JP4364542B2 - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置およびその製造方法に関し、特にモノマーを重合して液晶分子の配向を制御して、高透過率、高速応答、広視野角を同時に実現する液晶パネルからなる液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を配向膜側を対向させ、対向する基板間の間隙に正または負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の基板上にはほぼ長方形の電極からなる複数の画素を整列して構成したものである。液晶表示装置は、液晶パネルにおいて個々の画素電極とこれに対向する電極との間に印加する電圧を制御して液晶パネル内の液晶分子の配向を制御して液晶内の液晶分子の配向を規制することにより表示を行うものである。
【0003】
配向の種類としては、水平配向、垂直配向などがある。現在実用化されている液晶パネルのうち、水平配向を用いた代表的な方式(モード)は、TN(twisted nematic)モード、IPS(in-plane switching)モードであり、垂直配向を用いた代表的な方式は、MVA(multi-domain vertical alignment)モードである。
【0004】
アクティブマトリックスタイプの液晶ディスプレイはTNモードが主流であったが視角特性が狭い。そこで現在、CRTに匹敵するほどの広視野角特性を示す液晶パネルにはIPSモードとMVAモードと呼ばれる技術が採用されており、現在さまざまな用途に広く用いられている。
【0005】
図1は水平配向の第1の制御手段の説明図である。
【0006】
現在広く採用されている水平配向の制御手段は、水平配向制御膜(以下、単に水平配向膜と記す)に対してラビング処理を施すというものである。ラビング処理とは、図1に示すように、配向制御膜(以下、単に配向膜と記す)の表面をナイロンやレーヨンなどの布により一方向に擦ることであり、擦った方向に液晶分子が配列する。ラビング処理は、布から出たほこりやちりなどが基板面に付着したり、擦りむらが生じやすいなどの問題があり、表示不良が発生しやすい。また、マルチドメインを実現するためには、画素内において互いに異なる方向にラビング処理を施した複数の領域が混在しなければならず、非常に複雑な工程が必要であり実用上困難である。
【0007】
図2は水平配向の第2の制御手段の説明図である。
【0008】
ラビングに代わる水平配向の制御手段としては、光照射がある。図2に示すように、水平配向膜の表面に対して、偏光あるいは無偏光の紫外光を一方向から照射することにより、配向を制御する。この方法は非接触であるため、ラビング処理と比較して製造性の向上が見込まれているが、現状では配向の均一性、安定性などの点で実用上十分なレベルまで達していない。
【0009】
IPSモードは櫛形電極によって液晶分子を水平面内でスイッチングするが、櫛形電極は開口率を著しく低下させるので強力なバックライトが必要である。MVAモードは液晶を基板におおよそ垂直に配向させ、突起あるいは透明電極(ITO)に設けられたスリットによって液晶分子の配向を規定する。
【0010】
一方、垂直配向の制御には、垂直配向制御膜(以下、単に垂直配向膜と記す)が用いられる。垂直配向膜のみでは電圧印加時に液晶分子が傾斜する方向を制御できない。水平配向と同様に、ラビング処理や光照射などにより傾斜方向を制御することは可能であるが、水平配向と同様の理由により実用的ではない。
【0011】
図3は垂直配向のMVAモードの説明図であり、(A)は電極間の電圧オフの状態を示し、(B)電極間の電圧オンの状態を示す図である。
【0012】
垂直配向を用いたMVAモードの液晶パネルでは、図3に示すように、基板面に形成した突起や窪み、あるいは電極に設けたスリットなどにより、電圧印加時に液晶分子が傾斜する方向を制御している。この場合、突起やスリットのパターンを工夫することにより、マルチドメインを実現することができる。
【0013】
MVAモードの液晶パネルでは、電圧印加時に突起やスリット近傍の液晶分子がまず傾斜し始め、その挙動がその他の液晶分子に伝播してゆく。したがって、電圧に対する応答性を上げるためには、突起やスリットを密に形成するのが望ましい。しかし、突起やスリットの部分は透過率が低下するため、密に形成するほど透過率が低下する。つまり、高透過率と高速応答を両立させることが難しい。また、突起やスリットを形成するためには、フォトリソグラフィーを用いた工程が必要であり、工程が複雑となる。
【0014】
MVAモードの突起やスリットによる実質開口率の低下はIPSモードの櫛形電極ほどではないにしても、TNモードに比べると、液晶パネルの光透過率が低い。そのため、低消費電力が要求されるノートパソコンに採用するためには、透過率の向上が望まれている。
【0015】
現在のMVAモードは広視野角化のため、電圧印加時に液晶分子が4方向に倒れるよう、土手、ITOスリットを複雑に配置しているため、光透過率が低い。これを単純化し、土手あるいはITOスリット間隙を広げれば、光透過率を高くすることができる。しかし、土手あるいはITOスリットの間隙が非常に広いと、液晶分子の傾斜の伝播に時間がかかるため、電圧を印加したときのパネルの応答が非常に遅い。
【0016】
そこで、土手を廃し、電圧印加時に液晶分子が4方向に倒れるような図4のような構造を考えた。図4に示す構造ではITOスリットに平行に液晶分子が倒れるが、倒れる方向は、ITO端の電界によって決定され、画素中央部に向かって倒れる方向伝播するため、応答に時間がかかる。
【0017】
このことを考慮して、重合可能なモノマーを含む液晶を注入し、電圧を印加した状態でモノマーを重合して液晶分子の倒れる方向を記憶しておくという、技術を導入した(本願出願人による特許出願番号2002−136128参照)。
【0018】
図4は微細スリットの入った画素電極構造を示す図である。
【0019】
この技術では、液晶の配向方向を規定するため、図4に示すような微細スリットの入った画素構造を適用した。電圧を印加すると液晶分子は微細スリットと平行な図4に示すa、b、c、dの4つの方向に倒れて安定し、配向分割を実現することができた。
【0020】
【特許文献1】
特開平9−281472号公報
液晶分子の配向を規制する技術を開示するものではない。
【0021】
【特許文献2】
特開2001−264784号公報(明細書、請求項25〜27参照)。
【0022】
モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する液晶組成物の重合工程を光照射しながら行う技術が開示されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人が提案した特許出願番号2002−136128に開示した図4に示すような画素を適用する場合、MVAより高透過率を実現できるものの、微細スリット幅が光学特性に大きく影響するため、パネル内、あるいは液晶パネル個体間の光学特性のばらつきが大きくなる。また、スリット部は電極がないため、液晶分子にかかる電界が弱く、駆動電圧が高くなるため消費電力が大きくなる。
【0024】
電極はフォトリソグラフィーで作られるが、液晶パネルと同じ大きさのマスクを用いると費用が巨額になるため、小さなマスクの位置をずらしながら複数回露光している。そのため、一回毎の露光の微妙な違いが光学特性に影響し、画素電極が多少不均一に仕上がり、液晶パネルにタイル状の模様がかすかに見えてしまう。更に、フォトリソグラフィーで用いられるレジスト材料のかすかな膜厚分布が、電極の出来上がり寸法に影響を与えるため、液晶パネル全面にある中間調の表示を行うと微妙なムラを生じさせる。
【0025】
以上述べたように、従来の配向制御手段では、配向の安定性、均一性、および高透過率、高速応答、広視野角を同時に実現することは困難である。
【0026】
それゆえ、本発明の目的は、配向の安定性、均一性に優れ、高透過率、高速応答、広視野角を同時に実現することのできる新規な配向制御手段により製造される液晶パネルからなる液晶表示装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明による液晶表示装置の製造方法は、配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に液晶を封入してなり、一方の前記基板上には前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置の製造方法において、前記液晶パネルが、重合可能なモノマーを含む液晶組成物を封入する工程と、前記液晶パネル面の法線方向に対して傾いた方向から光を照射して前記モノマーを重合する工程と、を含んで製造されることを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成する第1の局面の本発明による液晶表示装置は、配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有しかつ重合可能なモノマーを含む液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、前記液晶は、光が照射されて前記モノマーの重合がなされており、前記ドメインの中にある液晶分子のダイレクタは、前記画素電極に対する第1チルト角θ1が90°未満の方向に向く、ことを特徴とする。
【0029】
上記液晶表示装置において、前記画素の各々は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、前記ドメインの中にある液晶分子のダイレクタは、前記表面上の方位角φが隣接するドメイン間で異なり、実質的に前記画素電極の表面の中心点に求心する方向に向き、隣り合う前記ドメインの境界およびその近傍を占める境界域にある液晶分子のダイレクタは、前記第1チルト角θ1と異なる第2チルト角θ2の方向に向く。
【0030】
上記目的を達成する第2の局面の本発明による液晶表示装置は、配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、前記液晶パネルは、重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、前記画素電極の表面上に概平行に整列する絶縁物で作られた複数の土手状構造物を備え、前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、前記土手状構造物は、前記ドメイン毎に前記土手状構造物の整列方向が異なっており、前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶内の液晶分子が前記土手状構造物に対して概平行な方向に傾斜する、ことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、配向膜が垂直配向膜である場合について説明する。
【0032】
図5は垂直配向膜を付した電極を用いて液晶分子の配向を規制する本発明による方法を示す図であり、(A)は液晶層に電圧を印加していない時の液晶分子の状態を示し、(B)は液晶層に電圧を印加した時の液晶分子の状態を示す図である。
【0033】
図5の(A)に示すように、垂直配向膜が形成された基板間に、光によって重合可能なモノマーを含み、負の誘電率異方性を有する液晶組成物が封入された液晶パネルにおいて、液晶パネル面の法線方向に対して傾いた方向(法線に対する傾き角をαとする)から光を照射してモノマーを重合する。垂直配向膜に対しては、ラビング処理などの配向制御処理は施されていない。このとき、液晶層には電圧が印加されていない、つまり液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に配向した状態が望ましい。
【0034】
上述したような工程により製造された液晶パネルにおいて、液晶層に電圧を印加すると、図5の(B)に示すように、光を照射した方向に液晶分子が傾斜し、均一なモノドメイン配向が得られる。つまり、垂直配向膜に対して何ら配向制御処理を施していないにもかかわらず、液晶分子の傾斜方向を制御することが可能である。
【0035】
次に、配向膜が水平配向膜である場合について簡単に説明する。
【0036】
図6は水平配向膜を付した電極を用いて液晶分子の配向を規制する本発明による方法を示す図であり、(A)は液晶層に電圧を印加していない時の液晶分子の状態を示し、(B)は液晶層に電圧を印加した時の液晶分子の状態を示す図である。
【0037】
図6の(A)に示すように、水平配向膜が形成された基板間に、光によって重合可能なモノマーを含み、正の誘電率異方性を有する液晶組成物が封入された液晶パネルにおいて、液晶パネル面の法線方向に対して傾いた方向(法線に対する傾き角をαとする)から光を照射してモノマーを重合する。水平配向膜に対しては、ラビング処理などの配向制御処理は施されている。このとき、液晶層には電圧が印加されていない、つまり液晶分子が基板面に対してほぼ水平に配向した状態が望ましい。
【0038】
上述したような工程により製造された液晶パネルにおいて、液晶層に電圧を印加すると、図6の(B)に示すように、光を照射した方向に液晶分子が傾斜し、均一なモノドメイン配向が得られる。つまり、液晶分子の傾斜方向を制御することが可能である。
【0039】
以下、本発明の実施の形態において、便宜上、配向膜が垂直配向膜である場合についてのみ説明する。
【0040】
図7は液晶パネル面の法線に対する光照射角と液晶分子のチルト角との関係を示す図である。図5、6に示す液晶パネル面の法線に対する光照射角αを変化させて液晶パネルを製造し、製造した液晶パネルにおいて、電圧を印加していない状態での液晶分子のチルト角φを調べた結果を図7に示す。チルト角φは、基板面に対する液晶分子の角度であり、完全な垂直配向の場合、チルト角は90°となる。
【0041】
光を液晶パネル面に対し斜めから照射することにより、光を照射した方向に液晶分子がわずかに傾斜し、液晶分子のチルト角φが90°より小さくなる。これにより、電圧を印加したときの液晶分子の傾斜方向が規定される。傾斜角αが大きいほど、チルト角φは小さくなる、つまり液晶分子は垂直に対してより大きく傾く。
【0042】
図8は液晶分子の配向を規制する本発明による他の方法を示す図である。この方法によれば、チルト角をより広範囲で制御することが可能になる。この方法は、図8に示すように、液晶パネルに光を照射してモノマーを重合する工程において、液晶層に電圧が印加されていない状態で液晶パネル面の法線方向に対して角度αだけ傾いた方向から光を照射した後、液晶層に電圧が印加された状態で光を、例えば液晶パネル面の法線方向から照射することにより、チルト角をより広範囲で制御することを可能にする。
【0043】
まず、液晶層に電圧が印加されていない状態で液晶パネル面の法線方向に対して角度αだけ傾いた方向から光を照射することにより、液晶分子の傾斜すべき方向が規定される。その後電圧を印加すると、液晶分子は斜め照射により規定された方向に傾斜する。その状態でさらに光を、例えば液晶パネル面の法線方向から照射することにより、液晶分子が傾斜した状態でモノマーの重合が進むため、チルト角をより小さくする、つまり垂直からの傾き角をより大きくすることができる。モノマーの濃度、最初の斜め照射の条件、その後の電圧印加条件とそのときの照射条件などを変化させることにより、チルト角を制御することができる。
【0044】
図9はマルチドメインの液晶パネルを製造する方法を示す図である。図9に示すように、液晶パネルの表示領域内、すなわち画素電極に対応する領域内で、液晶に光が照射される方向が互いに異なる複数の領域を混在させることにより、少なくとも2つのドメインを有するマルチドメインの液晶パネルを実現することができる。
【0045】
この液晶パネルを製造する方法の具体例として、図9の(A)は、複数の傾斜面を有するような光学層を介して光を照射する例を示し、図9の(B)は、部分的に遮光層を設けたマスクを利用して、互いに異なる方向から複数回光を照射する例を示し、図9の(C)は、部分的に遮光層を設けたマスクを利用して、マスクを介して斜めから光を照射し、その後異なる方向からパネル全面に光を照射する例を示す。
【0046】
いったん斜め照射により液晶分子の傾斜方向が規定された領域は、その後異なる方向から光を照射しても、最初に規定された傾斜方位が保持されることがわかった。この性質を利用したのが図9の(C)に示す液晶パネルを製造する方法の具体例である。
【0047】
また、基板表面に形成した突起、窪み、または電極に設けたスリットなどのドメイン規制手段と本発明とを組み合わせることにより、マルチドメインを実現することも可能である。
【0048】
本発明によれば、基板に形成した配向膜に対して何らの配向制御処理を施す必要がなく、突起や電極スリットなどのドメイン制御手段を設ける必要もなく、液晶パネルを組み立てた後の工程により液晶の配向制御を行うことができる。それゆえ、本発明は、製造工程が簡単であり、非常に優れた配向制御性を有するものである。
【0049】
また本発明によれば、液晶分子のチルト角制御や、マルチドメイン化が容易であるので、高透過率、高速応答、広視野角を容易に実現することができる。
【0050】
また本発明によれば、液晶界面の形状や凹凸によらず安定で均一な配向を実現することができる。例えば、反射型パネルの反射電極のように、表面に凹凸が形成されている場合にも、優れた配向性を容易に実現することが可能である。
【0051】
図10は本発明による液晶パネルの一方の基板の構造を示す平面図である。図10はゲートバスラインで区切られた3つの画素に対応する液晶パネルの構成を示す。この液晶パネルの基板は、マトリックス状に配置されたゲートバスライン、データバスラインが形成され、ゲートバスライン、データバスラインはTFT(Thin Film Transistor)素子を介して画素電極に接続されている。画素電極の中央部には、Cs電極が形成されている。もう一方の基板上には、カラーフィルタ、表示領域全面に共通電極が形成されている。
【0052】
両基板上に垂直配向膜を形成する。両基板をスペーサを介して貼り合わせ、負の誘電率異方性を有するネマティック液晶にジアクリレートを0.3wt%の濃度で混合した液晶組成物を封入して、液晶パネルを作製する。
【0053】
この後、液晶パネルに紫外線を照射してジアクリレートを重合する工程を行い、液晶パネルの両側に、吸収軸が互いに直交するように偏光板(偏光素子)を配置する。
【0054】
次に、液晶パネルに紫外線を照射する工程について説明する。
【0055】
図8に示すように、液晶層に電圧が印加されていない状態で、液晶パネル面の法線方向に対してα=35°の方向から紫外線を1J/cm2照射した後、液晶層に電圧20Vが印加された状態で液晶パネル面の法線方向(α=0°)から紫外線を3J/cm2照射する。これにより、チルト角87°のモノドメイン配向が得られる。
【0056】
図11は2つのドメインを有する液晶パネルを実現する方法の説明図であり、(I)は第1工程を示し、(II)は第2工程を示す図である。図11に示すように、この方法は、工程I、IIの順に紫外線を液晶に照射する。
【0057】
工程I:一画素の上半分に対応する領域のみに開口部が設けられたマスクを介して、液晶層に電圧が印加されていない状態で液晶パネル面の法線方向に対して35°の方向から紫外線を2J/cm2照射する。
【0058】
工程II:液晶パネル全面に対して、液晶層に電圧が印加されていない状態で液晶パネル面の法線方向に対して35°でかつ工程Iにおける照射方向とは逆方向から紫外線を4J/cm2照射する。
【0059】
これにより、チルト角89°の2ドメイン配向が得られる。
【0060】
図12は4つのドメインを有する液晶パネルを実現する方法の説明図であり、(I)は第1工程を示し、(II)は第2工程を示し、(III )は第3工程を示し、(IV)は第4工程を示す図である。図12に示すように、この方法は、工程I、II、III 、IVの順に紫外線を液晶に照射する。
【0061】
工程I〜工程IV:それぞれ一画素の1/4に対応する領域のみに開口部が設けられたマスクを介して、液晶層に電圧が印加されていない状態で液晶パネル面の法線方向に対して35°の方向から紫外線を1J/cm2照射する。
【0062】
工程I〜工程IVは、図に示すように、紫外線の照射方向が互いに異なり、その照射方向は、工程I、II、III 、IVの順に、液晶パネル面上の方位角φにして、ゲートバスラインに対し反時計方向に概45度、135度、225度、315度づつ回転した方向となる。
【0063】
その後、液晶パネル全面に対して、液晶層に電圧20Vが印加された状態で液晶パネル面の法線方向から紫外線を3J/cm2照射する。これにより、チルト角87°の4ドメイン配向が得られる。
【0064】
以上説明したように、本発明によれば、液晶分子の配向制御性に優れ、高透過率、高速応答、広視野角を同時に実現し得る液晶パネルからなる液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0065】
次に、本発明により画素毎に4つのドメインに分割された液晶パネルについて以下に詳細に説明する。
【0066】
図13は4つのドメインに分割された液晶パネルの1画素に対応する部分における液晶分子の状態を示す図である。図13に示すように、画素は、画素電極の表面の中心点Oから表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断された4つのドメインに分割され、各ドメインの中にある液晶分子のダイレクタは、表面上のゲートバスラインに対する方位角φが隣接するドメイン間で90°づつ異なり、実質的に画素電極の表面の中心点に求心する方向に向いている。
【0067】
隣り合うドメインの境界およびその近傍を占める境界域にある液晶分子のダイレクタは、第1チルト角(θ1:図示せず)と異なる第2チルト角(θ2:図示せず)の方向に向いている。
【0068】
本発明は、図4に示すような微細スリットを設けない図13に示すような長方形状の画素電極において、通常のモノマー重合後、1画素電極内において基板近傍の液晶分子の基板に対する傾き角度が複数、ここでは4つあるようにする。
【0069】
次に、図13に示す液晶分子の動きについて説明する。誘電率が負の液晶を用いた垂直配向液晶パネルは、電極間に電圧を印加すると液晶分子が垂直から水平に倒れる。
【0070】
図14は画素電極周囲の各辺における液晶分子の配向を示す図である。図14に示すような画素の場合、液晶分子の倒れる方位角方向は、電圧印加直後画素電極の辺に対しおおよそ垂直である。それにより、画素電極内部の液晶分子の倒れる方位角方向も画素電極に対しておおよそ垂直に倒れていく。
【0071】
やがて、画素電極内部において、各辺から倒れてきた液晶分子がぶつかり、液晶分子は両者のつりあいが取れる。その結果、画素電極辺に対して45°方向に倒れるようになり、最終的には、図13に示すように斜め45°方向に4分割されたような配向になる。この状態で光、例えば紫外線を照射すれば、重合された高分子によって液晶の配向方向が固定され、この液晶パネルにバスラインに平行な偏光軸をもつ偏光板を貼付すると光が透過する。
【0072】
しかし、図13に示すように画素電極端および中央部は、45°方向には配向せず、全体の透過率が低下していた。このため、本願出願人による特許出願番号2002−136128(本願出願人による先願発明)において提案した図4に示すような微細スリットを導入して配向制御を行えばよいが、微細スリットには課題が多いので、画素電極構造を出来るだけ簡単にすることが望まれた。
【0073】
そこで、図4に示すような微細スリットを設けずに、部分的に液晶分子の基板に対する傾き(チルト)角を変えて、最大の透過率を得る配向を液晶分子に与える手段を講じたのが本発明である。
【0074】
この手段について以下の実施例で詳細に説明する。尚、以下の実施例は、全て垂直配向膜を使用し、液晶は誘電率異方性が負、偏光板はクロスニコルに液晶パネルの両側に貼付するのでノーマリーブラック、偏光板の偏光軸はバスラインに対して平行方向である。パネルサイズは15インチ、解像度はXGAである。
【0075】
以下に、本発明の第1の構成に係る第1〜6実施例を詳細に説明する。
【0076】
まず、第1実施例を説明する。
【0077】
図15は本発明の液晶パネルの第1実施例を示す図である。図15に示すように、この液晶パネルは、一方の基板上で、データバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有していて、画素電極の表面の中心点を交差する十字に対応する領域で4つのドメインに分割されるよう構成される。以下、この4つのドメインを領域Aと呼び、境界域を領域Bと呼ぶ。図15に示すように、十字状に基板近傍の液晶分子の基板に対する角度はほぼ垂直、それ以外の部分は88°に傾斜させている。これは以下のように実現した。
【0078】
図15のような十字のマスクを用い、先ず液晶層に電圧を印加した状態で、紫外線を照射する。その結果紫外線が透過した部分は液晶分子が傾斜した状態で安定になる。更に、マスクを取り去って電圧を印加せずに紫外線を照射すると、画素周辺部の液晶分子は基板にほぼ垂直な状態で安定に配向する。これらの照射は、基板表面の法線方向から行う。
【0079】
最初に紫外線が照射される領域(ドメイン)Aは、液晶分子がバスラインに対して45度方向に傾斜している。1度目の露光により液晶分子の配向方向が規定され、2度目の露光でもその方向は維持される。2度目の露光で初めて紫外線があたる領域(境界域)Bは、ほぼ液晶分子がおおよそ垂直な状態で配向が規定される。パネル完成後、液晶を駆動すると、領域Aの液晶分子がバスラインに対して45°方向に傾斜し、領域Bの液晶分子もその影響で、領域Aの液晶分子が倒れたことを受けてこれに連れてバスラインに対して45°方向に傾斜するようになる。紫外線照射前に電圧を印加したとき(図13)に比べて、45°方向に傾斜する領域は広くなり、高透過率を実現できる。尚、1画素内で傾斜方向は4方向あるため、境界では十字状に暗くなる現象が発生する。すなわち、十字近傍で光が透過しない。
【0080】
尚、2度目に紫外線を照射する際、領域Bのみに照射してもよい。あるいは、1度目の照射で電極間に電圧を印加せずに領域Bのみに紫外線を照射し、2度目の照射で電極間に電圧を印加して領域Aのみに照射してもよい。なお、領域Bが液晶層に電圧を印加しない状態で露光する領域になる。
【0081】
次に、第2実施例を説明する。
【0082】
図16は本発明の液晶パネルの第2実施例を示す図である。図16に示すように、画素電極上に十字上および画素の長辺(データバスライン)近傍における基板近傍の液晶分子の基板に対する角度はほぼ垂直とし、それ以外の部分を基板に対して88°傾斜させた。製造方法は第1実施例の場合と同じである。
【0083】
画素長辺近傍の液晶分子は、バスラインに対して45°方向に傾斜しない。そこで画素長辺近傍の液晶分子を基板に対してほぼ垂直な方向に配向を規定しておく。パネル完成後液晶を駆動すると、領域Aの液晶分子がバスラインに対して45°方向に傾斜し、領域Bの液晶分子もその影響で、領域Aの液晶分子が倒れたことを受けてこれに連れてバスラインに対して45°方向に傾斜するようになる。第1実施例において電圧を印加したとき(図15)に比べて、45°方向に傾斜する領域は広くなり、透過率を改善できる。なお、領域Bが液晶層に電圧を印加しない状態で露光する領域になる。
【0084】
次に、第3実施例を説明する。
【0085】
図17は本発明の液晶パネルの第3実施例を示す図である。図17に示すように、画素電極上の田の字状の領域で、基板近傍の液晶分子の基板に対する角度はほぼ垂直、それ以外の部分は88°に傾斜させた。製造方法は第1実施例の場合と同じである。
【0086】
第3実施例は、十字上の他に画素電極周囲近傍もマスクしている点で第2実施例と異なるが、画素電極周囲近傍をもマスクする理由を以下に記す。画素電極周囲の近傍の液晶分子はバスラインに対して45°方向に傾斜しない。そこで画素電極周囲近傍の液晶分子を基板に対してほぼ垂直な方向に配向を規定しておく。また、画素電極の隅近傍の液晶分子は、バスラインに対して45°方向に傾斜している。そこで画素電極の隅近傍の液晶分子は電圧を印加した状態で露光して配向方向を規定しておく。パネル完成後液晶を駆動すると、領域Aの液晶分子がバスラインに対して45°方向に傾斜し、領域Bの液晶分子もその影響で、領域Aの液晶分子が倒れたことを受けてこれに連れてバスラインに対して45°方向に傾斜するようになる。
【0087】
第2実施例において電圧を印加したとき(図16)に比べて、第2実施例では45°方向に傾斜する領域は広くなり、更に透過率を改善できる。なお、領域Bが液晶層に電圧を印加しない状態で露光する領域になる。
【0088】
次に、第4実施例を説明する。
【0089】
図18は本発明の液晶パネルの第4実施例を示す図である。図18に示すように、画素電極上の田の字状で4隅を除く領域で、基板近傍の液晶分子の基板に対する角度はほぼ垂直、それ以外の部分は88°に傾斜させた。製造方法は第1実施例の場合と同じである。
【0090】
画素電極の隅近傍の液晶分子は、バスラインに対して45°方向に傾斜している。そこで画素電極の隅近傍の液晶分子は電圧を印加した状態で露光して配向方向を規定する。その他の配向方向の規定は、第3実施例と同じである。このように、画素電極上の田の字状で4隅では、確実に45°に倒れているので、ここではマスクする必要がない。パネル完成後液晶を駆動すると、領域Aの液晶分子がバスラインに対して45°方向に傾斜し、領域Bの液晶分子もその影響でバスラインに対して45°方向に傾斜するようになる。第3実施例において電圧を印加したとき(図17)に比べて、45°方向に傾斜する領域は広くなり、更に透過率を改善できる。なお、領域Bが液晶層に電圧を印加しない状態で露光する領域になる。
【0091】
次に、第5実施例を説明する。
【0092】
図19は本発明の液晶パネルの第5実施例を示す図である。図19に示すように、画素電極に液晶パネル断面方向にバスラインに対して45°方向の溝を設ける。これは金属層と透明電極(画素電極)の間の絶縁層をパターニングして実現する。図19に示すように、画素電極自身が微細な凸凹を有し、凸凹に沿って液晶分子は倒れる。
【0093】
突起の間隔が狭いため、液晶分子は溝とおおよそ垂直な方向に倒れると、隣接する溝の影響で倒れた液晶分子とぶつかり、最終的には突起と平行な方向に液晶分子は倒れる。
【0094】
次に、第6実施例を説明する。
【0095】
図20は本発明の液晶パネルの第6実施例を示す図である。図20に示すように、2枚の基板間隙を保つスペーサー(ビーズとも呼ぶ)をTFT上のみに配置した。画素電極上にスペーサーがある液晶パネルに比べて、配向乱れを抑えることができた。スペーサーは、各画素電極の4隅または複数画素毎の4隅に置かれる。このスペーサーの配置により、画素の表示領域にはスペーサーが設けられないので、スペーサーが液晶分子の配向に影響を及ぼすことはなくなり、それゆえ液晶の光化学特性に対するスペーサーの影響はなくなる。
【0096】
以上説明したように、本発明の第1の構成によれば、画素電極の十字近傍およびバスラインやゲートラインの近傍の領域Bをマスクした状態でモノマーを混入した液晶パネルに光を照射することにより、これらの近傍で液晶分子を電極表面に垂直に立たせておくことができ、かつ画素電極のマスクされない領域Aで所定の方向に配向を規定しておくので、液晶パネル完成後、液晶を駆動すると、領域Aの液晶分子がバスラインに対して所定の方向に傾斜し、領域Bの液晶分子もその影響で、領域Aの液晶分子が倒れたことを受けてこれに連れて同一方向に傾斜するようになる。
【0097】
以下に、本発明の第2の構成について説明する。
【0098】
本発明の第2の構成は、前述した本願出願人による先願発明において提案した図4に示すようなスリットの入った電極を用いて液晶の配向を規制したものの代わりに、すなわち微細電極の代替手段として以下のような構造物を設けたものである。図21に示す(第1実施例)ように微細な土手状構造物を設けて、または透明電極自身に土手状の凹凸を設けて(図示せず)、配向方向を制御する。あるいは、図22、23に示す(第2、3実施例)ように、微細な土手状構造物の上に透明電極を設け、透明電極に凹凸をつける。あるいは図24に示す(第4実施例)ように、対向側に土手を設けて、4分割を実現する。
【0099】
以下に、本発明の第2の構成における液晶分子の動きについて説明する。
【0100】
誘電率が負の液晶を用いた垂直配向液晶パネルは、電極間に電圧を印加すると液晶分子が倒れる。図4では、微細な電極と平行な方向に液晶分子が倒れる。しかし、図4に示すような画素の場合、プロセス上のわずかな変動により、微細な電極の幅が変化する。そのため、電界が変化し、パネルの光学特性が変動してしまう。この問題点を解決するには、微細な電極を用いないで配向方向を決定する構造をパネル内に作り込む必要がある。
【0101】
図21に示すように、電極の上に微細な土手を配置した場合、液晶分子は土手と垂直な方向に傾斜するが、隣り合った土手との距離が小さく、液晶分子が互いにぶつかり合う格好になり、最終的には土手と平行な方向に液晶分子が傾斜する。土手は主に液晶分子の倒れる方向を決めているだけなので、土手の幅が変化しても図4の電極の幅が変化したときに比べ光学特性に与える影響は小さい。
【0102】
同様に、図示しないが、透明電極自身に土手状の凹凸を設ける場合も、土手状の凹凸と平行な方向に液晶分子が倒れるが、土手は主に液晶分子の倒れる方向を決めているだけであり、配向状態は電界によって決まるので、土手の幅が変化しても図4に示す電極の幅が変化したときに比べ光学特性に与える影響は小さい。尚、透明電極自身に土手状の凹凸を設けるには、基板上に微細な土手を配置し、その上に透明電極を形成するなどの製造方法がある。
【0103】
更に、図22、23に示すように、基板上に微細な土手を配置し、その上に透明電極を設ける場合、電気力線が土手の面を垂直に突き抜けるため、基板間に電圧が印加された瞬間、液晶分子の倒れる方向が定まっていない。そのため、想定とは逆方向に倒れる液晶分子も発生して安定してしまい、想定した配向が得られない可能性がある。そこで透明電極の上に絶縁層を設けることにより、電気力線が土手の面と垂直ではない、ある角度で液晶内に入って突き抜けるようにすると液晶分子の倒れる方向が一意に定まり、想定した配向が得られるようになる。
【0104】
更に、図24に示すように、対向側に土手を設けた場合も、微細な電極を用いずに土手により液晶分子の倒れる方向、すなわち配向を規制できる。
【0105】
以下、本発明の第2の構成に係る第1〜4実施例を詳細に説明する。尚、実施例は全て垂直配向膜を使用し、液晶は誘電率異方性が負、偏光板はくロスニコルに液晶パネルの両側に貼付するのでノーマリーブラック、偏光板の偏光軸はバスラインに対して平行方向である。アクティブマトリックスタイプでパネルサイズは15インチ、解像度はXGAである。
【0106】
まず、本願出願人による先願発明の方法により液晶の配向を規制した液晶パネルを説明する。
【0107】
図4に示すような、微細なスリットをもつ構造の透明電極をTFT素子のある側の基板に設けたパネルを作製した。液晶には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。液晶注入後、基板間に電圧を印加しながら紫外線を照射し、液晶の配向方向を規定した。
【0108】
このパネルのコントラストは700、応答速度は立ち上がり15ms立ち下がり10msであった。
【0109】
このパネルでは、電極形成時の露光毎に電気光学特性が異なるため、全面に中間調表示を行うと、タイル状のパターンが見えた。また、全面に中間調表示を行うとムラが観察された。
【0110】
次に、第1実施例を説明する。
【0111】
図21は本発明の第2の構成に係る第1実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【0112】
図21に示すように、微細な土手状の構造物をTFT素子のある側の透明電極1上に設けたパネルを作製した。液晶2には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。
【0113】
液晶注入後、ガラス基板(基板)3の透明電極1とガラス基板(基板)4の透明電極1’間に電圧を印加しながら紫外線を照射し、液晶2の配向方向を規定した。
【0114】
この液晶パネルでは、微細なスリットを設けなくても土手5近傍で液晶分子が土手に平行に倒れることで配向が規制できる。また土手5を含め、基板最表面(液晶と接する面)の上に配向膜6が付されている。その結果、全面に中間調表示を行ったとき、図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルで生じるようなタイル状の模様(パターン)が見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。なお、透明電極1’の上にも配向膜6’が付されている。
【0115】
同様に、図21に示すような微細な土手状構造物を、TFT素子のある側の透明電極上の代わりに対向基板上に設けたパネルを作製した。TFT基板側の透明電極はスリットのない長方形状のままにした。土手状構造物は、対向するTFT基板側の透明電極より4ミクロンはみ出るよう配置した。このパネルでも全面に中間調表示を行っても液晶パネルのようなタイル状のパターンは見えなかった。
【0116】
また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0117】
次に、第2実施例を説明する。
【0118】
図22は本発明の第2の構成に係る第2実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【0119】
図22に示すように、微細な土手状の構造物をTFT素子のある側の基板に設け、その上に透明電極を設けたパネルを作製した。液晶には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。
【0120】
液晶注入後、基板間に電圧を印加したところ、配向方向が定まるのに数十秒から数分程度を要した。その後紫外線を照射し、液晶の配向方向を規定した。
【0121】
このパネルでは、第1実施例同様に、微細なスリットを設けなくても土手近傍で液晶分子が土手に平行に倒れることで配向が規制できる。その結果、図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルで生じるようなタイル状のパターンが見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0122】
同様に、図22に示すような、微細な土手状構造物を、TFT素子のある側の基板の代わりに対向基板上に設け、その上に透明電極を設けたパネルを作製した。TFT基板側の透明電極はスリットのない長方形状のままにした。土手状構造物は、対向するTFT基板側の透明電極より4ミクロンはみ出るよう配置した。このパネルでも全面に中間調表示を行って、図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルで生じるようなタイル状のパターンは見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0123】
次に、第3実施例を説明する。
【0124】
図23は本発明の第2の構成に係る第3実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【0125】
図23に示すように、微細な土手状の構造物をTFT素子のある側の基板に設け、その上に透明電極を設け、さらにその透明電極を絶縁物質で平坦化した平坦化層を設けたパネルを作製した。液晶には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。この平坦化層により液晶層へ入る電気力線の方向が第2実施例と比して電気力線が土手の面と垂直でない角度で液晶層に侵入するので、電極間に電圧が印加された時に液晶分子が倒れる方向が定まり、液晶分子は応答性良く倒れる。
【0126】
液晶注入後、基板間に電圧を印加したところ、配向方向が定まるのに数秒から10秒程度を要した。その後紫外線を照射し、液晶の配向方向を規定した。
【0127】
このパネルでは、図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルのようなタイル状のパターンが見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0128】
同様に、図23に示すように、微細な土手状の構造物をTFT素子のある側の基板の代わりに対向基板に設け、その上に透明電極を設け、さらにその透明電極を絶縁物質で平坦化したパネルを作製した。TFT基板側の透明電極はスリットのない長方形状のままにした。土手状構造物は、対向するTFT基板側の透明電極より4ミクロンはみ出るよう配置した。液晶には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。
【0129】
このパネルでは、第1、第2実施例同様に、微細なスリットを設けなくても土手近傍で液晶分子が土手に平行に倒れることで配向が規制できる。その結果、全面に中間調表示を行うと、図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルで生じるようなタイル状のパターンが見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0130】
次に、第4実施例を説明する。
【0131】
図24は本発明の第2の構成に係る第4実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側に対向する側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【0132】
図24に示すように、土手状の構造物を対向基板上に設けたパネルを作製した。液晶には誘電率異方性が負の液晶組成物にジアクリレートモノマーを0.3wt%混合した材料を使用した。
【0133】
液晶注入後、基板間に電圧を印加しながら紫外線を照射し、液晶の配向方向を規定した。
【0134】
このパネルでは、第1、第2、第3実施例同様に、微細なスリットを設けなくても図4に示す微細なスリットを設けた液晶パネルで生じるようなタイル状のパターンが見えなかった。また、全面に中間調表示を行うとムラは観察されなかった。
【0135】
また、第4実施例の液晶パネルは、第1、第2、第3実施例と比して、製造が容易という利点があるが、土手の形状が大きいので透過率は低い。
【0136】
(付記1) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に液晶を封入してなり、一方の前記基板上には前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置の製造方法において、
前記液晶パネルが、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物を封入する工程と、
前記液晶パネル面の法線方向に対して傾いた方向から光を照射して前記モノマーを重合する工程と、
を含んで製造されることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【0137】
(付記2) 前記モノマーを重合する工程は、前記両電極間に電圧を印加せずに前記光を照射して前記モノマーを重合する第1工程を備える、
付記1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0138】
(付記3) 前記モノマーを重合する工程は、前記第1工程後に前記両電極間に電圧を印加した状態で光を照射する第2工程を備える、
付記2に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0139】
(付記4) 前記液晶パネルの表示領域内で、光を照射する領域を選択した後に前記光を照射する、
付記1乃至3の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0140】
(付記5) 前記液晶パネルの表示領域内で、光が照射される方向が互いに異なる複数の領域が混在する、
付記1乃至4の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0141】
(付記6) 前記光が紫外線である、
付記1乃至5の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0142】
(付記7) 前記配向膜が垂直配向膜である、
付記1乃至6の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0143】
(付記8) 前記液晶パネル内に封入された液晶組成物は、負の誘電率異方性を有し、かつ液晶分子が前記第1工程で基板面に対し略垂直に配向され、
前記液晶パネルには、一方の側に第一偏光板が配置され、他方の側に該第一偏光板と光の吸収軸が直交する第二偏光板が配置される、
付記7に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0144】
(付記9) 前記配向膜が水平配向膜である、
付記1乃至6の何れか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0145】
(付記10) 前記液晶パネル内に封入された液晶組成物は、正の誘電率異方性を有し、かつ液晶分子が前記第1工程で基板面に対し略水平に配向され、
前記液晶パネルには、一方の側に第一偏光板が配置され、他方の側に該第一偏光板と光の吸収軸が直交する第二偏光板が配置される、
付記9に記載の液晶表示装置の製造方法。
【0146】
(付記11) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有しかつ重合可能なモノマーを含む液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶は、光が照射されて前記モノマーの重合がなされており、
前記ドメインの中にある液晶分子のダイレクタは、前記画素電極に対する第1チルト角θ1が90°未満の方向に向く、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【0147】
(付記12) 前記画素の各々は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記ドメインの中にある液晶分子のダイレクタは、前記表面上の方位角φが隣接するドメイン間で異なり、実質的に前記画素電極の表面の中心点に求心する方向に向き、
隣り合う前記ドメインの境界およびその近傍を占める境界域にある液晶分子のダイレクタは、前記第1チルト角θ1と異なる第2チルト角θ2の方向に向く、付記11に記載の液晶表示装置。
【0148】
(付記13) 前記境界域の第2チルト角θ2がほぼ90°である、付記12に記載の液晶表示装置。
【0149】
(付記14) 前記一方の基板上で、マトリックス状に配置されるデータバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有していて、前記境界域が前記画素電極の表面の中心点を交差する十字に対応する領域にある、付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0150】
(付記15) 前記一方の基板上で、マトリックス状に配置されるデータバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有していて、前記境界域が前記画素電極表面の中心点を交差する十字に対応する領域および前記画素電極の長辺近傍の領域にある、付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0151】
(付記16) 前記一方の基板上で、マトリックス状に配置されるデータバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有していて、前記境界域が前記画素電極表面上の田の字に対応する領域にある、付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0152】
(付記17) 前記一方の基板上で、マトリックス状に配置されるデータバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有していて、前記境界域が前記画素電極表面上の田の字に対応する領域であって前記画素電極の4隅を除く領域にある、付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0153】
(付記18) 前記一方の基板上で、マトリックス状に配置されるデータバスラインとゲートバスラインがおおよそ垂直に交差し、ほぼ長方形の透明画素電極を両バスラインの間に有し、該透明画素電極は前記バスラインに対して所定角度の方向に走る溝を有する、付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0154】
(付記19) 前記所定角度が45度である、付記18に記載の液晶表示装置。
【0155】
(付記20) 2枚の基板の間隙を保つスペーサーが、前記データバスラインと前記ゲートバスラインと前記透明電極とに接続されたTFTの上のみにある、付記11乃至19の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0156】
(付記21) 前記モノマーは、前記両電極間に電圧を印加しながら前記ドメインのみに光を照射して重合され、その後、前記両電極間に電圧を印加せずに前記液晶パネル全体を露光して重合される、付記11乃至19の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0157】
(付記22) 前記モノマーは、前記両電極間に電圧を印加しながら前記ドメインのみに光を照射して重合され、その後、前記両電極間に電圧を印加せずに前記境界域を露光して重合される、付記11乃至19の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0158】
(付記23) 前記モノマーは、前記両電極間に電圧を印加せずに前記境界域のみに光を照射し、その後、前記両電極間に電圧を印加して前記ドメインのみを露光して重合される、付記11乃至19の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0159】
(付記24) 前記光が紫外線である、付記11乃至23の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0160】
(付記25) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極の表面上に概平行に整列する絶縁物で作られた複数の土手状構造物を備え、
前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記土手状構造物は、前記ドメイン毎に前記土手状構造物の整列方向が異なっており、
前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶内の液晶分子が前記土手状構造物に対して概平行な方向に傾斜する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【0161】
(付記26) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極の表面上に概平行に整列する複数の土手状の凹凸を備え、
前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記土手状の凹凸は、前記ドメイン毎に前記土手状の凹凸の整列方向が異なっており、
前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶内の液晶分子が前記土手状の凹凸に対して概平行な方向に傾斜する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【0162】
(付記27) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極側の基板上に概平行に整列する複数の土手状構造物を形成した上に透明電極を形成して該透明電極に土手状の凹凸を設け、
前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記土手状の凹凸は、前記ドメイン毎に前記土手状の凹凸の整列方向が異なっており、
前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶分子が前記土手状の凹凸に対して概平行な方向に傾斜する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【0163】
(付記28) 前記土手状の凹凸の設けられた透明電極上に絶縁層を設け、前記両電極間に電圧を印加したときに、前記絶縁層を突き抜けて前記液晶に入る電気力線の該絶縁層となす角が鋭角である、
付記27に記載の液晶表示装置。
【0164】
(付記29) 前記画素に対応する前記土手状構造物または前記土手状の凹凸の整列方向が4方向ある、
付記25乃至28の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0165】
(付記30) 前記土手状構造物の整列方向はデータバスラインに対して45度方向である、
付記25乃至28の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0166】
(付記31) 前記土手状構造物の土手幅は1ミクロン以上10ミクロン以下であり、隣り合う土手状構造物間の間隙は1ミクロン以上10ミクロン以下である、
付記25乃至28の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【0167】
(付記32) 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極に対向する基板側に設けた土手を備え、
4分割配向を実現することを特徴とする液晶表示装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平配向の第1の制御手段の説明図である。
【図2】水平配向の第2の制御手段の説明図である。
【図3】垂直配向のMVAモードの説明図であり、(A)は電極間の電圧オフの状態を示し、(B)電極間の電圧オンの状態を示す図である。
【図4】微細スリットの入った画素電極構造を示す図である。
【図5】垂直配向膜を付した電極を用いて液晶分子の配向を規制する本発明による方法を示す図であり、(A)は液晶層に電圧を印加していない時の液晶分子の状態を示し、(B)は液晶層に電圧を印加した時の液晶分子の状態を示す図である。
【図6】水平配向膜を付した電極を用いて液晶分子の配向を規制する本発明による方法を示す図であり、(A)は液晶層に電圧を印加していない時の液晶分子の状態を示し、(B)は液晶層に電圧を印加した時の液晶分子の状態を示す図である。
【図7】液晶パネル面の法線に対する光照射角と液晶分子のチルト角との関係を示す図である。
【図8】液晶分子の配向を規制する本発明による他の方法を示す図である。
【図9】マルチドメインの液晶パネルを製造する方法を示す図である。
【図10】本発明による液晶パネルの一方の基板の構造を示す平面図である。
【図11】2つのドメインを有する液晶パネルを実現する方法の説明図であり、(I)は第1工程を示し、(II)は第2工程を示す図である。
【図12】4つのドメインを有する液晶パネルを実現する方法の説明図であり、(I)は第1工程を示し、(II)は第2工程を示し、(III )は第3工程を示し、(IV)は第4工程を示す図である。
【図13】4つのドメインに分割された液晶パネルの1画素に対応する部分における液晶分子の状態を示す図である。
【図14】画素電極周囲の各辺における液晶分子の配向を示す図である。
【図15】本発明の液晶パネルの第1実施例を示す図である。
【図16】本発明の液晶パネルの第2実施例を示す図である。
【図17】本発明の液晶パネルの第3実施例を示す図である。
【図18】本発明の液晶パネルの第4実施例を示す図である。
【図19】本発明の液晶パネルの第5実施例を示す図である。
【図20】本発明の液晶パネルの第6実施例を示す図である。
【図21】本発明の第2の構成に係る第1実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【図22】本発明の第2の構成に係る第2実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【図23】本発明の第2の構成に係る第3実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【図24】本発明の第2の構成に係る第4実施例の液晶パネルを示す図であり、(A)はTFT素子のある側に対向する側の透明電極の平面図であり、(B)は(A)においてL1−L2ラインで切断した液晶パネルの断面図である。
【符号の説明】
1、1’…透明電極
2…液晶
3、4…ガラス基板
5…土手
6、6’…配向膜
Claims (5)
- 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素を形成する電極である画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極の表面上に概平行に整列する複数の土手状構造物を備え、
前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記土手状構造物は、前記ドメイン毎に前記土手状構造物の整列方向が異なっており、
前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶内の液晶分子が前記土手状構造物に対して概平行な方向に傾斜し、
前記土手状構造物は、前記画素電極側の前記基板上に概平行に整列する複数の土手状の構造を配置した上に透明電極を形成することによって前記透明電極自身に設けられている土手状の凹凸であり、
前記土手状の凹凸の設けられた透明電極上に絶縁層を設け、前記両電極間に電圧を印加したときに、前記絶縁層を突き抜けて前記液晶に入る電気力線の該絶縁層となす角が鋭角であることを特徴とする液晶表示装置。 - 配向膜を付した電極が表面に形成された2枚の基板を該配向膜側を対向させ、対向する基板間に間隙を設けて封止し、該間隙に負の誘電率異方性を有する液晶を封入してなり、一方の前記基板上にはほぼ長方形の前記電極からなる複数の画素が整列している液晶パネルを備え、前記画素を形成する電極である画素電極とこれに対向する電極との両電極間に印加する電圧を制御して前記液晶内の液晶分子の配向を規制する液晶表示装置において、
前記液晶パネルは、
重合可能なモノマーを含む液晶組成物が封入され、かつ前記両電極間に電圧を印加した状態で光が照射されて前記モノマーが重合されたものであり、
前記画素電極の表面上に概平行に整列する複数の土手状構造物を備え、
前記液晶は、前記画素電極の表面の中心点から該表面上を放射状に伸びる複数の線分で切断されたドメインに分割され、
前記土手状構造物は、前記ドメイン毎に前記土手状構造物の整列方向が異なっており、
前記両電極間に電圧を印加したときに、前記画素に対応する液晶内の液晶分子が前記土手状構造物に対して概平行な方向に傾斜し、
前記土手状構造物は絶縁物を用いて作られていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記画素に対応する前記土手状構造物の整列方向が4方向あることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記土手状構造物の整列方向は、前記画素電極側の前記基板に設けられているデータバスラインに対して45度方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
- 前記土手状構造物の土手幅は1ミクロン以上10ミクロン以下であり、隣り合う土手状構造物間の間隙は1ミクロン以上10ミクロン以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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