JP4383689B2 - 油脂含有食品の風味劣化防止剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂含有食品(以下、本明細書においては飲料を含めて「食品」と総称する)の風味劣化の防止剤又は防止方法に関するものである。詳しくは、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子から溶剤を用いて抽出された抽出物を1種以上含有又は配合することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止剤及び防止方法であり、また、当該抽出物と併せてトコフェロールを含有し又は配合することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止剤及び防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油脂は酸化によりアルデヒド、ケトン、アルコール、酸等に容易に分解されるため、食品に著しい品質の低下を招くことが知られている。
従って、油脂を豊富に含有する食品の風味劣化防止のため、種々の酸化防止剤、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール等が広く使用されている。また、アスコルビン酸等を添加する油脂性食品の安定化法(特公昭57−786号公報)、米糠由来のフェルラ酸エステルとアミノ化合物とを併用する油脂類の酸化防止法(特開昭56−167784号公報)、コーヒー豆由来のクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸を使用する油脂含有食品風味劣化防止剤(特開平10−183164号公報)等の提案もされている。しかし、これら酸化防止剤の中で化学合成により得られたものについては、かねてより人体安全上の問題点が指摘されているものがあり、また、少量の添加では十分な風味劣化防止が図れない等の問題点があった。
加えて上記のものはいずれも品質劣化の要因を酸素による酸化と位置づけ、酸化防止だけに着目したものである。
【0003】
しかし、製造、流通、保存等の各段階で徐々に生じる油脂含有食品の風味劣化は、酸素の他にも熱や光といった要因が考えられ、食品を構成している油脂、蛋白質、糖類、アミノ酸、酸類等の各種成分が酸化、分解、異性化、重合等の複雑な反応を受け、こうした複合的要因が絡み合って異臭や変色の発生等の品質劣化をもたらすことが明らかになってきた。
さらに食品の多くは、油脂と水が乳化状態にあり、例えば脂溶性酸化防止剤であるトコフェロールやBHTを単独で使用する場合、当該脂溶性抗酸化剤は乳化状態の油層にしか存在せず、従って水層に存在する水溶性の食品成分の劣化防止効果については必ずしも十分ではない。
【0004】
一方、同じ食品の劣化防止目的で使用される本願発明のカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子から溶媒抽出された抽出物は、水溶液中で非常に強いラジカル消去活性を有し、従って食品の風味劣化を強く防止する。しかしながら、例えば高濃度に油脂が存在するた条件の場合等においては、その風味劣化防止効果は必ずしも完全とは言い難く、更なる改良が必要となる場合がある。
【0005】
従って、以前にもまして高い品質や安全性をもった食品が要望される現在においては、従来の脂溶性酸化防止剤の添加による油脂の酸化防止手段を講じるだけではなく、熱や光に因る風味劣化防止をも講じる必要性が生じている。
そこで、物理的な方法として、例えば、低温状態での流通システムや光透過性を抑えた容器・袋等の包装手段改良も提案されているが、コストの増加及び劣化防止効果の面で未だ十分な対応とは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術が有する問題点に鑑み、本発明は油脂含有食品(例えばサラダ油、バター、マーガリンのような油脂類を多量に含有する食品の他、油脂を多量に含むものではないが、製品の流通、保管の態様から劣化の影響を受け易い、例えばチーズ等の乳製品類、フライ麺等のインスタント食品類、ポテトチップス等のスナック菓子類、サラダドレッシングやマヨネーズ等のドレッシング類)の製造、流通、保存等の各過程において、熱、光、酸素等、特に蛍光灯照射と加熱を起因とする風味劣化に対して特に大きな防止効果をもち、食品等に添加した場合に安全性が高く、しかも食品本来の風味に影響を与えることなく少量の使用で十分な効果を奏しかつ経済性に優れた新たな風味劣化防止剤及び防止方法を提供することを目的とする。
さらに、従来の脂溶性酸化防止剤、水溶性酸化防止剤では十分でなかった、例えば高濃度に油脂が存在する油脂含有食品に対しても長期間にわたる十分な風味劣化防止を図ることが可能な新たな風味劣化防止剤及び防止方法を提供することも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、油脂含有食品の風味劣化防止について鋭意研究を重ねた結果、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子から溶剤抽出された抽出物が、特に油脂含有食品に添加した場合に、酸化、熱又は光に因る劣化、特に蛍光灯照射と加熱に因る異味・異臭等の発生等の風味劣化を長期間防止することを見出し、さらに、前記溶剤抽出された抽出物の1種類以上と併せてトコフェロールを添加することにより、抽出物、トコフェロールのそれぞれの単独使用では得られなかった、油脂含有量が多量な食品における長期間の風味劣化防止をも見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ又は五倍子から溶媒を用いて抽出された抽出物の1種類以上を含有することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止剤、並びに当該風味劣化防止剤を油脂含有食品に0.1〜100ppmの量で配合することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止方法である。
また、本発明は、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ又は五倍子から溶媒を用いて抽出された抽出物の1種類以上を含有することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止剤、並びに当該風味劣化防止剤を油脂含有食品に0.1〜100ppmの合計量で配合することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止方法である。
【0009】
さらに、本発明は、上記抽出物の1種類以上と併せてトコフェロールを含有することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止剤であり、並びに上記抽出物の1種類以上からなる風味劣化防止剤を油脂含有食品に0.1〜100ppmの量で配合することと併せてトコフェロールを10〜1000ppmの量で配合することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止方法である。
また、本発明は、上記抽出物の1種類以上を含有することと併せてトコフェロールを配合することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止剤であり、並び上記抽出物の1種類以上を油脂含有食品に0.1〜100ppmの合計量で配合することと併せてトコフェロール10〜1000ppm配合することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】
(1)抽出物
風味劣化防止剤に使用する抽出物は、下記に列挙した群から選ばれる少なくとも1種の植物又は五倍子のような植物関連の天然物を原材料とする。
カリン(学名:Choenomeles sinensis(Thouin) Koehne)
マンゴー(学名:Mangifera indica L.)
ミロバラン(学名:Terminalia chebula Retz.)
ザクロ(学名:Punica granatum L.)
五倍子(学名:Rhus javanica L.、ヌルデの若葉にヌルデノミミフシアブラムシの単性無翅雌虫が寄生して形成された虫こぶ)
上記のうち五倍子以外の植物については、根、茎(枝幹)、葉、果実を原材料として後述の抽出処理に付される。カリン、ザクロについては果皮、マンゴーは種子、ミロバランは果実を使用することが好ましい。
以下にカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子からの抽出物の材料と抽出法の一例を挙げるが、本発明に適用される抽出法は、下記の例に限定されるものではない。
【0012】
抽出処理に使用する溶媒は、水又は極性有機溶媒であり、有機溶媒は含水物であっても良い。
極性有機溶媒としては、アルコール、アセトン、酢酸エチル等が例示される。中でも人体への安全性と取扱性の観点から水またはエタノール、プロパノール、ブタノールのような炭素数2〜4の脂肪族アルコールが望ましい。特に水又はエタノール又はこれらの混合物が望ましい。
抽出に用いる溶媒の量は任意に選択できるが、一般には上記原材料1重量部に対し溶媒量2〜100重量部、好ましくは5〜20重量部を使用する。
なお、抽出の前処理としてヘキサン等の非極性有機溶媒であらかじめ脱脂処理をし、後の抽出処理時に余分な脂質が抽出されるのを防止してもよい。またこの脱脂処理で結果的に脱臭等の精製ができる場合がある。
【0013】
抽出処理方法としては、原材料の種類、量等により種々の方法を採用することができる。
例えば前記各種天然物を粉砕したものを溶媒中に入れ、浸漬法又は加熱還流法で抽出することができる。なお浸漬法による場合は加熱条件下、室温又は冷却条件下のいずれであってもよい。
ついで、溶媒不溶物を除去して抽出液を得るが、不溶物除去方法としては遠心分離、濾過、圧搾等の各種の固液分離手段を用いることができる。
【0014】
得られた抽出液はそのままでも油脂含有食品に配合して使用できるが、例えば水、エタノール等の液体希釈剤で適宜希釈して使用してもよい。またはデキストリン、シュークロース等を加えることもできる。これらをさらに濃縮してペースト状の抽出エキスとしても、また凍結乾燥又は加熱乾燥などの処理を行い粉末として使用してもよい。
また超臨界抽出による抽出、分画、または脱臭処理したものも使用可能である。
【0015】
上記方法で得られた抽出物は、そのまま油脂含有食品に配合して風味劣化防止剤として使用することができるが、さらに、脱色、脱臭等の精製処理をすることができる。精製処理には活性炭や多孔性のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からなる合成樹脂吸着剤などが使用できる。精製用の合成樹脂吸着剤としては例えば三菱化学株式会社製「ダイヤイオンHP−20(商品名)」やオルガノ株式会社製「アンバーライトXAD−2(商品名)」などが使用できる。
【0016】
上記の処理で得られる風味劣化防止剤は食品等の加工段階で適宜添加することができる。カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子の添加量については特に制限されるものではなく、使用する防止剤の種類、純度、あるいは添加対象の食品等の種類により異なるが、一般的に抽出物の添加量が0.01〜500ppmが適当である。食品等の本来の風味にほとんど影響を及ぼさないという観点からは、0.01〜100ppmが好ましく、特に0.1〜20ppmが好ましい。
また、本発明の天然抽出物群であるカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子の風味劣化防止剤は、抽出物を2種以上含むものであってもよい。2種以上の抽出物を併用する場合の組合せとしては、任意の組合せで配合することができる。この場合、例えば2種類の抽出物を併用するときは、1つの抽出物1重量部に対して他の抽出物1〜5重量部の配合比が適当である。
【0017】
本発明に係る風味劣化防止剤には、上記抽出物の他に、さらに食品に通常使用される天然の抗酸化剤、例えば、茶抽出物、(生)コーヒー豆抽出物、エンジュ抽出物、ソバ全草抽出物、アズキ全草抽出物、りんご未熟果抽出物、ぶどう種子抽出物、ローズマリー抽出物、ヤマモモ抽出物、γ−オリザノールを本発明の効果を損なわない範囲内の量で配合することができる。
【0018】
(2)トコフェロール
本発明でいうトコフェロール(ビタミンE)は、それ自体既知の物であり、市販品として入手可能である。これらは天然植物から抽出した精製品でも未精製品でもよく、合成品でも良い。またδ−トコフェロール等の単品でもα,β,γ,δ−トコフェロール等の混合物でも良い。また、油脂、デキストリン等により希釈された製剤でも良い。例えば、市販品としてはエーザイ株式会社製の「イーミックスP−20」(商品名;トコフェロールとして20%含有粉末製剤品)、理研ビタミン株式会社製の「理研Eオイル800」(商品名;トコフェロールとして80%含有)などが利用できる。
【0019】
またトコフェロールの使用量についても特に制限されるものではなく、使用するトコフェロールの種類、純度、あるいは添加対象の食品等の種類により異なるが、純度の高いもの(95%以上)では10ppm〜1000ppmが適当であり、好ましくは10〜500ppmの範囲である。また天然抽出物群のカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子とトコフェロールの混合割合は、特に限定されるものではないが、通常は天然抽出物群の純度が高い(95%以上)場合には、例えば天然抽出物群成分とトコフェロールを約1:1000から100:1の範囲内、好ましくは約1:500から10:1の間の重量比で混合使用するのが好ましい。
また、トコフェロールは前記抽出物と同様に食品等の加工段階で適宜添加することができ、添加の時期は抽出物と必ずしも同時である必要はない。
【0020】
前記のカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ又は五倍子から溶媒を用いて抽出された抽出物の1種類以上を含有することと併せて、トコフェロールを配合することを特徴とする風味劣化防止剤は、油脂含有食品の風味劣化に優れた効果を奏するが、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子から溶媒抽出される成分は水溶性であるガロタンニン類(五倍子)、エラジタンニン類(ミロバラン、ザクロ)、デヒドロエラジタンニン類といった加水分解性タンニン類が多量に含まれており、これらは食品中の水層中で強力な抗酸化効果を発揮する。
一方、脂溶性のトコフェロールは、食品中の油層中で抗酸化効果を発揮するので、上記抽出成分の作用と相俟って風味の劣化を防止するのであるが、いずれの成分も少量の適用であるにもかかわらず、長期間にわたる強力な抗酸化作用をもたらし、いわば相乗効果的な顕著な効果が発揮されると考えられる。
【0021】
(3)油脂含有食品
本発明の風味劣化防止剤を適用することができる油脂含有食品としては、油脂類を多量に含有する食品の他に、油脂を多量に含むものではないが、製品の流通、保管の態様から劣化の影響を受けやすい食品である。具体的には以下のとおり例示される。
▲1▼油脂
食用油脂(牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂、及び大豆、ナタネ、綿実、ヒマワリ等の食用植物油脂)、マーガリン、ショートニング。
▲2▼油脂加工食品
マヨネーズ、ドレッシング、ハードバター、ビスケット、クッキー類、チョコレート類、ケーキ類、ココア。
▲3▼フライ食品(揚げ物)
即席(フライ)麺類、豆腐の油揚(油揚、生あげ、がんもどき)、揚かまぼこ、てんぷら、フライ、スナック菓子類(ポテトチップス、揚あられ類、かりんとう等)、ドーナッツ、調理冷凍食品(冷凍コロッケ、エビフライ等)。
▲4▼乳、乳製品、乳等を主原料とする製品
乳(生乳、牛乳、加工乳等)、乳製品(クリーム、バター、バターオイル、濃縮ホエー、チーズ、アイスクリーム類、練乳、粉乳、濃縮乳等)、乳等を主原料とする製品。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各天然物の抽出例を以下のとおり示す。
【0023】
〔抽出例1〕
乾燥したカリン果皮100gを粉砕し、50重量%エタノール水溶液1000gを加え1時間、加熱還流して抽出した。不溶物を濾過により除去した後、濾液を10gの活性炭にて脱色した。濾過により活性炭を除去後、濾液を150gまで減圧で濃縮した。
この濃縮液50gを多孔性合成吸着剤(前記「ダイヤイオンHP−20」)100mlに吸着させた。水1Lを用いて洗浄後、50重量%エタノール1Lで溶出した。溶出液を減圧濃縮後、凍結乾燥し淡黄色の粉末8g(以下「カリン抽出物」と呼ぶ)を得た。物性は以下の通りであった。
a)紫外線吸収スペクトルは図1に示すとおりである(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
λmax:230nm、237nm。
b)溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶。
【0024】
〔抽出例2〕
マンゴー果実10個から果肉を取り除き、果実種子(核)419gを得た。果実種子から殻と種子皮を取り除き、種子仁216gを得た。種子仁を粉砕機により粉砕し、粉砕物207gを得た。粉砕物に50重量%エタノール水溶液414gを加え1時間還流して抽出した。
不溶物を濾過により除去した後、濾液を濃縮、凍結乾燥し淡黄色の粉末(以下「マンゴー抽出物」と呼ぶ)26.2g得た。この抽出物の物性は以下の通りであった。
a)紫外線吸収スペクトルは図2に示すとおりである(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
λmax:276nm。
b)溶解性:水に易溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶。
【0025】
〔抽出例3〕
乾燥したミロバランの果実20gを200gの50重量%エタノール水溶液で2時間還流して抽出後、不溶物を濾過した。
濾液を減圧下で濃縮した後、凍結乾燥し淡褐色の粉末2.2g(以下「ミロバラン抽出物」と呼ぶ)を得た。この抽出物の物性は以下の通りであった。
a)紫外線吸収スペクトルは図3に示すとおりである(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
λmax:369nm、266nm。
b)溶解性:水に易溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶。
【0026】
〔抽出例4〕
乾燥したザクロ果皮50gを粉砕し、50重量%エタノール水溶液1kg中に入れ、1時間、加熱還流して抽出した。不溶物を濾過により除去した後、濾液に活性炭50gを添加し室温で1時間撹拌した。活性炭を濾過により除去後、減圧濃縮した。
続いて濃縮物を凍結乾燥し淡褐色の粉末15g(以下「ザクロ抽出物」と呼ぶ)を得た。この抽出物の物性は以下の通りであった。
a)紫外線吸収スペクトルは図4に示すとおりである(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
λmax:370nm、256nm。
b)溶解性:水に可溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶。
【0027】
〔抽出例5〕
乾燥したヌルデの五倍子40gを320gの熱水で1時間抽出した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮液を凍結乾燥し、白色の粉末8.5g(以下「五倍子抽出物」と呼ぶ)を得た。この抽出物の物性は以下の通りであった。
a)紫外線吸収スペクトルは図5に示すとおりである(測定濃度:10ppm、希釈溶剤:pH3.0クエン酸緩衝液)。
λmax:276nm。
b)溶解性:水に易溶、50重量%エタノールに易溶、エタノールに可溶。
【0028】
次に上記抽出で得られた抽出物からなる風味劣化防止剤、及び当該抽出物とトコフェロールを併用してなる風味劣化防止剤を各種配合して評価した。
【0029】
〔試験例1A〕(抽出物配合:バターの光劣化)
市販のバター100gを約25〜30℃に加温した後、カリン抽出物の1重量%水溶液0.2gを添加し、よく撹拌後均一にした。
その溶液をガラス製シャーレに移し(厚さ0.5cm)蓋をした後、12時間冷蔵庫(5℃)に保管した。同様にマンゴー抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物、五倍子抽出物(いずれも1重量%水溶液)、トコフェロール(前記「理研Eオイル800」)を添加した(トコフェロール以外は同濃度添加した。トコフェロールについては、20、1,000ppm添加した)バターを作成し、同様にガラス製シャーレに移し12時間、5℃で保管した。ガラス製シャーレを光安定性試験機に移し10,000ルクス(蛍光灯)、10℃にて7日間光照射した。
【0030】
習熟したパネル5人を選んで官能評価を行った。そしてこの場合、風味変化のない対照としては風味劣化防止剤を添加していない蛍光灯未照射のバターを使用し、風味劣化の度合いを評価した。その結果は表1のとおりである。
なお、表1中の評価の点数は、下記の基準で採点(1〜4点)した各パネルの平均点である。
(採点基準)
劣化臭*を非常に強く感じる :4点
劣化臭*を強く感じる :3点
劣化臭*を感じる :2点
劣化臭*を若干感じる :1点
劣化臭*を感じない :0点
(*:ゴム様の劣化臭)
【0031】
【表1】
表1 バターの光虐待試験結果
風味劣化防止剤 官能評価の平均点
1.無添加品 3.5
2.カリン抽出物添加品(20ppm) 1.0
3.マンゴー抽出物添加品(20ppm) 1.5
4.ミロバラン抽出物添加品(20ppm) 1.2
5.ザクロ抽出物添加品(20ppm) 1.3
6.五倍子抽出物添加品(20ppm) 1.6
7.トコフェロール添加品(20ppm) 2.8
8.トコフェロール添加品(1000ppm) 2.2
【0032】
表1から明らかなように、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子抽出物を添加することにより、光によるバターの香味劣化を顕著に抑制した。トコフェロールも劣化防止効果を示したが、低濃度(20ppm)では十分な効果は得られなかった。以上より、バターにカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子抽出物の風味劣化防止剤を少量添加することにより、バター本来の風味を損なうことなく十分な劣化防止効果が得られた。
【0033】
〔試験例1B〕(抽出物+トコフェロール配合:バターの光劣化)
市販のバター100gを約25〜30℃に加温した後、カリン抽出物の1重量%水溶液0.1gおよびトコフェロール(前記「理研Eオイル800」)0.025gを添加し、よく撹拌後均一にした。
その溶液をガラス製シャーレに移し(厚さ0.5cm)蓋をした後、12時間冷蔵庫(5℃)に保管した。同様にミロバラン抽出物および前記トコフェロール、ザクロ抽出物及び前記トコフェロール、カリン抽出物のみ、ミロバラン抽出物のみ、ザクロ抽出物のみ、前記トコフェロールのみを添加した(各種抽出物のみの場合は1重量%水溶液を0.2g添加し、トコフェロールのみの場合は0.5g添加した)バターを作成し、同様にガラス製シャーレに移し12時間、5℃で保管した。ガラス製シャーレを光安定性試験器に移し10,000ルクス(蛍光灯)、10℃にて14日間光照射した。
なお、上記試験例1Aでの光照射は7日間であり、本試験例の虐待はより長期にわたるものである。
【0034】
習熟したパネル5人を選んで官能評価を行い、風味劣化の度合いを評価した。評価方法は前記試験例1Aと同様である。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
表2 バターの光虐待試験結果
風味劣化防止剤 官能評価の平均点
1.無添加冷蔵保管品 0.2
2.無添加品 3.9
3.カリン抽出物添加品(20ppm) 2.6
4.ミロバラン抽出物添加品(20ppm) 2.0
5.ザクロ抽出物添加品(20ppm) 2.2
6.トコフェロール添加品(400ppm) 2.9
7.カリン抽出物(10ppm)+
トコフェロール添加品(200ppm) 1.6
8.ミロバラン抽出物(10ppm)+
トコフェロール添加品(200ppm) 1.4
9.ザクロ抽出物(10ppm)+
トコフェロール添加品(200ppm) 1.0
【0036】
表2から明らかなように、カリン抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物およびトコフェロールは、それぞれ単独に使用しても風味劣化防止効果が認められるが、カリン抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物の各々とトコフェロールとを併用することにより、それぞれの添加量が少ないにもかかわらずバターの風味劣化を相乗的に非常に強く、長期間にわたり防止した。
【0037】
〔試験例2A〕(抽出物:フライ麺の熱劣化)
薄力粉300g、強力粉300g、食塩12gをよく混合した後、混練機を用いて、かんすい8.8g、水229.2g、1重量%カリン抽出物水溶液0.3gを添加し10分間混和した。室温で10分間放置した後、ローラーで麺厚0.5mmに伸ばし、パスタマシーンで麺幅2mmに調製した。
調製麺を2分間蒸した後、冷却し、60gづつ計り取り、140℃、90秒間フライし、フライ麺を作成した。同様にザクロ抽出物、五倍子抽出物、トコフェロール(前記「イーミックスP−20」)入りフライ麺を作成した(ザクロ抽出物、五倍子抽出物についてはカリン抽出物と同濃度、トコフェロールに関しては0.6g添加した)。
フライ麺60gをプラスチック容器に入れ蓋をした後、50℃の恒温層中、21日間保管した。加熱虐待後のサンプルに熱湯300mLを加え3分後、習熟したパネル5人を選んで官能評価を行った。そしてこの場合、風味変化のない対照としては風味劣化防止剤を添加していない冷蔵(5℃)保管のフライ麺を使用し、香味の劣化度合いを評価した。その結果は表3のとおりである。
【0038】
なお、表3中の評価の点数は、下記の基準で採点(1〜4点)した各パネルの平均点である。
(採点基準)
劣化臭*を非常に強く感じる :4点
劣化臭*を強く感じる :3点
劣化臭*を感じる :2点
劣化臭*を若干感じる :1点
劣化臭*を感じない :0点
(*:油脂の酸化臭、粉っぽさ)
【0039】
さらに上記フライ麺各13gをジエチルエーテル100mL用いてソックスレー抽出を行なった。抽出液に内部標準として2−オクタノール3mgを添加し、無水硫酸ナトリウムを添加し乾燥後、ジエチルエーテルを減圧にて留去後、乾燥窒素ガスを吹きつけながらさらに濃縮し、濃縮物約3gを得た。濃縮物をGC−MSにより分析し、油脂の典型的な酸化生成物である2,4−デカジエナールの量を測定した。無添加虐待品の2,4−デカジエナール生成量を100とし、各サンプルの生成量を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】
〔試験例2B〕(抽出物+トコフェロール:フライ麺の熱劣化)
薄力粉300g、強力粉300g、食塩12gをよく混合した後、混練機を用いて、かんすい8.8g、水229.2g、1重量%カリン抽出物水溶液0.3gおよびトコフェロール(前記「イーミックスP−20」)0.6gを添加し10分間混和した。室温で10分間放置した後、ローラーで麺厚0.5mmに伸ばし、パスタマシーンで麺幅2mmに調製した。
調製麺を2分間蒸した後、冷却し、60gづつ計り取り、140℃、90秒間フライし、フライ麺を作成した。同様にマンゴー抽出物および前記トコフェロール添加品、五倍子抽出物および前記トコフェロール添加品、カリン抽出物のみ、マンゴー抽出物のみ、五倍子抽出物のみ、前記トコフェロール添加品のみのフライ麺を作成した(カリン、マンゴー、五倍子抽出物のみの場合の添加量は1重量%水溶液を0.6g、トコフェロール粉末のみの場合の添加量は1.2gまたは3.0g添加した)。
【0042】
フライ麺60gをプラスチック容器に入れ蓋をした後、50℃の恒温層中、28日間保管した。加熱虐待後のサンプルに熱湯300mLを加え3分後、習熟したパネル8人を選んで官能評価を行った。そしてこの場合、風味変化のない対照としては風味劣化防止剤を添加していない冷蔵(5℃)保管のフライ麺を使用し、風味の劣化度合いを評価した。その結果は表4のとおりである。
なお、前記試験例2Aでの加熱は21日間なので、本試験例の虐待はより長期にわたるものである。
表4中の評価の点数は、前記試験例2Aの基準で採点(1〜4点)した各パネルの平均点である。
【0043】
【表4】
表4 フライ麺の加熱虐待試験
風味劣化防止剤 官能評価の平均点
1.無添加冷蔵保管品 0.4
2.無添加虐待品 3.8
3.カリン抽出物添加虐待品(10ppm) 1.8
4.マンゴー抽出物添加虐待品(10ppm) 1.6
5.五倍子抽出物添加虐待品(10ppm) 2.0
6.トコフェロール添加虐待品(400ppm) 2.8
7.トコフェロール添加虐待品(1000ppm) 2.4
8.カリン抽出物(5ppm)+
トコフェロール添加虐待品(200ppm) 0.8
9.マンゴー抽出物(5ppm)+
トコフェロール添加虐待品(200ppm) 1.1
10.五倍子抽出物(5ppm)+
トコフェロール添加虐待品(200ppm) 1.3
【0044】
表4から明らかなように、カリン抽出物、マンゴー抽出物、五倍子抽出物およびトコフェロールはそれぞれ単独使用でもある程度の風味劣化防止効果が認められるが、カリン抽出物またはマンゴー抽出物または五倍子抽出物とトコフェロールとの併用は、それぞれの添加量が少ないにもかかわらずフライ麺の風味劣化を相乗的に非常に強く、長期間にわたり防止した。
【0045】
〔試験例2C〕(抽出物+トコフェロール:フライ麺の光・熱劣化)
薄力粉300g、強力粉300g、食塩12gをよく混合した後、混練機を用いて、かんすい8.8g、水229.2g、1重量%カリン抽出物水溶液0.6gおよびトコフェロール(前記「イーミックスP−20」)粉末0.9gを添加し10分間混和した。室温で10分間放置した後、ローラーで麺厚0.5mmに伸ばし、パスタマシーンで麺幅2mmに調製した。
調製麺を2分間蒸した後、冷却し、60gづつ計り取り、140℃、90秒間フライし、フライ麺を作成した。同様にミロバラン抽出物および前記トコフェロール粉末添加品、ザクロ抽出物および前記トコフェロール粉末添加品、カリン抽出物のみ、ミロバラン抽出物のみ、ザクロ抽出物のみ、前記トコフェロール粉末添加品のみのフライ麺を作成した(カリン、ミロバラン、ザクロ抽出物のみの場合の添加量は1重量%水溶液を1.2g、トコフェロール粉末のみの添加量は3.0g添加した)。
【0046】
フライ麺60gを透明ビニル袋に入れ蓋をした後、光安定性試験器にて15,000ルクス(蛍光灯)、50℃にて3日間虐待した。虐待後のサンプルに熱湯300mLを加え3分後、習熟したパネル5人を選んで官能評価を行った。そしてこの場合、風味変化のない対照としては風味劣化防止剤を添加していない冷蔵(5℃)保管のフライ麺を使用し、風味の劣化度合いを評価した。その結果は表5のとおりである。
なお、表5中の評価の点数は、前記試験例2Aの基準で採点(1〜4点)した各パネルの平均点である。
【0047】
【表5】
表5 フライ麺の光及び加熱虐待試験
風味劣化防止剤 官能評価の平均点
1.無添加冷蔵保管品 0.5
2.無添加虐待品 3.9
3.カリン抽出物添加虐待品(20ppm) 2.2
4.ミロバラン抽出物添加虐待品(20ppm) 1.9
5.ザクロ抽出物添加虐待品(20ppm) 1.8
6.トコフェロール添加虐待品(1000ppm) 2.8
7.カリン抽出物(10ppm)+
トコフェロール添加虐待品(300ppm) 1.4
8.ミロバラン抽出物(5ppm)+
トコフェロール添加虐待品(300ppm) 1.1
9.ザクロ抽出物(5ppm)+
トコフェロール添加虐待品(300ppm) 1.2
【0048】
表5から明らかなように、カリン抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物およびトコフェロールは、それぞれ単独使用でもある程度の風味劣化防止効果が認められるが、カリン抽出物またはミロバラン抽出物またはザクロ抽出物とトコフェロールとの併用は、それぞれの添加量が少ないにもかかわらず光照射と加熱による虐待度の高い条件下においてもフライ麺の風味劣化を相乗的に非常に強く、防止した。
【0049】
〔試験例3〕(抽出物:油揚げの熱劣化)
市販油揚げを水に浸し、煮沸した。冷却後、油揚げをガーゼに包んでその水分を絞りとり、「油揚げ絞り汁」を得た。この液汁30gに、マンゴー抽出物、ミロバラン抽出物、ザクロ抽出物の0.01重量%水溶液をそれぞれ0.3g添加した。50mL容量のガラスバイアルに詰めキャップをした後、50℃の恒温層で4日間及び8日間保管した。習熟したパネル5人を選んで官能評価を行った。そしてこの場合、風味変化のない対照としては風味劣化防止剤を添加していない冷蔵(5℃)保管の「油揚げ絞り汁」を使用し、風味の劣化度合いを評価した。その結果は表6のとおりである。
【0050】
なお、表6中の評価の点数は、下記の基準で採点(1〜4点)した各パネルの平均点である。
(採点基準)
油の酸化臭を非常に強く感じる :4点
油の酸化臭を強く感じる :3点
油の酸化臭を感じる :2点
油の酸化臭が若干感じる :1点
油の酸化臭を感じない :0点
【0051】
【表6】
【0052】
表6から明らかなように、カリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ、五倍子各々の抽出物からなる風味劣化防止剤を油脂含有食品に添加することにより、加熱による油脂の酸化臭を顕著に抑制した。
【0053】
〔試験例4〕(抽出物:DPPHラジカル消去活性)
以下のとおり、食品の酸化試験に用いられる試薬2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)を使用して、一般的な酸化条件における本発明の各抽出物と既存の抗酸化剤のトコフェロールとの抗酸化力の比較を行った。
この試験はDPPHラジカルを抗酸化剤によって消去する試験であり、抗酸化作用を受けるとDPPHの紫色が無色に変化するので、紫色の変化を吸光度計で測定しラジカルの消去活性すなわち抗酸化力の指標としたものである。
0.1Mの酢酸緩衝液(pH5.5、2.0mL)に各被検物質の50%エタノール溶液(2.0mL)及び2×10-4MのDPPH(ナカライテスク社製)エタノール溶液(1.0mL)を加えて全量5.0mLとし、30分後に517nmにおける吸光度を測定した。結果は、被検物質無添加のコントロールに対して、吸光度を1/2に減少させるのに必要な被検物濃度(最終溶液)で表した。
【0054】
【表7】
表7 DPPHラジカル消去活性試験
被験物質 濃度( ppm )
1.カリン抽出物 2.5
2.マンゴー抽出物 1.9
3.ミロバラン抽出物 4.7
4.ザクロ抽出物 4.9
5.五倍子抽出物 21
6.トコフェロール 4.6
【0055】
表7に示されるように一般的な酸化条件の下では、本発明の各抽出物とトコフェロールとは抗酸化力についてほぼ同等である。しかしながら、前記各試験例における光虐待試験及び加熱虐待試験の結果に鑑みれば、本発明の各抽出物は従来の抗酸化剤と同等の抗酸化力を有しつつ、さらに光及び熱による食品の風味劣化防止に優れていることが明らかである。
【0056】
以下、本発明に係る風味劣化防止剤を各種の油脂含有食品に添加した配合例を示す。
【0057】
〔配合例1〕
即席(フライ)麺類に関しては、前記試験例2A、試験例2B及び試験例2Cにそれぞれ示したとおりである。
【0058】
〔配合例2A〕:揚げかまぼこ(カリン抽出物配合)
▲1▼砂糖5.5g、グルタミン酸ナトリウム0.75g、バレイショ澱粉15gを混合後、カリン抽出物1重量%水溶液0.01g、水20gを添加しよく分散させた。
▲2▼冷凍すり身1級品100gを約3cm角に切り、フードカッターに入れ約5分間空摺りした。
▲3▼食塩3g、氷水20gを交互に3回に分け添加し、合計10分間フードカッターにて塩摺りをした。
▲4▼前記工程▲1▼で得られたものを上記すり身に添加しフードカッターにて混合し本摺りを行なった。
▲5▼香料0.5gを添加しよく練り上げた。
▲6▼ラップに上記すり身を包み、40℃の恒温層にて60分間保管(座り)した。
▲7▼85〜90℃で30分間蒸した。
▲8▼約1cm幅に切り170〜180℃で、サラダ油で約2分間揚げて完成した。
【0059】
〔配合例2B〕:揚げかまぼこ(マンゴー抽出物配合)
前記配合例2Aの工程▲1▼において、カリン抽出物水溶液を同濃度、同量のマンゴー抽出物水溶液に代えた以外は配合例2Aと同様の製法で揚げかまぼこを調製した。
【0060】
〔配合例2C〕:揚げかまぼこ(カリン抽出物+ザクロ抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例2Aの工程▲1▼において、カリン抽出物の1重量%水溶液0.01gに加えてさらにザクロ抽出物の1重量%水溶液0.01g及びトコフェロール(前記「イーミックスP−20」)0.25gを添加した以外は配合例2Aと同様の製法で揚げかまぼこを調製した。
【0061】
〔配合例2D〕:揚げかまぼこ(マンゴー抽出物+五倍子抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例2Cの工程▲1▼において、カリン抽出物水溶液とザクロ抽出物水溶液を同濃度、同量のマンゴー抽出物水溶液と五倍子抽出物水溶液に代えた以外は配合例2Cと同様の製法で揚げかまぼこを調製した。
【0062】
〔配合例3A〕:ポテトチップス(ミロバラン抽出物配合)
▲1▼馬鈴薯を水洗いした後、皮を剥き約1mmの厚さにスライスした。
▲2▼10分間水に晒した後、表面に水がなくなる程度に乾燥した。
▲3▼ミロバラン抽出物100ppm含有水溶液に10分間浸漬した。
▲4▼ペーパータオルにて水分を取り除き、170〜180℃のサラダ油で約3分間フライ後、余分な油を切り完成した。
【0063】
〔配合例3B〕:ポテトチップス(ザクロ抽出物配合)
前記配合例3Aの工程▲3▼において、ミロバラン抽出物含有水溶液を同濃度、同量のザクロ抽出物含有水溶液に代えた以外は配合例3Aと同様の製法でポテトチップスを調製した。
【0064】
〔配合例4A〕:マーガリン(ミロバラン抽出物配合)
▲1▼ショートニング55g、コーン油15g、30%ベータカロチン液0.1g、レシチン0.2g、乳化剤0.3gを混合し湯煎にて80℃、10分間殺菌した。
▲2▼水27.8g、食塩0.5g、脱脂粉乳1g、ミロバラン抽出物1重量%水溶液0.3gを混ぜ湯煎で85℃まで加熱した。
▲3▼上記▲1▼と▲2▼で得られたものをそれぞれ50〜60℃まで冷却した後、混合後、ディスパーを用いて1500rpmにて5分間撹拌した。
▲4▼氷水にて冷却しながらゴムベラで全体をよく練った(10℃まで)。
▲5▼容器に移し一晩冷蔵庫で熟成させ完成した。
【0065】
〔配合例4B〕:マーガリン(五倍子抽出物配合)
前記配合例4Aの工程▲1▼において、ミロバラン抽出物水溶液を同濃度、同量の五倍子抽出物水溶液に代えた以外は配合例4Aと同様の製法でマーガリンを調製した。
【0066】
〔配合例5A〕:マヨネーズ(マンゴー抽出物配合)
▲1▼卵黄18g、マスタード2.5g、食塩1.5g、こしょう0.05g、マンゴー抽出物1重量%水溶液0.12gをよく混合した。
▲2▼酢5gを加えて泡だて器でよく混ぜ合わせた。
▲3▼サラダ油60gをゆっくり添加しながら手早くかき混ぜた。
▲4▼酢10gとサラダ油60gを交互に少しずつ加え混ぜ合わせる。
▲5▼砂糖0.1gを加えよく撹拌し完成した。
【0067】
〔配合例5B〕:マヨネーズ(五倍子抽出物配合)
前記配合例5Aの工程▲1▼において、マンゴー抽出物水溶液を同濃度、同量の五倍子抽出物水溶液に代えた以外は配合例5Aと同様の製法でマヨネーズを調製した。
【0068】
〔配合例5C〕:マヨネーズ(ミロバラン抽出物+トコフェロール配合)
上記配合例5Aの工程▲1▼において、マンゴー抽出物1重量%水溶液0.12gに代えて、ミロバラン抽出物1重量%水溶液0.12gおよびトコフェロール(前記「理研Eオイル800」)0.0075gを配合した以外は配合例5Aと同様の製法でマヨネーズを調製した。
〔配合例5D〕:マヨネーズ(ザクロ抽出物+トコフェロール配合)
上記配合例5Cにおいて、マンゴー抽出物溶液を同濃度、同量のザクロ抽出物水溶液に代えた以外は配合例5Cと同様の製法でマヨネーズを調製した。
【0069】
〔配合例6A〕:サラダドレッシング(カリン抽出物配合)
サラダオイル40g、卵黄2g、酢15g、果糖ブドウ糖液糖5g、食塩3g、調味料0.8g、キサンタンガム0.2g、香辛料0.05g、水33.65g、カリン抽出物1重量%水溶液0.3gを混合し2分間よく撹拌し完成した。
【0070】
〔配合例6B〕:サラダドレッシング(ザクロ抽出物配合)
前記配合例6Aにおいて、カリン抽出物水溶液を同濃度、同量のザクロ抽出物水溶液に代えた以外は配合例6Aと同様の製法でサラダドレッシングを調製した。
【0071】
〔配合例6C〕:サラダドレッシング(ミロバラン抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例6Aにおいて、カリン抽出物1重量%水溶液0.3gをミロバラン抽出物1重量%水溶液0.3gとトコフェロール(前記「理研Eオイル800」)0.0375gに代えた以外は配合例6Aと同様の製法でサラダドレッシングを調製した。
【0072】
〔配合例6D〕サラダドレッシング(ザクロ抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例6Cにおいて、ミロバラン抽出物溶液を同濃度、同量のザクロ抽出物水溶液に代えた以外は配合例6Cと同様の製法でサラダドレッシングを調製した。
【0073】
〔配合例7A〕:スポンジケーキ(マンゴー抽出物配合)
▲1▼容器にほぐした全卵160gを入れ、砂糖100g、食塩0.14g、マンゴー抽出物1重量%水溶液0.2gを加えホイッパーを用いながら手で撹拌しながら約40℃になるまで撹拌した。
▲2▼ホイッパーを用いて高速で撹拌した。
▲3▼篩いにかけた薄力粉100gを▲2▼で得られたものに加え、木べらで上下に切るようにして混ぜた。
▲4▼香料1g、マーガリンを湯煎で約70℃に加温し▲3▼で得られたものに一気に添加し、すばやく混ぜた。
▲5▼丸型ケーキモルドに入れ、表面を軽くならした。
▲6▼上下に加熱部があるオーブンを使用して20分間、160℃で焼成し完成した。
【0074】
〔配合例7B〕:スポンジケーキ(カリン抽出物配合)
前記配合例7Aの工程▲1▼において、マンゴー抽出物水溶液を同濃度、同量のカリン抽出物水溶液に代えた以外は配合例7Aと同様の製法でスポンジケーキを調製した。
【0075】
〔配合例7C〕:スポンジケーキ(マンゴー抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例7Aの工程▲1▼において、マンゴー抽出物1重量%水溶液0.2gに加えてさらにトコフェロール(「イーミックスP20」(商品名))0.25gを添加した以外は配合例7Aと同様の製法でスポンジケーキを調製した。
【0076】
〔配合例7D〕:スポンジケーキ(カリン抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例7Cにおいて、マンゴー抽出物水溶液を同濃度、同量のカリン抽出物水溶液に代えた以外は配合例7Cと同様の製法でスポンジケーキを調製した。
【0077】
〔配合例8A〕:チョコレート(ミロバラン抽出物配合)
▲1▼カカオマス20gを砕いた後、湯煎(40℃)で溶かした。
▲2▼粉糖43g、ココアバター10gとカカオマス20gを混ぜローラーで細かくした。
▲3▼上記▲1▼、▲2▼で得られたものにココアバター7g、レシチン0.4g、ミロバラン抽出物1重量%水溶液0.1g、香料0.2gを添加し40℃にて3分間撹拌した。
▲4▼次に26〜27℃にて5分間撹拌し、チョコレートシード0.05gを加えよく混ぜた。
▲5▼型に流し込んだ後、冷蔵庫で冷却し完成した。
【0078】
〔配合例8B〕:チョコレート(ザクロ抽出物配合)
前記配合例8Aの工程▲3▼において、ミロバラン抽出物水溶液を同濃度、同量のザクロ抽出物水溶液に代えた以外は配合例8Aと同様の製法でチョコレートを調製した。
【0079】
〔配合例9A〕:アイスクリーム(カリン抽出物配合)
▲1▼砂糖15g、乳化安定剤0.6gを混合しよく混ぜた。
▲2▼水66.1gに脱脂粉乳8.4g、カリン抽出物1重量%水溶液0.3gを添加し分散させた。
▲3▼上記▲2▼で得られたものを40℃まで加熱し、上記▲1▼で得られたものを加え85℃まで撹拌した。
▲4▼無塩バター9.6gを上記▲3▼で得られたものに添加し85℃で15分間加熱殺菌した。
▲5▼ホモミキサーを用いて10000回転で5分間乳化した。
▲6▼5℃まで冷却し12時間冷蔵庫で保管した。
▲7▼香料0.2gを添加し30分フリージングした。
▲8▼カップに移し−20℃に冷却し完成した。
【0080】
〔配合例9B〕:アイスクリーム(マンゴー抽出物配合)
前記配合例9Aの工程▲2▼において、カリン抽出物水溶液を同濃度、同量のマンゴー抽出物水溶液に代えた以外は配合例9Aと同様の製法でアイスクリームを調製した。
【0081】
〔配合例9C〕:アイスクリーム(カリン抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例9Aの工程▲2▼において、カリン抽出物1重量%水溶液0.3gに加えてさらにトコフェロール(前記「イーミックスP20」)0.2gを添加した以外は配合例9Aと同様の製法でアイスクリームを調製した。
【0082】
〔配合例9D〕:アイスクリーム(マンゴー抽出物+トコフェロール配合)
前記配合例9Cにおいて、カリン抽出物水溶液を同濃度、同量のマンゴー抽出物水溶液に代えた以外は配合例9Cと同様の製法でスポンジケーキを調製した。
【0083】
【発明の効果】
本発明のカリン、マンゴー、ミロバラン、ザクロ又は五倍子の抽出物の1種類以上を含有する風味劣化防止剤を油脂含有食品等に使用することにより、光、熱、酸素等、特に蛍光灯照射と加熱に因る風味劣化を著しく防止することができる。
さらに、当該抽出物とトコフェロールを併用した場合は、相乗的な効果がもたらされ少量の適用で長期間にわたる強力な風味劣化防止が可能となる。
また、上記抽出物は昔年から食用等に供されてきた植物関連の天然物に由来し、トコフェロールは人体に有益なビタミンであるため安全性が高く、しかも少量の使用で十分な効果を奏するので食品本来の風味に影響を与えることもない。
また、原材料は市場で安価且つ容易に入手できるので経済的にも優れている。従って、本発明に係る風味劣化防止剤を使用することにより、製造、流通、保管時において長期間風味変化のない、高品質の油脂含有食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抽出例1におけるカリン抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図2】抽出例2におけるマンゴー抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図3】抽出例3におけるミロバラン抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図4】抽出例4におけるザクロ抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
【図5】抽出例5における五倍子抽出物の紫外線吸収スペクトル図である。
Claims (5)
- カリン、マンゴー、ミロバラン又はザクロからエタノール水溶液を用いて抽出された抽出物の1種類以上とトコフェロールとを含有することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止剤。
- 油脂含有食品に、カリン、マンゴー、ミロバラン又はザクロからエタノール水溶液を用いて抽出された抽出物の1種類以上とトコフェロールとをそれぞれ0.1〜100ppmと10〜1000ppmの量で配合することを特徴とする油脂含有食品の風味劣化防止方法。
- カリン、マンゴー、ミロバラン又はザクロからエタノール水溶液を用いて抽出された抽出物の1種類以上とトコフェロールとを含有することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止剤。
- 油脂含有食品に、カリン、マンゴー、ミロバラン又はザクロからエタノール水溶液を用いて抽出された抽出物の1種類以上とトコフェロールとをそれぞれ0.1〜100ppmと10〜1000ppmの量で配合することを特徴とする油脂含有食品の光又は熱に因る風味劣化防止方法。
- カリン、マンゴー、ミロバラン又はザクロからエタノール水溶液を用いて抽出された抽出物の1種類以上とトコフェロールとをそれぞれ0.1〜100ppmと10〜1000ppmの量で含有することを特徴とする油脂含有食品。
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