JP4378838B2 - 移動局端末,移動体無線通信システム及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置が検出される移動局端末,移動局の位置検出機能を備えた移動体無線通信システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラ方式による移動体無線通信システムにおいて、移動局が複数の基地局からの送信信号を受信する場合、移動局と各基地局との位置関係を計算することによって移動局の位置を特定することができる。
【0003】
この場合、各基地局と移動局との間の信号伝播時間Tdを観測する。信号伝播時間Tdは、位置検出装置に送信される。位置検出装置では、Tdと、予め既知である各基地局の位置情報を用いた三辺測量を行うことによって移動局の位置を算出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特に移動体通信の場合、基地局から送信される信号は、建物等の障害物により散乱・反射されるため、実際の信号は、複数の散乱波となって、異なる行路長をもった複数の伝送路を伝播されて移動局に到来している。これを、マルチパスフェーディングという。このマルチパスフェーディングによって、移動局における受信信号の到達時刻には、各伝送路の行路長差に相当する時間差が生じる。また移動局で受信する信号強度は、ランダムに変化することとなる。
【0005】
したがって、到達時刻から算出される基地局と移動局との間の信号伝播時間Tdは、マルチパスフェーディングによって発生した複数の散乱波のうちのどの散乱波の到達時刻を選択するかによって変動する。即ち、計算される基地局と移動局との間の距離は変化してしまう。
【0006】
特に、基地局と移動局とが遮蔽されている場合、送受信される信号は、直線距離で直接伝播することができず、マルチパスフェーディングによって発生した散乱波のみが伝播される。
【0007】
そのため、基地局と移動局とが遮蔽されている場合やマルチパスフェーディングが起こる条件下では、正確な到達時刻、即ち正確な基地局と移動局との間の距離を算出することが困難になるという問題がある。
【0008】
仮に、到来時間が1μsずれたときの基地局と移動局との間の距離の誤差を計算すると、下記計算式により、誤差は300m程度となることが判る。
【0009】
300,000,000[m/s]×1[μs]=300[m]
電波の伝播速度が大気中で約300,000,000m/sであること、及び散乱波の到来時間の分布が、例えば郊外において最大数十μs,市街地において最大数μsであることを考慮すると検出される位置に数百m〜数km単位の誤差を生じることになるが、従来の位置検出装置では、誤差を含んだ状態で表示されるという問題点があった。
【0010】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、移動局の位置検出機能を備えた移動体無線通信システムにおいて、検出される位置の精度を算出することが可能な移動体無線通信システムを提供すること目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る移動局端末は、複数の基地局との間で無線により互いに通信を行い、上記複数の基地局との通信における信号伝播時間から検出された位置情報を受信する移動局端末であって、上記複数の基地局から送信されて移動局端末に到達する複数の到来波を受信する受信手段と、受信される上記複数の到来波の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出手段と、上記信号強度の時間分布から位置情報の精度を算出する精度算出手段と、上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との送受信時間差を検出する時間差検出手段と、上記複数の基地局に対して上記送受信時間差を送信する送信手段と、上記位置情報と上記精度とを表示する表示手段とを備える。
【0012】
このような移動局端末は、信号検出手段において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出手段において、信号強度の時間分布から位置情報の精度を算出して、表示手段においてこれを表示する。
【0013】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る移動体無線通信システムは、複数の基地局と移動局と間の信号伝播時間から移動局の位置情報を検出する移動体無線通信システムにおいて、上記移動局と無線により互いに通信を行い、上記移動局に対して信号を送信した時刻と、上記信号に対する応答を上記移動局から受信した時刻との基地局送受信時間差を検出する複数の基地局と、上記複数の基地局から送信されて上記移動局に到達する複数の到来波を受信する受信手段と、受信される上記複数の到来波の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出手段と、上記信号強度の時間分布から上記位置情報の精度を算出する精度算出手段と、上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との移動局受送信時間差を検出する時間差検出手段と、上記複数の基地局に対して上記移動局受送信時間差を送信する送信手段と、上記位置情報と上記精度とを表示する表示手段とを備える移動局端末と、上記基地局送受信時間差と上記移動局受送信時間差とから上記移動局の位置を検出する位置検出装置とを備える。
【0014】
このような移動体無線通信システムは、移動局の信号検出手段において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出手段において、位置検出装置で算出された位置情報の精度を信号強度の時間分布から算出して、表示手段においてこれを表示する。
【0015】
更に、上述した目的を達成するために、本発明に係る移動体無線通信方法は、複数の基地局と移動局と間の信号伝播時間から移動局の位置を検出する移動体無線通信方法において、上記移動局と無線により互いに通信を行う複数の基地局との間で、上記移動局に対して信号を送信した時刻と、上記信号に対する応答を上記移動局から受信した時刻との基地局送受信時間差を検出する基地局送受信時間差検出工程と、上記複数の基地局から送信されて上記移動局に到達する複数の到来波を受信する受信工程と、上記移動局において受信される上記複数の到来波の信号強度を、信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出工程と、上記信号強度の時間分布から上記移動局の位置の精度を算出する精度算出工程と、上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との移動局受送信時間差を検出する時間差検出工程と、上記複数の基地局に対して上記移動局受送信時間差を送信する送信工程と、上記基地局送受信時間差と上記移動局受送信時間差とから上記移動局の位置を検出する位置検出工程と、上記移動局の上記位置情報と上記精度とを表示する表示工程とを備える。
【0016】
このような移動体無線通信方法は、信号検出工程において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出工程において、位置検出工程で算出された位置情報の精度を信号強度の時間分布から算出して、表示工程においてこれを表示する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施の形態の一構成例として示す移動体無線通信システムは、互いに通信が可能な複数の基地局と移動局との間で送受信される信号の伝播時間から移動局の位置を算出するセルラ方式による移動体無線通信システムであって、更に、建物等の障害物により散乱・反射されて複数の散乱波となって異なる行路長を有する複数の散乱波として移動局に到来するマルチパスフェーディング下において、移動局に到来する基地局からの各散乱波の強度と到来時間の分布を検出することによって、ここで算出される移動局の位置の精度を決定するものである。
【0019】
このような移動体無線通信システム1の概略を、図1に示す。移動体無線通信システム1は、移動局2と、基地局3,基地局4及び基地局5とが無線により互いに通信可能とされ、更に、基地局3乃至基地局5に接続されて各基地局から位置検出に必要なデータを受信する位置検出装置6を備えている。
【0020】
移動局2は、例えば携帯型通信端末であり、ここでは携帯型電話機である。移動局2の構成について、図2を用いて説明する。
【0021】
移動局2は、基地局からの信号を受信する高周波受信回路10と、アナログ信号をデジタル信号へと変換するアナログデジタル(A/D)変換器11と、受信信号の信号強度を時間軸にて分解測定する遅延プロファイル検出回路12と、信号強度から後述の位置情報の精度を算出する精度検出回路13と、入力される信号を復調する復調回路14と、受信した信号に対する応答を送信するまでの時間を検出する送受信タイミング差検出回路15と、信号を変調して出力する変調回路16と、デジタル信号をアナログ信号へと変換するデジタルアナログ(D/A)変換器17と、基地局へと信号を送信する高周波送信回路18と、位置情報及び携帯型電話機である当該移動局の操作に関する情報を表示する表示部19と、基地局からの種々の信号を受信する、及び/又は基地局へと種々の信号を送信するアンテナ20とを少なくとも備えている。
【0022】
上述の移動局2において、高周波受信回路10は、アンテナ20を介して、基地局3,基地局4及び基地局5からのアナログ信号を受信し、A/D変換器11へと送る。
【0023】
A/D変換器11は、高周波受信回路10からのアナログ信号をデジタル信号へと変換して遅延プロファイル検出回路12へと送る。
【0024】
遅延プロファイル検出回路12は、A/D変換器11からのデジタル信号の信号強度を時間軸で分解し、信号強度の時間分布(以下、遅延プロファイルと記す。)を検出する。遅延プロファイル検出回路12は、検出した遅延プロファイルを精度検出回路13へと送る。また、遅延プロファイル検出回路12は、A/D変換器11から入力されるデジタル信号を送受信タイミング差検出回路15へと送る。
【0025】
精度検出回路13は、遅延プロファイルから位置情報の精度を決定し、決定された位置情報の精度を示すデータを表示部19へと送る。
【0026】
復調回路14は、A/D変換器11からの信号を復調して表示部19へと送る。
【0027】
送受信タイミング差検出回路15は、複数の散乱波となって到来する基地局からの信号の中で、最も早い信号が到達した時刻と、最も遅い信号が到達した時刻とをカウントし、前者と後者との時間差(以下、移動局送受信タイミング差と記す。)を算出する。移動局送受信タイミング差は、移動局2に到達する散乱波の到達時刻のタイムラグを示している。移動局送受信タイミング差は、位置検出装置6において移動局2の位置を算出する際に使用されるため基地局に対して返信される。送受信タイミング差検出回路15は、この移動局送受信タイミング差を示すデータを変調回路16へと送る。
【0028】
変調回路16は、送受信タイミング差検出回路15からの移動局送受信タイミング差を示すデータを変調して高周波送信回路18へと送る。
【0029】
D/A変換器17は、変調回路16からのデジタル信号をアナログ信号へと変換し、高周波送信回路18へと送る。
【0030】
高周波送信回路18は、アンテナ20を介してD/A変換器17からのデジタル信号を各基地局に対して送信する処理を行う。
【0031】
表示部19は、検出された移動局2の位置情報、及び位置情報の精度等を受信し表示する。また表示部19は、当該移動局2の携帯型電話機としての他の設定の設定や通話に係る諸事項の表示も行うが、詳細については省略する。
【0032】
アンテナ20は、各基地局から送信される信号を受信し、高周波受信回路10へと送る。或いは高周波送信回路18からの信号を各基地局に対して送信する。
【0033】
移動体無線通信システム1において、基地局3,基地局4及び基地局5は、移動局2との間で信号の送受信を行う。また、基地局3乃至基地局5は、移動局2に対してある信号を送信した時刻と、当該信号に対する応答を移動局2から受信した時刻とをカウントし、前者と後者との時間差(以下、基地局送受信タイミング差と記す。)を算出する。
【0034】
基地局送受信タイミング差は、基地局から送信された信号が再び戻ってくるまでの時間を示しており、基地局送受信タイミング差は、移動局2に到達する信号のタイムラグを示す移動局送受信タイミング差を含んでいる。各基地局は、この基地局送受信タイミング差と移動局2から送られる移動局送受信タイミング差とを、位置検出装置6に対して送信する。
【0035】
基地局3乃至基地局5は、信号を送受信するためのアンテナ及び信号の送受信に必要な他の構成を備えているが、詳細の説明は省略する。
【0036】
位置検出装置6は、基地局3乃至基地局5と接続されて、基地局3,基地局4及び基地局5と移動局2との距離から移動局2の位置を決定する装置である。位置検出装置6は、先述の移動局送受信タイミング差と基地局送受信タイミング差とから、基地局と移動局2との間の信号の伝播時間から、移動局2と各基地局との距離を計算し、更に移動局2の位置を決定する。
【0037】
上述のような移動体無線通信システム1をスペクトラム拡散無線通信システムに適用した場合について具体的に説明する。スペクトラム拡散無線通信システムでは、各基地局と移動局との間で信号の送受信を行う際、当該信号に拡散信号を乗算して通信を行っている。この拡散信号には、一般に擬似ランダム(Pseudorandom Noise)系列が用いられている。この擬似ランダム系列を式(1)及び式(2)に示す。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】
ただしcnは、基地局拡散信号を示す。xnは、基地局送信信号を示す。snは、送信符号を示す。rnは、移動局逆拡散後信号を示す。c’nは、移動局で用意した拡散信号を示す。σ2は、拡散信号の相関が取れない場合の残留雑音電力を示す。
【0041】
擬似ランダム信号を拡散信号として使用すると、拡散信号が乗算された当該信号を受信する受信局は、同一の拡散信号をタイミング良く相関計算する(これを、逆拡散と称する。)ことによってのみ当該信号を復調できるという特徴を有している。
【0042】
つまり、移動局では、基地局の拡散信号cnと同じ信号を予め用意し、タイミングを合わせて受信信号xnに逆拡散信号を乗算することによって基地局の送信信号を復調することができる。
【0043】
拡散符号の周期は、通常、送信しようとする信号の周期の整数倍とすることが好ましく、このとき移動局における逆拡散として示す式(1)及び式(2)のnの範囲は、一般に、4〜256程度となる。ここで、拡散符号の位置符号をチップと呼び、拡散符号の周期を1チップ長と呼ぶ。1チップ長は、例えば1/3.84Hzとされている。
【0044】
また、各基地局の擬似ランダム系列は、異なる系列或いは異なるタイミングを使用している。これは、移動局2と各基地局との間の通信が混信しないようにするためである。
【0045】
本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システム1をスペクトラム拡散無線通信システムに適用した場合、上記移動局2における遅延プロファイル検出回路12には、例えば、いわゆるマッチドフィルタ(整合フィルタ)を使用することができる。遅延プロファイル検出回路12の構成と動作について、図3を用いて以下に説明する。
【0046】
図3に示すように、遅延プロファイル検出回路12は、信号サンプルを遅延させるための遅延器30乃至34と、遅延された信号サンプルに係数を乗算するための係数演算器35と、係数乗算された信号サンプルの絶対値をとる絶対値回路36とを有している。
【0047】
アンテナ20を介して高周波受信回路10に入力された基地局から送信された信号は、アナログデジタル(A/D)変換器11でデジタル信号へと変換される。このときの標本化周波数は、拡散信号のチップレート或いはその整数倍であることが一般的である。
【0048】
遅延プロファイル検出回路12に送られた信号は、図3に遅延器30乃至34として示すN個の遅延器に入力される。
【0049】
A/D変換器11が1サンプル採取すると同時に、遅延器は、受信信号サンプルを1チップ分遅延する。各遅延器に蓄えられた受信信号サンプルは、係数演算器35に入力されることによって係数が乗算される。乗算された信号は、絶対値回路36において絶対値が取られて出力される。即ち、この遅延プロファイル検出回路12は、FIR(Finite Impulse Response;有限インパルス応答)フィルタを構成している。このときの乗算係数として、前述の式(1)に示す拡散符号系列cnを設定すると先述した逆拡散を行うことができる。
【0050】
1つの基地局にかかる遅延プロファイル検出時間は、ある一定の値とするのが一般的である。遅延プロファイル検出時間は、伝送路の遅延特性により選択されるが、移動局2における遅延プロファイル検出回路12では拡散信号cnを変化させながら各基地局から送信される信号の遅延プロファイルを測定する際の遅延プロファイル検出時間を、例えば62.5μsと決めている。
【0051】
また、遅延プロファイル検出回路12は、図2及び図3には図示しないが移動局内に移動局内タイマを有し、拡散信号のチップ程度の分解能で時刻を計測する機能を有している。遅延プロファイル検出回路12は、その時刻を合わせて出力することができる。このようなマッチドフィルタである遅延プロファイル検出回路12は、従来の位置検出装置に使用していたものを使用することができる。
【0052】
遅延プロファイル検出回路12が、A/D変換器11からのデジタル信号の遅延プロファイルを検出して精度検出回路13及び送受信タイミング差検出回路15へと送出する動作を図4に示す。
【0053】
遅延プロファイル検出回路12は、図示しない制御回路に制御されて、ステップS1において、全基地局を観測したか否かの判別を行う。全基地局の観測が終了していない場合は、ステップS2に進んで、残る基地局が使用している拡散信号系列cを選択して、62.5μs間の観測を行う。全基地局の観測が終了している場合は、遅延プロファイルの検出を終了する。
【0054】
ステップS3において、決められた観測期間(62.5μs)だけ観測されたか否かの判別を行う。所定時間の観測が終了した場合、ステップS1へと戻る。
【0055】
所定時間の観測が終了しない場合は、ステップS4において、引き続きA/D変換器11からのデジタル信号を観測する。
【0056】
その後、ステップS5において、移動局内タイマの時刻を保存して、精度検出回路13及び送受信タイミング差検出回路15へと、デジタル信号を送ってステップS3へと戻る。
【0057】
移動体無線通信システム1において、遅延プロファイル検出回路12からの出力信号は、従来の位置検出装置と同様に送受信タイミング差検出回路15に送られるのに加えて、精度検出回路13にも送られる。
【0058】
次に、移動体無線通信システム1において、各基地局と移動局2との間で信号が送受信される際の各部の動作について具体的に説明する。基地局から送信された信号は、実際には建物等に反射して散乱及び屈折を繰り返しながら伝播された後、複数の散乱波となって移動局2に到達する。この現象を、マルチパスフェーディングという。
【0059】
図5に、各基地局から送信される信号が、移動局2に対して伝播される様子を示す。図5では、基地局3から移動局2に対して電波が送信される際の電波の経路を示している。lは、基地局3から移動局2へと直接伝播する直接波の行路を示し、l’,l”は、例えば建物等の障害物7,8において反射された後、移動局2に到達する散乱波の行路を示している。
【0060】
したがって、基地局から送信されて移動局に到達する到来波には、図5に示すように、移動局2に対して直接伝播される行路長lの直接波と、障害物7,8で反射されて異なる行路長l’,l”の散乱波とが含まれることになる。
【0061】
移動局2で受信された信号(以降、到来波と記す。)は、アンテナを介して高周波受信回路10に入力され、当該高周波受信回路10において選択・増幅される。到来波は、建物等に反射することによって生じる複数の散乱波を含んでいる。
【0062】
到来波は、A/D変換器11において、デジタル信号に変換される。変換されて得られたデジタル信号は、遅延プロファイル検出回路12に送られる。
【0063】
到来波は、遅延プロファイル検出回路12において、散乱波毎の成分に分解される。各散乱波は、散乱・屈折の度合の違いによってそれぞれ異なる行路長lを有するため、それぞれ異なる到来時間を有している。また、信号強度も散乱波によってそれぞれ異なる。したがって各散乱波は、遅延プロファイル検出回路12によって、図6及び図7に示すようなスペクトルとして検出される。
【0064】
最も早く到達する到来波の信号強度が最も大きい場合の遅延プロファイルを図6に示し、最も早く到達する到来波の信号強度が他の到来波の強度に比べて小さい場合或いは他の到来波の強度と同程度の場合の遅延プロファイルを図7に示す。図6は、最も早く到達する到来波が直接波である場合のスペクトルを示している。また、図7は、最も早く到達する到来波が直接波ではない場合のスペクトルを示している。したがって図7は、基地局と移動局とが遮蔽されている場合の遅延プロファイルを示している。
【0065】
送受信タイミング差検出回路15は、遅延プロファイルのスペクトルから、最も早く到達する到来波の到達時刻T2と最も遅く到達する到来波の到達時刻T3とをカウントし、前者と後者の時間差(以下、移動局送受信タイミング差Tmと記す。)を算出する。ここでT2及びT3は、後述の図9に対応する記号である。
【0066】
図8は、移動局2に到来する異なる強度の信号が全て到来した後に、移動局2が信号の送信を開始する様子を示したものである。
【0067】
移動局送受信タイミング差Tmは、基地局から送信される強度の異なる信号の各々が、移動局2へと到来するときの時間分布を示している。送受信タイミング差検出回路15は、基地局3乃至基地局5に対して、それぞれ移動局送受信タイミング差Tmを算出している。移動局2は、散乱波を全て受信すると、この信号に対応する応答を基地局に対して送信する。
【0068】
移動局送受信タイミング差Tmは、移動局2に到達する散乱波のタイムラグを示している。移動局送受信タイミング差Tmは、位置検出装置6において移動局2の位置を算出する際に使用されるため基地局に対して返信される。送受信タイミング差検出回路15は、このTmを示すデータを変調回路16へと送る。変調回路16は、送受信タイミング差検出回路15からの時間差を示すデータを変調してD/A変換器17でアナログ信号に変換した後、高周波送信回路18へと送る。移動局送受信タイミング差Tmは、アンテナ20を通じて各基地局に送信される。
【0069】
移動体無線通信システム1において基地局3,基地局4及び基地局5が移動局2との間で信号の送受信を行う際、基地局が信号を送信した時刻と移動局2から送信されたこの信号に対する応答を受信する時刻との間には、図9に示すような時間差が生じる。
【0070】
図9において、T1は、基地局から信号が送信された時刻を示す。T2は、上述したように、伝送過程で散乱されて複数の散乱波となった当該信号のうち移動局2に最も早く到達した、即ち最短距離を通って到達した散乱波の到達時刻を示し、T3は、最も遅く到達した、即ち最長距離を通って到着した散乱波の到達時刻を示す。T4は、移動局2からの応答が基地局に到達した時刻を示す。
【0071】
基地局3乃至基地局5は、移動局2に対してある信号を送信した時刻T1と、当該信号に対する応答を移動局2から受信した時刻T4とをカウントし、前者と後者の時間差(以下、基地局送受信タイミング差Tbと記す。)を算出する。
【0072】
基地局送受信タイミング差Tbは、基地局から送信された信号に対しての応答が為されるまでの時間を示しており、Tbは、移動局送受信タイミング差Tmを含んでいる。
【0073】
各基地局は、この基地局送受信タイミング差Tbと、移動局2から送られる上述の移動局送受信タイミング差Tmとを、位置検出装置6に対して送信する。
【0074】
位置検出装置6では、送られた移動局送受信タイミング差Tmと基地局送受信タイミング差Tbとから、基地局と移動局2との間で信号を送信する際の伝播時間Tdを、各基地局に対して算出する。基地局送受信タイミング差Tbから、移動局送受信タイミング差Tmを減算して求められる時間差は、信号が基地局と移動局2との間を往復する時間を示している。従って伝播時間Tdは、以下に示す式(3)によって算出することができる。
【0075】
【数3】
【0076】
基地局nと移動局2との間の信号の伝播時間Tdとを用いると、基地局と移動局2との間の距離は、次式(4)で決定される。
【0077】
【数4】
【0078】
ただし、cは、信号の伝播速度であり、大気中では、約3,000,000m/sとして計算することができる。
【0079】
算出された移動局2と各基地局との間の距離lnを用いて三辺測量を行うことによって移動局2の位置を知ることができる。基地局の位置情報、即ち位置座標は既知であり、基地局nの座標は(xn,yn)で表されるものとする。
【0080】
三辺測量とは、測量時等に地表各点の相対位置を明らかにする目的で行なわれる地点間距離測定方法であり、三辺測量を用いることによって、中心を基地局,半径を基地局及び移動局2との間の距離とする各円が互いに重なり合う部分に移動局2が位置すると決定される。
【0081】
基地局3,基地局4及び基地局5を中心とする半径lnの円は、次式(5),(6),(7)の方程式の解(xm,ym)として算出される。
【0082】
【数5】
【0083】
【数6】
【0084】
【数7】
【0085】
位置検出装置6は、算出された移動局2の位置情報を、基地局を介して移動局2に送信する。移動局2では、アンテナ20を介して位置情報を受信する。位置情報は、表示部19に表示される。
【0086】
遅延プロファイル検出回路12からの出力は、送受信タイミング差検出回路15を介して位置検出装置6に返信されるだけでなく、精度検出回路13にも送られている。精度検出回路13では、遅延プロファイルから位置情報の精度を決定する。
【0087】
図6に示す遅延プロファイルのように、最も早く到達した到来波(以下、最速到来波と記す。)が最も大きな信号強度である場合、この信号は、基地局から移動局2に直接到来した到来波(直接波)であると予想されるため、移動局2の位置情報の精度は高い。また、図7に示す遅延プロファイルのように、最速到来波の信号強度が他の到来波の強度に比べて小さい場合、或いは他の到来波の強度と同程度の場合、この到来波は、基地局から移動局2に直接到来した到来波(直接波)ではないと予想されるため、移動局2の位置情報の精度は低い。このように最速到来波の信号強度を検出することによって、移動局2の位置情報の精度を決めることができる。
【0088】
以上説明したように移動体無線通信システム1は、精度検出回路13において最速到来波の信号強度を検出することにより、位置検出装置6で算出される移動局2の位置情報の精度を決定することができる。
【0089】
したがってユーザは、マルチパスフェーディング下で検出される移動局位置の誤差の程度を知ることができる。
【0090】
或いは、遅延プロファイルの観測結果のスペクトルの広がりを位置情報の精度を算出するための指標とすることもできる。
【0091】
一例として、最速到来波の到達時刻を基準とした遅延プロファイルの分散から求める場合について示す。以下に示す式(8)は、遅延プロファイルの分散を算出する式であり、式(8)の計算を行うことによって到来波を構成する散乱波の分散を知ることができる。式(8)を用いて、1つの基地局に対して1つの分散を計算する。
【0092】
【数8】
【0093】
上述の式(8)において、Pは、最速到来波の信号強度を示す。τmは、最速到来波の到達時刻を示す。p(τ)は、遅延プロファイルの形状を表す関数を示す。σn 2は、遅延プロファイルの分散を示す。
【0094】
ここで求められる分散(σn 2)を、変形遅延スプレッドと称する。式(8)において、変形遅延スプレッド(σn 2)が小さいほど、移動局に到来する到来波の散乱が少ないことを示し、最速到来波の信号強度が直接波によるものであると判断できる。即ち、変形遅延スプレッド(σn 2)が小さいほど、検出された移動局の位置情報の精度が高いといえ、変形遅延スプレッド(σn 2)が大きいほど直接波が受信されていないと判断できるため、検出された移動局の位置情報の精度が低いといえる。
【0095】
このように、変形遅延スプレッド(σn 2)の値を決められた値毎に段階分けすることにより、算出される移動局2の位置情報の精度を区分することができる。
【0096】
更に、変形遅延スプレッド(σn 2)からは、誤差の程度を知ることもできる。式(8)により求められる変形遅延スプレッド(σn 2)の次元は、時間の二乗であることから、推定誤差をΔr[m]とすると、推定誤差Δrは、次式(9)により計算することができる。
【0097】
【数9】
【0098】
ただし、σn 2は、基地局nに対する変形遅延スプレッドを示し、cは、振動の伝播速度(大気中では、約3,000,000[m/s]である。)を示す。
【0099】
例えばΔrが50mより小さい値(Δr<50m)の場合、算出される移動局2の位置情報の精度が高く、Δrが100mより大きい値(Δr>100m)の場合、算出される移動局2の位置情報の精度が低く、Δrが50mと100mとの間の値(50m<Δr<100m)である場合、位置情報の精度は中程度であるとすることができる。
【0100】
精度検出回路13が、位置情報の精度を決定する動作を図10に示す。
【0101】
ステップS10において、精度検出回路13は、遅延プロファイル検出回路12からのデジタル信号を入力する。
【0102】
ステップS11において、精度検出回路13は、式(8)から変形遅延スプレッドを算出する。
【0103】
精度検出回路13は、ステップS12において、変形遅延スプレッドの値に応じて精度を決定する。
【0104】
ステップS13において、決定した精度を示すデータを表示部19へと送る。表示部19は、精度を表示する。
【0105】
表示の仕方は、高・中・低のように表示することもできるが、σn 2の値を更に明確に段階分けして、例えば変形遅延スプレッドの値がある値の範囲にある場合は、信頼度が何%である、というように細かく分類して表示するようにしてもよい。また、上述した式(9)によって求められる推定誤差Δrの値を表示してもよい。
【0106】
位置情報と精度とを表示部19に表示した例を図11に模式的に示す。図11において移動局2の位置情報は、緯度・経度によって表示され、更に、この位置情報の精度が高・中・低の3段階で表示されている。
【0107】
以上説明したように、移動体無線通信システム1は、精度検出回路13において、遅延プロファイル検出回路12で検出される遅延プロファイルのスペクトルの広がりを変形遅延スプレッドとして計算することによって、位置検出装置6で算出された移動局2の位置情報の精度を決定することができる。
【0108】
したがってユーザは、マルチパスフェーディング下で検出される移動局位置の誤差の程度を更に詳細な値として知ることができる。
【0109】
なお、位置検出装置6は、基地局3乃至基地局5に接続される以外に、何れかの基地局に備えられていてもよい。更に、基地局を統括する役割を有するような上位の基地局等に備えられていてもよい。
【0110】
精度検出回路13は、位置検出装置6に組み込むことも可能である。この場合、遅延プロファイル検出回路12によって検出された遅延プロファイルのデータが、移動局2から基地局を介して位置検出装置6へと伝送される。
【0111】
更に、表示される位置情報は、緯度・経度による表示だけでなく、算出された緯度・経度付近を表す他の情報を表示するようにしてもよい。例えば位置検出装置6によって算出された緯度・経度を、具体的な「住所」として表示してもよい。
【0112】
本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0113】
【発明の効果】
本発明に係る移動局端末は、信号検出手段において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出手段において、信号強度の時間分布から位置情報の精度を算出して、表示手段においてこれを表示する。
【0114】
したがって、本発明に係る移動局端末は、移動局の位置情報の精度を算出して表示することを可能にする。これによりユーザは、マルチパスフェーディング下で検出される移動局の位置情報の精度を知ることができる。
【0115】
また、本発明に係る移動体無線通信システムは、移動局の信号検出手段において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出手段において、位置検出装置で算出された位置情報の精度を信号強度の時間分布から算出して、表示手段においてこれを表示する。
【0116】
したがって、本発明に係る移動体無線通信システムは、位置検出装置で算出された移動局の位置情報の精度を算出して表示することを可能にする。これによりユーザは、マルチパスフェーディング下で検出される移動局の位置情報の精度を知ることができる。
【0117】
更に、本発明に係る移動体無線通信方法は、信号検出工程において、受信される複数の信号の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定して複数の信号の信号強度の時間分布を検出し、精度検出工程において、位置検出工程で算出された位置情報の精度を信号強度の時間分布から算出して、表示工程においてこれを表示する。
【0118】
したがって、本発明に係る移動体無線通信方法は、移動局の位置情報の精度を算出して表示することを可能にする。これによりユーザは、マルチパスフェーディング下で検出される移動局の位置情報の精度を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システムの概略を説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システムが備える移動局の内部構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システムが備える遅延プロファイル検出回路の内部構成を説明するブロック図である。
【図4】遅延プロファイル検出回路の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システムにおいて、基地局からの信号が、障害物に反射されて移動局に伝播される際の信号の伝送路を説明する図である。
【図6】基地局から送信される信号の散乱波のうち、最も早く到達する到来波の信号強度が最も大きい場合の散乱波スペクトルを示す遅延プロファイル図である。
【図7】基地局から送信される信号の散乱波のうち、最も早く到達する到来波の信号強度が他の到来波の強度に比べて小さい場合或いは他の到来波の強度と同程度の場合の散乱波スペクトルを示す遅延プロファイル図である。
【図8】本発明の実施の形態として示す移動体無線通信システムが備える送受信タイミング差検出回路が算出する移動局送受信タイミング差Tmを説明する図である。
【図9】基地局と移動局との間の信号の伝播時間Tdを説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態として示す精度検出回路が、位置情報の精度を決定する動作を示すフローチャートである。
【図11】移動局の位置情報と当該位置情報の精度とが表示部に表示されている様子を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
0 移動体無線通信システム、2 移動局、3,4,5 基地局、6 位置検出装置、7,8 障害物、10 高周波受信回路、11 A/D変換器、12 遅延プロファイル検出回路、13 精度検出回路、14 復調回路、15 送受信タイミング差検出回路、16 変調回路、17 D/A変換器、18 高周波送信回路、19 表示部、20 アンテナ、30,31,32,33,34 遅延器、35 係数演算器、36 絶対値回路
Claims (9)
- 複数の基地局との間で無線により互いに通信を行い、上記複数の基地局との通信における信号伝播時間から検出された位置情報を受信する移動局端末であって、
上記複数の基地局から送信されて移動局端末に到達する複数の到来波を受信する受信手段と、
受信される上記複数の到来波の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出手段と、
上記信号強度の時間分布から位置情報の精度を算出する精度算出手段と、
上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との送受信時間差を検出する時間差検出手段と、
上記複数の基地局に対して上記送受信時間差を送信する送信手段と、
上記位置情報と上記精度とを表示する表示手段とを備える
移動局端末。 - 上記精度算出手段は、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の中で最も早く到達する最速到来波の信号強度を、送信元である基地局毎に検出する
請求項1記載の移動局端末。 - 上記精度算出手段は、上記信号検出手段から送られる上記信号強度の時間分布から、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の分散を、送信元である基地局毎に算出する
請求項1記載の移動局端末。 - 複数の基地局と移動局と間の信号伝播時間から移動局の位置情報を検出する移動体無線通信システムにおいて、
上記移動局と無線により互いに通信を行い、上記移動局に対して信号を送信した時刻と、上記信号に対する応答を上記移動局から受信した時刻との基地局送受信時間差を検出する複数の基地局と、
上記複数の基地局から送信されて上記移動局に到達する複数の到来波を受信する受信手段と、受信される上記複数の到来波の信号強度を信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出手段と、上記信号強度の時間分布から上記位置情報の精度を算出する精度算出手段と、上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との移動局受送信時間差を検出する時間差検出手段と、上記複数の基地局に対して上記移動局受送信時間差を送信する送信手段と、上記位置情報と上記精度とを表示する表示手段とを備える移動局端末と、
上記基地局送受信時間差と上記移動局受送信時間差とから上記移動局の位置を検出する位置検出装置とを備える
移動体無線通信システム。 - 上記精度算出手段は、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の中で最も早く到達する最速到来波の信号強度を、送信元である基地局毎に検出する
請求項4記載の移動局無線通信システム。 - 上記精度算出手段は、上記信号検出手段から送られる上記信号強度の時間分布から、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の分散を、送信元である基地局毎に算出する
請求項4記載の移動局無線通信システム。 - 複数の基地局と移動局と間の信号伝播時間から移動局の位置を検出する移動体無線通信方法において、
上記移動局と無線により互いに通信を行う複数の基地局との間で、上記移動局に対して信号を送信した時刻と、上記信号に対する応答を上記移動局から受信した時刻との基地局送受信時間差を検出する基地局送受信時間差検出工程と、
上記複数の基地局から送信されて上記移動局に到達する複数の到来波を受信する受信工程と、
上記移動局において受信される上記複数の到来波の信号強度を、信号別に時間軸にて分解測定し、上記複数の到来波の信号強度の時間分布を検出する信号検出工程と、
上記信号強度の時間分布から上記移動局の位置の精度を算出する精度算出工程と、
上記到来波を受信した時刻と、上記到来波に対する応答を上記基地局に対して送信した時刻との移動局受送信時間差を検出する時間差検出工程と、
上記複数の基地局に対して上記移動局受送信時間差を送信する送信工程と、
上記基地局送受信時間差と上記移動局受送信時間差とから上記移動局の位置を検出する位置検出工程と、
上記移動局の上記位置情報と上記精度とを表示する表示工程とを備える
移動体無線通信方法。 - 上記精度算出工程では、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の中で最も早く到達する最速到来波の信号強度を、送信元である基地局毎に検出する
請求項7記載の移動局無線通信方法。 - 上記精度算出工程では、上記信号検出手段から送られる上記信号強度の時間分布から、上記複数の基地局から送信されるそれぞれの信号が散乱されて生じる上記それぞれの信号に対応する散乱波の分散を、送信元である基地局毎に算出する
請求項7記載の移動局無線通信方法。
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