JP4358358B2 - 建築物の火災時用避難構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、建築物における火災発生時の避難構造に関し、さらに詳しくは、エスカレータを有する建築物において、火災発生時にエスカレータを避難経路として使用できるようにした建築物の火災時用避難構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火災などの災害発生時に備え、建築物には防火区画可能な避難経路を設けることが義務付けられている。
そして、複数階床を有する店舗やスーパーマーケット、あるいは百貨店のどの建築物では、多くの場合、階段室を防火区画可能に構成し、この階段室を避難経路とするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように建築物の階段室のみを避難経路とした場合には、高年齢者や歩行の困難な身体障害者などのように車椅子を利用する者にとっては簡単にかつ迅速に避難することができない。
一方、複数階床を有する店舗やスーパーマーケット、あるいは百貨店などの建築物においては、その高さ方向の輸送手段としてエレベータの他にエスカレータが設けられている。
【0004】
そこで、このエスカレータを火災発生時の避難経路として利用することが考えられる。しかし、現在のエスカレータは避難経路として使用できるように構築されておらず、しかも、火災発生時はエスカレータを積極的に停止させて使用できないようにしているのが現状である。
【0005】
本発明は上記のような事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エスカレータを火災発生時の避難経路として使用でき、かつ建築物の階床のいかなる箇所に火災が発生しても車椅子利用者等の避難者を避難経路へ安全に誘導し避難させることができる建築物の火災時用避難構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、各各階床間を結ぶエスカレータを有する建築物において、前記エスカレータは、側面視した場合にX字状に配置された上り用エスカレータと下り用エスカレータとを有し、前記上り用及び下り用エスカレータの周囲で前記各階床の床と天井間にわたって防火区画するエスカレータ用防火仕切壁が設けられ、前記エスカレータ用防火仕切壁により前記上り用及び下り用エスカレータに沿った避難経路が構成され、前記エスカレータ用防火仕切壁は、平面視した場合に、それらエスカレータの搬送方向に平行して延在する一対の長辺と、前記搬送方向と直交する方向に平行して延在する一対の短辺とを備えた長方形の4辺上に位置しており、前記長方形の一対の短辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁部分は、前記階床の天井部に収納可能な防煙・防火シャッターで構成され、前記各階床は、前記エスカレータ用防火仕切壁と階床用防火仕切壁で防火区画することにより前記避難経路の周囲に複数の防火区画領域が形成され、前記階床用防火仕切壁は、前記長方形の一対の長辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁の箇所から互いに離れる方向に延在し、前記階床の天井部に収納可能な一対の第1階床用防火壁と、前記長方形の一対の短辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁の角部箇所から互いに離れる方向に延在し、前記階床の天井部に収納可能な一対の第2階床用防火壁とを有し、前記各防火区画領域が接する前記エスカレータ用防火仕切壁の箇所で前記エスカレータの乗降口の近傍箇所に前記避難経路内に出入りできる開閉可能な防火戸が設けられ、前記避難経路内の前記エスカレータの乗降口と対向する乗場に車椅子使用者が一時待機する待機スペースが設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の建築物の火災時用避難構造において、前記避難経路の内部に空気を送り込むことにより、該避難経路内の圧力を該避難経路外の大気圧より高くする加圧防煙手段を設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の建築物の火災時用避難構造において、前記エスカレータの乗降口の床下に形成した機械室内に火災感知器を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3項の何れか1項に記載の建築物の火災時用避難構造において、前記エスカレータの乗降口の床下に形成した機械室内に、該機械室に火災が発生した時に自動的に動作する消火器を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4記載の建築物の火災時用避難構造において、前記消火器の消火剤噴出口に、100℃〜110℃の温度で破れる所望長さの消火剤噴射チューブが連結され、前記消火剤噴射チューブは火災が発生するおそれのある箇所に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、各階床が避難経路を中心にして複数の防火区画領域に防火区画され、この各防火区画領域のそれぞれが避難経路内に出入りできる開閉可能な別々の防火戸を介して避難経路に独立に連絡できる構成になっているから、防火区画領域のいずれかで火災が発生しても、この火災の発生した防火区画領域以外の他の防火区画領域及び避難経路は火災の発生場所から完全に防火区画することができ、これに伴い、エスカレータを火災発生時の避難経路として使用でき、かつ建築物の階床のいかなる箇所に火災が発生しても車椅子利用者等の避難者を別々の防火戸から避難経路へ安全に誘導し避難させることができるとともに、避難経路内のエスカレータの乗場に位置する箇所に待機スペースが設けられているため、防火区画領域を拡張することなく、エスカレータを使用して避難しようとする複数の車椅子使用者を待機スペースに安全に収容でき、避難時の順番待ちが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について参照して説明する。
まず、図1〜図3により本発明にかかる建築物の火災時用避難構造の第1の実施の形態について説明する。図1は本発明の火災時用避難構造が適用される建築物の避難経路及び階床の防火区画領域を示す平面図、図2はエスカレータを含む避難経路の詳細を示す平面図、図3はエスカレータを含む避難経路を立体的に示す概略図である。
【0010】
図1〜図3は本発明の火災時用避難構造を2階床の建築物に適用したもので、建築物の1階の階床12と2階の階床14間には、上り用のエスカレータ16と下り用のエスカレータ18が傾斜方向を互いに逆にして差し渡し状態に並設されている。すなわち、上り用のエスカレータ16と下り用のエスカレータ18は、図3から明らかなように、側面視した場合にX字状に配置されている。また、各エスカレータ16及び18は、1階の階床12及び2階の階床14の各床面に一致させた乗降口16A及び乗降口18Aをそれぞれ備えている。
そして、このエスカレータ16、18およびその乗降口16A、18Aを含む領域は、エスカレータ用防火仕切壁20と防火戸22と防煙・防火シャッタ24により防火区画可能な避難経路26を構築できる構成になっている。
【0011】
上記エスカレータ用防火仕切壁20は、エスカレータ利用者が周囲を見渡しうるように透明な耐火ガラス板などからなり、この透明防火仕切壁20は、図2及び図3に示すように、階床間に配置されたエスカレータ16、18の左右両側と対応する箇所において、1階の階床12の床122と天井124間、及び2階の階床14の床142と天井144間に差し渡し状態にしてそれぞれ鉛直に設けられ、さらに、これら透明防火仕切壁20は、エスカレータ乗降口16A及び18Aと対向する乗場12A、14Aの所定領域を左右方向から防火区画できるようにエスカレータの長手方向に延在する構造になっている。
また、上記防煙・防火シャッタ24は、乗場12A、14Aに臨む左右の透明防火仕切壁20の両端間を接続するように設けられており、通常時は天井側に上げられて、乗場12A、14Aへの乗客の出入りが可能に開放され、火災発生時には下ろされて左右の透明防火仕切壁20の両端間が連結され、防火状態に閉鎖できるように構成されている。
さらに詳述すると、エスカレータ用防火仕切壁20は、平面視した場合に、それらエスカレータ16,18の搬送方向に平行して延在する一対の長辺と、この搬送方向と直交する方向に平行して延在する一対の短辺とを備えた長方形の4辺上に位置しており、長方形の一対の短辺に位置するエスカレータ用防火仕切壁部分は、階床の天井部に収納可能な防煙・防火シャッターで構成されている。
【0012】
また、各階床、例えば2階の階床14は、図1に示すように、避難経路26を中心にして、エスカレータ用防火仕切壁20と、このエスカレータ用防火仕切壁20から放射方向に延在する階床用防火壁28により複数に防火区画され、この防火区画によって、避難経路26を取り囲むように複数の防火区画領域30が形成される。この階床用防火壁28は防火シャッタで構成されもので、通常時は上げられて、階床の天井部に収納され、火災発生時は下げられて、複数の防火区画領域30に区画されるようになっている。
さらに詳述すると、階床用防火仕切壁28は、図2から明らかなように、前記長方形の一対の長辺に位置するエスカレータ用防火仕切壁20の箇所から互いに離れる方向に延在し、階床の天井部に収納可能な一対の第1階床用防火壁28と、前記長方形の一対の短辺に位置するエスカレータ用防火仕切壁20の角部箇所から互いに離れる方向に延在し、階床の天井部に収納可能な一対の第2階床用防火壁28とを有している。
【0013】
上記各防火区画領域30が接するエスカレータ用防火仕切壁20の箇所で、エスカレータ16及び18の乗降口16A及び乗降口18Aの近傍箇所には、図2に示すように、避難経路26との連絡口22Aがそれぞれ形成されており、この各連絡口22Aには、図2及び図3に示すように、各階床毎に各防火区画領域30から避難経路26内に出入りできる開閉可能な防火戸22がそれぞれ設けられている。この防火戸22は、エスカレータ利用者が周囲を見渡しうるように透明な耐火ガラス板などから構成されている。
また、上記乗場12A、14Aには、車椅子使用者が一時待機する待機スペース32が設けられている。
この待機スペース32を設けることにより、エスカレータ16、18を使用して避難しようとする複数の車椅子使用者を乗場12A、14Aに安全に収容できるとともに、避難時の順番待ちが可能になる。
また、上記エスカレータ16、18は、車椅子使用者が車椅子ごと乗り込みうるステップを備えている。このステップには、例えば特公平2−14278号などに示す公知の構造のものが使用される。
【0014】
上記のように構成された本発明の第1の実施の形態において、階床の任意の箇所に火災が発生すると、その階床の階床用防火壁である防火シャッタ28が自動または手動で下ろされ、火災発生箇所を含む階床を複数の防火区画領域30に区画する。これと同時に避難経路26の各防煙・防火シャッタ24が下ろされる。各防煙・防火シャッタ24が下ろされると、乗場12A、14Aを含めたエスカレータ設置領域は、エスカレータ用防火仕切壁20と防煙・防火シャッタ24及び防火戸22により防火区画され、避難経路26が構成される。この時、エスカレータ16、18は避難方向に運転される。
かかる状態において、各防火区画領域30内にいた人は、避難経路26への連絡口22Aに設けられている防火戸22を開けて、避難経路26に出入りする。そして、避難経路26では、エスカレータ16、18を利用して、避難階または避難場所へ避難する。
【0015】
また、車椅子利用者がエスカレータ16、18を利用する場合は、エスカレータ16、18の所定の箇所にあるステップを車椅子毎乗り込み得るステップにセットし、このステップが乗降口に自動停止された時に、このステップ上に車椅子利用者が乗り込み、エスカレータを再スタートさせて避難階へ移送する。そして、避難階の乗降口に車椅子利用者が到達すると、エスカレータは自動的に停止して車椅子利用者の乗り降りの安全性を確保する。
【0016】
このような第1の実施の形態によれば、エスカレータ16、18をエスカレータ用防火仕切壁20と防煙・防火シャッタ24及び防火戸22により防火区画して避難経路26を構成するとともに、避難経路26を中心にして、階床を複数の防火区画領域30に防火区画し、この各防火区画領域30のそれぞれが別々の防火戸22を介して避難経路26に独立に連絡できる構成にしたので、防火区画領域30のいずれかで火災が発生しても、この火災の発生した防火区画領域以外の他の防火区画領域及び避難経路は火災の発生場所から完全に防火区画することができる。これに伴ない、エスカレータを火災発生時の避難経路として使用でき、かつ建築物の階床のいかなる箇所に火災が発生しても車椅子利用者等の避難者を避難経路30へ安全に誘導し避難させることができる。
【0017】
次に、図4により本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は防火区画された避難経路を加圧状態にして炎や煙が避難経路内に侵入するのを防止する加圧防煙機構を備えた火災時用避難構造の要部の構成説明図である。
この図4において、16は階床間に傾斜して配設されたエスカレータ、20はエスカレータ16の乗降口16Aが臨む階床14の床142と天井144間に差し渡し状態に延在して鉛直に配設された、透明なエスカレータ用防火仕切壁であり、24は防煙・防火シャッタであり、この防煙・防火シャッタ24、エスカレータ用防火仕切壁20等で防火区画することにより、図3に示す場合と同様な避難経路26が形成される構成になっている。
【0018】
そして、避難経路26に臨む天井144の内側には、避難経路26の内部に空気を送り込むことにより、避難経路26内の圧力を避難経路26外の大気圧より高くする加圧防煙装置34が設置されている。
上記加圧防煙装置34は、送風機342と、この送風機342と避難経路26に臨む天井144に形成した吹出口146間を連結する送風ダクト344とから構成されている。
【0019】
上記構成の火災時用避難構造において、階床の何れかで火災が発生し、これが火災または煙感知器により検知されると、この検知信号に基づいて送風機342が起動され、この送風機342からの空気は送風ダクト344を通して吹出口145から、防煙・防火シャッタ24、エスカレータ用防火仕切壁20等で防火区画された避難経路26内に供給される。そして、避難経路26内の圧力を避難経路26外の大気圧より高くすることにより、炎や煙が避難経路26内に侵入するのを防止する。
【0020】
このような本発明の第2の実施の形態によれば、避難経路26に火災発生箇所からの炎や煙が侵入するのを未然に防止できるため、車椅子利用者等の避難者をエスカレータを利用して安全に避難させることができる。
【0021】
次に、図5により本発明の第3の実施の形態について説明する。
図5は本発明の火災時用避難構造におけるエスカレータの火災の発生を検知できるようにした要部の構成説明図である。
図5において、エスカレータ16の乗降口16Aに対応する乗場14Aの床下には機械室36が形成されており、この機械室36内には、エスカレータ16を駆動する駆動モータ38及びこの駆動モータ38を制御する制御盤40等が設置されている。
また、機械室36内には、駆動モータ38や制御盤40などの過熱により発生する火災を検出する火災検知器42が設置されている。この火災検知器42で検知された検知信号は信号線43を通して建築物にある防災センタなどに送信できる構成になっている。
【0022】
こうような本発明の第3の実施の形態によれば、エスカレータの機械室の火災の発生を知ることができるとともに、エスカレータを緊急停止するなどすることにより、エスカレータを利用して避難する乗客の安全を確保することができる。
【0023】
次に、図6により本発明の第4の実施の形態について説明する。
図6は本発明の火災時用避難構造におけるエスカレータの火災を消火できるようにした要部の構成説明図である。
図6において、エスカレータ16の乗降口16Aに対応する乗場14Aの床下には機械室36が形成されており、この機械室36内には消火器44が設置されている。
また、消火器44の消火剤噴出口442には、100℃〜110℃の温度で破れる所望長さの消火剤噴射チューブ46が連結され、この消火剤噴射チューブ46は、火災が発生するおそれのある箇所、例えばエスカレータ駆動モータや制御盤などの近傍に配置される構成になっている。
【0024】
上記のように構成された火災時用避難構造のエスカレータにおいて、機械室36内に火災が発生すると、その熱により消火剤噴射チューブ46が破れ、消火剤が噴出されることで、機械室36内の火災を自動的に消火できる。
したがって、本発明の第3の実施の形態によれば、避難経路として使用するエスカレータの火災に対する安全性を確保することができる。
【0025】
なお、本発明において、機械室36に設置されたエスカレータ駆動モータや制御盤などの各種給電部への配線は耐火ケーブルから構成されている。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、各階床が避難経路を中心にして複数の防火区画領域に防火区画され、この各防火区画領域のそれぞれが避難経路内に出入りできる開閉可能な別々の防火戸を介して避難経路に独立に連絡できる構成になっているから、防火区画領域のいずれかで火災が発生しても、この火災の発生した防火区画領域以外の他の防火区画領域及び避難経路は火災の発生場所から完全に防火区画することができ、これに伴い、エスカレータを火災発生時の避難経路として使用でき、かつ建築物の階床のいかなる箇所に火災が発生しても車椅子利用者等の避難者を別々の防火戸から避難経路へ安全に誘導し避難させることができるとともに、避難経路内のエスカレータの乗場に位置する箇所に待機スペースが設けられているため、防火区画領域を拡張することなく、エスカレータを使用して避難しようとする複数の車椅子使用者を待機スペースに安全に収容でき、避難時の順番待ちが可能になる。
【0027】
また、本発明によれば、避難経路に加圧防煙手段を付加することにより、火災発生箇所からの炎や煙が侵入するのを未然に防止でき、車椅子利用者等の避難者をエスカレータを利用して安全に避難させることができる。
また、本発明によれば、エスカレータの機械室内に火災検知器を設けることにより、エスカレータの機械室内の火災の発生を防災センタ等に通報でき、また、エスカレータの機械室内に消火器を設置することにより、火災発生時の機械室内を自動的に消火することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火災時用避難構造が適用される建築物の避難経路及び階床の防火区画領域を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるエスカレータを含む避難経路の詳細を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるエスカレータを含む避難経路を立体的に示す概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における加圧防煙機構を備えた火災時用避難構造の要部の構成説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における要部の構成説明図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における要部の構成説明図である。
【符号の説明】
12、14 階床
16、18 エスカレータ
16A、18A 乗降口
20 エスカレータ用防火仕切壁
22 防火戸
24 防煙・防火シャッタ
26 避難経路
28 階床用防火壁
30 防火区画領域
34 加圧防煙装置
36 機械室
42 火災検知器
44 消火器
Claims (5)
- 各階床間を結ぶエスカレータを有する建築物において、
前記エスカレータは、側面視した場合にX字状に配置された上り用エスカレータと下り用エスカレータとを有し、
前記上り用及び下り用エスカレータの周囲で前記各階床の床と天井間にわたって防火区画するエスカレータ用防火仕切壁が設けられ、
前記エスカレータ用防火仕切壁により前記上り用及び下り用エスカレータに沿った避難経路が構成され、
前記エスカレータ用防火仕切壁は、平面視した場合に、それらエスカレータの搬送方向に平行して延在する一対の長辺と、前記搬送方向と直交する方向に平行して延在する一対の短辺とを備えた長方形の4辺上に位置しており、
前記長方形の一対の短辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁部分は、前記階床の天井部に収納可能な防煙・防火シャッターで構成され、
前記各階床は、前記エスカレータ用防火仕切壁と階床用防火仕切壁で防火区画することにより前記避難経路の周囲に複数の防火区画領域が形成され、
前記階床用防火仕切壁は、前記長方形の一対の長辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁の箇所から互いに離れる方向に延在し、前記階床の天井部に収納可能な一対の第1階床用防火壁と、前記長方形の一対の短辺に位置する前記エスカレータ用防火仕切壁の角部箇所から互いに離れる方向に延在し、前記階床の天井部に収納可能な一対の第2階床用防火壁とを有し、
前記各防火区画領域が接する前記エスカレータ用防火仕切壁の箇所で前記エスカレータの乗降口の近傍箇所に前記避難経路内に出入りできる開閉可能な防火戸が設けられ、
前記避難経路内の前記エスカレータの乗降口と対向する乗場に車椅子使用者が一時待機する待機スペースが設けられている、
ことを特徴とする建築物の火災時用避難構造。 - 前記避難経路の内部に空気を送り込むことにより、該避難経路内の空気圧を該避難経路外の空気圧より高くする加圧防煙手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の建築物の火災時用避難構造。
- 前記エスカレータの乗降口の床下に形成した機械室内に火災感知器を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の建築物の火災時用避難構造。
- 前記エスカレータの乗降口の床下に形成した機械室内に、該機械室に火災が発生した時に自動的に動作する消火器を設けたことを特徴とする請求項1ないし3項の何れか1項に記載の建築物の火災時用避難構造。
- 前記消火器の消火剤噴出口に、100℃〜110℃の温度で破れる所望長さの消火剤噴射チューブが連結され、前記消火剤噴射チューブは火災が発生するおそれのある箇所に配置されていることを特徴とする請求項4項記載の建築物の火災時用避難構造。
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