JP4357228B2 - Method for producing hydrophilic porous carbon material, separator for polymer electrolyte fuel cell - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質型燃料電池用セパレータに好適に用いることができる親水性多孔質炭素材、親水性多孔質炭素材の製造方法、及び、これを用いた高分子電解質型燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電解質としてプロトン導電性の固体高分子膜を用いた高分子電解質型燃料電池(以下、PEFCともいう)の開発が進められている。PEFCは、電解質が固体であることから、電解質の飛散がなく、振動に強く、騒音が少ない点、燃料極、空気極の差圧運転や加圧運転が容易である点において優れている。また、PEFCは、80〜100℃程度と燃料電池のなかではかなり低い温度で作動することから、起動時間が短い点、樹脂等の低廉な材料を使用することにより燃料電池の実用化の障壁となるコストの問題を解決しやすい点においても優れており、低温で作動するにも関わらず高出力密度が得られる。
【0003】
このようなPEFCの基本的な構造及び作動原理は以下の通りである。
図1は、PEFCを構成する単セルの構造を模式的に示した分解斜視図である。図1に示した通り、PEFCの単セル10では、固体高分子電解質膜11を介し、その両側に空気極12(正極)と燃料極13(負極)とが対向するように接合されており、空気極12と燃料極13の外側には、PEFC用セパレータ20、30がそれぞれ当接されている。空気極12及び燃料極13は、触媒層と多孔質支持層の2層からなり、触媒層からなる面で固体高分子電解質膜11と接し、多孔質支持層からなる面でPEFC用セパレータ20、30と接する。
なお、空気極12と燃料極13との間には、外部負荷回路が接続されて電力が取り出されるが、このようなPEFCの単セル10から得られる電位差(電圧)は小さいため、実際に使用する場合は、PEFCの単セル10を複数積層してスタックを形成し、大きな電位差(電圧)が得られるようにする。
【0004】
このようなPEFCにおいて、PEFC用セパレータ20、30は、PEFCの燃料となる水素を燃料極13に、酸素を空気極12にそれぞれ供給する流路としての役割、及び、セルの強度を維持する役割を有している。
このため、PEFC用セパレータ20、30には、燃料ガスを供給、排出するための燃料ガス孔23、33、及び、空気を供給、排出するための空気孔24、34が全てのセルを貫通するように設けられ、燃料極13と接する側の面に、燃料ガス孔23、33と繋がる燃料ガス溝21、31が設けられ、空気極12と接する側の面に、空気孔24、34と繋がる空気溝22、32が設けられる。
PEFC用セパレータ20、30では、水素又は水素を生成しやすい物質からなる燃料ガス及び空気(酸素)が、燃料ガス孔23、33及び空気孔24、34を通じて各セルの燃料ガス溝21、31及び空気溝22、32に連続的に供給され、使用後の燃料ガス及び空気が、各セルの燃料ガス溝21、31及び空気溝22、32から、燃料ガス孔23、33及び空気孔24、34を通じて連続的に排出される。
このようなPEFC用セパレータ20、30では、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが混入しないように高い気密性が必要とされ、通常、PEFC用セパレータ20、30は、気密性の高いカーボン系材料又は金属系材料から構成される。
【0005】
PEFCでは、燃料極13に燃料ガスを供給し、空気極12に空気を供給すると、燃料極13においては、下記反応式(1)に示す反応が起こり、空気極12においては、下記反応式(2)に示す反応が起こる。
その結果、PEFC全体では、下記反応式(3)に示す反応が起こることとなる。
【0006】
2H2→4H++4e−・・・(1)
【0007】
O2+4H++4e−→2H2O・・・(2)
【0008】
2H2+O2→2H2O・・・(3)
【0009】
このように、PEFCでは、燃料極13において反応式(1)で表される反応により電子(4e−)が生成し、この電子が外部負荷回路を経由して空気極12に移動する際に、外部負荷回路において行う仕事が電力として取り出される。
また同時に、PEFCでは、燃料極13において反応式(1)で表される反応により水素イオン(4H+)が生成し、この水素イオンが固体高分子電解質膜11を経由して空気極12に移動し、酸素と反応する。その結果、PEFCでは、上記反応式(2)及び(3)に示したように、発電に伴って水素と酸素とが反応して、空気極12において水が生成することとなる。
【0010】
ここで、固体高分子電解質膜11内における水素イオンの移動を円滑に進めるためには、固体高分子電解質膜11及び燃料極13が充分な水分を保持していることが重要であり、通常は、燃料ガスを湿らせて、固体高分子電解質膜11に水分を供給している。しかしながら、システムの簡素化やエネルギー効率の観点から、PEFCの運転を加湿装置等なしで行いたいという要求が高まってきていた。また、PEFCの高出力化につれ、水素イオンの移動に伴う燃料極13側からの水の持ち去り(電気浸透現象)が起こり、特に燃料極13側の固体高分子電解質膜11内が乾燥し、電気抵抗が増大する結果、PEFCの出力密度が低下することになるという問題があった。
【0011】
これに対して、空気極12において生成した水分を、PEFC用セパレータ20、30を介して、できるだけセル外に放出することなく、隣接するセルに供給される燃料ガスの加湿に使用することが検討されている。
しかしながら、PEFC用セパレータ20、30には、水分を透過させる機能以外にも、上述したように、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが混入しないような高い気密性が必要とされており、相反する機能が要求されていた。
【0012】
そこで、PEFC用セパレータ20、30を多孔質材により構成することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。多孔質材により構成されたPEFC用セパレータ20、30では、空気極12において生成した水が多孔質材中を満たすことにより、隣接するセルに対して供給される燃料ガスを加湿できるとともに、両面に設けられた溝に供給される燃料ガスと空気とが透過して混入することを防止する。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−231793号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常PEFC用セパレータ20、30を構成するカーボン系材料は、親水性が充分でなかったため、多孔質にしても水分が浸透しにくく、空気極から燃料極への水分の移動がスムーズに行われないという問題があった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑み、高分子電解質型燃料電池用セパレータの製造に好適に用いることができる親水性多孔質炭素材、親水性多孔質炭素材の製造方法、及び、これを用いた固体高分子型燃料電池用セパレータを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第一の本発明は、多孔質炭素材が酸化処理されてなる親水性多孔質炭素材であって、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする親水性多孔質炭素材である。
【0017】
第二の本発明は、多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質が形成されてなる親水性多孔質炭素材であって、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする親水性多孔質炭素材である。
【0018】
第三の本発明は、黒鉛粉末又は炭素粉末及び親水性物質を含有する混合物を一軸成形又はCIP成形して得られる親水性多孔質炭素材であって、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする親水性多孔質炭素材である。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、第一の本発明の親水性多孔質炭素材について説明する。
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、多孔質炭素材が酸化処理されてなる親水性多孔質炭素材であって、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする。
【0020】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透する。なお、純水がすべて浸透したことは、純水の液滴界面が板状試験片の表面上で目視により確認できなくなることにより判定される。また、5分経過した際に、吸水性の紙片を試験片の表面と軽く接触させ、上記紙片に水が付着しないことにより判定してもよい。
【0021】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、上記水浸透性評価試験において純水0.02mlを5分以内にすべて浸透させることができる水浸透性を有するので、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿することができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。
【0022】
上記水浸透性評価試験に用いる板状試験片は、厚さ5mmとする。5mm未満であると、板状試験片の全細孔容積が純水0.02mlの体積よりも小さいことがあるからである。また、5mmを超えると、板状試験片の気孔の量が増え、測定値に影響を与える。なお、板状試験片の形状、及び、純水が滴下される面の面積としては板状試験片の全細孔容積が純水0.02mlの体積よりも大きくなる範囲であれば特に限定されない。
【0023】
上記水浸透性評価試験では、前処理として、上記板状試験片を120℃で1時間乾燥する。上記前処理は、評価試験の再現性を高めるために、純水を滴下する前の板状試験片中から予め水分を取り除いておくことを目的とするものである。
【0024】
上記水浸透性評価試験において上記板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する方法としては、純水を液滴の状態にして滴下することができれば特に限定されず、例えば、マイクロシリンジを用いる方法等が挙げられる。
【0025】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率の好ましい下限は、10%であり、好ましい上限は30%である。10%未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。30%を超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たさなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
なお、本明細書において、開気孔率とは、多孔質体の見かけ上の容積に対する、多孔質体の外部に通じた空孔の容積の総和の割合を意味する。
【0026】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材における水銀圧入法による平均細孔半径の好ましい下限は、0.5μmであり、好ましい上限は2μmである。0.5μm未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。2μmを超えると、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0027】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材における通気率の好ましい下限は、0.2cm2/sであり、好ましい上限は3cm2/sである。0.2cm2/s未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。3cm2/sを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
なお、通気率は、透過ガスの容積(cm3・atm)×試料の厚さ(cm)/(試料の面積(cm2)×透過ガスの圧力差(atm)×時間(秒))により求められる。
【0028】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、多孔質炭素材が酸化処理されてなるものである。
上記多孔質炭素材が酸化処理されることにより、多孔質炭素材中のCH3基等からなる末端部分が酸化され、COOH基やCH2OH基等の親水性の官能基が形成されるので、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び気孔表面が親水性となる。
【0029】
上記多孔質炭素材としては特に限定されないが、黒鉛からなることが好ましく、等方性黒鉛からなることがより好ましい。
上記多孔質炭素材を製造する方法としては特に限定されず、例えば、炭素粉末、バインダー樹脂を混合した混合物を成形し、得られた成形体を焼成、黒鉛化処理する方法や、黒鉛粉末、バインダー樹脂等を混合した混合物を成形する方法等が挙げられる。
【0030】
上記炭素粉末及び黒鉛粉末の平均粒子直径の好ましい下限は、15μmであり、好ましい上限は50μmである。15μm未満であると、第一の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率が小さくなり過ぎることがあり、50μmを超えると、第一の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率が大きくなり過ぎることがある。
【0031】
上記バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、フルフリルアルコール、ポリビニルアルコール、フラン樹脂等が挙げられる。
【0032】
上記多孔質炭素材の酸化処理は、上記多孔質炭素材の材料、黒鉛化度、細孔分布等に応じて、所望の水浸透性が得られる方法及び条件にて行われる。
上記酸化処理としては、上記多孔質炭素材に親水性の官能基を形成することができるものであれば特に限定されないが、例えば、湿式酸化、プラズマ処理、電解酸化、空気酸化等が好ましい。
【0033】
上記湿式酸化としては特に限定されないが、例えば、硝酸、オゾンを溶解したアルカリ溶液、重クロム酸塩の硫酸溶液、重クロム酸塩の燐酸溶液、ヨウ素酸カリウムの燐酸溶液、過マンガン酸カリウムの硫酸溶液(Hummer試薬)、フッ酸等の酸化剤溶液中に多孔質炭素材を浸漬して加熱する方法等が好適に用いられる。
【0034】
上記プラズマ処理としては特に限定されないが、例えば、酸素プラズマ処理、電解プラズマ処理、フッ素プラズマ処理等が好適に用いられる。
上記プラズマ処理は、例えば、真空ポンプにより内部を減圧することができる反応容器内に高周波発生電源と接続されている2枚の対向する電極板を設置したプラズマ発生装置を用い、反応容器内に酸素又はフッ素等のガスを流通させながら反応容器内を1000Pa以下の圧力に調整して、高周波電力を印加することにより、低温プラズマを発生させ、低温プラズマを多孔質炭素材に接触させることにより行う。
低温プラズマを発生させる際に印加される高周波電力の電力量の好ましい下限は200W、好ましい上限は1000Wである。
低温プラズマを発生させる際に印加される高周波電力の周波数の好ましい下限は10kHz、好ましい上限は1000MHzである。
低温プラズマを発生させる際に印加される高周波電力の印加時間の好ましい下限は1分間、好ましい上限は20分間である。
【0035】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、本来疎水性である多孔質炭素材を酸化処理することにより親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
第一の本発明の親水性多孔質炭素材の用途としては、例えば、PEFC用セパレータ、水や水溶液を吐出するノズル等の構成材料が挙げられる。なかでも、PEFC用セパレータの構成材料として好適に用いることができる。
【0036】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、親水性の構成材料からなるので、セパレータ内における水分の移動が容易である。そのため、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータでは、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるので、PEFCを大出力で運転した際にも、固体高分子電解質膜が乾燥して電気抵抗が増大したりせず、PEFCの出力低下を抑えることができる。また、セパレータ内の細孔容積を小さくしてもセパレータ内における水分の移動を円滑に行うことが可能となるので、ガスの圧力により破損しない高強度のPEFC用セパレータとすることができる。
このような第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなる高分子電解質型燃料電池用セパレータもまた本発明の1つである。
【0037】
次に、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの構造について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2(a)は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの一例を模式的に示した断面図である。図2(b)は、図2(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの一例を上からみた平面図である。
【0038】
図2に示したように、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40は、板状であり、外周部に、燃料ガスを供給及び排出するための燃料ガス孔43及び空気を供給及び排出するための空気孔44が設けられており、燃料極と接する側の面の中央部に、燃料ガス孔43と繋がる燃料ガス溝41が設けられており、空気極と接する側の面の中央部に、空気孔44と繋がる空気溝42が設けられている。
【0039】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の外周部は、気密性の高い材料により構成され、燃料ガス孔43及び空気孔44が設けられている。
上記気密性の高い材料としては特に限定されず、例えば、カーボン系材料、金属系材料等が挙げられる。なかでも、第一の本発明の親水性多孔質炭素材又は多孔質炭素材の細孔をフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂により目埋めしたものであることが好ましい。これにより、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の外周部と中央部とを一体的に作製することができるので、これらを別個に作製して貼り合わせるといった作業を行う必要がなくなり、工程を簡素化することができる。
【0040】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の中央部は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材により構成され、燃料極と接する側の面に、燃料ガスを供給及び排出するための燃料ガス孔43と繋がる燃料ガス溝41が設けられ、空気極と接する側の面に、空気を供給及び排出するための空気孔44と繋がる空気溝42が設けられている。
【0041】
燃料ガス溝41は、PEFC用セパレータ40が燃料ガス溝41を有する面で燃料極に当接された際に、燃料ガスの流路となる空洞を確保するために設けられる。これにより、燃料ガス溝41を通じて、燃料極に燃料ガスを供給し、使用後の排気ガスを排出することができる。
【0042】
燃料ガス溝41の数としては特に限定されないが、複数設けられることが好ましい。燃料極と燃料ガスとの接触面積を充分に確保しつつ、PEFC用セパレータ40の強度を、単セルを複数積層したスタック構造としても変形や破損を生じないものとするためである。
また、燃料ガス溝41が複数設けられる場合には、燃料ガス溝41は、互いに平行に設けられることが好ましい。燃料極に燃料ガスを均一に供給しつつ、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0043】
燃料ガス溝41の断面形状としては特に限定されず、例えば、凹形等が挙げられる。
燃料ガス溝41の幅としては特に限定されず、燃料ガス溝41の数、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFCの出力密度等に応じて決定される。
燃料ガス溝41の深さとしては特に限定されないが、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の厚さの半分以下であることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0044】
空気溝42は、PEFC用セパレータ40が空気溝42を有する面で空気極に当接された際に、空気の流路となる空洞を確保するために設けられる。これにより、空気溝42を通じて、空気極に空気を供給し、使用後の排気ガスを排出することができる。
【0045】
空気溝42の数としては特に限定されないが、複数設けられることが好ましい。空気極と空気との接触面積を充分に確保しつつ、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
また、空気溝42が複数設けられる場合には、空気溝42は、互いに平行に設けられることが好ましい。空気極に空気を均一に供給しつつ、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。なかでも、空気溝42と燃料ガス溝41とが、PEFC用セパレータ40の上下面で互いに直交する方向に設けられることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するうえで効果的であるとともに、単セルを複数積層したスタック構造とする際に、燃料ガス孔43及び空気孔44に接続されるパイプを配設しやすくなるからである。
【0046】
空気溝42の断面形状としては特に限定されず、例えば、凹形等が挙げられる。空気溝42の幅としては特に限定されず、空気溝42の数、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFCの出力密度等に応じて決定される。
空気溝42の深さとしては特に限定されないが、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の厚さの半分以下であることが好ましい。PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保するためである。
【0047】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の厚さとしては特に限定されないが、単セルを薄型化及び軽量化するために、PEFC用セパレータ40に必要とされる強度を確保することができる範囲で薄いことが好ましい。
第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40の大きさとしては、単セルの大きさに合わせた大きさであることが好ましく、通常、燃料極及び空気極と同一の大きさにする。
なお、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータ40は、通常、中央部に設けられた燃料ガス溝41又は空気溝42を仕切る凸部、及び、外周部を均一の厚さにし、これらにより燃料極及び空気極と当接し接着することが好ましいが、燃料極及び空気極や固体高分子電解質膜を小さくする場合には、外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くしてもよい。
【0048】
図3(a)は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの別の一例を模式的に示した分解斜視図である。図3(b)は、図3(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの別の一例を上からみた平面図である。
図3に示したように、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、燃料ガス溝51と空気溝52とをそれぞれ外側に向けて、第一の板状部材49と、第二の板状部材50とが隙間なく貼り合わせられた構造からなるものであってもよい。
【0049】
第一の板状部材49は、外周部に、燃料ガスを供給及び排出するための燃料ガス孔53、空気を供給及び排出するための空気孔55、及び、冷却水を供給及び排出するための冷却水孔58が設けられており、燃料極と接する側の面の中央部に、燃料ガス孔53と繋がる燃料ガス溝51が設けられている。
第二の板状部材50は、外周部に、燃料ガス孔54、空気孔56、及び、冷却水孔59が設けられており、空気極と接する側の面の中央部に、空気孔56と繋がる空気溝52が設けられている。
更に、第一の板状部材49及び/又は第二の板状部材50は、貼り合わせ面の中央部に、冷却水孔58、59と繋がる冷却水を循環させるための冷却水溝57が設けられている。上記冷却水溝57の形状としては特に限定されないが、PEFC用セパレータに必要とされる強度を確保することができる範囲で、貼り合わせ面の中央部全体に均一に形成されることが好ましい。
なお、上記貼り合わせ構造からなるPEFC用セパレータは、その内部に冷却水を循環させるための冷却水溝57を設けたこと以外は、一方の面に燃料ガス溝を有し、他方の面に空気溝を有する上述の一体型のPEFC用セパレータと同様である。
【0050】
このような貼り合わせ構造からなるPEFC用セパレータを用いたPEFCでは、PEFC用セパレータの内部の空隙に冷却水を循環させることができるので、PEFC用セパレータを確実かつ大量に吸湿させて、燃料ガス及び空気の加湿を効果的に行うことができ、PEFCの放熱能力も向上させることができる。
【0051】
また、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、第一の板状部材49及び/又は第二の板状部材50の貼り合わせ面の中央部に冷却水溝57を設ける代りに、第一の板状部材49と第二の板状部材50との間に冷却用部材を介在させ、冷却用部材の中央部に冷却水溝を設ける構成としてもよい。
この場合、上記冷却用部材は、外周部に、燃料ガス孔、空気孔、及び、冷却水孔が設けられ、中央部に、冷却水孔と繋がる冷却水を循環させるための冷却水溝が設けられる。
【0052】
次に、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの製造方法について説明する。
(1)上述した多孔質炭素材の製造方法により、所望のPEFC用セパレータの形状、又は、所望のPEFC用セパレータの中央部の形状にした多孔質炭素材を作製する。上記多孔質炭素材の形状は、多孔質炭素材を成形する際の成形型の形状を調整し、必要に応じて、更に切削加工、穴あけ加工、レーザー加工等を行うことにより調整することができる。また、貼り合わせ構造からなる第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータを作製する場合には、構成部材となる複数の多孔質炭素材を作製した後、貼り合わせる。
(2)得られた多孔質炭素材に上述した酸化処理を施す。
(3)酸化処理後の多孔質炭素材の外周部のみに樹脂を含浸して硬化させる。あるいは、PEFC用セパレータの中央部のみを多孔質炭素材により作製した場合には、樹脂板又は金属板等を接着剤等により貼り合わせて外周部を形成する。
以上、(1)〜(3)の工程により、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータを製造することができる。
【0053】
次に、第二の本発明の親水性多孔質炭素材について説明する。
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質が形成されてなる親水性多孔質炭素材であって、厚さ5mmの板状試験片にして、120℃で1時間乾燥した後に、上記板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験において、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする。
【0054】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透する。上記水浸透性評価試験の方法としては、第一の本発明の親水性多孔質炭素材における水浸透性評価試験の方法と同様であるので、その説明を省略する。
【0055】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、上記水浸透性評価試験において純水0.02mlを5分以内にすべて浸透させることができる水浸透性を有するので、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿することができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。
【0056】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率の好ましい下限は、10%であり、好ましい上限は30%である。10%未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。30%を超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0057】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材における水銀圧入法による平均細孔半径の好ましい下限は、0.5μmであり、好ましい上限は2μmである。0.5μm未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。2μmを超えると、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0058】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材における通気率の好ましい下限は、0.2cm2/sであり、好ましい上限は3cm2/sである。0.2cm2/s未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。3cm2/sを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0059】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質が形成されてなるものである。
上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質が形成されることにより、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び気孔内部が親水性となる。
【0060】
上記多孔質炭素材としては特に限定されないが、黒鉛からなることが好ましく、等方性黒鉛からなることがより好ましい。
上記多孔質炭素材を製造する方法としては特に限定されず、例えば、第一の本発明の親水性多孔質炭素材に用いられる多孔質炭素材と同様にして製造することが好ましい。
【0061】
上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に形成される親水性物質としては特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール、イオン交換樹脂、水ガラスのゲル状固化物等が好ましく、多孔質炭素材内から溶出することを防止するため、ゲル状であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、水に溶解して多孔質炭素材内から溶出することを防止するため、鹸化度の高いものであることが好ましい。
上記イオン交換樹脂は、三次元網目構造の樹脂に共有結合でイオン交換基が保持されたものである。上記イオン交換基としては特に限定されないが、例えば、強酸性基である−SO3H、強塩基性基である−CH2N+(CH3)2(C2H4OH)等が好適に用いられる。
上記水ガラスのゲル状固化物は、水ガラス(Na2O・nSiO2(n=2〜4))に酸を添加するか、水ガラスから水分を散逸させることにより得られる。
【0062】
上記親水性物質は、上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に、所望の水透過性が得られる方法及び条件にて形成される。
上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質を形成する方法としては特に限定されず、例えば、親水性物質の溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、溶媒を取り除く方法、親水性物質の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、重合して上記多孔質炭素材内部で上記親水性物質を形成する方法、親水性物質の中間体の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、重合して上記多孔質炭素材内部で上記親水性物質の中間体を形成し、更に上記親水性物質の中間体を上記親水性物質に変換する方法、液状の親水性物質を多孔質炭素材に含浸させた後、固化させる方法等が挙げられる。
【0063】
まず、親水性物質の溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、溶媒を取り除く方法について説明する。
上記親水性物質の溶液としては上記親水性物質を溶解したものであれば特に限定されないが、上記多孔質炭素材の深部まで含浸できるよう、低い粘度の液体であることが好ましい。
上記親水性物質の溶液を多孔質炭素材に含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、注入、浸漬等が挙げられる。
上記溶媒を取り除く方法としは特に限定されず、例えば、加熱等が挙げられる。
【0064】
次に、親水性物質の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、重合して上記多孔質炭素材内部で上記親水性物質を形成する方法について説明する。
上記親水性物質の単量体又はその溶液としては特に限定されないが、上記多孔質炭素材の深部まで含浸できるよう、低い粘度の液体であることが好ましい。
上記親水性物質の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、注入、浸漬等が挙げられる。上記親水性物質が2以上の単量体を重合してなる共重合体である場合には、2以上の単量体の混合物又はその溶液を含浸させてもよく、それぞれの単量体又はその溶液を順に含浸させてもよい。
上記重合を行う方法としては特に限定されず、例えば、加熱等が挙げられる。
【0065】
次に、親水性物質の中間体の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させた後、重合して上記多孔質炭素材内部で上記親水性物質の中間体を形成し、更に上記親水性物質の中間体を上記親水性物質に変換する方法について説明する。
上記親水性物質の中間体の単量体又はその溶液としては特に限定されないが、例えば、酢酸ビニルと、ジビニルベンゼン等のビニル基を複数持つ化合物とを含有するメタノール溶液等が好適に用いられる。また、上記親水性物質の中間体の単量体又はその溶液としては、上記多孔質炭素材の深部まで含浸できるよう、低い粘度の液体であることが好ましい。
上記親水性物質の中間体の単量体又はその溶液を多孔質炭素材に含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、注入、浸漬等が挙げられる。上記親水性物質の中間体が2以上の単量体を重合してなる共重合体である場合には、2以上の単量体の混合物又はその溶液を含浸させてもよく、それぞれの単量体又はその溶液を順に含浸させてもよい。
上記重合を行う方法としては特に限定されず、例えば、加熱等が挙げられる。
上記親水性物質の中間体を上記親水性物質に変換する方法としては特に限定されず、例えば、鹸化等の極性基の導入反応等が挙げられる。
【0066】
次に、液状の親水性物質を多孔質炭素材に含浸させた後、固化させる方法について説明する。
上記液状の親水性物質としては特に限定されないが、水ガラス等が好適に用いられる。
上記液状の親水性物質を多孔質炭素材に含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、注入、浸漬等が挙げられる。
上記液状の親水性物質を固化させる方法としては特に限定されないが、例えば、上記液状の親水性物質として水ガラスを用いた場合には、酸を添加する方法、水ガラスから水分を散逸させる方法等が挙げられる。
【0067】
上述の方法のなかでも、ジビニルベンゼン及び酢酸ビニルを上記多孔質炭素材に含浸する工程、上記多孔質炭素材中に含浸させた状態で上記ジビニルベンゼンと上記酢酸ビニルとを共重合させて上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に共重合体を形成する工程、及び、上記共重合体を鹸化する工程を有する親水性多孔質炭素材の製造方法は、多孔質炭素材内からの溶出を防止したゲル状の親水性物質を多孔質炭素材の表面及び気孔内部に簡便な方法により形成することができるので好適に用いられる。
このような、多孔質炭素材の表面及び気孔内部にゲル状の親水性物質が形成されてなる第二の本発明の親水性多孔質炭素材を製造する方法であって、ジビニルベンゼン及び酢酸ビニルを上記多孔質炭素材に含浸する工程、上記多孔質炭素材中に含浸させた状態で上記ジビニルベンゼンと上記酢酸ビニルとを共重合させて上記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に共重合体を形成する工程、及び、上記共重合体を鹸化する工程を有する親水性多孔質炭素材の製造方法もまた本発明の1つである。
【0068】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び内部に親水性物質を形成することにより親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
第二の本発明の親水性多孔質炭素材の用途としては、例えば、PEFC用セパレータ、水や水溶液を吐出するノズル等の構成材料が挙げられる。なかでも、PEFC用セパレータの構成材料として好適に用いることができる。
【0069】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、親水性の構成材料からなるので、セパレータ内における水分の移動が容易である。そのため、第二の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータでは、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるので、PEFCを大出力で運転した際にも、固体高分子電解質膜が乾燥して電気抵抗が増大したりせず、PEFCの出力低下を抑えることができる。また、セパレータ内の細孔容積を小さくしてもセパレータ内における水分の移動を円滑に行うことが可能となるので、ガスの圧力により破損しない高強度のPEFC用セパレータとすることができる。
このような第二の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなる高分子電解質型燃料電池用セパレータもまた本発明の1つである。
【0070】
第二の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、その構成材料として、第一の本発明の親水性多孔質炭素材の代りに、第二の本発明の親水性多孔質炭素材を用いていること以外は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータと同様であり、同様の構造からなり、同様の製造方法により製造できるものであるので、その説明を省略する。
【0071】
次に、第三の本発明の親水性多孔質炭素材について説明する。
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、黒鉛粉末又は炭素粉末及び親水性物質を含有する混合物を一軸成形又はCIP成形して得られる親水性多孔質炭素材であって、厚さ5mmの板状試験片にして、120℃で1時間乾燥した後に、上記板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験において、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透することを特徴とする。
なお、上記一軸成形は、型押し成形を含むものである。
【0072】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、120℃で1時間乾燥した厚さ5mmの板状試験片の表面に純水0.02mlを滴下する水浸透性評価試験で、上記純水0.02mlが5分以内にすべて浸透する。上記水浸透性評価試験の方法としては、第一の本発明の親水性多孔質炭素材における水浸透性評価試験の方法と同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、上記水浸透性評価試験において純水0.02mlを5分以内にすべて浸透させることができる水浸透性を有するので、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿することができるとともに、水分を充分に保持して、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入しないように遮蔽することができる。
【0074】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率の好ましい下限は、10%であり、好ましい上限は30%である。10%未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。30%を超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0075】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材における水銀圧入法による平均細孔半径の好ましい下限は、0.5μmであり、好ましい上限は2μmである。0.5μm未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。2μmを超えると、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0076】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材における通気率の好ましい下限は、0.2cm2/sであり、好ましい上限は3cm2/sである。0.2cm2/s未満であると、PEFC用セパレータに用いられた際に、空気極において生成した水分により隣接するセルに供給される燃料ガスを充分に加湿できないことがある。3cm2/sを超えると、PEFC用セパレータに用いられた際に、必要とされる強度を満たなかったり、PEFC用セパレータの一方の面上を流れる空気と、他方の面上を流れる燃料ガスとが混入してしまったりすることがある。
【0077】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、黒鉛粉末又は炭素粉末及び親水性物質を含有する混合物を一軸成形又はCIP成形して得られるものである。親水性物質をバインダーとして用い、黒鉛粉末又は炭素粉末をフィラーとして用いた混合物を成形して多孔質炭素材を製造することにより、表面及び内部に親水性物質が形成された多孔質炭素材を得ることができ、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び気孔内部を親水性とすることができる。
【0078】
上記黒鉛粉末及び上記炭素粉末の平均粒子直径の好ましい下限は、15μmであり、好ましい上限は50μmである。15μm未満であると、第三の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率が小さくなり過ぎることがあり、50μmを超えると、第三の本発明の親水性多孔質炭素材における開気孔率が大きくなり過ぎることがある。
【0079】
上記親水性物質からなるバインダーとしては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、フルフリルアルコール、ポリビニルアルコール、フラン樹脂等が挙げられる。
【0080】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、親水性物質からなるバインダーを、黒鉛粉末又は炭素粉末からなるフィラーと混合して一軸成形又はCIP成形することにより、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び内部に親水性物質を形成し、親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
第三の本発明の親水性多孔質炭素材の用途としては、例えば、PEFC用セパレータ、水や水溶液を吐出するノズル等の構成材料が挙げられる。なかでも、PEFC用セパレータの構成材料として好適に用いることができる。
なお、CIP成形は、湿式法、乾式法のいずれも採用することが可能である。
【0081】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、親水性の構成材料からなるので、セパレータ内における水分の移動が容易である。そのため、第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータでは、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるので、PEFCを大出力で運転した際にも、固体高分子電解質膜が乾燥して電気抵抗が増大したりせず、PEFCの出力低下を抑えることができる。また、セパレータ内の細孔容積を小さくしてもセパレータ内における水分の移動を円滑に行うことが可能となるので、ガスの圧力により破損しない高強度のPEFC用セパレータとすることができる。
このような第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなる高分子電解質型燃料電池用セパレータもまた本発明の1つである。
【0082】
第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータは、その構成材料として、第一の本発明の親水性多孔質炭素材の代りに、第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いていること以外は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータと同様であり、同様の構造からなり、同様の製造方法により製造できるものであるので、その説明を省略する。
【0083】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0084】
(実施例1)
(1)開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)からなる縦35mm、横35mm、厚さ5mmの平板状の多孔質黒鉛板を濃度61%の硝酸中で2時間酸化処理した後、洗浄し、温度120℃で1時間乾燥した。
得られた酸化処理後の多孔質黒鉛板の形状を加工して、厚さ1mmの平板状のPEFC用セパレータの形状にした。
続いて、形状加工後の多孔質黒鉛板の外周部に樹脂を含浸させ、この樹脂を加熱して硬化させて、PEFC用セパレータを作製した。
【0085】
(2)燃料極の触媒層、固体高分子電解質膜、及び、空気極の触媒層が接合されてなる膜・電極接合体の両面それぞれに、燃料極又は空気極の多孔質支持層としてのカーボンペーパー、及び、(1)で作製したPEFC用セパレータを順に重ねて、0.5MPaの圧力で挟み込み、1セルからなるPEFCを作製した。続いて、セル間のセパレータが1枚となるように1セルからなるPEFCを2つ組み合わせて、2セルからなるPEFCを作製した。
【0086】
(実施例2)
開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)からなる縦35mm、横35mm、厚さ5mmの平板状の多孔質黒鉛板を濃度61%の硝酸中で酸化処理する際の処理時間を1時間としたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0087】
(実施例3)
(1)開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)を縦35mm、横35mm、厚さ5mmの平板状に加工して、多孔質黒鉛板を作製した。
メタノール1000gに、酢酸ビニル150g及びジビニルベンゼン20gを溶かした後、予めアゾビスイソブチロニトリル1gをメタノール20gに溶かして作製しておいた溶液を更に加えた。
こうして作製した混合溶液を、上記多孔質黒鉛板を入れた真空容器内に注入した後、真空容器内を大気圧に開放し、上記多孔質黒鉛板に上記混合溶液を浸透させた。
次いで、コンデンサーが付属している容器に上記多孔質黒鉛板及び上記混合溶液を移し、容器内を撹拌しながら60〜63℃に加熱することにより、下記反応式(4)で示される重合を5時間行った。
【0088】
【化1】
【0089】
その後、室温に戻してから、40%NaOH水溶液25mlを加え、1時間放置して下記式(5)で示される鹸化を行った。
【0090】
【化2】
【0091】
更に、メタノールにより繰り返し洗浄し、乾燥させ、表面及び気孔内部にゲル状の親水性物質が形成された多孔質黒鉛板を得た。
得られた親水性の多孔質黒鉛板の形状を加工し、厚さ1mmの平板状のPEFC用セパレータの形状にした。
続いて、形状加工後の多孔質黒鉛板の外周部に樹脂を含浸させ、この樹脂を加熱して硬化させて、PEFC用セパレータを作製した。
【0092】
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0093】
(実施例4)
反応式(4)で示される重合の時間を3時間としたこと以外は、実施例3と同様にしてPEFC用セパレータを作製した。
【0094】
(実施例5)
(1)平均粒子直径20μmの黒鉛粉末を70重量%、及び、親水性物質のバインダーとしてナイロン66を30重量%含有する混合物を200℃に加熱し、型押し成形し、得られた多孔質黒鉛材の形状を加工して、厚さ1mmの平板状のPEFC用セパレータの形状にした。
続いて、形状加工後の多孔質黒鉛板の外周部に樹脂を含浸させ、この樹脂を加熱して硬化させて、PEFC用セパレータを作製した。
【0095】
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0096】
(比較例1)
(1)開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)の形状を加工し、厚さ1mmの平板状のPEFC用セパレータの形状をした多孔質黒鉛板を作製した。
続いて、多孔質黒鉛板の外周部に樹脂を含浸させ、この樹脂を加熱して硬化させて、PEFC用セパレータを作製した。
(2)(1)で作製したPEFC用セパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0097】
(比較例2)
開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)からなる厚さ5mmの平板状の多孔質黒鉛板を濃度61%の硝酸中で酸化処理する際の処理時間を30分としたこと以外は、実施例1と同様にして2セルからなるPEFCを作製した。
【0098】
(比較例3)
反応式(4)で示される重合の時間を1時間としたこと以外は、実施例3と同様にしてPEFC用セパレータを作製した。
【0099】
(水浸透性評価試験)
実施例1、2及び比較例2の評価に用いる板状試験片として、実施例1、2及び比較例2における酸化処理後の厚さ5mmの多孔質黒鉛板を使用し、実施例3、4及び比較例3の評価に用いる板状試験片として、実施例3、4及び比較例3における表面にゲル状の親水性物質が形成された厚さ5mmの多孔質黒鉛板を使用し、実施例5の評価に用いる板状試験片として、実施例5におけるCIP成形により作製した多孔質黒鉛板を使用し、比較例1の評価に用いる板状試験片として、開気孔率15%の等方性黒鉛(イビデン製、ET−10)からなる厚さ5mmの板状体を使用して水浸透性評価試験を行った。
水浸透性評価試験は、板状試験片を120℃で1時間乾燥した後に、上記板状試験片の表面に純水0.02mlをマイクロシリンジにて滴下し、上記純水0.02mlがすべて浸透する時間(浸透時間)を測定することにより行った。
結果を表1に示した。
【0100】
(電池特性試験)
実施例1〜5及び比較例1〜3に係るPEFCについて、水素導入口圧力:0.05MPa、空気導入口圧力:0.05MPa、セルの作動温度:80℃、アノード側の水素ガス加湿器の設定温度:80℃、カソード側の空気加湿器の設定温度:80℃、水素利用率:70%、及び、酸素利用率:40%の条件で、電子負荷と直流電源を用いて、電流密度1A/cm2にて3時間定電流駆動を行った後、開回路電圧を測定し、その後電流密度を1A/cm2にして30分通電した後の1セル当たりの端子間電圧、更に2A/cm2にして30分通電した後の1セル当たりの端子間電圧を測定し、電流電圧特性を確認した。
結果を表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】
表1に示したように、酸化処理の時間や親水性物質の形成を行う重合の時間を長くすることにより、得られた多孔質炭素材の水浸透性評価試験における浸透時間を短くすることができた。また、PEFC用セパレータを構成する多孔質炭素材の水浸透性評価試験における浸透時間が短いほど、PEFCは、電流電圧特性に優れ、高電流密度で通電した後でも、セルの端子間電圧が高かった。
【0103】
【発明の効果】
第一の本発明の親水性多孔質炭素材は、本来疎水性である多孔質炭素材を酸化処理することにより親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
第二の本発明の親水性多孔質炭素材は、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質を形成することにより親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
第三の本発明の親水性多孔質炭素材は、親水性物質からなるバインダーを混合させることにより、本来疎水性である多孔質炭素材の表面及び気孔内部に親水性物質を形成して親水性にしたものであり、水の浸透性に優れる。
【0104】
第一、第二及び第三の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなる本発明のPEFC用セパレータは、親水性の構成材料からなるので、セパレータ内における水分の移動が容易である。そのため、本発明のPEFC用セパレータでは、空気極において生成した水分のうち、排気ガスとともにセル外へ放出される割合を減らし、隣接するセルの燃料極へ供給する割合を増大させることができるので、大出力で運転した際にも、固体高分子電解質膜が乾燥して電気抵抗が増大したりせず、出力低下を抑えることができる。また、セパレータ内の細孔容積を小さくしてもセパレータ内における水分の移動を円滑に行うことが可能となるので、ガスの圧力により破損しない高強度のPEFC用セパレータとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PEFCを構成する単セルの構造を模式的に示した分解斜視図である。
【図2】(a)は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの一例を模式的に示した断面図である。(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの一例を上からみた平面図である。
【図3】(a)は、第一の本発明の親水性多孔質炭素材を用いてなるPEFC用セパレータの別の一例を模式的に示した分解斜視図である。(b)は、(a)に模式的に示したPEFC用セパレータの別の一例を上からみた平面図である。
【符号の説明】
10 単セル
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
20、30、40 PEFC用セパレータ
21、31、41、51 燃料ガス溝
22、32、42、52 空気溝
23、33、43、53、54 燃料ガス孔
24、34、44、55、56 空気孔
49 第一の板状部材
50 第二の板状部材
57 冷却水溝
58、59 冷却水孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydrophilic porous carbon material that can be suitably used for a polymer electrolyte fuel cell separator, a method for producing a hydrophilic porous carbon material, and a polymer electrolyte fuel cell separator using the same. About.
[0002]
[Prior art]
In recent years, development of a polymer electrolyte fuel cell (hereinafter also referred to as PEFC) using a proton conductive solid polymer membrane as an electrolyte has been advanced. PEFC is excellent in that the electrolyte is solid, so that the electrolyte does not scatter, it is resistant to vibration and has low noise, and the differential pressure operation and pressurization operation of the fuel electrode and the air electrode are easy. In addition, since PEFC operates at a temperature as low as about 80 to 100 ° C. among fuel cells, the short start-up time, and the use of inexpensive materials such as resin can prevent the practical use of fuel cells. It is also excellent in that it is easy to solve the problem of cost, and high power density can be obtained despite operating at a low temperature.
[0003]
The basic structure and operating principle of such a PEFC is as follows.
FIG. 1 is an exploded perspective view schematically showing the structure of a single cell constituting a PEFC. As shown in FIG. 1, in the PEFC single cell 10, the air electrode 12 (positive electrode) and the fuel electrode 13 (negative electrode) are bonded to each other via the solid
An external load circuit is connected between the
[0004]
In such a PEFC, the
Therefore,
In the
Such PEFC
[0005]
In PEFC, when fuel gas is supplied to the
As a result, the reaction shown in the following reaction formula (3) occurs in the entire PEFC.
[0006]
2H 2 → 4H + + 4e − ... (1)
[0007]
O 2 + 4H + + 4e − → 2H 2 O ... (2)
[0008]
2H 2 + O 2 → 2H 2 O ... (3)
[0009]
Thus, in the PEFC, electrons (4e) are produced by the reaction represented by the reaction formula (1) at the
At the same time, in PEFC, hydrogen ions (4H) are produced in the
[0010]
Here, in order to smoothly move the hydrogen ions in the solid
[0011]
On the other hand, the moisture generated in the
However, the PEFC
[0012]
Therefore, it has been studied that the
[0013]
[Patent Document 1]
JP-A-6-231793
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
However, the carbon-based material that normally constitutes the
[0015]
In view of the above problems, the present invention provides a hydrophilic porous carbon material that can be suitably used for the production of a separator for a polymer electrolyte fuel cell, a method for producing a hydrophilic porous carbon material, and a solid using the same An object of the present invention is to provide a polymer fuel cell separator.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The first aspect of the present invention is a hydrophilic porous carbon material obtained by oxidizing a porous carbon material, and 0.02 ml of pure water on the surface of a 5 mm thick plate-shaped test piece dried at 120 ° C. for 1 hour. It is a hydrophilic porous carbon material characterized in that 0.02 ml of the pure water permeates within 5 minutes in a water permeability evaluation test in which water is dropped.
[0017]
The second present invention is a hydrophilic porous carbon material in which a hydrophilic substance is formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores, and is a plate-shaped test piece having a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. In a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of the water, all the 0.02 ml of pure water permeates within 5 minutes.
[0018]
The third aspect of the present invention is a hydrophilic porous carbon material obtained by uniaxial molding or CIP molding of a mixture containing graphite powder or carbon powder and a hydrophilic substance, and has a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. In a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of the plate-shaped test piece, 0.02 ml of the pure water penetrates all within 5 minutes. .
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the hydrophilic porous carbon material of the first present invention will be described.
The hydrophilic porous carbon material according to the first aspect of the present invention is a hydrophilic porous carbon material obtained by oxidizing a porous carbon material, and is a plate-shaped test piece having a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. In a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface, 0.02 ml of the pure water permeates all within 5 minutes.
[0020]
The hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of a plate-like test piece having a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. All 0.02 ml penetrates within 5 minutes. In addition, it has been determined that all the pure water has permeated, because the pure water droplet interface cannot be visually confirmed on the surface of the plate-shaped test piece. Further, when 5 minutes have elapsed, the water-absorbing paper piece may be lightly brought into contact with the surface of the test piece and water may not be attached to the paper piece.
[0021]
The hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention has water permeability that allows all 0.02 ml of pure water to permeate within 5 minutes in the above water permeability evaluation test, and is therefore used as a separator for PEFC. The fuel gas supplied to the adjacent cells can be sufficiently humidified by the moisture generated at the air electrode, and the moisture flowing in the PEFC separator can be sufficiently retained. It is possible to shield the fuel gas flowing on the other surface from mixing.
[0022]
The plate-shaped test piece used for the water permeability evaluation test has a thickness of 5 mm. It is because the total pore volume of a plate-shaped test piece may be smaller than the volume of 0.02 ml of pure water as it is less than 5 mm. On the other hand, if it exceeds 5 mm, the amount of pores in the plate-shaped test piece increases, which affects the measured value. The shape of the plate-shaped test piece and the area of the surface on which pure water is dropped are not particularly limited as long as the total pore volume of the plate-shaped test piece is larger than the volume of pure water 0.02 ml. .
[0023]
In the water permeability evaluation test, as a pretreatment, the plate test piece is dried at 120 ° C. for 1 hour. The purpose of the pretreatment is to remove moisture from the plate-shaped test piece before dropping pure water in order to improve the reproducibility of the evaluation test.
[0024]
The method for dropping 0.02 ml of pure water onto the surface of the plate-shaped test piece in the water permeability evaluation test is not particularly limited as long as pure water can be dropped in the form of droplets. And the like.
[0025]
The preferable lower limit of the open porosity in the hydrophilic porous carbon material of the first present invention is 10%, and the preferable upper limit is 30%. When it is less than 10%, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 30%, it will not meet the required strength when used in a PEFC separator, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side will be mixed Sometimes
In the present specification, the open porosity means the ratio of the total volume of pores communicating with the outside of the porous body to the apparent volume of the porous body.
[0026]
The minimum with a preferable average pore radius by the mercury intrusion method in the hydrophilic porous carbon material of 1st this invention is 0.5 micrometer, and a preferable upper limit is 2 micrometers. When it is less than 0.5 μm, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 2 μm, the air flowing on one surface of the PEFC separator and the fuel gas flowing on the other surface may be mixed.
[0027]
The preferred lower limit of the air permeability in the hydrophilic porous carbon material of the first present invention is 0.2 cm. 2 / S, and the preferred upper limit is 3 cm. 2 / S. 0.2cm 2 When it is less than / s, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. 3cm 2 If it exceeds / s, when used in a PEFC separator, the required strength is not satisfied, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side are mixed. Sometimes
The air permeability is the volume of permeated gas (cm 3 Atm) × sample thickness (cm) / (sample area (cm 2 ) × permeated gas pressure difference (atm) × time (seconds)).
[0028]
The hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is obtained by oxidizing a porous carbon material.
When the porous carbon material is oxidized, CH in the porous carbon material is obtained. 3 The terminal part consisting of groups etc. is oxidized, and COOH groups and CH 2 Since a hydrophilic functional group such as an OH group is formed, the surface of the porous carbon material and the pore surface, which are inherently hydrophobic, become hydrophilic.
[0029]
The porous carbon material is not particularly limited, but is preferably made of graphite, more preferably isotropic graphite.
The method for producing the porous carbon material is not particularly limited. For example, a method in which a mixture in which carbon powder and a binder resin are mixed is molded, and the obtained molded body is fired and graphitized, graphite powder, and binder. The method etc. which shape | mold the mixture which mixed resin etc. are mentioned.
[0030]
The minimum with the preferable average particle diameter of the said carbon powder and graphite powder is 15 micrometers, and a preferable upper limit is 50 micrometers. If it is less than 15 μm, the open porosity in the hydrophilic porous carbon material of the first present invention may become too small, and if it exceeds 50 μm, the open pores in the hydrophilic porous carbon material of the first present invention The rate can be too large.
[0031]
It does not specifically limit as said binder resin, For example, a phenol resin, furfuryl alcohol, polyvinyl alcohol, furan resin etc. are mentioned.
[0032]
The oxidation treatment of the porous carbon material is performed by a method and conditions that can obtain desired water permeability according to the material of the porous carbon material, the degree of graphitization, the pore distribution, and the like.
The oxidation treatment is not particularly limited as long as a hydrophilic functional group can be formed on the porous carbon material. For example, wet oxidation, plasma treatment, electrolytic oxidation, air oxidation and the like are preferable.
[0033]
The wet oxidation is not particularly limited. For example, nitric acid, an alkaline solution in which ozone is dissolved, a dichromate sulfuric acid solution, a dichromate phosphoric acid solution, a potassium iodate phosphoric acid solution, or a potassium permanganate sulfuric acid. A method of immersing the porous carbon material in an oxidant solution such as a solution (Humer reagent) or hydrofluoric acid and heating it is preferably used.
[0034]
Although it does not specifically limit as said plasma processing, For example, oxygen plasma processing, electrolytic plasma processing, fluorine plasma processing etc. are used suitably.
The plasma treatment is performed using, for example, a plasma generator in which two opposing electrode plates connected to a high-frequency generating power source are installed in a reaction vessel whose pressure can be reduced by a vacuum pump. Alternatively, the inside of the reaction vessel is adjusted to a pressure of 1000 Pa or less while flowing a gas such as fluorine, and high-frequency power is applied to generate low-temperature plasma, and the low-temperature plasma is brought into contact with the porous carbon material.
The preferable lower limit of the amount of high frequency power applied when generating the low temperature plasma is 200 W, and the preferable upper limit is 1000 W.
The preferable lower limit of the frequency of the high frequency power applied when generating the low temperature plasma is 10 kHz, and the preferable upper limit is 1000 MHz.
The preferable lower limit of the application time of the high frequency power applied when generating the low temperature plasma is 1 minute, and the preferable upper limit is 20 minutes.
[0035]
The hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is made hydrophilic by oxidizing a porous carbon material that is inherently hydrophobic, and is excellent in water permeability.
Examples of the use of the hydrophilic porous carbon material of the first present invention include constituent materials such as a PEFC separator and a nozzle for discharging water or an aqueous solution. Especially, it can use suitably as a constituent material of the separator for PEFC.
[0036]
Since the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is made of a hydrophilic constituent material, it is easy to move moisture in the separator. Therefore, in the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material according to the first aspect of the present invention, the ratio of the moisture generated at the air electrode that is released to the outside of the cell together with the exhaust gas is reduced. Since the ratio supplied to the electrode can be increased, even when the PEFC is operated at a high output, the solid polymer electrolyte membrane does not dry and the electrical resistance does not increase, and the decrease in the output of the PEFC can be suppressed. it can. Further, even if the pore volume in the separator is reduced, it is possible to smoothly move the moisture in the separator, so that a high-strength PEFC separator that is not damaged by gas pressure can be obtained.
A separator for a polymer electrolyte fuel cell using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is also one aspect of the present invention.
[0037]
Next, the structure of the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first present invention will be described with reference to FIGS.
FIG. 2 (a) is a cross-sectional view schematically showing an example of a PEFC separator using the hydrophilic porous carbon material of the first present invention. FIG. 2B is a plan view of an example of the PEFC separator schematically shown in FIG.
[0038]
As shown in FIG. 2, the
[0039]
The outer peripheral portion of the
The material having high airtightness is not particularly limited, and examples thereof include carbon-based materials and metal-based materials. Of these, the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention or the pores of the porous carbon material are preferably filled with a resin such as a phenol resin or an epoxy resin. Thereby, since the outer peripheral part and center part of the
[0040]
The central portion of the separator for
[0041]
The
[0042]
The number of
When a plurality of
[0043]
The cross-sectional shape of the
The width of the
The depth of the
[0044]
The
[0045]
The number of
Further, when a plurality of
[0046]
The cross-sectional shape of the
The depth of the
[0047]
The thickness of the
The size of the
The
[0048]
FIG. 3 (a) is an exploded perspective view schematically showing another example of the PEFC separator using the hydrophilic porous carbon material of the first present invention. FIG. 3B is a plan view of another example of the PEFC separator schematically shown in FIG.
As shown in FIG. 3, the PEFC separator using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention has the first plate-like shape with the
[0049]
The first plate-
The second plate-
Further, the first plate-
The PEFC separator having the above-mentioned bonded structure has a fuel gas groove on one side and an air on the other side, except that a cooling
[0050]
In the PEFC using the PEFC separator having such a bonded structure, the cooling water can be circulated in the voids inside the PEFC separator, so that the PEFC separator can absorb moisture reliably and in large quantities, and the fuel gas and Air humidification can be performed effectively, and the heat dissipation capability of PEFC can also be improved.
[0051]
Moreover, the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention has cooling water at the center of the bonding surface of the
In this case, the cooling member is provided with a fuel gas hole, an air hole, and a cooling water hole in the outer peripheral portion, and a cooling water groove for circulating the cooling water connected to the cooling water hole is provided in the central portion. It is done.
[0052]
Next, the manufacturing method of the separator for PEFC which uses the hydrophilic porous carbon material of 1st this invention is demonstrated.
(1) A porous carbon material having a desired PEFC separator shape or a central shape of the desired PEFC separator is produced by the method for producing a porous carbon material described above. The shape of the porous carbon material can be adjusted by adjusting the shape of the molding die when the porous carbon material is molded, and further performing cutting, drilling, laser processing, etc. as necessary. . Moreover, when producing the separator for PEFC which uses the hydrophilic porous carbon material of 1st this invention which consists of a bonding structure, it bonds together, after producing the several porous carbon material used as a structural member. .
(2) The above-described oxidation treatment is performed on the obtained porous carbon material.
(3) Only the outer peripheral portion of the porous carbon material after the oxidation treatment is impregnated with resin and cured. Alternatively, when only the central portion of the PEFC separator is made of a porous carbon material, the outer peripheral portion is formed by bonding a resin plate or a metal plate with an adhesive or the like.
As described above, the PEFC separator using the hydrophilic porous carbon material of the first invention can be manufactured by the steps (1) to (3).
[0053]
Next, the hydrophilic porous carbon material of the second invention will be described.
The hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is a hydrophilic porous carbon material in which a hydrophilic substance is formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores, and is a plate-shaped test piece having a thickness of 5 mm. In the water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of the plate-shaped test piece after drying at 120 ° C. for 1 hour, all 0.02 ml of the pure water penetrates within 5 minutes. It is characterized by.
[0054]
The hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of a plate-like test piece having a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. All 0.02 ml penetrates within 5 minutes. The method for the water permeability evaluation test is the same as the method for the water permeability evaluation test in the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention, and thus the description thereof is omitted.
[0055]
The hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention has a water permeability capable of permeating all 0.02 ml of pure water within 5 minutes in the water permeability evaluation test, and is therefore used for a PEFC separator. The fuel gas supplied to the adjacent cells can be sufficiently humidified by the moisture generated at the air electrode, and the moisture flowing in the PEFC separator can be sufficiently retained. It is possible to shield the fuel gas flowing on the other surface from mixing.
[0056]
The preferable lower limit of the open porosity in the hydrophilic porous carbon material of the second invention is 10%, and the preferable upper limit is 30%. When it is less than 10%, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 30%, it will not meet the required strength when used in a PEFC separator, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side will be mixed Sometimes
[0057]
The preferable lower limit of the average pore radius by the mercury intrusion method in the hydrophilic porous carbon material of the second present invention is 0.5 μm, and the preferable upper limit is 2 μm. When it is less than 0.5 μm, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 2 μm, the air flowing on one surface of the PEFC separator and the fuel gas flowing on the other surface may be mixed.
[0058]
The preferred lower limit of the air permeability in the hydrophilic porous carbon material of the second invention is 0.2 cm. 2 / S, and the preferred upper limit is 3 cm. 2 / S. 0.2cm 2 When it is less than / s, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. 3cm 2 If it exceeds / s, when used in a PEFC separator, the required strength is not satisfied, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side are mixed. Sometimes
[0059]
The hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is obtained by forming a hydrophilic substance on the surface of the porous carbon material and inside the pores.
By forming a hydrophilic substance on the surface of the porous carbon material and inside the pores, the surface of the porous carbon material and the inside of the pores, which are inherently hydrophobic, become hydrophilic.
[0060]
The porous carbon material is not particularly limited, but is preferably made of graphite, more preferably isotropic graphite.
It does not specifically limit as a method to manufacture the said porous carbon material, For example, manufacturing similarly to the porous carbon material used for the hydrophilic porous carbon material of 1st this invention is preferable.
[0061]
The hydrophilic substance formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores is not particularly limited, but for example, polyvinyl alcohol, ion exchange resin, gelled solidified water glass, etc. are preferable, and from within the porous carbon material In order to prevent elution, it is preferably a gel.
The polyvinyl alcohol is preferably one having a high degree of saponification in order to prevent dissolution in water and elution from the porous carbon material.
The ion exchange resin is a resin having a three-dimensional network structure in which an ion exchange group is held by a covalent bond. Although it does not specifically limit as said ion exchange group, For example, -SO which is a strongly acidic group 3 H, strongly basic group —CH 2 N + (CH 3 ) 2 (C 2 H 4 OH) and the like are preferably used.
The gelled solidified product of water glass is water glass (Na 2 O · nSiO 2 (N = 2 to 4)) by adding an acid or dissipating moisture from water glass.
[0062]
The hydrophilic substance is formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores by a method and conditions that provide desired water permeability.
The method for forming a hydrophilic substance on the surface of the porous carbon material and inside the pores is not particularly limited. For example, a method of removing the solvent after impregnating the porous carbon material with a solution of the hydrophilic substance, hydrophilicity A method of forming a hydrophilic substance inside the porous carbon material after the porous carbon material is impregnated with the monomer of the substance or a solution thereof, an intermediate monomer of the hydrophilic substance or the method thereof A method in which a porous carbon material is impregnated with a solution and then polymerized to form an intermediate of the hydrophilic substance inside the porous carbon material, and further the intermediate of the hydrophilic substance is converted to the hydrophilic substance And a method of solidifying after impregnating a porous carbon material with a liquid hydrophilic substance.
[0063]
First, a method for removing a solvent after impregnating a porous carbon material with a solution of a hydrophilic substance will be described.
The hydrophilic substance solution is not particularly limited as long as it dissolves the hydrophilic substance, but is preferably a low-viscosity liquid so that it can be impregnated to the deep part of the porous carbon material.
The method for impregnating the porous carbon material with the hydrophilic substance solution is not particularly limited, and examples thereof include injection and immersion.
The method for removing the solvent is not particularly limited, and examples thereof include heating.
[0064]
Next, a method of forming the hydrophilic substance inside the porous carbon material after the porous carbon material is impregnated with a monomer of the hydrophilic substance or a solution thereof will be described.
Although it does not specifically limit as the monomer of the said hydrophilic substance, or its solution, It is preferable that it is a low viscosity liquid so that it can be impregnated to the deep part of the said porous carbon material.
The method for impregnating the porous carbon material with the hydrophilic substance monomer or the solution thereof is not particularly limited, and examples thereof include injection and immersion. When the hydrophilic substance is a copolymer obtained by polymerizing two or more monomers, a mixture of two or more monomers or a solution thereof may be impregnated. You may impregnate a solution in order.
It does not specifically limit as a method of performing the said polymerization, For example, a heating etc. are mentioned.
[0065]
Next, the porous carbon material is impregnated with a hydrophilic substance intermediate monomer or solution thereof, and then polymerized to form the hydrophilic substance intermediate inside the porous carbon material, and A method for converting an intermediate of a hydrophilic substance into the hydrophilic substance will be described.
The intermediate monomer of the hydrophilic substance or a solution thereof is not particularly limited. For example, a methanol solution containing vinyl acetate and a compound having a plurality of vinyl groups such as divinylbenzene is preferably used. Moreover, the intermediate monomer of the hydrophilic substance or a solution thereof is preferably a low-viscosity liquid so that it can be impregnated to the deep part of the porous carbon material.
The method for impregnating the porous carbon material with the above-mentioned hydrophilic substance intermediate monomer or solution thereof is not particularly limited, and examples thereof include injection and immersion. When the intermediate of the hydrophilic substance is a copolymer obtained by polymerizing two or more monomers, a mixture of two or more monomers or a solution thereof may be impregnated. The body or its solution may be impregnated in sequence.
It does not specifically limit as a method of performing the said polymerization, For example, a heating etc. are mentioned.
A method for converting the intermediate of the hydrophilic substance into the hydrophilic substance is not particularly limited, and examples thereof include a polar group introduction reaction such as saponification.
[0066]
Next, a method for solidifying after impregnating a porous carbon material with a liquid hydrophilic substance will be described.
Although it does not specifically limit as said liquid hydrophilic substance, Water glass etc. are used suitably.
The method for impregnating the porous carbon material with the liquid hydrophilic substance is not particularly limited, and examples thereof include injection and immersion.
The method for solidifying the liquid hydrophilic substance is not particularly limited. For example, when water glass is used as the liquid hydrophilic substance, a method of adding an acid, a method of dissipating moisture from the water glass, etc. Is mentioned.
[0067]
Among the above-mentioned methods, the step of impregnating the porous carbon material with divinylbenzene and vinyl acetate, the porous carbon material is copolymerized with the divinylbenzene and the vinyl acetate in the impregnated state. The method for producing a hydrophilic porous carbon material having a step of forming a copolymer on the surface of the carbonaceous material and inside the pores and a step of saponifying the copolymer prevents elution from the porous carbon material. The gel-like hydrophilic substance can be suitably used because it can be formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores by a simple method.
A method for producing the hydrophilic porous carbon material according to the second aspect of the present invention, in which a gel-like hydrophilic substance is formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores, comprising divinylbenzene and vinyl acetate. In the porous carbon material, the divinylbenzene and vinyl acetate are copolymerized in the state of impregnation in the porous carbon material, and the copolymer is formed on the surface of the porous carbon material and inside the pores. A method for producing a hydrophilic porous carbon material having a step of forming saponification and a step of saponifying the copolymer is also one aspect of the present invention.
[0068]
The hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is made hydrophilic by forming a hydrophilic substance on the surface and inside of the porous carbon material that is inherently hydrophobic, and is excellent in water permeability. .
Examples of the use of the hydrophilic porous carbon material of the second invention include constituent materials such as a PEFC separator, a nozzle for discharging water or an aqueous solution, and the like. Especially, it can use suitably as a constituent material of the separator for PEFC.
[0069]
Since the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is made of a hydrophilic constituent material, it is easy to move moisture in the separator. Therefore, in the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention, the ratio of the moisture generated at the air electrode that is released to the outside of the cell together with the exhaust gas is reduced, and the fuel of the adjacent cell Since the ratio supplied to the electrode can be increased, even when the PEFC is operated at a high output, the solid polymer electrolyte membrane does not dry and the electrical resistance does not increase, and the decrease in the output of the PEFC can be suppressed. it can. Further, even if the pore volume in the separator is reduced, it is possible to smoothly move the moisture in the separator, so that a high-strength PEFC separator that is not damaged by gas pressure can be obtained.
Such a separator for a polymer electrolyte fuel cell using the hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention is also one aspect of the present invention.
[0070]
The separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the second aspect of the present invention has, as its constituent material, the hydrophilicity of the second aspect of the present invention instead of the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention. Except for using a porous carbon material, it is the same as the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention, has the same structure, and can be manufactured by the same manufacturing method Therefore, the description thereof is omitted.
[0071]
Next, the hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention will be described.
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is a hydrophilic porous carbon material obtained by uniaxial molding or CIP molding of graphite powder or a mixture containing carbon powder and a hydrophilic substance, and has a thickness of 5 mm. In a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of the plate-shaped test piece after drying at 120 ° C. for 1 hour, 0.02 ml of the pure water is within 5 minutes. It is characterized by penetrating into all.
The uniaxial molding includes stamping molding.
[0072]
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is a water permeability evaluation test in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of a plate-like test piece having a thickness of 5 mm dried at 120 ° C. for 1 hour. All 0.02 ml penetrates within 5 minutes. The method for the water permeability evaluation test is the same as the method for the water permeability evaluation test in the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention, and thus the description thereof is omitted.
[0073]
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention has a water permeability capable of permeating all 0.02 ml of pure water within 5 minutes in the above water permeability evaluation test, and is therefore used as a separator for PEFC. The fuel gas supplied to the adjacent cells can be sufficiently humidified by the moisture generated at the air electrode, and the moisture flowing in the PEFC separator can be sufficiently retained. It is possible to shield the fuel gas flowing on the other surface from mixing.
[0074]
The preferable lower limit of the open porosity in the hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is 10%, and the preferable upper limit is 30%. When it is less than 10%, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 30%, it will not meet the required strength when used in a PEFC separator, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side will be mixed Sometimes
[0075]
The minimum with a preferable average pore radius by the mercury intrusion method in the hydrophilic porous carbon material of 3rd this invention is 0.5 micrometer, and a preferable upper limit is 2 micrometers. When it is less than 0.5 μm, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. If it exceeds 2 μm, the air flowing on one surface of the PEFC separator and the fuel gas flowing on the other surface may be mixed.
[0076]
The preferred lower limit of the air permeability in the hydrophilic porous carbon material of the third invention is 0.2 cm. 2 / S, and the preferred upper limit is 3 cm. 2 / S. 0.2cm 2 When it is less than / s, when used in a PEFC separator, the fuel gas supplied to the adjacent cell may not be sufficiently humidified by the moisture generated in the air electrode. 3cm 2 If it exceeds / s, when used in a PEFC separator, the required strength is not satisfied, or air flowing on one side of the PEFC separator and fuel gas flowing on the other side are mixed. Sometimes
[0077]
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is obtained by uniaxial molding or CIP molding of graphite powder or a mixture containing carbon powder and a hydrophilic substance. By producing a porous carbon material by molding a mixture using a hydrophilic substance as a binder and graphite powder or carbon powder as a filler, a porous carbon material having a hydrophilic substance formed on the surface and inside is obtained. The surface of the porous carbon material that is inherently hydrophobic and the inside of the pores can be made hydrophilic.
[0078]
The minimum with a preferable average particle diameter of the said graphite powder and the said carbon powder is 15 micrometers, and a preferable upper limit is 50 micrometers. If it is less than 15 μm, the open porosity in the hydrophilic porous carbon material of the third invention may be too small, and if it exceeds 50 μm, the open pores in the hydrophilic porous carbon material of the third invention will be The rate can be too large.
[0079]
It does not specifically limit as a binder which consists of the said hydrophilic substance, For example, a phenol resin, furfuryl alcohol, polyvinyl alcohol, furan resin etc. are mentioned.
[0080]
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is a porous material that is inherently hydrophobic by mixing a binder made of a hydrophilic substance with a filler made of graphite powder or carbon powder and uniaxially molding or CIP molding. A hydrophilic substance is formed on the surface and inside of the carbon material to make it hydrophilic, and has excellent water permeability.
Examples of the use of the hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention include constituent materials such as a PEFC separator and a nozzle for discharging water or an aqueous solution. Especially, it can use suitably as a constituent material of the separator for PEFC.
Note that CIP molding can employ either a wet method or a dry method.
[0081]
Since the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is made of a hydrophilic constituent material, the movement of moisture in the separator is easy. Therefore, in the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material according to the third aspect of the present invention, the ratio of the moisture generated at the air electrode that is released to the outside of the cell together with the exhaust gas is reduced. Since the ratio supplied to the electrode can be increased, even when the PEFC is operated at a high output, the solid polymer electrolyte membrane does not dry and the electrical resistance does not increase, and the decrease in the output of the PEFC can be suppressed. it can. Further, even if the pore volume in the separator is reduced, it is possible to smoothly move the moisture in the separator, so that a high-strength PEFC separator that is not damaged by gas pressure can be obtained.
A separator for a polymer electrolyte fuel cell using such a hydrophilic porous carbon material of the present invention is also one aspect of the present invention.
[0082]
The separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the invention has, as its constituent material, the hydrophilicity of the third aspect of the invention instead of the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the invention. Except for using a porous carbon material, it is the same as the separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention, has the same structure, and can be manufactured by the same manufacturing method Therefore, the description thereof is omitted.
[0083]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited only to these examples.
[0084]
(Example 1)
(1) A plate-like porous graphite plate made of isotropic graphite having an open porosity of 15% (product of Ibiden, ET-10) having a length of 35 mm, a width of 35 mm and a thickness of 5 mm in nitric acid having a concentration of 61% for 2 hours After the oxidation treatment, it was washed and dried at a temperature of 120 ° C. for 1 hour.
The shape of the resulting porous graphite plate after the oxidation treatment was processed into a flat PEFC separator having a thickness of 1 mm.
Subsequently, the outer peripheral portion of the porous graphite plate after shape processing was impregnated with resin, and this resin was heated and cured to produce a PEFC separator.
[0085]
(2) Carbon as a porous support layer of the fuel electrode or the air electrode on each side of the membrane / electrode assembly formed by joining the catalyst layer of the fuel electrode, the solid polymer electrolyte membrane, and the catalyst layer of the air electrode Paper and the PEFC separator prepared in (1) were sequentially stacked and sandwiched at a pressure of 0.5 MPa to prepare a PEFC consisting of one cell. Subsequently, two PEFCs composed of one cell were combined so that there was one separator between cells, and a PEFC composed of two cells was produced.
[0086]
(Example 2)
When oxidizing a flat porous graphite plate having a length of 35 mm, a width of 35 mm, and a thickness of 5 mm made of isotropic graphite (ET-10) having an open porosity of 15% in nitric acid with a concentration of 61% A PEFC consisting of 2 cells was produced in the same manner as in Example 1 except that the treatment time was 1 hour.
[0087]
(Example 3)
(1) An isotropic graphite having an open porosity of 15% (product of Ibiden, ET-10) was processed into a flat plate having a length of 35 mm, a width of 35 mm, and a thickness of 5 mm to prepare a porous graphite plate.
After dissolving 150 g of vinyl acetate and 20 g of divinylbenzene in 1000 g of methanol, a solution prepared by dissolving 1 g of azobisisobutyronitrile in 20 g of methanol was further added.
The mixed solution thus prepared was poured into a vacuum vessel in which the porous graphite plate was placed, and then the inside of the vacuum vessel was opened to atmospheric pressure, and the mixed solution was infiltrated into the porous graphite plate.
Next, the porous graphite plate and the mixed solution are transferred to a container attached with a condenser, and the interior of the container is heated to 60 to 63 ° C. while stirring, whereby the polymerization represented by the following reaction formula (4) is performed. Went for hours.
[0088]
[Chemical 1]
[0089]
Then, after returning to room temperature, 25 ml of 40% NaOH aqueous solution was added, and the mixture was allowed to stand for 1 hour for saponification represented by the following formula (5).
[0090]
[Chemical formula 2]
[0091]
Further, it was repeatedly washed with methanol and dried to obtain a porous graphite plate in which a gel-like hydrophilic substance was formed on the surface and inside the pores.
The shape of the obtained hydrophilic porous graphite plate was processed into a flat PEFC separator having a thickness of 1 mm.
Subsequently, the outer peripheral portion of the porous graphite plate after shape processing was impregnated with resin, and this resin was heated and cured to produce a PEFC separator.
[0092]
(2) A PEFC composed of 2 cells was produced in the same manner as in Example 1 except that the PEFC separator produced in (1) was used.
[0093]
(Example 4)
A PEFC separator was produced in the same manner as in Example 3 except that the polymerization time represented by the reaction formula (4) was 3 hours.
[0094]
(Example 5)
(1) A porous graphite obtained by heating a mixture containing 70% by weight of graphite powder having an average particle diameter of 20 μm and 30% by weight of nylon 66 as a binder of a hydrophilic substance to 200 ° C. and embossing the mixture. The shape of the material was processed into a flat PEFC separator with a thickness of 1 mm.
Subsequently, the outer peripheral portion of the porous graphite plate after shape processing was impregnated with resin, and this resin was heated and cured to produce a PEFC separator.
[0095]
(2) A PEFC composed of 2 cells was produced in the same manner as in Example 1 except that the PEFC separator produced in (1) was used.
[0096]
(Comparative Example 1)
(1) The shape of isotropic graphite having an open porosity of 15% (product of Ibiden, ET-10) was processed to prepare a porous graphite plate having the shape of a flat plate-like PEFC separator having a thickness of 1 mm.
Subsequently, the outer peripheral portion of the porous graphite plate was impregnated with resin, and the resin was heated and cured to produce a PEFC separator.
(2) A PEFC composed of 2 cells was produced in the same manner as in Example 1 except that the PEFC separator produced in (1) was used.
[0097]
(Comparative Example 2)
The treatment time when oxidizing a flat porous graphite plate having a thickness of 5 mm made of isotropic graphite (Ibiden, ET-10) having an open porosity of 15% in nitric acid having a concentration of 61% was 30 minutes. Except for this, a PEFC consisting of two cells was produced in the same manner as in Example 1.
[0098]
(Comparative Example 3)
A PEFC separator was produced in the same manner as in Example 3 except that the polymerization time represented by the reaction formula (4) was 1 hour.
[0099]
(Water permeability evaluation test)
As the plate-like test pieces used for the evaluation of Examples 1 and 2 and Comparative Example 2, the porous graphite plate having a thickness of 5 mm after the oxidation treatment in Examples 1 and 2 and Comparative Example 2 was used. And as a plate-shaped test piece used for evaluation of Comparative Example 3, a porous graphite plate having a thickness of 5 mm in which a gel-like hydrophilic substance was formed on the surface in Examples 3, 4 and Comparative Example 3 was used. As a plate-shaped test piece used in the evaluation of 5, a porous graphite plate produced by CIP molding in Example 5 was used, and as a plate-shaped test piece used in the evaluation of Comparative Example 1, an isotropic porosity of 15% was used. A water permeability evaluation test was performed using a 5 mm thick plate-like body made of graphite (Ibiden, ET-10).
In the water permeability evaluation test, after the plate-shaped test piece was dried at 120 ° C. for 1 hour, 0.02 ml of pure water was dropped on the surface of the plate-shaped test piece with a microsyringe. The measurement was carried out by measuring the permeation time (penetration time).
The results are shown in Table 1.
[0100]
(Battery characteristics test)
For PEFCs according to Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 3, hydrogen inlet pressure: 0.05 MPa, air inlet pressure: 0.05 MPa, cell operating temperature: 80 ° C., hydrogen gas humidifier on the anode side A current density of 1 A using an electronic load and a DC power source under the conditions of a set temperature: 80 ° C., a cathode side air humidifier set temperature: 80 ° C., a hydrogen utilization rate: 70%, and an oxygen utilization rate: 40%. / Cm 2 After 3 hours of constant current driving, the open circuit voltage was measured, and then the current density was 1 A / cm. 2 The inter-terminal voltage per cell after 30 minutes of energization, and 2 A / cm 2 Then, the voltage between terminals per cell after energization for 30 minutes was measured, and the current-voltage characteristics were confirmed.
The results are shown in Table 1.
[0101]
[Table 1]
[0102]
As shown in Table 1, it is possible to shorten the permeation time in the water permeability evaluation test of the obtained porous carbon material by lengthening the oxidation treatment time and the polymerization time for forming the hydrophilic substance. did it. In addition, the shorter the permeation time in the water permeability evaluation test of the porous carbon material that constitutes the PEFC separator, the better the PEFC has better current-voltage characteristics, and the higher the voltage between the terminals of the cell even after energization at a high current density It was.
[0103]
【The invention's effect】
The hydrophilic porous carbon material of the first aspect of the present invention is made hydrophilic by oxidizing a porous carbon material that is inherently hydrophobic, and is excellent in water permeability.
The hydrophilic porous carbon material according to the second aspect of the present invention is made hydrophilic by forming a hydrophilic substance on the surface and pores of the porous carbon material which is inherently hydrophobic, and is permeable to water. Excellent.
The hydrophilic porous carbon material of the third aspect of the present invention is hydrophilic by forming a hydrophilic material on the surface and pores of the porous carbon material which is inherently hydrophobic by mixing a binder made of a hydrophilic material. The water permeability is excellent.
[0104]
Since the separator for PEFC of the present invention using the hydrophilic porous carbon material of the first, second and third inventions is made of a hydrophilic constituent material, the movement of moisture in the separator is easy. Therefore, in the PEFC separator of the present invention, the moisture generated in the air electrode can be reduced to the outside of the cell together with the exhaust gas, and the proportion supplied to the fuel electrode of the adjacent cell can be increased. Even when operated at a high output, the solid polymer electrolyte membrane does not dry and the electrical resistance does not increase, and a decrease in output can be suppressed. Further, even if the pore volume in the separator is reduced, it is possible to smoothly move the moisture in the separator, so that a high-strength PEFC separator that is not damaged by gas pressure can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view schematically showing the structure of a single cell constituting a PEFC.
FIG. 2 (a) is a cross-sectional view schematically showing an example of a PEFC separator using the hydrophilic porous carbon material of the first present invention. (B) is the top view which looked at an example of the separator for PEFC typically shown to (a).
FIG. 3 (a) is an exploded perspective view schematically showing another example of a separator for PEFC using the hydrophilic porous carbon material of the first present invention. (B) is the top view which looked at another example of the separator for PEFC typically shown to (a).
[Explanation of symbols]
10 single cells
11 Solid polymer electrolyte membrane
12 Air electrode
13 Fuel electrode
20, 30, 40 PEFC separator
21, 31, 41, 51 Fuel gas groove
22, 32, 42, 52 Air groove
23, 33, 43, 53, 54 Fuel gas hole
24, 34, 44, 55, 56 Air holes
49 First plate-like member
50 Second plate-shaped member
57 Cooling water groove
58, 59 Cooling water hole
Claims (2)
ジビニルベンゼン及び酢酸ビニルを前記多孔質炭素材に含浸する工程、
前記多孔質炭素材中に含浸させた状態で前記ジビニルベンゼンと前記酢酸ビニルとを共重合させて前記多孔質炭素材の表面及び気孔内部に共重合体を形成する工程、並びに、
前記共重合体を鹸化する工程を有する
ことを特徴とする親水性多孔質炭素材の製造方法。 Water permeation in which 0.02 ml of pure water is dropped on the surface of a 5 mm thick plate-like test piece formed by forming a gel-like hydrophilic substance on the surface of the porous carbon material and inside the pores and drying at 120 ° C. for 1 hour. In a property evaluation test, a method for producing a hydrophilic porous carbon material having a property that 0.02 ml of the pure water completely penetrates within 5 minutes ,
Impregnating the porous carbon material with divinylbenzene and vinyl acetate;
Forming a copolymer on the inside surface and pores of the porous carbon material wherein a porous state of being immersed in a carbon material in said divinylbenzene and the vinyl acetate were copolymerized, and,
A method for producing a hydrophilic porous carbon material, comprising a step of saponifying the copolymer.
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