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JP4396657B2 - 通信装置及び送信制御方法及び送信制御プログラム - Google Patents

通信装置及び送信制御方法及び送信制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、送信信号の送信先を送信先候補から選択する通信装置及び送信制御方法及び送信制御プログラムに関する。
複数の端末からなる通信システムでは、各端末がデータの送信先を選択するアルゴリズムとして従来から、Round RobinアルゴリズムやMax Queueアルゴリズムなどがある。Round Robinアルゴリズムは、図8に示すように、各送信先候補(端末A〜D)を順番として送信先に選択するアルゴリズムである。Max Queueアルゴリズムは、図9に示すように、各送信先候補に送信するデータを記憶する送信バッファ内において最もパケットが蓄積されている送信先候補を送信先に選択するアルゴリズムである。通信開始段階において、各端末は、これらのアルゴリズムに基づいて送信先を選択して、その送信先への送信フレームの作成処理等を行う。
このような、送信フレームの作成処理には、図10に示すように、オーバーヘッド部分に対するペイロード部分の比率を高くする目的で、複数のパケットを連結して単一のフレームを作成する方式がある。このような方式では、図11に示すように、個々のパケットサイズが小さかったり、連結するパケット数が少ない場合、たとえ複数のパケットを連結してもプリアンブルやファイヘッダなど送信フレームのオーバーヘッド部分に比べて、ペイロード部分の比率が大きくならない。この結果、従来の方式では、複数のパケットを連結したにもかかわらず、送信効率がほとんど高くならない問題があった。
また、Max Queueアルゴリズムのように送信先の選択が送信バッファに記憶されている各送信先のパケット蓄積数に依存する送信先選択アルゴリズムでは、このパケット蓄積数が少なくならない限り、パケット蓄積数の少ない送信先へ送信機会が回ってこない問題がある。特に、各端末間においてTCP接続されている場合には、送信頻度が高い送信先への送信パケット数がより多く発生するため、送信頻度の低い送信先への送信パケットが徐々に少なくなり、結果として、これらの送信先との通信が途絶えてしまう結果となる。
一方、通信状態が悪い端末への送信は、誤りの発生確率が高いため、この端末からACK応答がある可能性が低い。したがって、通信システムは、このような誤り発生率の高い端末よりも、通信状態の比較的良い端末を送信先に選択する方が、実質的な通信速度を向上することができる。したがって、Round Robinアルゴリズムのように、全ての端末に対して均等に送信機会を与えるアルゴリズムでは、通信状態が悪い端末への送信処理に通信装置の通信リソースを割くことになり、通信システム全体の実質的な通信速度を低下させてしまう問題があった。
特許文献1には、通信状態が悪い送信先に通信装置のリソースを割り当てないように、送信先の選択方法を切り換えて、このリソースを効率的に分配して通信システム全体の通信速度を向上するパケット送信スケジューリング装置が記載されている。
また、アプリケーションの種類によっては、送信遅延やジッタなどを低く抑えてデータ通信を行わなければならない送信先がある。しかしながら、Max Queueアルゴリズムのように送信バッファからの情報に基づいて送信先選択を行うアルゴリズムや、Round Robinアルゴリズムなどを使用している場合には、これらの送信先に必ずしも送信機会が回ってくるとはいえず、上述した送信遅延やジッタを低く抑えることが難しいという問題があった。
特開2002−261866号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、高送信効率を実現する通信装置及び送信制御方法及び送信制御プログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明に係る通信装置は、データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部と、上記記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出部と、上記検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定し、上記複数の送信先候補の中から、少なくとも1つの閾値を超えている送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択部と、上記送信先選択部によって選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成部とを備え、上記検出部は、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号生成部へ読み出されるまでの送信待機時間を検出し、上記送信先選択部は、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中の当該閾値を超えている送信先候補を上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する。
また、本発明に係る送信制御方法は、データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出ステップと上記検出ステップにより検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中から、少なくとも1つの閾値を超えている上記送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択ステップと、上記送信先選択ステップにより選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成ステップとを有し、上記検出ステップでは、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号として生成されるまでの送信待機時間を検出し、上記送信先選択ステップでは、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中の当該閾値を超えている送信先候補を、上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する
また、本発明に係る送信制御プログラムは、複数の送信先候補と通信を行う通信装置に搭載されるコンピュータにより実行される送信制御プログラムであって、データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出ステップと上記検出ステップにより検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定して、少なくとも1つの閾値を超えている上記送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択ステップと、上記送信先選択ステップにより選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成ステップとを有し、上記検出ステップでは、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号として生成されるまでの送信待機時間を検出し、上記送信先選択ステップでは、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、当該閾値を超えている送信先候補を上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する
本発明は、パケットを連結しても十分な送信効率が実現できないと判断された送信先候補の送信待機時間が、所定の閾値を超えていれば優先的に送信先に選択することにより、全ての送信先候補を、最大遅延許容値の超えることなく送信先として選択しつつ、パケット連結による送信効率の向上を図ることが可能な通信システムを構築することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、複数の端末との間でデータ通信を行う通信装置が備える送信制御部1について説明する。送信制御部1は、複数の端末への送信処理を制御する処理部であって、図1に示すように、送信バッファ11と、送信先選択部12と、送信信号生成部13とを備える。
送信バッファ11は、パケットを一時的に記憶するキューを送信先毎に有している。また、送信バッファ11は、各キューに記憶されている送信先候補へのパケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらのパケットがキューに格納された格納時刻と、その送信レートとからなる情報を記憶している。
送信先選択部12は、送信バッファ11から各送信先候補へのパケット蓄積数とそのパケットサイズと、これらのパケットの格納時刻と送信レートに基づいて、適切な送信先を選択する。送信先選択部12は、複数の送信先候補から送信先を選択すると、送信トリガと、送信Node情報とを送信信号生成部13へ供給する。
送信信号生成部13は、送信先選択部12から送信トリガと送信Node情報が供給されると、送信先情報に基づいた送信先候補の送信データを送信バッファ11から読み出して、送信フレームを作成して送信信号を生成する。
また、送信信号生成部13は、送信バッファ11から読み出すデータの種類や通信速度に応じて、パケット連結指示フラグを用いてパケットを連結して送信するか否かを送信先選択部12へ指示する。すなわち、送信信号生成部13は、パケットを連結して送信フレームを生成する場合にはパケット連結指示フラグを有効にし、パケットを連結して送信フレームを生成しない場合にはパケット連結指示フラグを無効にする。
以下では、6つの実施例に分けて、複数の送信先候補から最適な送信先を選択する送信先選択部12の動作に注目して詳細に説明する。
<実施例1>
本実施例において実現しようとする機能を簡潔に説明すると、以下の通りである。まず、通信装置において送信しようとするフレーム内に複数のパケットを多重して送信先に送信しようとする場合(一般にアグリゲーションと呼ばれ、1フレームにて複数のパケットを送信する)、当該送信先に対して送信すべきデータ量が所定値を下回っている状態にてフレーム送信を行ってしまうと、データの送信効率が所望の効率を確保できないという事象が発生しかねない。以上の観点から、本実施例に係る通信装置においては、各送信先に対して送信すべきデータのパケット数又はキュー内のデータ量に応じて、最適な閾値を設定しておき、当該宛先に対して送信するべきデータのデータ量が当該値を上回った場合に、当該送信先を実際のデータ送信対象として選択しようとするものである。
以下、図2を参照して送信先選択部12の処理工程を詳細に説明する。前提として、送信信号生成部13は、パケットを連結して送信フレームの作成処理を行い、これに伴って、パケット連結指示フラグを有効にしている。また、送信先選択部12は、初期段階において、送信バッファ11から送信先候補のパケット蓄積数とそのパケットサイズを読み出しているものとする。
ステップS1において、送信先選択部12は、送信バッファ11から読み出したパケット蓄積数が閾値Aを超えているか否かを判断する。ここで、閾値A以上のパケットが連結される場合には、送信信号生成部13が作成する送信フレームにおいて、オーバーヘッド部分に対するペイロード部分の比率が十分に大きくなったと判断される。
送信先選択部12は、パケット蓄積数が閾値Aを超えていないと判断すると、ステップS2へ進む。一方、送信先選択部12は、パケット蓄積数が閾値Aを超えていると判断すると、この送信先候補を有力送信先候補に設定してステップS3へ進む。
ステップS2において、送信先選択部12は、送信バッファ11から読み出したパケット蓄積数とそのパケットサイズに応じて、その送信先候補に該当する送信バッファ11のキューに記憶されているバッファサイズを算出して、このバッファサイズが閾値Bを超えているか否かを判断する。ここで、閾値B以上のデータサイズのパケットが連結される場合には、送信信号生成部13が作成する送信フレームにおいて、オーバーヘッド部分に対してペイロード部分の大きさが十分に大きくなったと判断される。
送信先選択部12は、バッファサイズが閾値Bを超えていないと判断するとステップS6へ進む。また、送信先選択部12は、バッファサイズが閾値Bを超えていると判断すると、この送信先候補を有力送信先候補に設定してステップS3へ進む。
ステップS3において、送信先選択部12は、ステップS1、S2で設定された有力送信先候補を、パケット蓄積数及びバッファサイズに基づいて最有力送信先候補と比較してステップS4へ進む。ここで、最有力送信先候補は、最も優先順位の高い送信先候補である。また、この優先順位は、パケット蓄積数及びそのパケットサイズを含めパケットの格納時間や送信レートにより判断される。
ステップS4において、送信先選択部12は、ステップS1、S2で設定された有力送信先候補を、ステップS3の比較結果に基づいて送信先として選択するか否かを判断する。送信先選択部12は、この有力送信先候補を送信先として選択するとステップS5に進み、この有力送信先候補を送信先として選択しないとステップS6へ進む。
ステップS5において、送信先選択部12は、ステップS1、S2で設定された有力送信先候補を最有力送信先候補に設定してステップS6へ進む。
ステップS6において、送信先選択部12は、送信バッファ11から他の送信先候補のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを読み出してステップS1に戻る。
このように、送信先選択部12は、閾値A及び閾値Bに基づいて、パケットを連結して送信フレームを作成しても十分な送信効率が得られるか否かを判断する。そして、送信先選択部12は、十分な送信効率が得られないと判断された送信先候補を、送信先の選択対象から除外する。したがって、送信信号生成部13は、送信フレームを作成する場合にペイロード部分の比率をオーバーヘッド部分に対して大きくすることができるので、実質的な通信速度を向上させることができる。
<実施例2>
本実施例において実現しようとする機能について簡潔に説明する。本実施例においても実施例1と同様に送信先に送信すべきデータ量が予め定められた閾値を上回った場合にフレーム送信を実行するようになっている。ここで、本実施例において実施例1と異なる点は、送信先に対するデータ量のみならず、送信待機時間をも加味して、データの送信先候補を決定する点にある。
すなわち、本実施例による送信先選択部12では、実施例1と同様に閾値A及び閾値Bに基づいて有力送信先候補を設定するとともに、送信先候補毎に送信バッファ11からパケットの格納時刻を読み出し、この格納時刻に基づいて送信先の選択を行うのである。ここで、パケットの格納時刻とは、送信バッファ11に格納された時刻を示す。
本処理は、図3に示すように、ステップS11〜S14までの工程が図2に示したステップS1〜S4までの工程に対応するので、これらの処理工程に関する説明を省略する。また、送信先選択部12は、ステップS12においてバッファサイズが閾値Bを超えていないと判断するとステップS15へ進む。また、本処理は、ステップS14において、有力送信先候補を送信先として選択すると、ステップS16へすすみ、有力送信先候補を送信先として選択しないとステップS15へ進む。
ステップS15において、送信先選択部12は、送信バッファ11から読み出したパケットの格納時刻と現在時刻から、これらのパケットが送信バッファ11に記憶されてから送信信号生成部13に読み出されるまでの送信待機時間を算出し、算出した送信待機時間が閾値Cを超えているか否かを判断する。また、閾値Cは、送信遅延の最大許容値から最小限の余裕を差し引いた時間である。ここで、送信先選択部12は、送信待機時間が閾値Cを超えていると判断するとステップS16へ進み、送信待機時間が閾値Cを超えていないと判断するとステップS17へ進む。
ステップS16において、送信先選択部12は、ステップS11、S12、S15のいずれかの条件を満たした有力送信先候補を最有力送信先候補に設定してステップS17へ進む。
ステップS17において、送信先選択部12は、送信バッファ11から他の送信先候補のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを読み出してステップS11に戻る。
以上のように、本実施例に係る送信先選択部12は、ステップS11、S12の判断処理によってパケットを連結しても十分な送信効率が実現できないと判断された送信先候補が、ステップS15において送信待機時間が閾値Cを超えていれば優先的に最有力送信先候補に設定する。
実施例1の処理工程では、送信先候補がすくなくともステップS1、S2のいずれかの条件を満たすまで、送信データが送信バッファ11のキューに待機された状態となっているため、送信遅延の最大許容時間を超えてしまう虞がある。これに対して、本実施例に係る送信先選択部12は、全ての送信先候補を、最大遅延許容値の超えることなく送信先として選択するとともに、パケット連結による送信効率の向上を図ることができる。
<実施例3>
本実施例において実現しようとする機能を簡潔に説明する。まず、送信対象となるアプリケーションの種類によっては、送信信号を生成するに際して、アグリゲーション処理を行わずに、遅滞なく送信先へ送信することが要求される場合がある。そこで、本実施例に係る通信装置では、アプリケーションの種類に応じて送信フレームにアグリゲーション処理が有効であるか否かを判断して、当該判断結果に応じて適切な送信先選択アルゴリズムを選択することにより通信効率の向上を図る。
以下、本実施例に係る送信先選択部12の処理工程について図4を参照して詳細に説明する。
ステップS21において、送信先選択部12は、送信信号生成部13から指示されるパケット連結指示フラグが有効であるか無効であるかを判断する。送信先選択部12は、パケット連結指示フラグが有効であると判断するとステップS22へ進み、パケット連結指示フラグが無効であると判断するとステップS23へ進む。ここで、送信信号生成部13は、送信先候補毎に送信するデータのアプリケーションに応じて、パケット連結指示フラグを有効にするか否かを判断する。
ステップS22において、送信先選択部12は、Max Queueアルゴリズムに基づいて送信先候補から送信先を選択してステップS24へ進む。ここで、Max Queueアルゴリズムは、送信バッファ11のキューにおいてパケット蓄積数が最も大きい送信先候補を送信先に選択するアルゴリズムである。
ステップS23において、送信先選択部12は、Round Robinアルゴリズムに基づいて送信先候補から送信先を選択して、ステップS24へ進む。ここで、Round Robinアルゴリズムは、送信先候補に対して順番に送信機会を与えていくアルゴリズムである。
ステップS24において、送信先選択部12は、ステップS22又はステップS23による送信先の選択処理によって、送信先候補から送信先を決定する。
ステップS25において、送信先選択部12は、決定した送信先への送信信号の生成を送信信号生成部13に行わせる。
以上のように、送信先選択部12では、Max QueueアルゴリズムとRound Robinアルゴリズムの両方の送信先選択アルゴリズムを備え、これら2つのアルゴリズムから1つを選択して送信先を選択する。
ステップS21の処理に関連して、送信信号生成部13は、データの種類に応じてパケット連結指示フラグを有効にするか否かを判断する。TCP/IPネットワークを用いて音声データを送受信するVoIP通信など、通信データの最大遅延時間をできるだけ低く抑える必要がある種類のデータを送信する場合に、送信信号生成部13は、パケット連結指示フラグを無効にする。これに対して、最大遅延時間にできるだけ余裕を持たせても通信システム全体の通信速度をできるだけ速くする必要のある種類のデータを送受信する場合、Round Robinアルゴリズムでは、全ての送信先候補に送信機会を均等に与えるので、Max Queueアルゴリズムに対してパケット連結機能が有効に作用しない。このような種類のデータを送信する場合に、送信信号生成部13は、パケット連結指示フラグを有効にする。
したがって、送信先選択部12は、送信データのアプリケーションの種類に応じて、適切な送信先選択アルゴリズムを選択することで送信効率を向上することができる。
<実施例4>
本実施例において実現しようとする機能について簡潔に説明する。Max Queueアルゴリズムを用いて送信先選択を行うとともに、各送信先候補との間でTCP接続されていた場合には、送信回数の少ない送信先候補への送信機会が最終的に途絶えてしまう可能性がある。これに対して、本処理では、このような通信の切断を防ぐため、送信先候補の選択に当たって、各送信先候補の送信待機時間を選択要素として用いる。
本実施例に係る送信先選択部12の処理工程について図5を参照して詳細に説明する。ここで、本処理は図4のステップS22の処理工程に以下の工程を加えたものである。よって、初期段階において送信先選択部12は、パケット連結指示フラグが有効であることを判断してMax Queueアルゴリズムを用いて送信先の選択を完了したものとし、続いて以下の処理工程を行う。
ステップS31において、送信先選択部12は、送信バッファ11から送信先候補を選択して、この送信先候補への送信データが記憶されている送信バッファ11のキューからパケット格納時刻を読み出す。
ステップS32において、送信先選択部12は、読み出したパケット格納時刻からこれらのパケットの送信待機時間を算出する。そして、送信先選択部12は、算出した送信待機時間が所定の制限値を超えているかを判断し、制限値を超えている場合にはステップS33へ進み、制限値を超えていない場合には本処理を終了する。ここで、この制限値は、送信データのアプリケーションの種類に応じた最大送信遅延許容時間に、一定の余裕を差し引いた時間である。
ステップS33において、送信先選択部12は、送信待機時間が制限値を超えている送信先候補を送信先に決定する。すなわち、送信先選択部12は、Max Queueアルゴリズムによって選択された送信先候補からこの制限時間を超えている送信先候補へ送信先を変更する。
ところで、Max Queueアルゴリズムを用いて送信先選択を行うとともに、各送信先候補との間でTCP接続されていた場合には、送信回数の少ない送信候補への送信機会が最終的に途絶えてしまう問題があった。これに対して、本処理では、全ての送信先候補に対して最大送信遅延許容時間を超えることなく送信機会を割り当てるので、上述したMax Queueアルゴリズムにより通信が切断されてしまう虞のある送信先候補を無くすことができる。
<実施例5>
本実施例で実現しようとする目的は、各送信先候補への再送回数に基づいて、通信状態が悪く再送回数が多い送信先候補への送信機会を減らし、優先的に通信状態が良い送信先候補への送信機会を増加させて、通信システム全体での通信効率を高めることである。
具体的に、送信制御部1では、各送信先への送信回数をカウントするとともに、送信先から送信データを正常受信した旨のACKが返信されると、この送信先への再送回数を0に戻す処理を行う。
続いて、本実施例に係る送信先選択部12の処理工程について図6を参照して詳細に説明する。ここで、本処理は、図4のステップS22の処理工程に以下の工程を加えたものである。よって、初期段階において、送信先選択部12は、パケット連結指示フラグが有効であることを判断してMax Queueアルゴリズムにより送信先を選択し、続いて以下の処理工程を行う。
ステップS41において、送信先選択部12は、送信先候補への送信データが記憶されている送信バッファ11からパケット蓄積数を読み出す。
ステップS42において、送信先選択部12は、読み出したパケット蓄積数を分子とし、この送信先候補への再送回数を分母とした評価値を算出してCurrentMax値と比較する。送信先選択部12は、この評価値がCurrentMax値を超えていると判断するとステップS43へ進み、この評価値がCurrentMax値を超えていないと判断すると本処理を終了する。ここで、CurrentMax値は、その初期値が0であって、以下に示すステップS43により、その値が更新される。
ステップS43において、送信先選択部12は、ステップS42において算出した評価値をCurrentMax値に代入する。
ステップS44において、送信先選択部12は、この送信先を暫定送信先に選択して、ステップS41に戻る。
以上のように、本処理工程を実行して順次送信先候補毎に評価していき、最終的な送信先を決定する。よって、本処理では、送信先候補への再送回数が多くなるほどその評価値が小さくなるので、この送信先候補が送信先に選択される可能性が低くなっていく。したがって、本処理を行う送信先選択部12は、通信状態の悪い送信先候補への再送を削減することにより、これらの送信先候補に割かれる通信リソースが減少するので、通信状態の悪い送信先候補との間では通信速度が低下するが、通信システム全体において実質的な通信速度を向上することができる。
<実施例6>
本実施例で実現しようとする目的は、予め送信遅延や通信速度の揺らぎを低減して送信しなければならないアプリケーションのデータを送受信する送信先候補を優先的に送信先に選択して、通信システム全体での通信効率を図ることである。
そこで、送信制御部1には、他の送信先候補よりも優先的に送信する必要がある優先送信先候補を記憶する優先送信先テーブルを備える。送信先選択部12は、この優先送信先テーブルを用いて、図7を参照して以下に示す処理工程を行う。
ステップS51において、送信先選択部12は、優先送信先テーブルから優先送信先候補を読み出す。
ステップS52において、送信先選択部12は、読み出した優先送信先候補への送信データが記憶されている送信バッファ11のキューにパケットが蓄積されているか否かを判断する。送信先選択部12は、パケットが蓄積されていると判断するとステップS53へ進み、パケットが蓄積されていないと判断するとステップS54へ進む。
ステップS53において、送信先選択部12は、優先送信先候補を送信先に選択する。その後、送信信号生成部13は、選択された送信先への送信信号を生成する。
ステップS54において、送信先選択部12は、優先送信先テーブルから全ての優先送信先候補を読み出したか否かを判断する。ここで、送信先選択部12は、全ての優先送信先候補を読み出したと判断するとステップS55へ進み、全ての優先送信先候補を読み出していないと判断するとステップS51に戻る。
ステップS55において、送信先選択部12は、優先送信先候補以外の送信先候補に対し、図4に示したステップS21〜ステップS25までの処理を行い、送信先を選択し送信信号生成部13に選択した送信先への送信信号を生成する。
このように、送信先選択部12は、まず優先送信先候補を優先して送信先に選択した後に、その他の送信先候補に対する送信先の選択処理を開始する。したがって、優先送信先テーブルに送信遅延や通信速度の揺らぎを低減したい送信先候補が記憶されていると、送信先選択部12は、これらの要求を満たすように送信先の選択を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
送信制御部の構成を示すブロック図である。 実施例1に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 実施例2に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 実施例3に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 実施例4に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 実施例5に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 実施例6に係る送信先選択部の処理工程を示すフローチャートである。 Round Robinアルゴリズムによる送信先選択方法を模式的に示す図である。 Max Queueアルゴリズムによる送信先選択方法を模式的に示す図である。 パケットを連結して送信フレームを作成する処理工程を模式的に示す図である。 パケットを連結して送信フレームを作成する処理工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1 送信制御部、11 送信バッファ、12 送信先選択部、13 送信信号生成部

Claims (3)

  1. データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部と、
    上記記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出部と、
    上記検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定し、上記複数の送信先候補の中から、少なくとも1つの閾値を超えている送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択部と、
    上記送信先選択部により選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成部とを備え
    上記検出部は、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号生成部へ読み出されるまでの送信待機時間を検出し、
    上記送信先選択部は、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中の当該閾値を超えている送信先候補を上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する通信装置。
  2. データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出ステップと
    上記検出ステップにより検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中から、少なくとも1つの閾値を超えている上記送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択ステップと
    上記送信先選択ステップにより選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成ステップとを有し、
    上記検出ステップでは、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号として生成されるまでの送信待機時間を検出し、
    上記送信先選択ステップでは、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、上記複数の送信先候補の中の当該閾値を超えている送信先候補を、上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する通信装置の送信制御方法。
  3. 複数の送信先候補と通信を行う通信装置に搭載されるコンピュータにより実行される送信制御プログラムであって、
    データの送信先となる複数の送信先候補の各々に対応したパケット単位のデータを記憶する複数の記憶領域を有し、該記憶領域毎に、パケット蓄積数と、そのパケットサイズと、これらパケットが格納された格納時刻とからなる情報を記憶する記憶部から、上記記憶領域毎のパケット蓄積数及びそのパケットサイズを検出する検出ステップと
    上記検出ステップにより検出された上記パケット蓄積数及びそのパケットサイズに対してそれぞれ所定の閾値を設定して、少なくとも1つの閾値を超えている上記送信先候補を有力送信先候補に設定して、上記有力送信先候補から1つの送信先を選択する送信先選択ステップと
    上記送信先選択ステップにより選択された送信先の複数のパケットを上記記憶領域から読み出して、該複数のパケットを連結して送信信号を生成する送信信号生成ステップとを有し、
    上記検出ステップでは、上記記憶部に記憶された格納時刻に基づいて、上記記憶領域毎に上記パケットが格納されてから上記送信信号として生成されるまでの送信待機時間を検出し、
    上記送信先選択ステップでは、上記送信待機時間に対して所定の閾値を設定して、当該閾値を超えている送信先候補を上記有力送信先候補よりも優先して上記送信先に選択する送信制御プログラム。
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