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JP4357355B2 - パターン検査方法及びその装置 - Google Patents

パターン検査方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、光もしくはレーザなどを用いて得られた対象物の画像と、参照画像を比較し、その差異から微細パターン欠陥や異物等の検査に係り、特に半導体ウェハ、TFT、ホトマスクなどの外観検査を行うのに好適なパターン検査装置及びその方法に関する。
検査対象画像と参照画像とを比較して欠陥検出を行う従来の技術としては、特開平05−264467号公報に記載の方法が知られている。
これは、繰り返しパターンが規則的に並んでいる検査対象試料をラインセンサで順次撮像し、繰り返しパターンピッチ分の時間遅れをおいた画像と比較し、その不一致部をパターン欠陥として検出するものである。このような従来の検査方法を半導体ウェハの外観検査を例に説明する。検査対象となる半導体ウェハには図6に示すように同一パターンのチップが多数、規則的に並んでいる。各チップは図7に示すようにメモリマット部71と周辺回路部72に大別することができる。メモリマット部71は小さな繰り返しパターン(セル)の集合であり、周辺回路部72は基本的にランダムパターンの集合である。一般的にはメモリマット部71はパターン密度が高く、明視野照明光学系で得られる画像は暗くなる。これに対し、周辺回路部72はパターン密度が低く、得られる画像は明るくなる。
従来の外観検査では、隣接する2つのチップの同じ位置、例えば図6の領域61と領域62等での画像を比較し、その差異を欠陥として検出する。このとき、ステージの振動や対象物の傾きなどがあり、2枚の画像の位置が合っているとは限らないため、センサで撮像した画像と、繰り返しパターンピッチ分の遅延された画像の位置ずれ量を求め、求められた位置ずれ量に基づき2枚の画像の位置合わせを行った後、画像間の差をとり、差が規定のしきい値よりも大きいときに欠陥と,小さいときは非欠陥と判定する。
特開平05−264467号公報
比較検査における2枚の画像の位置合わせでは,画像内のエッジ部を,位置ずれ量演算の1つの情報とし,画像内のパターン間のずれが最小になるように位置ずれ量を算出するのが一般的である。実際には正規化相互相関を用いる方法,残差の総和を用いる方法などが提案されている。
また、検査対象となる半導体ウェハではCMPなどの平坦化によりパターンに膜厚の微妙な違いが生じ、チップ間の画像には局所的に明るさの違いがある。例えば、図4(a)の41は検査対象画像,図4(b)の42は参照画像の一例であり、図4(a)の4a、図4(b)の4bに示すように検査対象画像と参照画像の同一のパターンで明るさの違いが生じている。また、検査対象画像図4(a)の41には欠陥4dがある。この場合の差画像は図4(c)のようになる。差画像とは検査対象画像と参照画像の対応する各位置での差分に応じて濃淡差表示した画像のことである。位置1D−1D‘での差の波形は図4(d)のようになっている。このような画像に対し、従来方式のように、差分値が特定のしきい値TH以上となる部分を欠陥とするならば、明るさの異なるパターン4aと4bの差分値4cは、欠陥として検出されることになる。これは本来、欠陥として検出されるべきものではない。つまり虚報である。従来、図4(c)の4cのような虚報発生を避けるための1つの方法として、しきい値THを大きくしていた(図4(d)TH→TH2)。しかし、これは感度を下げることになり、同程度以下の差分値の欠陥4dは検出できない。
また、膜厚の違いによる明るさの違いは、図6に示した配列チップのうち、ウェハ内の特定チップ間でのみ生じる場合や、チップ内の特定のパターンでのみ生じる場合があるが、これらのローカルなエリアにしきい値THを合わせてしまうと全体の検査感度を著しく低下させることになる。
さらに,図4に示したように一部のパターンで薄膜干渉による明るさの違いが大きい場合,正規化相互相関を用いる方法,残差の総和を求める方法のいずれの場合も正しい位置ずれ量が算出できない可能性がある。
一方,欠陥は,その材質,表面粗さ,サイズ,深さなど対象に依存したファクタと,照明条件など検出系に依存したファクタとの組合せにより顕在化が不可能な場合がある。
本発明の目的は、このような従来検査技術の問題を解決して、同一パターンとなるように形成された2つのパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置において、膜厚の違いなどから生じるパターンの明るさむらの影響を低減し、高感度なパターン検査を実現することにある。
また、切替え可能な複数の検出系ユニットをもち,対象や着目する欠陥に応じて検出系を選択し,それ応じた比較検査方式により検査を行うことにより,より多様な欠陥に対応できる高感度なパターン検査を実現することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、同一パターンとなるように形成された2つのパターンの対応する領域の画像を比較して画像の不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置を、切替え可能な複数の異なる検出系とそれに応じた複数の画像比較処理方式と複数の欠陥分類方式を備えて構成した。1つ以上の検出系の選択は,それに対応する画像比較処理方式,欠陥分類方式の検出性能も加味して行われる。これにより,最適な条件の選択が可能となり,多種の欠陥を検出できるようにした。
また,パターン検査装置を異なる複数の処理単位で比較画像間の画像信号の階調を変換する手段を備えて構成した。これにより、検査対象が半導体ウェハで、ウェハ内の膜厚の違いや、照明光量変動、イメージセンサの画素毎の感度ばらつき、光量蓄積時間むらなどにより画像間の同一パターンで明るさの違いが生じている場合であっても、正しく欠陥を検出できるようにした。
更に,比較画像間の位置のずれと明るさのずれを順次合せる手段と,同時に合せる手段を備えて構成した。これにより,ウェハ内の膜厚の違いにより強い明るさの違いが画像間の特定パターンで生じている場合であっても、位置のずれを高精度に検出できるようにした。また,位置のずれが画像間に生じている場合であっても,明るさのずれを高精度に検出できるようにした。
本発明によれば、複数の検出系に対応した複数の画像比較処理,並びに分類処理をもつことにより、高感度検査を実現するとともに,多様な欠陥の検出が可能となる。
また、チップ間の膜厚の違い、ステージ速度むらによる蓄積光量の違い、照明変動など様々な要因により発生するチップ間の明るさの違い(色むら)等によって生じる比較する画像間の明るさの違いを、異なる複数の方式で明るさを合わせ込むことにより、強い明るさむらの中に埋没した微弱信号の欠陥を顕在化し、検出することが可能となる。
更に,色むらにロバストな位置ずれ量の算出を行うことにより,より高感度な検査が可能となる。
以下、本発明の一実施例を図1から図33により、詳細に説明する。
実施例として、半導体ウェハを対象とした光学式外観検査装置における欠陥検査方法を例にとると、図1は装置の構成の一例を示したものである。11は試料(半導体ウェハなどの被検査物)、12は試料11を搭載し、移動させるステージ、13は検出部である。この検出部13は、試料11を照射する光源101、光源101から出射した光を集光する照明光学系102、照明光学系102で集光された照明光で試料11を照明し、反射して得られる光学像を結像させる対物レンズ103、結像された光学像を受光し、明るさに応じた画像信号に変換するイメージセンサ104,イメージセンサ104からの入力信号をデジタル信号に変換するAD変換部105で構成される。
ここで、光源101として、図1に示した例では、ランプを用いた場合を示しているが、レーザを用いても良い。また、光源101から発した光の波長としては短波長であっても良く、また、広帯域の波長の光(白色光)であってもよい。短波長の光を用いる場合、検出する画像の分解能を上げる(微細な欠陥を検出する)ために、紫外領域の波長の光(Ultra Violet Light:UV光)を用いることもできる。レーザを光源として用いる場合、それが単波長のレーザである場合には、図示していない可干渉性を低減する手段を備える必要がある。
また、イメージセンサ104に複数の1次元イメージセンサを2次元に配列して構成した時間遅延積分型のイメージセンサ(Time Delay Integration Image Sensor:TDIイメージセンサ)を採用し、ステージ13の移動と同期して各1次元イメージセンサが検出した信号を次段の1次元イメージセンサに転送して加算することにより、比較的高速で高感度に検出することが可能になる。
14は、画像編集部で,検出部13で検出された画像のデジタル信号に対してシェーディング補正、暗レベル補正等の画像補正を行う前処理部106、比較対象となる参照画像のデジタル信号を格納しておく画像メモリ107で構成される。
15は、試料であるウェハ内の欠陥候補を算出する画像比較処理部であって,画像編集部14の画像メモリ107に記憶された2枚の画像(検出画像と参照画像)を比較し,差がしきい値より大きい部分を欠陥とする。まず、画像メモリ107に記憶された検出画像と参照画像のデジタル信号を読み出し、補正量算出部108で位置,及び明るさを合わせるための補正量を算出し、画像比較部109で算出された位置と明るさの補正量を用いて、検出画像と参照画像の画像信号の対応する位置での明るさの比較を行い、差分値が特定のしきい値より大きい部分を欠陥候補として出力する。パラメータ設定部110は、差分値から欠陥候補を抽出する際のしきい値などの画像処理パラメータを設定し、画像比較部109に与える。そして欠陥分類部111にて,各欠陥候補の特徴量から真の欠陥を抽出し,分類を行う。
16は全体制御部で、ユーザからの検査パラメータ(画像比較で用いられるしきい値など)の変更を受け付けたり、検出された欠陥情報を表示したりする表示手段と入力手段を持つユーザインターフェース部112、検出された欠陥候補の特徴量や画像などを記憶する記憶装置113、各種制御を行うCPU(全体制御部16に内臓)で構成される。114は、全体制御部16からの制御指令に基づいてステージ12を駆動するメカニカルコントローラである。尚、画像比較処理部15、検出部13等も全体制御部16からの指令により駆動する。
検査対象となる半導体ウェハ11は、図6に示すように同一パターンのチップが多数、規則的に並んでいる。図1の検査装置では、全体制御部16では試料である半導体ウェハ11をステージ12により連続的に移動させ、これに同期して、順次、チップの像を検出部13より取り込み、隣接する2つのチップの同じ位置、例えば図6の領域61と領域62とのデジタル画像信号をそれぞれ検出画像及び参照画像として上記手順で比較し、欠陥を検出する。
ここで、本実施例の検査装置の検出部13では、切替え可能な複数の検出系を持つ。図2は検出部13の詳細を示す図である。
光源101から発射した光は、擬似連続化光学系3210を通って光量を時間的に平均化またはほぼ平準化され,光路分岐光学系23に入射する。光源101はレーザであって、発射される光は紫外光(ultra violet light:UV光, deep ultra violet light:DUV光 など)または可視光である。光路分岐光学系23に入射した光は、偏光手段2302で偏光の状態を調整され、偏光ビームスプリッタ2301で2つの光路2601と2602とに分岐される。偏光手段2302は、例えば回転可能な1/2波長板で構成されていて、1/2波長板の回転角度に応じて透過する光のP偏光とS偏光との光量の割合を1:0から0:1の範囲で調整できる。光路2601に分岐された光は、ビーム形成光学系201に入射し,ビーム径の調整や照度分布の調整が行われ,ミラー202で折り曲げられて干渉性低減光学系203に入射し,時間的・空間的な干渉性が低減される。干渉性低減光学系203から射出した該照明光は変形照明光学系20で対物レンズ10の瞳位置での照度分布が変形され,偏光ビームスプリッタ27でS偏光成分が対物レンズ103側に反射し,光変調ユニット21および対物レンズ103を介してウェハ11を照射する。以下では本光路にて照射された照明光,つまり対物レンズ103を通して照射された照明光を明視野照明と呼ぶものとする。
このように、光路2601に分岐された光を変形照明光学系20で,対物レンズ103の瞳位置における照明光の照度分布を複数種に変化させることにより,様々なプロセスウェハに対応可能な照明を行う。これは例えば,光軸断面で光の透過率を変えたフィルタでも良く,光軸を中心に点対称に配置した4光束又は8光束を形成する光学素子でも良く、更に、ビームを揺動できる素子を用いてビーム位置を変化させても良い。ビームを揺動できる素子とは,例えばガルバノミラーや半導体共振ミラーである。これらは切替え可能である。
一方、ビームスプリッタ2301で光路2602に分岐された光は、干渉性低減光学系203を透過した後、偏光暗視野照明光学系A24に入ってパーシャルミラー2401で2光路に分岐され、一方は光学素子2403及び2405を透過して偏光暗視野照明光学系B25に入り、他方は、全反射ミラー2402で反射して光学素子2403及び2405を透過して偏光暗視野照明光学系B25に入る。偏光暗視野照明光学系B25に入ったそれぞれの光は、光学素子2501,2502を透過してミラー2503および2504で反射されてウェハ11の表面を斜め方向から照射する。
光路2601および2602を通ってウェハ11に照射されたそれぞれの光による反射光のうち、対物レンズ103で集光された光は、光変調ユニット21、偏光ビームスプリッタ27、光変調ユニット22を透過してイメージセンサ104の検出面上に結像され、この結像した光学像がイメージセンサ104で検出され、検出信号はA/D変換器105でデジタル信号に変換されて検出部13から出力される。ここで、イメージセンサ104からは、複数の検出信号が並列に出力され、A/D変換器105で並列に出力された複数の検出信号をA/D変換して並列に出力する。
ここで、光変調ユニット21は,照明光およびウェハ11からの反射光の光量や位相を制御するためのものである。例えば,ウェハ11から反射される0次回折光と高次回折光の光量比を調整し,イメージセンサ104で検出される回路パターン信号のコントラストを向上させる。または,偏光微分干渉により回路パターンのコントラストを向上させる。ここで,前記0次回折光と高次回折光の光量比を調整するためには,1/2波長板と1/4波長板を組み合わせて光の振動方向を変化させることにより実現できる。また偏光微分干渉は,複屈折プリズムを用いることにより実現できる。ノマルスキー型のプリズムを1個用いた偏光微分干渉光学系による物理的な現象は,一般的な微分干渉顕微鏡と同様である。これらも切替え可能である。
また、上記した光変調ユニット22は,対物レンズ103の瞳位置と共役な位置に設置し,瞳位置での光学的な変調を行う。例えば,石英等の透明基板の中央部に誘電体膜を蒸着した構成の物を設置し,該誘電体膜部分の透過率を変えることによってイメージセンサ104で検出される光を変調する。なお,誘電体膜の代わりに金属等で遮光したユニットを用いても良い。これらも切替え可能である。
更に、偏光暗視野照明光学系24および偏光暗視野照明光学系25は,対物レンズ103の外側からウェハ11に照明光を照射する。偏光暗視野照明光学系24に入射した光路2602は,光路分岐するパーシャルミラー2401と,全反射ミラー2402を備えて構成されている。一方,光路分岐光学系23で光路2601に分岐された照明光,つまり対物レンズ103を通して照射された照明光を明視野照明と呼ぶ。
以上説明したような光変調ユニットや変形照明,暗視野照明を明視野照明と同時照射等の機能を有することにより,検査対象に最適な光学系を選択し,最適な検査が可能となる。
また、画像比較処理部15も検出系に対応した複数の処理方式で構成される。
図3に、画像比較処理部15の構成を示す。画像比較処理部15では,画像の編集,位置補正係数,明るさ補正係数の算出方法などの各機能について,それぞれ複数の方式(図3に示した例では、1501〜1503)をもっており,検出系の組合せが決定すると,それに対応した各機能の最適な組合せとその処理順が決定するようになっている。例えば、1501に示した画像比較処理方式では、108−1、109−1で欠陥候補を抽出し,111−1により欠陥を検出し分類する。このとき,画像処理パラメータもそれに対応した値が110−1で設定される。
図26に、各機能の最適な組合せとその処理順の一例として,相関係数による位置補正係数の算出→エッジの高さ方向平滑化(試料11の高さ方向の微妙な違いが画像に存在する場合の信号量の平滑化)による画像編集→コントラストと明るさを用いた明るさ補正係数の算出の順で比較処理が行われる例を示してあるが,他に,画像編集なし→位置補正係数と明るさ補正係数の一括算出など様々な組合せと演算順序がある。分類についても同様である。
このように,複数の検出系から選択した最適検出条件のもとで被検査試料を撮像し,それに対応する画像比較方式,欠陥分類方式に基いて,画像比較を行うことにより,高感度な検査を実現するとともに,多様な欠陥の検出を可能とする。
ここで,最適な検出系の選択方法を説明すると,図8の801に示すようにまず対象となる試料の情報を入力する。半導体ウェハでは,工程,着目エリア(例えば,メモリマット部など),見つけたい欠陥が既知であれば着目欠陥とし,その座標などを教示する。そして検出系を切替えて着目エリア,着目欠陥の画像を撮像し,画像のコントラスト,輝度値,パターンの方向,パターンの密度,欠陥部分とその周囲との輝度値の違い(S/N)などを演算し,図9のように画面上に並べて表示する。図9(a)は指定した着目欠陥の各検出系による画像,コントラスト,濃淡差,輝度分布,S/Nを示した例である。図9(b)は着目エリアの各検出系による画像,コントラスト,明るさ,微分値,輝度分布を示した例である。これにより,1つ以上の条件を選択する。条件はユーザが図9のように表示された画像や評価値を見て選択することもできるが,評価値から自動選択することも可能である。そして,選択された検出系に応じて図8の802に示すように各検出系に対応した比較方式,分類方式により検査を行う。
図10は,より詳細な評価から検出系を選択する手順のフローである。まず,検出系を設定し(S101),画像を撮像(S102),検出系に対応する画像比較方式を設定して(S103)テスト検査を行う(104)。これを数種類(あるいは,全種類)の検出系で行う。そして,検出したい欠陥がいずれかの検出系で見つかっていれば,その座標を指定する(S105)。また,ユーザは,メモリマット部など高感度に検査したい領域の座標も指定する(S106)。あらかじめ,検出ターゲットとなる欠陥が既知の場合は,このテスト検査は行わなくてよい。そして,各検出系で指定した欠陥,領域の画像を取得し(S107〜S109),図9に示した定量評価値を算出してその結果を表示する(S110)。一方,設定した検出系に対応した画像比較方式でテスト検査を行い,結果を表示する(S111)。そして両者,すなわち,異なる検出系による画像の定量評価値と,異なる画像比較方式による検出性能を加味して最適な条件を1つ以上選択する(S112)。選択の基準として,画像の定量評価値と画像比較方式の性能までを加味した検出結果について,重みを同じにしてもよいし,一方に重みを付けてもよい。これにより,最適な検出系を選択し(S113),それに対応する画像比較方式,分類方式を選択し(S114),選択した全検査条件で検査を行い(S115),選択した全条件を終了した場合には(S116),結果を表示画面上にマップ形式で表示する(S117)。
図11は,選択された1つ以上の検出系とそれに応じた比較処理方式,分類方式による欠陥検出,分類結果である。複数の検出方式で行った検査結果は1101のように検出方式ごとに個別に表示することも可能であるし,1102のように各検出方式で行った検出結果の論理積や論理和をとることにより、結果を合成して表示することも可能である。検出結果は検出の有無をマップにそのまま表示しても良いが、1101及び1102に示したように、分類結果をマップに表示することにより,ユーザはターゲットとする欠陥がどの条件で最もよく検出できるか一目でわかる。
次に画像比較処理部15における処理の一例を図13に沿って詳細に説明する。まず、ステージの移動に同期してメモリ107に連続して入力される検出画像信号、参照画像信号を読み出す。これら2チップの画像信号は、ステージの振動や、ステージ上にセットされたウェハの傾きにより、全く同じ箇所での信号とはならない。このため、補正量演算部108では通常,2つの画像間の位置ずれ量を算出する(S1081)。位置ずれ量の算出はステージの進行方向に特定の長さを一処理単位とし,順次行う。図5の51,52,…は長さD(画素)を1処理単位とした場合の各処理領域である。以下,この単位の処理領域をユニットと記述する。
このように,ユニット51とそれに対応する隣接チップのユニットで位置ずれ量を算出し,次にユニット52とそれに対応する隣接チップのユニットで位置ずれ量を算出する,といったように入力される画像に対して順次ユニット単位で位置ずれ量を算出する。位置ずれ量の算出には画像間の正規化相互相関、画像間の濃淡差の総和、画像間の濃淡差の二乗和などを用いる各種手法があり、そのいずれかを選択する。そして、算出された位置ずれ量に基いて、ユニット単位で2枚の画像の位置合わせを行う(S1082)。次に位置合わせを行った2枚の画像について,明るさのずれを合わせ込むための補正量を2段階で算出する。明るさのずれが生じる要因として、半導体ウェハのチップ間の膜厚の微妙な違い、照明光量の変動などがある。膜厚の微妙な違いによる明るさのずれは半導体ウェハのパターンに依存して生じる。そこで、本発明では、まず,パターンに依存して空間的に連続する領域に発生する明るさむらに対する補正量を算出し(S1083)、次にランダムに発生する明るさむらに対する補正量を算出する(S1084)。これらの階層的に算出される補正量とパラメータ設定部110で各検出条件に応じて設定されるしきい値などの画像処理パラメータを用いて画像比較を行う(109)。
図12は領域単位で発生する明るさの違いを合わせ込む処理の流れを示している。位置合せ後の検出画像1210と参照画像1220とから空間的に連続した領域を抽出し(1201)、この抽出した領域ごとに明るさの補正量を算出し(1202)、この算出した結果に基いて領域ごとに明るさの補正を行う(1203)。
図28に、本発明により階層的に明るさの補正を行った場合の挙動の一例を示す。検出画像(a)には2つの欠陥2701(○で囲んだ部分)があるが,欠陥2701は帯状の背景パターンよりも明るく,背景パターンと識別可能である。しかし,参照画像(b)の対応するパターン2702は欠陥と同等の明るさがあるため,単純に両画像の差を取ると、差画像(c)のように,欠陥部分の差分は小さくなり,検出画像と参照画像との明るさの散布図(d)を作成すると、明るさむらのない領域と識別ができない。なお、散布図(d)では、検出画像を縦軸に、参照画像を横軸にして明るさをプロットしている。これに対し,本発明では対象画像から2702のようにパターンまたは領域に応じて部分画像を抽出し,その領域毎に明るさの補正量を算出する(図12−1202)。補正量の算出方法の一例を(数1)に示す。
Figure 0004357355
ここで、F(i,j)、G(i,j)はそれぞれ、位置合せ後の検出画像、参照画像の位置(i,j)での明るさである。そして、(数2)のように補正量を算出し、
Figure 0004357355
領域の補正を、参照画像に対して(数3)のように行う(1203)。
Figure 0004357355
ここで,図28の1202に示すように,領域毎に濃淡差のヒストグラムを求め(1202−1),ヒストグラムのピーク位置が0となるようなオフセット量をその領域の補正量として算出し補正してもよい(1202−2)。
次に、半導体ウェハのパターンに依存してランダムに生じる明るさの違いを合わせ込むための補正量を、画素毎に算出する。その手順の一例を、図14、図15に示す。
先ず、図14に処理のフローを示す。図12のステップ1203で説明した領域ごとに明るさ補正を行った画像に対して、各画素の持つ特徴量を算出し,その特徴量を軸とするN次元の特徴空間へマッピングし(14−1)(図28の(f))、次に特徴空間をセグメントに分割し(14‐2)、分割したセグメントごとに補正量を演算する(14−3)。
次に、図14に示した処理フローに基く処理を図15に示す。(a)の1501,1502は1203により補正を行った参照画像,検出画像であるが,繰返しのドットパターンで明るさむらが生じている。これにより,散布図(b)に示すようにデータの分布が広がり,欠陥は検出できない。これらの画像に対し,各画素の特徴量を算出し,図15(c)に示すように特徴空間へマッピングする(図14の14−1に対応)。図15(c)は2次元の特徴空間を例に取ったものだが,図28(f)はN次元の特徴空間に各画素をマッピングした例である。特徴量は各画素のコントラスト、明るさ、2次微分値、対応画素間の濃淡差、近傍画素を用いた分散値など、その画素の特徴を示すものなら何でもよい。全ての特徴量を用いた空間にマッピングしてもよいし,欠陥の判別に有効な特徴量を選択し,マッピングしてもよい。次に、特徴空間を複数のセグメントに分割し(図14の14−2)、セグメント毎に、そのセグメントに属する画素の統計量を用いて補正量を算出する(図14の14−3)。図15(d)(e)は,(b)の画像全体の散布図から特徴空間で分割したセグメントに含まれる画素を抽出し,生成された散布図である,そして,(d)(e)・・・のように各セグメントの散布図から、補正量を演算する。これにより,図28(e)の濃淡差画像が示すようにドットパターンの明るさむらは補正され,欠陥のみが検出可能となる。
図16は、図15(c)の特徴空間をセグメント分割するための分割方法の一例を示している。本発明では、対象画像により自動でセグメント分割を行う。図16(a)の上のグラフは明るさと濃淡差による特徴空間の例であり、下のグラフは各明るさ(輝度値)の頻度を示すヒストグラムであり、明るさ方向の分割しきい値を対象画像の明るさのヒストグラムから決定する例である。
図17に、その処理手順の一例を示す。まず、対象領域内の輝度値のヒストグラムを算出する(17−1)。これは検出画像、もしくは参照画像から算出してもよいし、2枚の画像の平均値から算出してもよい。次に輝度ヒストグラムを平滑化し、小ピークなどを除去し(17−2)、平滑化されたヒストグラムの微分値を算出する(17−3)。次に明るさの小さい方から、微分値をみていき、値が正になる輝度値をStart、次に負になる輝度値をEndとする(17−4)。そして、StartからEndの範囲内で微分値が最大となる輝度値を分割のためのしきい値とする(17−5)。これにより、図16(a)に示すようにヒストグラムの谷の部分で分割が行われる。これは、対象領域内のパターンに応じてセグメント分割がなされることを示している。このように画像内のパターンに応じて分割することも可能であるが、図16(b)に示すようにユーザが設定した固定値で分割することも可能である。
図27は,図14で示した画素毎の補正量算出処理の挙動の一例を,散布図を用いて示したものである。検出画像(a),参照画像(b)には大きな明るさの違いがあり,差画像(c)に示す通り,差は大きくなる。(d)は(a)と(b)による散布図である。これを(e)のように特徴量で分解し,散布図毎に補正量を算出し,補正を行うことにより,(a)と(b)の散布図は,(f)のようデータの広がりが抑制され,補正後の差画像(g)に示すように差が小さくなる。
セグメント分割により分解された各散布図の補正量は、図15(d)、15(e)に示すように散布図内で最小二乗近似により直線式を求め、その傾きとy切片を補正量とする。また、補正量は各セグメントに属する画素から前述の(数1)、(数2)のように求めてもよい。また、特徴空間を形成するための領域は最小1×1画素以上の任意に設定可能である。ただし、最高周波数である1×1画素で補正を行うと、欠陥も合わせ込んでしまうので、やや大きめの領域に設定するようにする。
以上に示したように(1)領域毎に明るさを補正することにより背景の明るさむらに埋没した欠陥を顕在化,(2)画素毎に明るさを補正することによりランダムに生じる明るさむらを抑制する階層的な明るさ補正により欠陥のみを検出することが可能となる(図28−(e))。
図18に本方式による明るさ補正結果を示す。(a)は位置合せを行った後の差画像である。○で囲った部分に欠陥がある。(d)は欠陥部を含む1D−1D‘の位置合せ後の2枚の画像の輝度波形とそのときの差分値である。検出画像には欠陥があり、その部分は周囲に比べて明るくなっているが、参照画像は全体に明るく、欠陥部分の差分値は周囲に比べ、小さくなっている。これに対し、(b)は領域毎に明るさの違いを補正した後の差画像である。帯状の明るさのむらが領域として抽出され,補正されている。この結果、(e)に示すように輝度値が合わせ込まれ、背景の色むらに埋没していた欠陥が顕在化される。しかし、繰り返しパターンに依存し、ランダムに生じる明るさの違いは補正できていない。
(c)は画素毎に,この例では(b)の画像全域の統計量より補正量を演算し、明るさの違いを補正した後の差画像である。このように、2つ以上の異なる処理方式で階層的に明るさ補正量を算出することにより、発生状況の異なる明るさの違いを補正し、強い明るさむらの中に埋没した微弱信号の欠陥を顕在化、検出することが可能となる。
本発明は,より強い明るさむらがある場合においても対応可能である。図19(a)は検出画像,(b)は参照画像であるが,下地1901に明るさむらがあり,差画像(c)では,1901に対応する部分の差が大きくなっている。(a)(b)による散布図データの分布は一部の明るさ領域で(d)のように広がる。これに対し,位置のずれは図13に示した通り,通常は明るさむらの補正の前に行われるため,明るさのずれ量が大きいと,正しい位置ずれ量が算出できない可能性がある。一方,位置のずれがあると画像間で画素の対応がとれず,正しい明るさの補正量が算出できない。このため,本発明では,位置のずれと明るさのずれを同時に合わせ込む手段をもつ。
図20は,図19に比べ,更に強い明るさむらがある例である。下地2001は(a)の方が明るいが,その上のパターン2002は明るさの違いがほとんどない。さらに上のパターン2003は(a)の方が明るいものと暗いものが混在し,明暗が(b)に対して反転している。このような画像(a)と(b)の散布図は(d)に示すように正の相関と負の相関がある。これに対して,明るさの差が最小となるように位置ずれ量を算出する濃淡差の二乗和をとる方式では、正しい位置ずれ量は算出できない。また,明るさむらにロバストな正規化相関であっても,正の相関と負の相関が混在するような画像では正しい位置ずれ量は算出不能である。図20(e)は(a)と(b)の相関係数であるが,全体に値が小さく一意に位置ずれ量が算出できないことを示している。
このため本発明では、図21に示すように,位置ずれ量を1つ前のユニットの位置ずれ量(α,β)を中心として,周囲へ位置補正量を振り((αi,βi))ながら,位置補正(S211)→明るさむら補正量演算(S212)→明るさ合わせ(S213)→散布図評価(S214) を繰り返す。そして,各位置補正時の散布図データ(a−1),(a−i),(a−n)のうちで、ばらつきが最も小さくなるもの(a−i)を適用して検査を行う。散布図データのばらつきは各画素の差の二乗和で算出する。
この時,図29に示すように,まず,図15に示したように各画素の特徴量から散布図を分解し,散布図毎に図21の処理を繰り返すことも可能である。すなわち散布図毎に位置ずれ量を振り((αi,βi))ながら,位置補正(2901)→対応画素について明るさむら補正量演算(2902)→明るさ補正(2903)→散布図評価(2904)を繰り返し,散布図データの広がりが最も小さくなる,すなわち画像間の対応する画素の差の総和が最小となるときの位置ずれ量((αi,βi),明るさ補正量を適用する(2905)。
また,別の方法としては,図22に示すように,対象画像である検出画像2201と参照画像2202に微分フィルタをかけ(S221),画像からパターンのエッジを検出し(S222),エッジに相当する画素のみを用いて位置補正量(α,β)を算出し(S223)、これに基いて位置を補正して(S224)画像F‘(2203)と画像G‘(2204)とを求める。これにより,明るさむらの影響を排除した位置ずれ量の算出が可能となり、この結果を用いて明るさ村補正量を演算して求めることができる(S225)。(S222)でエッジを検出するときには,隣接画素間の明るさ勾配の急峻な画素,すなわち一次微分値が大きい画素や,二次微分値の0交差画素などを選択する。
ここで,位置ずれ量算出に有効な画素の選択は,明るさ勾配の大きいエッジ部に限らない。図32に示すように,検出画像2201,参照画像2202の各画素について,隣接画素との差分を算出し(S321)、算出した差分値の符号配列を算出する(S322)。ここでは,簡単のため画像データを一次元配列として考えると,検出画像,参照画像の各画素f(i),g(i)の隣接画素との差df(i),dg(i)を(数4)のように算出し,
Figure 0004357355
その符号の配列cf(i),cg(i)を求める。
if df(i)≧0 then cf(i)=1 else cf(i)=0
if dg(i)≧0 then cg(i)=1 else cg(i)=0
そして,符号の配列が近傍で(もともと画像間には位置のずれがあるため)一致している画素を選択して位置補正量(α,β)を算出し(S323)、位置補正を行う(S324)。これにより,明暗が一部反転しているパターンを排除して位置補正を行うことが可能となる。
更に、位置ずれ量算出に有効な画素選択の指標として,図33に示すように検出画像2201,参照画像2202の各画素f,gについて,n個の近傍画素f(i),g(i)をから分散値fs,gsを(数5)のように用いて算出し(S331),
Figure 0004357355
両者が近い画素を選択して位置補正量(α,β)を算出し(S333)、位置補正を行う(S334)ようにしても良い。ここで,
Figure 0004357355
はn個の近傍画素の平均輝度である。
以上に位置ずれ量算出を行う画素の選択方法の例を述べたが,選択の指標は他のものでもよい。本発明は,いずれかの指標により画素を選択すること,言い換えれば,位置ずれ量算出に悪影響を及ぼす画素を排除することにより,高精度な位置ずれ量の算出を実現するものである。
また,別の方法としては,図23に示すように,検出画像2301,参照画像2302それぞれで領域抽出(S231)を行い,対応する領域毎に位置補正量算出(S232),位置補正(S233),明るさむら補正量算出(S234)、明るさむら補正(S235)を行う。これにより,正の相関のある部分と負の相関のある部分に分割して位置と明るさのずれ補正量算出を行うことが可能となる。
また,別の方法としては,図24に示すように,検出画像2401,参照画像2402それぞれで領域抽出を行い(S241),対応する領域毎に位置補正量と明るさ補正量をパラメータとして振り,差の二乗和が最小となる位置補正量,明るさ補正量を適用する(S242)。
また,別の方法としては,図30に示すように,検出画像3001,参照画像3002それぞれで領域抽出及び,画素毎の特徴量による散布図の分解を行う(S301)。そして領域情報と特徴量により分解した画像の散布図毎に位置補正量と明るさ補正量をパラメータとして振り,差の二乗和が最小となる位置補正量,明るさ補正量を適用する(S302)。
また,別の方法としては,図25に示すように,散布図(a)をハフ変換し,負の相関と正の相関に分布データを分離する(b)(c)(d)。これにより,分離した分布データ毎に散布図データのばらつきが最小になるように位置補正量,明るさ補正量を算出する。
以上に説明したような、検査画像に対して多段階の明るさ補正を行うことの効果を、例えば、CMP工程を経て、表面が光学的に透明で平坦な絶縁膜で覆われた半導体ウェハに形成されたパターンを検査する場合について説明する。CMP加工後のウェハを検出部13で撮像して得られた画像は、上記絶縁膜の厚さのウェハ面内でのばらつきやチップ内パターンの疎密により生じる反射光量の分布等の影響を受けて、ウェハの場所によって明るさがばらついた画像となる。この明るさのばらつきがある画像に対して、上記に説明したような方法で異なる単位で多段階に明るさ補正を行うことにより、画像間の明るさのばらつきの影響を低減して欠陥を顕在化することができるので、欠陥の検出率を向上させることが可能になる。
また、チップ間の膜厚の違い、ステージ速度むらによる蓄積光量の違い、照明変動など様々な要因により発生するチップ間の明るさの違い(色むら)を異なる複数の方式により明るさを合わせ込む(即ち、異なる複数の領域毎に補正量を算出する)ことにより、強い明るさむらの中に埋没した微弱信号の欠陥を顕在化し、検出することが可能となる。
これまでに説明した本発明による画像比較処理部15の処理は、CPUによるソフト処理で実現するが、正規化相関演算や特徴空間の形成などコアとなる演算部分をLSIなどによるハード処理にすることも可能である。これにより、高速化が実現できる。また、CMPなど平坦化プロセス後のパターンの膜厚の微妙な違いや、照明光の短波長化により比較ダイ間に大きな明るさの違いがあっても、本発明により、20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
さらに、SiO2をはじめ、SiOF、BSG,SiOB、多孔質シリア膜、などの無機絶縁膜や、メチル基含有SiO2、MSQ,ポリイミド系膜、パレリン系膜、テフロン(登録商標)系膜、アモルファスカーボン膜などの有機絶縁膜といったlow k膜の検査において、屈折率分布の膜内ばらつきによる局所的な明るさの違いがあっても、本発明により、20nm〜90nm欠陥の検出が可能となる。
次に,本発明によるパターン検査装置を用いた半導体装置の製造システムの一例を図31を用いて説明する。ウェハ上の回路パターンは複数の装置A,B,・・・Eにより順次形成される(3101)。そして本発明によるパターン検査装置を用いて各製造装置による工程後に検査及び欠陥分類を行うことにより,どのような欠陥が各装置を経てどのように発生するかを追跡することが可能となる。例えば,装置Bによる工程を経たウェハを検査し,検出した欠陥は,前装置Aからの持込み欠陥と装置B内で発生した欠陥からなり,装置Aによる工程の後に検査して得られた欠陥データと照合すれば,装置B内で発生した欠陥か装置Aからの持込み欠陥かどうかがわかる(3102)。ここで,前装置Aからの持込み欠陥のうち,異物については装置Bで形状欠陥或いは変色を引き起こさないものもあり,致命的な異物の付着したパターンは必ず次以降の装置で形状欠陥或いは変色となるが,致命的でない異物の付着したパターンは以降の装置を経ても形状欠陥などにならず,良品である。従って,本構成をもつパターン検査装置により異物と分類された欠陥について,その座標を記憶しておき,次の装置を経た後に,再度欠陥検出,分類を行うことにより,異物が致命性のあるものになるか否かを判定することが可能になる。これにより製造装置の状態をより的確に把握することが可能となる。
以上、本発明の一実施例を半導体ウェハを対象とした光学式外観検査装置における比較検査画像を例にとって説明したが、電子線式パターン検査における比較画像にも適用可能である。また、検査対象は半導体ウェハに限られるわけではなく、画像の比較により欠陥検出が行われているものであれば、例えばTFT基板、ホトマスク、プリント板などでも適用可能である。
検査装置の構成の一例。 複数検出系の一例。 複数画像比較方式の一例。 比較チップ間に明るさむらがあった時の検査対象画像と従来のしきい値設定方法の一例。 画像比較処理単位の一例 検査対象となる半導体ウェハ。 チップの構造の一例。 検出系,比較処理方式最適化の例。 各検出系の画像定量値表示の一例。 検出系設定フローの一例。 複数検出系,比較,分類方式による検査結果表示の一例。 領域単位で発生する明るさむらの合わせ込み手順の一例。 補正量演算部108の処理手順の一例。 ランダムに発生する明るさむらの合わせ込み手順の一例。 ランダムに発生する明るさむらの合わせ込む例。 特徴空間のセグメント分割の一例。 特徴空間のセグメント分割処理フローの一例。 明るさの違いを合わせ込む処理の一例。 強い明るさむらの一例。 強い明るさむらの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 散布図からハフ変換により画像を分割する処理の一例。 画像比較方式最適化の例。 明るさむらの画素毎合わせ込み手順の一例。 段階的明るさむらの合わせ込み手順の一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 本発明による半導体製造システムを示す図。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。 強い明るさむらに対する位置合わせと明るさ合せの一例。
符号の説明
11…試料、12…ステージ、13…検出部、101…光源、102…照明光学系、103…対物レンズ、104…イメージセンサ、105…AD変換部、14…画像編集部、106…前処理部、107…画像メモリ、15…画像比較処理部、108…補正量算出部、109…画像比較部、110…パラメータ設定部、111…欠陥分類部,16…全体制御部、112…ユーザインターフェース部、113…記憶装置、114…メカニカルコントローラ、70…チップ、72…周辺回路部、71…メモリマット部、41…検出画像、42…参照画像

Claims (5)

  1. 試料上の同一形状のパターンとなるように形成された2つのパターンの対応する領域を斜方からと上方からとそれぞれの照明光量比を設定して照明し、該照明した領域を撮像して画像を得、該撮像して得た画像を処理して欠陥を検出するパターン検査方法であって、
    前記照明光量比に対応する複数の画像比較処理方式と複数の欠陥分類方式とをそれぞれ組み合わせた複数の画像処理方式の中から前記設定した照明光量比に対応する画像処理方式を選択し、該選択した画像処理方式を用いて前記検出した画像を処理することにより欠陥を検出して分類し,該分類した欠陥の分布を論理積又は論理和を取って合成し、該合成したマップを画面上に表示することを特徴とするパターン検査方法。
  2. 請求項1記載のパターン検査方法であって、
    前記試料を照明する斜方からと上方からとそれぞれの照明光の光量比を、試料の品種,パターン密度,パターンの方向,検出したい欠陥の種類に応じて調整することを特徴とするパターン検査方法。
  3. 請求項1記載のパターン検査方法であって、
    前記試料を斜方から照明する光量と上方から照明する光量との光量比を1:0から0:1の範囲で調整することを特徴とするパターン検査方法。
  4. 試料上の同一形状のパターンとなるように形成された2つのパターンの対応する領域をそれぞれ斜方から照射する斜方照明部と上方から照明する落射照明部と前記斜方照明部と落射照明部との光量比を調整する光量比調整部とを有する照明手段と,
    該照明手段で照明された領域からの反射光を結像させる結像光学系手段と、
    前記照明手段のそれぞれの照明部で照明されて結像された像を撮像する撮像手段と、
    複数の画像処理方式を備えて該複数の画像処理方式の中から前記照明手段の光量比調整部で調整した光量比に対応する画像処理方式を用いて前記撮像手段で撮像した画像を処理して欠陥を検出して分類する画像処理手段と,
    画像処理手段で処理して分類した欠陥の分布の論理積又は論理和を取って合成したマップを画面上に表示する表示手段とを備え、
    前記画像処理手段の複数の画像処理方式は、前記照明手段の光量比調整部で調整した光量比に対応する画像比較処理方式と、前記照明手段の光量比調整部で調整した光量比に対応する欠陥分類方式とをそれぞれ複数備える
    ことを特徴とするパターン検査装置。
  5. 請求項記載のパターン検査装置であって、
    前記照明手段の光量比調整部は、前記試料を照明する前記斜方照明部と落射照明部との光量比を1:0から0:1の範囲で調整することを特徴とするパターン検査装置。
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