JP4381722B2 - Propylene polymer multilayer film for vapor deposition and multilayer vapor deposition film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無機化合物蒸着膜との密着性、濡れ性阻害することなく、低温ヒートシール性、密封性が改良された蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンフィルムは、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のエチレン系重合体から得られるフィルムに比べて、ヒートシール強度、透明性、腰の強さ、耐ブロッキング性、耐熱性等に優れるので、菓子、パン、野菜、麺等の食品、或いはシャツ、ズボン等の衣料品を始めとする日用品等あらゆる分野の製品の包装材料として広く使用されている。さらにポリプロピレンフィルムのガス遮断性、防湿性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレンフィルムの表面にコートしたり、ポリプロピレンフィルムにアルミニウムあるいは酸化アルミニウム等の無機化合物を蒸着することも広く行われている。
【0003】
ポリプロピレンフィルムへの蒸着膜の密着性を改良する方法として、さポリプロピレンフィルムにエチレンと炭素量3〜6のα−オレフィン0.25〜15重量%のランダム共重合体層を形成した上に金属層を形成した複層金属化包装用フィルム(例えば、特許文献1)、アイソタクティシティが高いポリプロピレン層とポリオレフィン系共重合体層からなるポリオレフィン系無延伸フィルムのポリプロピレンフィルム上に無機化合物を蒸着してなるフィルム(例えば、特許文献2)、ポリプロピレンフィルム上にポリエステルウレタン系樹脂からなる被膜層を設けてなるポリプロピレンフィルム(例えば、特許文献3)等種々提案されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許4、357、383号公報
【特許文献2】
特開平10−34846号公報公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2001−54939号公報(特許請求の範囲)
【0005】
しかしながら、ポリプロピレンフィルムの表面にランダム共重合体層等を積層したフィルムは、ランダム共重合体に含まれる低結晶性成分あるいは低分子量成分が蒸着槽内で揮発することにより、密着性が阻害される虞があることから未だ無機化合物膜との密着性が充分とは言えず、又、ポリエステルウレタン系樹脂からなる被膜層を設けることにより密着性は改良されるが、ヒートシール性を持たせるためにポリプロピレンとしてエチレン等のα―オレフィンとのランダム共重合体を用いると、蒸着フィルムを巻き取った状態(ロール状フィルム)で保管している間にランダム共重合体に含まれている低結晶性成分あるいは低分子量成分が表面に染み出し、結果として相対する無機化合物蒸着膜の表面に転写され、蒸着フィルムの品質が低下する虞がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、無機化合物蒸着膜との密着性、濡れ性が阻害されずに、低温ヒートシール性、密封性、ブロッキング性、引裂性が改良された蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムを得ることを目的として種々検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
本発明は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られる熱融着層及びプロピレン系重合体(B)から得られる被蒸着層からなることを特徴とする蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び被蒸着層面に無機化合物が蒸着されてなる蒸着多層フィルムに関する。
【0008】
また本発明は、熱融着層を構成するプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)がエチレン系重合体(C)、好ましくは高密度ポリエチレン(D)を5重量%以下含んでなる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び被蒸着層面に無機化合物が蒸着されてなる蒸着多層フィルムに関する。
【0009】
また本発明は、被蒸着層を構成するプロピレン系重合体(B)がエチレン系重合体(C)を35重量%以下、好ましくは高密度ポリエチレン(D)を5重量%以下、及び線状低密度ポリエチレン(E)を15〜25重量%の範囲で含んでなる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び被蒸着層面に無機化合物が蒸着されてなる蒸着多層フィルムに関する。
【0010】
また本発明は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られる熱融着層、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)若しくはプロピレン系重合体(B)から得られる中間層、及びプロピレン系重合体(B)から得られる被蒸着層からなる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び被蒸着層面に無機化合物が蒸着されてなる多層蒸着フィルムに関する。
【0011】
【発明の具体的説明】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃、好ましくは115〜130℃、融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満、好ましくは30〜40℃の範囲にあり、好ましくは融解開始温度(Ts)とピーク温度(Tp)との差(Tp−Ts)が35℃未満、より好ましくは25〜34℃の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)のα―オレフィンの含有量は上記熱融解特性を有する限りとくに制限はされないが、通常はα―オレフィンの含有量は1.0〜20重量%、より好ましくは1.5〜15重量%の範囲にある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレン及び/又は1−ブテンとのランダム共重合体が好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜5g/10分の範囲にある。本発明に係わるプロピレン・ α−オレフィン共重合体(A)は通常、分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される)が2〜3の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)は、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの熱融着層及び中間層の原料となる。
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の上記ピーク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)及び融解終了温度(Te)は以下の方法で測定した。プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)約5mgを秤量し、セイコ−電子工業株式会社製の示差走査熱量計(タイプDSC220モジュ−ル)を用いて、昇温速度;10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、降温速度;100℃/分で0℃まで冷却し、再度、昇温速度;10℃/分で0℃〜200℃まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、ASTM D3418−99の方法に習い、融解曲線からピ−ク温度(Tp)、融解開始温度(Ts)、融解終了温度(Te)を求めた。尚、本発明では、ASTMD3418−99に記載の(Tpm1)を(Tp)、(Teim)を(Ts)及び(Tefm)を(Te)とした。
【0012】
プロピレン系重合体(B)
本発明に係わるプロピレン系重合体(B)は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10重量%以下、好ましくは5重量%以下のα−オレフィンとの共重合体、あるいは単独重合体と共重合体との組成物である。α−オレフィンは、プロピレン以外の通常炭素数2〜10のα−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1―ペンテン、3―メチル―1―ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1―へキセン、1―オクテン等を挙げることができる。これらα−オレフィンの中でも、得られる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの剛性、耐熱性の面からプロピレン単独重合体が好ましい。かかるプロピレン重合体(B)は、フィルムとして成形できる限り、特に限定はされないが、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン重合体(B)は、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの被蒸着層及び中間層の原料となる。
【0013】
エチレン系重合体(C)
本発明に係わるエチレン系重合体(C)は、通常、密度が0.900〜0.970g/cm3、好ましくは0.910〜0.960g/cm3、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)が1〜50g/10分、好ましくは10〜30g/10分の、エチレンの単独重合体、若しくはエチレンと少量の炭素数が3〜10のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1とのランダム共重合体で、いわゆる、高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、直鎖状あるいは線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)と呼ばれているエチレンを主体とした重合体である。これらエチレン系重合体(C)は、単一の重合体であっても、二種以上のエチレン系重合体との組成物(混合物)であってもよい。
【0014】
高密度ポリエチレン(D)
本発明に係わる高密度ポリエチレン(D)は、前記エチレン系重合体(C)の範疇に含まれる重合体で、密度が0.940〜0.970g/cm3、好ましくは0.950〜0.968g/cm3、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)が1〜50g/10分、好ましくは10〜30g/10分の、エチレンの単独重合体、若しくはエチレンと少量の炭素数が3〜10のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1とのランダム共重合体である。
【0015】
線状低密度ポリエチレン(E)
本発明に係わる線状低密度ポリエチレン(E)は、前記エチレン系重合体(C)の範疇に含まれる重合体で、密度が0.900〜0.935g/cm3、好ましくは0.910〜0.930g/cm3、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度190℃)が1〜50g/10分、好ましくは10〜30g/10分の、エチレンと少量の炭素数が3〜10のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1とのランダム共重合体である。さらにかかる線状低密度ポリエチレンとしては、分子量分布(重量平均分子量:Mw、と数平均分子量:Mn、との比:Mw/Mnで表示)が通常1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。このMw/Mnはゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定できる。
又、線状低密度ポリエチレン(E)は、示差走査熱量計(DSC)の昇温速度10℃/分で測定した吸熱曲線から求めた鋭いピークが1個ないし複数個あり、該ピークの最高温度、すなわち融点が通常70〜130℃、好ましくは80〜120℃の範囲にある。
上記のような線状低密度ポリエチレン(E)は、シングルサイト触媒を用いた従来公知の製造法により調整することができる。たとえば線状低密度ポリエチレン(E)は、遷移金属のメタロセン化合物を含む触媒を用いて調整することができる。このメタロセン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタロセン化合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物と、(c)担体とから形成されることが好ましく、さらに必要に応じて、これらの成分と(d)有機アルミニウム化合物および/または有機ホウ素化合物とから形成さていてもよい。
なお、このようなメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および触媒を用いた線状低密度ポリエチレン(E)の調整方法は、たとえば特開平8−269270号公報に記載されている。
【0016】
プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)の製造方法
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は種々公知の方法、例えば、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体から形成される触媒を用いて製造することができる。
【0017】
固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適には100m2/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げられる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造された重合体が好適である。
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記チタン触媒成分の種類によって異なる。
電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適な具体例としては、これらの元素を有する有機エステル、有機エーテルなどを挙げることができる。
担体付触媒成分を用いた重合体の製造方法に関しては、たとえば特開昭50−108385号、特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−28189号、特開昭52−151691号などの各公報に開示されている。
【0018】
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(A)は、特にはシングルサイト触媒を用いて製造することができる。シングルサイト触媒は、活性点が均一(シングルサイト)である触媒であり、例えばメタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒)やブルックハート触媒などがあげられる。例えばメタロセン触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および上記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されていてもよい。
前記メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば特開平5−209014号、特開平6−100579号、特開平1−301704号、特開平3−193796号、特開平5−148284号、特開2000−20431号等に記載された化合物などがあげられる。
有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等があげられる。上記鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水とを接触させることにより生成される。例えば重合時にアルキルアルミニウムを加えておいて、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機、無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることにより得られる。
【0019】
前記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物は、例えば特表平1−501950号、特開平3−207704号、特開2002−20431号等に記載された化合物などがあげられる。シングルサイト触媒を担持させる前記無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等があげられる。
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等があげられる。これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。重合条件は通常、重合温度;−100〜+250℃、重合時間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm2(ゲージ圧)である。
【0020】
蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムは、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られる熱融着層及びプロピレン系重合体(B)から得られる被蒸着層からなる多層フィルムである。
熱融着層を構成するプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)にエチレン系重合体(C)、より好ましくは高密度ポリエチレン(D)を5重量%以下、より好ましくは1〜3重量%含ませておくと、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム成形時に、フィルムへのロール跡の発生を抑制でき、成形直後でのフィルムのスリップ性、ブロッキング性が改良され、且つ、得られる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの剛性、耐熱性が向上し蒸着加工時、更には蒸着されたフィルムのブロッキング性やロ−ル上に巻いた場合の巻き絞まり等がより改良され、製品としての品質が改良される。
被蒸着層を構成するプロピレン系重合体(B)にエチレン系重合体(C)、より好ましくは高密度ポリエチレン(D)を5重量%以下、より好ましくは1〜3重量%含ませておくと、無機化合物を蒸着した際の密着性をより強くすることができ、また、得られる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの剛性、耐熱性が向上し蒸着加工時、更には蒸着されたフィルムのブロッキング性やロ−ル上に巻いた場合の巻き絞まり等がより改良され、製品としての品質が改良される。
また、他の態様として、被蒸着層を構成するプロピレン系重合体(B)にエチレン系重合体(C)を35重量%以下、より好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは15〜30重量%含ませておくと、無機化合物を蒸着した際の密着性をより強くすることができる。かかるエチレン系重合体(C)として特に、高密度ポリエチレン(D)を0.5〜5重量%、より好ましくは1〜4重量%及び線状低密度ポリエチレン(E)を15〜25重量%加えておくと、得られる蒸着用プロピレン系重合体フィルムの剛性、耐熱性が向上し蒸着加工時更には蒸着されたフィルムのブロッキング性やロ−ル状に巻いた場合の巻き絞まり等がより改良され、製品としての品質がより改良され、また、得られる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの被蒸着層面に無機化合物を蒸着した際の常温時の密着性がより強く改良される。
【0021】
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムには、前記プロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られる熱融着層と前記プロピレン系重合体(B)から得られる被蒸着層との間に、DSCに基づく結晶融解曲線から求められたピーク温度(Tp)が110〜140℃及び融解開始温度(Ts)と融解終了温度(Te)との差(Te−Ts)が45℃未満のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)若しくはプロピレン系重合体(B)から得られる中間層を設けておいてもよい。
かかる中間層としては、例えば、柔軟性に富んだ蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得るには、中間層としてプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)層を、剛性が求められる蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得るには、中間層としてプロピレン系重合体(B)層を設ける等、用途に応じ中間層に用いる重合体を選択することにより、得られる多層フィルムの品質や加工性などを改良できる。
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの厚さは用途に応じて種々選択され得るが、熱融着層と被蒸着層の二層フィルムの場合は、通常、熱融着層が1〜100μm、より好ましくは1〜20μm、被蒸着層が9〜400μm、より好ましくは19〜99μmで、全体の厚さが10〜500μm、より好ましくは20〜100μmの範囲にある。又、多層フィルムが、熱融着層、中間層及び被蒸着層の三層フィルムの場合は、通常、熱融着層が1〜100μm、より好ましくは1〜20μm、中間層が8〜498μm、より好ましくは18〜98μm、被蒸着層が1〜100μm、より好ましくは1〜20μmで、全体の厚さが10〜500μm、より好ましくは20〜100μmの範囲にある。
【0022】
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムは公知の種々公知のフィルム成形方法を採用し得る。熱融着層の原料としてプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)に高密度ポリエチレン(D)、線状低密度ポリエチレン(E)等のエチレン系重合体(C)を添加した組成物を、被蒸着層の原料としてプロピレン系重合体(B)に高密度ポリエチレン(D)等のエチレン系重合体(C)を添加した組成物を用いる場合は、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム成形する前に、予め所定の範囲で各重合体成分を混合、溶融混練して得た組成物を用意しておいてもよいし、プロピレン・α−オレフィン共重合体(A)若しくはプロピレン系重合体(B)とその他の重合体を所定量計量して直接フィルム成形機に投入してもよい。二層あるいは三層フィルムを得る方法としては二層あるいは三層構造の多層ダイを用いて共押出し成形による方法が最も好ましい。
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムは蒸着層面及び/又はラミネート面に、無機化合物、基材層との接着性を改良するためにコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、プライマーコート処理等の表面処理を行っておいてもよい。
【0023】
多層蒸着フィルム
本発明の多層蒸着フィルムは、前記蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの被蒸着層上に、無機化合物を蒸着してなるフィルムである。かかる無機化合物としては、アルミニウム及び亜鉛等の金属、クロム、亜鉛、コバルト、アルミニウム、錫及び珪素等の無機酸化物、窒化物、酸化インジウム錫、チタン酸鉛等が挙げられる。
無機化合物の薄膜を蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの被蒸着層上に形成させる方法としては、化学蒸着(CVD)、低圧CVD及びプラズマCVD等の化学蒸着法、真空蒸着(反応性真空蒸着)、スパッタリング(反応性スパッタリング)及びイオンプレーティング(反応性イオンプレーティング)等の物理蒸着法(PVD)、低圧プラズマスプレイ及びプラズマスプレイ等のプラズマスプレイ法とが例示できる。
形成される無機化合物の薄膜の厚さは、通常50〜5000Å、好ましくは100〜2000Åの範囲である。5000Åを越えると耐屈曲性が低下するとなる虞があり、一方、50Å未満では充分な耐ガスバリア性が得られない虞がある。
【0024】
本発明の多層蒸着フィルムは、そのまま包装用フィルムとして用いることもできるが、他のフィルム基材と積層してもよい、かかるフィルム基材としては、熱可塑性樹脂からなるシート状またはフィルム状の基材が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムからなる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良い。中でも、ニ軸延伸フィルムが剛性、透明性等に優れているので好ましい。
又、フィルム基材の片面あるいは両面に、無機化合物との接着性を改良するために例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。フィルム基材の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは9〜30μmの範囲にある。フィルム基材は必要に応じて印刷を施しておいてもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明の蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムは、特定のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から構成されているので、従来のプロピレン系ランダム共重合体に比べて、非晶性成分あるいは低分子量成分等の揮発成分が少ないので、蒸着槽内の汚れが少なく、無機化合物蒸着膜との密着性及び濡れ性等を阻害しない。
本発明の多層蒸着フィルムは、上記特性に加え、低温ヒートシール性、耐ブロッキング性、引裂き性が良好である。
本発明の多層蒸着フィルムは、かかる特徴を活かして、スナック菓子、キャンディ−、クッキ−、冷凍食品、パン、野菜、麺等の食品、或いはシャツ、ズボン等の衣料品を始めとする日用品等あらゆる分野の製品の包装材料として広く使用出来る。
【0026】
【実施例】
次に本発明を、実施例を通して説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されるものではない。
【0027】
本発明における各種試験法および評価法は次の通りである。
なお、ヒートシール強度、アルミニウム密着強度の評価を行なう前に、実施例及び比較例で得られた多層蒸着フィルムの蒸着面に、厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムをエステル系接着剤ドライラミネ−ションにより積層し、40℃×48時間エ−ジングして、測定用の積層フィルムを用意した。
(1)ヒートシール強度(N/15mm)
測定用の積層フィルムの熱融着層面を重ね合せ、所定の温度で、幅10mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で0.5秒間、上部シ−ルバ−温度を所定の温度、下部シ−ルバ−温度は70℃一定状態で、フィルムの流れ方向に対して直角方向にヒートシールした後放冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度300mm/分でヒートシール部を剥離し、その強度をヒートシール強度とした。
(2)アルミニウム密着強度(g/15mm)
測定用の積層フィルムの熱融着層に二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなるテ−プを貼り、所定の温度で、幅10mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で0.5秒間、上部シ−ルバ−温度を所定の温度、下部シ−ルバ−温度は70℃一定状態で、フィルムの流れ方向に対して直角方向にヒートシールバ−を用いて熱を加えた後放冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度300mm/分でT型剥離法により、熱を加えた部分のアルミニウム蒸着層と多層フイルムとの間を剥離したときの強度を測定し、アルミニウム密着強度とした。
(3)幅方向(TD)の易引裂性強度(N)
易引裂性強度を測定する前に、予め多層フィルムを38℃オ−ブン中で15時間エ−ジングした後放冷した。フィルムの蒸着加工を施さないフィルムから幅方向(TD)65mm×流れ方向(MD)50mm幅の短冊状の試験片を5枚切り取る。株式会社東洋精機製作所製の軽荷重引裂試験機を用い、フルスケ−ル1.96N条件で引裂強度をn=5で評価し、平均値を易引裂強度力(N)とした。フルスケ−ル1.96N条件で引き裂けない場合は1.96N以上とした。
(4)ブロッキング性(N/5.2cm2)
ブロッキング性を測定する前に、予め多層フィルムを38℃のオ−ブン中で15時間エ−ジングした後放冷した。蒸着加工を施さないフィルムから20mm×100mm幅の短冊状の試験片を切り取り、熱融着性面を重ね合せたものを5個ずつ作製し、試験片の中央付近で十字方向に直角に市販のプレパラ−トではさむ。試験片とプレパラ−トが重なった5.2cm2の面積部分に4kgの荷重を掛け、所定の温度条件で2日間エ−ジングした後、放冷する。その後熱融着層面を重ね合せたものをクロスヘッド速度300mm/分で剪断剥離を行い、最大強度をブロッキング力とした。ブロッキング力をn=5で評価し、平均値をブロッキング力(N/5.2cm2)とした。
【0028】
実施例及び比較例で使用した重合体は次の通りである。
(1) プロピレン・エチレンランダム共重合体(PER)
エチレン含有量:3.1重量%、Ts:94.0℃、Tp:126.6℃、Te:131.4℃、Te−Ts:37.4℃、Tp−Ts:32.6℃、Mw/Mn:2.7及びMFR:7g/10分(230℃)。
(2) プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(PEBR)
エチレン含有量:2.2重量%、1−ブテン含有量:2.0重量%、Ts:95.4℃、Tp:139.3℃、Te:150.3℃、Te−Ts:54.9℃、Tp−Ts:43.9℃、Mw/Mn:3.9及びMFR:7g/10分(230℃)。
(3)高密度ポリエチレン(HDPE)
密度:0.965g/cm3、Tm:135℃、MFR:17.0g/10分(190℃)。
(4)線状低密度ポリエチレン(LL)
密度:0.920g/cm3、Tm:120℃、MFR:8.0g/10分(190℃)。
(5)プロピレン単独重合体(PP)
融点:160℃、MFR:7.0/10分(230℃)
【0029】
参考例1
熱融着層として、PER:97.6重量%及びHDPE:2.4重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PP:100重量%を、被蒸着層としてPP:97.2重量%及びHDPE:2.8重量%、を夫々用意して別個の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/被蒸着層からなる三層共押出積層フイルムで、被蒸着層にライン上で直接コロナ処理を直後で40dyn/cm以上処理して、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得た。フィルムの総厚は25μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被蒸着層=3.5μm:18.5μm:3.0μmであった。
抵抗加熱方式ベルジャー型蒸着装置(真空機工社製、小型真空蒸着装置VPC−260)を用い、得られた蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの蒸着層上にアルミニウムの厚みが約450Åになるように蒸着し、多層蒸着フィルムを得た。
得られた蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムを前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0030】
比較例1
参考例1に代えて、熱融着層としてPEBR:97.6重量%及びHDPE:2.4重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層としてPP:100重量%を、被蒸着層としてPP:97.2重量%及びHDPE:2.8重量%をドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を夫々用意して別個の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/被蒸着層からなる三層共押出積層フィルムで、蒸着層にライン上で直接コロナ処理を直後で40dyn/cm以上処理して、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得る以外は、参考例1と同様に行い、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0031】
実施例1
熱融着層として、PER:97.6重量%及びHDPE:2.4重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層として、PER:100重量%を、被蒸着層としてPP:78.0重量%及びLL:20.0重量%、HDPE:2.0重量%、を夫々用意して別個の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/被蒸着層からなる三層共押出積層フィルムで、被蒸着層にライン上で直接コロナ処理を直後で40dyn/cm以上処理して、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得た。フィルムの総厚は20μmで、各層の厚みは熱融着層:中間層:被蒸着層=2.8μm:14.8μm:2.4μmであった。
抵抗加熱方式ベルジャー型蒸着装置(真空機工社製、小型真空蒸着装置VPC−260)を用い、得られた蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムの蒸着層上にアルミニウムの厚みが約450Åになるように蒸着し、多層蒸着フィルムを得た。
得られた蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムを前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0032】
比較例2
実施例1に代えて、熱融着層としてPEBR:97.6重量%及びHDPE:2.4重量%とをドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を、中間層としてPEBR:100重量%を、被蒸着層としてPP:78.0重量%及びLL:20.0重量%、HDPE:2.0重量%をドライブレンドしたプロピレン系重合体組成物を夫々用意して別個の押出機に供給し、Tダイ法によって熱融着層/中間層/被蒸着層からなる三層共押出積層フィルムで、蒸着層にライン上で直接コロナ処理を直後で40dyn/cm以上処理して、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルムを得る以外は、実施例1と同様に行い、蒸着用プロピレン系重合体多層フィルム及び多層蒸着フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
表1に示した結果から、本発明のプロピレン・α―オレフィン共重合体(A)から得られる熱融着層を有する多層蒸着フイルム(参考例1、実施例1)は、従来のプロピレン・α―オレフィン共重合体から得られる熱融着層を有する多層蒸着フイルム(比較例1、2)に比べ、低温ヒートシール性、易引裂き性及び耐ブロッキング性に優れていることが明らかである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition and a multilayer vapor-deposited film that have improved low-temperature heat sealability and hermeticity without inhibiting adhesion and wettability with an inorganic compound vapor-deposited film.
[0002]
[Prior art]
Polypropylene film is superior in heat seal strength, transparency, waist strength, blocking resistance, heat resistance, etc., compared to films obtained from ethylene polymers such as low density polyethylene and linear low density polyethylene. It is widely used as a packaging material for products in various fields such as foods such as confectionery, bread, vegetables and noodles, and daily goods such as clothing such as shirts and pants. Furthermore, for the purpose of improving the gas barrier property and moisture proof property of the polypropylene film, it is widely practiced to coat polyvinylidene chloride on the surface of the polypropylene film or deposit an inorganic compound such as aluminum or aluminum oxide on the polypropylene film. .
[0003]
As a method for improving the adhesion of the deposited film to the polypropylene film, a random copolymer layer of 0.25 to 15% by weight of ethylene and an α-olefin having 3 to 6 carbon atoms is formed on the polypropylene film and then a metal layer. An inorganic compound is vapor-deposited on a polypropylene film of a polyolefin-based unstretched film composed of a polypropylene layer having a high isotacticity and a polyolefin-based copolymer layer (for example, Patent Document 1). Various proposals have been made such as a film (for example, Patent Document 2) and a polypropylene film (for example, Patent Document 3) in which a film layer made of a polyester urethane-based resin is provided on a polypropylene film.
[0004]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 4,357,383
[Patent Document 2]
JP 10-34846 A (Claims)
[Patent Document 3]
JP 2001-54939 A (Claims)
[0005]
However, in a film in which a random copolymer layer or the like is laminated on the surface of a polypropylene film, adhesion is hindered by the low crystalline component or low molecular weight component contained in the random copolymer volatilizing in the vapor deposition tank. Since there is a possibility that the adhesion with the inorganic compound film is still not sufficient, the adhesion is improved by providing a film layer made of polyester urethane resin, but in order to have heat sealability When a random copolymer of ethylene or other α-olefin is used as the polypropylene, the low crystalline component contained in the random copolymer during storage of the vapor-deposited film (roll film) Alternatively, low molecular weight components ooze out to the surface and are transferred to the surface of the opposite inorganic compound vapor deposition film, resulting in poor quality of the vapor deposition film. There is a possibility to be.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present invention provides a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition and multilayer vapor deposition that have improved low-temperature heat sealability, sealing performance, blocking performance, and tearability without impairing adhesion and wettability with an inorganic compound vapor deposition film. Various studies were conducted for the purpose of obtaining a film.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
SUMMARY OF THE INVENTION
In the present invention, the peak temperature (Tp) obtained from the DSC-based crystal melting curve is 110 to 140 ° C., and the difference (Te−Ts) between the melting start temperature (Ts) and the melting end temperature (Te) is less than 45 ° C. A propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition comprising a heat-sealing layer obtained from the propylene / α-olefin copolymer (A) and a vapor-deposited layer obtained from the propylene-based polymer (B) The present invention relates to a deposited multilayer film in which an inorganic compound is deposited on the deposited layer surface.
[0008]
In the present invention, the propylene / α-olefin copolymer (A) constituting the heat-sealing layer comprises an ethylene polymer (C), preferably 5% by weight or less of high-density polyethylene (D). The present invention relates to a propylene-based polymer multilayer film and a vapor-deposited multilayer film obtained by depositing an inorganic compound on the surface of a vapor-deposited layer.
[0009]
Further, in the present invention, the propylene polymer (B) constituting the vapor-deposited layer has an ethylene polymer (C) of 35% by weight or less, preferably a high density polyethylene (D) of 5% by weight or less, and a linear low The present invention relates to a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition containing 15 to 25% by weight of density polyethylene (E) and a vapor-deposited multilayer film obtained by depositing an inorganic compound on the surface of the vapor-deposited layer.
[0010]
In the present invention, the peak temperature (Tp) determined from the DSC-based crystal melting curve is 110 to 140 ° C., and the difference (Te−Ts) between the melting start temperature (Ts) and the melting end temperature (Te) is 45 ° C. Heat fusion layer obtained from less than propylene / α-olefin copolymer (A), peak temperature (Tp) determined from crystal melting curve based on DSC is 110 to 140 ° C. and melting start temperature (Ts) and melting An intermediate layer obtained from a propylene / α-olefin copolymer (A) or a propylene polymer (B) having a difference (Te-Ts) from the end temperature (Te) of less than 45 ° C., and a propylene polymer (B And a multilayer vapor deposition film obtained by depositing an inorganic compound on the surface of the vapor deposition layer.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Propylene / α-olefin random copolymer (A)
The propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention has a peak temperature (Tp) determined from a crystal melting curve based on DSC of 110 to 140 ° C., preferably 115 to 130 ° C., and a melting start temperature (Ts). ) And the melting end temperature (Te) (Te−Ts) is less than 45 ° C., preferably in the range of 30-40 ° C., preferably the difference between the melting start temperature (Ts) and the peak temperature (Tp) ( Tp−Ts) is less than 35 ° C., more preferably in the range of 25 to 34 ° C. The α-olefin content of the propylene / α-olefin copolymer (A) is not particularly limited as long as it has the above-mentioned heat melting characteristics, but usually the α-olefin content is 1.0 to 20% by weight, more Preferably it exists in the range of 1.5 to 15 weight%. Examples of the α-olefin include ethylene, 1-butene, 1-hexene, 4-methyl / 1-pentene, 1-octene and the like. In these, the random copolymer with ethylene and / or 1-butene is preferable. The MFR (melt flow rate; ASTM D-1238 load 2160 g, temperature 230 ° C.) is not particularly limited as long as it can be made into a film, but usually 0.5 to 10 g / 10 minutes, preferably 2 to 5 g / 10. In the range of minutes. The propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention usually has a molecular weight distribution (expressed by a ratio of the weight average molecular weight Mw and the number average molecular weight Mn) in the range of 2 to 3.
The propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention is a raw material for the heat-sealing layer and the intermediate layer of the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition.
The peak temperature (Tp), melting start temperature (Ts) and melting end temperature (Te) of the propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention were measured by the following methods. About 5 mg of propylene / α-olefin copolymer (A) is weighed, and using a differential scanning calorimeter (type DSC220 module) manufactured by Seiko Denshi Kogyo Co., Ltd., the heating rate is 200 ° C./min. When the temperature was raised to 0 ° C. and held at 200 ° C. for 5 minutes, the temperature was lowered to 0 ° C. at a rate of temperature decrease of 100 ° C./min, and again raised to 0 ° C. to 200 ° C. at a rate of temperature increase of 10 ° C./min. The melting curve was measured, and from this melting curve, ASTM D3418-99The peak temperature (Tp), melting start temperature (Ts), and melting end temperature (Te) were determined from the melting curve. In the present invention, ASTM D3418-99(Tpm1) described in the above (Tp), (Tim) as (Ts), and (Tefm) as (Te).
[0012]
Propylene polymer (B)
The propylene-based polymer (B) according to the present invention is a propylene homopolymer, a copolymer of propylene and 10% by weight or less, preferably 5% by weight or less of an α-olefin, or a homopolymer and a copolymer. It is a composition with coalescence. The α-olefin is usually an α-olefin having 2 to 10 carbon atoms other than propylene, such as ethylene, 1-butene, 3-methyl-1-butene, 1-pentene, 3-methyl-1-pentene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene and the like can be mentioned. Among these α-olefins, a propylene homopolymer is preferable from the viewpoint of rigidity and heat resistance of the obtained propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. The propylene polymer (B) is not particularly limited as long as it can be formed as a film, but MFR (melt flow rate; ASTM D-1238 load 2160 g, temperature 230 ° C.) is usually 0.1 to 100 g / 10 min. Preferably it exists in the range of 1-50 g / 10min.
The propylene polymer (B) according to the present invention is a raw material for the vapor-deposited layer and intermediate layer of the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition.
[0013]
Ethylene polymer (C)
The ethylene polymer (C) according to the present invention usually has a density of 0.900 to 0.970 g / cm 3, preferably 0.910 to 0.960 g / cm 3, MFR (ASTM D1238 load 2160 g, temperature 190 ° C.). Is an ethylene homopolymer, or ethylene and a small amount of an α-olefin having 3 to 10 carbon atoms, such as propylene, butene-1, and heptene-1. , A random copolymer with hexene-1, octene-1, 4-methyl-pentene-1, so-called high pressure low density polyethylene (HP-LDPE), linear or linear low density polyethylene (LLDPE), It is a polymer mainly composed of ethylene called medium density polyethylene (MDPE) and high density polyethylene (HDPE). These ethylene polymers (C) may be a single polymer or a composition (mixture) with two or more ethylene polymers.
[0014]
High density polyethylene (D)
The high density polyethylene (D) according to the present invention is a polymer included in the category of the ethylene polymer (C) and has a density of 0.940 to 0.970 g / cm.3, Preferably 0.950-0.968 g / cm3, MFR (ASTM D1238 load 2160 g, temperature 190 ° C.) is 1 to 50 g / 10 min, preferably 10 to 30 g / 10 min, an ethylene homopolymer, or α- with 3 to 10 carbon atoms and ethylene. Random copolymers with olefins such as propylene, butene-1, heptene-1, hexene-1, octene-1, 4-methyl-pentene-1.
[0015]
Linear low density polyethylene (E)
The linear low density polyethylene (E) according to the present invention is a polymer included in the category of the ethylene polymer (C) and has a density of 0.900 to 0.935 g / cm.3, Preferably 0.910 to 0.930 g / cm3MFR (ASTM D1238 load 2160 g, temperature 190 ° C.) is 1 to 50 g / 10 min, preferably 10 to 30 g / 10 min, ethylene and a small amount of α-olefin having 3 to 10 carbon atoms such as propylene, butene- 1, a random copolymer with heptene-1, hexene-1, octene-1, 4-methyl-pentene-1. Further, the linear low density polyethylene usually has a molecular weight distribution (weight average molecular weight: Mw, ratio of number average molecular weight: Mn: expressed as Mw / Mn) of usually 1.5 to 4.0, preferably 1. It is in the range of 8-3.5. This Mw / Mn can be measured by gel permeation chromatography (GPC).
The linear low density polyethylene (E) has one or more sharp peaks obtained from an endothermic curve measured at a heating rate of 10 ° C./min of a differential scanning calorimeter (DSC), and the maximum temperature of the peak That is, the melting point is usually in the range of 70 to 130 ° C, preferably 80 to 120 ° C.
The linear low density polyethylene (E) as described above can be prepared by a conventionally known production method using a single site catalyst. For example, linear low density polyethylene (E) can be prepared using a catalyst containing a metallocene compound of a transition metal. The catalyst containing the metallocene compound is preferably formed from (a) a transition metal metallocene compound, (b) an organoaluminum oxy compound, and (c) a carrier, and if necessary, these components and (D) It may be formed from an organoaluminum compound and / or an organoboron compound.
An olefin polymerization catalyst containing such a metallocene compound and a method for adjusting linear low density polyethylene (E) using the catalyst are described in, for example, JP-A-8-269270.
[0016]
Method for producing propylene / α-olefin copolymer (A)
The propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention is obtained by various known methods, for example, a catalyst typically formed from a solid titanium catalyst component and an organometallic compound catalyst component, or both of these components and electrons. It can be prepared using a catalyst formed from a donor.
[0017]
As a solid titanium catalyst component, titanium trichloride or a titanium trichloride composition produced by various methods, or magnesium, halogen, an electron donor, preferably an aromatic carboxylic acid ester or an alkyl group-containing ether and titanium are essential components. The specific surface area is preferably 100 m2/ G or more of the supported titanium catalyst component. In particular, a polymer produced using the latter supported catalyst component is preferred.
The organometallic compound catalyst component is preferably an organoaluminum compound, and specific examples include trialkylaluminum, dialkylaluminum halide, alkylaluminum sesquihalide, alkylaluminum dihalide, and the like. Among these compounds, a suitable organometallic compound catalyst component varies depending on the type of the titanium catalyst component used.
The electron donor is an organic compound containing nitrogen, phosphorus, sulfur, oxygen, silicon, boron, and the like. Suitable specific examples include organic esters and organic ethers having these elements.
With respect to the method for producing a polymer using a catalyst component with a carrier, for example, JP-A-50-108385, JP-A-50-126590, JP-A-51-20297, JP-A-51-28189, JP It is disclosed in each publication such as Sho 52-151691.
[0018]
The propylene / α-olefin copolymer (A) according to the present invention can be produced particularly using a single site catalyst. The single site catalyst is a catalyst having a uniform active site (single site), and examples thereof include a metallocene catalyst (so-called Kaminsky catalyst) and a Brookhart catalyst. For example, a metallocene catalyst is a catalyst comprising a metallocene transition metal compound, at least one compound selected from the group consisting of an organoaluminum compound and a compound that forms an ion pair by reacting with the metallocene transition metal compound, and an inorganic substance. It may be carried on.
Examples of the metallocene transition metal compound include JP-A-5-209014, JP-A-6-1005209, JP-A-1-301704, JP-A-3-193966, JP-A-5-148284, and JP-A-2000-20431. And the like, and the like.
Examples of the organoaluminum compound include alkylaluminum, chain or cyclic aluminoxane, and the like. The chain or cyclic aluminoxane is produced by bringing alkylaluminum into contact with water. For example, it can be obtained by adding alkylaluminum at the time of polymerization and adding water later, or by reacting crystallization water of a complex salt or adsorbed water of an organic or inorganic compound with alkylaluminum.
[0019]
Examples of the compound that reacts with the metallocene transition metal compound to form an ion pair include compounds described in JP-A-1-501950, JP-A-3-207704, JP-A-2002-20431, and the like. . Examples of the inorganic substance that supports the single-site catalyst include silica gel, zeolite, diatomaceous earth, and the like.
Examples of the polymerization method include bulk polymerization, solution polymerization, suspension polymerization, gas phase polymerization and the like. These polymerizations may be batch processes or continuous processes. The polymerization conditions are usually polymerization temperature; −100 to + 250 ° C., polymerization time; 5 minutes to 10 hours, reaction pressure; normal pressure to 300 Kg / cm.2(Gauge pressure).
[0020]
Propylene polymer multilayer film for vapor deposition
The propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention has a peak temperature (Tp) obtained from a crystal melting curve based on DSC of 110 to 140 ° C. and the difference between the melting start temperature (Ts) and the melting end temperature (Te). (Te-Ts) is a multilayer film composed of a heat-fusible layer obtained from a propylene / α-olefin copolymer (A) having a temperature of less than 45 ° C. and a vapor-deposited layer obtained from a propylene-based polymer (B).
The propylene / α-olefin copolymer (A) constituting the heat-sealing layer contains 5% by weight or less, more preferably 1 to 3% by weight of ethylene polymer (C), more preferably high density polyethylene (D). If included, the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition can suppress the occurrence of roll marks on the film, improve the slip property and blocking property of the film immediately after the molding, and the obtained propylene for vapor deposition The rigidity and heat resistance of polymer-based multilayer films have been improved, and the quality of the product has been improved by improving the blocking properties of the deposited film and the tightness of the film when wound on a roll. Is done.
When the propylene-based polymer (B) constituting the vapor-deposited layer contains an ethylene-based polymer (C), more preferably 5% by weight or less, more preferably 1-3% by weight of high-density polyethylene (D). In addition, the adhesion when depositing inorganic compounds can be further strengthened, and the resulting propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition is improved in rigidity and heat resistance. The quality of the product and the quality of the product are improved by further improving the squeezing and the like when wound on the roll.
As another embodiment, the propylene polymer (B) constituting the vapor deposition layer contains 35 wt% or less, more preferably 5 to 35 wt%, still more preferably 15 to 30 wt% of the ethylene polymer (C). If it is contained, the adhesion when an inorganic compound is deposited can be further increased. In particular, the ethylene polymer (C) is 0.5 to 5% by weight of high-density polyethylene (D), more preferably 1 to 4% by weight, and linear low-density polyethylene (E) Is added in an amount of 15 to 25% by weight, the resulting propylene-based polymer film for vapor deposition is improved in rigidity and heat resistance, and during vapor deposition processing, the film deposited is further blocked or rolled. The tightness of the film is improved, the quality of the product is further improved, and the adhesion at room temperature when depositing an inorganic compound on the surface of the deposited layer of the resulting propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition is stronger Improved.
[0021]
The propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention comprises a heat-sealing layer obtained from the propylene / α-olefin copolymer (A) and a vapor-deposited layer obtained from the propylene-based polymer (B). In the meantime, the peak temperature (Tp) obtained from the crystal melting curve based on DSC is 110 to 140 ° C., and the difference (Te−Ts) between the melting start temperature (Ts) and the melting end temperature (Te) is less than 45 ° C. An intermediate layer obtained from the propylene / α-olefin copolymer (A) or the propylene-based polymer (B) may be provided.
As such an intermediate layer, for example, in order to obtain a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition that is rich in flexibility, a propylene / α-olefin copolymer (A) layer is used as the intermediate layer, and propylene for vapor deposition that requires rigidity. To obtain a polymer-based multilayer film, such as providing a propylene-based polymer (B) layer as an intermediate layer, by selecting a polymer used for the intermediate layer according to the application, the quality and workability of the resulting multilayer film Can be improved.
The thickness of the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention can be variously selected depending on the application, but in the case of a two-layer film of a heat-fusible layer and a vapor-deposited layer, the heat-fusible layer is usually 1 to 1. It is 100 μm, more preferably 1 to 20 μm, the deposited layer is 9 to 400 μm, more preferably 19 to 99 μm, and the total thickness is in the range of 10 to 500 μm, more preferably 20 to 100 μm. In the case where the multilayer film is a three-layer film of a heat fusion layer, an intermediate layer and a vapor deposition layer, the heat fusion layer is usually 1 to 100 μm, more preferably 1 to 20 μm, and the intermediate layer is 8 to 498 μm. More preferably, it is 18-98 micrometers, a vapor deposition layer is 1-100 micrometers, More preferably, it is 1-20 micrometers, and the whole thickness exists in the range of 10-500 micrometers, More preferably, it is 20-100 micrometers.
[0022]
The propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention can employ various known film forming methods. A composition in which an ethylene polymer (C) such as high-density polyethylene (D) or linear low-density polyethylene (E) is added to the propylene / α-olefin copolymer (A) as a raw material for the heat-fusible layer, When using a composition in which an ethylene polymer (C) such as high-density polyethylene (D) is added to the propylene polymer (B) as a raw material for the deposition layer, before forming a propylene polymer multilayer film for vapor deposition In addition, a composition obtained by mixing and melt-kneading each polymer component within a predetermined range may be prepared in advance, or a propylene / α-olefin copolymer (A) or a propylene-based polymer (B ) And other polymers may be weighed in a predetermined amount and directly fed into a film forming machine. As a method for obtaining a two-layer or three-layer film, a method by coextrusion molding using a multilayer die having a two-layer or three-layer structure is most preferable.
The propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention has a corona treatment, a flame treatment, a plasma treatment, a primer coat treatment, etc. in order to improve the adhesion to the inorganic compound and the base material layer on the vapor deposition layer surface and / or the laminate surface. Surface treatment may be performed.
[0023]
Multi-layer deposition film
The multilayer vapor-deposited film of the present invention is a film formed by vapor-depositing an inorganic compound on the vapor-deposited layer of the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. Examples of such inorganic compounds include metals such as aluminum and zinc, inorganic oxides such as chromium, zinc, cobalt, aluminum, tin and silicon, nitrides, indium tin oxide, lead titanate and the like.
As a method of forming a thin film of an inorganic compound on a vapor deposition layer of a propylene polymer multilayer film for vapor deposition, chemical vapor deposition such as chemical vapor deposition (CVD), low pressure CVD and plasma CVD, vacuum vapor deposition (reactive vacuum vapor deposition) Examples thereof include physical vapor deposition (PVD) such as sputtering (reactive sputtering) and ion plating (reactive ion plating), and plasma spraying such as low-pressure plasma spray and plasma spray.
The thickness of the formed inorganic compound thin film is usually in the range of 50 to 5000 mm, preferably 100 to 2000 mm. If it exceeds 5000 mm, the bending resistance may be lowered. On the other hand, if it is less than 50 mm, sufficient gas barrier resistance may not be obtained.
[0024]
The multilayer vapor-deposited film of the present invention can be used as a packaging film as it is, but may be laminated with other film base materials. Such film base materials include a sheet-like or film-like base made of a thermoplastic resin. Materials. Examples of such thermoplastic resins include various known thermoplastic resins such as polyolefin (polyethylene, polypropylene, poly-4-methyl / 1-pentene, polybutene, etc.), polyester (polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate, etc.), Examples include polyamide (nylon-6, nylon-66, polymetaxylene adipamide, etc.), polyvinyl chloride, polyimide, ethylene / vinyl acetate copolymer, polyacrylonitrile, polycarbonate, polystyrene, ionomer, or a mixture thereof. be able to. Of these, thermoplastic resins having good stretchability and transparency, such as polypropylene, polyethylene terephthalate, and polyamide, are preferable. Moreover, the base material which consists of this thermoplastic resin film may be a non-stretched film or a stretched film. Among these, a biaxially stretched film is preferable because it is excellent in rigidity, transparency, and the like.
Also, surface activation treatment such as corona treatment, flame treatment, plasma treatment, undercoat treatment, primer coat treatment, flame treatment, etc. is performed on one or both sides of the film substrate in order to improve adhesion with inorganic compounds. You can go there. The thickness of the film base is usually 5 to 50 μm, preferably 9 to 30 μm. The film substrate may be printed as necessary.
[0025]
【The invention's effect】
Since the propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition of the present invention is composed of a specific propylene / α-olefin copolymer (A), compared with a conventional propylene-based random copolymer, an amorphous component or Since there are few volatile components, such as a low molecular weight component, there are few stain | pollution | contaminations in a vapor deposition tank, and adhesiveness with an inorganic compound vapor deposition film, wettability, etc. are not inhibited.
In addition to the above properties, the multilayer deposited film of the present invention has good low-temperature heat sealability, blocking resistance, and tearability.
The multilayer vapor-deposited film of the present invention makes use of such characteristics, such as snacks, candy, cookie, frozen food, bread, vegetables, noodles and other daily goods such as shirts and pants. Can be widely used as a packaging material for products.
[0026]
【Example】
EXAMPLES Next, although this invention is demonstrated through an Example, this invention is not limited by these Examples.
[0027]
Various test methods and evaluation methods in the present invention are as follows.
Before evaluating the heat seal strength and aluminum adhesion strength, a 25 μm thick biaxially stretched polypropylene film was applied to the adhesive adhesive dry lamination on the vapor deposition surfaces of the multilayer vapor deposition films obtained in Examples and Comparative Examples. And aged at 40 ° C. for 48 hours to prepare a laminated film for measurement.
(1) Heat seal strength (N / 15mm)
The heat-sealed layer surfaces of the laminated film for measurement are overlapped, and the upper seal bar temperature is set to the predetermined temperature and the lower seal at a predetermined temperature and at a pressure of 0.2 MPa for 0.5 seconds with a seal bar having a width of 10 mm. -The Luba temperature was kept constant at 70 ° C, and heat-sealed in a direction perpendicular to the film flow direction, and then allowed to cool. From this, a test piece having a width of 15 mm was cut, and the heat seal part was peeled off at a crosshead speed of 300 mm / min, and the strength was defined as the heat seal strength.
(2) Aluminum adhesion strength (g / 15mm)
A tape made of a biaxially stretched polypropylene film is attached to the heat-sealing layer of the laminated film for measurement, and the upper sheet is placed at a predetermined temperature at a pressure of 0.2 MPa for 0.5 seconds with a seal bar having a width of 10 mm. The louver temperature was a predetermined temperature, the lower sill bar temperature was constant at 70 ° C., and heat was applied using a heat seal bar in a direction perpendicular to the film flow direction, followed by cooling. From this, a 15 mm wide test piece was cut out, and the strength when peeling between the aluminum vapor-deposited layer and the multilayer film at a heated portion was measured by a T-type peeling method at a crosshead speed of 300 mm / min. did.
(3) Easy tear strength (N) in the width direction (TD)
Before measuring the easy tear strength, the multilayer film was aged in a 38 ° C. oven for 15 hours and then allowed to cool. Five strip-shaped test pieces having a width direction (TD) of 65 mm and a flow direction (MD) of 50 mm width are cut out from the film not subjected to the film deposition process. Using a light load tear tester manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd., the tear strength was evaluated at n = 5 under the full scale 1.96N condition, and the average value was defined as the easy tear strength (N). When it was not torn under full scale 1.96N conditions, it was 1.96N or more.
(4) Blocking property (N / 5.2 cm2)
Before measuring the blocking property, the multilayer film was aged in a 38 ° C. oven for 15 hours and then allowed to cool. Cut out 20 mm x 100 mm strip test pieces from the film that is not subjected to vapor deposition processing, and make 5 pieces each of which the heat-fusible surfaces are overlapped, and are commercially available at right angles to the cross direction near the center of the test pieces. I'll put it in the preparation. A load of 4 kg is applied to the 5.2 cm 2 area where the test piece and the preparation overlap, and after aging at a predetermined temperature condition for 2 days, it is allowed to cool. Thereafter, the heat-sealing layer surfaces were overlapped and subjected to shear peeling at a crosshead speed of 300 mm / min, and the maximum strength was defined as a blocking force. The blocking force was evaluated at n = 5, and the average value was determined as blocking force (N / 5.2 cm).2).
[0028]
The polymers used in Examples and Comparative Examples are as follows.
(1) Propylene / ethylene random copolymer (PER)
Ethylene content: 3.1 wt%, Ts: 94.0 ° C, Tp: 126.6 ° C, Te: 131.4 ° C, Te-Ts: 37.4 ° C, Tp-Ts: 32.6 ° C, Mw / Mn: 2.7 and MFR: 7 g / 10 min (230 ° C.).
(2) Propylene / ethylene / 1-butene random copolymer (PEBR)
Ethylene content: 2.2 wt%, 1-butene content: 2.0 wt%, Ts: 95.4 ° C, Tp: 139.3 ° C, Te: 150.3 ° C, Te-Ts: 54.9 C, Tp-Ts: 43.9 ° C, Mw / Mn: 3.9 and MFR: 7 g / 10 min (230 ° C).
(3) High density polyethylene (HDPE)
Density: 0.965 g / cm3, Tm: 135 ° C., MFR: 17.0 g / 10 min (190 ° C.).
(4) Linear low density polyethylene (LL)
Density: 0.920 g / cm3, Tm: 120 ° C., MFR: 8.0 g / 10 min (190 ° C.).
(5) Propylene homopolymer (PP)
Melting point: 160 ° C., MFR: 7.0 / 10 minutes (230 ° C.)
[0029]
Reference example 1
A propylene-based polymer composition obtained by dry blending PER: 97.6% by weight and HDPE: 2.4% by weight as a heat-fusible layer, PP: 100% by weight as an intermediate layer, and PP as a deposition layer. : 97.2% by weight and HDPE: 2.8% by weight, each supplied to a separate extruder, and three-layer coextrusion lamination consisting of heat fusion layer / intermediate layer / deposition layer by T-die method The film was directly subjected to corona treatment on the line to be deposited on the line by 40 dyn / cm or more to obtain a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. The total thickness of the film was 25 μm, and the thickness of each layer was heat-fusion layer: intermediate layer: deposition layer = 3.5 μm: 18.5 μm: 3.0 μm.
Using a resistance heating type bell jar type vapor deposition device (manufactured by Vacuum Kiko Co., Ltd., small vacuum vapor deposition device VPC-260), the thickness of aluminum is about 450 mm on the vapor deposition layer of the obtained propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. Vapor deposition was performed to obtain a multilayer deposited film.
The obtained propylene polymer multilayer film for vapor deposition and the multilayer vapor deposition film were evaluated by the method described above. The results are shown in Table 1.
[0030]
Comparative Example 1
referenceInstead of Example 1, a propylene-based polymer composition obtained by dry blending PEBR: 97.6% by weight and HDPE: 2.4% by weight as a heat sealing layer, and PP: 100% by weight as an intermediate layer were coated. Propylene-based polymer compositions prepared by dry blending PP: 97.2% by weight and HDPE: 2.8% by weight as vapor-deposited layers were prepared and supplied to separate extruders. A three-layer coextrusion laminated film consisting of an intermediate layer / deposited layer, except that the vapor deposition layer is directly subjected to corona treatment on the line immediately after 40 dyn / cm to obtain a propylene polymer multilayer film for vapor deposition.referenceProceeding in the same manner as in Example 1, a propylene polymer multilayer film for vapor deposition and a multilayer vapor deposition film were obtained. The results are shown in Table 1.
[0031]
Example 1
A propylene-based polymer composition obtained by dry blending PER: 97.6% by weight and HDPE: 2.4% by weight as a thermal fusion layer, PER: 100% by weight as an intermediate layer, and PP as a deposition layer : 78.0% by weight and LL: 20.0% by weight, HDPE: 2.0% by weight are prepared and supplied to separate extruders, and heat-sealed layer / intermediate layer / deposited by T-die method A three-layer coextrusion laminated film composed of layers was subjected to direct corona treatment on the deposition layer on the line immediately after treatment for 40 dyn / cm or more to obtain a propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. The total thickness of the film was 20 μm, and the thickness of each layer was heat fusion layer: intermediate layer: deposition layer = 2.8 μm: 14.8 μm: 2.4 μm.
Using a resistance heating type bell jar type vapor deposition device (manufactured by Vacuum Kiko Co., Ltd., small vacuum vapor deposition device VPC-260), the thickness of aluminum is about 450 mm on the vapor deposition layer of the obtained propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition. Vapor deposition was performed to obtain a multilayer deposited film.
The obtained propylene polymer multilayer film for vapor deposition and the multilayer vapor deposition film were evaluated by the method described above. The results are shown in Table 1.
[0032]
Comparative Example 2
Example1Instead of a propylene-based polymer composition obtained by dry blending PEBR: 97.6% by weight and HDPE: 2.4% by weight as a heat-fusible layer, and PEBR: 100% by weight as an intermediate layer. PP: 78.0 wt%, LL: 20.0 wt%, HDPE: 2.0 wt% of dry blended propylene polymer compositions were prepared and fed to separate extruders, respectively, and T-die method A propylene-based polymer multilayer film for vapor deposition with a three-layer coextrusion laminated film consisting of a heat-sealing layer / intermediate layer / deposited layer by direct corona treatment on the vapor deposition layer on the line and immediately after treatment at 40 dyn / cm or more. Except for obtaining the example1In the same manner as above, a propylene polymer multilayer film for vapor deposition and a multilayer vapor deposition film were obtained. The results are shown in Table 1.
[0033]
[Table 1]
[0034]
From the results shown in Table 1, a multilayer deposited film having a heat-sealing layer obtained from the propylene / α-olefin copolymer (A) of the present invention (Reference Example 1, Example 1) Is superior in low-temperature heat-sealability, easy tearing and blocking resistance compared to conventional multi-layer vapor deposition films (Comparative Examples 1 and 2) having a heat-sealing layer obtained from a propylene / α-olefin copolymer. It is clear that
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