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JP4392809B2 - スチレン系樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

スチレン系樹脂組成物及びフィルム Download PDF

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JP4392809B2 JP36267298A JP36267298A JP4392809B2 JP 4392809 B2 JP4392809 B2 JP 4392809B2 JP 36267298 A JP36267298 A JP 36267298A JP 36267298 A JP36267298 A JP 36267298A JP 4392809 B2 JP4392809 B2 JP 4392809B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルム中のゲルが少なく、フィルム特性に優れることとなるスチレン系樹脂組成物及びフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビニル芳香族炭化水素含有量が比較的高い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して射出成形用途、シート、フィルム等の押し出し成形用途等に使用されている。従来から透明で耐衝撃性等の機械特性を向上させるため、いくつかのビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体及び製造方法、或いはその組成物が提案されている。例えば特開昭52−58788号公報には透明性と耐衝撃性を改良する目的で触媒を分割添加した分岐状ブロック共重合物が、特開昭58−141233号公報には透明性や表面光沢性などの外観特性及び耐衝撃性に優れた熱可塑性重合体組成物を得るため、分子量の増加と共に変化する組成分布を有するブロック共重合体混合物と熱可塑性樹脂との組成物が、特開平4−277509号公報には環境応力亀裂性を改良するため、触媒を分割添加した漸変性ブロック共重合体の製造方法が、特開昭63−145314号公報には透明性と機械的特性を得るため、S1−B1−B/S−S2構造のブロック共重合体の製造方法が、特開平7−97418号公報には透明性と耐衝撃性及びビニル芳香族炭化水素重合体の補強性を改良するため、ブロック率、重合体ブロックの配置、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのランダム共重合した部分の共役ジエン量比率等に特徴を持たせたブロック共重合体が記載されている。しかしながら、これらのブロック共重合体又はブロック共重合体混合物は、スチレン系樹脂組成物の比較的薄いシート及びフィルム成形品とした時の成形品中のゲルレベル(フィシュアイ)と強度及び伸び等の物性のバランスが十分ではなく、これらの文献にはそれらを改良する方法に関して何ら開示されておらず、依然として市場での問題点が指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ゲルレベル(フィシュアイ)が良好で、物性バランスに優れるスチレン系樹脂組成物からなる薄いシート、フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、180〜240℃の粘度挙動が特定の範囲にあるポリスチレン樹脂とブロック共重合体、更にはそれに特定の安定剤を組み合わせることによって、組成物のフィシュアイ(以後FEと記す)を大幅に低減することが可能となったことを見いだし完成されたものである。
【0005】
即ち、
[1](I)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックと共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロック又は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%〜85重量%、共役ジエン含有量が35重量%〜15重量%で、ブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率が50重量%〜97重量%以下あるブロック共重合体と、
(II)下記の範囲内であるポリスチレン樹脂で、(I)と(II)の重量比が5/95〜70/30であり、
安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートの少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、(III)ゴム変性スチレン系樹脂を(I)と(II)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部添加してなることを特徴とするスチレン系樹脂組成物
180℃において、38000〜42000Poise、
190℃において、30000〜31500Poise、
200℃において、24000〜25000Poise、
210℃において、19000〜20000Poise、
220℃において、14500〜18000Poise、
230℃において、12000〜14000Poise、
240℃において、9700〜11500Poise、
(ただし、粘度(Poise)の測定条件は、キャピログラフ(東洋精機(株)社製)を用い、シェアー(SR)が61sec-1 の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラリー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)が1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、180〜240℃の範囲で10℃毎に測定した。)
[2]前記[1]記載のスチレン系樹脂組成物を50μm以下の厚さに成形してなるフィルムであって、その破断伸びが5〜100%の範囲で、引張弾性率が12000〜17000Kgf/cm2 の範囲にあるフィルムである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明に使用するブロック共重合体は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを重合することにより得るものである。
本発明に使用するブロック共重合体に用いられるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0007】
本発明に使用するブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は65重量%〜85重量%、好ましくは70〜80重量%、共役ジエン含有量は35重量%〜15重量%、好ましくは30〜20重量%である。ビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%未満、共役ジエン含有量が35重量%を超えると成形品中のFEが多くなり、逆にビニル芳香族炭化水素含有量が85重量%を超え、共役ジエン含有量が15重量%未満では、成形品の伸びが低下するため好ましくない。また、ブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率は50重量%〜97重量%、好ましくは60重量%〜95重量%である。50重量%未満ではフィルム加熱時の伸びが大きくなり、寸法安定性に劣るため、成形加工時に問題が生じる。また、97重量%を超えるとフィルムの伸びが劣るため好ましくない。
【0008】
ビニル芳香族炭化水素ブロックのブロック率は、ブロック共重合体の製造時に少なくとも一部のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンが共重合する工程のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの重量、重量比、重合反応性比等を変えることによりコントロールすることができる。具体的な方法としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は極性化合物或はランダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する等の方法が採用できる。極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0009】
尚、本発明においてブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率とは、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を定量し、次の式から求めた値を云う。
【0010】
ブロック率(重量%)=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量%/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の重量%)×100
本発明に使用するブロック共重合体は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックと共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロック又は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを有するブロック共重合体で、例えば下記の一般式のものが挙げられる。
【0011】
(イ)A−(B−A)n (ロ)A−(B−A)n −B
(ハ)B−(A−B)n+1
で表される線状ブロック共重合体、或いは一般式
(ニ)[(A−B)km+2−X (ホ)[(A−B)k−A]m+2−X
(ヘ)[(B−A)km+2−X (ト)[(B−A)k−B]m+2−X
で表されるラジアルブロック共重合体(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素重合体重合体ブロックを示す。Bは共役ジエン重合体ブロックと共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロック又は共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを示す。Xはカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)である。
【0012】
本発明に使用するブロック共重合体の好ましい数平均分子量は、5万〜30万、より好ましくは7万〜25万の範囲である。数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)用の単分散ポリスチレンをGPCにより、そのピークカウント数と単分散ポリスチレンの数平均分子量との検量線を作成し、常法(例えば「ゲルクロマトグラフィー<基礎編>」講談社発行)に従って算出できる。
【0013】
本発明のブロック共重合体の好ましいメルトフローインデックス(JISK−6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工の点から0.1〜50g/10min、好ましくは1〜20g/10minである。本発明で使用するポリスチレン樹脂は、180℃〜240℃の範囲における粘度が、前記に示すとおりの範囲内のものである。図1に式(1)と式(2)の値を示した。粘度が式(1)の値を超える場合は比較的小さなFEが多くなり、好ましくない。また、粘度が式(2)の値未満の場合は比較的大きなFEが発生するため、好ましくない。
【0014】
本発明で使用するポリスチレン樹脂の粘度はキャピログラフ(東洋精機(株)社製)で測定した、シェアーレート(SR)が61sec-1の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラリー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)が1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、180〜240℃の温度範囲で測定するものである。
【0015】
本発明で使用するポリスチレン樹脂は、マス重合或いはマス−サスペンジョン重合等の従来公知の方法で製造できる。また、180〜240℃の粘度は分子量、分子量分布、分岐等を調整することで、或いは例えばミネラルオイル、有機酸、有機酸エステル等の種々の添加剤を添加する方法によって制御することができる。
【0016】
本発明の組成物には安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートの少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、より一層のFE抑制効果を得ることができる。安定剤が0.05重量部未満ではFEが発生するため好ましくなく、3重量部を超えて添加しても本発明以上のFE抑制効果に寄与しない。本発明のスチレン系樹脂組成物にはn−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加しても良い。
【0017】
本発明の組成物の滑り性と耐衝撃性を改良する目的で、ゴム変性スチレン系樹脂をブロック共重合体とポリスチレン系樹脂の合計100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部添加することができる。ゴム変性スチレン系樹脂の添加量が0.5重量部未満では、滑り性が十分でなく、20重量部を超えると透明性が損なわれるため好ましくない。
【0018】
本発明の組成物は、厚さ50μm以下のフィルムとして用いることができる。フィルムの特性は、伸びが5〜100%の範囲、引張弾性率が12000〜17000Kgf/cm2の範囲である。フィルムの伸びが5%未満では、フィルムを成形品等に被覆する際に破断する問題が生じるため好ましくなく、100%を超えてもそれ以上の効果は得られない。また、引張弾性率が12000Kgf/cm2未満では剛性が低いため成形品等に被覆する際に皺が生じる等好ましくない。また、17000Kgf/cm2を超えると耐衝撃性が低下するため好ましくない。
【0019】
本発明の組成物は、従来公知のあらゆる配合方法によって製造することができる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。
【0020】
本発明の組成物は必要に応じて任意の添加剤を含むことができる。添加剤の種類はプラスチックの配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス繊維,ガラスビーズ,シリカ,炭カル,タルク等の無機補強剤、有機繊維,クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パーオキサイド,無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン白,カーボンブラック,酸化鉄等の顔料,染料,難燃剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,帯電防止剤,滑剤,可塑剤,その他の増量剤或はこれらの混合物があげられる。
【0021】
本発明の組成物はそのままで或は着色して通常の熱可塑性樹脂と同様の加工手段によって成形し、あらゆる用途に使用できる。例えば、射出成形、吹込成形方法等によるOA機器部品、日用品、食品、雑貨、弱電部品等の容器に使用することができる。取り分け、FEが少ない特徴を生かし、ラミネート用フィルム等の薄いフィルムに好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。表1に実施例、比較例に使用したブロック共重合体を示した。ブロック共重合体はシクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、表1のポリマー構造欄に記載されている順序、量のモノマーを添加して重合した。重合終了後、メタノールを添加して重合反応を停止した後、表3に示した安定剤量を添加し、溶剤を留去してブロック共重合体を回収した。得られたブロック共重合体のメルトフローインデックス(M.I:JISK−6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重5Kg)は全て5〜10の範囲であった。
【0023】
表2に実施例、比較例に使用したポリスチレン樹脂を示した。ポリスチレン樹脂はスチレン90重量%とエチルベンゼン10重量%の混合液に開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを添加したモノマーを完全混合型反応器に続いて直列に配置された3槽の層流型反応器を有する重合反応装置に連続的に仕込んだ。開始剤量及び反応温度、反応滞留時間等の条件は、表2のM.I(JISK−6870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重5Kg)、粘度となるように任意に調整した。粘度(Poise)の測定条件は、キャピログラフ(東洋精機(株)社製)を用い、シェアー(SR)が61sec-1の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラリー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)が1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、180〜240℃の範囲で10℃毎に測定した。
【0024】
【実施例1〜及び比較例1〜
表3の配合組成に従って、40mmシート押出機を用いて押出温度200℃で厚さ0.5mmのシートを成形した。配合したHIPSはスタイロン475D(旭化成(株)社製)を使用した。このシートの透明性(Haze:シート表面に流動パラフィンを塗布し、ASTM D1003に準拠して測定)を測定し、次にこのシートを2軸延伸することによって厚さ0.05mmのフィルムを作成して、引張弾性率と破断伸びを測定した(引張速度は5mm/min、試験片は幅が10mm、標線間が20mm)。FEは厚さ0.3mmのシートを40mmシート押出機で押出温度235℃の条件で6時間連続運転を行い、運転開始5分後と6時間後のシート面積300cm2 当たりの0.5mm以上のFE個数の差をカウントして評価した(○:差が50個未満、△:差が50個以上、100個以下、×:差が100個を超える)。
【0025】
【表1】
Figure 0004392809
【0026】
【表2】
Figure 0004392809
【0027】
【表3】
Figure 0004392809
【0028】
【発明の効果】
本発明のスチレン系樹脂組成物を用いたフィルムはFEが良好で、透明性、引張弾性率及び破断伸びに優れている。取り分け、FEが良好な特徴を生かして、薄いシート、フィルム等の押出成形品をラッピングフィルムとして、又は発泡容器等へのラミネートフィルム用途等に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するポリスチレン樹脂の180〜240℃の範囲における式(1)と式(2)の粘度の値を図示したグラフである。

Claims (2)

  1. (I)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックと共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロック、又は、少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエンとビニル芳香族炭化水素重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が65重量%〜85重量%、共役ジエン含有量が35重量%〜15重量%で、ブロック共重合体中に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのブロック率が50重量%〜97重量%以下であるブロック共重合体と、
    (II)180℃〜240℃の範囲における粘度が、下記の範囲内であるポリスチレン樹脂で、(I)と(II)の重量比が5/95〜70/30であり、
    安定剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t−アミルフェニルアクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートの少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、(III)ゴム変性スチレン系樹脂を(I)と(II)の合計100重量部に対して0.5〜20重量部添加してなることを特徴とするスチレン系樹脂組成物
    180℃において、38000〜42000Poise、
    190℃において、30000〜31500Poise、
    200℃において、24000〜25000Poise、
    210℃において、19000〜20000Poise、
    220℃において、14500〜18000Poise、
    230℃において、12000〜14000Poise、
    240℃において、9700〜11500Poise、
    (ただし、粘度(Poise)の測定条件は、キャピログラフ(東洋精機(株)社製)を用い、シェアー(SR)が61sec-1 の値である。キャピログラフの測定条件は、キャピラリー長さ(L)が10.0mm、キャピラリー径(D)が1.00mm、バレル径(B)が9.50mmで、180〜240℃の範囲で10℃毎に測定した。)。
  2. 請求項1記載のスチレン系樹脂組成物を50μm以下の厚さに成形してなるフィルムであって、その破断伸びが5〜100%の範囲で、引張弾性率が12000〜17000Kgf/cm2の範囲にあるフィルム。
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