JP4389777B2 - 副室式内燃機関 - Google Patents
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Description
本発明の前提となる副室式内燃機関1の構成及び動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。
図1に、副室式内燃機関1の断面図を示す。
副室式内燃機関1では、吸気ポート23に導入された新気空気に、燃料噴射弁27から燃料が噴射され、新気混合気が形成される。そして、吸気行程において、吸気用カム25により吸気バルブ21は開状態とされ、新気混合気は吸気ポート23から主燃焼室63へ導入される。吸気ポート23から導入された新気混合気は、主燃焼室63において概ね均質になる。
図2,図4及び図6に、副燃焼室61の拡大断面図を示す。図2,図4及び図6に示す断面図は、副燃焼室61の中心軸CA方向における断面図である。図3は、図2に示す III−III断面図である。図5は、図4におけるV−V断面図である。なお、図4,図6に示す断面図において、点火栓29は省略されている。
図2及び図3に示すように、圧縮行程において、均質な新気混合気は、第1連通路62a〜62dを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。第1連通路62a〜62dは、シリンダ軸(図示せず)に垂直な断面視において、副燃焼室61の中心軸CAに対してオフセットされており、副燃焼室61の半径方向Rに対して傾斜している。また、副燃焼室61は、略円筒形状である。このため、新気混合気の流れA81a,A81b,A81c,A81d(以下、A81a〜A81dとする)は、図2の点線の矢印に示すように、副燃焼室61の内周面73jに沿って旋回流A81eを形成する。
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関100について、図7及び図8を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
図7及び図8に、副燃焼室161の拡大断面図を示す。図7及び図8に示す断面図は、第1中心軸CA1方向における断面図である。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
圧縮行程において、新気混合気の流れA81a〜A81dは、点線の矢印で示すように、第1副燃焼室161eの内周面73aに沿って旋回流A81gを形成する。そして、新気混合気は、旋回流A81gを形成しながら、第1連通路62a〜62dから点火栓29の先端部分29aがある上方へと上昇していく(流れA81h,A81i参照)。このとき、第1副燃焼室161eの残留ガスは、上方へと上昇していく新気混合気に押されて、第2連通路161fを介して第2副燃焼室161gに押し込まれる。これにより、第1副燃焼室161eの残留ガスは、第2副燃焼室161gに滞留する。
(1)
ここでは、圧縮行程において新気混合気が主燃焼室63から第1連通路62a〜62dを介して副燃焼室161に導入された際に、第1副燃焼室161eの残留ガスは第2副燃焼室161gに滞留し、新気混合気は第1副燃焼室161e及び第2連通路161fに分布する。このため、副燃焼室161における気体は残留ガスと新気混合気との2層に成層化する。
ここでは、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63と第1副燃焼室161eとを連通している。第1連通路62a〜62dは、シリンダ軸(図示せず)に垂直な断面視において、第1副燃焼室161eの第1中心軸CA1に対してオフセットされ、第1副燃焼室161eの半径方向Rに対して傾斜している(図3参照)。また、第1副燃焼室161eは、第1中心軸CA1に垂直な断面が略円形である。これにより、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63から副燃焼室161に導入された新気混合気を、第1副燃焼室161eの内周面73a(図7参照)に沿って旋回させ、副燃焼室161に新気混合気の旋回流A81g(図7参照)を形成させる。
ここでは、第1副燃焼室161eの容積は、第2副燃焼室161gの容積よりも大きい。具体的には、副室容積比は、有効圧縮比と略同じ値である。
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する代わりに、主燃焼室63に直接燃料を噴射してもよい。第1副燃焼室161eは、第1中心軸CA1を中心軸とする略円筒形状の部分と膨出した半球状の底面とを有している代わりに、第1中心軸CA1を中心軸とする略円筒形状であってもよいが、それらに限定されるものではない。第2副燃焼室161gは、第2中心軸CA2を中心軸とする略円筒形状であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関200について、図9及び図10を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
図9及び図10に、副燃焼室261の拡大断面図を示す。図9及び図10に示す断面図は、第1中心軸CA1方向における断面図である。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
圧縮行程において、新気混合気の流れA81a〜A81dは、点線の矢印で示すように、第1副燃焼室261hの内周面73dに沿って旋回流A81jを形成する。そして、新気混合気は、旋回流A81jを形成しながら、第1連通路62a〜62dから点火栓29の先端部分29aがある上方へと上昇していく(流れA81k,A81m参照)。
(1)
ここでは、圧縮行程において新気混合気が主燃焼室63から第1連通路62a〜62dを介して副燃焼室261に導入された際に、第1副燃焼室261hの残留ガスは第2副燃焼室261jに滞留し、新気混合気は第1副燃焼室261h及び第2連通路261iに分布する。このため、副燃焼室261における気体は残留ガスと新気混合気との2層に成層化する。
ここでは、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63と第1副燃焼室261hとを連通している。第1連通路62a〜62dは、シリンダ軸(図示せず)に垂直な断面視において、第1副燃焼室261hの第1中心軸CA1に対してオフセットされ、第1副燃焼室261hの半径方向Rに対して傾斜している(図3参照)。また、第1副燃焼室261hは、第1中心軸CA1に垂直な断面が略円形である。これにより、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63から第1副燃焼室261hに導入される新気混合気を、第1副燃焼室261hの内周面73d(図9参照)に沿って旋回させ、第1副燃焼室261hに新気混合気の旋回流A81j(図9参照)を形成させる。
ここでは、第1副燃焼室261hの容積は、第2副燃焼室261jの容積よりも大きい。具体的には、副室容積比は、有効圧縮比と略同じ値である。
ここでは、バッフル板265は、副燃焼室261を第1副燃焼室261hと第2副燃焼室261jとに分割している。このため、副燃焼室261における冷却損失が低減されるので、副燃焼室261における燃焼速度の低下は抑制される。この結果、副燃焼室261における点火は安定化する。
ここでは、バッフル板265は、板状の形状である。このため、バッフル板265は容易に形成される。
ここでは、第1副燃焼室261hは、第1中心軸CA1に対して線対称な形状である。また、第2副燃焼室261jは、第2中心軸CA2に対して線対称な形状である。そして、第2中心軸CA2は、第1中心軸CA1と同一直線上にある。このため、新気混合気及び残留ガスが同一軸に対して線対称に旋回流を形成するので、新気混合気の旋回流A81j及び残留ガスの旋回流は、それぞれサイクル変動が小さく安定する。
ここでは、点火栓29の先端部分29aは、第1副燃焼室261hの第1中心軸CA1の近傍に配置されている。このため、新気混合気の旋回流A81jが安定している位置において、新気混合気が点火される。
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する代わりに、主燃焼室63に直接燃料を噴射してもよい。第1副燃焼室261hは、第1中心軸CA1を中心軸とする略円筒形状であることが好ましいが、それに限定されるものではない。第2副燃焼室261jは、第2中心軸CA2を中心軸とする略円筒形状であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関300について、図11〜図13を参照しながら、本発明の前提となる上記の副室式内燃機関1と異なる点を中心に説明する。
図11〜図13に、副燃焼室361の拡大断面図を示す。図11〜図13に示す断面図は、第1中心軸CA1方向における断面図である。なお、前提となる上記の副室式内燃機関1と同様の構成要素は、同じ番号で示している。
圧縮行程において、新気混合気の流れA81a〜A81dは、点線の矢印で示すように、第1副燃焼室361kの内周面73fに沿って旋回流A81pを形成する。そして、新気混合気は、旋回流A81pを形成しながら、第1連通路62a〜62dから点火栓29の先端部分29aがある上方へと上昇していく(流れA81q,A81r参照)。このとき、第1副燃焼室361kの残留ガスは、上方へと上昇していく新気混合気に押されて、第2連通路361mを介して第2副燃焼室361nに押し込まれる。これにより、第1副燃焼室361kの残留ガスは、第2副燃焼室361nに滞留する。
(1)
ここでは、圧縮行程において新気混合気が主燃焼室63から第1連通路62a〜62dを介して副燃焼室361に導入された際に、第1副燃焼室361kの残留ガスは第2副燃焼室361nに滞留し、新気混合気は第1副燃焼室361k及び第2連通路361mに分布する。このため、副燃焼室361における気体は残留ガスと新気混合気との2層に成層化する。
ここでは、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63と第1副燃焼室361kとを連通している。第1連通路62a〜62dは、シリンダ軸(図示せず)に垂直な断面視において、第1副燃焼室361kの第1中心軸CA1に対してオフセットされ、第1副燃焼室361kの半径方向Rに対して傾斜している(図3参照)。また、第1副燃焼室361kは、第1中心軸CA1に垂直な断面が略円形である。これにより、第1連通路62a〜62dは、主燃焼室63から第1副燃焼室361kに導入される新気混合気を、第1副燃焼室361kの内周面73f(図11参照)に沿って旋回させ、第1副燃焼室361kに新気混合気の旋回流A81pを形成させる。
ここでは、第1副燃焼室361kの容積は、第2副燃焼室361nの容積よりも大きい。具体的には、副室容積比は、有効圧縮比と略同じ値である。
ここでは、第1副燃焼室361kは、主燃焼室63に近い部分の断面積よりも点火栓29の先端部分29aに近い部分の断面積の方が小さくなる。このため、点火栓29の先端部分29aは、点火した火炎の進行方向に断面積が広く取られている。この結果、副燃焼室361における燃焼は安定化する。
ここでは、第1副燃焼室361kは、第1中心軸CA1を中心軸とする略円錐形状の部分を含む。このため、第1副燃焼室361kの表面積は低減されているので、第1副燃焼室361kにおける冷却損失は低減される。また、旋回流A81pの流速が速められるので、第1副燃焼室361kにおける新気混合気の乱れは高められる。この結果、第1副燃焼室361kにおける燃焼速度が促進されるので、副燃焼室361における燃焼は安定化する。
ここでは、第1副燃焼室361kは、第1中心軸CA1に対して対称な形状である。また、第2副燃焼室361nは、第2中心軸CA2に対して対称な形状である。そして、第2中心軸CA2は、第1中心軸CA1と同一直線上にある。このため、新気混合気及び残留ガスが同一軸に対して対称に旋回流を形成するので、新気混合気の旋回流A81p及び残留ガスの旋回流は、それぞれサイクル変動が小さく安定する。
ここでは、点火栓29の先端部分29aは、第1副燃焼室361kの第1中心軸CA1の近傍に配置されている。このため、新気混合気の旋回流A81pが安定している位置において、新気混合気は点火される。
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する代わりに、主燃焼室63に直接燃料を噴射してもよい。第1副燃焼室361kは、第1中心軸CA1を中心軸とする略円錐形状であることが好ましいが、主燃焼室63に近い部分の断面積よりも点火栓29の先端部分29aに近い部分の断面積の方が小さくなる構造であれば、それに限定されるものではない。第2副燃焼室361nは、第2中心軸CA2を中心軸とする略円筒形状であることが好ましいが、それに限定されるものではない。
3 ピストン
10 シリンダブロック
20 シリンダヘッド
27 燃料噴射弁
29 点火栓
29a 先端部分(点火部)
61 副燃焼室
61e,61h,61k 第1副燃焼室
61f,61i,61m 第2連通路
61g,61j,61n 第2副燃焼室
62a〜62d 第1連通路
63 主燃焼室
73a〜73h,73j 内周面
265 バッフル板(分割部)
Claims (9)
- 主燃焼室と、
前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通している第1連通路と、
前記副燃焼室に設けられ、前記第1連通路を介して前記主燃焼室から前記副燃焼室に導入された新気混合気を点火する点火部と、
を備え、
前記副燃焼室は、
前記第1連通路を介して前記主燃焼室に連通されている第1副燃焼室と、
前記第1副燃焼室よりも前記主燃焼室から遠い位置に配置され、前記第1副燃焼室に隣接する第2副燃焼室と、
前記第1副燃焼室と前記第2副燃焼室とを連通している第2連通路と、
を有し、
前記点火部は、前記第1副燃焼室及び前記第2連通路のいずれかに設けられ、
前記第1副燃焼室の容積は、前記第2副燃焼室の容積よりも大きく、
前記第1副燃焼室の容積と前記第2副燃焼室の容積との合計を前記第2副燃焼室の容積で割った値である副室容積比は、有効圧縮比と略同じ値である、
副室式内燃機関。 - 前記副燃焼室を前記第1副燃焼室と前記第2副燃焼室とに分割する分割部をさらに備えた、
請求項1に記載の副室式内燃機関。 - 前記分割部は、板状の形状であり、
前記第2連通路は、前記分割部において開口されている部分である、
請求項2に記載の副室式内燃機関。 - 前記第1副燃焼室は、上死点における前記主燃焼室の容積中心と前記点火部とを結ぶ軸に垂直な断面について、前記主燃焼室に近い部分の断面積よりも前記点火部に近い部分の断面積の方が小さくなる、
請求項1に記載の副室式内燃機関。 - 前記第1副燃焼室は、略円錐形状の部分を含む、
請求項4に記載の副室式内燃機関。 - 前記第1副燃焼室は、第1中心軸に対して線対称な形状をしており、前記第1中心軸に垂直な断面が略円形であり、
前記第1連通路は、前記主燃焼室から前記第1副燃焼室に導入される新気混合気を、前記第1副燃焼室の内周面に沿って旋回させ、前記第1副燃焼室に前記新気混合気の旋回流を形成させる、
請求項1に記載の副室式内燃機関。 - 前記第1連通路は、シリンダ軸垂直断面視において、前記第1中心軸に対してオフセットされ、前記第1中心軸から放射状に延びる方向に対して傾斜している、
請求項6に記載の副室式内燃機関。 - 前記第1副燃焼室は、第1中心軸に対して線対称な形状をしており、
前記第2副燃焼室は、第2中心軸に対して線対称な形状をしており、
前記第1中心軸と前記第2中心軸とは、略同一直線上にある、
請求項1に記載の副室式内燃機関。 - 前記点火部は、前記第1中心軸の近傍に設けられている、
請求項8に記載の副室式内燃機関。
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