして、前記開口部8aは、この鉛直軸Vから偏心して設けられている。ここにおいて、蓋体8は、前記開口部8aが設けられた蓋体本体8bと(図6参照)、その蓋体本体8bに螺合するとともに前記支持部7cに当接して蓋体本体8bを支える複数本(図示実施の形態においては3本)のビス8c、8cとからなる。そして、蓋体本体8bの上面の高さは、その蓋体本体8bへのビス8c、8cの螺入量によって調整可能となっている。さらに、蓋体本体8bには、前記螺子Rの螺軸R1を挿通させるための通し孔8dが、蓋体8の所定の回動位置に応じて、引出具本体7の固定片7dと対応するように、前記鉛直軸V回りに複数設けられている。
【0017】
この蓋体本体8bは、図6に示すように、ステンレス鋼板等の板材を曲げ形成して得られ、平面視が円形に形成されている。そして、この蓋体本体8bは、その上面8jを形成する本体部8eと、蓋体本体8bの下面を形成する下部片8f、8fとを備えている。この下部片8f、8fは、本体部8eの周縁部分において、舌片8g、8gを残すようにして各位置から下方に折り曲げられる連結片8h、8hからさらに側方に折り曲げられて形成されている。そして、下部片8f、8fには、前記ビス8cが螺入するねじ孔8iと、前記通し孔8dが、例えば、一つ置きに設けられている。
【0018】
耐火部材9は、熱によって膨張することで、スラブ1内における配管材2の管路1bを塞ぐことが可能となっている。具体的には、耐火部材9は、図1に示すように、前記引出具本体7とは分離可能に形成されており、熱によって膨張する耐火材9a、9aと、例えば鋼板等の金属からなるスリーブ9bとからなる。そして、耐火材9aは、保護管3を包むように円筒形状をして二つ設けられており、それら耐火材9a、9aを、スリーブ9bが、その両端部分に収容保持している。この耐火部材9は、保護管3に嵌められて、その先端部分が引出具本体7における凹部7sに挿入されており、引出口7bから、引出具本体7(詳細には、光透過部7e)を通して視認可能となっている。その結果、耐火部材9における耐火材9a、9aもまた、同様にして、保護管3に嵌められ、そして、一方の耐火材9aの先端部分が、凹部7sに挿入されており、引出口7bから、引出具本体7(詳細には、光透過部7e)を通して視認可能となっている。
【0019】
キャップ体5は、引出口7bを閉塞するようにして引出具本体7に着脱可能に取り付けられるとともに、この取り付けにあたって、スラブ1から上方に突出することとなる第1取付状態(図9参照)と、スラブ1の上面1cよりも下方に位置することとなる第2取付状態(図10参照)との、各取付状態が、選択可能となるよう形成されている。具体的には、キャップ体5は、例えば、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂からなり、図7に示すように、円板状の上壁5aと、その上壁5aの周縁から下方に延びる、円筒状の側壁5bとからなる。そして、上壁5aには、その中央に、マグネットMを収容するためのマグネット収容部5cが設けられている。また、側壁5bは、高さ方向の中間部分5dが、切断可能に形成されている。すなわち、その中間部分5dは、外面側に形成された溝5eによって薄肉となっており、溝5eに合わせて刃物を入れることで、容易に切断される。そして、キャップ体5は、側壁5bの中間部分5dが切断されていない第1キャップ体C1(図7参照)と、中間部分5dが切断されて上側部分の第2キャップ体C2(図8参照)とで、選択的に使用される。そして、前記第1取付状態においては、第1キャップ体C1が、その側壁5bが引出口7bに嵌まるようにして、引出具本体7に取り付けられる(図9参照)。また、前記第2取付状態においては、第2キャップ体C2が、その側壁5bが引出口7bに嵌まるようにして、引出具本体7に取り付けられる(図10参照)。そして、キャップ体5の側壁5bには、前記中間部分5dの下方に、第1取付状態において引出具本体7の係合突起7k、7kと係合する第1係合凹部5f、5fが設けられており、また、前記中間部分5dの上方に、第2取付状態において引出具本体7の係合突起7k、7kと係合する第2係合凹部5g、5gが設けられている。
【0020】
次に、前記管引出具4を含む管引出装置6を用いて、スラブ1内に配管される配管材2をスラブ1上に引き出す施工手順を説明する。始めに、引出具本体7を、スラブ1を形成するコンクリート1aに埋設される鉄筋Tに固定する。すなわち、第1の取付孔7nに挿通される第1支持棒S1や、第2の取付孔7pに挿通されるネジNが螺合する固定具Kによってこの引出具本体7に固定された第2支持棒S2を、鉄筋Tに止める。そして、耐火部材9を保護管3に嵌め、その保護管3の一端を引込口7aに挿入するとともに、耐火部材9の先端部分を凹部7sに挿入する。その後、キャップ体5を引出具本体7に取り付け、スラブ1を形成するコンクリート1aを打設する(図9、図10参照)。なお、図9は、キャップ体5として第1キャップ体C1を用いた実施の形態を示しており、図10は、キャップ体5として第2キャップ体S2を用いた実施の形態を示している。
【0021】
コンクリート1aの養生後、キャップ体5を、引出具本体7から取り外す。ここで、第1キャップ体C1を用いた場合は、その第1キャップ体C1がスラブ1から上方に突出しているため、第1キャップ体C1を、すぐに引出具本体7から外すことができるが、第2キャップ体C2を用いた場合は、その第2キャップ体C2がスラブ1の上面1cよりも下方に位置しているため、第2キャップ体C2を被うコンクリート1aを削り取った後に、その第2キャップ体C2を引出具本体7から外す。そして、配管材2を、保護管3に挿通させ、保護管3の一端から引き出し、つまりは、引出具本体7内に引込口7aから引き込み、そして、その引き込まれた配管材2を引出口7bからスラブ1上に引き出す。その後、蓋体8を引出具本体7に取り付ける。このとき、配管材2を蓋体8の開口部8aに挿通させるとともに、蓋体8を、引出具本体7に対して鉛直軸V回りの適宜位置にすることで、引出具本体7に対する開口部8aの位置を調整する(図2、図3参照)。そして、支持部7cに当接するビス8c、8cの、蓋体本体8bへの螺入量を調整することで、蓋体本体8bの上面8jの高さを、スラブ1の上面1cの高さと同一となるように調整する。その後、引出具本体7の固定片7d、7dと対応する、蓋体本体8bの通し孔8d、8dに、螺子R、Rを挿通させ、その螺子R、Rを、固定片7d、7dの溝7m、7mにねじ込むことで、蓋体8は、引出具本体7に取り付けられる(図1参照)。
【0022】
次に、管引出具4および管引出装置6の作用効果について説明する。この管引出具4によると、建物のスラブ1内に配管される合成樹脂製の配管材2は、引込口7aから引出具本体7内に入り、引出口7bからスラブ1上に引き出される。そして、詳細には、この管引出具4は、引出口7bを被う蓋体8を備えており、配管材2は、この蓋体8が有する開口部8aを通ってスラブ1上に導かれる。また、このように、蓋体8が、引出具本体7における引出口7bを被うので、配管材2を引き出す引出口7bをコンクリート1aによって埋める必要がない。さらに、蓋体8は、引出具本体7の支持部7cに支持されるとともに、その支持部7cの下方に入り込むコンクリート1aによって間接的に支持されるので、このコンクリート1aによって、蓋体8を確実に支持することができる。
【0023】
また、蓋体8は、支持部7c上で、引出具本体7に対して鉛直軸V回りに回動可能となっており、また、蓋体本体8bに設けられた開口部8aは、前記鉛直軸Vから偏心して設けられているので、蓋体8を、引出具本体7に対して鉛直軸V回りに適宜回動することで、引出具本体7に対する開口部8aの位置を調整することができる。こうして、配管材2が通る開口部8aの位置を調整することで、配管材2を、スラブ1上の所要の方向に導くことができる(図2、図3参照)。さらに、蓋体本体8bを支えるビス8c、8cの、その蓋体本体8bへの螺入量を変えて、蓋体本体8bの上面8jの高さを調整することで、その蓋体本体8bの上面8jを、例えば、スラブ1の上面1cと同一の高さ位置にすることができる。
【0024】
また、蓋体8の所定の回動位置にて、蓋体本体8bの通し孔8d、8dが、引出具本体7の固定片7d、7dと対応する。そして、螺子Rが、通し孔8dを挿通し、固定片7dに螺入することで、蓋体8は、引出具本体7に固定される。このとき、引出具本体7の固定片7dがコンクリート1a内に埋設されているので、この固定片7dに、蓋体8を固定するための螺子Rが、雌ねじを形成するようにして螺入しても、この固定片7dは、螺子Rに押されて広がることがない。したがって、螺子Rと固定片7dとの密着が強固となり、蓋体8を引出具本体7に確実に固定することができる。
【0025】
また、管引出具4は、耐火部材9を備えており、火災の際には、その熱によって耐火部材9が膨張し、その膨張した耐火部材9によって、スラブ1内における、配管材2および保護管3の、管路1bが塞がれる。したがって、この耐火部材9により、火災の際に配管材2や保護管3を伝って火炎が広がるのを防止することができる。しかも、この耐火部材9を、引出口7bから、半透明体からなる引出具本体7(詳細には、引込口7a付近の光透過部7e)を通して視認することで、この耐火部材9を、スラブ1の施工後に確認することができる。
【0026】
しかも、光透過部7eが、耐火部材9の先端部分が入り込む凹部7sを備えることで、その耐火部材9の先端部分が、スラブ1を形成するコンクリート1aによって埋設されるのを確実に回避できる。したがって、この耐火部材9の先端部分を、引出口7bから確実に視認することができ、この耐火部材9を、スラブ1の施工後に、確実に確認することができる。
【0027】
また、管引出装置6によると、この管引出装置6は、引出口7bを閉塞するようにして引出具本体7に着脱可能に取り付けられるキャップ体5を備えており、このキャップ体5を、スラブ1を形成するコンクリート1aを打設する前に引出具本体7に取り付ければ、コンクリート1aが引出口7bから引出具本体7内に入るのを防ぐことができる。そして、コンクリート1aの打設養生後に、キャップ体5を引出具本体7から取り外せば、引出口7bが開口する。ここで、キャップ体5を第1取付状態とすると(図9参照)、このキャップ体5、つまりは第1キャップ体C1は、コンクリート1aの打設後には、そのコンクリート1aよりも上方に突出するので、この第1キャップ体C1は、引出具本体7から容易に取り外される。一方、キャップ体を第2取付状態とすると(図10参照)、このキャップ体5、つまりは第2キャップ体C2は、コンクリート1aの打設によって、そのコンクリート1aに被われるので、コンクリート1aの均し作業が容易となる。そして、この場合には、第2キャップ体C2を被うコンクリート1aが削り取られた後に、第2キャップ体C2が引出具本体7から取り外される。このように、引出口7bを閉塞するキャップ体5を、スラブ1から上方に突出する第1取付状態と、スラブ1の上面1cよりも下方に位置する第2取付状態とのいずれかの状態で引出具本体7に取り付けることで、この引出具本体7は、施工される場所に応じた使い方が可能となる。
【0028】
このとき、キャップ体5は、その側壁5bが、高さ方向の中間部分5dが切断可能に形成されることで、切断前の第1キャップ体C1と、切断後の上側部分の第2キャップ体C2とで、選択的に使用される。そして、引出具本体7に、第1キャップ体C1が取り付けられることで、前記第1取付状態となり、第2キャップ体C2が取り付けられることで、前記第2取付状態となる。このように、キャップ体5を、切断前の第1キャップ体C1と、切断後の上側部分の第2キャップ体C2とで、選択的に使用することで、容易に、前記第1取付状態と前記第2取付状態とが選択可能となっている。
【0029】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、配管材2は、スラブ1内においては、保護管3によって収容保護されているが、この保護管3を設けることなく、配管材2を、スラブ1内に直接配管してもよい。また、保護管3は、スラブ1内に配管されるのみで、スラブ1上に引き出されていないが、この保護管3をスラブ1上に引き出すことで、この保護管3を、配管材とみなしてもよい。
【0030】
また、引出具本体7は、半透明体からなっているが、透明体からなっていてもよい。
【0031】
また、耐火部材9は、耐火材9aとスリーブ9bとからなっているが、耐火材9aのみからなっていてもよい。
【0032】
また、引出具本体7における固定片7dには、溝7mが形成されているが、螺子Rの螺入が可能であれば、この溝7mはなくともよい。また、溝7mに代えて丸穴であってもよい。
【0033】
また、キャップ体5は、切断前の第1キャップ体C1と、切断後の上側部分の第2キャップ体C2とを、選択的に使用することで、第1取付状態と第2取付状態とが選択可能となっているが、キャップ体5が切断されることなく、例えば、引出具本体7の引出口7bに嵌まる高さを2段階に調整可能となるよう、キャップ体5と引出具本体7との嵌合形状を形成してもよい。
【0034】
ところで、この発明の実施の形態に開示されている技術には、以下の技術が含まれている。
【0035】
・ 建物のスラブ内に埋設されるとともに、前記スラブ内に配管される合成樹脂製の配管材を前記スラブ上に引き出すための管引出具と、キャップ体とからなる、管引出装置であって、
前記管引出具は、前記スラブ内の前記配管材を引き込む引込口、およびその引き込まれた前記配管材を前記スラブ上に引き出す引出口を有する引出具本体、を備え、
前記キャップ体は、前記引出口を閉塞するようにして前記引出具本体に着脱可能に取り付けられるとともに、この取り付けにあたって、前記スラブから上方に突出することとなる第1取付状態と、前記スラブの上面よりも下方に位置することとなる第2取付状態との、各取付状態が、選択可能となるよう形成されている。
【0036】
・ 前記キャップ体は、上壁と、側壁とを備え、
前記側壁は、高さ方向の中間部分が、切断可能に形成されて、
前記キャップ体は、前記中間部分が切断されていない第1キャップ体と、前記中間部分が切断されて上側部分の第2キャップ体とで、選択的に使用され、
前記第1取付状態においては、前記第1キャップ体が、その側壁が前記引出口に嵌まるようにして、前記引出具本体に取り付けられ、
前記第2取付状態においては、前記第2キャップ体が、その側壁が前記引出口に嵌まるようにして、前記引出具本体に取り付けられる。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る管引出具によれば、次の効果がある。
【0038】
請求項1および2に記載された管引出具によれば、蓋体が、引出具本体における引出口を覆うので、配管材を引き出す引出口をコンクリートによって埋める必要がない。しかも、蓋体は、支持部の下方に入り込むコンクリートによって間接的に支持されるので、このコンクリートによって、蓋体を確実に支持することができる。しかも、蓋体を、引出具本体に対して鉛直軸回りに適宜回動することで、引出具本体に対する開口部の位置を調整し、配管材を、スラブ上の所要の方向に導くことができ、かつ、その回動位置にて、蓋体を引出具本体に固定することができる。
【0039】
また、請求項3に記載された管引出具によれば、加えて、蓋体本体に螺合するビスの螺入量を変えることで、蓋体本体の上面を、例えば、スラブの上面と同一の高さ位置となるよう調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る管引出具の一実施の形態の、断面図である。
【図2】 同じく、平面図である。
【図3】 同じく、図2において蓋体の向きを変えた平面図である。
【図4】 同じく、引出具本体の正面図である。
【図5】 同じく、引出具本体の平面図である。
【図6】 同じく、蓋体本体の拡大斜視図である。
【図7】 同じく、キャップ体(第1キャップ体)の拡大正面図である。
【図8】 同じく、キャップ体(第2キャップ体)の拡大正面図である。
【図9】 同じく、第1キャップ体を用いた施工手順を示す断面図である。
【図10】 同じく、第2キャップ体を用いた施工手順を示す断面図である。
【図11】 従来の管引出具を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スラブ 1a コンクリート
2 配管材 4 管引出具
7 引出具本体 7a 引込口
7b 引出口 7c 支持部
7d 固定片
8 蓋体 8a 開口部
8b 蓋体本体 8c ビス
8d 通し孔
R 螺子
V 鉛直軸[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pipe drawing tool for pulling a synthetic resin piping material piped into a slab of a building onto the slab.
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
Conventionally, for example, a pipe drawing tool disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-296259 has been known as a drawing tool for drawing a piping material piped in a slab of a building onto the slab (see FIG. 11). According to this
[0003]
However, in the conventional
[0004]
The present invention has been made in order to solve the above-described conventional drawbacks, and an object of the present invention is to provide a pipe drawing tool in which it is not necessary to fill the drawing port through which the piping material is drawn out with concrete.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the pipe puller according to the present invention has the following configuration. That is,
A pipe pulling tool according to the invention of
[0006]
Thereby, the synthetic resin-made piping material piped in the slab of the building enters the drawing tool main body from the drawing-in port, and is drawn out on the slab from the drawing-out port. And this pipe | tube drawer tool is provided with the cover body which covers an outlet, and in detail, piping material is guide | induced on a slab through the opening part which this cover body has. Furthermore, the lid is supported by the support portion of the drawer main body and indirectly supported by the concrete that enters below the support portion.Moreover, the position of the opening part with respect to the drawer body can be adjusted by appropriately rotating the lid body about the vertical axis with respect to the drawer body. Can be fixed to the body.
In addition, as in the tube drawer according to the invention described in
[0007]
Claims3As in the pipe extractor according to the invention described in
[0008]
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments of a tube drawer according to the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0010]
1 to 10 show an embodiment of a tube drawing tool according to the present invention.
[0011]
Here, the
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The
[0016]
As shown in FIG. 1, the
[0017]
As shown in FIG. 6, the
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
Next, a construction procedure for drawing the
[0021]
After curing the concrete 1a, the
[0022]
Next, the effect of the
[0023]
Further, the
[0024]
Further, the through
[0025]
Moreover, the
[0026]
In addition, since the
[0027]
Further, according to the
[0028]
At this time, the
[0029]
In addition, this invention is not necessarily limited to embodiment mentioned above, A various other change is possible. For example, although the
[0030]
Moreover, although the extraction tool
[0031]
Moreover, although the
[0032]
Moreover, although the groove |
[0033]
In addition, the
[0034]
By the way, the techniques disclosed in the embodiments of the present invention include the following techniques.
[0035]
A pipe drawing device that is embedded in a slab of a building and includes a pipe drawing tool for pulling a synthetic resin piping material piped in the slab onto the slab, and a cap body;
The pipe drawing tool includes a drawing tool main body having a drawing port for drawing the piping material in the slab and a drawing port for drawing the drawn piping material on the slab,
The cap body is detachably attached to the drawer main body so as to close the outlet, and in this attachment, a first attachment state that protrudes upward from the slab, and an upper surface of the slab Each attachment state is formed so as to be selectable, with the second attachment state being positioned below the second attachment state.
[0036]
The cap body includes an upper wall and a side wall;
The side wall is formed such that an intermediate portion in the height direction can be cut,
The cap body is selectively used in a first cap body in which the intermediate part is not cut and a second cap body in the upper part with the intermediate part cut,
In the first attachment state, the first cap body is attached to the drawer main body so that the side wall of the first cap body is fitted to the outlet.
In the second attachment state, the second cap body is attached to the drawer main body so that the side wall of the second cap body is fitted into the outlet.
[0037]
【The invention's effect】
As is apparent from the above detailed description, the tube drawer according to the present invention has the following effects.
[0038]
Claim 1And 2According to the pipe drawing tool described in the above, since the lid covers the drawing outlet in the drawing tool main body, it is not necessary to fill the drawing outlet for drawing out the piping material with concrete. In addition, since the lid is indirectly supported by the concrete entering below the support portion, the lid can be reliably supported by the concrete.Moreover, the position of the opening relative to the drawer main body can be adjusted by appropriately rotating the lid body around the vertical axis with respect to the drawer main body, and the piping material can be guided in the required direction on the slab. In addition, the lid can be fixed to the drawer main body at the rotation position.
[0039]
Claims3In addition, by changing the screwing amount of screws screwed into the lid body, the top surface of the lid body can be set to the same height position as the top surface of the slab, for example. Can be adjusted.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an embodiment of a tube drawing tool according to the present invention.
FIG. 2 is also a plan view.
3 is also a plan view in which the direction of the lid body is changed in FIG. 2. FIG.
FIG. 4 is a front view of the drawer main body.
FIG. 5 is a plan view of the drawer main body.
FIG. 6 is an enlarged perspective view of the lid body.
FIG. 7 is an enlarged front view of a cap body (first cap body), similarly;
FIG. 8 is similarly an enlarged front view of a cap body (second cap body).
FIG. 9 is a sectional view showing a construction procedure using the first cap body, similarly.
FIG. 10 is also a cross-sectional view showing a construction procedure using the second cap body.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing a conventional tube drawing tool.
[Explanation of symbols]
1
2
7
7d fixed piece
8
8d through hole
R screw
V Vertical axis
Claims (3)
前記スラブ内の前記配管材を引き込む引込口、およびその引き込まれた前記配管材を前記スラブ上に引き出す引出口を有する引出具本体と、
前記引出口を被うとともに、前記配管材を前記スラブ上に導く開口部を有する蓋体と、
を備え、
前記引出具本体は、前記蓋体を支持する支持部を有し、
前記支持部は、その下方に、前記スラブを形成するコンクリートが入り込むように、前記引出具本体の側方に突出して形成され、
前記蓋体は、前記開口部が設けられた蓋体本体が平面視が円形に形成されて、前記引出具本体に対して鉛直軸回りに回動可能となっており、前記開口部は、前記鉛直軸から偏心して設けられて、前記蓋体の回動により、前記引出具本体に対する前記開口部の位置が調整され、かつ、
前記開口部の位置が調整されてその開口部を通る前記配管材が前記スラブ上の所要の方向に導かれる、前記蓋体の各々の回動位置にて、前記蓋体は、前記引出具本体に固定可能となっていることを特徴とする管引出具。A pipe drawing tool for burying in a slab of a building and pulling a synthetic resin piping material piped in the slab onto the slab,
A draw-out tool main body having a drawing-in port for drawing in the piping material in the slab and a drawing-out port for drawing out the drawn-in piping material onto the slab;
Covering the outlet and having a lid having an opening for guiding the piping material onto the slab;
With
The drawer tool body has a support part for supporting the lid,
The support part is formed so as to protrude to the side of the drawer main body so that the concrete forming the slab enters below the support part .
The lid body is formed in a circular shape in plan view with the lid body provided with the opening, and is rotatable about a vertical axis with respect to the drawer main body. Provided eccentrically from the vertical axis, the position of the opening relative to the drawer main body is adjusted by rotation of the lid, and
The position of the opening is adjusted so that the piping material passing through the opening is guided in a required direction on the slab. A pipe pulling tool characterized by being fixed to the tube.
前記蓋体本体には、通し孔が、前記蓋体の回動位置に応じて、前記引出具本体の前記固定片と対応するように、前記鉛直軸回りに複数設けられており、
螺子が、前記通し孔を挿通し、前記固定片に螺入することで、前記蓋体は、前記引出具本体に固定されることを特徴とする請求項1に記載の管引出具。 The drawer tool body has a fixed piece,
In the lid body, a plurality of through holes are provided around the vertical axis so as to correspond to the fixed piece of the drawer tool body according to the rotational position of the lid body,
2. The tube drawing tool according to claim 1 , wherein a screw is inserted into the through hole and screwed into the fixing piece, whereby the lid is fixed to the drawing tool body .
前記蓋体本体の上面の高さは、その蓋体本体への前記ビスの螺入量によって調整可能となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の管引出具。 The lid body includes the lid body, and a plurality of screws that screw into the lid body and abut against the support portion to support the lid body.
The pipe drawing tool according to claim 1 or 2, wherein the height of the upper surface of the lid body can be adjusted by the screwing amount of the screw into the lid body .
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