JP4397189B2 - スポーツ用縫製手袋 - Google Patents

Description

本発明は、ゴルフクラブや野球のバットを振る際に装着する手袋に係り、特に、装着時、親指にフィットして安定したグリップが得やすいスポーツ用縫製手袋に関するものである。

従来、スポーツ用縫製手袋の親指部分は、図８（甲側親指パーツ表側及び掌側親指パーツ表側を並べた状態の正面図）に示すように、掌側親指パーツと甲側親指パーツの、親指に対応する部分の周縁が同じ形状で、装着時に親指の第１、第２関節間のクビレに沿った形状にはなっていなかった。
特開平１０−００００５７号公報

前記従来のスポーツ用縫製手袋の親指部分は、周縁形状が同形の甲側親指パーツと掌側親指パーツを縫合するので、立体的でなく平面的であり、装着時の感触が悪いうえ、人の親指の第１関節と第２関節間のクビレに沿った形状を有するものでないため、装着時にずれやすいほかフィット感もあまりないという問題があった。

請求項１に記載の本発明は、本体パーツと親指パーツとを縫合してなるスポーツ用縫製手袋であって、親指パーツを甲側親指パーツと掌側親指パーツから構成し、甲側親指パーツは、その外側周縁に、親指の第１、第２関節間に対応するクビレ部を形成する一方、掌側親指パーツは、その外側周縁に、前記甲側親指パーツの外側周縁の前記クビレ部に対応した位置に、クビレ部の凹曲線より緩い凸曲線をもつ曲線部を形成してなり、甲側親指パーツ周縁を、少なくとも一方のクビレ部から基端側の一部は幅方向に伸縮可能なストレッチ材を介して、本体パーツと掌側親指パーツ周縁に縫合するとともに、該掌側親指パーツの、甲側親指パーツと縫合しない基端側を本体パーツに縫合したことを特徴とするものである。

請求項２に記載の本発明は、請求項１に記載の甲側親指パーツを、親指の第１、第２関節間に対応位置する内側のクビレ部は、掌側親指パーツに補助パーツを介して縫合したことを特徴とするものである。

以上のように、請求項１に記載の本発明のスポーツ用縫製手袋は、甲側親指パーツ外側周縁のクビレ部の凹曲線に対して、掌側親指パーツの外側周縁を緩い凸曲線とし、これら甲側親指パーツと掌側親指パーツを縫合してなる親指部分に、適度のクビレを形成するので、装着時に親指のクビレに沿ってフィットし、ずれにくいほかフィット感も良好であるうえ、伸縮可能なストレッチ材を設けたので、ストレッチ材がその幅方向に伸び、内形が拡縮しうるため、親指を挿し込む時や外すのが容易であるという効果を奏する。

また、請求項２に記載の本発明のスポーツ用縫製手袋は、請求項１により奏する効果に加えて、親指部分の内側周縁に補助パーツを設けたので、立体的な膨らみをもち、フィット感をより向上することができるという効果を奏する。

次に、本発明をゴルフ用縫製手袋に適用した好適な実施形態を詳細に添付図面に基づいて説明する。ここにおいて、図１は親指部分の内側縁を示す手袋の斜視図、図２は親指部分の甲側を示す手袋の正面図、図３は親指部分の外側縁を示す手袋の斜視図、図４は並べた状態を示す表面側の甲側親指パーツと表面側の掌側親指パーツの平面図、図５は縫合前の状態を示す裏面側の甲側親指パーツと表面側の掌側親指パーツの平面図、図６は甲部パーツに甲側親指パーツを縫合する位置関係を示す平面図、図７は掌部パーツに掌側親指パーツを縫合する位置関係を示す平面図である。

図１〜図７に示すように、手袋１は、手の甲側を構成するための、親指を除く四指のパーツを有する甲部パーツ２と、手のひら側を構成するための、親指を除く四指のパーツを有する掌部パーツ３との各縁部の所定部位を縫合してなる本体パーツ1ａと、親指の甲側を構成するための甲側親指パーツ５と、親指の掌側を構成するための掌側親指パーツ６の各縁部の所定部位を縫合してなる親指パーツ４からなり、前記本体パーツ１ａに親指パーツ４を縫合したものである。

図４〜図６に示すように、親指パーツ４の甲側親指パーツ５は、内側（指股側）周縁及び外側周縁の、親指の第１、第２関節間に対応位置して、それぞれクビレ部７，８を形成するとともに、外側周縁の前記クビレ部７部位から基端間に沿って、該外側周縁から所定幅突出するように、その幅方向に伸縮可能なストレッチ材９を縫合するとともに、内側周縁の前記クビレ部７に、その外周形状が掌側親指パーツ６の内側周縁の対応部分とほぼ同じ形状となるように、補助パーツ１０を縫合してある。

また、図４、図５及び図７に示すように、親指パーツ４の掌側親指パーツ６は、その外側周縁に、前記甲側親指パーツ５の外側周縁と同一長で、かつ該外側周縁の前記クビレ部８に対応した位置に、該クビレ部８の凹曲線より緩い凸曲線をもつ曲線部１１を形成し、また、その内側周縁に、切込み部１２を設け、この切込み部１２を境界にして幅広部１３を形成してなる。

図５〜図７に示すように、親指パーツ４における甲側親指パーツ５と掌側親指パーツ６は、内側周縁の途中部位（掌側親指パーツ６の切込み部１２に対応する部位）から指先部分を経て外側周縁全体（図５の一点鎖線参照）の互いの周縁どうしを縫合する。前記甲側親指パーツ５の、前記掌側親指パーツ６と縫合しない基端側部分は、本体パーツ１ａにおける甲部パーツ２に縫合し（図６参照）、また、前記掌側親指パーツ６の、前記甲側親指パーツ５と縫合しない基端側部分は、本体パーツ１ａにおける掌部パーツ３に縫合する（図７参照）。この縫合は、従来と同様に行うことができる。これによって、親指パーツ４は各クビレ部７，８において、親指の第１、第２関節間のクビレに対応して細くなる。

なお、本発明は、上記のようなゴルフ用ではなく、野球のバッティングをする時に装着する野球用など、棒状のスポーツ具を振る他のスポーツ用に適用してもよい。

また、ストレッチ材９は、その先端を延長して指先に対応する部分、あるいは指先を経て切込み部１２近傍に対応する部位まで延ばして設けてもよい。

さらに、補助パーツ１０は設けず、甲側親指パーツ５の内側周縁を掌側親指パーツ６の内側周縁に直接縫合してもよい。

またさらに、本体パーツ１ａは、上記実施形態のように、甲部パーツ２と掌部パーツ３を各別に構成するのではなく、甲部パーツと掌部パーツ３が各人差指部分の外側縁部分で繋がった状態の一体的なものであってもよい。

親指部分の内側縁を示す手袋の斜視図。 親指部分の甲側を示す手袋の正面図。 親指部分の外側縁を示す手袋の斜視図。 並べた状態を示す表面側の甲側親指パーツと表面側の掌側親指パーツの平面図。 縫合前の状態を示す裏面側の甲側親指パーツと表面側の掌側親指パーツの平面図。 甲部パーツに甲側親指パーツを縫合する位置関係を示す平面図。 掌部パーツに掌側親指パーツを縫合する位置関係を示す平面図。 従来例における甲側親指パーツ及び掌側親指パーツを並べた状態の正面図。

１ 手袋
1ａ 本体パーツ
２ 甲部パーツ
３ 掌部パーツ
４ 親指パーツ
５ 甲側親指パーツ
６ 掌側親指パーツ
７ クビレ部
８ クビレ部
９ ストレッチ材
１０ 補助パーツ
１１ 曲線部
１２ 切込み部
１３ 幅広部

Claims (2)

1. 本体パーツと親指パーツを縫合してなるスポーツ用縫製手袋であって、親指パーツを甲側親指パーツと掌側親指パーツから構成し、甲側親指パーツは、その外側周縁に、親指の第１、第２関節間に対応するクビレ部を形成する一方、掌側親指パーツは、その外側周縁に、前記甲側親指パーツの外側周縁の前記クビレ部に対応した位置に、クビレ部の凹曲線より緩い凸曲線をもつ曲線部を形成してなり、甲側親指パーツ周縁を、少なくとも一方のクビレ部から基端側の一部は幅方向に伸縮可能なストレッチ材を介して、本体パーツと掌側親指パーツ周縁に縫合するとともに、該掌側親指パーツの、甲側親指パーツと縫合しない基端側を本体パーツに縫合したことを特徴とするスポーツ用縫製手袋。
2. 甲側親指パーツは、親指の第１、第２関節間に対応位置する内側のクビレ部を、掌側親指パーツに補助パーツを介して縫合したことを特徴とする請求項１に記載したスポーツ用縫製手袋。

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