JP4363058B2 - Motor, motor control device, motor control system, and motor identification method - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、モータの制御装置に関し、更に詳しく言えば、特にモータを含む機構部のモデルパラメータを同定するモータの制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータの制御装置に適用されているモータの制御系のブロック線図を図11に示す。モータ制御系の特性が機構系とモータ含む全体の動作に直接影響するため、制御装置の制御パラメータの調整は極めて重要である。しかし、一般にモータのモデルパラメータである負荷イナーシャ(正確にはモータ回転子イナーシャに機械側負荷イナーシャを加えたもの)は未知であることが多いので、制御パラメータの自動調整を行うためには、負荷イナーシャの値を同定する必要がある。
従来例1としては、モータのモデルパラメータである負荷イナーシャを自動調整する装置として、制御対象、すなわちモータ及び機構部を所定のパターンで加減速する速度パターンを発生する速度指令信号発生部と、この速度指令信号発生部から発生された速度パターンに基づいて制御対象を加減速させて、制御対象の位置を制御する位置制御部及び制御対象の速度を制御する速度制御部と、制御対象の現在位置を観測するエンコーダよりなる観測装置とを備えている。そして、速度指令信号発生部から発生された指令速度が予め設定した所定の速度となった時点の制御対象の指令位置と観測装置が観測した現在位置との位置偏差に基づいて、制御対象の負荷イナーシャを同定する方法である(特許文献1参照)。
【0003】
また、従来例2としては、モータの回転速度を変えるパターン(ランプ状の速度指令を含む)を発生するテストパターン発生器と、速度制御演算器の積分器への出力を遮断するスイッチと、テストゲインへの切り替えが可能な速度ループゲイン乗算器と、ゲイン調整器を備えている。この制御装置では、モータイナーシャのみの状態での定常速度偏差とモータに負荷イナーシャを付けた状態での定常速度偏差の比から負荷イナーシャを求める(特許文献2参照)。
また、従来例3としては、制御パラメータの調整や負荷イナーシャを同定する際には、非線形量である重力や摩擦などの外力の影響を別途補償する必要がある。従来の外力補償のパラメータを求める手段として、モータの一定区間を正転方向に一定速で動かし、さらに同一の区間を同一の速さで逆方向に動かし、それぞれの運動時の電流またはトルク指令を積分器により積分し、それぞれの積分値を加算し、加算された結果から重力に関するリンクパラメータを推定し、それぞれの積分値を減算し、減算された結果から摩擦に関するリンクパラメータを推定する方法がある(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−191679号公報
【特許文献2】
特開平6−70566号公報
【特許文献3】
特開平8−252787号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来例1では、負荷イナーシャを同定する際に、特別な同定動作を必要とし、通常の動作の最中にパラメータの同定や調整をすることができないという問題がある。これは、専用の動作指令で同定を行っても、実際の作業で使用する動作指令で動作させると発振などが発生する危険性がある。また、精度の面では、モータに重力や摩擦が働く場合、基準となる規範を持たず、位置偏差や速度検出値が影響を受けるため、負荷イナーシャを正確に同定することができないという問題がある。
また同様に、前記従来例2では、特定の同定動作に加えて、積分制御を行っていないので、クーロン摩擦、一定外力などの影響が速度偏差に現れるため、イナーシャ同定値のバラツキや誤差が大きいという問題がある。
更に、モータを含む機構部を設置後は、機構部の周りに複数の周辺機器がある場合があり、負荷イナーシャ同定のための特別な動作のための可動範囲が大きく取れないという問題がある。また、モータ稼動中に機構部の負荷イナーシャが変化する場合には、負荷イナーシャの代表値を用いるか、複数回の同定作業を実行する手間が必要であった。そのため、実際の作業に使用する動作命令を使用して、自動的に同定動作を実施できることが望ましい。また、実際の作業の動作命令を用いる場合、複数のリンクを持つロボットでは作業中の姿勢変化により負荷イナーシャが実時間に変化するため、一定速度の定常偏差では同定できないという問題もある。
【0006】
また、外力補償パラメータを求める手段の従来例3では、運動時の加減速時に電流またはトルク指令に含まれる加速力の影響を除去するため、速度が一定になる区間を必要としており、そのため広い可動領域と動作時間を必要とする問題があった。また、制御系の遅れにより速度積分項に溜まる値により同定値に誤差が生じる場合があった。また、特定の同定動作を必要とするため、頻繁に負荷が変わるような場合には、その都度作業を止めて同定動作を実行しなければならないという問題があった。
そこで本発明は、特別な同定動作を必要とせず、重力や動摩擦等の影響も受けずに、通常の動作の最中に、作業中の姿勢変化にも対応して、パラメータを同定することを目的とする。更に、加減速時でも広い可動領域を必要とせず、制御系の遅れにも対応でき、自動運転中でも重力や摩擦の外力補償パラメータを同定することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載のモータの制御装置は、モータ制御部の指令に基づいてモータを駆動し、前記モータに接続される機構部を有するモータの制御装置において、前記モータを模擬したモータモデルと前記機構部を模擬した機構モデル部と前記モータ制御部を模擬した制御モデル部とを有するシミュレーション部と、前記モータ制御部、前記モータ及び前記機構部からなる実機部と前記シミュレーション部との同一状態量を比較して状態量比較値を出力する状態量比較部と、前記状態量比較値が所定のしきい値以内であるかを判断する評価量演算部と、前記状態量比較値が前記所定のしきい値以内に入るように、前記シミュレーション部の機構モデルを低次数のモデルから高次数のモデルへ変更して、前記機構モデル部のパラメータを同定するモデルパラメータ調整部と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2記載のモータの制御装置は、前記状態量比較部は、位置、速度及び加速度の状態量を比較することを特徴とするものである。
請求項3記載のモータの制御装置は、前記状態量比較部は、位置、速度、加速度の状態量を周波数解析手段で解析した結果を比較することを特徴とするものである。
請求項4記載のモータの制御装置は、前記モータ制御部の制御部及びシミュレーション部の制御モデル部は、前記モデルパラメータ調整部の結果に基づいて制御機構を変更することを特徴とするものである。
請求項5記載のモータの制御装置は、前記モデルパラメータ調整部は、前記状態量の瞬間値又は蓄積値を用いた同定結果により、同定動作の終了を判断することを特徴とするものである。
請求項6記載のモータの制御装置は、前記モデルパラメータ調整部は、外部又は前記評価量演算部の結果に基づいて前記同定動作を行うか否かを選択することを特徴とするものである。
請求項7記載のモータの制御装置は、状態量比較部は、前記モータが複数接続された機械装置の場合、各モータの状態量を複合した値を使用することを特徴とするものである。
請求項8記載のモータの制御装置は、モータ制御部の指令に基づいてモータを駆動し、前記モータに接続される機構部を有するモータの制御装置において、前記モータを模擬したモータモデルと前記機構部を模擬した機構モデル部と上位コントローラからの正回転指令および負回転指令を含む指令が入力される前記モータ制御部を模擬した制御モデル部とを有するシミュレーション部と、一定速区間を含まない往復運動中に、前記モータ制御部、前記モータ及び前記機構部からなる実機部と前記シミュレーション部との同一状態量の差分をとり、前記差分を前記モータの正回転時と負回転時でそれぞれ積分した第1および第2の値を出力する状態量比較部と、前記第1および第2の値に基づいて外力補償パラメータを同定する補償パラメータ調整部と、前記外力補償パラメータに基づいて前記実機部に作用する外力を補償する外力補償部と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項9記載のモータの制御装置は、前記外力補償部のパラメータが重力と摩擦であることを特徴とするものである。
請求項10記載のモータの制御装置は、前記同一状態量は、前記モータ制御部と前記制御モデル部の速度偏差積分値又はトルク指令であることを特徴とするものである。
請求項11記載のモータの同定方法は、モータ制御部の指令に基づいてモータを駆動し、前記モータに接続される機構部と、前記モータ制御部と前記モータと前記機構部からなる実機部をシミュレーションするシミュレーション部と、を備えたモータの制御装置において、前記実機部と前記シミュレーション部に同一の指令が入力され、前記指令に基づいて変化した前記実機部と前記シミュレーション部との状態量を比較し、その比較結果が所定の大きさ以内の場合、前記シミュレーション部の機構モデルを低次数のモデルから高次数のモデルへ変更して、前記機構モデル部のパラメータを同定することを特徴とするものである。
請求項12記載のモータの同定方法は、モータ制御部の指令に基づいてモータを駆動し、前記モータに接続される機構部と、前記モータ制御部と前記モータと前記機構部からなる実機部をシミュレーションするシミュレーション部と、を備えたモータの制御装置において、前記シミュレーション部の前記機構モデル部のパラメータ同定時に、第1段階として低次数のモデルで同定動作を実行し、第2段階として第1段階で求めたパラメータを分割することで1つ次数を上げて高次数のモデルへ変更して分割したパラメータの同定動作を実行し、第3段階として第2段階で1つ次数を上げた際に生じたパラメータを同定し、前記第1から第3段階まで次数を上げながらパラメータ同定を繰り返すことを特徴とするものである。
請求項13のモータは、請求項1乃至10いずれかに記載のモータの制御装置によって制御されることを特徴とするものである。
請求項14のモータ制御システムは、請求項1乃至10いずれかに記載のモータの制御装置と、前記モータの制御装置によって制御されるモータと、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の基本構成を図1に示して説明する。ここでは、説明の簡略化のため、本制御装置で駆動するモータは1個とし、前記モータに接続される機構部は減速機を介した単純な円筒形状の負荷とする。
図1において、実機部10は、機構部12と、機構部12に接続された前記モータ13と、前記モータ13を制御するモータ制御部11で構成されている。シミュレーション部20は、前記モータ13を模擬したモータモデル23と、前記機構部12を模擬した機構モデル部22と、前記モータ制御部11を模擬した制御モデル部21で構成されている。
制御装置のモータを制御する装置内で、前記実機部10及び前記シミュレーション部20は並列に配置されており、それぞれ上位コントローラから同一の指令を入力とする。前記実機部10及び前記シミュレーション部20では、入力された指令に応じて機構部12及び機構部モデル22を制御するためのトルク指令をそれぞれモータ13及びモータモデル23に出力する。ここで、上位コントローラから入力される同一の指令は、実際の作業で使用する動作指令であり、予め記憶されたパターンを再生して用いても良いし、CADデータなどから自動的に作成する方法でも良い。予め記憶されたパターンを使用すると、パターン作成時点で周辺機器との干渉を回避してあるため、同定動作中に周辺機器との衝突がない。
【0012】
状態量比較部31では、前記実機部10と前記シミュレーション部20における前記モータ制御部11と前記制御モデル部21の同一状態量(例えば、位置偏差や速度フィードバックなど)を、または、前記機構部13と前記機構モデル部22の同一状態量(例えば、位置フィードバックなど)を比較して、状態量比較値を作成する。ここで、状態量比較値は、状態量の瞬間値か、状態量の一定時間毎の蓄積値で作成される。
評価量演算部32では、前記状態量比較部31で作成した前記状態量比較値が予め決められたしきい値以内であるかどうかを判断する。これは、実機とモデルのパラメータが完全に一致した場合、即ち実機とシミュレーションが全く同じ挙動を示す場合には、理想的には状態量比較値が0になる。
ここで、しきい値と比較する際に、前記状態量比較値の瞬間値を用いるか、前記状態量比較値の蓄積値を用いるかは選択できる。更に、モータが複数接続されるロボット等の機械装置の場合には、前記状態量比較値を直交座標値に変換した値も選択できる。
【0013】
前記状態量比較値がしきい値以上であれば、モデルパラメータ調整部33で前記機構モデル部22のモデルパラメータの値を変更し、前記状態量比較値がしきい値以内に入るまで、同一指令による動作からモデルパラメータ値の変更を繰り返す。前記状態量比較値がしきい値以内であれば、実機とシミュレーションのパラメータが近似値になったと判断して同定作業を終了する。ここで、モデルパラメータ値の変更方法は、状態量比較値の符号で修正方向を判別し、しきい値に対する状態量比較値の大きさで修正量を決定する。
通常の作業中に同定動作を実行するか、又は通常の作業を中断して特別な同定動作を実行するかは、作業者が前記制御装置を介して選択できる。更に、前記評価量演算部32内において逐次前記状態量比較値を監視しておき、通常の作業中に負荷イナーシャの変動があるような場合でも、状態量比較値が大きくなることを判断し、自動的に同定動作を実行させても良い。
【0014】
以下に、本発明の第1の具体的実施例を図2に示して説明する。
前記モータ制御部11は、位置速度制御ループ111とアンプ112で構成されており、通常の作業用の位置(角度)指令を入力してトルク指令をアンプ112へ出力することで、モータ13及び前記機構部12を駆動する。位置速度制御ループ111では図16に示す位置比例−速度比例積分制御を用いる。同様に、前記制御モデル部21も、位置速度制御ループモデル211とアンプモデル212で構成されており、通常の作業用の位置(角度)指令を入力してトルク指令をアンプモデル212へ出力することで、前記機構モデル部22を駆動する。
更に、同定精度の要求が高い場合には、実機部とシミュレーション部で差異を無くすため、重力や摩擦の補償を行う。前記モータ制御部11で、前記機構部12の重力と静止摩擦及び動摩擦の外力補償部15を内蔵し、位置フィードバック(以下、FBとする)に応じた重力トルクと摩擦トルクを演算して、トルク指令に加算することで、外力の影響を補償する。又は、前記制御モデル部21に前記モータモデル23の重力モデルと静止摩擦及び動摩擦モデルの外力補償部モデル25を内蔵して、指令に応じた重力トルクと摩擦トルクを演算して、トルク指令に加算することで、外力の影響を模擬しても良い。外力補償部15を有効にするか、外力補償部モデル25を有効にするかを、必要に応じて選択する。
【0015】
また同様に、制御対象が複数のリンクを持つロボットの場合には、実際の作業に使用する動作指令によっては姿勢変化が起きるため、各軸の負荷イナーシャが実時間で変動してしまうことがある。そこで、予め機構部のモデルを持ち、実時間で動力学の演算を解き、姿勢毎の負荷イナーシャを求めることで、これを規範として負荷イナーシャの値を設定でき、姿勢変化の影響を受けず、著しく外れた負荷イナーシャの値を設定することもなくなる。
制御対象となる機構部は、一般的にモータの出力端から減速機を介して接続されており、機構部によって2慣性モデルや3慣性モデル以上である場合がある。
ここでは簡略化のため、モータが1個で機構部が2慣性モデルである場合で、モータのモータロータのイナーシャJmは既知として、機構部のイナーシャJLと減速機のバネ定数Kを同定する方法について説明する。
同定手順としては、機構モデル部を低次数のモデルから高次数のモデルへ変更することで同定を行う。例えば、図3(a)に示すように、始めに機構部のイナーシャJLとモータロータのイナーシャJmを併せて、低次数のモデルとして剛体モデルJ=JL+Jmを求めることで、機構部のイナーシャJLを同定する。次に、図3(b)に示すように、機構部のイナーシャJLとモータロータイナーシャJmを分離して2慣性の高次数のモデルとして、減速機のバネ定数Kを求める。ここで、減速機のイナーシャは、機構部側とモータ側に分離して、機構部とモータに含める。以下の例では、低次数のモデルとして剛体モデル、高次数のモデルとして2慣性モデルを使用したが、低次数のモデルとして2慣性モデルを使用し、高次数のモデルとして3慣性モデルを使用してもよい。
【0016】
以下、機構部のイナーシャJLと減速機のバネ定数Kを同定する方法について詳細に説明する。ここでは、通常の作業で使用する命令を用いた同定動作で実行するが、特別に同定動作用の指令を使用しても良い。
(1)同定準備
実機部10の機構部12のモデルは、機構部のイナーシャJLとモータロータのイナーシャJmを併せた剛体モデルの初期値Jを設定する。シミュレーション部20の機構モデル部22も、実機部10と同じ値を設定する。次に、上位コントローラから、図4(a)に示す作業時の位置指令を、前記実機部10の前記モータ制御部11及び前記シミュレーション部20の前記制御モデル部21に入力する。この指令は作業中のあるポイントから別のポイントへ移動する命令である。
(2)機構部のイナーシャJLの同定
同定には位置指令の加減速区間(過渡状態)を使用して、この指令に対するモータ13及びモータモデル23に接続された位置検出器14及び位置検出器モデル24で検出した位置FBの微分値(速度FB)を状態量とする。実機部及びシミュレーション部の速度指令及び速度FBは、図4(b)に示す波形となる。この速度FBの過渡状態での状態量差が0になるように、シミュレーション部のイナーシャJを変更する。ここで、イナーシャJを変更するが、モータロータのイナーシャJmは既知であるため、実際は機構部のイナーシャJL分を変更していることと同等である。
【0017】
実機とシミュレーションの速度FBは前記状態量比較部31の振動成分抽出部311で高周波成分を除去した後に比較され、状態量比較値(速度FBの偏差)を作成する。求められた過渡状態での状態量比較値が、評価量演算部32で予め決められたしきい値以内であるかどうかを判断する。ここで、高周波の振動成分は除去されており、前記状態量比較値は一定時間毎の蓄積値を用いることで、平均的な比較が可能となる。
しきい値以内であれば、モデルパラメータの同定を終了する。また、しきい値以上であれば、モデルパラメータ調整部33でモデルパラメータの値を変更し、しきい値以内になるように繰り返す。ここで、しきい値よりも正側に大きい場合は実機部に対するモデルのイナーシャJが大きいので、モデルのイナーシャJを小さく設定し直す。逆にしきい値よりも負側に大きい場合は、実機部に対するモデルのイナーシャJが小さいので、シミュレーション部のイナーシャJを大きく設定し直す。
【0018】
(3)減速機のバネ定数Kの同定
次に、実機とシミュレーションで剛体モデルのイナーシャJが一致した後で、低次数のモデルの剛体モデルを高次数のモデルの2慣性系モデルに変更して、2慣性間を連結しているバネの剛性定数Kを求める。求める方法としては、以下の2通りがある。
(1)制御系は通常のゲインで、実機部に2慣性系のオブザーバを配置してねじれ角を推定し、シミュレータ部側のねじれ角と比較する方法
(2)制御系は通常よりも高いゲインで、定常状態での速度FBを比較する方法始めに、方式(1)を説明する。図5に実機部に追加する2慣性系モデルのオブザーバのブロック線図を示す。パラメータ同定の方法としては、シミュレーション部も実機部のブロック線図と同構造であるため、実機部とシミュレーション部のねじり角が一致するようにシミュレーション部の減速機のバネ定数を変更する。ここで、DLは減速機粘性係数、Nは総合減速比を表す。
モータ回転角θmとモータ角速度指令値Urefから、次の5つの状態量を推定計算する。本オブザーバは全次元で構成する。ここで、θSはねじれ角、d2は2次側外力を、各変数の上の・は一回時間微分を表す。
【0019】
【数1】
【0020】
2慣性系オブザーバの状態方程式は、以下の式で表すことができる。ここで、∧はその変数のオブザーバ推定値を表す。
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】
ここで、C=[1 0 0 0 0]とし、L行列は行列|A−LC|の固有値を決定することで定まる。
上記オブザーバを構成することで、式(3)からねじり角θSを求めることができる。
【0024】
次に、図6にブロック線図を示す。前記状態量比較部31において、前記実機部10の2慣性系オブザーバ16からの出力であるねじり角θSと、前記シミュレーション部20の機構モデル部22のねじり角θSSを比較し、高周波成分のノイズなどを除去し、希望とする振動成分の周波数成分を抽出して、状態量比較値を作成する。求められた状態量比較値が、評価量演算部32で予め決められたしきい値以内であるかどうかを判断する。ここで、2慣性系オブザーバ16のねじり角θSには遅れが生じてシミュレーション部とタイミングを合わせるため、前記シミュレーション部20のねじり角θSSに対してフィルタ26を設ける。
しきい値以内であれば、モデルパラメータの同定を終了する。また、しきい値以上であれば、モデルパラメータ調整部33でモデルパラメータのバネ定数Kを変更し、しきい値以内になるように同定を繰り返す。
【0025】
次に、方式(2)を説明する。式(2)では過渡状態での速度応答波形を一致させたが、本方式では定常状態での速度応答波形を一致させて、バネ定数Kを求める。
実機部及びシミュレーション部の速度FBは、図4(b)に示す定常状態の波形となる。ここで、本実施例では速度一定の命令を用いているが、実際の動作では速度変動が生じる命令がある。その場合でも、シミュレーション部の速度FBを規範として、実機部の速度FBと比較することで、速度一定の命令である時と同じ状態量比較値を得ることができる。
実機部とシミュレーション部のバネ定数が同じであれば振動周波数も同じになるが、バネ定数が大きい場合には振動周波数も大きくなり、バネ定数が小さい場合には振動周波数も小さくなる。
図4(c)に示すように、実機とシミュレーションの速度FBは、状態量比較部31の振動成分抽出部311でノイズなどの高周波成分を除去し、希望とする振動成分の周波数成分を抽出して、振動成分の周期ΔTから振動周波数を求める。
実機部の速度FBの振動周波数fRとシミュレーション部の速度FBの振動周波数fSは、(式4)(式5)で表すことができる。
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】
【0028】
よって、振動周波数fRとfSを比較することで、状態量比較値(fRとfSの差分)を作成する。ここで、状態量比較値は前記状態量比較値の一定時間毎の平均値を用いる。速度FBの高周波ノイズを除去しきれていない場合でも、平均値を用いることで誤差を小さくし、評価量演算部32で誤った判断を避けるためである。
【0029】
次に、平均値を用いた状態量比較値が、評価量演算部32で予め決められたしきい値以内であるかどうかを判断する。しきい値以内であれば、モデルパラメータであるバネ定数Kの同定を終了する。
また、しきい値以上であれば、モデルパラメータ調整部33でモデルパラメータのバネ定数Kを変更して、しきい値以内になるように繰り返す。ここで、バネ定数Kの変更手順は、振動周波数fRに比べて振動周波数fSが大きい場合には、予め設定された大きさだけバネ定数Kを小さく変更し、小さい場合には予め設定された大きさだけバネ定数Kを大きく変更する。これらの変更は、振動周波数が一致するまで自動的に繰り返し行うものとする。
上記実施例により、負荷イナーシャJL及び減速機のバネ定数Kのパラメータを自動的に同定することができる。
【0030】
これら一連の同定作業の実施は、作業者が機構部の負荷を変更した場合に作業者が制御装置を操作することで意図的に実施する方法や、予め前記評価量演算部32内で特定の状態量比較値(速度FBやねじれ角など)を監視して、負荷イナーシャの変動を自動的に検出して同定作業を開始する方法が考えられる。そのため、上記実施例では、通常の作業中における特定の状態量比較値を監視して、実機部とシミュレーション部の値に差がある場合には自動的に同定動作を開始する構成にしても良い。
【0031】
以下に、本発明の第2の具体的実施例を図7に示して説明する。
本実施例では、前記第1の実施例の(4)の2慣性系のモデルにした場合のバネ定数を求める過程が異なる。前記第1の実施例では速度FBの波形から振動成分を抽出したが、本実施例では2次側機構部の1次側機構部(モータロータ)への反力による振動をトルク指令の波形から抽出する。ここでは、機構部のイナーシャJLは既に求められていると仮定する。
前記実機部10の前記モータ制御部11及びシミュレーション部20の前記制御モデル部21は、通常よく用いられる位置比例−速度比例積分制御を用いる。上位コントローラからは、パラメータ同定用の指令として、一定速度の動作指令を与え、定常状態での実機部とシミュレーション部のトルク波形を状態量として用いる。定常状態でのトルク波形は、図7(a)及び(b)に示す波形になる。
実機とシミュレーションのトルク指令は状態量比較部31に入力され、比較される。前記状態比較部31内の振動成分抽出部311で高周波成分のノイズなどを除去し、希望とする振動成分の周波数成分を抽出して、状態量比較値を作成する。図7(c)のように2慣性間のバネ項による振動成分を抽出することができる。後は第1の具体的実施例に記載したように、この差分が小さくなるようにモデルパラメータ調整部33でモデルパラメータのバネ定数Kを変更して、しきい値以内になるまで繰り返す。
【0032】
以下に、本発明の第3の具体的実施例を図8に示して説明する。
本実施例では、前記第3の実施例で2慣性系のモデルのバネ定数を求める過程が異なる。前記第3の実施例では振動成分の抽出を波形の時間変化を直接測定して求めていたが、本実施例では状態量比較部31でFFT(Fast Fourier Transform)を用いることで、実機部10とシミュレーション部20のトルク指令の振動成分をより簡単に一致させることができる。
前記状態比較部31内の振動成分抽出部311でFFT解析することによって、図9(a)及び(b)のトルク指令から、図9(c)に示すように簡単に振動成分の周波数を特定することができる。後は第1の具体的実施例に記載した手順で、周波数及びパワーがほぼ一致するようにモデルパラメータ調整部33でモデルパラメータのバネ定数Kを変更して、しきい値以内になるように繰り返す。
【0033】
以下に、本発明の第4の具体的実施例を図10に示して説明する。
本実施例は、前記第1〜第3の具体的実施例で求められた機構部のモデルパラメータを元に、実機部10の前記モータ制御部11及びシミュレーション部20の前記機構モデル部22の制御構造を変更する。
始めに、機構モデル部22のモデルパラメータを同定する前は、機構モデル部22は機構部の負荷イナーシャJLとモータロータのイナーシャJmを併せた剛体モデルJ=JL+Jmとする。
次に、前記第1の具体的実施例で求めたように、モデルパラメータである負荷イナーシャJLと減速機のバネ定数Kを求める。この減速機のバネ定数Kが十分に大きく剛体と見なせる場合には、制御構成は変更しない。
しかし、バネ項の影響が大きい場合には、図10に示すように、シミュレーション部20の機構モデル部22を2慣性系モデルの制御構成に変更し、2次側機構部モデル221に入力されるねじれ角θSSによる反力τSをトルク指令から減算する。また、実機部10のモータ制御部11に前述の第1の具体的実施例で説明した2慣性系オブザーバを配置し、推定したねじれ角θSによる反力τRをトルク指令から減算する。
このように、モデルパラメータの同定結果により、前記モータ制御部11及び前記機構モデル部22の制御構成を変更することで、2次側の振動を抑制することができ、高精度な制御を行うことができる。
【0034】
以下に、本発明の第5の具体的実施例を説明する。
本実施例では、モータが複数接続された水平多関節型ロボットに関して、相互慣性の同定方法を説明する。説明を簡略化するため、図11(a)に示すように制御対象の機構部は、2軸の水平多関節型ロボットとする。各軸の主慣性(前述の負荷イナーシャJL)は前記実施例1〜4の方法で既に求められていると仮定し、他の軸に影響を与える相互慣性のパラメータを求める方法について説明する。
本実施例では、シミュレーション部に実機部の相互干渉35と同じ相互干渉モデル36を設け、実機部とシミュレーション部のロボット先端の直交座標系における位置FB値を比較し、位置FB偏差を小さくすることで、相互干渉のパラメータを同定する。以下に詳細に説明する。
【0035】
(1)相互干渉モデル
2軸の水平多関節型ロボットの運動方程式は次のように表される。
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】
【0038】
ここで、miはリンクiの質量、Liは軸から重心までの距離、aiはリンク長さである。また、速度項は速度に依存しており、速度制御ループで補償されるため、無視して考えられるので、式(6)と(7)は次のように表せる。
【0039】
【数8】
【0040】
【数9】
【0041】
よって、式(8)と(9)は以下のように表現することができる。
【0042】
【数10】
【0043】
ここで、
【0044】
【数11】
【0045】
【数12】
【0046】
【数13】
【0047】
また、Iiは重心周りの慣性モーメント、Niはi軸モータの減速機の減速比、Iimはモータのモータロータのイナーシャ(等価慣性モーメント)である。
mi、Li、ai、Niは既知であり、主慣性であるJ11とJ22は、負荷イナーシャJLとして既に求められているため、特定の姿勢θ1とθ2での重心周りの慣性モーメントIiを式(11)〜(13)から求め、相互慣性であるJ12とJ21を求めることができる。
(式10)は、加減速時に2軸目が1軸目に作用する干渉トルクτ12と1軸目が2軸目に作用する干渉トルクτ21が、以下のように表せることを意味する。
【0048】
【数14】
【0049】
【数15】
【0050】
よって、図12に示すように、求められた相互慣性のパラメータJ12(=J21)を元に、シミュレーション部20に相互干渉モデル36を配置する。ここでは、初期値としてJ12とJ21に適当な初期値(例えば、零)を入力し、パラメータの同定を実施しても良い。
【0051】
(2)相互慣性モデルのパラメータJ12の同定
上位コントローラから、通常の作業用の位置(角度)指令を、前記実機部10の前記モータ制御部11a,11b及び前記シミュレーション部20の前記制御モデル部21a,21bに入力する。この指令は、図11(b)に示すように1軸目を・・θ1で、2軸目を・・θ2で動作させることで、2軸目に干渉力τ21を与え、実機部とシミュレーション部の挙動(軌跡ズレ)を比較する。
実機部の相互干渉部35の相互慣性Jr12(=Jr21)と、シミュレーション部の相互干渉モデル部36の相互慣性Js12(=Js21)が一致していない場合には、実機部とシミュレーション部にも軌跡ズレが発生する。ここでは、実機部とシミュレーション部の軌跡ズレを合わせることで、相互干渉モデル部36の相互慣性を同定する。
実機部とシミュレーション部の軌跡の比較をするために、順変換部34では、前記モータ制御部11の位置検出器14a,14bの位置FBと、前記制御モデル部21の位置検出器モデル24a,24bの位置FBをそれぞれ順変換し、実機部とシミュレーション部のロボット先端の位置FB(状態量)を求める。前記状態比較部31では、2つの前記位置FBを差分して状態量比較値を求め、評価量演算部32で予め決められたしきい値以内であるかどうかを判断する。
しきい値以内であれば、モデルパラメータ(相互慣性)の同定を終了する。これで実機部の相互干渉部35とシミュレーション部の相互干渉モデル部36が近似値になったことになる。
【0052】
しきい値以上であれば、モデルパラメータ調整部33で相互干渉モデル部のモデルパラメータの値(J12=J21)を変更して、しきい値以内になるように繰り返す。ここで、相互慣性モデルのパラメータの変更方法について説明する。例えば、図11(b)に示すように、実機部の軌跡よりもシミュレーション部の軌跡のズレが大きい。これは、干渉力の影響が大きくモデル化されているためで、相互慣性のモデルパラメータJ12(=J21)を小さく設定する必要がある。逆に、実機部の軌跡よりもシミュレーション部の軌跡のズレが小さい場合、相互慣性のモデルパラメータJ12(=J21)を大きくする。
以上の作業を繰り返すことで、実際の作業に使用するロボットの姿勢における相互干渉のモデルパラメータを同定できる。
【0053】
以下に、本発明の第6の具体的実施例を説明する。
本実施例では、モータが複数を接続された垂直多関節型ロボットに関して、外力補償パラメータの同定方法を説明する。説明を簡略化するため、図13(a)に示すように、制御対象の機構部は、1軸の垂直単関節型ロボットとする。ここで、同定する外力補償パラメータは、重力、摩擦とする。また、図13(b)に示すように、摩擦は速度によって変化する粘性摩擦と速度によらず一定のクーロン摩擦のモデルを導入して、対象とする評価量の一致を図る。
本実施例では、実機部に外力補償部15を設け、往復運動における実機部の前記モータ制御部の速度偏差積分値とシミュレーション部の制御モデル部の速度偏差積分値を比較し、外力に相当する部分を抽出することで、外力補償のパラメータを同定する。ここで、速度積分値の代りにトルク指令を使用しても良い。
以下に詳細に説明する。
【0054】
(1)同定準備
上位コントローラから、図14(a)に示すような通常の作業用の位置(角度)指令を、前記実機部10の前記モータ制御部11及び前記シミュレーション部20の前記制御モデル部21に入力する。上位から入力する指令は、必要最小限の動作と時間で同定するため、図14(b)に示すように一定速区間を含まない往復運動を行う速度指令となる。ただし特別の同定動作用の指令である必要は無く、通常の作業プログラム実行中の指令でよく、一定速区間を持った指令でもその区間を同定に使用しない方法を取っても良い。
運動に必要なトルクは、図14(c)に示すように加減速時に慣性に打ち勝ってアームを加速する加減速トルクと、重力に打ち勝ってアームの姿勢を維持する重力トルクと、減速機などの摩擦に打ち勝って速度を維持するための摩擦トルクの加算されたものとなる。
【0055】
ここで、シミュレーション部には重力や摩擦が作用しないため、シミュレーション部の制御モデル部の速度偏差積分値は、重力や摩擦の影響は受けず、慣性の影響のみが作用した値となる。また、実機部の前記モータ制御部の速度偏差積分は、慣性と重力と摩擦の全てが作用した値となるため、両方の差を取ることで、慣性の影響をキャンセルすることができる。つまり、同じ位置指令を前記実機部10と前記シミュレーション部20の同じ構成の制御系に入力するため、実機部とシミュレーション部の差を取ることで、指令の影響をキャンセルすることができる。
よって、速度偏差積分値の差は図14(d)に示すように重力トルクと摩擦トルクを加算したものとなる。
同様に、制御系の遅れにより、実機部の前記モータ制御部の速度偏差積分に若干の速度偏差が溜まるが、同様にシミュレーション部の制御モデル部の速度偏差積分値にも制御系の遅れによる速度偏差も溜まっているため、両方の差を取ることで、制御遅れの影響をキャンセルすることができる。
【0056】
(2)外力補償パラメータの同定
図15に示すように、状態量比較部31では、実機部とシミュレーション部の前記速度偏差積分値を状態量として、2つの値の差を取り、正回転時と負回転時でそれぞれ積分する。次に外力補償パラメータ調整部37において、正回転時の速度偏差積分値τCWの積分値INTG(τCW)と、負回転時の速度偏差積分値τCCWの積分値INTG(τCCW)を加算することで、図14(d)に示すように、正回転時に正側に、負回転時に負側に作用していた摩擦トルクをキャンセルでき、重力トルクτGのみを抽出することができる。
【0057】
【数16】
【0058】
また、重力トルクは以下の式で表すことができ、リンク重量m1が既知である場合には、リンク重心距離L1を求めることが出来る。
【0059】
【数17】
【0060】
同様に、正回転時の速度偏差積分値τCWの積分値INTG(τCW)から、負回転時の速度偏差積分値τCCWの積分値INTG(τCCW)を減算することで、図14(d)に示すように重力トルクτGをキャンセルでき、摩擦トルクτFのみを抽出することができる。
【0061】
【数18】
【0062】
ここでは、速度が一定になる区間が無いため、全区間の速度を平均した速度における摩擦トルクが求まったことになる。そのため、複数の速度が取れるように加減速の大きさが異なる指令で動作させて、速度によって変化する粘性摩擦パラメータと、速度によって変化しないクーロン摩擦パラメータを求める。
ここで、速度偏差積分値の全ての区間で積分値を取って、ノイズや脈動分をキャンセルしているが、より短い単位時間辺りの速度偏差積分値の平均を取って、それぞれ正回転時と負回転時で減算しても良く、その場合には1つの動作で複数の速度における摩擦トルクが求められるため、より短い時間で摩擦補償パラメータを同定することができる。
実際の作業に使用する指令を用いて以上の作業を繰り返すことで、ロボットの姿勢における外力補償パラメータを同定でき、求められた外力補償パラメータを用い、外力補償部35で外力の補償を行う。
【0063】
ここでは、垂直単関節型ロボットの重力と摩擦のパラメータを同定したが、頻繁に搬送物が変化するようなパレタイジング作業時のロボットの手先負荷を求める場合でも、自動運転中にロボット各軸の速度偏差積分値から同様に手先負荷の重力パラメータを同定でき、実時間で手先負荷を考慮した最適な制御を実行することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1のモータの制御装置によれば、実機部及びシミュレーション部を並列に配置し、実際の作業で使用する同一の指令に応じて機構部及び機構部モデルの状態量を比較し、予め決められたしきい値以内に状態量入るまで、同一指令による動作からモデルパラメータ値の変更を繰り返すことにより、重力や動摩擦等の影響を受けずに、機構部の周りに複数の周辺機器がある場合でも動作領域の制限などの制約を受けずに、機構部のモデルパラメータを簡単に自動的に同定できる。また、複数のリンクを持つロボットでは、作業中の姿勢変化を演算することで負荷イナーシャの実時間の変化にも対応できる。
請求項2記載のモータの制御装置によれば、機構部モデルを剛体から多慣性モデルに変更してモデルパラメータを同定することにより、慣性間の詳細なモデルパラメータを同定できる。
請求項3記載のモータの制御装置によれば、実機部及び前記シミュレーション部の同一状態量の波形を直接比較することにより、演算部に負担を掛けることなく、正確にモデルパラメータを同定できる。
請求項4記載のモータの制御装置によれば、実機部及び前記シミュレーション部の同一状態量の波形をFFTなどで解析して特徴を抽出することにより、作業者の経験などに左右されずに、正確にモデルパラメータを同定できる。
請求項5記載のモータの制御装置によれば、実機部及び前記シミュレーション部の同一状態量を比較して求めたモデルパラメータの同定結果により制御構造を変更することにより、モデルの機構構成に合った制御系を構築でき、制御対象をより的確に制御できる。
請求項6記載のモータの制御装置によれば、状態量の瞬間値又は蓄積値を用いた同定結果で同定動作の終了を判断することにより、モデルパラメータの不用意な変更や、ノイズによる影響を防止できる。
請求項7記載のモータの制御装置によれば、作業者又は前記評価量演算部の判断により、前記同定動作の実行を選択することにより、作業者が作業内容に応じてモデルパラメータの更新ができ、モデルパラメータの不用意な変更を防止できる。また、自動的にパラメータの更新をできる。
請求項8記載のモータの制御装置によれば、機械装置の複合した状態量で同定動作を実施することにより、複数軸の場合の軸間に生じるモデルパラメータも同定することができる。
請求項9記載のモータの制御方法によれば、実機部及びシミュレーション部を並列に配置し、実際の作業で使用する同一の指令に応じて機構部及び機構部モデルの状態量を比較し、予め決められたしきい値以内に状態量入るまで、同一指令による動作からモデルパラメータ値の変更を繰り返すことにより、重力や動摩擦等の影響を受けずに、機構部の周りに複数の周辺機器がある場合でも動作領域の制限などの制約を受けずに、機構部のモデルパラメータを簡単に自動的に同定できる。また、複数のリンクを持つロボットでは、作業中の姿勢変化を演算することで負荷イナーシャの実時間の変化にも対応できる。
請求項10から12記載のモータの制御装置によれば、実機部及びシミュレーション部を並列に配置し、実際の作業で使用する同一の指令に応じて機構部及び機構部モデルの同一状態量から、前記実機部の外力補償部のパラメータを同定する補償パラメータ調整部とを備えたことにより、加減速時でも広い可動領域を必要とせず、制御系の遅れにも対応でき、自動運転中でも重力と摩擦の外力補償パラメータを同定できる。これにより、モデルパラメータ同定の精度も向上できる。
請求項13記載のモータの制御方法によれば、モータ制御部とモータと機構部からなる実機部をシミュレーションするシミュレーション部とを備え、前記シミュレーション部の前記機構モデル部のパラメータ同定時に、第1段階として低次数のモデルで同定動作を実行し、第2段階として第1段階で求めたパラメータを分割することで1つ次数を上げて高次数のモデルへ変更して分割したパラメータの同定動作を実行し、第3段階として第2段階で1つ次数を上げた際に生じたパラメータを同定し、前記第1から第3段階まで次数を上げながらパラメータ同定を繰り返すことにより、多慣性の機構部モデルであっても慣性間の詳細なモデルパラメータを自動的に同定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の基本構成図
【図2】本発明の第1の具体的実施例を表す第1のブロック図
【図3】本発明の第1の具体的実施例におけるモデル図
【図4】本発明の第1の具体的実施例における第1の応答波形
【図5】本発明の第1の具体的実施例におけるオブザーバモデルを示すブロック図
【図6】本発明の第1の具体的実施例を表す第2のブロック図
【図7】本発明の第2の具体的実施例における応答波形
【図8】本発明の第3の具体的実施例を表すブロック図
【図9】本発明の第3の具体的実施例における応答波形
【図10】本発明の第4の具体的実施例を表すブロック図
【図11】本発明の第5の具体的実施例を表すモデル図
【図12】本発明の第5の具体的実施例を表すブロック図
【図13】本発明の第6の具体的実施例を表すモデル図
【図14】本発明の第6の具体的実施例における応答波形
【図15】本発明の第6の具体的実施例を表すブロック図
【図16】従来の制御方式を示すブロック図
【符号の説明】
10:実機部
11:モータ制御部
12:機構部
13:モータ
14:位置検出器
15:外力補償部
16:2慣性系オブザーバ
111:位置速度ループ
112:アンプ
121:2次側機構部
122:減速機
20:シミュレーション部
21:制御モデル部
22:機構モデル部
23:モータモデル
24:位置検出器モデル
25:外力補償部モデル
26:フィルタ
211:位置速度制御ループモデル
212:アンプモデル
221:2次側機構部モデル
222:減速機モデル
31:状態量比較部
311:振動成分抽出部
32:評価量演算部
33:モデルパラメータ調整部
34:順変換部
35:相互干渉部
36:相互干渉モデル部
37:外力補償パラメータ調整部[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a motor control device, and more particularly to a motor control device and a control method for identifying model parameters of a mechanism unit including a motor.
[0002]
[Prior art]
FIG. 11 shows a block diagram of a motor control system applied to the motor control device. Since the characteristics of the motor control system directly affect the overall operation including the mechanism system and the motor, adjustment of the control parameters of the control device is extremely important. However, load inertia (more precisely, motor rotor inertia plus machine-side load inertia), which is a model parameter of a motor, is often unknown, so in order to automatically adjust control parameters, It is necessary to identify the value of inertia.
As a conventional example 1, as a device that automatically adjusts load inertia which is a model parameter of a motor, a speed command signal generating unit that generates a speed pattern for accelerating and decelerating a control target, that is, a motor and a mechanism unit in a predetermined pattern, A position control unit for controlling the position of the control target by accelerating / decelerating the control target based on the speed pattern generated from the speed command signal generation unit, a speed control unit for controlling the speed of the control target, and the current position of the control target And an observation device comprising an encoder for observing the image. Then, based on the position deviation between the command position of the control target when the command speed generated from the speed command signal generation unit reaches a predetermined speed set in advance and the current position observed by the observation device, the load of the control target This is a method for identifying inertia (see Patent Document 1).
[0003]
Conventional example 2 includes a test pattern generator for generating a pattern for changing the rotational speed of the motor (including a ramp-shaped speed command), a switch for cutting off the output to the integrator of the speed control calculator, a test A speed loop gain multiplier capable of switching to a gain and a gain adjuster are provided. In this control device, the load inertia is obtained from the ratio of the steady speed deviation with only the motor inertia and the steady speed deviation with the load inertia attached to the motor (see Patent Document 2).
Further, as Conventional Example 3, when adjusting control parameters and identifying load inertia, it is necessary to separately compensate for the influence of external forces such as gravity and friction, which are nonlinear amounts. As a means of obtaining the conventional external force compensation parameters, a constant section of the motor is moved in the forward direction at a constant speed, and the same section is moved in the reverse direction at the same speed. There is a method of integrating by an integrator, adding each integrated value, estimating the link parameter related to gravity from the added result, subtracting each integrated value, and estimating the link parameter related to friction from the subtracted result (See Patent Document 3).
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-191679
[Patent Document 2]
JP-A-6-70566
[Patent Document 3]
JP-A-8-252787
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional example 1 has a problem in that, when identifying the load inertia, a special identification operation is required, and parameters cannot be identified or adjusted during a normal operation. Even if identification is performed using a dedicated operation command, there is a risk that oscillation may occur if the operation command is used in actual work. In addition, in terms of accuracy, when gravity or friction acts on the motor, there is a problem that the load inertia cannot be accurately identified because there is no standard norm and the position deviation and speed detection value are affected. .
Similarly, in the conventional example 2, since integral control is not performed in addition to the specific identification operation, the influence of Coulomb friction, constant external force, etc. appears in the speed deviation, so that variations and errors in the inertia identification value are large. There is a problem.
Furthermore, after installing the mechanism unit including the motor, there may be a plurality of peripheral devices around the mechanism unit, and there is a problem that a movable range for a special operation for load inertia identification cannot be made large. Further, when the load inertia of the mechanism portion changes during the operation of the motor, it is necessary to use a representative value of the load inertia or perform a plurality of identification operations. Therefore, it is desirable that the identification operation can be automatically performed using an operation command used for actual work. In addition, when an operation command for an actual work is used, there is a problem that in a robot having a plurality of links, the load inertia changes in real time due to a posture change during the work, so that it cannot be identified with a constant deviation at a constant speed.
[0006]
Further, in the conventional example 3 of the means for obtaining the external force compensation parameter, in order to remove the influence of the acceleration force included in the current or the torque command at the time of acceleration / deceleration during the exercise, a section where the speed is constant is required, and thus a wide movable There was a problem that required area and operating time. In addition, an error may occur in the identification value due to a value accumulated in the speed integral term due to a delay in the control system. In addition, since a specific identification operation is required, there is a problem that when the load frequently changes, the operation must be stopped and the identification operation must be executed each time.
Therefore, the present invention does not require a special identification operation, is not affected by gravity, dynamic friction, etc., and identifies parameters in response to a posture change during work during normal operation. Objective. It is another object of the present invention to identify external force compensation parameters for gravity and friction even during automatic operation without requiring a wide range of motion even during acceleration and deceleration, which can cope with delays in the control system.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problem, a motor control device according to
The motor control device according to
According to a third aspect of the present invention, there is provided the motor control apparatus, wherein the state quantity comparison unit compares the result of analyzing the position, speed, and acceleration state quantities by the frequency analysis means.
The motor control device according to claim 4, wherein the control unit of the motor control unit and the control model unit of the simulation unit change a control mechanism based on a result of the model parameter adjustment unit. .
The motor control apparatus according to
The motor control device according to claim 6 is characterized in that the model parameter adjustment unit selects whether to perform the identification operation based on an external result or the result of the evaluation amount calculation unit.
According to a seventh aspect of the present invention, there is provided the motor control device, wherein the state quantity comparison unit uses a value obtained by combining the state quantities of each motor in the case of a mechanical device in which a plurality of the motors are connected.
The motor control device according to
The motor control device according to claim 9 is characterized in that the parameters of the external force compensator are gravity and friction.
The motor control device according to
The motor identification method according to
A motor identification method according to
A motor according to a thirteenth aspect is controlled by the motor control device according to any one of the first to tenth aspects.
A motor control system according to a fourteenth aspect includes the motor control device according to any one of the first to tenth aspects, and a motor controlled by the motor control device.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A first basic configuration of the present invention will be described with reference to FIG. Here, for simplification of explanation, it is assumed that one motor is driven by the present control device, and a mechanism portion connected to the motor is a simple cylindrical load via a speed reducer.
In FIG. 1, the
In the device that controls the motor of the control device, the
[0012]
In the state
The evaluation
Here, when comparing with the threshold value, it is possible to select whether to use the instantaneous value of the state quantity comparison value or the accumulated value of the state quantity comparison value. Further, in the case of a mechanical device such as a robot to which a plurality of motors are connected, a value obtained by converting the state quantity comparison value into an orthogonal coordinate value can also be selected.
[0013]
If the state quantity comparison value is equal to or greater than the threshold value, the model
The operator can select whether the identification operation is performed during the normal operation or the special operation is performed by interrupting the normal operation via the control device. Further, the state quantity comparison value is successively monitored in the evaluation
[0014]
Hereinafter, a first specific embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
The
Furthermore, when the demand for identification accuracy is high, gravity and friction are compensated in order to eliminate the difference between the actual machine unit and the simulation unit. The
[0015]
Similarly, when the control target is a robot having a plurality of links, the posture change may occur depending on the operation command used for the actual work, so the load inertia of each axis may fluctuate in real time. . Therefore, by having a model of the mechanism part in advance, solving the calculation of dynamics in real time, and obtaining the load inertia for each posture, the value of the load inertia can be set based on this, and it is not affected by the posture change, It is no longer necessary to set a load inertia value that deviates significantly.
The mechanism unit to be controlled is generally connected from the output end of the motor via a speed reducer, and may be a two-inertia model or a three-inertia model or more depending on the mechanism unit.
Here, for the sake of simplification, the motor rotor inertia of the motor is assumed when there is one motor and the mechanism part is a two-inertia model. m Is known as mechanism J inertia J L A method for identifying the spring constant K of the reduction gear will be described.
As an identification procedure, the mechanism model part is identified by changing from a low-order model to a high-order model. For example, as shown in FIG. L And motor rotor inertia J m In addition, a rigid model J = J as a low-order model L + J m Inertia J of the mechanism L Is identified. Next, as shown in FIG. L And motor rotor inertia J m And the spring constant K of the speed reducer is obtained as a two-inertia high-order model. Here, the inertia of the speed reducer is separated into the mechanism part side and the motor side, and is included in the mechanism part and the motor. In the following example, a rigid model was used as the low-order model and a 2-inertia model was used as the high-order model. However, a 2-inertia model was used as the low-order model and a 3-inertia model was used as the high-order model. Also good.
[0016]
Inertia J of the mechanism section L A method for identifying the spring constant K of the reduction gear will be described in detail. Here, the identification operation using a command used in normal work is executed, but a command for the identification operation may be used specially.
(1) Preparation for identification
The model of the
(2) Inertia J of mechanism L Identification
For the identification, the acceleration / deceleration section (transient state) of the position command is used, and the differential value of the position FB detected by the
[0017]
The actual machine and the simulation speed FB are compared after the high frequency component is removed by the vibration
If it is within the threshold value, the identification of the model parameter is terminated. If it is equal to or greater than the threshold, the model
[0018]
(3) Identification of the spring constant K of the reduction gear
Next, after the inertia J of the rigid model matches the actual machine and simulation, the rigid body model of the low-order model is changed to a two-inertia system model of the high-order model, and the spring connecting the two inertias is changed. The stiffness constant K is obtained. There are the following two methods.
(1) The control system is a normal gain, a two-inertia observer is arranged in the actual machine part, and the torsion angle is estimated and compared with the torsion angle on the simulator part side
(2) A method in which the control system has a higher gain than usual and the speed FB in the steady state is compared. First, the method (1) will be described. FIG. 5 shows a block diagram of an observer of a 2-inertia system model added to the actual machine part. As a parameter identification method, since the simulation unit has the same structure as the block diagram of the actual unit, the spring constant of the reduction gear of the simulation unit is changed so that the torsion angles of the actual unit and the simulation unit match. Where D L Represents the viscosity coefficient of the reducer, and N represents the overall reduction ratio.
From the motor rotation angle θm and the motor angular velocity command value Uref, the following five state quantities are estimated and calculated. This observer consists of all dimensions. Where θ S Is the torsion angle, d2 is the secondary external force, and over each variable is the time derivative once.
[0019]
[Expression 1]
[0020]
The equation of state of the two-inertia observer can be expressed by the following equation. Here, ∧ represents the observer estimated value of the variable.
[0021]
[Expression 2]
[0022]
[Equation 3]
[0023]
Here, C = [1 0 0 0 0], and the L matrix is determined by determining the eigenvalues of the matrix | A-LC |.
By constructing the observer, the twist angle θ S Can be requested.
[0024]
Next, FIG. 6 shows a block diagram. In the state
If it is within the threshold value, the identification of the model parameter is terminated. If it is equal to or greater than the threshold value, the model
[0025]
Next, the method (2) will be described. In Equation (2), the speed response waveforms in the transient state are matched, but in this method, the speed response waveforms in the steady state are matched to obtain the spring constant K.
The speed FB of the actual machine unit and the simulation unit has a steady-state waveform shown in FIG. Here, a command with a constant speed is used in this embodiment, but there is a command that causes a speed fluctuation in an actual operation. Even in that case, by comparing the speed FB of the simulation unit with the speed FB of the actual machine unit as a standard, the same state quantity comparison value as that when the command is a constant speed can be obtained.
If the actual machine part and the simulation part have the same spring constant, the vibration frequency will be the same. However, if the spring constant is large, the vibration frequency will be large, and if the spring constant is small, the vibration frequency will be small.
As shown in FIG. 4 (c), the speed FB of the actual machine and the simulation is such that the vibration
Vibration frequency f of actual machine speed FB R And the vibration frequency f of the simulation unit speed FB S Can be expressed by (Formula 4) (Formula 5).
[0026]
[Expression 4]
[0027]
[Equation 5]
[0028]
Therefore, the vibration frequency f R And f S By comparing the state quantity comparison value (f R And f S Difference). Here, as the state quantity comparison value, an average value of the state quantity comparison value for each fixed time is used. This is because even if the high-frequency noise of the speed FB is not completely removed, the error is reduced by using the average value, and erroneous evaluation is avoided in the evaluation
[0029]
Next, it is determined whether or not the state quantity comparison value using the average value is within a threshold value predetermined by the evaluation
If it is equal to or greater than the threshold, the model
According to the above embodiment, load inertia J L And the parameter of the spring constant K of the speed reducer can be automatically identified.
[0030]
The series of identification operations is performed by a method that is intentionally performed by the operator operating the control device when the worker changes the load of the mechanism unit, or a specific method in advance in the evaluation
[0031]
A second specific embodiment of the present invention will be described below with reference to FIG.
In the present embodiment, the process of obtaining the spring constant when the two-inertia system model (4) of the first embodiment is used is different. In the first embodiment, the vibration component is extracted from the waveform of the speed FB, but in this embodiment, the vibration due to the reaction force to the primary mechanism (motor rotor) of the secondary mechanism is extracted from the torque command waveform. To do. Here, inertia J of the mechanism L Assume that is already sought.
The
Torque commands for the actual machine and simulation are input to the state
[0032]
Hereinafter, a third specific example of the present invention will be described with reference to FIG.
In the present embodiment, the process of obtaining the spring constant of the two-inertia system model is different from that in the third embodiment. In the third embodiment, the extraction of the vibration component is obtained by directly measuring the time change of the waveform. However, in this embodiment, the state
By performing FFT analysis with the vibration
[0033]
The fourth specific embodiment of the present invention will be described below with reference to FIG.
In this embodiment, the
First, before the model parameter of the
Next, as determined in the first specific embodiment, the load inertia J, which is a model parameter, is determined. L Calculate the spring constant K of the reduction gear. When the spring constant K of the reduction gear is sufficiently large and can be regarded as a rigid body, the control configuration is not changed.
However, when the influence of the spring term is large, as shown in FIG. 10, the
Thus, by changing the control configuration of the
[0034]
The fifth specific example of the present invention will be described below.
In the present embodiment, a mutual inertia identification method will be described with respect to a horizontal articulated robot to which a plurality of motors are connected. In order to simplify the description, as shown in FIG. 11 (a), the mechanism unit to be controlled is a biaxial horizontal articulated robot. Main inertia of each axis (the aforementioned load inertia J L ) Will be described with reference to a method for obtaining a parameter of mutual inertia affecting other axes, assuming that it has already been obtained by the methods of the first to fourth embodiments.
In this embodiment, the simulation unit is provided with a
[0035]
(1) Mutual interference model
The equation of motion of the two-axis horizontal articulated robot is expressed as follows.
[0036]
[Formula 6]
[0037]
[Expression 7]
[0038]
Where m i Is the mass of link i, L i Is the distance from the axis to the center of gravity, a i Is the link length. Further, since the speed term depends on the speed and is compensated by the speed control loop, it can be considered to be ignored. Therefore, the equations (6) and (7) can be expressed as follows.
[0039]
[Equation 8]
[0040]
[Equation 9]
[0041]
Therefore, equations (8) and (9) can be expressed as follows.
[0042]
[Expression 10]
[0043]
here,
[0044]
[Expression 11]
[0045]
[Expression 12]
[0046]
[Formula 13]
[0047]
I i Is the moment of inertia around the center of gravity, N i Is the reduction ratio of the reducer of the i-axis motor, I im Is the inertia (equivalent moment of inertia) of the motor rotor of the motor.
m i , L i , A i , N i Is known and is the main inertia J 11 And J twenty two Is the load inertia J L Specific orientation θ 1 And θ 2 Moment of inertia I around the center of gravity i Is obtained from the equations (11) to (13), and J is the mutual inertia. 12 And J twenty one Can be requested.
(Equation 10) is the interference torque τ that the second axis acts on the first axis during acceleration / deceleration 12 And the interference torque τ that the first axis acts on the second axis twenty one Means that it can be expressed as follows.
[0048]
[Expression 14]
[0049]
[Expression 15]
[0050]
Therefore, as shown in FIG. 12, the obtained mutual inertia parameter J 12 (= J twenty one ), The
[0051]
(2) Parameter J of mutual inertia model 12 Identification
A normal work position (angle) command is input from the host controller to the
Mutual inertia J of
In order to compare the trajectory between the actual machine unit and the simulation unit, the
If it is within the threshold value, the identification of the model parameter (mutual inertia) is terminated. As a result, the
[0052]
If it is equal to or greater than the threshold value, the model
By repeating the above operations, it is possible to identify model parameters of mutual interference in the posture of the robot used for the actual operation.
[0053]
The sixth specific example of the present invention will be described below.
In the present embodiment, an external force compensation parameter identification method will be described for a vertical articulated robot to which a plurality of motors are connected. In order to simplify the description, as shown in FIG. 13A, the mechanism unit to be controlled is a single-axis vertical single-joint robot. Here, the external force compensation parameters to be identified are gravity and friction. Further, as shown in FIG. 13B, a model of viscous friction that changes depending on speed and a constant Coulomb friction regardless of speed is introduced to match the evaluation values of interest.
In this embodiment, an external
This will be described in detail below.
[0054]
(1) Preparation for identification
A normal work position (angle) command as shown in FIG. 14A is input from the host controller to the
As shown in FIG. 14 (c), the torque required for the movement includes acceleration / deceleration torque that overcomes inertia during acceleration / deceleration, gravity torque that overcomes gravity and maintains the posture of the arm, reduction gears, etc. The friction torque for overcoming the friction and maintaining the speed is added.
[0055]
Here, since gravity and friction do not act on the simulation unit, the speed deviation integrated value of the control model unit of the simulation unit is not affected by gravity or friction, but is a value affected only by the influence of inertia. In addition, since the speed deviation integral of the motor control unit of the actual machine part is a value in which all of inertia, gravity and friction act, the influence of inertia can be canceled by taking the difference between them. That is, since the same position command is input to the control system having the same configuration of the
Therefore, the difference between the speed deviation integral values is obtained by adding the gravity torque and the friction torque as shown in FIG.
Similarly, a slight speed deviation is accumulated in the speed deviation integral of the motor control unit of the actual machine part due to the delay of the control system. Similarly, the speed deviation integral value of the control model part of the simulation part is also the speed due to the delay of the control system. Since deviations also accumulate, the influence of control delay can be canceled by taking the difference between the two.
[0056]
(2) Identification of external force compensation parameters
As shown in FIG. 15, the state
[0057]
[Expression 16]
[0058]
Also, the gravity torque can be expressed by the following formula, and the link weight m 1 Is known, link centroid distance L 1 Can be requested.
[0059]
[Expression 17]
[0060]
Similarly, speed deviation integral value τ during forward rotation CW Integral value INTG (τ CW ), The speed deviation integral value τ during negative rotation CCW Integral value INTG (τ CCW ) To subtract gravity torque τ as shown in FIG. G The friction torque τ F Only can be extracted.
[0061]
[Formula 18]
[0062]
Here, since there is no section where the speed is constant, the friction torque at the speed obtained by averaging the speeds of all the sections is obtained. Therefore, operation is performed with commands having different acceleration / deceleration levels so that a plurality of speeds can be obtained, and a viscous friction parameter that changes with speed and a Coulomb friction parameter that does not change with speed are obtained.
Here, the integral value is taken in all the sections of the speed deviation integral value, and the noise and pulsation are canceled, but the average of the speed deviation integral value per shorter unit time is taken, respectively, at the time of positive rotation and Subtraction may be performed at the time of negative rotation. In this case, the friction torque at a plurality of speeds is obtained by one operation, so that the friction compensation parameter can be identified in a shorter time.
By repeating the above work using a command used for the actual work, the external force compensation parameter in the robot posture can be identified, and the external
[0063]
Although the gravity and friction parameters of the vertical single-joint robot were identified here, the speed of each axis of the robot during automatic operation can be obtained even when the robot's hand load during palletizing work where the conveyed object changes frequently. Similarly, the gravity parameter of the hand load can be identified from the deviation integral value, and optimum control considering the hand load can be executed in real time.
[0064]
【The invention's effect】
As described above, according to the motor control apparatus of the first aspect, the actual machine unit and the simulation unit are arranged in parallel, and the state quantity of the mechanism unit and the mechanism unit model is set according to the same command used in the actual work. By repeating the change of the model parameter value from the operation by the same command until the state quantity falls within a predetermined threshold value, the multiple around the mechanism unit without being affected by gravity, dynamic friction, etc. Even if there are peripheral devices, the model parameters of the mechanism can be easily and automatically identified without being restricted by the limitation of the operation area. Further, a robot having a plurality of links can cope with a change in load inertia in real time by calculating a change in posture during work.
According to the motor control apparatus of the second aspect, the detailed model parameter between the inertias can be identified by changing the mechanism part model from the rigid body to the multi-inertia model and identifying the model parameter.
According to the motor control apparatus of the third aspect, the model parameters can be accurately identified without imposing a burden on the arithmetic unit by directly comparing the waveforms of the same state quantity of the actual machine unit and the simulation unit.
According to the motor control device of claim 4, by extracting the characteristics by analyzing the waveform of the same state quantity of the real machine unit and the simulation unit by FFT or the like, without depending on the experience of the operator, Model parameters can be identified accurately.
According to the motor control device of
According to the motor control device of the sixth aspect, by judging the end of the identification operation based on the identification result using the instantaneous value or the accumulated value of the state quantity, an inadvertent change of the model parameter or the influence of noise is caused. Can be prevented.
According to the motor control device of the seventh aspect, the operator can update the model parameter according to the work content by selecting the execution of the identification operation by the judgment of the worker or the evaluation amount calculation unit. Inadvertent changes in model parameters can be prevented. In addition, the parameters can be automatically updated.
According to the motor control apparatus of the eighth aspect, the model parameter generated between the axes in the case of a plurality of axes can be identified by performing the identification operation with the combined state quantity of the mechanical device.
According to the motor control method of the ninth aspect, the real machine unit and the simulation unit are arranged in parallel, and the state quantities of the mechanism unit and the mechanism unit model are compared in accordance with the same command used in actual work, There are multiple peripheral devices around the mechanism without being affected by gravity, dynamic friction, etc. by repeatedly changing the model parameter value from the operation with the same command until the state quantity falls within the determined threshold Even in such a case, the model parameters of the mechanism can be easily and automatically identified without being restricted by the limitation of the operation area. Further, a robot having a plurality of links can cope with a change in load inertia in real time by calculating a change in posture during work.
According to the motor control device of
According to the motor control method of the thirteenth aspect, the motor control unit and the simulation unit that simulates the real machine unit including the motor and the mechanism unit are provided, and when the parameter identification of the mechanism model unit of the simulation unit is performed, the first stage Execute identification operation with a low-order model as the second, and perform the identification operation of the divided parameters by increasing the first order by dividing the parameter obtained in the first stage as the second stage and changing to a higher-order model Then, as a third stage, a parameter generated when the first order is increased in the second stage is identified, and the parameter identification is repeated while increasing the order from the first to the third stage, whereby a multi-inertia mechanism part model is obtained. Even detailed model parameters between inertias can be automatically identified.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a first basic configuration diagram of the present invention.
FIG. 2 is a first block diagram illustrating a first specific embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a model diagram according to the first specific embodiment of the present invention.
FIG. 4 shows a first response waveform in the first specific embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a block diagram showing an observer model in the first specific embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a second block diagram showing a first specific embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a response waveform in the second specific example of the present invention.
FIG. 8 is a block diagram showing a third specific example of the present invention.
FIG. 9 is a response waveform in the third specific example of the present invention.
FIG. 10 is a block diagram showing a fourth specific example of the present invention.
FIG. 11 is a model diagram showing a fifth specific embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a block diagram showing a fifth specific embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a model diagram showing a sixth specific embodiment of the present invention.
FIG. 14 shows a response waveform in the sixth specific example of the present invention.
FIG. 15 is a block diagram showing a sixth specific embodiment of the present invention.
FIG. 16 is a block diagram showing a conventional control method
[Explanation of symbols]
10: Actual machine part
11: Motor controller
12: Mechanism part
13: Motor
14: Position detector
15: External force compensation section
16: 2 inertial observer
111: Position velocity loop
112: Amplifier
121: Secondary mechanism
122: Reducer
20: Simulation section
21: Control model part
22: Mechanism model part
23: Motor model
24: Position detector model
25: External force compensator model
26: Filter
211: Position / speed control loop model
212: Amplifier model
221: Secondary mechanism model
222: Reducer model
31: State quantity comparison unit
311: Vibration component extraction unit
32: Evaluation amount calculation unit
33: Model parameter adjustment unit
34: Forward conversion unit
35: Mutual interference part
36: Mutual interference model part
37: External force compensation parameter adjustment unit
Claims (14)
前記モータを模擬したモータモデルと前記機構部を模擬した機構モデル部と前記モータ制御部を模擬した制御モデル部とを有するシミュレーション部と、
前記モータ制御部、前記モータ及び前記機構部からなる実機部と前記シミュレーション部との同一状態量を比較して状態量比較値を出力する状態量比較部と、
前記状態量比較値が所定のしきい値以内であるかを判断する評価量演算部と、
前記状態量比較値が前記所定のしきい値以内に入るように、前記シミュレーション部の機構モデルを低次数のモデルから高次数のモデルへ変更して、前記機構モデル部のパラメータを同定するモデルパラメータ調整部と、
を備えることを特徴とするモータの制御装置。In a motor control device that drives a motor based on a command from a motor control unit and has a mechanism unit connected to the motor,
A simulation unit having a motor model simulating the motor, a mechanism model unit simulating the mechanism unit, and a control model unit simulating the motor control unit;
A state quantity comparison unit that compares the same state quantity of the actual machine unit including the motor control unit, the motor, and the mechanism unit with the simulation unit and outputs a state quantity comparison value;
An evaluation amount calculator that determines whether the state quantity comparison value is within a predetermined threshold;
A model parameter for identifying the parameters of the mechanism model unit by changing the mechanism model of the simulation unit from a low-order model to a high-order model so that the state quantity comparison value falls within the predetermined threshold value An adjustment unit;
A motor control device comprising:
前記モータを模擬したモータモデルと前記機構部を模擬した機構モデル部と上位コントローラからの正回転指令および負回転指令を含む指令が入力される前記モータ制御部を模擬した制御モデル部とを有するシミュレーション部と、
一定速区間を含まない往復運動中に、前記モータ制御部、前記モータ及び前記機構部からなる実機部と前記シミュレーション部との同一状態量の差分をとり、前記差分を前記モータの正回転時と負回転時でそれぞれ積分した第1および第2の値を出力する状態量比較部と、
前記第1および第2の値に基づいて外力補償パラメータを同定する補償パラメータ調整部と、
前記外力補償パラメータに基づいて前記実機部に作用する外力を補償する外力補償部と、
を備えたことを特徴とするモータの制御装置。In a motor control device that drives a motor based on a command from a motor control unit and has a mechanism unit connected to the motor,
A simulation having a motor model simulating the motor, a mechanism model unit simulating the mechanism unit, and a control model unit simulating the motor control unit to which a command including a positive rotation command and a negative rotation command from a host controller is input And
During a reciprocating motion that does not include a constant speed section, the difference between the same state quantity of the actual machine unit and the simulation unit including the motor control unit, the motor, and the mechanism unit is taken, and the difference is calculated when the motor is rotating forward. A state quantity comparison unit that outputs first and second values respectively integrated at the time of negative rotation;
A compensation parameter adjusting unit for identifying an external force compensation parameter based on the first and second values;
An external force compensator for compensating an external force acting on the actual machine unit based on the external force compensation parameter;
A motor control device comprising:
前記モータ制御部と前記モータと前記機構部からなる実機部をシミュレーションするシミュレーション部と、を備えたモータの制御装置において、
前記実機部と前記シミュレーション部に同一の指令が入力され、
前記指令に基づいて変化した前記実機部と前記シミュレーション部との状態量を比較し、その比較結果が所定の大きさ以内の場合、前記シミュレーション部の機構モデルを低次数のモデルから高次数のモデルへ変更して、前記機構モデル部のパラメータを同定することを特徴とするモータの同定方法。A motor that drives the motor based on a command from the motor controller and is connected to the motor; and
In a motor control device comprising: the motor control unit; and a simulation unit that simulates an actual machine unit including the motor and the mechanism unit.
The same command is input to the actual machine unit and the simulation unit,
Compare the state quantity of the real machine unit and the simulation unit changed based on the command, and if the comparison result is within a predetermined size, the mechanism model of the simulation unit is changed from a low-order model to a high-order model. And identifying a parameter of the mechanism model unit by changing to a motor identification method.
前記モータ制御部と前記モータと前記機構部からなる実機部をシミュレーションするシミュレーション部と、を備えたモータの制御装置において、
前記シミュレーション部の前記機構モデル部のパラメータ同定時に、第1段階として低次数のモデルで同定動作を実行し、
第2段階として第1段階で求めたパラメータを分割することで1つ次数を上げて高次数のモデルへ変更して分割したパラメータの同定動作を実行し、
第3段階として第2段階で1つ次数を上げた際に生じたパラメータを同定し、前記第1から第3段階まで次数を上げながらパラメータ同定を繰り返すことを特徴とするモータの同定方法。A motor that drives the motor based on a command from the motor controller and is connected to the motor; and
In a motor control device comprising: the motor control unit; and a simulation unit that simulates an actual machine unit including the motor and the mechanism unit.
At the time of parameter identification of the mechanism model unit of the simulation unit, an identification operation is performed with a low-order model as a first stage,
As the second stage, the parameter obtained in the first stage is divided to increase the first order and change to a higher order model, and the divided parameter identification operation is executed.
A motor identification method characterized by identifying a parameter generated when the first order is raised in the second stage as the third stage and repeating the parameter identification while increasing the order from the first to the third stage.
前記モータの制御装置によって制御されるモータと、を備えたことを特徴とするモータ制御システム。A motor control device according to any one of claims 1 to 10,
And a motor controlled by the motor control device.
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