JP4376743B2 - 衝突物判別装置、保護装置 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、車両衝突時における衝突対象物の判別精度が高い状態で保護装置が作動することとなり、車両乗員や歩行者の保護徹底が図られる。
図5には「車両衝突時制御」のフローチャートが示される。本実施の形態の「車両衝突時制御」は、図5に示すこのフローチャートの各ステップを順次実施することによって遂行される。
まず、図5中のステップS10として示す「データ収集処理」では、予め行う車両衝突テストにおいてデータを収集する処理を行う。
次に、図5中のステップS30として示す「衝突対象物判別処理A」、またはステップS50として示す「衝突対象物判別処理B」では、ステップS10で収集したデータを実際の車両衝突時のデータに反映させたうえで、衝突対象物を判別する処理を行う。なお、ステップS30及びステップS50は、予め一方のみが選択されてもよいし、あるいは両方が選択されてもよい。そして、図5中のステップS70として示す「乗員/歩行者保護処理」では、ステップS30やステップS50における判別結果に基づいて、乗員や歩行者を保護するための処理を行う。
図5中のステップS10として示す「データ収集処理」は、具体的には図6に示すフローチャートの各ステップを順次実施することによって遂行される。
まず、図6中のステップS12によって車両衝突テストを実施する。この車両衝突テストでは、衝突対象物として人を模したダミー人形、及び図1に示す構成の車両101を模した車両を用い、当該車両をダミー人形に衝突させるテストを行う。このダミー人形が、本発明における「人を模した人形」に対応している。次に、図6中のステップS14によって、車両衝突時における受衝部材120の移動速度Vの経時変化データを計測する。そして、図6中のステップS16によって、受衝部材120の移動速度Vが最大となる経過時間を基準時間TWとして設定し記憶する。この基準時間TWが、本発明における「車両衝突発生時からの基準時間」に相当する。
図5中のステップS30として示す「衝突対象物判別処理A」は、具体的には図7に示すフローチャートの各ステップを順次実施することによって遂行される。
まず、衝突事故発生時に図7中のステップS32によってタイマによる計測を開始する。この衝突事故発生時の時間T(経過時間)が0(ゼロ)に設定される。なお、この衝突事故発生は、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度を検出する加速度センサを用いて行うことができる。次に、図7中のステップS34によって、車両衝突時における受衝部材120の移動速度Vを検出する。移動速度Vの検出に際しては、検出センサ130として速度センサを用いる。次に、図7中のステップS36によって移動速度Vの時間変化率S、すなわち単位時間あたりの移動速度Vの変化の度合いを逐次演算してステップS38にすすむ。そして、タイマによる計測された時間Tが予め設定された基準時間TW以下であるときに、ステップS36で演算した時間変化率Sが最大になると判定した場合(ステップS38のYES)に、衝突対象物が歩行者であると判別し(ステップS40)、そうでないと判定した場合(ステップS38のNO)に、衝突対象物が物であると判別する(ステップS42)。このように、本実施の形態の「衝突対象物判別処理A」及び後述する「衝突対象物判別処理B」では、衝突対象物が人か否かの判定によって、実質的に衝突対象物の判別が行われることとなる。
図5中のステップS50として示す「衝突対象物判別処理B」は、具体的には図8に示すフローチャートの各ステップを順次実施することによって遂行される。
まず、衝突事故発生時に図8中のステップS52によってタイマによる計測を開始する。この衝突事故発生時の時間T(経過時間)が0(ゼロ)に設定される。なお、この衝突事故発生は、自車両に作用する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度を検出する加速度センサを用いて行うことができる。次に、図8中のステップS54によって、車両衝突時における受衝部材120の加速度Gを検出する。加速度Gの検出に際しては、検出センサ130として加速度センサを用いる。そして、タイマによる計測された時間Tが予め設定された基準時間TW以下であるときに、ステップS54で検出した加速度Gが最大になると判定した場合(ステップS56のYES)に、衝突対象物が歩行者であると判別し(ステップS58)、そうでないと判定した場合(ステップS56のNO)に、衝突対象物が物であると判別する(ステップS60)。
図5中のステップS70として示す「乗員/歩行者保護処理」は、具体的には図9に示すフローチャートの各ステップを順次実施することによって遂行される。
まず、図9中のステップS72では、図7中のステップS40,S42または図8中のステップS58,S60において判別した判別結果に基づき、衝突対象物が歩行者である場合にステップS74にすすみ、そうでない(衝突対象物が物である)場合にステップS76にすすむ。ステップS74では、乗員保護装置170及び歩行者保護装置180を作動させるべく、当該乗員保護装置170及び歩行者保護装置180に対し作動制御信号を出力し、また、ステップS76では、乗員保護装置170を作動させるべく、当該乗員保護装置170に対し作動制御信号を出力する。このとき、乗員保護装置170を構成するエアバッグが、乗員保護領域に展開膨張するとともに、歩行者保護装置180を構成する歩行者保護部材が、歩行者保護領域へ向けて移動する。かくして、車両事故の際の車両乗員や歩行者の保護徹底が図られる。
本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
101…車両
110…フロントバンパ
110a…バンパフレーム
110b…バンパカバー
112…リアバンパ
120…受衝部材
130…検出センサ
140…第1緩衝部材
150…第2緩衝部材
160…制御ユニット
170…乗員保護装置
180…歩行者保護装置
Claims (6)
- 車両が衝突した衝突対象物を判別する衝突物判別装置であって、
車両の前部または後部のバンパフレームに取り付けられる低剛性の緩衝部材と、
前記緩衝部材の車両外方側に取り付けられ、前記車両の前部または後部において車幅にわたって長手状に延在し、衝突対象物の衝突を受ける高剛性の受衝部と、
前記緩衝部材と前記受衝部との間に設けられ、前記受衝部の車両衝突時の移動速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動速度検出手段による検出情報に基づいて単位時間あたりの移動速度変化率を導出する移動速度変化率導出手段と、
前記移動速度変化率導出手段が導出した単位時間あたりの移動速度変化率に基づいて前記衝突対象物を判別する衝突物判別手段と、
を備えることを特徴とする衝突物判別装置。 - 車両が衝突した衝突対象物を判別する衝突物判別装置であって、
車両の前部または後部のバンパフレームに取り付けられる低剛性の緩衝部材と、
前記緩衝部材の車両外方側に取り付けられ、前記車両の前部または後部において車幅にわたって長手状に延在し、衝突対象物の衝突を受ける高剛性の受衝部と、
前記緩衝部材と前記受衝部との間に設けられ、前記受衝部の車両衝突時の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段による検出情報に基づいて前記衝突対象物を判別する衝突物判別手段と、
を備えることを特徴とする衝突物判別装置。 - 請求項1または2に記載の衝突物判別装置であって、
衝突物判別手段は、前記移動速度変化率導出手段が導出した単位時間あたりの移動速度変化率、または前記加速度検出手段が検出した加速度が、車両衝突発生時からの基準経過時間以下において最大となることを条件に前記衝突対象物を人と判別することを特徴とする衝突物判別装置。 - 請求項3に記載の衝突物判別装置であって、
前記基準経過時間は、人を模した人形を用いて予め実施した車両衝突テストにおいて、前記人形の車両衝突発生時から当該人形の移動速度が最大となるまでの経過時間として規定されることを特徴とする衝突物判別装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の衝突物判別装置であって、
前記受衝部よりも車両外方側に前記緩衝部材とは別の低剛性の緩衝部材を備えることを特徴とする衝突物判別装置。 - 車両衝突時に作動して車両乗員または歩行者を保護する保護装置であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の衝突物判別装置における衝突対象物の判別結果に基づいて作動するように構成されていることを特徴とする保護装置。
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