JP4384789B2 - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂の発泡成形体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、軽量で、スキン層に発泡がなく平滑であり、成形体表面にフラッシュ、スワルマークがなく、かつ、そり、ひけ等の変形のない、良好な外観を有する発泡成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリプロピレン系樹脂の発泡成形体の製造方法としては、発泡剤を含有するポリプロピレン系樹脂の射出成形による方法が提案されている(特公昭39−22213号公報、特公平7−77739号公報、特開平11−179752号公報等)。
【0003】
しかしながら、前記従来技術には以下の問題がある。すなわち、特公昭39−22213号公報に開示された方法では、金型キャビティ内に樹脂を充填する段階で発泡状態のコントロールが不十分であり、場合によっては充填段階で既に一部が発泡したものになってしまい、成形品表面にフラッシュ、スワルマーク等のない成形品を安定して得るのは困難である。また特公平7−77739号公報に開示された技術では、フラッシュ、スワルマーク等のない成形品を得るのに一定の効果は示すものの、近年望まれる大型成形品(インパネ、ドアトリム等)に対しては十分とは言えない場合があり、特に流動末端近傍にフラッシュ、スワルマークが発生しやすいという問題がある。また特開平11−179752号公報に開示された技術では、優れた発泡成形品が得られるものの、金型が特殊で汎用性に欠けると言った問題がある。
【0004】
また、表皮を発泡成形体に貼合した多層発泡成形体も提案されている(特開平4−148907号公報等)。これによると、発泡成形体表面が表皮に覆われるため、フラッシュ、スワルマークは問題とはならないが、工程が煩雑となり、コストがかかる等の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、上記の従来技術における問題点を解消し、表皮を貼合することなく、表面にフラッシュ、スワルマーク等のない発泡成形体であって、発泡成形体単層で大型成形品に適用しうる発泡成形体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の発泡成形方法で成形することにより、軽量で、かつ表面にフラッシュ、スワルマーク等のない良好な外観を備えた発泡成形体を製造できうることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、キャビティクリアランスを1.5〜0.5mmとし、該クリアランスを保持したまま、金型に設けた溶融樹脂供給口から、発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂を該溶融樹脂にかかる圧力が115kgf/cm2以上となり、かつキャビティ容量の30%以上となるように充填する第一工程、
上記溶融樹脂を樹脂圧115kgf/cm2以上に保ちながら、キャビティクリアランスを拡大し、該溶融樹脂を、得ようとする成形体の厚み未満まで充填する第二工程、
発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂の充填完了と同時に、該溶融樹脂に110kgf/cm2以上の圧力をかけながらスキン層を形成させる第三工程、
キャビティクリアランスを拡大し、発泡したコア層を形成させる第四工程とを含む発泡成形体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の発泡成形体の製造方法について詳細に説明する。
〔I〕発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂
本発明で用いられる、発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂とは、(1)ポリプロピレン系樹脂、(2)発泡剤並びに必要に応じて配合される(3)無機充填剤、(4)ゴム等からなる樹脂組成物である。
【0008】
(1)ポリプロピレン系樹脂
本発明のポリプロピレン系樹脂とは、ポリプロピレンを50重量%以上含有する樹脂若しくは樹脂組成物である。ポリプロピレンの種類は、特に制限されず、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体及びプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体から選択される1種若しくは2種以上のものであり、MFR(メルトフローレート)が好ましくは30〜200g/10分、特に好ましくは50〜150g/10分のものである。MFRが30g/10分未満であると、充填が困難である他、発泡倍率が上がらない、またはフローマーク等の外観不良が発生する等の問題が生じ、一方、200g/10分を超えると機械物性が低下する傾向がある。プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体及び/またはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体に用いられるα−オレフィンは、炭素数が2〜10(プロピレンを除く)のものであって、その含量は0.5〜20重量%であることが好ましい。
【0009】
(2)発泡剤
本発明で用いる発泡剤は、化学発泡剤または物理発泡剤のいずれでも良いが、混練作業面から、化学発泡剤を用いることが好ましい。上記化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスチレンスルホニルヒドラジド、p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム等を挙げることができる。また、物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン等を挙げることができる。これらの発泡剤は、発泡助剤、架橋剤、核剤等と併用しても良い。これらの発泡剤は、上記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部配合される。
【0010】
(3)無機充填剤
本発明の発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂の一成分とすることができる無機充填剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、繊維状チタン酸カリウム、繊維状マグネシウムオキサルフェート、繊維状硼酸アルミニウムなどのウイスカー類及び炭素繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。これらの中でもタルクを用いることが好ましい。これらの無機充填剤は、上記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜10重量部配合される。
【0011】
(4)ゴム
本発明の発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂の一成分とすることができるゴムとしては、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合ゴム等のポリオレフィン系ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体等のスチレン系ゴム等を挙げることができる。これらのゴムは、上記ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部配合される。
【0012】
上記発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂の製造方法は、従来公知の方法のいずれをも採用することができる。
【0013】
〔II〕発泡成形体の製造方法
本発明の発泡成形体の製造方法について、工程毎に分けて詳細に説明する。
(1)第一工程
キャビティクリアランス、すなわち、雌雄一対の金型によって形成される樹脂充填領域(空隙)の成形体厚さに相当する方向の金型キャビティ表面間の距離は、1.5〜0.5mm、好ましくは1.4〜0.7mm、さらに好ましくは1.3〜1mmとする。該キャビティクリアランスが1.5mmを超えるとスワルマークが発生し、一方、0.5mm未満では充填が困難となる。該クリアランスは、金型に設けた溶融樹脂供給口から、前記発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂をキャビティ容量の30%以上充填するまでは、保持する必要があり、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上を充填するまで該クリアランスを保持する。キャビティ容量の30%未満の溶融樹脂充填量にて該クリアランスの保持を停止するとスワルマークが発生する。該保持時間は、キャビティ容量や射出スピードにもよるが、通常0.1〜2秒である。その際、発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂の樹脂圧は100kgf/cm2以上、好ましくは115kgf/cm2以上、さらに好ましくは130〜200kgf/cm2とする。該樹脂圧が100kgf/cm2未満では流動末端にスワルマークが発生する。一方、該樹脂圧が高すぎると、そりを発生する場合があるが、プロピレン系樹脂のMFR、金型温度等を調整すれば良い。
【0014】
(2)第二工程
上記の樹脂圧を100kgf/cm2以上、好ましくは115kgf/cm2以上、さらに好ましくは130〜200kgf/cm2に保持する。該樹脂圧が100kgf/cm2未満ではスワルマークが生じたり、表面平滑性に問題を生ずる。溶融樹脂の充填時間は、好ましくは0.1〜10秒、さらに好ましくは0.5〜4秒である。クリアランスの拡大スピードは、溶融樹脂の充填スピードでコントロールするが、おおよそ0.1〜2mm/s程度である。
【0015】
(3)第三工程
上記の溶融樹脂の充填完了と同時にキャビティクリアランス拡大(移動)を停止する。樹脂圧は100kgf/cm2以上、好ましくは110kgf/cm2以上、さらに好ましくは120〜300kgf/cm2を保持する。該樹脂圧が100kgf/cm2未満ではスワルマークが生じたり、表面平滑性に問題を生ずる。該状態を、一定時間継続し、表面にスキン層を形成させる。一定時間とは、樹脂温度、金型温度にもよるが、0.1〜5秒の範囲とすることが、次工程において発泡コア層を形成させ易いので好ましい。上記スキン層とはキャビティに接した部分に形成される固化層をさす。また、上記時間の調整によりスキン層の厚さ、すなわち、スキン層と、未だ固化していない溶融樹脂層との厚さの比をコントロールすることができる。0.1〜5秒の保持時間にてスキン層は0.05〜0.1mm程度の厚さとなっている。
【0016】
第一工程より第三工程を通じて樹脂圧は100kgf/cm2以上を保持する必要があるが、各工程間及び/または各工程中で樹脂圧は一定でも異なっていても良い。樹脂温度、金型温度等は通常の条件を採用できる。具体的には樹脂温が160〜350℃、金型温度が10〜90℃であることが好ましい。
【0017】
(4)第四工程
第四工程において、溶融樹脂内部は固化しておらず発泡可能な状態にあり、キャビティクリアランスを拡大することで、発泡層を形成させる。該クリアランスを一気に拡大しキャビティ表面と成形体表面の空隙を埋めるように発泡させる方法、キャビティ表面と成形体表面の接触を保ちながら発泡に合わせてクリアランスを徐々に拡大する方法のどちらでも採用できるが、内部発泡セルの痕跡の観点から後者が好ましい。好ましい型開スピードは0.1〜2mm/sである。発泡コア層を形成させる際、成形体表面には、すでにスキン層が存在するため、スワルマーク及びフラッシュが発生することはない。また、拡大したキャビティクリアランスの距離は、得ようとする成形体の厚さ以上、好ましくは得ようとする成形体の厚さの1.01〜1.5倍、さらに好ましくは得ようとする成形体の厚さの1.02〜1.3倍とする。あまりに過発泡させ過ぎると次工程(圧縮行程)でセルつぶれが生じ成形体の剛性、耐衝撃性が低下する場合がある。
【0018】
(5)第五工程
得ようとする成形体の厚さまでクリアランスを縮小し成形体を圧縮、冷却する。該工程の追加により、発泡成形体のひけ、そりが低減し外観が向上する。樹脂にかける圧力は5〜200kgf/cm2、好ましくは10〜150kgf/cm2、さらに好ましくは30〜100kgf/cm2である。該圧力が5kgf/cm2未満ではひけ、そりが発生する。一方、該圧力が200kgf/cm2以上ではセルつぶれが生じ成形体の剛性、耐衝撃性が低下する。
【0019】
〔III〕発泡成形体
本発明の発泡成形体の発泡倍率は、好ましくは1.3倍以上、さらに好ましくは1.4倍以上、特に好ましくは1.5倍以上である。発泡倍率が高いほど軽量化に寄与する。発泡倍率が1.3倍未満では、十分な軽量化効果が得られない場合がある。本発明の製造方法によれば、1.3倍以上の発泡倍率でも表面にフラッシュ、スワルマーク等のない発泡成形体が得られる。ここで、発泡倍率とは、成形体の厚さを第三工程終了時のキャビティクリアランスにて除した数値である。本発明の発泡成形体のセルサイズは、短径が10〜200μm、好ましくは10〜100μm、長径が30〜500μm、好ましくは30〜300μmである。また、セルを有している独立気泡率が20%以上、好ましくは65〜100%のものである。このようにして得られた発泡成形体は、各種用途の射出成形体として利用することができる。具体的には、ドアトリム、インスツルメントパネル、レバー、ノブ、内張などの自動車内装部品を挙げることができる。特にドアトリム、インスツルメントパネルのような大型部品に好適である。大型部品とは投影面積にて0.05m2以上、さらには0.10m2以上、特には0.20m2以上の面積を有するものである。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
成形機は神戸製鋼所製複合射出圧縮成形機VFP500を用い、金型はドアトリムモデル(投影面積0.6m2、長辺1.1m、短辺0.55m)成形用金型を用いた。また、樹脂温度は220℃とし、金型温度は40℃とした。
発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂としてノバテックPP・BC10AHA(日本ポリケム製プロピレン・エチレンブロック共重合体、MFR=100g/10分)100重量部に対し発泡剤であるファインブローS20N(三菱化学製)3重量部を混合したものを用い、以下の工程で発泡成形体の製造を行った。
図1に示す本発明方法に関する概念図を用いて説明を行う。
【0021】
(第一工程)上記発泡剤含有プロピレン系溶融樹脂の供給開始時のキャビティクリアランスを1.0mmとし、キャビティ内での溶融樹脂圧力が150kgf/cm2となるように、キャビティ容量の50%まで、該溶融樹脂の充填を行った。(図1、B〜C)
(第二工程)キャビティ内の溶融樹脂圧力が150kgf/cm2となるように、キャビティクリアランスを2.0mmまで拡大させながら上記溶融樹脂の充填を行った。(図1、C〜D)
(第三工程)上記溶融樹脂充填完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂に圧力150kgf/cm2をかけながら1.0秒間保持し、スキン層を形成させた。(図1、D〜E)
(第四工程)キャビティクリアランスを3.5mmまで拡大し、発泡コア層を形成させた。(図1、E〜F)
(第五工程)キャビティ内の樹脂圧力が50kgf/cm2となるように圧縮し、30秒間保持して冷却を行った。(図1、F〜G〜H)
このようにして得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0022】
比較例1
第一工程における溶融樹脂供給開始時のキャビティクリアランスを2.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0023】
比較例2
第一工程におけるキャビティ内での溶融樹脂圧力を50kgf/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0024】
比較例3
第一工程におけるキャビティ容量に対する溶融樹脂充填率を20%としたこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0025】
比較例4
第二工程におけるキャビティ内での溶融樹脂圧力を50kgf/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0026】
比較例5
第三工程におけるキャビティ内での溶融樹脂圧力を50kgf/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0027】
実施例2
以下の工程としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。
(第一工程)上記発泡剤含有プロピレン系溶融樹脂の供給開始時のキャビティクリアランスを1.0mmとし、キャビティ内での溶融樹脂圧力が130kgf/cm2となるように、キャビティ容量の80%まで、該溶融樹脂の充填を行った。(図1、B〜C)
(第二工程)キャビティ内での溶融樹脂圧力が130kgf/cm2となるように、キャビティクリアランスを4.0mmまで拡大させながら上記溶融樹脂の充填を行った。(図1、C〜D)
(第三工程)上記溶融樹脂充填完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂に圧力120kgf/cm2をかけながら2.0秒間保持し、スキン層を形成させた。(図1、D〜E)
(第四工程)キャビティクリアランスを8.5mmまで拡大し、発泡コア層を形成させた。(図1、E〜F)
(第五工程)キャビティ内の樹脂圧力が30kgf/cm2となるように圧縮し、60秒間保持して冷却を行った。(図1、F〜G〜H)
このようにして得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0028】
比較例6
第一工程における溶融樹脂供給開始時のキャビティクリアランスを3.0mmとしたこと以外は実施例2と同様にして発泡成形体の製造を行った。得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0029】
実施例3
以下の工程としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。
(第一工程)上記発泡剤含有プロピレン系溶融樹脂の供給開始時のキャビティクリアランスを1.2mmとし、キャビティ内での溶融樹脂圧力が200kgf/cm2となるように、キャビティ容量の30%まで、該溶融樹脂の充填を行った。(図1、B〜C)
(第二工程)キャビティ内での溶融樹脂圧力が200kgf/cm2となるように、キャビティクリアランスを2.0mmまで拡大させながら上記溶融樹脂の充填を行った。(図1、C〜D)
(第三工程)上記溶融樹脂充填完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂に圧力250kgf/cm2をかけながら1.0秒間保持し、スキン層を形成させた。(図1、D〜E)
(第四工程)キャビティクリアランスを3.5mmまで拡大し、発泡コア層を形成させた。(図1、E〜F)
(第五工程)キャビティ内の樹脂圧力が30kgf/cm2となるように圧縮し、30秒間保持して冷却を行った。(図1、F〜G〜H)
このようにして得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0030】
実施例4
以下の工程としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体の製造を行った。
(第一工程)上記発泡剤含有プロピレン系溶融樹脂の供給開始時のキャビティクリアランスを1.0mmとし、キャビティ内での溶融樹脂圧力が200kgf/cm2となるように、キャビティ容量の40%まで、該溶融樹脂の充填を行った。(図1、B〜C)
(第二工程)キャビティ内での溶融樹脂圧力が200kgf/cm2となるように、キャビティクリアランスを2.0mmまで拡大させながら上記溶融樹脂の充填を行った。(図1、C〜D)
(第三工程)上記溶融樹脂充填完了と同時に、キャビティ内の溶融樹脂に圧力250kgf/cm2をかけながら1.0秒間保持し、スキン層を形成させた。(図1、D〜E)
(第四工程)キャビティクリアランスを4.0mmまで拡大し、発泡コア層を形成させた。(図1、E〜F)
(第五工程)キャビティ内の樹脂圧力が30kgf/cm2となるように圧縮し、30秒間保持して冷却を行った。(図1、F〜G〜H)
このようにして得られた発泡成形体の肉厚、発泡倍率、外観を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明の発泡成形体の製造方法は、発泡剤含有ポリプロピレン系樹脂を特定の方法にて発泡成形するので、軽量で、スキン層は発泡がなく平滑であり、成形体表面にフラッシュ、スワルマークがなく、かつ、そり、ひけ等の変形のない、良好な外観を有する発泡成形体が得られる。従って、本発明の方法で得られる発泡成形体は、表皮を貼合することなく発泡成形体単層にて自動車内装部品であるドアトリム、インスツルメントパネル等の大型部品に用いることが可能となるので工業的な価値は大きい。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡成形体の製造方法を説明する概念図である。
Claims (5)
- キャビティクリアランスを1.5〜0.5mmとし、該クリアランスを保持したまま、金型に設けた溶融樹脂供給口から、発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂を該溶融樹脂にかかる圧力が115kgf/cm2以上となり、かつキャビティ容量の30%以上となるように充填する第一工程、
上記溶融樹脂を樹脂圧115kgf/cm2以上に保ちながら、キャビティクリアランスを拡大し、該溶融樹脂を、得ようとする成形体の厚み未満まで充填する第二工程、
発泡剤含有ポリプロピレン系溶融樹脂の充填完了と同時に、該溶融樹脂に110kgf/cm2以上の圧力をかけながらスキン層を形成させる第三工程、
キャビティクリアランスを拡大し、発泡したコア層を形成させる第四工程、
を含む発泡成形体の製造方法。 - 上記第一工程におけるキャビティクリアランスを1.5〜1mmとする請求項1に記載の発泡成形体の製造方法。
- 上記に加えてさらに、樹脂にかける圧力5〜200kgf/cm2にて、得ようとする成形体の厚みまで圧縮し、冷却する第五工程を含む請求項1又は2に記載の発泡成形体の製造方法。
- 発泡成形体の発泡倍率が1.3倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形体の製造方法。
- 発泡成形体の投影面積が0.05m2以上である請求項1〜4のいずれかに記載の発泡成形体の製造方法。
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