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JP4382987B2 - 管状構造物 - Google Patents

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JP4382987B2
JP4382987B2 JP2000574351A JP2000574351A JP4382987B2 JP 4382987 B2 JP4382987 B2 JP 4382987B2 JP 2000574351 A JP2000574351 A JP 2000574351A JP 2000574351 A JP2000574351 A JP 2000574351A JP 4382987 B2 JP4382987 B2 JP 4382987B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は建設および公共事業の分野に関するものであり、特に地下交通構造物、特に車両用の地下交通構造物を対象とする。
本発明は特に、上記地下交通構造物に適したプレハブの側壁エレメント(element de piedroit)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
幹線道路、特に鉄道交通路(線路)は過度な傾斜を避けたできるだけ一定の断面形状を有していなければならないため、あるセグメントでは道路が自然な地面の高さに従うことは不可能になり、地面から上下いずれかの方向へズレることになる。また、交差点では一方の道路の下に他方の道路を通す必要がある。
地下交通路と自然な土地との間に大きな高さの差がない場合には、開放トレンチ(tranchee ouverte、基礎用に掘った溝) を形成し、このトレンチの底を所望の高さにし、構造物を建設後に盛り土して開放トレンチを被覆し、自然の地面の高さを再現するのが有利である。
【0003】
本発明者達はこのタイプの構造物に適した建設方法を開発してきた。この方法は例えば欧州特許出願第0,081,402号または米国特許出願第4,836,714号の各文献に記載されている。この方法では複数のプレハブの壁エレメントをトレンチの底に形成した平面(plate-forme)上前後方向に順次並べてゆく。
欧州特許公開第EP-A-0,081,402号に記載の構造では、中心線を横切る断面でアーチを形成する上部エレメントを有し、この上部エレメントは土台 (radier) の両側に配置された各側壁 (pied-droit) に支持される。2つの側壁の上端縁部とアーチとの間の縦方向上側継手部分は盛り土作業中に構造物に相対可撓性を与える関節にするのが好ましい。さらに、側壁の上部を内側に湾曲させ、それをアーチと接線状に接合させて連続アーチを形成するのが有利である。また、2つの側壁の基部の間にはプレハブまたは現場打ちした床エレメントを配置して、側壁の基部の内側を縦方向剛性連結部を形成するコンクリート継手で互いに接合して、全体で平坦な基礎を形成し、それによって荷重を広い表面積全体へ分散させるようにする。
【0004】
構造物の開口スパンが大きな場合には、床エレメントを無くし、各側壁を幅の広い基礎に配置することができる。この場合の基礎の寸法は加わる荷重と土の耐久力とに基づいて計算する。この構成は米国特許出願第4,836,714号に記載されている。
上記方法を用いることによって寸法が非常に大きな構造物、例えば互いに隣接する複数の通過レーンから成る複数の車線を有する地下高速道路を実際に建設することができる。2つの通過レーンを有する構造物の場合には、2つの通過レーンを中央側壁で分離し、この中央側壁で2つのアーチエレメントを支持し、各アーチエレメントの外側は各側壁で支持する。
【0005】
この方法は非常に大きな断面を有する構造物を迅速かつ経済的に建設できるため重要な開発テーマとなっている。すなわち、この方法で使われる構造物は全て設備の整った特定の工場で経済的かつ安全に製造することができるプレハブであり、製造条件、例えばコンクリート組成、水の量、鉄筋の位置、型枠を外した時の表面状態を厳しく制御することができる。従って、プレハブ製のエレメントは現場で製造する(コンクリート打ちする)コンクリート建設物に比べて大きなスパンでも厚さを薄くすることができる。また、プレハブエレメントは建築現場には一般に必ず配置されているフォ−クリフトによって取り扱うことがてき、設置することができる。
この方法ではたとえ住宅地の近くを長い距離にわたって掘っても、構造物の建設後は盛り土で被覆って元の自然の地面の高さと外観とを回復することができ、しかも、ほぼ完全に遮音することができるので、この方法は都市周辺のバイパス、自然保護区域を通る幹線道路や鉄道で使用するのに特に適している。
【0006】
この方法で用いるエレメントは相対的に薄く、また、極めて正確に組み立てることができるため、各エレメントは一定の可撓性を有し、盛り土や過剰な負荷を支持する際に側壁が屈曲し、それによって構造物の上部に加わる力が低下し、構造物が盛り土に向かって横方向に押されることになる。
しかし、都市部では例えば住宅や下水管の基礎や地階のような既存構造物の近くに道路を建設する場合、構造物の両側に上記の横方向に加わる力を吸収することができる盛り土を盛るのが難しいことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の問題点を解決することができる新規な方法を提供することにある。すなわち、特に都市部または自然の地表高さより上方に道路を建設する場合に、横方向の推力を吸収できる盛り土をしなくてもよいようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の壁エレメントを互いに前後に並べて縦方向軸線を有する管状構造物を形成した管状建築物であって、各壁エレメントは平坦面上に前後方向に順次配置される側壁を形成する2つの側面エレメントと少なくとも1つの上部エレメントとからなる少なくとも3つのプレハブの壁エレメントで構成され、各側壁はほぼ鉛直な壁から成り、この壁は上端縁部と平坦面に支持される平坦な底面を有する基部とで構成され、上部エレメントは内側へ湾曲した断面を有し且つ2つの縦方向継手に沿って2つの側壁エレメントの上端縁部上に支持され且つ側壁の上部に接線状に接合されて、側壁の基部に荷重を伝達する連続したアーチを形成するようになっている、管状建築物に関するものである。
本発明の管状建築物では、側壁エレメントの少なくともいくつかが、構造物を被う盛り土による横方向の支持が無い場合でも、加わる荷重を吸収、伝達するのに十分な剛性を有するような形状をしている。
【0009】
【実施の態様】
本発明の好ましい実施例では構造物の外側に位置する各側壁エレメントが上部エレメントによって加わる荷重作用下での変形に抵抗する少なくとも1つの補強リブを備え、この補強リブは側壁の少なくとも片面上に延びている。
さらに有利な実施態様では上部エレメントが上方へ延びた剛体のプレートを備えている。このプレートは構造物の外側の少なくとも1つの横側面に沿って延びて、上部エレメントを覆う盛り土の最小の厚さを安定して維持する。
本発明はさらに、上記構造物用に設計されたプレハブの壁エレメントに関するものでもある。
【0010】
本発明は多くの利点を有する公知の管状構造物の技術の延長上にある特定の状況に適用可能な技術に関するものである。すなわち、従来公知の方法では道路面が自然の土地の高さより低い位置にある場合には地下通路を建設する必要があり、逆に、地形が道路面の高さより低い場合には盛り土または陸橋上に路面を建設して所望の高さを回復しなければならないと考えられていた。そのため、都市部では交通騒音や環境破壊の問題が生じ、大抵の場合、遮音壁を設ける必要があった。しかし、それには費用がかかり、美的ではなく、効果がない場合もあった。
本発明によるに新規な構造物の設計方法では道路の全長にわたって環境の保護を確実にして上記の問題を軽減することができる。
【0011】
すなわち、本発明の別の特徴では少なくとも部分的に自然の土地の高さを越える高さに構造物を建設する。管状構造物が配置される平坦面を形成する上部を含む第1盛り土によって土地を被覆した後、各エレメントを配置し、構造物全体および第1盛り土を第2盛り土で被覆し、第2盛り土を自然な土地と連続させて人工丘陵を形成する。構造物の平坦な基礎の幅は過度の沈下の危険性なしに荷重を伝達するように第1土盛りの支持力に基づいて決定する。
本発明の上記以外の有利な態様は特許請求の範囲に記載されており、また、添付図面を参照した下記の実施例の説明から明らかになるであろう。しかし、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
【0012】
【実施例】
図1は起伏がかなり大きな土地に本発明の道路を建設する場合の道路の一部の概念的縦断面図である。線10は道路の縦軸線を通る垂直面Pと自然の土地1との交点を表し、自然の土地1の縦断面図に対応する。この道路は平坦面Aの上に敷設され、自然の土地の高さより下方に位置する部分11と、自然の土地の高さより上方に位置する部分12とから成る。部分11はトレンチBの底の基礎として作られ、部分12は盛り土Cより上側に形成される。
開削部分11では道路を形成する平坦面Aが従来法と同じ管状構造物Dで被われている。地下道路を構成する管状構造物Dを露天で建設した後、盛り土Eを埋め戻して自然の土地の高さ14を回復する。この構造は完全な遮音ができ、環境を復元でき、盛り土E部分に植林ができるので都市部のバイパス建設に特に有利である。
【0013】
欧州特許第0,081,402号に記載の態様では、管状壁Bが互いに端部と端部とを接して配置された一連のセグメントで構成され、断面で見た場合、各セグメントは少なくとも3つのエレメントすなわち2つの側壁22、22'と、それに支持されたに内側に湾曲した上部エレメント21とからなる。各側壁は平らな基部(base)を有し、この基部によって側壁は土地に対して垂直に立つことができる。両側壁の基部の内側端はコンクリート製の縦方向継手によって床 (radier) を形成する第4のエレメントに接合することができ、そうすることによって管状壁に加わる荷重を大きな表面積の基部へ伝達することができる。
【0014】
床を無くすこともできる。その場合には図2に示すように側壁22、22'が内側翼および外側翼の2つの翼を備えた幅の広い基部23を有する。この基部は上記のエレメントに十分な支持面を与える。各側壁22、22'は内側に湾曲した上側部分25を有する側壁24で構成される。この側壁は上部エレメント21に接線状に接合して、構造物全体の形状が横断面で縦軸線0を中心とするほぼ半円のアーチを形成する。
上部エレメント21と、2つの側壁22、22'の上端縁部との間の縦方向継手26は平面P1、P'1を中心とする関節部によって構成される。上部エレメント21および側壁22、22'の上部25の曲線中心はこれらの平面P1、P'1内にある。各継手面は鉛直面に対して45度傾斜しているのが好ましい。
【0015】
この公知の構造では上部エレメント21に加わる荷重が2つの側壁22、22'との接触面を介して伝達される。各側壁は基部23を介して地面で支持されるが、この構造物は可撓性があり且つ関節継手26を利用しているので、上部エレメント21はわずかに反る傾向があり、それによって側壁22、22'も湾曲し、盛り土Eに向かって横方向に横に広がる。従って、盛り土は2つの側壁22、22'によって加わる横方向の力を吸収して、構造物全体の耐久力に寄与するように行なわなければならない。
【0016】
しかし、既に述べたように、周囲の土地で横方向を支持できない場合もある。
そうした場合、側壁は上部エレメントによって加わる荷重に自から耐えなければならない。本発明では荷重下で撓まないように側壁の剛性を強くする。すなわち、図3に示すように、各側壁エレメント32の壁34の外側に補強リブ37を配置し、この補強リブ37を基部33から上部継手36までの間へ延す。こうして剛性を高くした側壁32は盛り土5による横方向支持が無くても鉛直方向に荷重を伝達することができる。
この構造は図1に示すような起伏が大きな土地の場合に特に有利である。
すなわち、平坦面11の高さが縦方向断面10の位置13の所で自然の土地の高さ1と一致する時にアーチ構造物をその地点で止め、そこからは盛り土C上または陸橋上に道路を露天で建設する。従って、周辺環境が害され、都市部では道路の両側に遮音壁を建設することが要求されることが多いが、遮音壁の建設には大きな費用がかかり、美的でもない。
【0017】
本発明では管状構造物の建設をトレンチBの出口で止めるのではなく、管状構造物2を図3(図1の直線III-IIIに沿った横断面)に示した類似の構造物3によって延長する。
そのために、第1盛り土を平坦面Aの部分11と整合させて築き、その上部41を平らにして平坦面12を形成し、この平坦面上に管状構造物3を配置する。
【0018】
図4は全体的な斜視図である。この図には図を簡単にするために管状構造物3の一つのセグメント(trancon)のみを示してある。この構造物3は軸線0を横切る断面内に少なくとも3つのエレメントすなわち、内側へ湾曲した上部エレメント31と、縦方向継手36に沿って上部エレメント31を支持する2つの側壁32、32' を含む。これらの壁エレメントはプレハブ製で、構造物2のエレメント21、22、22'と全く同じ断面をし、従って、後者のエレメントと整合して配置されるのが好ましい。同様に、縦方向継手36は構造物2の縦方向継手26と整合し、構造物が相対変形できるようにする関節を構成する。
【0019】
各側壁32は平坦面12に支持される基部33を備えている。構造物2と整合する構造物3を構成する各エレメントを配置した後に、全体を第2盛り土5で被覆する。この第2盛り土5の表面50は自然の土地1および盛り土Eの表面14と連続して人工の丘陵を形成する。この丘陵には美的な面で周辺環境を復元するために植林するのが好ましい。
従って、平坦面Aが自然の土地より高い部分でもほぼ完全な遮音が達成される。
さらに、このように被覆された道路での交通は近隣の建物Fからは見えない。
都市部では構造物3および第2盛り土5の建設のための追加の費用はこれらの重要な利点で補うことができる。
【0020】
各側面側壁32、32'は構造物2の場合と同様に幅の広の基部33を形成する基部33と、内側に湾曲した側壁34とで構成される。側壁は上部エレメント31に接線状に結合される。上部エレメント31および側壁32は埋設構造物2の対応するエレメント21、22と同じ断面をしているので鋳型は補強リブ37を成形するための改良点以外は構造物2用の鋳型と同じ鋳型を使用して製造することができる。
第1盛り土4の支持力を考慮に入れて、各側壁32の基部33を内側および外側に広げることもできる。この盛り土4の支持力はトレンチBの底部すなわち自然の土地に設けられた底11の支持力より小さくなりがちである。
【0021】
しかし、既に述したように、このタイプのプレハブエレメントは大きなスパンのものでも現場から遠く離れた工場で生産し、陸上輸送することができる。各エレメントをトレーラーに長さ方向に載せることができる。
従って、寸法が大きなプレハブエレメントの場合にはその重量ができる限り小さくなるようにエレメントを設計し、補強リブが側壁に加わるので、設置後に幅を広げられる状態で基部33の幅を縮小して必要な支持面を与えるのが望ましい。
【0022】
この目的のために、図5に示すように側壁エレメントの製造中に基部33の両側すなわち、外側33aおよび内側33bからスタブ鉄筋42a、42bを突出させることができる。そうすることによって側壁エレメントの重量を小さくし、輸送容量を超えないようにすることができる。エレメント設置後に適切な型を用いて基部33の両側に延長部44a、44bを流し込んで基部33を広げ、それによって盛り土4に加わる荷重を軽減することができる。このように基部33の幅を縮小することによって補強リブ37を設けたことに起因する重量の増加を相殺することができる。また、複数の連続した縦補強筋45をスタブ鉄筋42内に挿入し、側壁エレメントを被覆することによって各エレメントが互いにしっかりと結合された縦梁に形成することもできる。これによって不同沈下に対して各エレメントの耐久力を向上させることができる。
さらに、支持面を増すために、2つの側壁エレメント32、32'の内側端(ここに、スタブ鉄筋42bが埋設されている)の間に必要な鉄筋を備えた床43を流し込むことができる。
【0023】
図3は説明を簡単にするためにほぼ水平な自然の土地1の上に建設された構造物を示しているが、実際には構造物の縦軸と直交する方向に沿った自然の土地の傾斜線は上り勾配16と下り勾配15との間で水平線に対して勾配の増減があることがある。
図6はその例を示している。この場合には平坦面11が自然の土地の高さ1より上を通る領域では下り勾配に面する構造物側を盛り土61の上に配置し、上り勾配に面する側は開削部62の底部に支持されるようにしなければならない。
【0024】
本発明の構造物はこのような状況に特に適している。すなわち、既に述べたように幅の広い基部の上に支持され且つ縦方向関節36を介して上部エレメント31を支持するプレハブの側壁32を使用することによって、上記のような非対称支持の結果起こる恐れのある不同沈下に対する耐久性を特に高くすることができる。
【0025】
図6は欧州特許公開第A-0,202,256号に記載されたタイプの2つのアーチを有する構造物を示す。この構造物は自動車道路の建設に特に適しており、中央側壁63の両側に少なくとも2つの道路S1、S2を有する。中央側壁63上には2つの上部エレメント64、64'が設置され、これら上部エレメントは外側にある側壁すなわち上り勾配側用側壁65と下り勾配側用側壁65'とにそれぞれ支持されている。
【0026】
図6に示すように、構造物全体を覆い、自然の土地と連続する盛り土5は非対称であるが、補強リブ37によって剛性を付与された側壁65、65'によって荷重が鉛直方向に伝達されるため盛り土5の非対称性が構造物の安定性に影響することはない。
図3および図6には本発明で改善された別の態様も示してある。すなわち、第1盛り土4上に形成された第2盛り土5は滑る恐れがあるため、図3に示すように、各上部エレメント31の外側にコンクリートのプレート38を付けるのが好ましい。このプレート38は上方へ延び、構造物を覆う盛り土5の上部51を保持する。従って、構造物は常に土のキャップで覆われることになり、その重量によって全体の安定性が高くる。この保持プレート38は壁エレメント31の外側に対して直角(従って接合面P1に平行)である好ましい。
【0027】
図3に示すように、単一セグメント構造物の場合には上部エレメント31の両端に2つのプレート38、38'を備えることができる。2セグメント構造物の場合には各上部エレメント64、64'は側壁65、65'に支持される外側にだけに保持プレート38を設けることができる。2つのエレメント64、64'の内側端は中央側壁63に対称に支持される。
上記のプレハブエレメントには多くの利点があり、上記以外の様々な状況に対して適用することができるということに留意すべきである。
例えば、補強された側壁を用いることによって盛り土を特定の方法で実施する必要はなくなり、必要な場合には再び開くこともできる。従って、構造物の建設後でもパイプ67を盛り土に通過させることが可能である。
構造物の両側に自由空間を残すことができるので、上記利点は都市部で特に有用である。この側壁はトレンチの底部に建設され、盛り土によって被覆された構造物についても有利に使用することができる。
【0028】
しかし、図6に示す非対称土地に建設する構造物の場合には、上り勾配側側壁65と斜面16との間の盛り土部分は横方向の力を吸収するように設計することができる。従って、側壁65は構造物2の側壁2のようにリブなしで設計することができる。
図7は2つの道路を有する構造物の別の態様を示し、出口が傾斜した自然な土地を斜めに通る場合である。この場合には下り勾配側の構造物セグメントS'2をまず止め、上り勾配側に位置するセグメントS'1を延長し、セグメントS'1だけを盛り土51'で被覆するのが好ましい。盛り土51'は上部エレメント66の下り勾配側に設けた傾斜プレート38'によって好適に止められる。なお、上部エレメント66は中央側壁63'に支持される。この側壁は硬質壁または梁が上部に取付けられた一列の柱から構成され、上り勾配側にはセグメントS'1を被覆する上部エレメント66用の単一当接部36を形成することができる。下り勾配側では中央エレメント63'の上部が傾斜面39aを構成し、この傾斜面が保持プレート38aを支持している。
【0029】
さらに、外側を向いたセグメントS'2を閉じる各側壁65'のリブ37の上端に傾斜面39'を設けることができる。この傾斜面39'は上部エレメント64'に属するプレート38'と同じ方向を向き、従ってこのプレート38'の支持面を構成する第2盛り土5の下部52を省き、上部51をプレート38'で止めてもよいことに留意すべきである。
構造物を簡単に土のキャップで被覆すると、リブ付側壁65'が外側から見えるだけになり、遮音が確実に行なわれ、美的な効果も達成することができる。
【0030】
トレンチ内に建設され且つ盛り土で全体が被覆された構造物では、構造物を覆う盛り土に対して斜めに掘る場合にリブ付側壁を構造物の出口に用いるのが有利である。
図8および図9はその一例を示し、道路14を支持する盛り土Eと交差する構造物の出口を示す。道路14の縦方向は構造物7の軸線70に対して直角以外の角度を成している。
この構造物は図2の構造物2と同様に一連のセグメントで構成され、各セグメントは2つの側面側壁22、22'とそれに支持される上部エレメント21とからなる。この側壁は構造物を覆う盛り土Eによって横方向が支持されるが、盛り土E(図9では省略)の両側はそれぞれ傾斜面E'を形成し、この斜面は破線で示すように構造物7に沿って区画される。一般に、構造物の出口7では最後のセグメント71の側壁72、72'が斜面と同じ勾配を有するプレハブ壁73だけ延長され、土地を維持する。
【0031】
特に、斜面の下部に最も近い側で側壁72aは高さが不十分な盛り土の土地では支持できないことがわかる。この場合には上部エレメント71によって加わる横方向の力を吸収するために基部73、73'の間に梁を延して2つの側壁を結合しなければならないことが多い。これにはいくつかの問題点がある。例えば構造物7を通って道路を建設する際の問題があるが、これは盛り土の土地の高さが不十分な構造物7の両端に上記タイプのリブ付側壁を用いることによって解消することができる。このリブ付側壁はそれ自体が盛り土に横方向支持を一切必要とせずに加わる荷重を吸収する。
【0032】
図9に示したように、最後の2つのセグメントの互いに隣接する側壁72a、72bにリブ37を備えるのに対し、反対側では末端の側壁72'aだけがリブ付である。側壁72'bは推力を吸収するのに十分な高さの盛り土に支持される最後から2番目のセグメントであり、従って、通常の側壁22'と同じである。
【0033】
以上説明したプレハブエレメントは種々の方法で使用することができるということは明らかである。本発明は例として記載した上記態様の詳細に限定されるものではなく、特許請求の範囲の定義を逸脱することなく変更、改善でき、他の用途が考えられる。
特に、構造物の建設のためには幅の広の基部を備えた壁エレメントを使用するのが有利であるが、コンクリート床によって2つの側壁の基部を結合して非常に広い支持面を有する単一の基部に荷重を分布させるのが好ましい。
【0034】
また、既に述べたように、上記特許に記載の態様では盛り土に横方向が支持されるように所定のたわみ性を有するように側壁の寸法を決め、鉄筋を設計する。これに対して本発明では加わる全荷重が基部で側壁によって伝達される。その結果、所定の通過セグメントでは、コンクリートに加わる圧縮応力が増加する。そのため、側壁の厚さ(従って側壁重量)を増加する必要がないように、圧縮強度が実質的に向上した高性能コンクリートで各エレメントを製造するのが有利である。
特許請求の範囲に記載の技術的特徴事項の後に挿入した参照符号は請求項の理解を助けるためのもので、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って建設された構造物の概念的縦断面図。
【図2】 図1の線II-IIに沿った横断面図。
【図3】 図1の線III-IIIに沿った横断面図。
【図4】 全体の概念的斜視図。
【図5】 側壁の基部の詳細図。
【図6】 互いに並べた2つのセグメントを有する構造物の設計横断面。
【図7】 本発明構造物の特定の態様を示す図。
【図8】 斜面を斜めに通る構造物の出口の側面図。
【図9】 斜面を斜めに通る構造物の出口の平面図。

Claims (12)

  1. り土によって少なくとも部分的に被覆される地下交通構造物であって、プレハブの壁エレメントを平坦面(A)上に前後に順次配置することによって耐久性のある管状構造物(D)を形成し、この管状構造物(D)の縦軸線(O)を横切る断面内に少なくとも1つの上部エレメント(31)と2つの側面エレメント(32、32')とからなる少なくとも3つのエレメントを有し、少なくとも1つの内側へ湾曲した上部エレメント(31)は側壁を形成する2つの側面エレメント(32、32')の上側端縁に2つの縦方向継手(36、36')に沿って支持され、各側面エレメント(32、32')は平坦面(A)に支持される基部(33)とほぼ鉛直な側壁(34)とを有し、この側壁(34)の上部(35)は管状構造物の縦軸線(O)へ向かって湾曲し且つ上部エレメント(31)の対応する側面に接線状に接合されて荷重を側壁エレメント(32、32')の基部(33、33')へ伝達する連続したアーチが形成され、各側壁エレメント(32、32')は側壁(34)の外側面に取り付けられた少なくとも1つの補強リブ(37)を有し、この補強リブ(37)は基部(33)からほぼ縦方向継手(36)の高さまで延びて、構造物を被う盛り土による横方向からの支持を必要とせずに、側壁エレメント(32、32')が加わる荷重を吸収して基部(33)へ伝達するのに十分な剛性を有することを特徴とする少なくとも部分的に盛り土で被覆された地下交通構造物。
  2. 側壁エレメント(32)と上部エレメント(31)との間の各縦方向継手(36、36')が縦軸線を有する関節を構成する請求項1に記載の地下交通構造物。
  3. 各縦関節(36)が鉛直面に対して傾斜した接合面(P1)内に中心を有する請求項2に記載の地下交通構造物。
  4. 自然な土地(1)の高さより低い第1部分(11)にトレンチ(B)を堀り、その底部(11)に平坦面(A)を形成し、この平坦面(A)上に露天で現場でプレハブの壁エレメントを組み立てられる第1管状構造(2)を含み、この第1管状構造(2)は次いで盛り土(F)により被覆される、平坦ではない土地に道路を建設するための地下管状構造物であって、管状構造物(2)はその縦軸線(O)を横切る断面内で少なくとも1つの内側に湾曲した上部エレメント(21)と2つの側面エレメント(22、22')とを含む少なくとも3つのエレメントを有し、少なくとも1つの内側に湾曲した上部エレメント(21)は2つの縦方向継手(26、26')に沿って側壁を形成する2つの側面エレメント(22、22')の上端縁部に支持され、各側面エレメント(22、22')は平坦面(A)に支持される基部(23)とほぼ鉛直の側壁(24)とを含み、この側壁(24)の上部(25)は構造物の縦軸線(O)へ向かって湾曲し且つ上部エレメント(21)の対応する側面に接線状に接合して、連続したアーチを形成する、地下管状構造物において、
    上記トレンチ(B)の出口から第1管状構造物(2)と同じ形式の第2構造物(3)によって第1管状構造物(2)が延長され、この第2構造物(3)は自然な土地(1)の高さより上方に形成された平坦面(A)の第2部分(2)すなわち第1盛り土(4)の上部(41)の上に設置され、第2構造物(3)の各エレメント(31、31'、32)を設置した後、構造物(3)とそれを支持する第1盛り土(4)の全体を第2盛り土(5)で被覆し、この盛り土(5)を構造物の両側で自然の土地(1)と連続させて人工丘陵を形成し、第2構造物(3)の各側壁エレメント(31、31')は側壁(34)の外面に取り付けられた少なくとも1つの補強リブ(37)を有し、この補強リブ(37)は基部(33)からほぼ縦方向継手(36)の高さまで延びて、構造物を被覆する盛り土(E)による横方向からの支持を必要とせずに、各側壁エレメント(32、32')が加わる荷重を吸収して基部(33)へ伝達するのに十分な剛性を有することを特徴とする地下管状構造物。
  5. 第2構造物(3)を支持する支持面(30)の幅を第1盛り土(4)の支持力に基づいて決定して、過度の沈下を伴わずに加わる荷重を盛り土(4)に伝達する請求項4に記載の地下管状構造物。
  6. 上り勾配側(16)と下り勾配側(15)との間で構造物(3)の縦軸線(O)を横切る方向に傾斜した自然の土地(1)に構造物が建設され、平坦面(A)は非対称に形成され且つトレンチ(62)の底部に開削された部分(18)と、自然の土地(1)より上方の盛り土(61)に形成した部分(17)とを有し、構造物(3)の側壁(65)は上り勾配側(16)を向き、また、構造物の側壁(65')は下り勾配側(15)を向き、少なくとも下り勾配側壁(65')に補強リブ(37)を形成した請求項5に記載の地下管状構造物。
  7. 上記第2構造物(3)の側壁エレメント(32)の少なくともいくつかの基部(33)の少なくとも一端(33a、33b)にスタブ鉄筋(42)が設けられ、このスタブ鉄筋(42)はエレメントの設置後にコンクリートを流し込んでコンクリート中に埋設されて支持面(30)の延長部(44)を形成する請求項5または6に記載の地下管状構造物。
  8. 側壁エレメント(32、32')の基部(33、33')の間に延びた床(43)を含み、この床(43)は基部(33、33')の内側端(33b)に固定され且つ構造物(3)の支持面(30)を形成する請求項7に記載の地下管状構造物。
  9. 各上部エレメント(31)が外側に向かう少なくとも一端に沿ってこの末端から上方へ延びた剛性プレート(38)を有し、この剛性プレート(38)は構造物を少なくとも部分的に覆う盛り土()の最小厚さを有する上部(51)を維持するためにる請求項1〜8のいずれか一項に記載の地下管状構造物。
  10. 上部エレメント(31)の一端に取り付けた剛性プレート(38)が、対応する側壁エレメントの各補強リブ(37)の上端に設けられた同じ方向の支持面(39)にある請求項9に記載の地下管状構造物。
  11. 構造物を部分的に覆う盛り土が剛性プレート(38)の高さで止められ、リブ付側壁エレメント(65')が外側から見える請求項9または10に記載の地下管状構造物。
  12. 少なくとも1つの中央側壁(63)の両側に結合した少なくとも2つのセグメント(S1、S2)を有し、各セグメントは上部エレメント(64)を有し、この上部エレメント(64)の一端は中央側壁(63)で、他端は側面側壁(65)で支持される地下構造物であって、表面が構造物の縦方向に対して傾斜した土地の出口で、上り勾配側に位置する一方のセグメント(S'1)が他方のセグメント(S'2)に対して延長され且つ上部エレメント(66)によって被覆され、上部エレメントは剛性プレート(38a)を有し、この剛性プレート(38a)は中央側壁(63')に支持される側で上方へ延びて盛り土(51')を中央側壁(63')の高さまで維持し、中央側壁(63')の上部は上り勾配側では上部エレメント(66)の支持部(36)を形成し、下り勾配側では盛り土(51')を維持するプレート(38a)を支持する傾斜面(39a)を形成する請求項9または10に記載の地下管状構造物。
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