JP4379025B2 - 氷点以下でも使用可能な直接メタノ−ル形燃料電池用電解質膜および直接メタノ−ル形燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、氷点以下でも液体燃料としてのメタノ−ル水溶液が凝固せず作動が可能な直接メタノ−ル形燃料電池、その構成材料である電解質膜および膜−電極接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池用イオン交換膜として、パ−フロロスルホン酸膜や炭化水素系高分子電解質膜が多く検討されている。しかし、耐熱性、燃料バリア性、力学的強度、価格、環境などの点から、実用性の点からはまだ多くの問題を有している。
高分子電解質膜の耐熱性や強度を高め、また、燃料の透過性を調節する方法として、多孔基材に高分子電解質を充填する方法は有用である。
【0003】
例えば、オレフィン多孔基材に高分子電解質が充填されたもの(特許文献1)や、フッ素系多孔基材に高分子電解質が充填されたものが知られている(特許文献2、特許文献3)。また、芳香族ポリアミド系多孔基材にパ−フルオロスルホン酸系電解質を充填したものが知られている(特許文献4)が、フッ素系電解質の使用は、前述したように実用性に問題がある。
【0004】
また、芳香族ポリイミド系多孔基材に、主にビニル系ポリマ−電解質を充填したものが知られている(特許文献5)。また種々の多孔膜にスルホン化されたポリマ−を充填したものが知られている(特許文献6、特許文献7)。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−22932号公報
【特許文献2】
特開平6−29032号公報
【特許文献3】
特開平9−194609号公報
【特許文献4】
特開2002−358979号公報
【特許文献5】
特開2002−083612号公報
【特許文献6】
特表2001−514431号公報
【特許文献7】
米国特許第6248469号明細書
【0006】
しかし、従来公知の材料のプロトン伝導性は、スルホン酸基周辺に配位または自由水として存在する水を介したプロトン伝導機構により発現する。この電解質膜中の自由水は、氷点以下の温度で凝固(凍結)し、それに伴い電解質膜は実用的なプロトン伝導性を失ってしまい、その結果燃料電池の発電が困難になるという不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この発明の目的は、氷点以下の低温で液体燃料としてのメタノ−ル水溶液が凝固せずその液体燃料を用いて発電が可能である直接メタノ−ル形燃料電池、そのような直接メタノ−ル形燃料電池に使用できる電解質膜及び電解質膜−電極接合体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、液体燃料のメタノ−ル濃度が8〜15Mol/Lのメタノ−ル水溶液である直接メタノ−ル形燃料電池に用いる電解質膜であり、ポリイミド多孔質膜は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物から選ばれる芳香族テトラカルボン酸二無水物と、オキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン及びパラフエニレンジアミンから選ばれる芳香族ジアミンとから得られるポリイミドの多孔質膜を用い、
ポリイミド多孔質膜の細孔内に極性基を有するプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−及び架橋剤を充填した後重合してメタノ−ル水溶液に不溶性であることを特徴とする直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜に関する。
また、この発明は、前記の直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜を用いた直接メタノ−ル形燃料電池に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)約−20℃以下、特に約−30℃以下の温度でも液体燃料としてのメタノ−ル水溶液が凝固しない前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
2)−50℃以下での温度でも液体燃料としてのメタノ−ル水溶液が凝固しない前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
3)多孔質膜が、ポリイミド多孔質膜である前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
【0010】
4)高分子電解質が、スルホン酸基を有する高分子電解質である前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
5)高分子電解質が、モノマ−を加熱あるいは光照射による重合によって得られるものである前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
6)液体燃料が、メタノ−ル濃度が約53質量%(約15Mol/L)以上のメタノ−ル水溶液である前記の直接メタノ−ル形燃料電池。
【0012】
前記のポリイミド多孔質膜は、テトラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分、例えばオキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン、パラフエニレンジアミンなどの芳香族ジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒中で重合して得られたポリアミック酸溶液から、多孔質化法、例えばポリアミック酸溶液を平坦な基板上に流延して溶媒置換速度調整材と接触させた後に水などの凝固液中に浸漬する方法によって、ポリイミド前駆体多孔質フィルムとした後、ポリイミド前駆体多孔質フィルムの両端を固定して大気中で280〜500℃で5〜60分間加熱することによって得ることができる。
【0013】
多孔質膜としては、膜(フィルム)の両面間でガスおよび液体(例えばアルコ−ルなど)が透過できる通路を有するもので、空孔率が好適には5〜95%、好ましくは10〜90%、より好ましくは10%〜80%、最も好ましくは20〜80%であるのがよい。
また、平均細孔径が0.001〜100μm、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.01μm〜1μm、特に0.05〜1μmの範囲内にあるのがよい。さらに、膜の厚さが5〜300μm、特に5〜100μm、さらに5〜50μmであるのがよい。多孔膜の空孔率、平均細孔径、及び膜厚は、得られる膜の強度、応用する際の特性、例えば電解質膜として用いる際の特性などの点から、設計するのがよい。
【0014】
この発明における高分子電解質としては、スルホン酸基などの極性基を有するプロトン伝導性ポリマ−が挙げられる。
前記の高分子電解質膜は、(1)スルホン酸基などの極性基を有するプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−を多孔質膜の細孔内に充填した後重合してメタノ−ル水溶液に実質的に不溶性にする方法、(2)スルホン酸基などの極性基を有する可溶性のオリゴマ−あるいはポリマ−を多孔質膜の細孔内に充填した後に熱硬化などによって硬化させてスルホン酸基を有するフェノ−ル樹脂のようにメタノ−ル水溶液に実質的に不溶性にする方法、あるいは(3)ナフィオンなどのプロトン伝導性ポリマ−の溶液を多孔質膜の細孔内に充填した後に不溶性溶媒でプロトン伝導性ポリマ−を析出させる、又は溶媒を発揮させる工程を繰り返して細孔内をナフィオンなどのプロトン伝導性ポリマ−で埋める方法によって得ることができる。
【0015】
前記の方法のうち、特に(1)の方法が好適である。前記の細孔に充填するプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−は、該モノマ−を細孔内に充填した後に加熱重合あるいは光照射重合する工程によって重合する。
多孔質膜は、高分子多孔質膜を親水化させる工程、好適には高分子多孔質膜を減圧酸素雰囲気下に真空プラズマ放電処理されることが好ましい。
【0016】
前記のプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−としては、(1)p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドのスルホン酸又はホスホン酸誘導体、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)−アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のアニオン性不飽和モノマ−やその塩、など、構造中にビニル基;スルホン酸及びホスホン酸などの強酸基;カルボキシル基などの弱酸基;を有するモノマ−及びそのエステルなどの誘導体並びにそれらのモノマ−;
(2)(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、メトキシポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル(メタ)アクリレ−トなどのノニオン性不飽和モノマ−;
を挙げることができる。
このうち(1)はポリマ−がプロトン伝導性を有するものである。(2)は、(1)の補助材料として用いることができる。
【0017】
これらのモノマ−をl種のみ用いてホモポリマ−を形成してもよく、2種以上を用いてコポリマ−を形成してもよい。機能性物質としてナトリウム塩などの塩のタイプを用いた場合、ポリマ−とした後に、それらの塩をプロトン型などにするのがよい。
また、コポリマ−の場合、前述のポリマ−又はモノマ−と他種のモノマ−とを共重合してもよい。共重合する他種モノマ−として、メチル(メタ)アクリレ−ト、メチレン−ビスアクリルアミドなどを挙げることができる。
【0018】
これらのプロトン伝導性ポリマ−を与える不飽和モノマ−は、1種又は2種以上を選択して用いることできるが、重合後のポリマ−のプロトン伝導性を考えると、スルホン酸基を含有する不飽和モノマ−を必須成分とすることが好ましい。スルホン酸基を含有する不飽和モノマ−の中でも、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いると重合性が高く、他のモノマ−を使用した場合に比べて高い酸価で残存モノマ−の少ないポリマ−を得ることができ、得られる膜がプロトン伝導性の優れたものとなるため特に好ましい。
【0019】
また、本発明において上記プロトン伝導性ポリマ−は、架橋構造を有してメタノ−ルおよび水に対して実質的に溶解しないポリマ−であることが望ましい。ポリマ−に架橋構造を導入する方法としては、光照射および/または加熱により重合する方法を用いることが適当である。具体的には、紫外線照射、あるいは40〜240℃で0.1〜30時間程度加熱して重合反応を行なう方法が挙げられる。重合に際して、ポリマ−中の官能基と反応する基を分子内に2個以上有する架橋剤(反応開始剤)および界面活性剤を用いてもよい。
【0020】
該架橋剤としては、例えばN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジアリルエ−テル、ペンタエリスリト−ルトリアリルエ−テル、ジビニルベンゼン、ビスフェノ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレ−ト、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸塩等が挙げられる。これらの架橋剤は単独で使用することも、必要に応じて2種類以上を併用することも可能である。
上記共重合性架橋剤の使用量は、不飽和モノマ−の総質量に対して0.01〜40質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは0.3〜20質量%である。架橋剤量は少なすぎると未架橋のポリマ−が溶出し易く、多すぎると架橋剤成分が相溶し難いため何れも好ましくない。
【0021】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両面界面活性剤が挙げられる。さらに、界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤がある。フッ素系界面活性剤を用いることにより少量でモノマ−水溶液の濡れ性を改良することができるため不純物としての影響が少なく好ましい。本発明において使用されるフッ素系界面活性剤としては、種々のものがあるが、例えば一般の界面活性剤における疎水性基の水素をフッ素に置換えてパ−フルオロアルキル基またはパ−フルオロアルケニル基などのフルオロカ−ボン骨格としたものであり、界面活性が格段に強くなっているものである。フッ素系界面活性剤の親水基を変えると、アニオン型、ノニオン型、カチオン型および両性型の4種類が得られる。また、界面活性剤として、シリコ−ン系界面活性剤がある。シリコ−ン系界面活性剤を用いることにより少量でモノマ−水溶液の濡れ性を改良することができる。
【0022】
これらの界面活性剤の使用量は、共に存在する機能性物質、用いる多孔性膜、所望の電解質の特性に依存する。例えばプロトン伝導性ポリマ−を与える不飽和モノマ−の総重量に対して0.001〜5質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.01〜1質量%である。少なすぎると多孔性膜へのモノマ−の充填ができず、多すぎても効果は変わらず無駄であるばかりか種類によってはイオン性不純物となって膜中に残存するため、得られる電解質膜の性能を低下させるため何れも好ましくない。
【0023】
前記の重合法において、多孔質膜を機能性物質又はその溶液に浸漬した状態で、減圧操作、好適には104〜10−5Paの減圧状態を10〜300000秒間保持する減圧操作を行い、多孔質膜の細孔内に機能性物質、例えば上述のモノマ−を充填させるのがよい。さらに、必要であれば反応開始剤の存在下に紫外線照射及び/又は加熱してプロトン伝導性ポリマ−を与える不飽和モノマ−を高分子量化した後真空乾燥する工程(必要であればいずれかの工程を繰り返す)によって、電解質膜を得るのがよい。
【0024】
前記の方法において、多孔質膜をプロトン伝導性ポリマ−を与える不飽和モノマ−又はその溶液に浸漬した状態で、超音波を照射するのが好ましい。超音波を照射することで、より短時間で細孔内部に機能性物質の溶液、例えばモノマ−水溶液を充填させることができる。また、超音波照射により機能性物質の溶液、例えばモノマ−水溶液が脱気され、水溶液中の溶存酸素による重合阻害が低減される。また、重合時の気泡発生やモノマ−充填が不十分なときに膜内に発生するピンホ−ルを防止することによって得られる電解質膜の性能低下を抑えることができる。
【0025】
また、前記の高分子電解質を多孔質膜の細孔内に充填する方法として、例えば上述のモノマ−又はその溶液、好適にはモノマ−水溶液を用い、該溶液中に多孔質膜を浸漬するのがよい。
モノマ−の溶液は、モノマ−;ラジカル反応開始剤;エタノ−ル、メタノ−ル、イソプロパノ−ル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒、特に親水性有機溶媒;及び水を含み、好適にはモノマ−濃度が1〜75重量%、水の割合が99〜25重量%の混合液が挙げられる。
多孔質膜の細孔内に充填されたモノマ−を、その後、加熱重合して細孔内に所望のポリマ−、例えばプロトン伝導性のポリマ−を生成するのがよい。
【0026】
前記の細孔内部にてモノマ−を加熱重合させる方法として、公知の水溶液ラジカル重合法の技術を使用することができる。具体例として、熱開始重合が挙げられる。
熱開始重合のラジカル重合開始剤として、次のようなものが挙げられる。2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物。または、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(V−50)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系ラジカル重合開始剤がある。これらラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
【0027】
なお、上述したように、本発明のある面において、多孔質膜に充填した機能性物質であるモノマ−から生成したプロトン伝導性ポリマ−は、多孔質膜の界面と化学的結合を有していることが好ましい。化学的結合を形成するための手段として、上述したように、モノマ−充填工程の前に多孔質膜に電子線、紫外線、プラズマなどを照射して多孔質膜表面にラジカルを発生させる方法、後述の水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いる方法などがある。工程が簡便である点から水素引き抜き型のラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。
【0028】
前記の方法において、多孔質膜の細孔に電解質物質を充填した後に、多孔質膜の両表面に電解質物質を吸収する多孔質基材、例えば薬包紙、不織布、濾紙、和紙などを接触させることが好ましい。
また、多孔質膜の細孔内に電解質物質を充填した後に、平滑な材料、例えばガラス、非腐蝕性金属(例えばステンレス金属)、プラスチック製板、ヘらで高分子多孔質膜の両表面に過剰に付着する電解質物質を除去することが好ましい。
【0029】
前記の電解質膜は、好適には25℃で湿度100%の条件でプロトン伝導度が0.001S/cm以上10.0S/cm以下であり、25℃でのメタノ−ルの透過係数の逆数が0.01m2h/kgμm以上10.0m2h/kgμm以下である。特に、25℃における乾燥状態と湿潤状態での面積変化率が1%以下(0〜1%ということ)である。
特に、電解質膜の面積変化率は、その値が大きいと膜と電極との界面に損傷を及ぼす要因であるため、電池のオン−オフによる性能安定性、耐久性などの面で電池性能を大きく左右するもので、前記の範囲内であることが好ましい。
前記のプロトン伝導度、メタノ−ルの透過係数の逆数および乾燥状態と湿潤状態での面積変化率が前記範囲外であると、燃料電池用電解質膜として好ましくない。
前記の電解質膜は、カソ−ド極およびアノ−ド極で挟んで構成して、直接メタノ−ル形型燃料電池とする。
【0030】
この発明の電解質膜を構成要素とする電解質膜−電極接合体は、前記の電解質膜の両面に貴金属を含む触媒層を形成して得られる。
前記の貴金属としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群から選ばれる1種、及びこれらの物質の合金、各々の組合せ又は他の遷移金属との組合せのいずれかが挙げられる。
【0031】
前記貴金属粒子がカ−ボンブラック等の炭素微粒子に担持されたものが触媒として使用される。
前記の貴金属微粒子が担持され炭素微粒子は、貴金属を10質量%〜60質量%を含むものが好適である。
電極触媒を導電性材料に担持する方法として、電極触媒成分の金属の酸化物、複合酸化物などのコロイド粒子を含む水溶液や、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の塩を含む水溶液に導電性材料を浸漬して、これらの金属成分を導電性材料に担持させる方法が挙げられる。担持後は、必要に応じて、水素、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、ギ酸塩、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元処理を行ってもよい。また、導電性材料の親水性官能基がスルホン酸基などの酸性基である場合には、上記の金属塩の水溶液に導電性材料を浸漬して、イオン交換により導電性材料に金属成分を取り込んだ後、上記の還元剤を用いて還元処理を行ってもよい。
また、貴金属微粒子が担持された炭素微粒子とともに高分子電解質および/またはオリゴマ−電解質(イオノマ−)を併用することが好ましい。
【0032】
また、電解質膜−電極接合体(MEA)は、前記の貴金属微粒子が担持され炭素微粒子および場合により高分子電解質あるいはオリゴマ−電解質(イオノマ−)を溶媒に均一分散させた触媒層形成用ペ−ストを使用して、電解質膜の両面全面あるいは所定形状に触媒層を形成する方法によって得られる。
前記の高分子電解質あるいはオリゴマ−電解質としては、イオン伝導度をもつ任意のポリマ−又はオリゴマ−、又は酸又は塩基と反応してイオン伝導度をもつポリマ−又はオリゴマ−を生ずる任意のポリマ−又はオリゴマ−を挙げることができる。
【0033】
適当な高分子電解質あるいはオリゴマ−電解質としては、プロトン又は塩の形態でスルホン酸基等のペンダントイオン交換基を持つフルオロポリマ−、例えばスルホン酸フルオロポリマ−例えばナフィオン(デュポン社登録商標)、スルホン酸フルオロオリゴマ−やスルホン化ポリイミド、スルホン化オリゴマ−等が挙げられる。
前記の高分子電解質あるいはオリゴマ−電解質は100℃以下の温度で実質的に水に不溶性であることが必要である。
前記の触媒層形成用ペ−ストとしては前記の触媒粒子と液状高分子電解質とを混合して触媒粒子表面を高分子電解質で被覆し、さらにフッ素樹脂を混合したものが好適である。
【0034】
前記の触媒組成物インクの製造に使用される適当な溶媒としては、炭素数1−6のアルコ−ル、グリセリン、エチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、ブチルカ−ボネ−ト、エチレンカルバメ−ト、プロピレンカルバメ−ト、ブチレンカルバメ−ト、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン及びスルホラン等の極性溶媒が挙げられる。有機溶媒は単独で使用してもよくまた水との混合液として使用してもよい。
【0035】
前記のようにして得られる触媒層形成用ペ−ストを高分子電解質膜の片面側に、好適にはスクリ−ン印刷、ロ−ルコ−タ−、コンマコ−タ−などを用いて1回以上、好適には1〜5回程度塗布し、次いで他面側に、同様にして塗布し、乾燥することによって、あるいは前記触媒層形成用ペ−ストから形成される触媒シ−ト(フィルム)を加熱圧着して、高分子電解質膜の両面に触媒層を形成することによって電解質膜−電極接合体を得ることができる。
【0036】
前記の電解質膜は、簡単な操作で多孔質膜の細孔内に電解質が充填され、寸法精度が高く水やメタノ−ルによって実質的に膨潤せず、直接メタノ−ル形燃料電池の構造体として好適なものである。
直接メタノ−ル形燃料電池は、前記の電解質膜−電極接合体を構成要素することによって得られる。
また、カ−ボンペ−パ−などの導電性多孔基材上に、上記の触媒層形成用ペ−ストを用いて触媒層を形成することで電極を作製し、この電極を電解質膜とホットプレスを用いて接合する方法によっても、電解質膜−電極接合体を得ることができる。
【0037】
この発明においては、前記の多孔質膜を使用した電解質膜と直接メタノ−ル燃料電池のメタノ−ル水溶液燃料を高濃度にすることとを組合せることにより、液体燃料の凝固点を低下させ、0℃以下でも燃料電池およびその周辺の配管等内の凍結を抑制することが可能となった。
すなわち、メタノ−ル水溶液の凝固点は純水と比べて低く、例えば10mol/L濃度のメタノ−ル水溶液の凝固点は約−30℃である。従って、10mol/L濃度のメタノ−ル水溶液を燃料を用いれば、燃料タンクや配管、燃料電池本体内における凍結を−30℃まで抑制することができる。
該条件でメタノ−ルのクロスオ−バ−が抑制された状況で発電を開始することが出来れば発電中の過電圧力のエネルギ−が熱として得られるので、燃料電池本体の温度が上昇し、時間の経過に伴い発電特性が向上する。
【0038】
この発明においては、高濃度メタノ−ルでの発電を可能とする為に、メタノ−ル極から酸素極へのメタノ−ルのクロスオ−バ−を実質的な発電特性を損なわない程度に抑制する電解質膜を用いて燃料電池を構成することが必要である。多孔質膜、特にポリイミド多孔質膜中の細孔内に電解質を充填したハイブリット電解質膜を用いることで上記メタノ−ルクロスオ−バ−を効果的に抑制することが好ましい。この膜においては電解質の周辺が剛性の高い多孔質膜、特にポリイミド基材で拘束されていることにより、電解質の過剰な自由水による膨潤を抑制し、メタノ−ルのクロスオ−バ−をナフィオンなどの従来の電解質膜と比べて大幅に低減することができる。また電解質中の水またはメタノ−ル水溶液の凍結に伴う体積膨張を抑制するので、凍結が起こりにくい効果も期待できる。
【0039】
【実施例】
以下、この発明を実施例および比較例により更に詳しく説明するが、この発明の範囲がこれらの例により限定されるものではない。
用いた多孔質膜の透気度、平均細孔径、及び得られた電解質膜のメタノ−ル透過性、プロトン伝導性および面積変化率は以下のように評価した。
<透気性>
JIS P8117に準じて測定した。測定装置としてB型ガ−レ−デンソメ−タ−(東洋精機社製)を使用した。試料の膜を直径28.6mm、面積645mm2の円孔に締付け、内筒重量567gにより、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通過する時間を測定し、透気度(ガ−レ−値)とした。
<平均孔径>
バブルポイント法(ASTM F316、JISK3832)に基いて多孔質膜を評価した。PMI社のパ−ムポロメ−タ−を用いて、バブルポイント法による多孔質膜の貫通パス分布の測定を行った。また、平均細孔径は平均流量から逆算して求めた。
【0040】
<メタノ−ル透過性>
拡散セルにより透過試験(液/液系)を行い、メタノ−ルの透過性を評価した。まず、イオン交換水中に測定する膜を浸漬し膨潤させた後にセルをセットする。メタノ−ル透過側と供給側にそれぞれイオン交換水を入れ、1時間ほど恒温槽中で安定させる。次に、供給側にメタノ−ルを加え10重量%のメタノ−ル水溶液とすることで試験を開始する。所定時間ごとに透過側の溶液をサンプリングしガスクロマトグラフ分析によりメタノ−ルの濃度を求めることで濃度変化を追跡し、メタノ−ルの透過流速、透過係数、拡散係数を算出した。測定は25℃で行って、メタノ−ル透過性を評価した。
【0041】
<プロトン伝導性>
室温(25℃)、100%湿潤状態の電解質膜の表裏に電極を接触させ、耐熱性樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)板により挟み会わせることにより膜を固定しプロトン伝導度を測定した。
測定に供する膜を1規定の塩酸水溶液中で5分間超音波洗浄し、次にイオン交換水中で3回、各々5分間超音波洗浄を行い、その後イオン交換水中で静置した。水中で膨潤させた膜を耐熱性樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)板上に取り出し、白金板電極を膜の表と裏に接触させ、その外側から耐熱性樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)板で挟み4本のネジで固定した。インピ−ダンスアナライザ(ヒュ−レットパッカ−ド社製、インピ−ダンスアナライザ−HP4194A)により交流インピ−ダンスを測定し、コ−ルコ−ルプロットから抵抗値を読み取り、プロトン伝導率を算出した。
【0042】
<寸法および面積変化率>
作成した電解質膜については、以下によって寸法変化率および面積変化率を測定した。
電解質ポリマ−充填の前後、及びポリマ−の膨潤・収縮に伴うフィリング膜の膜面積変化率を測定するために、先ず乾燥したポリイミド多孔質膜のx方向、y方向の長さを定規により測定した(条件1)。次に、測定後の膜を用い電解質を充填、重合を行い、膜の洗浄・イオン交換処理を行った上で完全膨潤状態での電解質膜のx・y方向の長さを測定した(条件2)。その後、50℃の乾燥機中で十分乾燥を行った後、同様に長さを測定した(条件3)。
以上の測定結果を用いて寸法変化率を求め、面積をx×yで求めて以下により面積変化率を算出した。
寸法変化率:
電解質膜充填前後の面積変化率:A(%)
A=[面積(条件1)−面積(条件3)]×100/面積(条件1)
電解質膜の乾燥時と湿潤時の面積変化率:B(%)
B=[面積(条件2)−面積(条件3)]×100/面積(条件3)
【0043】
参考例1
ポリイミド多孔質膜の作製
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とオキシジアニリンとをモル比が0.998でかつ該モノマ−成分の合計重量が9.0重量%となるポリイミド前駆体NMP溶液を、鏡面研磨したSUS板上に流延し、溶媒置換速度調整材としてポリオレフィン製微多孔膜(宇部興産社製:UP−3025)で表面を覆い、該積層物をメタノ−ル中に、続けて水中に浸漬した後、大気中にて320℃で熱処理を行い、次の特性を持つポリイミド多孔質フィルムを得た。膜厚:20μm、空孔率:40%、パ−ムポロシメ−タ−を用いて測定した平均細孔径:0.13μm、透気度:106秒/100ml。
【0044】
実施例1
プロトン伝導性高分子のモノマ−であるアクリルアミドメチルプロピルスルホン酸(ATBS)とメチレン−ビス−アクリルアミドおよび反応開始剤であるV−50(商品名:和光純薬(株))を好適に水中に溶解して得られたモノマ−水溶液に、ポリイミド多孔質膜を浸漬した後に多孔質膜を取り出し、ガラス板で挟んだ。そのまま50℃の乾燥機内に12時間静置して加熱重合を行った。これを3回繰り返し、最後に膜の両表面に付着する過剰なポリマ−を純水洗浄により取り除き膜を平滑化することで、下記の特性を有する電解質膜を得た。
メタノ−ル透過性:0.20m2h/kgμm
プロトン伝導性:3.6×10−2S/cm
電解質膜充填前後の面積変化率:A=0(%)
電解質膜の乾燥時と湿潤時の面積変化率:B=0(%)
【0045】
実施例2
膜−電極接合体(MEA)の作製
1)拡散層の作製
酸素極に用いる電極にのみ、以下の操作によりカ−ボンペ−パ−上に拡散層を形成した。
メノウ乳鉢ですりつぶしたXC−720.37gにイソプロパノ−ル(IPA)4.0gを加え、攪拌と超音波により十分分散させた。その後市販のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を0.14g加え、約1分間の攪拌を行ない拡散層作製用のペ−ストとした。
その後、東レ社製のカ−ボンペ−パ−上にスクリ−ン印刷法によりペ−ストを3回にわけ塗布し、自然乾燥させた後、350℃で2時間焼成した。
【0046】
2)酸素極電極の触媒層の作製
46.1重量%の白金が担持したカ−ボンブラック(田中貴金属社製TEC10E50E)と同量のイオン交換水を混合し、その後市販の5%Nafion溶液を加え、攪拌・超音波を10分間繰り返した。その後、適量のPTFE分散液を加え攪拌することで触媒層形成用のペ−ストを得た。スクリ−ン印刷法により、前段で作製した拡散層付カ−ボンペ−パ−上にスクリ−ン印刷機によりペ−ストを3回にわけ塗布し自然乾燥する操作を3回繰り返すことにより、酸素極に用いるガス拡散電極を得た。
【0047】
3)メタノ−ル極電極の触媒層の作製
32.7重量%の白金及び16.9重量%のルテニウムが担持したカ−ボンブラック(田中貴金属社製TEC66E50)と同量のイオン交換水を混合し、その後市販の5%Nafion溶液を加え、攪拌・超音波を10分間繰り返した。その後、適量のPTFE分散液を加え攪拌することで触媒層形成用のペ−ストを得た。スクリ−ン印刷法により、前段で作製した拡散層付カ−ボンペ−パ−上にスクリ−ン印刷機によりペ−ストを3回にわけ塗布し自然乾燥するまでの操作を4回繰り返し、メタノ−ル極に用いるガス拡散電極を得た。
【0048】
4)MEAの作成
上記方法で作成した電極と、実施例1で作製した電解質膜を、ホットプレスを用いて(条件:130℃、2 MPa、1 min)接合しMEAを作製した。電極に担持した触媒量は、Anodeで1.6mg/cm2、Cathodeで1.03 mg−Pt/cm2であった。
【0049】
5)直接メタノ−ル形燃料電池
前記の4)で作製したMEAを米国エレクトロケム社製の電極面積5cm2の燃料電池に組み込み直接メタノ−ル形燃料電池を得て、電池試験を行った。発電条件は、セル温50℃で、Anodeには27〜53質量%のメタノ−ル水溶液を10mL/分の流速で、Cathodeには乾燥酸素を1L/分の流速で流した。試験の結果、53質量%のメタノ−ル水溶液を用いても実質的な発電挙動が確認された。
【0050】
上記の各濃度のメタノ−ル水溶液について、凝固点を測定した。( )は文献値である。
結果を次に示す。
メタノ−ル8Mol/L (約27質量%) (−22℃)
メタノ−ル10Mol/L(34重量%) (−30℃)
メタノ−ル15Mol/L(53重量%) −55℃
【0051】
比較例1
電解質膜としてナフィオン112を使用した他は実施例2と同様に発電試験を実施した。その結果、27質量%メタノ−ル水溶液を燃料に用いた場合において、0.4V以上の開方電圧が得られず、実用的な発電特性が得られなかった。また、それ以上のメタノ−ル濃度の水溶液を用いた場合には、ほとんど発電挙動が見られずデ−タの採取が出来なかった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、非常に高濃度のメタノ−ル水溶液を燃料に用いる事で氷点以下でも発電が可能な直接メタノ−ル形燃料電池を作製することが出来る。そのことにより気温が氷点以下になる寒冷地域での燃料電池の使用を可能にすることが出来、非常に有益で有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2及び比較例1における発電特性(セル電圧−電流密度)である。凡例中の重量%は液体燃料のメタノ−ル濃度である。
【図2】図2は、実施例2及び比較例1における発電特性(出力密度−電流密度)である。凡例中の重量%は液体燃料のメタノ−ル濃度である。
Claims (5)
- 液体燃料のメタノ−ル濃度が8〜15Mol/Lのメタノ−ル水溶液である直接メタノ−ル形燃料電池に用いる電解質膜であり、
ポリイミド多孔質膜は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物から選ばれる芳香族テトラカルボン酸二無水物と、オキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン及びパラフエニレンジアミンから選ばれる芳香族ジアミンとから得られるポリイミドの多孔質膜を用い、
ポリイミド多孔質膜の細孔内に極性基を有するプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−及び架橋剤を充填した後重合してメタノ−ル水溶液に不溶性であることを特徴とする直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜。 - 極性基を有するプロトン伝導性ポリマ−を与えるモノマ−が、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドのスルホン酸又はホスホン酸誘導体、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)−アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アリルホスホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のアニオン性不飽和モノマ−やその塩、構造中にビニル基;スルホン酸及びホスホン酸の強酸基;カルボキシル基の弱酸基;を有するモノマ−及びそのエステルの誘導体並びにそれらのモノマ−から1種又は2種以上選択され、
架橋剤は、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジアリルエ−テル、ペンタエリスリト−ルトリアリルエ−テル、ジビニルベンゼン、ビスフェノ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレ−ト、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、ジアリルオキシ酢酸塩から1種又は2種以上選択されることを特徴とする請求項1に記載の直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜。 - ポリイミド多孔質膜は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物から選ばれる芳香族テトラカルボン酸二無水物と、オキシジアニリン、ジアミノジフエニルメタン及びパラフエニレンジアミンから選ばれる芳香族ジアミンとから得られるポリアミック酸溶液から、ポリアミック酸溶液を平坦な基板上に流延して溶媒置換速度調整材と接触させた後に凝固液中に浸漬する方法によって、ポリイミド前駆体多孔質フィルムとした後、ポリイミド前駆体多孔質フィルムの両端を固定して大気中で280〜500℃で5〜60分間加熱することによって得ることができることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜。
- ポリイミド多孔質膜は、多孔質膜の両面間でガスおよびアルコ−ルが透過できる通路を有し、空孔率が5〜95%、平均細孔径が0.001〜100μm、膜の厚さが5〜300μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の直接メタノ−ル形燃料電池用の電解質膜を用いた直接メタノ−ル形燃料電池。
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