JP4383616B2 - Closure with plastic pull ring - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の容器の口部に設けられるキャップなどの閉鎖体に関するものであり、特に、樹脂製のプルリングを指で引っ張ってスコアを引き裂くことにより開口が形成される樹脂製プルリング付閉鎖体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スコアの引き裂きにより内容物注出用開口が形成されるタイプの樹脂キャップなどの閉鎖体が、各種の飲料や調味料などが充填された容器の蓋として広く市販されている。
例えば樹脂キャップにおいては、容器口部に固定されるキャップ本体の頂板部により、容器の開口が閉鎖され、この頂板部には、注出用開口形成用のスコアがリング状に形成されており、該スコアで区画された領域内に、支柱を介して樹脂製プルリングが設けられている。即ち、このプルリングに指を引っ掛け、プルリングを引っ張ってスコアを引き裂くことにより、頂板部に開口が形成され、この開口を通して容器内容物の注出が行われるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の様なプルリングを引っ張ってのスコアの引き裂きにより開口を形成する従来公知の閉鎖体においては、プルリングを引っ張った時に、スコアの引き裂き抵抗が高いと指が痛くなるという問題があった。
例えば、上記のような従来公知の閉鎖体に設けられる樹脂製プルリングの要部断面を示す図5において、このプルリング50では、その外周面51は、なだらかな曲率面となっているが、成形後の型抜き性を向上させるために、その内周面52は、垂直な平坦面に形成されている。
図5から明らかな様に、この様な形状のプルリング50は、外周面51と内周面52とが連なる下端部55が、シャープなエッジとなっている。このため、プルリング50を強く引っ張ってスコアを引き裂く場合、指で下端部55のシャープなエッジを強く掴まなければならず、この結果、このエッジが指に食い込み、スコアの引き裂きに際して、指が痛くなるという問題を生じるのである。特に、スコアの引き裂き抵抗が高い場合には、かなりの痛みを生じることとなる。
【0004】
この様な指痛対策として、例えば特開平9−301411号公報には、プルリングの下端部が角部のない円滑面となっている密封キャップが開示されている。しかしながら、上記先行技術のキャップは、同公開公報の図2からも明らかな通り、プルリング7の内周面全体を、外周面と共に曲率面とすることにより、下端部を円滑面とするものであるため、キャップ成形後の型抜きに問題を生じてしまう。
即ち、このような形状のキャップでは、プルリング7の外周面形成用の型の引き抜きは、内周面形成用の型を引き抜いた後に行われるため、その型抜きを無理抜きとすることができるが、内周面を形成する型の引き抜きは無理抜きとすることができない。この結果、内周面形成用の型を割型とする等の複雑な機構を採用しなければならず、成形性の著しい低下を招く。また、プルリングの様に径の小さいものでは、割型を用いることが著しく困難である。
【0005】
従って、本発明の目的は、プルリングの指での引っ張りによるスコアの引き裂きに際して指痛を生じることがなく、しかも、プルリング内周面形成用の型の成形後の引き抜きを無理抜きとすることができ、成形性にも優れた樹脂製プルリング付閉鎖体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器に形成されている開口部を閉鎖するための閉鎖部と、該閉鎖部に設けられた開口形成用のスコアと、該スコアにより区画された領域内に該スコアに隣接して設けられた支柱と、該支柱に連なるスコア引き裂き用の樹脂製プルリングとを備えている樹脂製プルリング付閉鎖体において、
プルリングの少なくとも大部分の内周面は、垂直もしくは若干傾斜して延びている平坦面となっており、該プルリングの少なくとも大部分の肉厚が下端から上方に向かって漸次増大していく形状となっていると共に、プルリングの少なくとも前記支柱とは反対側の内周面下端部には、プルリングの前記外周面下端部と連なる小突起が形成されており、該小突起は、側断面でみて、その下端から頂部に向かって厚みが漸次増大し且つその頂部から上端に向かって厚みが漸次減少するような形状を有していることを特徴とする樹脂製プルリング付閉鎖体が提供される。
【0007】
本発明の樹脂製プルリング付閉鎖体では、開口形成用スコアを引き裂くための樹脂製プルリングの内周面下端部に、該プルリングの外周面の下端に連なる小突起を形成したことが重要な特徴である。
即ち、上記のような小突起は、プルリングを支持する支柱とは少なくとも反対側の部分に形成されており、且つ側断面でみて、その下端から頂部に向かって厚みが漸次増大し且つその頂部から上端に向かって厚みが漸次減少するような形状を有している。本発明においては、このような形状の小突起が支柱とは反対側の部分に形成されているため、スコアを引き裂く時に、指が当たるプルリング下端の内周面と外周面との連通部(支柱とは反対側に位置する)がシャープなエッジとならず、従って、このプルリングを指で掴んで強く引っ張った場合にも、指にプルリング下端が食い込むおそれがなく、指痛を有効に防止することが可能となる。例えば、スコアがなかなか引き裂かれない様な場合(スコア成形にバラツキがあった場合)にも、指痛を生じることがない。特に、型抜きを容易にするためには、プルリング内周面を構成する平坦面が、下端から上方に向かって半径方向外方に傾斜して形成されていることが好ましく、最も好ましくは、このような平坦面と垂直面とがなす角度θを1乃至6°、特に2乃至5°とするのがよい。
また、上記の様な小突起の形成により、プルリング内周面の型抜き性が損なわれることもない。即ち、成形後にプルリング内周面形成用の型を引き抜く際に、この小突起が弾性変形し、更には、前記平坦面が垂直面に対して傾斜していることにより、このような型の引き抜きを無理抜きとすることが可能となるのである。
尚、上記の小突起は、プルリングの内周面下端の全周にわたって形成することもできるが、スコアを引き裂く際に、プルリングを指で掴む部分、即ち、プルリングを支持する支柱とは反対側の部分にのみ一定の幅で形成されていればよく、通常は、プルリングの全周の1/2乃至3/4程度の弧状に形成される。
また、小突起の高さや形状等は、型の無理抜きに際して、容易に弾性変形し得る様に設定される。
【0008】
本発明においては、上記のような小突起を形成すると同時に、プルリングの少なくとも支柱とは反対側の外周面の形状を、下部の肉厚が下端から上方に向かって漸次増大していく形状とすることも必要である。即ち、外周面の形状をこのように設定することにより、外周面の下端と小突起下端とが連なる部分にある程度の幅が確保され、両者を滑らかに連ねることにより、指痛を確実に防止することができるからである。
また、プルリングの外周面の下端にある程度の厚みを確保することにより、プルリング内周面形成用の型を無理抜きする際に、プルリングの下端全体が捲れ上がってしまうという不都合も有効に防止することができる。
【0009】
【実施例】
本発明を、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のプルリング付樹脂キャップの上蓋を開いた状態での側断面図であり、
図2は、図1のキャップの上蓋を閉じた状態での側断面図であり、
図3は、図1のキャップの要部であるプルリングの支柱とは反対側の部分を拡大して示す側断面図であり、
図4は、図3のプルリングの下端に形成されている小突起を更に拡大して示す図である。
【0010】
本発明の樹脂製プルリング付閉鎖体の代表例である樹脂キャップの一例を示す図1及び図2において、この樹脂キャップは、容器口部に装着されるキャップ本体1と、キャップ本体1にヒンジ連結されている上蓋2とから成っている。
【0011】
キャップ本体1は、容器口部を閉鎖する閉鎖部として機能する頂板部5と、頂板部5の周縁から垂下している筒状側壁6とから形成されており、筒状側壁6の下端部には係止突起7が形成され、頂板部5の内面には、筒状側壁6から一定の間隔をおいてインナーリング8が形成されている。
即ち、この筒状側壁6とインナーリング8との間の空間に容器口部(図示せず)が嵌め込まれ、係止突起7と容器口部外面の顎部との係合により、キャップ本体1が容器口部にしっかりと固定されるようになっている。
【0012】
頂板部5の下面には、スコア10がリング状に形成されており、スコア10の引き裂きにより、スコア10で区画された領域内が剥がされて容器内容物を注出するための開口が形成される。
また頂板部5の上面の周縁部には、背の低い係止突起11が周状に形成されており、この係止突起11と上蓋2との係合により、図2に示す様に、上蓋2が閉じた状態に保持される。
更に、上記の係止突起11の内側で且つスコア10の外側となる位置には、背の高い筒状体12が形成されている。この筒状体12は、スコア10の引き裂きにより形成された開口を通して容器内容物を注ぎ出す際の案内として機能するものである。
【0013】
頂板部5の外面のスコア10で区画された領域内には、スコア10に隣接して支柱15が設けられており、この支柱15には、プルリング16が支持されている。即ち、このプルリング16内に指を挿入し、プルリング16を指で摘んで引っ張り上げることにより、前述したスコア10が引き裂かれ、注出用開口が形成されるものである。
【0014】
一方、上蓋2は、天井壁20とスカート壁21とから形成されており、スカート壁21の下端(図1では上端となっている)において、キャップ本体1の頂板部5と筒状側壁6との境界部分にヒンジ連結(23)されている。
スカート壁21の下端部内面には、キャップ本体1の頂板部5の外面に形成されている係止突起11と係合する凸部25が形成されており、上蓋2を、図1の状態から旋回して図2に示す様に閉じた時、この凸部25が係止突起11と係合することにより、上蓋2が閉じた状態に保持される。
また天井壁20の内面には、周状突起26が形成されている。即ち、上蓋2を閉じた時、この周状突起26が、筒状体12の内面に密着することにより、スコア10を引き裂いて注出用開口を形成した時の密封性が確保される。
【0015】
上述した樹脂キャップに形成されているプルリング16の支柱15とは反対側の部分を拡大して示す図3において、このプルリング16の外周面30は、なだらかな曲率面となっていると共に、その内周面31は、型抜き性等を考慮して、上方に向かって半径方向外方に傾斜した平坦な傾斜面となっている。
また、プルリング16の内周面31には、滑り止め用の微小なリブ32が複数本(図においては3本)形成されており、図から明らかな通り、このリブ32は周方向に延びている。一般に、この様なリブ32は、支柱15とは反対側の部分の半周程度に形成されていればよい。尚、このリブ32は、プルリング16を指で掴む時の滑り止め用のものであるから、その内周面(平坦な傾斜面)31からの突出高さは、0.1乃至0.15mm程度となっている。
【0016】
本発明において、上記のプルリング16の内面下端部には、小突起40が形成される。この小突起40は、外周面30の下端とはなだらかに連なっており、従って、プルリング40の下端、即ち、外周面30と内周面31とが連なる部分には、シャープなエッジは形成されていない。この結果、このプルリング16を指で摘んで引っ張り上げる際に、このような下端部が指に食い込むことがない。例えば、スコア10の引き裂き抵抗が高く、スコア10をなかなか引き裂くことができないため、プルリング16を強く引っ張り上げる様な場合にも、プルリング16の下端部の食い込みにより指が痛くなる様なことはないのである。
従って、この小突起40は、プルリング16の全周にわたって設けられていてもよいが、スコア10の引き裂きを行うためにプルリング16を指で掴んだ際に、指が当たる部分(即ち、支柱15の反対側の部分)にのみ設けられていればよい。通常は、支柱15とは反対側の部分に、プルリング16の全周の1/2乃至3/4程度の弧状に形成される。
【0017】
また、上述した本発明のプルリング付樹脂キャップは、図1の様に、上蓋2を開いた状態で成形され、プルリング16の部分では、その内周面形成型を引き抜いた後に、外周面形成型の引き抜きが行われる。この場合、上記のような小突起40は、キャップ成形後のプルリング16の内周面形成用型の引き抜きに際しても、いまだ高温に保持されており、この結果、容易に弾性変形する。従って、このような小突起40の形状と、更にはプルリング16の内周面31を傾斜させたことにより、この引き抜きを無理抜きで行うことができ、成形性の点で著しく有利となる。
【0018】
本発明において、プルリング16の内周面31は、垂直な平坦面とすることも可能であるが、型抜き性を向上させる点では、図示されている様に、上方に向かって半径方向外方に傾斜した平坦な傾斜面とすることが特に望ましく、該内周面31と垂直面との傾斜角θを1乃至6°、特に2乃至5°の範囲に設定するのがよい。即ち、小突起の形状と、この傾斜角θとの組み合わせにより、内周面形成用型の無理抜きを確実に行うことができ、生産性の一層の向上を図ることができる。
尚、外周面形成型の引き抜きに際しては、既に内周面形成型が引き抜かれており、更には、外周面30の下部の肉厚が下端から上方に向かって漸次増大する様な形状となっているため、プルリング16自体が容易に弾性変形し、外周面形成型の無理抜きは容易に行われる。
【0019】
上記の小突起40を拡大して示す図4を参照して、該小突起40は、その下端40bから頂部40aに向かって厚みが漸次増大し且つその頂部40aから上端40cに向かって厚みが漸次減少するような形状を有している。即ち、小突起40の形状が、このように設定されていることにより、プルリング16を掴んでのスコア10引き裂きに際しての指痛が有効に防止され、且つプルリング16の内周面形成用型の無理抜きを有効に行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明においては、小突起40が、上記の様に厚みが漸次変化する形状を有しているため、型抜き時の抵抗が和らげられ、無理抜きが可能となる。
このような小突起40の具体的な形状は、キャップを形成する樹脂の種類などによっても異なるが、小突起40の頂部40aの内周面(平坦面)31からの突出高さ(h)は、0.15乃至0.30mmの範囲とすることが好ましい。この高さ(h)が、あまり高いと内周面成形型の無理抜きが困難となり、型抜き時に小突起40の変形等が生じ易くなり、あまり低いと、プルリング16の下端部分の厚みが小さくなるため、プルリングを強く掴んだ時に指痛を生じ易くなってしまう。
また、小突起40の頂部40aを通る水平線と、プルリング16の内周面31の下端40b(小突起40の下端)を通る水平線との間隔(d1)が0.15乃至0.30mmの範囲にあることが好ましく、頂部40aを通る水平線と小突起40の上端40cを通る水平線との間隔(d2)が0.30乃至0.70mmの範囲にあることが好ましい。
即ち、間隔(d1)が上記範囲外の時は、型抜きに際して小突起40が弾性変形しにくくなり、内周面形成型の無理抜きが困難となる傾向がある。また、間隔(d2)が上記範囲よりも大きいと、型抜きに際して小突起40が弾性変形しにくくなり、内周面形成型の無理抜きが困難となるおそれがあり、上記範囲より小さいと、型抜きに対しての小突起40の抵抗力が低くなり、小突起40が変形したり、或いはプルリング16の下端部分の全体が捲れあがったりする等の不都合が生じ易くなる。
【0021】
本発明において、十分な指痛防止効果を発現させ且つ型抜きに際しての小突起40の弾性変形性を確保するためには、小突起40の形状を、頂部40aと、プルリング16の内面下端(突起40の下端40b)と、突起40の上端40cとを結ぶ三角形よりも若干膨らんだ形状とすることが特に好ましく、最も好適には、頂部40aからプルリング16の内周面下端40bにかけての小突起40の外面(以下、単に小突起40の下面と呼ぶ)40pにおいて、頂部40aとプルリング16の内周面下端40bとを結ぶ直線からの最大突出高さ(x)を0.07mm以下とし、且つ、頂部40aから上端40cにかけての小突起40の外面(以下、単に小突起40の上面と呼ぶ)40qにおいて、頂部40aと上端40cとを結ぶ直線からの最大突出高さ(y)を0.05mm以下とすることが好適である。
即ち、小突起40の下面40pの最大突出高さ(x)が上記範囲よりも大きいと、指痛防止効果は高くなるが、内周面形成型の無理抜きが困難となる傾向がある。また小突起40の上面40qの最大突出高さ(y)が上記範囲よりも大きいと、型抜きに対しての小突起40の抵抗性が高くなり過ぎて、弾性変形性が低下し、やはり内周面形成型の無理抜きが困難となる傾向がある。
【0022】
また本発明において、プルリング16の外周面30の下部30aは、図4から明らかな通り、その下端40bから上方に向かって、厚みが漸次増大するような形状に設定されている。下部30aをこのような形状とすることにより、前述した小突起40の指痛防止効果と型抜きに際しての弾性変形性を有効に発現させることができる。
具体的には、前述した小突起40の頂部40aを通る水平線でプルリング16を切断した時の、プルリング16の厚み(図4中、L+hで表される)が0.35乃至0.70mm程度となるように、外周面30の下部30aの形状を設定するのがよい。この厚み(L+h)が上記範囲よりも小さいと、プルリング40bの近傍の厚みが小さくなり、この結果、細くなってしまうため、指痛防止効果が希薄となるおそれがある。更に、型抜きに際しての小突起40の抵抗力が小さくなり、内周面形成型の無理抜きに際して、プルリング16の下部全体が捲れあがったりしてしまうおそれもある。また、この厚み(L+h)が上記範囲よりも大きいと、外周面30の下部30aの水平面に対する傾斜角が小さくなり過ぎてしまい、この結果、外周面形成型を引き抜く際に、プルリング16の下部全体が捲れ上がってしまうなどの不都合が生じ、その無理抜きが困難となる傾向がある。
【0023】
上述した本発明のプルリング付樹脂キャップは、それ自体公知の種々のプラスチックにより形成することができる。具体的には、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン1共重合体等のオレフィン樹脂;アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂;耐衝撃性スチレン樹脂;アクリル樹脂;ナイロン樹脂等、特に好ましくは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を例示することができ、これらのプラスチックを用いての射出成形、圧縮成形等により、成形することができる。
【0024】
尚、図1乃至図4の具体例においては、上蓋2は、キャップ本体1にヒンジ連結されているが、キャップ本体1に適当な螺条を設け、上蓋2をキャップ本体1に螺子係合により着脱自在に設けることも勿論可能である。
【0025】
以上、本発明の樹脂製プルリング付閉鎖体を、プルリング付樹脂キャップを例にとって説明したが、本発明はこのようなキャップに限定されるものではなく、例えば、実開平7−4325号公報、実公平4−37084号公報、特開平5−4650号公報などに開示されている紙容器用の注出具、特公平6−45201号公報などに開示されている広口容器用蓋体に装着される閉塞体、及び点滴用バッグや注射器用容器などの医薬品用容器や各種の袋状容器などに装着される栓体などの用途にも有効に適用される。
【0026】
【発明の効果】
本発明の目的は、樹脂製プルリング付閉鎖体は、プルリングの内周面下端に、外周面と連なる小突起が形成されているため、プルリングの指での引っ張りによるスコアの引き裂きに際して指痛を生じることがない。しかも、この小突起は,成形後の内周面型の引き抜きに際して容易に弾性変形するため、型の引き抜きを無理抜きとすることができ、成形性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプルリング付樹脂キャップの上蓋を開いた状態での側断面図。
【図2】図1のキャップの上蓋を閉じた状態での側断面図。
【図3】図1のキャップの要部であるプルリングの支柱とは反対側の部分を示す側断面図。
【図4】図3のプルリングの下端に形成されている小突起を更に拡大して示す図。
【図5】従来公知のキャップのプルリングの一部を拡大して示す図。
【符号の説明】
1:キャップ本体
2:上蓋
10:スコア
15:支柱
16:プルリング
40:小突起[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a closure such as a cap provided at the mouth of various containers, and in particular, a closure with a resin pull ring in which an opening is formed by tearing a score by pulling a resin pull ring with a finger. About.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a closure body such as a resin cap of a type in which an opening for pouring contents is formed by tearing a score is widely marketed as a lid of a container filled with various beverages or seasonings.
For example, in the resin cap, the opening of the container is closed by the top plate part of the cap body fixed to the container mouth part, and the score for forming the opening for dispensing is formed in a ring shape on this top plate part, A resin pull ring is provided in a region partitioned by the score via a support. That is, by hooking a finger on the pull ring and pulling the pull ring to tear the score, an opening is formed in the top plate portion, and the contents of the container are poured out through the opening.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventionally known closed body in which the opening is formed by tearing the score by pulling the pull ring as described above, there is a problem that when the pull ring is pulled, the finger becomes painful if the tear resistance of the score is high.
For example, in FIG. 5 showing a cross section of a principal part of a resin pull ring provided in a conventionally known closed body as described above, in this pull ring 50, the outer peripheral surface 51 has a gentle curvature surface. In order to improve the die cutting property, the inner
As is apparent from FIG. 5, the pull ring 50 having such a shape has a sharp edge at the
[0004]
As a countermeasure against such finger pain, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-301411 discloses a sealing cap in which the lower end portion of the pull ring is a smooth surface without a corner portion. However, as is clear from FIG. 2 of the publication, the above prior art cap has a smooth bottom surface by making the entire inner peripheral surface of the pull ring 7 a curvature surface together with the outer peripheral surface. For this reason, there arises a problem in die cutting after the cap molding.
That is, in the cap having such a shape, the drawing for forming the outer peripheral surface of the
[0005]
Therefore, the object of the present invention is that finger pain does not occur when the score is torn by pulling with a finger of the pull ring, and the pulling after forming the mold for forming the inner peripheral surface of the pull ring can be forcibly removed. An object of the present invention is to provide a closed body with a resin pull ring that is excellent in moldability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, a closing portion for closing the opening formed in the container, a score for forming the opening provided in the closing portion, and an adjacent to the score in an area partitioned by the score In the closure body with a resin pull ring comprising a support column provided with a resin pull ring for tearing the score connected to the support column,
The inner peripheral surface of at least most of the pull ring is a flat surface extending vertically or slightly inclined, and the thickness of at least most of the pull ring gradually increases upward from the lower end. In addition, a small protrusion connected to the lower end portion of the outer peripheral surface of the pull ring is formed at least on the lower end portion of the inner peripheral surface of the pull ring opposite to the support column. A closure with a resin pull ring is provided, which has a shape in which the thickness gradually increases from the lower end toward the top and gradually decreases from the top toward the upper end.
[0007]
In the closure body with a resin pull ring of the present invention, it is an important feature that a small protrusion connected to the lower end of the outer peripheral surface of the pull ring is formed at the lower end portion of the inner peripheral surface of the resin pull ring for tearing the opening forming score. is there.
That is, the small protrusions as described above are formed at least on the side opposite to the column supporting the pull ring, and the thickness gradually increases from the lower end to the top as viewed from the side cross section and from the top. The shape is such that the thickness gradually decreases toward the upper end. In the present invention, since the small protrusions having such a shape are formed on the side opposite to the support column, when tearing the score, the communication portion (the support column) between the inner peripheral surface and the outer peripheral surface of the lower end of the pull ring that the finger hits. Therefore, even if this pull ring is grabbed with a finger and pulled strongly, there is no risk that the lower end of the pull ring will bite into the finger and finger pain is effectively prevented. Is possible. For example, finger pain does not occur even when the score is not easily torn (when there is variation in score formation). In particular, in order to facilitate die cutting, it is preferable that the flat surface constituting the inner peripheral surface of the pull ring is formed to be inclined outward in the radial direction from the lower end, and most preferably The angle θ formed by such a flat surface and a vertical surface is preferably 1 to 6 °, particularly 2 to 5 °.
Further, the formation of the small protrusions as described above does not impair the mold release property of the inner peripheral surface of the pull ring. That is, when the mold for forming the inner peripheral surface of the pull ring is pulled out after molding, the small projections are elastically deformed, and furthermore, the flat surface is inclined with respect to the vertical plane, so that such a mold can be pulled out. This makes it possible to forcibly remove.
The small protrusion can be formed over the entire lower end of the inner peripheral surface of the pull ring. However, when tearing the score, the portion that grips the pull ring with a finger, that is, the side opposite to the column that supports the pull ring. It suffices if it is formed only at a portion with a constant width. Usually, it is formed in an arc shape of about 1/2 to 3/4 of the entire circumference of the pull ring.
The height, shape, etc. of the small protrusions are set so that they can be easily elastically deformed when the mold is forcibly removed.
[0008]
In the present invention, at the same time as forming the small protrusions as described above, the shape of the outer peripheral surface of at least the pull ring on the side opposite to the support column is a shape in which the thickness of the lower portion gradually increases from the lower end upward. It is also necessary. That is, by setting the shape of the outer peripheral surface in this way, a certain amount of width is secured at the portion where the lower end of the outer peripheral surface and the lower end of the small protrusion are connected, and finger pain is reliably prevented by connecting both smoothly. Because it can.
In addition, by securing a certain amount of thickness at the lower end of the outer peripheral surface of the pull ring, it is possible to effectively prevent the disadvantage that the entire lower end of the pull ring is rolled up when the mold for forming the inner peripheral surface of the pull ring is forcibly removed. Can do.
[0009]
【Example】
The present invention will be described in detail based on specific examples shown in the accompanying drawings.
FIG. 1 is a side cross-sectional view of the resin cap with a pull ring according to the present invention in a state where an upper lid is opened,
FIG. 2 is a sectional side view of the cap of FIG. 1 with the top lid closed.
FIG. 3 is an enlarged side cross-sectional view showing a portion on the opposite side of the column of the pull ring, which is the main part of the cap of FIG.
FIG. 4 is a view further enlarging the small protrusion formed at the lower end of the pull ring of FIG. 3.
[0010]
1 and 2 showing an example of a resin cap that is a representative example of a closure with a resin pull ring according to the present invention, the resin cap includes a cap body 1 attached to a container mouth portion and a hinge connection to the cap body 1. The upper lid 2 is made up of.
[0011]
The cap body 1 is formed of a
That is, a container mouth portion (not shown) is fitted in the space between the
[0012]
On the lower surface of the
Further, a short locking projection 11 is formed on the periphery of the upper surface of the
Further, a tall
[0013]
In a region partitioned by the
[0014]
On the other hand, the upper lid 2 is formed of a
On the inner surface of the lower end portion of the skirt wall 21, a convex portion 25 that engages with the locking projection 11 formed on the outer surface of the
A
[0015]
In FIG. 3, which shows an enlarged portion of the
In addition, a plurality of minute anti-slip ribs 32 (three in the drawing) are formed on the inner
[0016]
In the present invention, a
Therefore, the
[0017]
Further, the above-described resin cap with a pull ring of the present invention is molded with the upper lid 2 opened as shown in FIG. 1, and at the portion of the
[0018]
In the present invention, the inner
When the outer peripheral surface forming mold is pulled out, the inner peripheral surface forming mold has already been pulled out. Further, the thickness of the lower portion of the outer
[0019]
Referring to FIG. 4 showing the
[0020]
Further, in the present invention, since the
The specific shape of the
The distance (d 1 ) between the horizontal line passing through the top 40a of the
That is, when the distance (d 1 ) is outside the above range, the
[0021]
In the present invention, in order to exhibit a sufficient finger pain prevention effect and to ensure the elastic deformability of the
That is, when the maximum protrusion height (x) of the lower surface 40p of the
[0022]
In the present invention, the
Specifically, the thickness of the pull ring 16 (represented by L + h in FIG. 4) when the
[0023]
The above-described resin cap with pull ring of the present invention can be formed of various plastics known per se. Specifically, olefin resins such as polyethylene, propylene-ethylene copolymer, propylene-butene 1 copolymer; acrylonitrile-styrene-butadiene (ABS) resin; impact-resistant styrene resin; acrylic resin; nylon resin, etc. Preferably, high density polyethylene, polypropylene, and the like can be exemplified, and molding can be performed by injection molding, compression molding, or the like using these plastics.
[0024]
In the specific examples of FIGS. 1 to 4, the upper lid 2 is hinged to the cap body 1. However, the cap body 1 is provided with an appropriate thread, and the upper lid 2 is engaged with the cap body 1 by screw engagement. Of course, it is also possible to provide it detachably.
[0025]
As mentioned above, although the closure body with a resin pull ring of this invention was demonstrated taking the resin cap with a pull ring as an example, this invention is not limited to such a cap, For example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 7-4325, A pouring tool for paper containers disclosed in Japanese Patent Publication No. 4-37084, Japanese Patent Laid-Open No. 5-4650, etc., and a closure mounted on a wide-mouth container lid disclosed in Japanese Patent Publication No. 6-45201. The present invention is also effectively applied to applications such as body and plugs attached to pharmaceutical containers such as infusion bags and syringe containers and various bag-like containers.
[0026]
【The invention's effect】
The object of the present invention is that the closed body with a pull ring made of a resin has a small protrusion connected to the outer peripheral surface at the lower end of the inner peripheral surface of the pull ring. There is nothing. In addition, since the small protrusions are easily elastically deformed when the inner peripheral surface mold is drawn after molding, the mold can be forcibly pulled out and is excellent in moldability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view of a resin cap with a pull ring according to the present invention with an upper lid opened.
2 is a side cross-sectional view of the cap shown in FIG. 1 with its upper lid closed.
3 is a side sectional view showing a portion of the pull ring, which is the main part of the cap of FIG.
4 is a view further enlarging a small protrusion formed at the lower end of the pull ring of FIG. 3;
FIG. 5 is an enlarged view showing a part of a pull ring of a conventionally known cap.
[Explanation of symbols]
1: Cap body 2: Upper lid 10: Score 15: Post 16: Pull ring 40: Small protrusion
Claims (6)
プルリングの少なくとも大部分の内周面は、垂直もしくは若干傾斜して延びている平坦面となっており、該プルリングの少なくとも大部分の肉厚が下端から上方に向かって漸次増大していく形状となっていると共に、プルリングの少なくとも前記支柱とは反対側の内周面下端部には、プルリングの前記外周面下端部と連なる小突起が形成されており、該小突起は、側断面でみて、その下端から頂部に向かって厚みが漸次増大し且つその頂部から上端に向かって厚みが漸次減少するような形状を有していることを特徴とする樹脂製プルリング付閉鎖体。A closing part for closing an opening formed in the container, an opening forming score provided in the closing part, and a support provided adjacent to the score in an area defined by the score And a closing body with a resin pull ring comprising a resin pull ring for tearing the score connected to the support column,
The inner peripheral surface of at least most of the pull ring is a flat surface extending vertically or slightly inclined, and the thickness of at least most of the pull ring gradually increases upward from the lower end. In addition, a small protrusion connected to the lower end portion of the outer peripheral surface of the pull ring is formed at least on the lower end portion of the inner peripheral surface of the pull ring opposite to the support column. A closed body with a resin pull ring, characterized in that the thickness gradually increases from the lower end to the top and the thickness gradually decreases from the top to the upper end.
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