[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4378774B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4378774B2
JP4378774B2 JP2005203350A JP2005203350A JP4378774B2 JP 4378774 B2 JP4378774 B2 JP 4378774B2 JP 2005203350 A JP2005203350 A JP 2005203350A JP 2005203350 A JP2005203350 A JP 2005203350A JP 4378774 B2 JP4378774 B2 JP 4378774B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
link
valve timing
sliding contact
adjusting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005203350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007023806A (ja
Inventor
憲 堀
昭彦 竹中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005203350A priority Critical patent/JP4378774B2/ja
Publication of JP2007023806A publication Critical patent/JP2007023806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4378774B2 publication Critical patent/JP4378774B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

本発明は、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の開閉タイミング(以下、バルブタイミングという)を調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する回転体と、カム軸と連動して回転する回転体との間の相対回転位相を変化させることにより、バルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置が知られている。例えば特許文献1には、電動モータを備えた制御系によりリンク機構のリンク作動を制御して二つの回転体の相対回転位相変化を発生するバルブタイミング調整装置が開示されている。このバルブタイミング調整装置では、カム軸側から受けるトルクの変動がリンク作動の制御に及ぼす影響を小さくすることができる。
さて、特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置では、クランク軸との連動回転体の内部にリンク機構を収容し、当該リンク機構を構成するリンクをクランク軸との連動回転体に対して密接させている。これにより、リンク機構の構成リンクの位置ずれを規制してリンク機構の作動不良を防止している。
特開2005−98142号公報
しかし、特許文献1に開示のようにリンク機構の構成リンクをクランク軸との連動回転体に密接させた場合、それら密接要素同士の相対摺動によって磨耗が生じる。
そこで磨耗を抑制するには、クランク軸との連動回転体の内部に潤滑流体を供給する方法が考えられる。ところが、低温時等においては、潤滑流体が高粘度化して密接要素間に滞留し易くなるため、密接要素間の摺動抵抗が増大する。また、高粘度化した潤滑流体と共に磨耗粉等の異物が密接要素間に滞留する場合、摺動抵抗の増大は顕著になる。このように大きな摺動抵抗が発生した場合、リンク機構の作動不良を招来するおそれがあるので、望ましくない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、作動不良を防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1〜12に記載の発明では、クランク軸及びカム軸の一方と連動して回転する第一回転体と、クランク軸及びカム軸の他方と連動して回転する第二回転体との間の相対回転位相がリンク機構のリンク作動によって変化する。したがって、リンク作動を制御することによりバルブタイミングを調整できる。
そして請求項1に記載の発明では、第一回転体の内部へ供給された潤滑流体を第一回転体の外部へ排出する排出孔が、第一回転体の内壁面においてリンク機構の摺接リンクが摺接する部分に開口する。そのため、第一回転体と摺接リンクとの間へ入り込んだ潤滑流体は、摺接リンクと第一回転体とが相対摺動することにより排出孔の開口付近まで導かれて、排出孔の内部へ流入することとなる。これにより、第一回転体と摺接リンクとの間には潤滑流体が滞留し難くなるので、低温時等に潤滑流体が高粘度化したとしても、第一回転体と摺接リンクとの間において摺動抵抗が増大することを抑制できる。また、磨耗粉が発生し易い第一回転体と摺接リンクとの摺接部分に排出孔が開口しているので、そうした磨耗粉は潤滑流体と共に第一回転体と摺接リンクとの間から除去されることとなる。このことによっても、第一回転体と摺接リンクとの間に発生する摺動抵抗の増大を抑制できる。以上、請求項1に記載の発明によれば、摺動抵抗の増大が抑制されるので、リンク機構の作動不良を防止できる。
通常、内燃機関の始動時において潤滑流体は低温であるため、高粘度化している蓋然性が高い。
請求項2に記載の発明では、第一回転体の内壁面において内燃機関の始動時に摺接リンクが摺接する部分に排出孔が開口するので、当該機関始動時に潤滑流体が高粘度化していたとしても、第一回転体と摺接リンクとの間における摺動抵抗の増大を確実に抑制できる。
請求項3に記載の発明では、回転径方向及び回転軸方向が第一回転体と略一致した第二回転体から回転径方向外側へ突出する摺接リンクの回転軸方向の一面が摺接する第一回転体の内壁面において、摺接リンクの回転径方向外側端部の摺接部分に排出孔が開口する。これにより、第一回転体と摺接リンクとの間へ入り込んだ潤滑流体は、回転する第一回転体に働く遠心力によって回転径方向外側へと移動するため、摺接リンクの回転径方向外側端部が摺接する部分の排出孔に到達し易くなる。このように第一回転体に不可避的に発生する遠心力を利用することによって、潤滑流体の排出効率を高めることができる。
請求項4に記載の発明では、第一及び第二回転体の回転周方向に排出孔が複数設けられるので、第一回転体の強度低下を抑えつつ、第一回転体の内壁面と摺接リンクの回転径方向外側端部との複数の摺接位置において潤滑流体の排出作用を得ることができる。
請求項5に記載の発明では、第一及び第二回転体の回転周方向へ延伸する形状に排出孔が形成されるので、第一回転体の内壁面と摺接リンクの回転径方向外側端部との摺接位置によることなく、潤滑流体の排出作用を得ることが可能となる。
請求項6,7に記載の発明では、第一回転体のストッパ面が、第一及び第二回転体の回転周方向において摺接リンクの回転径方向外側端部の側面(以下、リンク端部側面という)から離間することにより、第一及び第二回転体間の相対回転位相変化を許容する。また、このストッパ面は、リンク端部側面を係止することにより第一及び第二回転体間の相対回転位相変化を規制する。このようなストッパ面を設けた構成によると、第一及び第二回転体の回転周方向において、ストッパ面とリンク端部側面との間に磨耗粉等の異物が滞留し易くなる。しかしながら、請求項6,7に記載の発明では、例えば、ストッパ面のリンク端部側面側に近接して排出孔が設けられれば、ストッパ面とリンク端部側面との間の異物は、摺接リンクのストッパ面側への回転により排出孔の開口付近に集められて、排出孔の内部へと押し出されることとなる。それ故、ストッパ面とリンク端部側面との間には異物が滞留し難くなるので、それらの面間に異物が噛み込まれて第一及び第二回転体間の相対回転位相が所望の規制位相からずれるような事態を防止できる。
請求項8に記載の発明では、リンク機構において連繋リンクが摺接リンクと回り対偶により連繋し、当該回り対偶を実現するための軸体が摺接リンクの対偶素を嵌通する。このような構成によると、摺接リンクの対偶素と軸体との間では回転摺動による磨耗粉が発生し易く、またそうした磨耗粉は、リンク作動に伴って摺接リンクと第一回転体との間へと入り込み易い傾向がある。しかしながら、請求項8に記載の発明では、軸体が嵌通した摺接リンクの対偶素が摺接する第一回転体の内壁面部分に排出孔が開口するので、対偶素と軸体との間に発生した磨耗粉は、リンク作動に伴って排出孔へと導出され易くなる。故に、対偶素と軸体との間から摺接リンクと第一回転体との間へ磨耗粉が移動することによる摺動抵抗の増大を抑制できるのみならず、対偶素と軸体との相対回転が円滑となるので、リンク機構の作動不良の防止効果が高められる。
請求項9に記載の発明では、摺接リンクの対偶素と軸体との境界を孔内部に露出させる位置に排出孔が設けられるので、その境界から排出孔への磨耗粉の導出効率が高くなる。
尚、請求項8,9に記載の発明において軸体は、例えば連繋リンクとは別体に設けられて相対回転自在に連繋リンクに嵌合するものであってもよいし、連繋リンクに固定される又は連繋リンクと一体に形成されるものであってもよい。
請求項10に記載の発明では、第二回転体において第一回転体を内外に貫通する貫通部に、第一回転体内部への供給潤滑流体を流通させる供給流路が設けられる。このような構成によると、例えば第二回転体と連動するクランク軸又はカム軸を通じて内燃機関用の
潤滑流体を供給流路へ導くようにすることで、潤滑流体の供給経路の一部をバルブタイミング調整装置と内燃機関とで共有化できる。このような共有化はコストの低減に繋がるため、望ましい。
請求項11に記載の発明では、第一回転体において、それと連動する回転体との間で回転伝達部材が巻き掛けられる巻掛部と向き合った外壁面部分に排出孔が開口するので、潤滑流体は排出孔から巻掛部へ向かって排出されることとなる。その結果、排出流体は、巻掛部と回転伝達部材との回転に伴って排出孔と巻掛部との間から速やかに取り除かれることとなるため、排出孔の出口側開口付近には潤滑流体が滞留し難くなる。故に、第一回転体内部の潤滑流体を排出孔の内部に留めることなく、逐次排出できる。また、巻掛部へ向かって排出される潤滑流体によって、巻掛部と回転伝達部材との接触部分を潤滑することが可能となる。
尚、回転伝達部材としては、例えばタイミングチェーンやタイミングベルト等が用いられる。
請求項12に記載の発明では、リンク機構のリンク作動を制御するための制御トルクを電動モータにより発生するので、制御トルクの調整、ひいてはバルブタイミングの調整を高精度に行うことができる。
潤滑流体の高粘度化に起因して第一回転体と摺接リンクとの間に働く摺動抵抗が増大する場合、制御ユニットが発生する制御トルクによりリンク機構を迅速に作動させるには、当該制御トルクを増大する必要が生じる。しかし、請求項1〜11に記載の発明では、第一回転体と摺接リンクとの間における摺動抵抗の増大を抑制できるので、請求項12に記載の発明の如く電動モータにより制御トルクを発生させるようにしても、電動モータの発生トルクを小さく抑えることができる。したがって、省電力且つ小型の電動モータを使用することが可能になる。
尚、制御トルクの発生手段としては、電動モータ以外にも、例えば油圧モータや電磁ブレーキ装置等の公知のトルク発生手段を用いることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設けられる。バルブタイミング調整装置1は、クランク軸とカム軸2との間の相対回転位相を変化させることにより、内燃機関の吸気弁についてバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置1は、スプロケット11、出力軸16、電動モータ30、遊星歯車機構40及びリンク機構50を備えている。
スプロケット11は全体として中空形状であり、遊星歯車機構40、リンク機構50等を収容している。このスプロケット11は、入力筒部13、入力筒部13よりも小径筒状の軸部12、入力筒部13と軸部12との間を階段状に接続する接続部14、入力筒部13の接続部14とは反対側に固定されたカバー部15を有している。入力筒部13の外周壁には、複数の歯17を有する入力巻掛部18が設けられており、この入力巻掛部18の複数の歯17とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーン19が巻き掛けられる。これにより、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーン19を通じて入力巻掛部18へ入力されるときには、スプロケット11がクランク軸との間の相対回転位相を保ちつつ、図3の時計方向へ回転軸線O周りに回転する。
図2に示すように軸部12は、出力軸16の外周側に同軸嵌合している。軸部12の外周部には、複数の歯20を有する同期巻掛部21が設けられており、この同期巻掛部21の複数の歯20と、排気弁用バルブタイミング調整装置のスプロケットが備える複数の歯との間で環状のタイミングチェーン22が巻き掛けられる。これにより、スプロケット11と排気弁用バルブタイミング調整装置のスプロケットとが連動して回転し、吸気弁用バルブタイミング調整装置1と排気弁用バルブタイミング調整装置との間で同期が取られることとなる。
接続部14は、回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成されている。カバー部15は有底筒状に形成されており、回転軸線Oに対して底壁が垂直となる形態で周壁によって入力筒部13に嵌合固定されている。
出力軸16はカム軸2に同軸固定されていると共に、スプロケット11の軸部12を内外に貫通している。これにより出力軸16は、カム軸2に対する相対回転位相を保ちつつ回転軸線O周りに回転可能となっており、またスプロケット11に対して相対回転可能となっている。尚、以下の説明では、図3に示すスプロケット11に対して出力軸16が進角する相対回転方向を進角方向Xといい、スプロケット11に対して出力軸16が遅角する相対回転方向を遅角方向Yという。
以上、スプロケット11が、クランク軸と連動して回転する第一回転体に相当し、出力軸16が、カム軸2と連動して回転する第二回転体に相当し、出力軸16の軸部12を貫通する部分が第二回転体の貫通部に相当する。
図2,4に示すように電動モータ30は、ハウジング31、軸受32、モータ軸33、ステータ34、図示しない制御回路等から構成されている。
ハウジング31はステー35を介して内燃機関に固定されている。ハウジング31には、二つの軸受32及びステータ34が収容固定されている。モータ軸33はスプロケット11及び出力軸16と同軸に配置され、各軸受32によって回転軸方向の二箇所を支持されている。モータ軸33は、遊星歯車機構40の入力軸42に軸継手36を介して連結固定されており、回転軸線O周りに入力軸42と共に回転可能となっている。モータ軸33は、その軸本体33aから回転径方向外側へ突出する平板状のロータ部33bを有している。ロータ部33bには、その回転軸線O周りの回転周方向に等間隔に並ぶ形態で複数の永久磁石37が埋設されている。
ステータ34はモータ軸33の外周側に同軸配置されており、コア38及びコイル39を有している。コア38は複数枚の鉄片を積層して形成され、回転軸線O周りに等間隔に並ぶ形態で複数設けられている。各コア38には、制御回路に接続されたコイル39が巻装されている。制御回路は、各永久磁石37へ作用する回転磁界を各コイル39の所定順序での励磁によって形成するように、各コイル39への通電状態を切替制御する。したがって、各コイル39への通電が切替制御されるときには、回転磁界の方向に応じた方向X,Yの制御トルクがモータ軸33へ付与されることとなる。尚、制御回路については、ハウジング31の内部に収容させてもよいし、ハウジング31の外部に配置してもよい。
図2,5に示すように遊星歯車機構40は、太陽歯車41、入力軸42、遊星歯車43、ベアリング44、減速回転体45を組み合わせて構成されている。
太陽歯車41は、歯先曲面が歯底曲面の内周側にある内歯車で構成され、入力筒部13の内周壁に同軸固定されている。これにより太陽歯車41は、回転軸線O周りにスプロケット11と共に回転可能となっている。電動モータ30のモータ軸33に連結固定されている入力軸42の外周壁面は、回転軸線Oに対して偏心している。
遊星歯車43は、歯先曲面が歯底曲面の外周側にある外歯車で構成され、自転軸方向においてスプロケット11のカバー部15に隣接している。遊星歯車43の歯先曲面の曲率半径は太陽歯車41の歯底曲面の曲率半径よりも小さく、遊星歯車43の歯数は太陽歯車41の歯数よりも一つ少ない。これにより遊星歯車43は、太陽歯車41の内周側に遊星運動可能に噛み合っている。回転軸線Oに対して自転軸線Pが偏心する遊星歯車43の中心孔には、入力軸42がベアリング44を介して嵌合している。これにより、入力軸42及びモータ軸33がスプロケット11に対して相対回転可能となっている。
減速回転体45は回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成され、回転軸方向において遊星歯車43のカバー部15とは反対側に隣接している。減速回転体45の複数箇所には、円筒孔状の係合孔部46が設けられている。各係合孔部46は減速回転体45の回転軸線O周りに等間隔に設けられ、減速回転体45をその回転軸方向へ貫通している。遊星歯車43においてそれら係合孔部46と向き合う複数箇所には、円柱状の係合突部47が設けられている。各係合突部47は遊星歯車43の自転軸線P周りに等間隔に設けられており、それぞれ向き合う係合孔部46の内部に突入している。減速回転体45は、後述の案内回転体54に固定されることによって回転軸線O周りに回転可能となっており、またスプロケット11に対して相対回転可能となっている。
このような遊星歯車機構40の減速作動としては、スプロケット11に対してモータ軸33が相対回転しないときには、スプロケット11の回転に伴い遊星歯車43が太陽歯車41との噛合位置を保ちつつスプロケット11及び入力軸42と共に回転する。すると、係合突部47が係合孔部46を回転側へ押圧するため、減速回転体45がスプロケット11に対する相対回転位相を保ちつつ回転軸線O周りに図5の時計方向へ回転する。一方、制御トルクの増大等によりモータ軸33がスプロケット11に対して遅角方向Yへ相対回転するときには、遊星運動によって遊星歯車43が入力軸42に対して図5の時計方向へ相対回転する。すると、係合突部47が係合孔部46を回転側へ押圧する力が増大するため、減速回転体45がスプロケット11に対して進角方向Xへ相対回転する。また一方、制御トルクの増大等によりモータ軸33がスプロケット11に対して進角方向Xへ相対回転するときには、遊星運動によって遊星歯車43が入力軸42に対して図5の反時計方向へ相対回転する。すると、係合突部47が反回転側へ係合孔部46を押圧するようになるため、減速回転体45がスプロケット11に対して遅角方向Yへ相対回転する。
図2,3,6に示すようにリンク機構50は、リンク51〜53、案内回転体54及び可動軸体55等から構成されている。尚、図3,6では、断面を表すハッチングを省略している。
第一リンク51は、出力軸16の回転軸線Oを挟む二箇所から相反方向へ突出する形態で二つ設けられている。各第一リンク51は、回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成されている。第二リンク52は、スプロケット11の接続部14において回転軸線Oを挟む二箇所に回り対偶により連繋する形態で二つ設けられている。各第二リンク52は、回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成されている。第三リンク53は、二つの第一リンク51のうち対応するものと、二つの第二リンク52のうち対応するものとに回り対偶によって連繋する形態で二つ設けられている。各第三リンク53は、回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成されている。以上より、スプロケット11の回転軸方向においては、接続部14と第一及び第二リンク51,52とが隣接していると共に、第一及び第二リンク51,52と第三リンク53とが隣接している。
案内回転体54は回転軸線Oに対して垂直な平板状に形成されており、出力軸16の外周側に同軸嵌合している。案内回転体54は、その回転軸方向において第三リンク53と減速回転体45との間に挟持される形態で減速回転体45の遊星歯車43とは反対側に嵌合固定されている。したがって、案内回転体54は、回転軸線O周りに減速回転体45と共に回転可能となっており、またスプロケット11に対して減速回転体45と共に相対回転可能となっている。案内回転体54の回転軸線Oを挟む二箇所には、案内回転体54を軸方向へ貫通する案内通路56が設けられている。各案内通路56は、回転軸線Oを対称軸とした180°の回転対称形状、より具体的には案内回転体54の回転径方向の軸線に対し傾斜して直線状に延伸し且つ当該延伸方向で回転軸線Oからの径方向距離が変化する長孔状に形成されている。
円柱状の可動軸体55は二つ設けられており、それぞれ回転軸線Oに対して偏心する形態でスプロケット11の接続部14と減速回転体45との間に挟持されている。各可動軸体55の軸方向の一端部は、それぞれ対応する案内通路56に嵌合することで案内回転体54に滑り回り対偶によって連繋している。また、各可動軸体55の軸方向他端部側は、それぞれ対応する第二及び第三リンク52,53に回り対偶によって連繋している。
このようなリンク機構50のリンク作動としては、スプロケット11に対して減速回転体45が相対回転しないときには、可動軸体55が案内通路56に対して相対滑りせず、案内回転体54と共に回転する。このとき、回り対偶をなす第二及び第三リンク52,53の対偶素と回転軸線Oとの相対位置関係が変化しないため、第一リンク51と出力軸16とはスプロケット11に対して相対回転しない。一方、スプロケット11に対して減速回転体45が進角方向Xへ相対回転するときには、案内通路56に対して可動軸体55が回転軸線Oからの離間方向へ相対滑りする。このとき、第二及び第三リンク52,53の対偶素が回転軸線Oからの離間方向へずれるため、第一リンク51と出力軸16とがスプロケット11に対して遅角方向Yへ相対回転する。また一方、スプロケット11に対して減速回転体45が遅角方向Yへ相対回転するときには、案内通路56に対して可動軸体55が回転軸線Oへの接近方向へ相対滑りする。このとき、第二及び第三リンク52,53の対偶素が回転軸線Oへの接近方向へずれるため、第一リンク51と出力軸16とがスプロケット11に対して進角方向Xへ相対回転する。
次に、第一実施形態によるスプロケット11及び出力軸16の特徴部分について説明する。
図1,3に示すようにスプロケット11及び出力軸16には、潤滑流体である内燃機関用潤滑油をスプロケット11の内部へ供給するための供給流路60〜64が設けられている。具体的に供給流路60は、スプロケット11の回転周方向へ連続して延伸する環状に形成されており、スプロケット11の接続部14の内壁面70に開口してスプロケット11の内部に連通している。スプロケット11の軸部12をその回転軸方向へ延伸する供給流路61は、延伸方向の一端部において供給流路60に連通していると共に、出力軸16と嵌合する軸部12の内周面に開口している。軸部12と嵌合する出力軸16の外周面に開口する供給流路62は、出力軸16の回転周方向へ連続して延伸する環状に形成されており、スプロケット11の供給流路61に常時連通可能となっている。出力軸16をその回転軸方向へ貫通する供給流路63は、出力軸16に固定のカム軸2において潤滑油が導入される導入流路6と連通している。出力軸16を回転径方向へ貫通する供給流路64は、供給流路62,63間を連通している。
スプロケット11の接続部14は、回転軸線Oに垂直な内壁面70から島状に突出する部分により、遅角側ストッパ71と進角側ストッパ72とを形成している。ここで、遅角側ストッパ71において進角方向Xを向くストッパ面73は、出力軸16から突出する一方の第一リンク51の回転径方向外側端部74において遅角方向Yを向く側面75に対し、当接可能に設けられている。また、進角側ストッパ72において遅角方向Yを向くストッパ面76は、第一リンク51の外側端部74において進角方向Xを向く側面77に対し、当接可能に設けられている。したがって、スプロケット11及び出力軸16の回転周方向において、図7のように第一リンク51の外側端部側面75,77がストッパ71,72のストッパ面73,76から離間するときには、スプロケット11と出力軸16との間の相対回転位相変化が許容される。一方、図3のように第一リンク51の外側端部側面75が遅角側ストッパ71のストッパ面73に当接して係止されるときには、出力軸16がスプロケット11に対する最遅角位置に保持されるため、位相変化が規制される。また一方、図8のように第一リンク51の外側端部側面77が進角側ストッパ72のストッパ面76に当接して係止されるときには、出力軸16がスプロケット11に対する最進角位置に保持されるため、位相変化が規制される。
尚、吸気弁用のバルブタイミング調整装置1では、内燃機関の停止時に出力軸16がスプロケット11に対する最遅角位置に保持され、内燃機関の始動時に出力軸16が当該最遅角位置からスプロケット11に対する相対回転を開始することとなる。
図1,3に示すように、スプロケット11においてストッパ71,72の間に位置する二箇所には、接続部14を回転軸方向へ貫通する排出孔80,81が設けられている。各排出孔80は、断面真円形の円筒孔状に形成されている。接続部14の内壁面70において各排出孔80,81の入口側は、ストッパ71,72間を動く第一リンク51の外側端部74に形成された回転軸方向の一面83が摺接する部分に開口している。特に第一実施形態では、一方の排出孔80の入口側開口がストッパ面73の側面75側に近接して位置しており、他方の排出孔81の入口側開口がストッパ面76の側面77側に近接して位置している。これにより排出孔80,81は、スプロケット11及び出力軸16の回転周方向に所定間隔をあけて並んでいる。各排出孔80,81の出口側は、接続部14の外壁面82において軸部12の同期巻掛部21と向き合う部分に開口している。
こうした特徴的な構成下、カム軸2の導入流路6へ導入される潤滑油は、出力軸16の供給流路63,64,62及びスプロケット11の供給流路61,60を順次経由して、スプロケット11の内部へと供給される。かくして供給された潤滑油は、スプロケット11の内部の遊星歯車機構40、リンク機構50等を潤滑することにより磨耗粉等の異物を含んだ状態となる。しかし、潤滑油は、リンク機構50の構成要素によって押圧されたり、スプロケット11の内部へ逐次供給される潤滑油の油圧を受けたりすること等により、排出孔80,81から同期巻掛部21へ向かって排出されることとなる。このように第一実施形態では、潤滑油の交換が可能となっている。尚、第一実施形態において同期巻掛部21へ向かって排出された潤滑油は、当該同期巻掛部21とタイミングチェーン22との潤滑機能も果たすことができる。
以上、ストッパ71,72間を動く第一リンク51が摺接リンクに相当し、タイミングチェーン22が回転伝達部材に相当する。
ここまで説明した第一実施形態によると、スプロケット11の内壁面70において第一リンク51の回転径方向外側端部74が摺接する部分に、排出孔80,81が開口している。故に、スプロケット11と第一リンク51との間へ入り込んだ後、回転するスプロケット11に働く遠心力によって径方向外側へ移動した潤滑油は、スプロケット11と第一リンク51との相対摺動に伴って排出孔80,81の内部へと容易に導かれる。これにより、スプロケット11と第一リンク51との間には潤滑油が滞留し難くなるので、低温時等に潤滑油が高粘度化したとしても、スプロケット11と第一リンク51との間において摺動抵抗が増大することを抑制できる。また特に、機関停止時に出力軸16を最遅角位置に保持するストッパ71近傍の排出孔80は、通常、低温状態となる機関始動時に第一リンク51の外側端部74が摺接する部分に開口した形となっているので、摺動抵抗の増大抑制効果を有効に得ることができる。しかも、上述したようにスプロケット11に不可避的に発生する遠心力を利用することで、潤滑油の排出効率が高くなるので、結果的に摺動抵抗の増大抑制効果も高くなる。さらに、磨耗粉が発生し易いスプロケット11と第一リンク51との摺接部分に排出孔80,81が開口しているので、そうした磨耗粉は潤滑油と共に要素11,51間から除去されることとなる。したがって、このことによっても、摺動抵抗の増大抑制効果が高められる。
また、第一実施形態によると、スプロケット11及び出力軸16の回転周方向に排出孔80,81が二つ設けられているので、排出孔80,81を設けることによるスプロケット11の強度低下を抑えつつ、摺動抵抗の増大抑制効果を高めることができる。
このように摺動抵抗の増大が抑制される第一実施形態によれば、リンク機構50の作動不良を防止できる。
さらに第一実施形態によると、第一リンク51の外側端部74が回転周方向の両側でストッパ71,72により係止されることによって、出力軸16がスプロケット11に対して最遅角位置又は最進角位置に保持される。このような構成では、スプロケット11及び出力軸16の回転周方向においてストッパ71,72のストッパ面73,76と第一リンク51の外側端部側面75,77との間に磨耗粉等の異物が滞留し易い。しかし、第一実施形態によると、各ストッパ面73,76の側面75,77側に近接して排出孔80,81が設けられているので、異物は、第一リンク51のストッパ面73,76側への回転により排出孔80,81の入口側開口付近に集められて、排出孔80,81の内部へと押し出される。これにより、ストッパ面73,76と側面75,77との間には異物が滞留し難くなるので、それらの面間に異物が噛み込まれてスプロケット11に対する出力軸16の保持位置が最遅角位置や最進角位置からずれる事態を防止できる。
またさらに第一実施形態によると、スプロケット11の外壁面82においてタイミングチェーン22が巻き掛けられる同期巻掛部21と向き合う部分に排出孔80,81が開口しているので、潤滑油は排出孔80,81から同期巻掛部21へ向かって排出される。その結果、排出油は、同期巻掛部21とタイミングチェーン22との回転に伴って排出孔80,81と同期巻掛部21との間から速やかに取り除かれることとなるため、排出孔80,81の出口側開口付近には潤滑油が滞留し難くなる。これにより、スプロケット11の内部の潤滑油を排出孔80,81の内部に留めることなく、逐次排出できる。しかも第一実施形態によると、スプロケット11の内部へ潤滑油を供給するための流路がスプロケット11とそれを内外に貫通する出力軸16とに設けられ、そのうちの一流路63へカム軸2の導入流路6から内燃機関用の潤滑油が導入されるようになっている。こうした構成によれば、潤滑油の供給経路の一部をバルブタイミング調整装置1と内燃機関とで共有化できるので、コストの削減に繋がる。
加えて第一実施形態によると、上述の如くスプロケット11と第一リンク51との間の摺動抵抗が低く抑えられるので、リンク機構50を迅速に作動させるために電動モータ30の発生トルクを増大させなくても済む。したがって、省電力且つ小型の電動モータ30を使用することが可能になる。
(第二実施形態)
図9に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第二実施形態によるスプロケット100の接続部101においてストッパ71,72間に位置する箇所には、円筒孔状の排出孔80,81の代わりに、長孔状の排出孔110が設けられている。この排出孔110は、スプロケット100及び出力軸16の回転周方向へ連続して延伸する断面円弧形の長孔状であり、当該延伸方向の両端部が各ストッパ71,72のストッパ面73,76に近接して位置している。第一実施形態の排出孔80,81と同様に、排出孔110の入口側は、接続部101の内壁面70における第一リンク51の外側端部74の摺接部分に開口し、また排出孔110の出口側は、接続部101の外壁面82において同期巻掛部21と向き合う部分に開口している。
このような第二実施形態によると、スプロケット100及び出力軸16の回転周方向へ延伸する形状に排出孔110が形成されているので、スプロケット100の内壁面70と第一リンク51の外側端部74との摺接位置によることなく、潤滑油の排出作用が得られる。さらに第二実施形態では、排出孔110が遅角側ストッパ71の近くまで延びていることにより、第一リンク51の外側端部74が機関始動時に摺接する部分に排出孔110が開口した形となっている。それ故、通常、低温状態となる機関始動時において摺動抵抗の増大抑制効果を確実に得ることができる。
以上、スプロケット100が、クランク軸と連動して回転する第一回転体に相当する。
(第三実施形態)
図10,11に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第三実施形態のスプロケット200は、第一実施形態の排出孔80,81とは異なる箇所に、複数の排出孔210,211を有している。
具体的に排出孔210は、スプロケット200の接続部201において回転軸線Oを挟む二箇所に設けられている。各排出孔210は接続部201を回転軸方向に貫通しており、接続部201の回転周方向へ連続して延伸する断面円弧形の長孔状に形成されている。接続部201の内壁面70において各排出孔210の入口側が開口する部分は、第一リンク51において第三リンク53と回り対偶をなす対偶素220の回転軸方向の一面222が摺接する部分となっている。ここで対偶素220は、回り対偶を実現するために第一及び第三リンク51,53を共に嵌通する軸体221の第一リンク51における嵌通部分である。そこで本実施形態では、軸体221の可動範囲の略全域に亘る長さに排出孔210の延伸方向の長さを設定していると共に、軸体221と対偶素220との境界223を孔内部に露出させる位置に排出孔210の径方向位置を設定している。尚、各排出孔210の出口側は、第一実施形態の排出孔80,81と同様に、接続部201の外壁面82において同期巻掛部21と向き合う部分に開口している。また、軸体221については、第三リンク53に固定されていてもよいし、第三リンク53と一体に形成されていてもよい。
排出孔211は、接続部201において回転軸線Oを挟む二箇所であって、直近の排出孔210とは接続部201の回転周方向へずれた箇所に設けられている。各排出孔211は接続部201を回転軸方向に貫通しており、接続部201の回転径方向に長い断面小判形の長孔状に形成されている。内壁面70において各排出孔211の入口側が開口する部分は、第二リンク52において第三リンク53と回り対偶をなす対偶素224の回転軸方向の一面226が摺接する部分となっている。ここで対偶素224は、回り対偶を実現するために第二及び第三リンク52,53を共に嵌通する可動軸体55の第二リンク52における嵌通部分である。そこで本実施形態では、可動軸体55の可動範囲の略全域に亘る長さに排出孔211の長手方向の長さを設定していると共に、可動軸体55と対偶素224との境界225を孔内部に露出させる位置に排出孔211の径方向位置を設定している。尚、各排出孔211の出口側は、第一実施形態の排出孔80,81と同様、外壁面82において同期巻掛部21と向き合う部分に開口している。また、可動軸体55については、第三リンク53に固定されていてもよいし、第三リンク53と一体に形成されていてもよい。
こうした構成の第三実施形態によると、スプロケット200の内壁面70においてリンク51,52の対偶素220,224の摺接部分に排出孔210,211が開口している。それ故、対偶素220,224とそれらを嵌通する軸体221,55との間に発生した磨耗粉は、リンク機構50のリンク作動に伴って排出孔210,211へと導出され易くなっている。これにより、対偶素220,224と軸体221,55との間からリンク51,52とスプロケット200との間へ向かう磨耗粉の移動が抑制されるので、リンク51,52とスプロケット200との間における摺動抵抗の増大を抑制できる。また、対偶素220,224と軸体221,55との間に磨耗粉が蓄積されないので、対偶素220,224と軸体221,55との相対回転が円滑となる。
さらに第三実施形態では、排出孔210,211の延伸方向長さが軸体221,55の可動範囲の略全域に亘る長さに設定されていることで、リンク51,52の待遇素220,224が機関始動時に摺接する部分に排出孔210,211が開口した形となっている。したがって、通常、低温状態となる機関始動時において摺動抵抗の増大抑制効果を確実に得ることができる。
このように、摺動抵抗の増大抑制と相対回転の円滑化とが実現される第三実施形態によれば、リンク機構50の作動不良を防止できる。
以上、スプロケット200が、クランク軸と連動して回転する第一回転体に相当し、一対の第一リンク51及び一対の第二リンク52がそれぞれ摺接リンクに相当し、一対の第三リンク53がそれぞれ連繋リンクに相当する。
(第四実施形態)
図12,13に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第四実施形態では、リンク機構300に第二リンク52が設けられず、その代わりにスライド通路310がスプロケット320の接続部321に設けられている。このスライド通路310は、接続部321において回転軸線Oを挟む二箇所に設けられている。各スライド通路310は、接続部321の内壁面70から回転軸方向へ突出する二条の突条311の間に形成されており、接続部321の回転径方向へ連続して延伸する有底長孔状を呈している。各スライド通路310には、二つの第三リンク53に連繋する二つの可動軸体55のうち対応するものが滑り回り対偶によって連繋している。
リンク機構300のリンク作動としては、可動軸体55が案内通路56に対して相対滑りしないときには、可動軸体55がスライド通路310に対しても相対滑りしないため、出力軸16はスプロケット320に対して相対回転しない。一方、案内通路56に対して可動軸体55が回転軸線Oからの離間方向へ相対滑りするときには、可動軸体55がスライド通路310に対しても回転軸線Oからの離間方向へ相対滑りすることとなるため、出力軸16がスプロケット320に対して遅角方向Yへ相対回転する。また一方、案内通路56に対して可動軸体55が回転軸線Oへの接近方向へ相対滑りするときには、可動軸体55がスライド通路310に対しても回転軸線Oへの接近方向へ相対滑りすることとなるため、出力軸16がスプロケット320に対して進角方向Xへ相対回転する。
このような第四実施形態においても排出孔80,81は、図12,13に示すように、接続部321の内壁面70で第一リンク51の外側端部74が摺接する部分と、接続部321の外壁面82で同期巻掛部21と向き合う部分とに開口している。したがって、第一実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
以上、スプロケット320が、クランク軸と連動して回転する第一回転体に相当する。
ここまで本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
例えば第一〜第四実施形態では、スプロケット11,100,200,320及びタイミングチェーン19,22の代わりにプーリ及びタイミングベルトを用い、プーリとクランク軸との間、並びにプーリと他の装置のプーリとの間でタイミングベルトを掛け渡すようにしてもよい。尚、この場合、プーリを中空形状に形成し、スプロケット11,100,200,320の収容要素を当該プーリの内部に収容させる。
さらに第一〜第四実施形態では、スプロケット11,100,200,320がクランク軸と連動回転すると共に出力軸16がカム軸2と連動回転するするバルブタイミング調整装置1に本発明を適用した例を説明した。これに対し、スプロケット11,100,200,320がカム軸2と連動回転すると共に出力軸16がクランク軸と連動回転するするバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。また、第一〜第四実施形態では、吸気弁についてバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置1に本発明を適用した例を説明した。これに対し、排気弁についてバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置や、吸気弁及び排気弁の双方についてバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
またさらに第一〜第四実施形態では、ストッパ71,72のうち一方又は双方を形成しないようにしてもよい。また、第一〜第四実施形態では、遊星歯車機構40を設けないで、モータ軸33を案内回転体54に直接に連結する又はモータ軸33と案内回転体54とを一体に形成してもよい。
加えて第一実施形態では、排出孔80,81の間において、接続部14を内外に貫通する別の排出孔を一つ以上設けてもよい。また、第一実施形態では、横断面が略真円形である円筒孔状の排出孔80,81を設ける代わりに、横断面が楕円形、小判形、多角形等の排出孔を設けてもよい。さらにまた、第一実施形態では、排出孔80,81のうち一方を設けないようにしてもよい。
また加えて第二及び第三実施形態では、排出孔110,210の延伸方向の長さを図9,10に示したものよりも短く又は長く設定してもよいし、排出孔110,210をその延伸方向において複数に分割してもよい。また、第三実施形態では、排出孔211の長手方向の長さを図10に示したものよりも短く又は長く設定してもよいし、横断面が小判形である長孔状の排出孔211を設ける代わりに、横断面が真円形、楕円形、多角形等の排出孔を設けてもよい。さらにまた、第三実施形態では、排出孔210,211のうち一方を設けないようにしてもよい。
さらに加えて第四実施形態では、円筒孔状の排出孔80,81の代わりに、第二実施形態に準ずる長孔状の排出孔110を設けてもよい。また、第四実施形態では、スプロケット320において第一リンク51の外側端部74が摺接する部分に設けられる排出孔80,81の代わりに、スプロケット200において第一リンク51の対偶素220が摺接する部分に設けられる第三実施形態に準じた排出孔210を設けてもよい。
第一実施形態のバルブタイミング調整装置を拡大して示す図であって、図3のI−I線断面図である。 第一実施形態のバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3のII−II線断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 第一実施形態のリンク機構の作動を説明するための図である。 第一実施形態のリンク機構の作動を説明するための図である。 第二実施形態のバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第三実施形態のバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第三実施形態のバルブタイミング調整装置を拡大して示す図であって、図10のXI−XI線断面図である。 第四実施形態のバルブタイミング調整装置を示す断面図である。 第四実施形態のバルブタイミング調整装置を拡大して示す図であって、図12のXIII−XIII線断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、6 導入流路、11,100,200,320 スプロケット(第一回転体)、12 軸部、14,101,201,321 接続部、16 出力軸(第二回転体)、20 歯、21 同期巻掛部(巻掛部)、22 タイミングチェーン(回転伝達部材)、30 電動モータ、40 遊星歯車機構、50,300 リンク機構、51 第一リンク(摺接リンク)、52 第二リンク(摺接リンク)、53 第三リンク(連繋リンク)、55 可動軸体(軸体)、62,63,64 供給流路、70 内壁面、71 遅角側ストッパ、72 進角側ストッパ、73,76 ストッパ面、74 回転径方向外側端部、75,77 側面、80,81,110,210,211 排出孔、82 外壁面、83,222,226 一面、220,224 対偶素、221 軸体、223,225 境界、310 スライド通路

Claims (12)

  1. クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方の開閉タイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、
    内部へ供給された潤滑流体を外部へ排出する排出孔を有し、前記クランク軸及び前記カム軸の一方と連動して回転する第一回転体と、
    前記クランク軸及び前記カム軸の他方と連動して回転する第二回転体と、
    前記第一回転体の内部に収容されており、リンク作動によって前記第一回転体と前記第二回転体との間の相対回転位相を変化させるリンク機構と、
    を備え、
    前記リンク機構は、前記リンク作動に伴って前記第一回転体の内壁面に摺接する摺接リンクを有し、
    前記排出孔は、前記内壁面において前記摺接リンクが摺接する部分に開口することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記排出孔は、前記内壁面において前記内燃機関の始動時に前記摺接リンクが摺接する部分に開口することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記摺接リンクは、回転径方向及び回転軸方向が前記第一回転体と略一致する前記第二回転体から前記回転径方向の外側へ突出し、当該摺接リンクの前記回転軸方向の一面が前記内壁面に摺接し、
    前記排出孔は、前記内壁面において前記摺接リンクの前記回転径方向の外側端部が摺接する部分に開口することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記排出孔は、前記第一回転体及び前記第二回転体の回転周方向に複数設けられることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記排出孔は、前記第一回転体及び前記第二回転体の回転周方向へ延伸する形状に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一回転体及び前記第二回転体の回転周方向において前記外側端部の側面から離間することにより前記相対回転位相の変化を許容し、前記側面を係止することにより前記相対回転位相の変化を規制するストッパ面を、前記第一回転体は有ることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記ストッパ面は、前記回転周方向において前記外側端部を挟む両側に設けられることを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記リンク機構は、前記摺接リンクと回り対偶により連繋する連繋リンクを有し、当該回り対偶を実現するための軸体が前記摺接リンクの対偶素を嵌通し、
    前記排出孔は、前記内壁面において前記対偶素が摺接する部分に開口することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記排出孔は、前記対偶素と前記軸体との境界を孔内部に露出させる位置に設けられることを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記第二回転体は、前記第一回転体を内外に貫通する貫通部を有し、前記第一回転体の内部へ供給する潤滑流体を流通させる供給流路が当該貫通部に設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記第一回転体は、連動する回転体との間で回転伝達部材が巻き掛けられる巻掛部を有し、
    前記排出孔は、前記第一回転体の外壁面において前記巻掛部と向き合う部分に開口することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記リンク作動を制御するための制御トルクを発生する電動モータを備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置
JP2005203350A 2005-07-12 2005-07-12 バルブタイミング調整装置 Active JP4378774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005203350A JP4378774B2 (ja) 2005-07-12 2005-07-12 バルブタイミング調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005203350A JP4378774B2 (ja) 2005-07-12 2005-07-12 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007023806A JP2007023806A (ja) 2007-02-01
JP4378774B2 true JP4378774B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=37784927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005203350A Active JP4378774B2 (ja) 2005-07-12 2005-07-12 バルブタイミング調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4378774B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019595A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP5440472B2 (ja) * 2010-10-20 2014-03-12 株式会社デンソー 可変バルブタイミング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007023806A (ja) 2007-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6883482B2 (en) Variable valve timing controller
US7278386B2 (en) Valve timing controller
JP6531641B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
US10626762B2 (en) Valve opening/closing timing control device
US20060162683A1 (en) Variable valve timing controller
WO2014159386A1 (en) Cam torque actuated variable camshaft timing device with a bi-directional oil pressure bias circuit
EP1559875A2 (en) Valve timing control apparatus for internal combustion engine
JP2005061261A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2010168962A (ja) バルブタイミング調整装置
KR20030083602A (ko) 가변 캠축 타이밍 장치용 통기 메커니즘
JP2005098142A (ja) バルブタイミング調整装置
JP6604188B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2007239642A (ja) バルブタイミング調整装置
US20040154568A1 (en) Valve timing adjusting system
JP4378774B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2007239665A (ja) バルブタイミング調整装置
US7383802B2 (en) Valve timing adjusting apparatus
JP3917833B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2007023808A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4447564B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5793107B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2009019595A (ja) バルブタイミング調整装置
US7472670B2 (en) Valve timing controller
JP7539599B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP3233027B2 (ja) 内燃機関の油供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090906

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3