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JP4359168B2 - 樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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JP4359168B2 JP2004084032A JP2004084032A JP4359168B2 JP 4359168 B2 JP4359168 B2 JP 4359168B2 JP 2004084032 A JP2004084032 A JP 2004084032A JP 2004084032 A JP2004084032 A JP 2004084032A JP 4359168 B2 JP4359168 B2 JP 4359168B2
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Description

本発明は、複数の樹脂層が積層された積層体からなる樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関し、樹脂成形の技術分野に属する。
自動車のインストルメントパネルなどの樹脂成形品は、剛性、耐久性、触感、意匠性等の様々な条件を満足させるために、複数種の樹脂の層からなる積層体によって構成される場合がある。
このような積層体からなる樹脂成形品の成形方法としては、従来、図14に示すように、一対の金型101,102のうちの一方の金型102にファブリック(表皮材)103をセットすると共に、溶融樹脂吐出用のホットノズル104を金型101のノズル挿通孔101aに挿入して樹脂注入空間105に臨ませ、この状態で、ホットノズル104頂面の注入孔104aからファブリック(表皮材)103の裏面に溶融樹脂を直接射出することにより、溶融樹脂とファブリック103とをー体に成形するものが知られているが、この方法によると、ノズル104頂面の注入孔104aから注入される溶融樹脂の圧力が高圧で、しかも該圧力がファブリック103の一部に集中するため、ファブリック103が損傷し易いという問題がある。
この問題に対処可能な成形方法として、例えば特許文献1には、ホットノズルの構造を改良したものが開示されている。これは、図15(a)に示すように、ノズル114の先端部周面に溶融樹脂の注入孔114aを設けると共に、該注入孔114aから溶融樹脂を金型112にセットされたファブリック113に対して平行な方向に吐出するようにしたものであり、これによれば、ノズル114の先端部の注入孔114aから射出される溶融樹脂の圧力がファブリック113の一部に集中することがなく、ファブリック113の損傷が防止されることとなる。
特開2003−011155号公報
ところで、上記金型111のノズル挿通孔111aの径とノズル114の先端部の径とは、金型111のノズル挿通孔111a内面とノズル114の周面との間から金型111外部に溶融樹脂が漏れるのを防止するために、ほぼ同径とする必要があるが、特許文献1のように、ノズル114の溶融樹脂注入孔114aをその先端部周面に設けると、該ノズル114は、注入孔114aが金型111のノズル挿通孔111aの内面に塞がれないように、樹脂注入空間115内に突出させる必要があり、この結果、図15(b)に示すように、成形完了品の樹脂116上に上記ノズル114の先端部に対応する凹部aが生じ、該凹部aによりファブリック113の表面側に凹部が生じて意匠を損なう等の問題が生じることとなる。
なお、この問題は、例えば、図16(a)に示すように、一対の金型121,122のうちの一方の金型122にファブリック(表皮材)123をセットすると共に、他方の金型121に樹脂材124等をセットし、溶融樹脂吐出用のノズル125を金型121及び樹脂材124のノズル挿通孔121a,124aに挿入して樹脂注入空間126に臨ませ、ノズル125の先端部周面の注入孔125aから溶融樹脂をファブリック123に対して平行な方向に吐出するようにした場合にも生じ、この場合、図16(b)に示すように、樹脂材124のノズル挿通孔124aには溶融樹脂が一切注入されず、成形完了品の樹脂127及び樹脂材124上により深い凹部bが生じることとなる。
そこで、本発明は、樹脂層の損傷を防止すると共に、ノズルが所定位置に位置していたときにおけるノズル部分の空間にも溶融樹脂を注入することができる樹脂成形品の成形方法及び成形装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明(以下、第1発明という)は、第1の型にセットされた樹脂材と第2の型側との間の空間に、該第2の型側に形成されたノズル挿通孔を介して該挿通孔と略同径のノズルを挿入し、該ノズルの先端部に形成された注入孔から上記空間に溶融樹脂を注入する複数の樹脂層からなる樹脂成形品の成形方法であって、上記ノズルとして先端部の周面及び頂面に注入孔を有するノズルを用いると共に、まず、ノズルが上記空間内に所定深さ位置まで挿入された状態で、ノズル先端部周面の注入孔から、該空間が溶融樹脂でほぼ満たされるまで溶融樹脂を注入後、次に、ノズルを上記所定深さ位置から後退させると共に、溶融樹脂注入に用いる注入孔をノズル先端部頂面の注入孔に切り換えて、後退によって生じた空間に溶融樹脂を注入することを特徴とする。
また、本願の請求項2に記載の発明(以下、第2発明という)は、第1発明において、第2の型に第2の樹脂材がセットされている場合において、まず、ノズルが第1の型にセットされた樹脂材と上記第2の樹脂材との間の空間に所定深さ位置まで挿入された状態で、第2の型及び第2の樹脂材のノズル挿通孔を介して、ノズル先端部周面の注入孔から第1の型にセットされた樹脂材と上記第2の樹脂材との間の空間に溶融樹脂を注入し、次に、ノズルを上記所定深さ位置から第2の樹脂材のノズル挿通孔始端位置まで後退させると共に、溶融樹脂注入に用いる注入孔をノズル先端部頂面の注入孔に切り換えて、後退によって生じた空間に溶融樹脂を注入し、該注入された溶融樹脂により両樹脂材を接着することを特徴とする。
また、本願の請求項3に記載の発明(以下、第3発明という)は、第2発明において、第1の型にセットされる樹脂材として表皮材を用い、第2の型にセットされる第2の樹脂材として基材を用いることを特徴とする。
また、本願の請求項4に記載の発明(以下、第4発明という)は、第3発明において、第1の型にセットされる樹脂材として表皮材を用いる場合に、第2の型側の面に発泡層を有する表皮材を用いることを特徴とする。
また、本願の請求項5に記載の発明(以下、第5発明という)は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、ノズル挿通孔における溶融樹脂注入空間側の部分は該空間に向けて拡径されており、ノズル先端部周面の注入孔は、ノズルが所定深さ位置まで挿入されたときにこの拡径部に対向するように構成されていることを特徴とする。
また、本願の請求項6に記載の発明(以下、第6発明という)は、第1の型の型面にセットされた樹脂材と第2の型側との間の空間に、該第2の型側に形成されたノズル挿通孔を介して該挿通孔と略同径のノズルを挿入し、該ノズルの先端部に形成された注入孔から上記空間に溶融樹脂を注入する複数の樹脂層からなる樹脂成形品の成形装置であって、上記ノズル先端部には周面及び頂面に注入孔が設けられていると共に、溶融樹脂の吐出をノズル先端部の周面の注入孔と頂面の注入孔とに切り換える切換手段が設けられていることを特徴とする。
また、本願の請求項7に記載の発明(以下、第7発明という)は、第6発明において、ノズルは、樹脂供給通路が形成された内筒と、該内筒に摺動可能に嵌合されて、先端部周面及び先端部頂面に注入孔が備えられた外筒とを有し、切換手段は、内筒と外筒とを相対移動させて、内筒の樹脂供給通路と外筒の先端部周面の注入孔とを連通させ、または内筒の樹脂供給通路と外筒の先端部頂面の注入孔とを連通させるように構成されていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、第1発明によれば、ノズルが所定深さ位置にあるときには、ノズル先端部周面の注入孔から溶融樹脂を空間内に注入するから、この注入時に樹脂材に及ぶ溶融樹脂圧力が軽減され、樹脂材が損傷するのが防止される。
また、上記溶融樹脂が上記空間にほぼ満たされた状態となった後は、ノズルを上記所定深さ位置から後退させると共に、溶融樹脂注入に用いる注入孔をノズル先端部頂面の注入孔に切り換えて、後退によって生じた空間に溶融樹脂を注入するから、成形完了後にノズル挿通孔が、接着剤が注入されない状態で残ることがない。なお、ノズル先端部頂面の注入孔から溶融樹脂を注入するときには、既にノズル先端部周面の注入孔から注入された溶融樹脂が層状になっているから、樹脂材に及ぶ溶融樹脂圧力が大きく軽減され、樹脂材の損傷が軽減される。
加えて、ノズル挿通孔とノズルとは略同径とされているから、挿通孔とノズル先端との間に隙間がほとんど生じず、この結果、空間内に注入した溶融樹脂が挿通孔とノズルとの間から金型の外に溢れ出すことがなくなり、注入された樹脂層の表面に凹凸を生じさせることがない。
また、第2発明によれば、2つの樹脂材を容易に溶融樹脂で接着することができる。
そして、第3発明によれば、表皮材側にノズル挿通孔を設ける必要がなく、表皮材の見栄えの悪化を防止することができる。
さらに、第4発明によれば、表皮材が発泡層を有する場合でも、溶融樹脂の圧力による損傷が防止され、発泡層のクッション感を良好に維持することができる。
また、第5発明によれば、基材もしくは第2の型のノズル挿通孔における溶融樹脂注入空間側の部分は該空間に向けて拡径されており、ノズルの先端部周面の注入孔は、ノズルが所定深さ位置まで挿入されたときにこの拡径部に対向するように構成されているから、樹脂注入空間内に溶融樹脂を良好に案内しつつ、ノズルの所定深さ位置を表皮材からより離れた位置に設定することができ、これによれば、ノズル先端部周面の注入孔からの注入により、ノズル先端部頂面と表皮材との間に厚い樹脂層を形成することができ、一層ノズル先端部頂面の注入孔から溶融樹脂を注入するときに表皮材に及ぶ圧力を軽減することができる。また、例えば溶融樹脂を注入する空間の厚みが薄いような場合でも、上記空間内に溶融樹脂を良好に案内することができる。
また、第6発明は第1発明に対応する成形装置の発明であり、本発明によれば、第1発明で説明した作用効果を簡易な構成で達成することができる。
そして、第7発明によれば、ノズルが所定位置にあるときに、内筒の樹脂供給通路と外筒の先端部周面の注入孔とが連通され、ノズルが後退するときに、内筒と外筒とが相対移動して内筒の樹脂供給路と外筒の先端部頂面の注入孔とが連通されることとなる。つまり、簡単なノズル構造で第6発明の作用効果を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明に係る成形方法により成形されたインストルメントパネル1について説明する。図1は、このインストルメントパネル1の平面図(表面側)であり、図2は、図1のA−A断面、図3は、図2のB部分の拡大図である。図1に示すように、このインストルメントパネル1は、左ハンドル仕様車における助手席側座席の前部のものであり、該パネル1の右端側には、乗員側への送風用開口1aが設けられていると共に、その前方側にはフロントウインドウ側への送風用開口1bが設けられている。
このインストルメントパネル1は、図2、図3に示すように、該パネル1の表面側(車室に面する側)を構成する表皮材2の層と、裏面側を構成する基材3の層と、これらの層を接着する接着剤4の層とからなる積層体で構成されている。表皮材2の層は、表面を構成するスキン層5とクッション性を有する発泡材からなる発泡層6とからなる。なお、表皮材2としては、公知のパウダースラッシュ成形により、基材3としては、公知の射出成形により、それぞれ予めインストルメントパネル形状に成形されたものが用いられる。接着剤4の層は、溶融樹脂としての溶融したホットメルト接着剤を冷却硬化して形成されている。また、各層はリサイクルを容易にするためポリプロピレン系の材料で統一されている。
材料としての基材3には、基材3と表皮材2との間の空間に接着剤4を注入するときにノズル21(後述する)が挿通されるノズル挿通孔3a(以下、単に挿通孔3aという)を有するボス部3bが設けられており、成形後は、このノズル挿通孔3a内にも図に示すように、接着剤がボス部3bの上端まで充填される。
次に、図2、図4を用いてこのインストルメントパネル1の成形装置10及び成形方法について説明する。この成形装置10は、図示しない駆動手段により図2、図4上で上下方向に移動可能に支持されて、基材3がセットされる可動金型11と,図示しない支持部材に固定されて、表皮材2がセットされる固定金型12との、一対の金型を有する。金型11には、以下説明するノズル21のノズル挿通穴11aが設けられていると共に、該金型11への基材3のセット時に上記基材3のボス部3bが嵌められる凹部11bが設けられている。
金型11の外面には、上記表皮材2と基材3との間の空間X(図4参照)に接着剤4を注入する接着剤注入装置20がブラケット13,14,15を介して取り付けられている。該接着剤注入装置20は、可動金型11に設けられたノズル挿通孔11aに摺動可能に挿通されたノズル21と、ノズル21への接着剤4の供給を制御するアプリケータ22と、ノズル21及びアプリケータ22を昇降させる昇降機構23と、接着剤タンク24とを有する(図9参照)。アプリケータ22は、接着剤タンク24内の接着剤4をノズル21側に移送するポンプ22aと、ノズル21側への接着剤4の供給を制御する電磁弁22bとで構成されている(図9参照)。ノズル昇降機構23はエアシリンダで構成されている。なお、該昇降機構23は油圧シリンダや電動モータ等を用いて構成してもよい。
図5は、ノズル21及びその近傍の拡大断面図であり、この図5に示すように、ノズル21は、アプリケータ22の下部に固着されたナット部材31に上端部が噛合された円筒状の内筒32と、該内筒32に摺動可能に嵌合された中空円筒状の外筒33とを有する。
内筒32には、溶融樹脂通路41が設けられ、一端が上記アプリケータ22に接続されている。この溶融樹脂通路41は、上記図5に加えて図6〜図8(図6は図5のC−C線による断面図であり、図7は図5のD−D線による断面図であり、図8は図5のE−E線による断面図である)にも示すように、内筒32の中心軸位置でその軸方向に延びる中心通路41aと、該中心通路41aの先端(下端)で分岐して径方向に周面32aまで延びる複数の横分岐通路41b…41bと、各横分岐通路41b…41bの途中で分岐して先端面32bまで軸方向に延びる複数の縦分岐通路41c…41cとからなる。
外筒33には、周壁33aを径方向に貫通して周面33bに開口する複数の周面注入孔42a…42aと、先端壁33cの中心を貫通して頂面33dに開口する頂面注入孔42bとが備えられている。なお、外筒33の周面注入孔42a…42aの中心が頂面33dから離れた位置にあるのは、内筒32及び外筒33の所要強度を確保するために、外筒33の先端壁33c、及び内筒32における横分岐通路41bより先端側部分に、所定の厚みが必要となるためである。そして、これに対応するため、基材3のノズル挿通孔3aにおける空間X側の部分は該空間Xに向けて拡径されており、ノズル21の先端部周面の注入孔42a…42aは、ノズル21が上記所定位置まで挿入されたときにこの拡径部3cに対向するように構成されている。
また、図5、図8に示すように、外筒33の周壁33aの内面33eには、軸方向に延びる溝33f,33fが設けられていると共に、内筒32の周面32aにおける軸方向ほぼ中央には、該溝33f,33fに摺動可能に嵌合する突起部32c,32cが設けられている。
また、外筒33の周壁33aには、平面上で溝33f,33fに対応する位置に、貫通孔33g,33gが設けられていると共に、該孔33g,33gには、ストッパ51,51が嵌合されている。
また、外筒33の上端部には、該上端部以外よりも外径が大きくされた大径部33hが設けられていると共に、金型11のノズル挿通孔11aの上端部(金型外面側)には、金型11の厚み方向中央部よりも内径が大きくされた段差部11cが設けられている。
また、外筒33の先端壁33cの内面には、上記突起部32c,32cの下面と溝部33f,33fが当接した状態のときに、内筒32の先端面32bとの間をシールするOリング52が設けられている。
そして、図5に示すように、外筒33の大径部33h下面と金型11の段差部11c下面とが当接し、かつ、内筒32の突起32c,32cの下面と外筒33の溝33f,33fの先端側端面とが当接する位置にまで、ノズル21が最も深く空間X内に挿通されたとき(ノズル21の外筒33の挿入深さが金型11の内面から所定深さd1となる位置。以下、単に所定深さ位置という)には、内筒32と外筒33とは、内筒32の横分岐通路41b…41bと外筒33の周面注入孔42a…42aとが連通する状態に位置決めされる。
一方、この所定深さ位置から、ノズル21を後退(上昇)させると、内筒32のみがまず上昇して内筒32の突起部32c,32cの上面と外筒33のストッパ51,51の下面とが当接し、内筒32と外筒33とは、内筒32の縦分岐通路41c…41cと、外筒33の頂面注入孔42bとが連通する状態に位置決めされる(図11、図12参照)。
図9に示すように、成形装置10はコントローラ100を有し、該コントローラ100は、接着剤注入装置20のアプリケータ22を制御してノズル21への接着剤4の供給を制御すると共に、ノズル昇降機構23を制御してノズル21及びアプリケータ22を昇降させる。コントローラ100には、上記金型11,12が閉じられた後、接着剤注入装置20の作動を開始させるためのスタートスイッチが接続されている。
次に、本成形装置10の作用について図5、図10〜図12を用いて説明する。
まず、金型11,12を開き、金型11の内面における所定位置に基材3をセットすると共に、金型12の内面における所定位置に表皮材2をセットした後、型締めをする。次いで、スタートスイッチをONにすると、コントローラ100によるアプリケータ22及び昇降機構23の接着剤注入制御が以下のように行われる。
まず、コントローラ100は、図5に示すように、ノズル昇降機構23を制御して、ノズル21及びアプリケータ22を、金型11のノズル挿通孔11a及び基材3のノズル挿通孔3aに、外筒33の大径部33h下面と金型11の段差部11c下面とが当接し、かつ、内筒32の突起部32c,32cの下面(ノズル先端側)と外筒33の溝33f,33fの下面(先端側端)とが当接する所定深さ位置まで挿入させる。このとき、内筒32の横分岐通路41b…41bと外筒33の周面注入孔42a…42aとが連通する一方、内筒32の縦分岐通路41c…41cと外筒33の頂面注入孔42bとはOリング52によりシールされて遮断されることとなる。
次いで、コントローラ100は、図10に示すように、アプリケータ22を制御して接着剤4の供給を開始させる。このとき、接着剤4は、矢印で示すようにノズル21の内筒32の中心通路41a、横分岐通路41b…41b、及び外筒33の周面注入孔42a…42aを通って空間X内に注入される。そして、注入された接着剤4は、基材3の拡径部3cに沿って案内される。なお、この注入は、空間Xが図10に示すようにほぼ満たされるように、所定時間行われる。この所定時間は、空間Xの体積及び時間当り注入量に基づいて予め設定される。
次いで、コントローラ100は、上記所定時間の注入後、昇降機構23を制御して、ノズル21を、図11に示す状態を介して図12に示す基材3のボス部3b上端と外筒33の頂面33dとがほぼ同一高さとなるまで上昇(後退)させる。なお、図11に示すように、内筒32の突起部32c,32cの上端面と外筒33側のストッパ51,51の下端面とが当接するまでの間は、外筒33は図10に示す位置のまま、内筒32のみが上昇(後退)する。そして、ノズル21を引き続き上昇(後退)させて、内筒32の突起部32c,32cの上端面と外筒3のストッパ51,51の下端面とが当接した後は、この当接状態が維持されたまま、外筒33が内筒32により上方に引き上げられることとなる。なお、この状態においては、内筒32の周面32aにより外筒33の周面注入孔42a…42aが塞がれて内筒32の横分岐通路41c…41cと外筒33の周面注入孔42a…42aとの連通が遮断される一方、内筒32の縦分岐通路41c…41cと外筒33の頂面注入孔42bとはOリング52によるシールが解除されて連通することとなる。ここで、図11に示すように、外筒33の周面注入孔42a…42aの直径r1は、内筒32の周面32aにおける横分岐通路41bの先端側部分の高さr2よりも小さくされ、接着剤4の漏れが生じないようにされている。
そして、この結果、図11、図12に矢印で示すように、接着剤4が、ノズル21の内筒32の中心通路41a、横分岐通路41b…41b、縦分岐通路41c…41c、内筒32の先端面32bと外筒33の内面とで囲まれた空間、及び外筒33の頂面注入孔42bを介して、ノズル21が後退したことにより生じた空間Y、すなわち基材3の挿通孔3a内の空間Y内に注入される。なお、この注入は、上記空間Yが接着剤4で満たされるように、所定時間行われる。この所定時間は、空間Yの体積及び時間当り注入量に基づいて予め設定される。
次いで、型開きを行った後、成形品1を型から取り外す。
ところで、上記空間Yが接着剤4で満たされた後、型開きを行うときに(ノズル21が金型11と共に上昇して基材3から離れていくときに)、空間X内及び挿通孔3a内の空間Y内に注入された接着剤4がノズル21の頂面33dに付着したことによるものと、ノズル21を上記のように基材3から離間させる際のバキューム的な作用によるものとで引っ張られて、成形品の表皮材2の層に基材3の層側への凹みが生じる虞がある。
図13は、この問題を軽減するための構造を示すもので、基材3′のノズル挿通孔3a′における入口側部分は、その直径M1が他の部位の直径M2よりも大きくされて、大径部3b′とされている。
これによれば、ノズル21′の頂面33d′が図13のように大径部3b′の底面3c′よりも高い位置にまで上昇したときに、ノズル挿通孔3a′内の接着剤4′が、ノズル21′の周面33b′とノズル挿通孔3a′の大径部3b′の内周面との間の空間に大気開放されることとなり、これ以後は、上記バキューム的な作用がなくなって、バキューム作用が生じた状態のまま接着剤4′が引き上げられることがなくなる。また、基材3′と接着剤4′との接合(接着)面積が、上記大径部3b′の底面3c′の分、増加するので、表皮材2′の表面を凹まそうとする引張り力に抗することができる。つまり、大径部3b′を設けたことにより、表皮材2′に従来生じていた符号アで示すような凹みが生じることがなくなって、表皮材2′への悪影響が大きく軽減されることとなる。
以上のように、本実施の形態によれば、ノズル21が所定深さ位置にあるときには、ノズル21先端部周面の注入孔42aから溶融樹脂を空間X内に注入するから、この注入時に表皮材2に及ぶ接着剤4(溶融樹脂)の圧力が軽減され、表皮材2が損傷するのが防止される。
また、上記溶融樹脂が上記空間Xにほぼ満たされた状態となった後は、ノズル21を所定深さ位置から後退させると共に、樹脂注入に用いる注入孔をノズル21の周面注入孔42a…42aからノズル21の頂面注入孔42bに切り換えて、ノズル21の後退によって生じた空間Yに接着剤4を注入するから、成形完了後に基材3のノズル挿通孔3aに接着剤4が注入されない状態で残ることがない。なお、ノズル21の頂面注入孔42bから接着剤4を注入するときには、既にノズル21の周面注入孔42aから注入された接着剤4が層状になっているから、表皮材2に及ぶ接着剤4の圧力が大きく軽減され、表皮材2の損傷が軽減される。
加えて、基材3のノズル挿通孔3aとノズル21とは略同径とされているから、ノズル挿通孔3aとノズル21との間に隙間がほとんど生じず、この結果、空間X内に注入した接着剤4がノズル挿通孔3aとノズル21との間から基材3の外側に溢れ出すことがなくなり、基材3の表面に凹凸を生じさせることがない。
また、本装置10及び方法によれば、表皮材3と基材3とを容易に接着剤4で接着することができる。
そして、基材3側にノズル挿通孔3aが設けられているので、表皮材2側にノズル挿通孔を設ける必要がなく、成形品の表皮材2の層の見栄えの悪化を防止することができる。
さらに、表皮材2が発泡層6を有する場合でも、接着剤4の圧力による発泡層6の損傷が防止され、発泡層6のクッション感を良好に維持することができる。
また、基材3のノズル挿通孔3aにおける空間X側の部分は該空間Xに向けて拡径されており、ノズル21の先端部周面の注入孔42a…42aは、ノズル21が所定位置まで挿入されたときにこの拡径部3cに対向するように構成されているから、空間X内に溶融樹脂を良好に案内しつつ、ノズル21の所定深さ位置を表皮材2からより離れた位置に設定することができ、これによれば、ノズル21の周面注入孔42aからの注入により、ノズル21の頂面注入孔42bと表皮材2との間に厚い接着剤4の層を形成しておくことができ、一層ノズル21の頂面注入孔42bから接着剤4を注入するときに表皮材2に及ぶ圧力を軽減することができる。また、溶融樹脂を注入する空間Xの厚みが薄くても、上記空間X内に接着剤4を良好に案内することができる。
また、ノズル21が所定位置にあるときに、内筒32の溶融樹脂通路41と外筒33の先端部周面の注入孔42aとが連通され、ノズル21が後退するときに、内筒32と外筒33とが相対移動して内筒32の溶融樹脂通路41と外筒33の先端部頂面の注入孔42bとが連通されるという簡単な構成で、前述の作用効果を達成することができる。
本発明は、複数の樹脂層からなる樹脂成形品の成形装置及び成形方法に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る樹脂成形装置により成形された樹脂成形品の一例である。 同樹脂成形品のA−A線による断面図である。 図2の矢印Bで示す部分の拡大図である。 本発明の実施の形態に係る成形装置の一部破断要部正面図である。 本発明の実施の形態に係る成形装置のノズル及びその近傍の一部破断拡大図である(ノズルを所定深さ位置まで挿入した状態)。 図5のC−C線による断面図である。 図5のD−D線による断面図である。 図5のE−E線による断面図である。 本成形装置の制御構成図である。 本成形装置による樹脂成形の作用の説明図である(その1)。 本成形装置による樹脂成形の作用の説明図である(その2)。 本成形装置による樹脂成形の作用の説明図である(その3)。 基材のノズル挿通孔形状の、他の形状への変更例を示す図である。 従来技術に係る成形装置の説明図である。 改良された従来技術に係る成形装置の説明図である(金型にセットされた樹脂層が1層の場合)。 改良された従来技術に係る成形装置の説明図である(金型にセットされた樹脂層が2層の場合)。
符号の説明
1 インストルメントパネル(樹脂成形品)
2 表皮材
3 基材
3a 基材のノズル挿通孔
3c 基材の拡径部
4 接着剤(溶融樹脂)
5 スキン層
6 発泡層
11 可動金型(第2の型)
11a 金型のノズル挿通孔
12 金型(第1の型)
21 ノズル
32 内筒
33 外筒
41 内筒の溶融樹脂通路
42a ノズル先端部周面の注入孔
42b ノズル先端部頂面の注入孔

Claims (7)

  1. 第1の型にセットされた樹脂材と第2の型側との間の空間に、該第2の型側に形成されたノズル挿通孔を介して該挿通孔と略同径のノズルを挿入し、該ノズルの先端部に形成された注入孔から上記空間に溶融樹脂を注入する複数の樹脂層からなる樹脂成形品の成形方法であって、上記ノズルとして先端部の周面及び頂面に注入孔を有するノズルを用いると共に、まず、ノズルが上記空間内に所定深さ位置まで挿入された状態で、ノズル先端部周面の注入孔から、該空間が溶融樹脂でほぼ満たされるまで溶融樹脂を注入後、次に、ノズルを上記所定深さ位置から後退させると共に、溶融樹脂注入に用いる注入孔をノズル先端部頂面の注入孔に切り換えて、後退によって生じた空間に溶融樹脂を注入することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 第2の型に第2の樹脂材がセットされている場合において、まず、ノズルが第1の型にセットされた樹脂材と上記第2の樹脂材との間の空間に所定深さ位置まで挿入された状態で、第2の型及び第2の樹脂材のノズル挿通孔を介して、ノズル先端部周面の注入孔から第1の型にセットされた樹脂材と上記第2の樹脂材との間の空間に溶融樹脂を注入し、次に、ノズルを上記所定深さ位置から第2の樹脂材のノズル挿通孔始端位置まで後退させると共に、溶融樹脂注入に用いる注入孔をノズル先端部頂面の注入孔に切り換えて、後退によって生じた空間に溶融樹脂を注入し、該注入された溶融樹脂により両樹脂材を接着することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。
  3. 第1の型にセットされる樹脂材として表皮材を用い、第2の型にセットされる第2の樹脂材として基材を用いることを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 第1の型にセットされる樹脂材として表皮材を用いる場合に、第2の型側の面に発泡層を有する表皮材を用いることを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形品の成形方法。
  5. ノズル挿通孔における溶融樹脂注入空間側の部分は該空間に向けて拡径されており、ノズル先端部周面の注入孔は、ノズルが所定深さ位置まで挿入されたときにこの拡径部に対向するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂成形品の成形方法。
  6. 第1の型の型面にセットされた樹脂材と第2の型側との間の空間に、該第2の型側に形成されたノズル挿通孔を介して該挿通孔と略同径のノズルを挿入し、該ノズルの先端部に形成された注入孔から上記空間に溶融樹脂を注入する複数の樹脂層からなる樹脂成形品の成形装置であって、上記ノズル先端部には周面及び頂面に注入孔が設けられていると共に、溶融樹脂の吐出をノズル先端部の周面の注入孔と頂面の注入孔とに切り換える切換手段が設けられていることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  7. ノズルは、樹脂供給通路が形成された内筒と、該内筒に摺動可能に嵌合されて、先端部周面及び先端部頂面に注入孔が備えられた外筒とを有し、切換手段は、内筒と外筒とを相対移動させて、内筒の樹脂供給通路と外筒の先端部周面の注入孔とを連通させ、または内筒の樹脂供給通路と外筒の先端部頂面の注入孔とを連通させるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形品の成形装置。
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