JP4393730B2 - Inkjet head - Google Patents
Inkjet head Download PDFInfo
- Publication number
- JP4393730B2 JP4393730B2 JP2001285907A JP2001285907A JP4393730B2 JP 4393730 B2 JP4393730 B2 JP 4393730B2 JP 2001285907 A JP2001285907 A JP 2001285907A JP 2001285907 A JP2001285907 A JP 2001285907A JP 4393730 B2 JP4393730 B2 JP 4393730B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nozzle
- layer
- inorganic oxide
- ink
- water repellent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェットヘッド製造方法に関する。
特に、インクジェットノズルの吐出側表面のフッ素系撥水剤層とノズル形成部材との密着性とノズル孔形成の加工性とを同時に向上せしめることを可能とするインクジェットヘッド及び該インクジェットヘッド製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平10−305582号公報「インクジェット式プリントノズルヘッド」において提示されている技術は、インクジェットヘッドとして、より改良された撥インク性と耐磨耗性とを有する撥インク層を設け、かつ、エキシマレーザ光照射によるノズル形成の改善も図らんとするものである。
即ち、ノズルヘッドの少なくとも周辺部に、熱硬化性ポリイミド等によるフィルム支持基体の一方の面に、例えばテトラフルオロエチレンを成分とする共重合体を含む有機樹脂層と撥水層(例えばポリエーテルサルホン層)とを設け、その反対側の面には、熱加塑性ポリイミド等の接着層にて構成される撥インク層を被覆するものであり、更に、少なくとも前記有機樹脂層にはエキシマレーザ光吸収剤(例えば二酸化チタン)を含有せしめるインクジェットヘッドとするものである。
【0003】
また、特開平6−87216号公報「インクジェット記録ヘッドのノズル形成方法」においては、密着性が良く、かつ、耐摩擦性に優れた撥水層をノズル形成部材上に備えるノズル形成方法が提示されている。
即ち、エキシマレーザビームによるアブレーション(蒸発飛散)が可能なプラスチックにより形成されたノズル形成部材の表面に、含フッ素重合体からなるコーティング層を20nm乃至700nmの厚さで形成し、次いで、該ノズル形成部材の背面側からエキシマレーザを照射して、その部分に高濃度の励起種を生成させて、その分解・飛散する力を利用して、ノズル孔の加工を行なうと共に、ノズル孔上のコーティング層を除去するものである。
【0004】
また、特許第2914146号公報「ノズルプレートの製造方法」においては、ノズル板(ノズルプレート)の一方の面に粘着部材を貼り付け、その反対側面からレーザビームを照射することによりノズル板(ノズルプレート)を製造した後、前記粘着部材をはがす際に、レーザビームによって加工されずに残った部分を、前記粘着部材の粘着力により除去することが可能となり、ノズル孔の出射側に未加工の部分が残ってしまうことがなくなり、インク滴の飛翔方向がばらつくことを防止することを可能としている。
【0005】
また、インクジェットヘッドのインクの噴射曲がりが少なく、撥水性が向上すると共に、継続的な安定した吐出特性を有する耐久性を備えるように、少なくともノズル周縁部を表面酸化処理したノズル板(ノズルプレート)上に、0℃〜70℃の温度範囲で液相を示し、かつ、加水分解可能な官能基を少なくとも一つ有する非晶質樹脂を、酸素を介して重ねて構成するインクジェットヘッド、あるいは、撥水層の密着性・ワイピング耐久性を向上させるために、ノズル形成部材の表面に、耐磨耗性のある微粉末層と撥水層とを重ねて設けたインクジェットヘッドも提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェットヘッドにおいては、ノズル孔からインク滴を吐出させて記録を行なうために、ノズル孔の形状や形成精度が、インク滴の噴射特性に大きく影響を与える。また、ノズル孔を形成しているノズル形成部材の表面の特性も、インク滴の噴射特性に影響を与えることが知られている。例えば、ノズル形成部材の表面のノズル孔周辺部に、インクが付着して不均一なインク溜まりが発生すると、インク滴の吐出方向が曲げられたり、インク滴の大きさにバラツキが生じたり、あるいは、インク滴の飛翔速度が不安定になる、等の不都合が生じることが知られている。
【0007】
而して、従来のインクジェットヘッドにおいては、ノズルの吐出側表面に撥水膜を成膜して、撥水性を持たせ、かつ、ノズル形成部材の表面の均一性を高め、インク滴の飛翔特性の安定化を図るようにすることが行なわれてきている。
【0008】
ところで、樹脂材料をノズル形成部材として使用する場合、撥水膜を樹脂材料の表面に形成することになるが、樹脂材料と撥水剤との密着性があまり良くないために、樹脂材料の上に撥水剤を直接塗布することはできない。
このため、ノズル形成部材である樹脂材料の表面をわざと粗面化して、微細な凹凸面を形成し、該凹凸面上に撥水剤を塗布することにより、密着力を向上させたりしているが、それでも十分な密着力が確保されるまでには至っていない。即ち、塗布直後の初期段階にあっては、撥水性は得られているが、ノズルプレート表面やノズル開口部に付着したインク滴やゴミ等の除去のために行なわれるワイピング動作によって、撥水剤層の表面がこすられるため、ノズル形成部材との密着性が充分ではない分、徐々に、撥水剤層の剥離が発生し、徐々に撥水性が劣化してくる事態が発生することになる。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ノズル形成部材の表面と撥水剤層との密着力を向上し、前記ワイピング動作に対しても耐久性があり、撥水性能を維持することができると共に、ノズル孔を穿設するエキシマレーザビームの加工性を向上させることが可能なノズル板(ノズルプレート)を有するインクジェットヘッドを提供せんとするものであり、良好な画像品質がいつまでも劣化しないインクジェットプリンタ装置用のインクジェットヘッドを提供することを目的とするものである。具体的には、本発明は、次に示すごとき目的を有している。
【0010】
(請求項1に記載の発明の目的)
従来技術のごとく、撥水膜として比較的厚い無機酸化物層を使用する場合にあっては、エキシマレーザビームの加工性に問題が残ると共に、撥水膜形成に要する時間も長くする必要があった。
本発明に係る請求項1に記載の発明は、ノズル形成部材と撥水剤層との間に薄い島状の膜からなる島状薄層の無機酸化物層を介在させることにより、ノズル形成部材表面と撥水剤層との密着力を確保し、ワイピング動作が繰り返し実施された場合であっても耐久性があり、撥水性能をいつまでも維持することができると共に、無機酸化物層の層形成時間の短時間化を図らんとするものである。
【0011】
(請求項2に記載の発明の目的)
ノズル形成部材と撥水剤層との間に介在させる島状薄層を形成する無機酸化物の材料の組み合わせによっては、十分な撥水性能及び耐久性が得られない場合もある。
本発明に係る請求項2に記載の発明は、かかる無機酸化物の材料の組み合わせを特定することにより、薄層で、かつ、より耐久性のある無機酸化物層を得んとするものである。
【0012】
(請求項3に記載の発明の目的)
島状薄層に形成する無機酸化物層の厚さが、余り薄過ぎると、ノズル形成部材表面と充分な密着強度が得られない。逆に、厚過ぎた場合も、エキシマレーザビームにてノズル孔加工をした際に、無機酸化物層の加工が不十分となり、一部の無機酸化物層がノズル孔周囲に加工残として残ってしまう恐れがある。而して、ノズル孔の出口部形状がシャープでなくなり、インク滴の噴射特性に影響を与えることになる。
本発明に係る請求項3に記載の発明は、良好なインク滴噴射特性を確保するシャープなノズル孔出口部の形状を得ることを可能とするために、無機酸化物層の層厚さを特定せんとするものである。
【0013】
なお、島状薄層に形成する無機酸化物の薄層形成を、加熱を伴う方法によって実施すると、ノズル形成部材に樹脂材料を使用している場合にあっては、ノズル形成部材そのものが熱によってダメージを受けてしまう恐れがある。そこで、無機酸化物の島状薄層の形成に当たって、ノズル形成部材に対してほとんど熱が加わらなく、ノズル形成部材がダメージを受けることがないように、実質的に加熱を伴わない非加熱蒸着プロセスによって、無機酸化物の島状薄層を成膜してもよい。
【0014】
また、ノズル孔のエキシマレーザビーム加工工程と、無機酸化物層と撥水剤層の形成工程とを分離して、ノズル板(ノズルプレート)を製造することとすることにより、ノズル形成部材への無機酸化物層と撥水剤層の形成処理をした後に、エキシマレーザビーム加工を実施することを可能とし、ノズル孔内部への無機酸化物や撥水剤の侵入を防止することを可能にするとよい。
【0015】
また、エキシマレーザビーム加工面の反対側の撥水剤層面に粘着テープを使用することにより、より確実に、よりシャープなノズル孔出口部の形状を得ることを可能にするとよい。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、インク滴を吐出する複数のノズル孔を有するノズル形成部材と、前記各ノズル孔が連通する複数のインク液室とを有し、かつ、前記ノズル形成部材の表面にフッ素系撥水剤によるフッ素系撥水剤層を設けたノズル板を有しているインクジェットヘッドであって、各前記ノズル孔に対応するエネルギー発生手段を駆動して前記インク液室の容積を変化させることにより、前記ノズル孔からインク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル板として、前記ノズル形成部材と前記フッ素系撥水剤層との間に、無機酸化物の不連続な皮膜であって、互いに分断された状態の島状の薄層として、前記ノズル形成部材表面を被覆してなる無機酸化物層を有するインクジェットヘッドとすることを特徴とするものである。
【0017】
而して、前記ノズル形成部材と前記フッ素系撥水剤層との間に、島状薄層の形状からなる無機酸化物層を設けることにより、初期段階に十分な撥水性能が得られると共に、前記フッ素系撥水剤層の前記ノズル形成部材への密着強度が増し、ワイピング動作の繰り返しに対する耐久性が向上するので、撥水性能の劣化がないインクジェットヘッドを得ることができる。また、前記無機酸化物層の形状を島状薄層としたことにより、エキシマレーザビームによるノズル孔加工に対しても十分な加工性を得ることが可能となり、インク滴の噴射特性を向上させることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記無機酸化物層を構成する無機酸化物の材料が、SiO2またはTiO2であるインクジェットヘッドとすることを特徴とするものである。
【0019】
而して、前記フッ素系撥水剤層の前記ノズル形成部材への密着強度の確保とエキシマレーザビームによるノズル孔加工性向上の両方を、同時に満足させることができる。特に、TiO2は、紫外線の吸収性が良い材料であるので、エキシマレーザビームの加工性が、より良くなり、品質が高いノズル孔を加工することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記無機酸化物層の層厚さが、10Å〜1000Åの範囲にあるインクジェットヘッドとすることを特徴とするものである。
【0021】
而して、前記無機酸化物層の層厚さを、10Å〜1000Åの範囲とすることにより、前記フッ素系撥水剤層の前記ノズル形成部材への密着強度の確保とエキシマレーザビームによるノズル孔加工性向上の両方を、より確実に、同時に満足させることができる。更には、前記無機酸化物層の層厚さを、50Å〜300Åの範囲に限定することにより、前記無機酸化物層が適度な大きさの島状薄層として形成することが可能となり、前記フッ素系撥水剤層の前記ノズル形成部材への密着強度の確保とエキシマレーザビームによるノズル孔加工性向上の両方を、さらに良好な品質で、同時に満足させることができる。
【0022】
なお、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットヘッドを製造するインクジェットヘッド製造方法において、前記ノズル形成部材の少なくとも表面が、樹脂材料により形成されている場合にあっては、島状薄層の形状からなる無機酸化物層の該樹脂材料の表面への形成が、非加熱蒸着プロセスによってなされるインクジェットヘッド製造方法とするとよい。
【0023】
而して、前記ノズル形成部材に前記無機酸化物層を形成する際に、非加熱蒸着プロセスを使用することにより、熱がほとんど加わることなく、前記無機酸化物層を形成することができるので、前記ノズル形成部材への熱ダメージがなく、品質の安定したノズル板を製造することが可能となる。
【0024】
また、前記インクジェットヘッド製造方法において、前記ノズル形成部材に対して、島状薄層の形状からなる前記無機酸化物層及び前記フッ素系撥水剤層の形成がなされた後に、エキシマレーザビーム加工により、前記ノズル形成部材に前記ノズル孔を形成するインクジェットヘッド製造方法とするとよい。
【0025】
而して、前記ノズル形成部材に前記無機酸化物層を介して前記フッ素系撥水剤層を形成させた後に、前記ノズル孔の加工を行なうこととするので、前記ノズル孔の内部への無機酸化物や撥水剤の侵入付着が生じる心配がなく、品質の高いノズル孔を穿孔加工することができる。
【0026】
また、前記インクジェットヘッド製造方法において、前記ノズル形成部材に対して島状薄層の形状からなる前記無機酸化物層を介して接合させた前記フッ素系撥水剤層側のノズル板面に粘着テープを貼り付けて、該粘着テープ貼付面と反対の面側から、エキシマレーザビーム加工することにより、前記ノズル形成部材に前記ノズル孔を穿孔して、ノズル板を形成せしめた後、該ノズル板の使用の際に、前記粘着テープを剥離して使用するインクジェットヘッド製造方法とすることを特徴とするとよい。
【0027】
而して、前記粘着テープを貼り付けた状態で、エキシマレーザビーム加工により、前記ノズル孔を加工穿設するので、エキシマレーザビーム加工の際に、前記粘着テープの粘着剤が一部蒸発飛散(アブレーション)すると同時に、粘着剤に密着している前記フッ素系撥水剤層及び無機酸化物層も、同様に飛散することとなり、品質の良いノズル孔を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るインクジェットヘッド及びその製造方法に関する実施の形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
ここに、図3は、本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の機構部の概略を示す斜視説明図であり、図4は、同機構部の概略を示す側面説明図である。
【0029】
図3及び図4に示すインクジェット記録装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ13、該キャリッジ13に搭載されたインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14、記録ヘッド14へのインクを供給するインクカートリッジ15等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0030】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とにより、キャリッジ13を主走査方向(図4で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14を、インク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側には、記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク即ちインクカートリッジ15を交換可能に装着している。
【0031】
インクカートリッジ15は、上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ15からインクを記録ヘッド14内に供給する。
【0032】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0033】
また、記録ヘッド14として、ここでは、各色のインクジェットヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドとしてもよい。さらに、記録ヘッド14としては、後述するように、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板とこれに対向する電極とを備え、静電力で振動板を変形変位させてインクを加圧する静電型インクジェットヘッドを用いている。
【0034】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0035】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して、搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側に案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに、用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0036】
記録時には、キャリッジ13を移動させながら、画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号、または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ、用紙3を排紙する。
【0037】
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置37は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は、印字待機中には、この回復装置37側に移動されて、キャッピング手段で記録ヘッド14がキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0038】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段により、記録ヘッド14の吐出口部(ノズル孔)を密封し、チューブを通して、吸引手段で吐出口部(ノズル孔)からインクと共に気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等は、クリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、記録装置本体1下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0039】
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて、図5乃至図8を参照して説明する。なお、図5は、インクジェットヘッドの分解斜視説明図、図6は、同ヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図、図7は、同ヘッドの振動板長手方向に沿う要部拡大断面説明図、図8は、同ヘッドの振動板短手方向に沿う要部拡大断面図である。
【0040】
インクジェットヘッド40は、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、SOI基板などのシリコン基板等を用いた第一基板である流路基板41と、この流路基板41の下側に設けたシリコン基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、セラミックス基板等を用いた第二基板である電極基板42と、流路基板41の上側に設けた第三基板であるノズル板43とを備え、複数のインク滴を吐出するノズル孔44、各ノズル孔44が連通するインク流路である加圧室46、各加圧室46にインク供給路を兼ねた流体抵抗部47を介して連通する共通液室流路48などを形成している。
【0041】
流路基板41には、加圧室46及びこの加圧室46の壁面である底部をなす第1電極を兼ねた振動板50を形成する凹部を形成し、ノズル板43には流体抵抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と電極基板42には共通液室流路48を形成する貫通部を形成している。
【0042】
ここで、流路基板41は、例えば、単結晶シリコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボロンを注入してエッチングストップ層となる高濃度ボロン層を形成し、電極基板42と接合した後、加圧室46となる凹部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異方性エッチングする。このとき、高濃度ボロン層がエッチングストップ層となって振動板50が高精度に形成される。
また、多結晶シリコン基板で振動板50を形成する場合は、液室基板上に振動板となる多結晶シリコン薄膜を形成する方法、または、予め電極基板42を犠牲材料で平坦化し、その上に多結晶シリコン薄膜を成膜した後、犠牲材料を除去する方法などにより形成することができる。
【0043】
なお、振動板50に別途電極膜を形成してもよいが、上述したように不純物の拡散などによって振動板が電極を兼ねるようにしている。また、振動板50の電極基板42側の面に絶縁膜を形成することもできる。この絶縁膜としては、SiO2等の酸化膜系絶縁膜、Si3N4等の窒化膜系絶縁膜などを用いることができる。
絶縁膜の成膜は、振動板50の表面を熱酸化して酸化膜を形成したり、成膜手法を用いたりすることができる。さらに、この流路基板41には共通電極を設けている。この共通電極は、Al等の金属をスパッタしてシンタリング(熱拡散)することにより付設しており、流路基板41との導通を確保して、半導体基板よりなる流路基板41とオーミックコンタクトをとっている。
【0044】
また、電極基板42には酸化膜層42aを形成し、この酸化膜層42aの部分に凹部54を形成して、この凹部54底面に振動板50に対向する第2電極である電極55を設け、振動板50と電極55との間に所定のギャップ56(ギャップ0.2μmとしている。)を形成し、これらの振動板50と電極55とによってアクチュエータ部(即ち、各ノズル孔44と対応するエネルギー発生手段)を構成している。なお、電極55表面には、SiO2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si3N4膜などの窒化膜系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜しているが、電極55表面に電極保護膜57を形成しないで、振動板50側に絶縁膜を形成することもできる。
【0045】
これらの流路基板41と電極基板42との接合は、接着剤による接合も可能であるが、より信頼性の高い物理的な接合、例えば、電極基板42がシリコンで形成される場合、酸化膜を介した直接接合法を用いることができる。この直接接合法は1,000℃程度の高温化で実施する。また、電極基板42がガラスの場合、陽極接合を行なうことができる。電極基板42をシリコンで形成して、陽極接合を行なう場合には、電極基板42と流路基板41との間にパイレックス(登録商標)ガラスを成膜し、この膜を介して陽極接合を行なうこともできる。さらに、流路基板41と電極基板42にシリコン基板を使用して、金等のバインダーを接合面に介在させた共晶接合で接合することもできる。
【0046】
また、電極基板42の電極55としては、通常、半導体素子の形成プロセスで一般的に用いられるAl、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、TiN、W等の高融点金属、または、不純物により低抵抗化した多結晶シリコン材料などを用いることができる。電極基板42をシリコンウエハで形成する場合には、電極基板42と電極55との間には絶縁層(前述した酸化膜層42a)を形成する必要がある。電極基板42にガラス等の絶縁性材料を用いる場合には、電極55との間に絶縁層を形成する必要はない。
【0047】
また、電極基板42にシリコン基板を用いる場合、電極55としては、不純物拡散領域を用いることができる。この場合、拡散に用いる不純物はシリコン基板の導電型と反対の導電型を示す不純物を用い、拡散領域周辺にpn接合を形成し、電極55と電極基板42とを電気的に絶縁する。
【0048】
ノズル板43は、多数のノズル孔44を二列に配置して形成したものであり、吐出面には撥水処理を施している。ここでは、このノズル板43は、後に詳述するように、樹脂部材と金属部材との複層部材からなる。このノズル板43は、流路基板41に接着剤にて接合している。
【0049】
このインクジェットヘッド40では、ノズル孔44を二列配置し、この各ノズル孔44に対応して加圧室46、振動板50、電極55なども二列配置し、各ノズル孔44列の中央部に共通液室流路48を配置して、左右の加圧室46にインクを供給する構成を採用している。これにより、簡単なヘッド構成で多数のノズル孔44を有するマルチノズルヘッドを構成することができる。
【0050】
そして、インクジェットヘッド40の電極55は、外部に延設して接続部(電極パッド部)55aとし、これにヘッド駆動回路であるドライバIC60を搭載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して接続している。このとき、電極基板42とノズル板43との間は、図6に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤62にて気密封止している。
【0051】
さらに、インクジェットヘッド40全体をフレーム部材65上に接着剤で接合している。このフレーム部材65には、インクジェットヘッド40の共通液室流路48に、外部からインクを供給するためのインク供給穴66を形成しており、また、FPCケーブル61等はフレーム部材65に形成した穴部67に収納される。
【0052】
このフレーム部材65とノズル板43との間は、図6に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いたギャップ封止剤68にて封止し、撥水性を有するノズル板43表面のインクが電極基板42やFPCケーブル61等に回り込むことを防止している。
【0053】
そして、この記録ヘッド14のフレーム部材65には、インクカートリッジ15とのジョイント部材70が連結されて、フィルタ71を介して、インクカートリッジ15からインク供給穴66を通じて共通液室流路48にインクが供給される。
【0054】
このインクジェットヘッド40においては、振動板50を共通電極とし、ノズル孔44に対応させた電極55を個別電極として、振動板50と電極55との間にエネルギー発生手段として駆動電圧を印加することによって、振動板50と電極55との間に発生する静電力によって振動板50が電極55側に変形変位し、この状態から振動板50と電極55間の電荷を放電させて、振動板50が復帰変形して、加圧室46の内容積(体積)/圧力が変化することによって、ノズル孔44からインク滴が吐出される。
【0055】
すなわち、個別電極とする電極55にパルス電圧を印加すると、共通電極となる振動板50との間に電位差が生じて、個別電極である電極55と振動板50の間に静電力が生じる。この結果、振動板50は、印加した電圧の大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧を立ち下げることにより、振動板50の変位が復元して、その復元力により、加圧室46内の圧力が高くなり、ノズル孔44からインク滴が吐出される。
【0056】
次に、インクジェットヘッドを形成するノズル板(ノズルプレート)を加工するレーザ加工機の構成について、図9を用いて説明する。
ここに、図9は、インクジェットヘッドを製造するレーザ加工機の構成を示す概略構成図である。
【0057】
図9において、レーザ発信器81から射出されたエキシマレーザビーム82は、ミラー83,85,88によって反射され、加工テーブル90に導かれている。また、ミラー83と85との間の光路には、ビームエキスパンダ84が配置されており、エキシマレーザビーム82を所望のサイズに拡大している。ミラー85と88との間の光路には、マスク86とその下流側にフィールドレンズ87が配置されている。マスク86は、被加工物91に開けようとする穴の形状に対応した形状にエキシマレーザビームを変形させるためのものであり、また、フィールドレンズ87は、マスク86を通過してきたマスク像を結像光学系89に導くためのものである。
【0058】
ミラー88と加工テーブル90との間に設けられている結像光学系89は、加工テーブル90に載置された被加工物91に、マスク86を通過してきたエキシマレーザビームを所定の大きさに絞り込んで結像させるためのものである。
ここに、ビームエキスパンダ84、マスク86、フィールドレンズ87、結像光学系89は、従来技術をそのまま適用すれば良いものであり、ここでは個々の機能についての説明を省略する。
【0059】
被加工物即ちノズル板(ノズルプレート)91は、加工テーブル90上に載置され、エキシマレーザビームを受けることになる。加工テーブル90は、周知のXYZテーブル等により3軸方向に移動可能に構成されており、必要に応じて、被加工物91の位置を移動し、所望の位置にエキシマレーザビームを照射することができるようにされている。
【0060】
次に、図1,2及び図10の各図面を用いて、従来例及び本発明に係るインクジェットヘッドを構成するノズル板(ノズルプレート)の詳細について説明する。
まず、インクジェットヘッドを構成するノズル板(ノズルプレート)の従来技術の構成の一例について、説明する。
図10は、インクジェットヘッドを構成するノズル板(ノズルプレート)の従来技術の一例を示している断面説明図である。
図10に示すように、ノズル板43は、樹脂部材101と高剛性部材102とを、熱可塑性接着剤103によって、接合し、更に、樹脂部材101の表面に微粉末層104及び撥水膜105を、順次積層形成したものである。更に、樹脂部材101に、所要の寸法精度からなるノズル孔44を形成し、高剛性部材102にノズル孔44に連通するノズル連通口106を形成している。而して、かかるノズル板43を使用する際には、高剛性部材102側の面を、接着剤により、図5に示す流路基板41に接合することとなる。
【0061】
微粉末層104は、アンダーコート剤111に、耐磨耗性を有する微粉末112を混合分散している。このように、樹脂部材101の表面に微粉末層104及び撥水膜105を順次積層することにより、ワイピング耐性を向上させている。
しかしながら、かかる従来例においては、アンダーコート剤111に加える微粉末112の粒径が、適切な範囲に入っていることが必要である。
【0062】
即ち、微粉末112の粒径が余りに大き過ぎると、次工程のエキシマレーザビーム加工において、ノズル孔44を加工した際に、ノズル外周部を形成せんとする微粉末層104の部位に微粉末112の粒子が存在している場合にあっては、エキシマレーザビームにより、該ノズル外周部を加工し切れずに、微粉末112が凸状粒子として残ってしまうことになる。該ノズル外周部に凸状粒子が残れば、当然のことながら、該ノズル外周部が異形となり、インク滴の噴射特性に影響が出ることになる。
【0063】
逆に、微粉末112の粒径が余りに小さ過ぎると、撥水膜105のワイピング耐性が低下してしまい、撥水性能が、必要な所望の寿命まで維持することが出来なくなる。また、微粉末112の粒径が小さい場合であっても、やはり、ノズル外周部を形成せんとする微粉末層104の部位に微粉末112の粒子が存在することになると、該ノズル外周部に微小な凸状粒子が残ってしまうために、影響が小さいとはいえ、インク滴の噴射特性への影響がないとは言えない。
【0064】
本発明に係るインクジェットヘッドを形成するノズル板は、かかる問題を解決せんとするものである。
次に、本発明に係るインクジェットヘッドを形成するノズル板の製造工程について、図2を用いて、その一例を説明する。
ここに、図2は、本発明に係るインクジェットヘッドを形成するノズル板の製造工程を模式的に示した製造工程図である。
まず、図2(A)は、ノズル形成部材121の機材となる材料を準備する準備工程を示しており、ここでは、ノズル形成部材121として、樹脂フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)を使用している。かくのごとく、ノズル形成部材121の少なくとも表面が、樹脂材料からなっているものが用いられる。
【0065】
次に、図2(B)においては、ノズル形成部材121である前記樹脂フィルム表面に、島状の形状の無機酸化物からなる薄い層を形成するために、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122を蒸着形成する蒸着工程を示している。ここに、無機酸化物層122をノズル形成部材121である樹脂材料即ち前記樹脂フィルムの表面に形成するプロセスとして、熱をほとんど加えない非加熱蒸着プロセスが用いられる。而して、ノズル形成部材121に無機酸化物層122を形成するプロセスとして、熱がほとんど加わらないこととなり、前記樹脂フィルムからなるノズル形成部材121への熱ダメージがなく、品質の安定した製造が可能となる。
【0066】
更に、図2(C)は、島状薄層からなる無機酸化物層122の表面にフッ素系撥水剤123aを塗布する塗布工程であり、塗布方法としては、スピンコータ,ロールコータ,スクリーン印刷、あるいは、スプレーコータなどの各種塗布方法が使用可能である。
【0067】
更に、図2(D)においては、島状薄層からなる無機酸化物層122の表面に形成されたフッ素系撥水剤123aの塗布後における熱乾燥工程であり、かかる熱乾燥により、フッ素系撥水剤123aに含まれている溶剤を熱によって蒸発させ、フッ素系撥水剤層123として、硬化安定させる。
【0068】
更に、図2(E)においては、硬化安定させたフッ素系撥水剤層123の表面に粘着テープ124を貼り付ける貼付工程であり、ノズル形成部材121に島状薄層の形状からなる無機酸化物層122を介して接合させたフッ素系撥水剤層123側のノズル板面に粘着テープ124を貼り付けて、後述する図2(F)のノズル孔加工工程において、ノズル形成部材121のフッ素系撥水剤層123と反対側のノズル板面側(即ち、粘着テープ貼付面と反対の面側)から、エキシマレーザビーム加工をすることとする。
【0069】
即ち、粘着テープ124を貼り付けた状態で、エキシマレーザビームによるノズル孔44の加工をする場合にあっては、エキシマレーザビームの照射により、粘着テープ124の粘着剤が一部蒸発飛散(アブレーション)する際に、粘着剤に密着しているフッ素系撥水剤層123及び無機酸化物層122も、同じように、飛散することから、品質の良いノズル孔44を得ることができる。
【0070】
なお、図2(E)に示すように、フッ素系撥水剤層123が塗布されている面に、粘着テープ124が貼り付けられるが、該粘着テープ124を貼る際には、貼付面内部に気泡が生じないように貼り付けることが必要である。
気泡が生じている場合には、ノズル孔44が丁度該気泡のある位置に穿孔された場合に、付着物などの影響を受けて、ノズル孔44の品質が劣化してしまうことがあるからである。
【0071】
更に、図2(F)は、図9に示すごときレーザ加工機を用いて、ノズル孔44を穿孔するノズル孔加工工程であり、ノズル形成部材121である前記樹脂フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)側即ち粘着テープ貼付面の反対の面側から、エキシマレーザビームを照射することにより、所要の寸法精度からなるノズル孔44を穿孔形成する。
【0072】
以上に述べたごとく、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122及びフッ素系撥水剤層123を形成した後、エキシマレーザビーム加工により、ノズル孔44を形成する製造工程としている。即ち、ノズル形成部材121に無機酸化物層122を介してフッ素系撥水剤層123を形成する処理を施した後に、ノズル孔44の穿孔加工をすることとしている。而して、穿孔加工されるノズル孔44内部への無機酸化物や撥水剤の侵入付着が生じる心配がなく、品質の高いノズル孔44を加工することができる。
ノズル孔44の穿孔形成する加工が終了して、ノズル板43が形成された後は、該ノズル板43を使用する際に、フッ素系撥水剤層123の表面から粘着テープ124を剥離して使用することになる。
【0073】
なお、図2に示す製造工程においては、ノズル板42の剛性を向上させるために用いられる高剛性部材の製造工程を省略して示しているが、かかる高剛性部材を、ノズル形成部材121である前記樹脂フィルムの裏面側(即ち、エキシマレーザビームの照射面側)に形成することとしても勿論構わない。かかる場合にあっては、図10に示す従来技術の場合と同様に、熱可塑性接着剤によって、ノズル形成部材121である前記樹脂フィルムと高剛性部材とを接合し、高剛性部材には、ノズル孔44に連通するノズル連通口を形成することとなる。
【0074】
次に、図2に示すごとき製造工程により製造されたノズル板43について、図1を用いて、更に詳細に説明する。
ここに、図1は、本発明に係るインクジェットヘッドに適用されるノズル板の構造の一例を示す断面説明図である。
なお、樹脂部材(即ち、樹脂フィルム、例えば、ポリイミドフィルム)からなるノズル形成部材121と接合する高剛性部材125及び接着用に使用される熱可塑性接着剤126については、前述したように、図10に示した従来技術の例と何ら変わらないものである。
【0075】
ノズル板43は、樹脂部材からなるノズル形成部材121と高剛性部材125とを熱可塑性接着剤126によって接合し、樹脂部材からなるノズル形成部材121の表面には、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122とフッ素系撥水剤層123とを順次積層形成した後、ノズル孔44を穿孔加工したものであり、前述のごとく、該ノズル板43には、フッ素系撥水剤層123の表面に粘着テープ124が貼付されている。
【0076】
ここで、ノズル孔44の穿孔に当たっては、フッ素系撥水剤層123の面と反対側の高剛性部材125側から、エキシマレーザビームを照射することにより、樹脂部材からなるノズル形成部材121に、所要の寸法精度からなる内径寸法のノズル孔44を形成し、一方、高剛性部材125には、ノズル孔44に連通するノズル連通口127を形成している。
かかるノズル板43を使用する際には、フッ素系撥水剤層123の表面から粘着テープ124を剥離して、更に、接着剤により、高剛性部材125側の面を図5に示す流路基板41に接合して使用することとなる。
【0077】
島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の形成に当たっては、比較的熱を加えない、即ち、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材に熱的影響が発生しない温度範囲において、無機酸化物層122の成膜が可能な非加熱蒸着方法を用いて形成する。具体的には、スパッタリング,イオンビーム蒸着,イオンプレーティング,CVD(化学蒸着法)、あるいは、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適していると言うことができる。
【0078】
また、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の具体的材料としては、SiO2やTiO2などの無機酸化物が適している。即ち、かかる材料を用いることにより、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材に対するフッ素系撥水剤層123の密着強度確保とエキシマレーザビームによるノズル孔44の加工性向上との両方が同時に満足される。特に、TiO2は、紫外線の吸収性が良い材料であるため、エキシマレーザビームの加工性が、より良くなり、品質が高いノズル孔44を穿孔加工することができる。
【0079】
また、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)は、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材との充分な密着力が確保できる範囲内にあって、かつ、必要最小限の厚さとすることが、無機酸化物層122の形成工程時間及び材料費から見て有利である。また、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)が、余り厚くなると、材料にも依存するが、エキシマレーザビームを用いたノズル孔44の加工に支障がでてくる場合がある。
【0080】
即ち、余りに厚くなり過ぎている場合にあっては、たとえ、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材が、ノズル孔44の形状としてきれいに加工されていたとしても、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の一部が、エキシマレーザビームにより十分には加工されず、加工残りが生じる場合が発生してしまう。
【0081】
従って、無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)としては、具体的には、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材との充分な密着力が確保でき、かつ、エキシマレーザビームを用いたノズル孔44の加工に当たって、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122が残らない範囲として、膜厚(層厚さ)10Å〜1000Åの範囲が適しているといえる。かかる膜厚の無機酸化物層122を用いることとすれば、エキシマレーザビームを用いたノズル孔44の加工において、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122が残らなくなり、ノズル孔44の出口部の形状がシャープになり、インク滴の噴射特性を格段に向上させることが可能となり、かつ、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材との充分な密着力が確保できるので、良好なインク滴の噴射特性をいつまでも維持することが可能となる。
【0082】
更に、より好適には、無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)が、50Å〜300Åの限定された範囲とすることが好ましい。かかる膜厚の無機酸化物層122を用いることとすれば、無機酸化物層122が適度な大きさの島状薄層として形成可能となり、エキシマレーザビームを用いたノズル孔44の加工において、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122が確実に一切残らなくすることができる。而して、ノズル孔44の出口部の形状がよりシャープになり、インク滴の噴射特性を更に格段に向上させることが可能となり、かつ、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材との充分な密着力が確保できるので、更に良好なインク滴の噴射特性をいつまでも維持することが可能となる。
【0083】
本発明に係るインクジェットヘッドに適用するノズル板43においては、無機酸化物層122は、前述のごとく、完全に一様な連続した皮膜を形成するものではなく、微視的(ショートレンジ)には、皮膜が分断形成された無機酸化物層の皮膜からなるアイランド(島)状の膜を形成しつつ、全体(ロングレンジ)としては、均一にアイランド(島)状の膜が成膜されているという島状薄層の状態を選んで使用している。
かかる島状薄層の状態が、前記したように、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材との充分な密着力の確保と、エキシマレーザビームを用いたノズル孔44の加工性との双方に対して、極めて良好な結果をもたらすこととなる。
【0084】
無機酸化物層122の具体的材料として、前述のごとく、SiO2やTiO2などを用いる場合にあっては、無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)が50Å〜300Åの範囲において、無機酸化物層122の島状薄層が、より理想的に近い状態で形成され、樹脂部材との密着性とエキシマレーザビーム加工性の双方が格段に改善され、その効果も一層良好なものになる。
【0085】
フッ素系撥水剤層123を形成するフッ素系撥水剤の材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、フッ素非晶質化合物を含むものを使用している。かかる材料からなるフッ素系撥水剤層123を形成することにより、前述したSiO2やTiO2などの無機酸化膜を用いた無機酸化物層122との組み合わせにおいて、極めて良好な密着力が得られ、初期撥水性能、ワイピング耐性ともに充分な性能が得られた。
【0086】
なお、前述したように、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の膜厚(層厚さ)が、ある程度厚くなってくると、エキシマレーザビームによるノズル孔44の加工に支障が出てくる恐れがある。エキシマレーザビームの加工性に関するかかる支障の発生原因は、ノズル形成部材121を形成する樹脂部材に比して、島状薄層の形状からなる無機酸化物層122の方が、エキシマレーザビームの加工性が劣っていることによるものである。
【0087】
而して、エキシマレーザビーム加工性が良い粘着剤を使用した粘着テープをフッ素系撥水剤層123側の面に貼り付けた状態で、エキシマレーザビームによるノズル孔加工をすることにより、エキシマレーザビームの照射を受けて、粘着テープの粘着剤が蒸発飛散(アブレーション)する際に、エキシマレーザビームによる加工が不十分となる恐れがあった無機酸化物層122の無機酸化物やフッ素系撥水剤層123のフッ素系撥水剤も、粘着剤と密着して一緒に飛散することとなり、実質上、無機酸化物層122が、きれいに加工されたと同じような効果が得られる。
ここで、粘着テープを形成する粘着剤の材質は、アクリル系の材料が適している。
【0088】
図1及び図2において詳細に説明したノズル板43を用いて、図5乃至図7に示すごときインクジェットヘッド40を構成し、更に、かかるインクジェットヘッド40を、図3に示すインクジェットプリンタ装置1に搭載することとすれば、初期段階における画質に優れた特性を示すのみでなく、長期に亘り、画像品質の劣化がないインクジェットプリンタ装置を構築することが可能となる。
【0089】
【発明の効果】
ノズル形成部材とフッ素系撥水剤層との間に、島状薄層の形状からなる無機酸化物層を設けることにより、初期段階において十分な撥水性能が得られると共に、フッ素系撥水剤層のノズル形成部材への密着強度が増し、ワイピング動作の繰り返しに対する耐久性が向上するので、撥水性能の劣化がないインクジェットヘッドを得ることができる。
【0090】
また、無機酸化物層の形状を島状薄層としたことにより、エキシマレーザビームによるノズル孔加工に対しても十分な加工性を得ることが可能となり、加工精度が高いノズル孔を穿孔することができ、インク滴の噴射特性を向上させることができる。
【0091】
即ち、長期間安定したインク滴の噴射特性が得られるノズル孔を備えたインクジェットヘッドが実現可能となり、而して、かかるインクジェットヘッドを採用することにより、画像品質の劣化のないインクジェットプリンタ装置を提供することが可能となる。
【0092】
また、無機酸化物層の材料を、SiO2またはTiO2からなる無機酸化物により構成し、層厚さを10Å〜1000Åの範囲とすることにより、フッ素系撥水剤層のノズル形成部材への密着強度確保とエキシマレーザビームによるノズル孔加工性の向上の両方を、同時に満足させることができる。更に、層厚さを50Å〜300Åの範囲に限定することにより、無機酸化物層の適度な島状薄層が形成され、更に良好な品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェットヘッドに適用されるノズル板の構造の一例を示す断面説明図である。
【図2】 本発明に係るインクジェットヘッドを形成するノズル板の製造工程を模式的に示した製造工程図である。
【図3】 本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の機構部の概略を示す斜視説明図である。
【図4】 本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の機構部の概略を示す側面説明図である。
【図5】 インクジェットヘッドの分解斜視説明図である。
【図6】 インクジェットヘッドの振動板長手方向に沿う断面説明図である。
【図7】 インクジェットヘッドの振動板長手方向に沿う要部拡大断面説明図である。
【図8】 インクジェットヘッドの振動板短手方向に沿う要部拡大断面図である。
【図9】 インクジェットヘッドを製造するレーザ加工機の構成を示す概略構成図である。
【図10】 インクジェットヘッドを構成するノズル板(ノズルプレート)の従来技術の一例を示している断面説明図である。
【符号の説明】
1…記録装置本体、2…印字機構部、3…用紙、4…給紙カセット、5…手差しトレイ、6…排紙トレイ、11…主ガイドロッド、12…従ガイドロッド、13…キャリッジ、14…記録ヘッド、15…インクカートリッジ、17…主走査モータ、18…駆動プーリ、19…従動プーリ、20…タイミングベルト、21…給紙ローラ、22…フリクションパッド、23…ガイド部材、24…搬送ローラ、25…搬送コロ、26…先端コロ、27…副走査モータ、29…印写受け部材、31…搬送コロ、32…拍車、33…排紙ローラ、34…拍車、35,36…ガイド部材、37…回復装置、40…インクジェットヘッド、41…流路基板、42…電極基板、42a…酸化膜層、43…ノズル板、44…ノズル孔(ノズル)、46…加圧室、47…流体抵抗部、48…共通液室流路、50…振動板、54…凹部、55…電極、55a…接続部(電極パッド部)、56…ギャップ、57…電極保護膜、60…ドライバIC、61…FPCケーブル、62…ギャップ封止剤、65…フレーム部材、66…インク供給穴、67…穴部、68…ギャップ封止剤、70…ジョイント部材、71…フィルタ、81…レーザ発信器、82…エキシマレーザビーム、83,85,88…ミラー、84…ビームエキスパンダ、86…マスク、87…フィールドレンズ、89…結像光学系、90…加工テーブル、91…被加工物、101…樹脂部材、102…高剛性部材、103…熱可塑性接着剤、104…微粉末層、105…撥水膜、106…ノズル連通口、111…アンダーコート剤、112…微粉末、121…ノズル形成部材、122…無機酸化物層、123a…フッ素系撥水剤、123…フッ素系撥水剤層、124…粘着テープ、125…高剛性部材、126…熱可塑性接着剤、127…ノズル連通口。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet head and an inkjet head manufacturing method.
In particular, the present invention relates to an ink jet head capable of simultaneously improving the adhesion between a fluorine-based water repellent layer on a discharge side surface of an ink jet nozzle and a nozzle forming member and the workability of forming a nozzle hole, and a method for manufacturing the ink jet head.
[0002]
[Prior art]
The technique presented in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-305582 “Inkjet Print Nozzle Head” is provided with an ink repellent layer having improved ink repellency and wear resistance as an ink jet head, and an excimer. Improvement of nozzle formation by laser light irradiation is also intended.
That is, an organic resin layer and a water-repellent layer (for example, polyethersulfuric layer) containing a copolymer containing, for example, tetrafluoroethylene as a component on at least the periphery of the nozzle head, on one surface of a film support base made of thermosetting polyimide or the like The opposite surface is coated with an ink repellent layer composed of an adhesive layer such as a heat-plastic polyimide, and at least the organic resin layer is covered with an excimer laser beam. The ink jet head is made to contain an absorbent (for example, titanium dioxide).
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-87216, “Nozzle Forming Method for Inkjet Recording Head”, presents a nozzle forming method in which a water repellent layer having good adhesion and excellent friction resistance is provided on a nozzle forming member. ing.
That is, a coating layer made of a fluoropolymer is formed to a thickness of 20 nm to 700 nm on the surface of a nozzle forming member made of a plastic that can be ablated (evaporated and scattered) with an excimer laser beam, and then the nozzle is formed. Excimer laser is irradiated from the back side of the member to generate high-concentration excited species in the part, and the nozzle hole is processed using the force of decomposition and scattering, and the coating layer on the nozzle hole Is to be removed.
[0004]
In Japanese Patent No. 2914146, “Nozzle Plate Manufacturing Method”, an adhesive member is attached to one surface of a nozzle plate (nozzle plate), and a laser beam is irradiated from the opposite side surface to form a nozzle plate (nozzle plate). ), When the adhesive member is peeled off, the remaining portion that is not processed by the laser beam can be removed by the adhesive force of the adhesive member, and an unprocessed portion on the emission side of the nozzle hole Is not left, and it is possible to prevent the flying direction of ink droplets from varying.
[0005]
In addition, a nozzle plate (nozzle plate) in which at least the nozzle periphery is subjected to surface oxidation treatment so that the ink jet bending of the inkjet head is small, water repellency is improved, and durability is provided with continuous and stable ejection characteristics. On the other hand, an ink jet head or a liquid repellent layer in which an amorphous resin that exhibits a liquid phase in a temperature range of 0 ° C. to 70 ° C. and has at least one hydrolyzable functional group is stacked via oxygen. In order to improve the adhesion and wiping durability of the water layer, there has also been proposed an ink jet head in which a fine powder layer having wear resistance and a water repellent layer are provided on the surface of a nozzle forming member.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In an ink jet head, since ink droplets are ejected from a nozzle hole for recording, the shape and formation accuracy of the nozzle hole greatly affect the ink droplet ejection characteristics. Further, it is known that the characteristics of the surface of the nozzle forming member forming the nozzle holes also affect the ejection characteristics of the ink droplets. For example, when ink adheres to the periphery of the nozzle hole on the surface of the nozzle forming member and a non-uniform ink pool occurs, the ink droplet ejection direction is bent, the ink droplet size varies, or It is known that inconveniences such as unstable flying speed of ink droplets occur.
[0007]
Thus, in the conventional ink jet head, a water repellent film is formed on the discharge side surface of the nozzle to give water repellency, and the uniformity of the surface of the nozzle forming member is improved, and the ink droplet flying characteristics It has been attempted to stabilize the above.
[0008]
By the way, when a resin material is used as a nozzle forming member, a water repellent film is formed on the surface of the resin material. However, since the adhesion between the resin material and the water repellent is not so good, It is not possible to apply a water repellent directly.
For this reason, the surface of the resin material that is the nozzle forming member is intentionally roughened to form a fine uneven surface, and the adhesion is improved by applying a water repellent on the uneven surface. However, it has not yet reached a sufficient adhesion. That is, in the initial stage immediately after application, water repellency is obtained, but the water repellant is obtained by a wiping operation performed to remove ink droplets and dust adhering to the nozzle plate surface and nozzle openings. Since the surface of the layer is rubbed, the water repellent layer is gradually peeled off due to insufficient adhesion to the nozzle forming member, and the water repellency gradually deteriorates. .
[0009]
The present invention has been made in view of such circumstances, improves the adhesion between the surface of the nozzle forming member and the water repellent layer, is durable against the wiping operation, and maintains water repellency. It is possible to provide an inkjet head having a nozzle plate (nozzle plate) that can improve the workability of an excimer laser beam that can be used to make a nozzle hole. Inkjet heads for inkjet printers that do not deteriorateDoIt is intended to provide. Specifically, the present invention has the following objects.
[0010]
(Object of Invention of Claim 1)
When a relatively thick inorganic oxide layer is used as the water repellent film as in the prior art, there remains a problem with the workability of the excimer laser beam, and the time required for forming the water repellent film needs to be increased. It was.
According to the first aspect of the present invention, there is provided a nozzle forming member by interposing an island-like thin inorganic oxide layer made of a thin island-like film between the nozzle forming member and the water repellent layer. Ensures adhesion between the surface and the water repellent layer, and is durable even when repeated wiping operations are performed. Water repellent performance can be maintained indefinitely, and an inorganic oxide layer is formed. The aim is to shorten the time.
[0011]
(Object of invention of claim 2)
Depending on the combination of inorganic oxide materials that form an island-like thin layer interposed between the nozzle forming member and the water repellent layer, sufficient water repellency and durability may not be obtained.
The invention according to
[0012]
(Object of invention described in claim 3)
If the thickness of the inorganic oxide layer formed on the island-like thin layer is too thin, sufficient adhesion strength to the nozzle forming member surface cannot be obtained. Conversely, when the nozzle hole is processed with an excimer laser beam even if it is too thick, the processing of the inorganic oxide layer becomes insufficient, and a part of the inorganic oxide layer remains as a processing residue around the nozzle hole. There is a risk. Thus, the shape of the outlet of the nozzle hole is not sharp and affects the ejection characteristics of the ink droplets.
The invention according to
[0013]
In addition,If the inorganic oxide thin layer formed on the island-shaped thin layer is formed by a method involving heating, the nozzle forming member itself may be damaged by heat if a resin material is used for the nozzle forming member. There is a risk of receiving.ThereforeIn forming the island-like thin layer of inorganic oxide, the nozzle forming member is hardly heated so that the nozzle forming member is not damaged by a non-heated vapor deposition process with substantially no heating. , Deposits an island-like thin layer of inorganic oxideMay be.
[0014]
AlsoThe nozzle plate excimer laser beam processing step and the inorganic oxide layer and water repellent layer forming step are separated to produce a nozzle plate (nozzle plate). After the oxide layer and water repellent layer are formed, excimer laser beam processing can be performed to prevent the entry of inorganic oxide and water repellent into the nozzle hole.Good.
[0015]
Also,By using an adhesive tape on the surface of the water repellent layer opposite to the excimer laser beam processing surface, it is possible to obtain a sharper nozzle hole outlet shape more reliably.Good.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to claim 1 includes a nozzle forming member having a plurality of nozzle holes for discharging ink droplets, and a plurality of ink liquid chambers in which the nozzle holes communicate with each other, and the surface of the nozzle forming member An ink-jet head having a nozzle plate provided with a fluorine-based water repellent layer formed of a fluorine-based water repellent, and driving the energy generating means corresponding to each nozzle hole to reduce the volume of the ink liquid chamber. In the inkjet head that discharges ink droplets from the nozzle holes by changing, as the nozzle plate, between the nozzle forming member and the fluorine-based water repellent layer,It is a discontinuous film of inorganic oxide, and is formed by coating the surface of the nozzle forming member as an island-like thin layer separated from each other.Inorganic oxide layerHaveAn inkjet head is provided.
[0017]
Thus, by providing an inorganic oxide layer having the shape of an island-like thin layer between the nozzle forming member and the fluorine-based water repellent layer, sufficient water repellency can be obtained in the initial stage. Since the adhesion strength of the fluorine-based water repellent layer to the nozzle forming member is increased and the durability against repeated wiping operations is improved, an ink jet head having no deterioration in water repellency can be obtained. In addition, by using an island-like thin layer as the shape of the inorganic oxide layer, it becomes possible to obtain sufficient processability even for nozzle hole processing with an excimer laser beam, and to improve ink droplet ejection characteristics. Can do.
[0018]
The invention according to
[0019]
Thus, it is possible to satisfy both the securing of the adhesion strength of the fluorine-based water repellent layer to the nozzle forming member and the improvement of the nozzle hole workability by the excimer laser beam at the same time. In particular, TiO2Since this is a material having a good absorbability of ultraviolet rays, excimer laser beam processability is improved and high quality nozzle holes can be processed.
[0020]
The invention according to
[0021]
Thus, by setting the thickness of the inorganic oxide layer in the range of 10 to 1000 mm, the adhesion strength of the fluorine-based water repellent layer to the nozzle forming member and the nozzle hole by the excimer laser beam are ensured. Both improvement in workability can be satisfied more reliably and simultaneously. Furthermore, by limiting the thickness of the inorganic oxide layer to a range of 50 to 300 mm, the inorganic oxide layer can be formed as an island-shaped thin layer having an appropriate size. It is possible to satisfy both the securing of the adhesion strength of the water repellent layer to the nozzle forming member and the improvement of the nozzle hole workability by the excimer laser beam at the same time with better quality.
[0022]
In additionIn the inkjet head manufacturing method for manufacturing the inkjet head according to any one of claims 1 to 3, when at least the surface of the nozzle forming member is formed of a resin material, an island-shaped thin layer is formed. An inkjet head manufacturing method in which an inorganic oxide layer having a shape is formed on the surface of the resin material by a non-heated vapor deposition process.Good.
[0023]
Thus, when forming the inorganic oxide layer on the nozzle forming member, by using an unheated vapor deposition process, the inorganic oxide layer can be formed with almost no heat applied. There is no thermal damage to the nozzle forming member, and it becomes possible to manufacture a nozzle plate with stable quality.
[0024]
In addition,In the inkjet head manufacturing method, after the inorganic oxide layer having the shape of an island-like thin layer and the fluorine-based water repellent layer are formed on the nozzle forming member, the nozzle is formed by excimer laser beam processing. An inkjet head manufacturing method for forming the nozzle hole in a forming memberGood.
[0025]
Thus, since the nozzle hole is processed after the fluorine-based water repellent layer is formed on the nozzle forming member via the inorganic oxide layer, the inorganic inside of the nozzle hole is reduced. High quality nozzle holes can be drilled without the risk of intrusion and adhesion of oxides and water repellents.
[0026]
In addition,In an inkjet head manufacturing method, an adhesive tape is applied to the nozzle plate surface on the fluorine-based water repellent layer side that is bonded to the nozzle forming member via the inorganic oxide layer having the shape of an island-shaped thin layer. Then, excimer laser beam processing is performed from the surface opposite to the surface to which the adhesive tape is applied, so that the nozzle holes are formed in the nozzle forming member to form a nozzle plate, and then the nozzle plate is used. In addition, the present invention is characterized in that an inkjet head manufacturing method is used in which the adhesive tape is peeled off.Good.
[0027]
Thus, since the nozzle hole is formed by excimer laser beam processing with the adhesive tape attached, a part of the adhesive of the adhesive tape is evaporated and scattered during the excimer laser beam processing. At the same time as the ablation, the fluorine-based water repellent layer and the inorganic oxide layer that are in close contact with the pressure-sensitive adhesive are scattered in the same manner, and a high-quality nozzle hole can be obtained.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an example of an embodiment relating to an inkjet head and a method for manufacturing the same according to the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 3 is an explanatory perspective view showing an outline of a mechanism part of an ink jet recording apparatus equipped with an ink jet head according to the present invention, and FIG. 4 is an explanatory side view showing an outline of the mechanism part.
[0029]
The ink jet recording apparatus shown in FIGS. 3 and 4 includes a
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
Here, the
[0033]
In addition, although the ink-jet heads of the respective colors are used as the
[0034]
On the other hand, in order to convey the
[0035]
Corresponding to the range of movement of the
[0036]
During recording, the
[0037]
Further, a
[0038]
When a discharge failure occurs, the discharge port (nozzle hole) of the
[0039]
Next, an ink jet head constituting the
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
Here, for example, when a single crystal silicon substrate is used as the
Further, when the
[0043]
Although an electrode film may be separately formed on the
The insulating film can be formed by thermally oxidizing the surface of the
[0044]
An oxide film layer 42 a is formed on the
[0045]
The
[0046]
The
[0047]
Further, when a silicon substrate is used for the
[0048]
The
[0049]
In this
[0050]
The
[0051]
Further, the
[0052]
The gap between the
[0053]
A
[0054]
In this
[0055]
That is, when a pulse voltage is applied to the
[0056]
Next, the configuration of a laser processing machine that processes a nozzle plate (nozzle plate) that forms an inkjet head will be described with reference to FIG.
FIG. 9 is a schematic configuration diagram showing the configuration of the laser processing machine for manufacturing the inkjet head.
[0057]
In FIG. 9, the
[0058]
The imaging
Here, the
[0059]
A workpiece, that is, a nozzle plate (nozzle plate) 91 is placed on a processing table 90 and receives an excimer laser beam. The processing table 90 is configured to be movable in three axial directions by a known XYZ table or the like, and can move the position of the
[0060]
Next, the details of the nozzle plate (nozzle plate) constituting the conventional example and the ink jet head according to the present invention will be described with reference to FIGS.
First, an example of a conventional configuration of a nozzle plate (nozzle plate) constituting an inkjet head will be described.
FIG. 10 is a cross-sectional explanatory view showing an example of a conventional technique of a nozzle plate (nozzle plate) constituting an inkjet head.
As shown in FIG. 10, the
[0061]
The fine powder layer 104 is obtained by mixing and dispersing a
However, in such a conventional example, the particle size of the
[0062]
That is, if the particle size of the
[0063]
On the other hand, if the particle size of the
[0064]
The nozzle plate forming the ink jet head according to the present invention is intended to solve such a problem.
Next, an example of the manufacturing process of the nozzle plate for forming the ink jet head according to the present invention will be described with reference to FIG.
FIG. 2 is a manufacturing process diagram schematically showing the manufacturing process of the nozzle plate forming the ink jet head according to the present invention.
First, FIG. 2A shows a preparatory process for preparing a material to be used as a material for the
[0065]
Next, in FIG. 2B, in order to form a thin layer made of an island-shaped inorganic oxide on the surface of the resin film, which is the
[0066]
Furthermore, FIG. 2 (C) is an application process in which a fluorine-based water repellent 123a is applied to the surface of the
[0067]
Further, FIG. 2D shows a heat drying step after the application of the fluorine-based water repellent 123a formed on the surface of the
[0068]
Further, in FIG. 2 (E), the
[0069]
That is, when the
[0070]
As shown in FIG. 2E, the
When bubbles are generated, the quality of the nozzle holes 44 may be deteriorated due to the influence of adhering substances when the nozzle holes 44 are drilled at the positions where the bubbles are located. is there.
[0071]
Further, FIG. 2 (F) is a nozzle hole processing step for drilling the nozzle holes 44 using a laser processing machine as shown in FIG. 9, and the resin film (for example, polyimide film) side which is the
[0072]
As described above, after the
After the formation of the
[0073]
In the manufacturing process shown in FIG. 2, the manufacturing process of the high-rigidity member used for improving the rigidity of the
[0074]
Next, the
FIG. 1 is an explanatory sectional view showing an example of the structure of a nozzle plate applied to the ink jet head according to the present invention.
As described above, the high-
[0075]
The
[0076]
Here, when the
When the
[0077]
In forming the
[0078]
Further, as a specific material of the
[0079]
Moreover, the film thickness (layer thickness) of the
[0080]
That is, if it is too thick, even if the resin member forming the
[0081]
Therefore, as the film thickness (layer thickness) of the
[0082]
More preferably, the thickness (layer thickness) of the
[0083]
In the
As described above, the state of the island-like thin layer is sufficient for both ensuring sufficient adhesion to the resin member forming the
[0084]
As a specific material of the
[0085]
Various materials are known for the material of the fluorine-based water repellent for forming the fluorine-based
[0086]
As described above, when the film thickness (layer thickness) of the
[0087]
Thus, excimer laser beam processing is performed by excimer laser beam nozzle processing with an adhesive tape using an adhesive having good excimer laser beam processability attached to the surface of the fluorine-based
Here, an acrylic material is suitable for the material of the pressure-sensitive adhesive forming the pressure-sensitive adhesive tape.
[0088]
The
[0089]
【The invention's effect】
By providing an inorganic oxide layer having the shape of an island-like thin layer between the nozzle forming member and the fluorine-based water repellent layer, sufficient water-repellent performance can be obtained in the initial stage, and a fluorine-based water repellent. Since the adhesion strength of the layer to the nozzle forming member is increased and the durability against repeated wiping operations is improved, it is possible to obtain an ink jet head having no deterioration in water repellency.
[0090]
In addition, by making the shape of the inorganic oxide layer into an island-shaped thin layer, it becomes possible to obtain sufficient workability even for nozzle hole machining with an excimer laser beam, and drilling nozzle holes with high machining accuracy. Ink droplet ejection characteristics can be improved.
[0091]
In other words, an ink jet head having a nozzle hole that can provide stable ink droplet ejection characteristics for a long period of time can be realized, and thus an ink jet printer apparatus that does not deteriorate image quality is provided by employing such an ink jet head. It becomes possible to do.
[0092]
The material of the inorganic oxide layer is SiO2Or TiO2By making the layer thickness within a range of 10 mm to 1000 mm, the adhesion strength of the fluorine-based water repellent layer to the nozzle forming member can be secured and the nozzle hole workability can be improved by the excimer laser beam. Both can be satisfied at the same time. Furthermore, by limiting the layer thickness to the range of 50 to 300 mm, an appropriate island-like thin layer of the inorganic oxide layer is formed, and a better quality can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory cross-sectional view showing an example of the structure of a nozzle plate applied to an ink jet head according to the present invention.
FIG. 2 is a manufacturing process diagram schematically showing a manufacturing process of a nozzle plate forming an ink jet head according to the present invention.
FIG. 3 is an explanatory perspective view showing an outline of a mechanism portion of an ink jet recording apparatus equipped with an ink jet head according to the present invention.
FIG. 4 is an explanatory side view showing an outline of a mechanism part of an ink jet recording apparatus equipped with an ink jet head according to the present invention.
FIG. 5 is an exploded perspective view of the inkjet head.
FIG. 6 is a cross-sectional explanatory diagram along the longitudinal direction of the diaphragm of the inkjet head.
FIG. 7 is an enlarged cross-sectional explanatory view of a main part along the longitudinal direction of the diaphragm of the ink jet head.
FIG. 8 is an enlarged cross-sectional view of a main part along the short side direction of the diaphragm of the inkjet head.
FIG. 9 is a schematic configuration diagram showing a configuration of a laser processing machine for manufacturing an inkjet head.
FIG. 10 is a cross-sectional explanatory view showing an example of a conventional technique of a nozzle plate (nozzle plate) constituting an inkjet head.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Recording device main body, 2 ... Printing mechanism part, 3 ... Paper, 4 ... Paper feed cassette, 5 ... Manual feed tray, 6 ... Paper discharge tray, 11 ... Main guide rod, 12 ... Sub guide rod, 13 ... Carriage, 14 DESCRIPTION OF SYMBOLS ... Recording head, 15 ... Ink cartridge, 17 ... Main scanning motor, 18 ... Drive pulley, 19 ... Driven pulley, 20 ... Timing belt, 21 ... Feed roller, 22 ... Friction pad, 23 ... Guide member, 24 ... Conveying roller , 25 ... conveying roller, 26 ... tip roller, 27 ... sub-scanning motor, 29 ... printing receiving member, 31 ... conveying roller, 32 ... spur, 33 ... paper discharge roller, 34 ... spur, 35, 36 ... guide member, 37 ... Recovery device, 40 ... Inkjet head, 41 ... Channel substrate, 42 ... Electrode substrate, 42a ... Oxide film layer, 43 ... Nozzle plate, 44 ... Nozzle hole (nozzle), 46 ... Pressure chamber, DESCRIPTION OF SYMBOLS 7 ... Fluid resistance part, 48 ... Common liquid chamber flow path, 50 ... Diaphragm, 54 ... Recessed part, 55 ... Electrode, 55a ... Connection part (electrode pad part), 56 ... Gap, 57 ... Electrode protective film, 60 ... Driver IC, 61 ... FPC cable, 62 ... gap sealant, 65 ... frame member, 66 ... ink supply hole, 67 ... hole, 68 ... gap sealant, 70 ... joint member, 71 ... filter, 81 ...
Claims (3)
前記ノズル板として、前記ノズル形成部材と前記フッ素系撥水剤層との間に、無機酸化物の不連続な皮膜であって、互いに分断された状態の島状の薄層として、前記ノズル形成部材表面を被覆してなる無機酸化物層を有することを特徴とするインクジェットヘッド。A nozzle forming member having a plurality of nozzle holes for discharging ink droplets; and a plurality of ink liquid chambers in which the nozzle holes communicate with each other; and a fluorine-based fluorine repellent agent on the surface of the nozzle forming member An ink jet head having a nozzle plate provided with a water repellent layer, wherein an energy generating means corresponding to each nozzle hole is driven to change the volume of the ink liquid chamber, thereby In an inkjet head that ejects ink droplets,
As the nozzle plate, the nozzle is formed as an island-like thin layer that is a discontinuous film of an inorganic oxide and separated from each other between the nozzle forming member and the fluorine-based water repellent layer. ink jet head and having an inorganic oxide layer formed by coating the surface of the member.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001285907A JP4393730B2 (en) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | Inkjet head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001285907A JP4393730B2 (en) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | Inkjet head |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003094665A JP2003094665A (en) | 2003-04-03 |
JP4393730B2 true JP4393730B2 (en) | 2010-01-06 |
Family
ID=19108976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001285907A Expired - Fee Related JP4393730B2 (en) | 2001-09-19 | 2001-09-19 | Inkjet head |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4393730B2 (en) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4021383B2 (en) * | 2003-06-27 | 2007-12-12 | シャープ株式会社 | Nozzle plate and manufacturing method thereof |
DE602004000595D1 (en) * | 2003-07-15 | 2006-05-18 | Konica Minolta Med & Graphic | Ink-jet printer with UV-curable ink |
JP5168756B2 (en) * | 2005-02-10 | 2013-03-27 | 株式会社リコー | Liquid ejection head and image forming apparatus |
JP5387096B2 (en) | 2008-08-27 | 2014-01-15 | 株式会社リコー | Liquid discharge head, image forming apparatus, and method of manufacturing liquid discharge head |
JP5361466B2 (en) | 2009-03-13 | 2013-12-04 | 富士フイルム株式会社 | Inkjet head manufacturing method |
JP6237062B2 (en) * | 2013-09-30 | 2017-11-29 | ブラザー工業株式会社 | Liquid ejecting apparatus and manufacturing method thereof |
JP6493799B2 (en) * | 2015-06-16 | 2019-04-03 | 株式会社リコー | Ink jet recording apparatus and recording method using the same |
-
2001
- 2001-09-19 JP JP2001285907A patent/JP4393730B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003094665A (en) | 2003-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9085145B2 (en) | Method of forming electromechanical transducer film, electromechanical transducer film, electromechanical transducer element, and liquid discharge head | |
JP2003341070A (en) | Inkjet head, its manufacturing method, and inkjet head recorder | |
JP5251187B2 (en) | Liquid discharge head and liquid discharge apparatus | |
JP4393730B2 (en) | Inkjet head | |
JP4230206B2 (en) | Recording head manufacturing method, recording head, and ink jet recording apparatus | |
JP2011018836A (en) | Method of manufacturing piezoelectric actuator, and piezoelectric actuator manufactured by the method | |
JP2003127386A (en) | Liquid drop ejection head and its manufacturing method | |
JP2015000560A (en) | Electromechanical transducer and method of manufacturing the same, droplet discharge head, liquid cartridge, image forming apparatus, droplet discharge device, and pump unit | |
JP4446704B2 (en) | Droplet discharge head, manufacturing method thereof, and image forming apparatus | |
JP7188068B2 (en) | Liquid ejection head, head module, liquid cartridge, liquid ejection unit, and liquid ejection device | |
JP2009220421A (en) | Nozzle plate, liquid droplet discharge head, liquid cartridge and image forming apparatus | |
JP2002240294A (en) | Liquid drop discharge head, its manufacturing method and ink jet recorder | |
JP2003094641A (en) | Droplet discharge head and manufacturing method therefor | |
JP5168756B2 (en) | Liquid ejection head and image forming apparatus | |
JP4527466B2 (en) | Liquid ejection head and image forming apparatus | |
JP2002210984A (en) | Nozzle forming member, liquid drop ejection head, and its manufacturing method | |
JP4408582B2 (en) | Inkjet head and inkjet recording apparatus | |
JP2001277502A (en) | Liquid drop ejection head and ink jet recorder | |
JP2004167951A (en) | Liquid jet head, manufacturing method for the same, ink cartridge, and inkjet recorder | |
JP4541006B2 (en) | Droplet discharge head and image forming apparatus | |
JP2002103632A (en) | Liquid drop discharge head, its manufacturing method and ink jet recorder | |
JP2005059255A (en) | Inkjet head and inkjet recording apparatus | |
JP2009220396A (en) | Nozzle plate, liquid droplet ejection head, liquid cartridge and inkjet recorder | |
JP2004306396A (en) | Liquid droplet ejection head and its manufacturing process, ink cartridge and ink jet recorder | |
JP2004114315A (en) | Liquid drop ejecting head, ink cartridge, and inkjet recorder |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060728 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20090210 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090306 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090529 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090707 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090907 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091006 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |