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JP4350580B2 - 建築用木材の継合具 - Google Patents

建築用木材の継合具 Download PDF

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JP4350580B2
JP4350580B2 JP2004115789A JP2004115789A JP4350580B2 JP 4350580 B2 JP4350580 B2 JP 4350580B2 JP 2004115789 A JP2004115789 A JP 2004115789A JP 2004115789 A JP2004115789 A JP 2004115789A JP 4350580 B2 JP4350580 B2 JP 4350580B2
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Description

本発明は、例えば、梁や胴差しなどの建築用横材と、この横材に対して立設若しくは垂設する柱などの建築用縦材とを直角に継合する建築用木材の継合具に関するものである。
木造建築の軸組構造において、建築用横材(梁や胴差しなど)と建築用縦材(柱材など)とを継合するための方法は、例えば、短冊金物と称される細長い平らな金物を使用し、直角に配した建築用横材と建築用縦材との隣接面間にこの短冊金物を架け渡して釘打ちしたりボルト止したりすることで継合する方法や、パイプ体の底部に建築用横材に対して当接する鍔部を設けると共に、このパイプ体に係止ピンを貫通係止するピン係止孔を複数形成した継合具(特許文献1)を使用し、パイプ体を建築用横材に上下貫通形成した貫通孔に貫通させて鍔部を横材の底面に当接すると共に、パイプ体の上端部を建築用縦材の端部に形成した被嵌孔に嵌挿した上、この建築用縦材及び前記建築用横材の側方から複数の前記係止ピンを前記ピン係止孔に打ち込んで挿通係止することで、建築用横材と建築用縦材とを直角に継合する方法などが実施されている。
特開平9−250176号公報
本発明は、上記特許文献1とは異なる構成であって、建築用横材と建築用縦材の継合連結強度が非常に高く、尚且つ継合施工作業も容易に行うことができる画期的な建築用木材の継合具を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
木製の建築用横材1と、端部に仕口部2Aを設けた木製の建築用縦材2とを直角若しくは傾斜状態に継合する建築用木材の継合具であって、前記建築用横材1に上下貫通状態に設けた貫通孔1Aに貫通止着する貫通止着部3と、前記建築用縦材2の前記仕口部2Aに装着する継合部4とを備え、前記貫通止着部3は、前記貫通孔1Aに挿通する二本以上の連結杆8と、この連結杆8の両端部に設けられるものであって,建築用横材1の上面と下面に当接し得る固定体7とから成り、前記連結杆8を前記貫通孔1Aに貫通すると共に、この貫通孔1Aに存する連結杆8の両端部の前記固定体7を建築用横材1の上面と下面に当接せしめることで、この貫通止着部3を建築用横材1に対して貫通止着し得るように構成し、この連結杆8の両端部に設けられる前記各固定体7のいずれか一方若しくは双方に前記継合部4を設け、この継合部4は、平面視略十文字状をなす板状体で構成して、この継合部4を、前記建築用縦材2の端部に略十文字状のスリット2Aを形成することで構成した前記仕口部2Aに嵌挿し得るように構成し、この継合部4に、係止ピン5を挿通係止するピン係止孔6を設けて、この継合部4に前記建築用縦材2の前記仕口部2Aを装着すると共に、建築用縦材2の端部に設けたピン通し孔2Bより前記係止ピン5を挿通して前記ピン係止孔6に係止することで、この継合部4に建築用縦材2を継合連結し得るように構成し、この継合部4が設けられる前記固定体7は、この固定体7に形成した止着孔7Aに止着ボルト9を挿通してこの止着ボルト9を前記各連結杆8の端部に螺着固定することで連結杆8の端部に設けられる構成とし、この止着ボルト9により各連結杆8の端部に固定される固定体7に、間隔を置いて取付板12を付設すると共に、この取付板12に前記止着孔7Aに対応させて差込孔12Aを形成して、この差込孔12Aから止着ボルト9を止着孔7Aに挿通して各連結杆8の端部に螺着固定すると、止着ボルト9のボルト頭部が取付板12と固定体7との間の間隔に埋没状態となる構成とし、二本以上の前記各連結杆8の端部を、前記固定体7の中心部を避けるようにしてこの固定体7に連設若しくは螺着固定して、この二本以上の連結杆8を前記建築用横材1の貫通孔1Aに嵌挿した際に、この二本以上の連結杆8間の建築用横材1位置に取付具10を貫通装着し得るように構成し、この取付具10により建築用横材1に他の木材継合具11を固定し得るようにしたことを特徴とする建築用木材の継合具に係るものである。
また、前記各固定体7を板状に形成すると共に、この板状の各固定体7は前記連結杆8の両端部に対して一側板面が接するようにして設け、この各固定体7のいずれか一方若しくは双方の他側板面に、前記継合部4を突設したことを特徴とする請求項1記載の建築用木材の継合具に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、簡易な施工作業により本発明品を介して建築用縦材と前記建築用横材とを直角若しくは斜設状態に継合することができ、しかも、この際貫通止着部は、連結杆が建築用横材を上下方向に貫通すると共にこの連結杆の両端部の固定体が建築用横材を上下から挟み込むようにして強固に止着されるために、この貫通止着部と建築用横材との止着連結強度は非常に高く、従って本発明品を介して継合連結される建築用横材と建築用縦材との継合連結強度が非常に強固となるなど、極めて実用性に秀れた画期的な建築用木材の継合具となる。
また、本発明の継合部は、単に板材を略十文字状に形成することによって構成可能であり、尚且つ仕口部についても、単に建築用縦材の端部に略十文字状のスリットを形成するだけで構成できるので、この継合部並びに仕口部をコスト安にして簡易に設計実現可能となり、しかも、継合部をスリットに装着するだけで、継合部に対して建築用縦材がほとんど横ズレしない状態となるので、その後にピン係止孔とピン通し孔とを位置合せする作業も、係止ピンを打ち込む作業も簡易に行われる上、この係止ピンを打ち込むことによる継合連結後の連結強度も極めて強固となる。
また、本発明においては、貫通止着部と建築用横材との止着連結強度が一層向上するため、本発明品を介して継合連結される建築用木材と建築用縦材との継合連結強度が一層強固となり、しかも、建築用柱材と同一縦平面上に存し且つ建築用横材の長さ方向と直交する方向に配する他の横材若しくは斜設材を建築用横材に継合連結する軸組構造とすることも容易に可能となるなど、一層実用性に秀れた構成の建築用木材の継合具となる。
また、本発明においては、止着ボルトを各連結杆の端部に螺着固定することで固定体を各連結杆の端部に設けた際に止着ボルトのボルト頭部が取付板と固定体との間の間隔に埋没状態となるように構成したため、止着ボルトのボルト頭部が建築用縦材の端部に接触することで傷付くことを防止できると共に、取付板に対して建築用縦材の端部を面接当接させて安定的に継合連結できることとなる。
また、請求項記載の発明においては、前記作用・効果を発揮する本発明の建築用木材継合具を簡易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
連結杆8を建築用横材1の貫通孔1Aに貫通すると共に、この連結杆8の両端部に設けられる各固定体7を建築用横材1の上面と下面に当接せしめることで、貫通止着部3を建築用横材1に対して貫通止着することができる。
また、継合部4に建築用縦材2の前記仕口部2Aを装着し、ピン係止孔6と建築用縦材2の端部に設けたピン通し孔2Bとを位置合せした上、このピン通し孔2Bより係止ピン5を打ち込むなどしてピン係止孔6に挿通係止することで、この継合部4に対して建築用縦材2を連結固定することができる。
従って、単に、上記のようにして建築用横材1の貫通孔1Aに貫通止着部3を貫通止着すると共に、上記のようにして継合部4に前記建築用縦材2の前記仕口部2Aを連結固定するだけの施工作業により、本発明品を介して建築用縦材2と前記建築用横材1とが直角若しくは斜設状態に継合することになる。
また、この際、貫通止着部3は、連結杆8が建築用横材1を上下方向に貫通した状態となると共に、この連結杆8の両端部に設けられた固定体7が建築用横材1を上下から挟み込むようにして強固に止着されるために、この貫通止着部3と建築用横材1との止着連結強度が非常に高く、従って本発明品を介して継合連結される建築用横材1と建築用縦材2との継合連結強度は非常に強固なものとなる。
また、例えば、前記連結杆8の両端部に設けられる前記各固定体7の少なくとも一方は、この連結杆8の端部に止着具9により連結固定することで連結杆8の端部に設けられる構成とすれば、建築用横材1の貫通孔1Aに対して簡易に貫通止着し得る貫通止着部3の構成を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、一層実用的となる。
また、例えば、前記各固定体7を板状に形成すると共に、この板状の各固定体7は前記連結杆8の両端部に対して一側板面が接するようにして設け、この各固定体7のいずれか一方若しくは双方の他側板面に、前記継合部4を突設すれば、前記作用・効果を発揮する本発明の建築用木材継合具を簡易に設計実現可能となる。
また、例えば、前記貫通止着部3は、二本以上の前記連結杆8と、この各連結杆8の両端部に設けられる前記固定体7とから成る構成とすれば、二本以上の連結杆8が前記建築用横材1を貫通して各連結杆8が固定体7に連結固定されることにより、貫通止着部3と建築用横材1との貫通止着連結強度が一層向上し、従って本発明品を介して継合連結される建築用木材1と建築用縦材2との継合連結強度が一層強固となる。
また、例えば、二本以上の前記各連結杆8の両端部を、前記固定体7の中心部を避けるようにしてこの固定体7に連設若しくは連結固定して、この二本以上の連結杆8を前記建築用横材1の貫通孔1Aに嵌挿した際に、この二本以上の連結杆8間の建築用横材1位置に取付具10を貫通装着し得るように構成し、この取付具10により建築用横材1に他の木材継合具11を固定し得るようにすれば、二本以上の連結杆8により、貫通止着部3と建築用横材1との止着連結強度が一層向上することになり、しかも、固定体7の中心部を避けるようにしてこの固定体7に連設若しくは連結固定される二本以上の連結杆8間には隙間が形成されるため、この二本以上の連結杆8間の建築用横材1位置に取付具10を貫通装着して、この取付具10により建築用横材1に他の木材継合具11を固定することが簡易に設計実現可能となり、これにより例えば、この木材継合具11を利用して、建築用柱材2と同一縦平面上に存し且つ建築用横材1の長さ方向と直交する方向に配する他の横材14若しくは斜設材を建築用横材1に継合連結する軸組構造とすることも可能となるなど、一層実用的となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例では、主に家屋の二階以上に配設される梁材や胴差しなどの建築用横材1と、この建築用横材1に対して立設状態或いは垂設状態に建築用柱材2(柱材)を継合連結することに適した建築用木材の継合具としている。
本実施例は、前記建築用横材1に上下貫通状態に設けた貫通孔1Aに貫通止着する貫通止着部3と、前記建築用縦材2の端部に設けた前記仕口部2Aに装着する継合部4とを備えている。
具体的には、前記貫通止着部3は、図1に示すように、前記貫通孔1Aに挿通する連結杆8と、この連結杆8の両端部に止着具9により連結固定されて建築用横材1の上面と下面に当接し得る固定体7とから成り、前記連結杆8を前記貫通孔1Aに貫通すると共に、この貫通孔1Aに存する連結杆8の両端部に前記固定体7を止着具9により連結固定して夫々の固定体7を建築用横材1の上面と下面に当接せしめることで、この貫通止着部3を建築用横材1に対して貫通止着し得るように構成している。
更に詳しくは、連結杆8は、建築用横材1の上下幅と略同じ長さを有するかまたは建築用横材1の上下幅よりもやや短い長さを有する金属製のストレートパイプを二本採用している。
固定体7は、建築用横材1の上下面にしっかりと当接(面接)して、貫通孔1A内に嵌挿した連結杆8を強固な抜け止め状態に止着固定保持できる平面視略正方形の板状体を採用している。
また、この連結杆8と固定体7との連結固定構造は、連結杆8の両端部内面に雌ネジ8Aを形成する一方、固定体7の四隅のうちの対向する二隅に止着孔7Aを形成し、この雌ネジ8Aと止着孔7Aとを位置合せした上、固定体7の外側から前記止着具9としての止着ボルト9を雌ネジ8Aに螺着することで、連結杆8の両端部に固定体7を連結固定できる構造としている。
尚、本実施例では、連結杆8に対して二体の固定体7を双方共別体とし、この二体の固定体7を止着具9によって連結杆8に連結固定する構造を示したが、各固定体7のいずれか一方だけが連結杆8と別体で、この別体の固定体7が連結杆8の端部に止着具9により連結固定する構成としても良い。即ち、いずれか一方の固定体7が連結杆8と一体的に形成される構成でも良い。
本実施例では、この連結杆8の両端部に連結固定する前記固定体7のいずれか一方若しくは双方に前記継合部4を設けている。
具体的には、板状の固定体7は、前記連結杆8の両端部に対して一側板面が接するようにして連設若しくは連結固定し、この固定体7の他側板面(連結杆8が存する側と反対側の板面)に継合部4を設けている。
また、固定体7は、継合部4が設けられるものと、継合部4を有しないものとの二種類を用意し、後述するように施工目的に応じて継合部4を有しないものも使用する。
また、継合部4は、固定体7と略同形状の取付板12に突設され、この取付板12を固定体7の他側板面に対して付設することで、この固定体7の他側板面に継合部4を突設した構成としている。
また、この取付板12は、固定体7の他側板面に対して、前記止着ボルト9のボルト頭部の高さ幅と略同幅,若しくはボルト頭部の高さ幅よりも広幅となる間隔を置いて付設すると共に、この取付板12の二隅部には前記止着孔7Aに対応させて工具差込孔12Aを貫通形成している。即ち、取付板12の外側から工具差込孔12Aを介して止着孔7Aに止着ボルト9を挿通させ、この止着ボルト9を工具差込孔12Aから差し込んだ工具で螺着操作することにより止着ボルト9を雌ネジ8Aに螺着できると共に、この際ボルト頭部が取付板12と固定体7との間に埋没状態となる構成としているもので、これにより螺着後の止着ボルト9のボルト頭部がこの取付板12よりも外方へ突出せず、ボルト頭部が建築用縦材2の端部に接触することで傷付くことを防止できる共に、取付板12に対して建築用縦材2の端部をぴったりと面接当接させて安定的に継合連結できるようにしている。
また、この継合部4について更に説明すると、取付板12の板面と直交する方向に突設する板状体に構成している。
更に詳しくは、図1において、平面より見て略十文字状をなす板状体を前記取付板12上に立設した構成とし、一方、前記建築用縦材2の端部には、この継合部4を嵌挿し得る略十文字状のスリット2Aを形成して前記仕口部2Aを構成している。
また、この継合部4には、係止ピン5を挿通係止するピン係止孔6を複数設け、一方、建築用縦材2の端部には、ピン係止孔6に対応させてピン通し孔2Bを複数設け、この継合部4に建築用縦材2の前記仕口部2Aを装着すると共に、ピン通し孔2Bより前記係止ピン5を挿通して前記ピン係止孔6に打ち込み係止することで、この継合部4に建築用縦材2を継合連結し得るように構成している。
従って、本実施例の継合部4は、単に板材を略十文字状に形成することによって構成可能であり、尚且つ仕口部2Aについても、単に建築用縦材2の端部に略十文字状のスリット2Aを形成するだけで構成できるので、この継合部4並びに仕口部2Aをコスト安にして簡易に設計実現可能となり、しかも、継合部4をスリット2Aに装着するだけで、継合部4に対して建築用縦材2がほとんど横ズレしない状態となるので、その後にピン係止孔6とピン通し孔2Bとを位置合せする作業も、係止ピン5を打ち込む作業も簡易に行われる上、この係止ピン5を打ち込むことによる継合連結後の連結強度も極めて強固となる構成としている。
また、本実施例では、前記建築用横材1の上面若しくは下面に当接し得る前記固定体7の中心部を避けるようにしてこの固定体7に二本の前記連結杆8を連結固定し得るように構成すると共に、この二本の連結杆8を前記建築用横材1の貫通孔1Aに嵌挿した際に、この二本の連結杆8間の建築用横材1位置に取付具10を貫通装着し得るように構成し、この取付具10により建築用横材1に他の木材継合具11を固定し得るようにしている。
具体的には、前記したように、止着孔7Aを固定体7の中心部を避けて、隅部(対向する二隅)に形成したことで、この固定体7と連結固定する連結杆8が固定体7中心部を避けて配設するように構成している。
一方、建築用横材1には、このように配設される複数(二本)の連結杆8に対応させて
貫通孔1Aが複数箇所(二箇所)に上下貫通状態に形成すると共に、固定体7の対向する一方の二辺が建築用横材1の左右面と略平行状態でこの建築用横材1の上面若しくは下面に当接することとなるように貫通孔1Aの形成位置を設定構成している。
従って、この二箇所の貫通孔1Aに二本の連結杆8を嵌挿すると、図7に示すようにこの二本の連結杆8間(二箇所の貫通孔1A間)には建築用横材1の長さ方向と直交する方向に隙間が生じることになるので、本実施例では、この二本の連結杆8間の隙間部位に、この建築用横材1の長さ方向と直交する方向に沿って前記取付具10としての取付ボルト10を挿通し得る挿通孔13を貫通形成している。
そして、図5では、この挿通孔13に挿通した取付ボルト10により他の木材継合具11を建築用横材1の左右いずれかの側面に突設状態に取付固定した場合を示し、図6,図7では、この木材継合具11を利用して建築用横材1の長さ方向と直交する方向に且つ前記継合部4に継合した建築用柱材2と同一縦平面上に存するようにして他の横材14を建築用横材1に継合連結した場合を示している。
次に、図2〜図5を用いて本実施例の具体的な施工手順を説明する。
尚、この図2〜図5では、建築用横材1の上面に対して建築用縦材を直角に(立設状態に)継合連結する場合の本継合具の構成を示しているもので、具体的には、建築用横材1に前記貫通止着部3を貫通止着した際、建築用横材1の下面には継合部4のない固定体7を連結固定し、建築用横材1の上面には継合部4を付設した固定体7を連結固定して施工する場合である。
例えば、予め、継合部4を付設していない固定体7に止着ボルト9によって二本の連結杆8を立設状態に連結固定し、この二本の連結杆8を建築用横材1の二箇所の貫通孔1Aに貫通すると共に、固定体7を建築用横材1の下面に当接させる(図2,図3参照)。
続いて、建築用横材1の上面に、継合部4を付設した別の固定体7を載置当接すると共に、止着孔7Aと連結杆8の雌ネジ8A(貫通孔1A)とを位置合わせし、工具差込孔12Aを介してこの止着孔7Aの外側から止着ボルト9を雌ネジ8Aに螺着することで、貫通止着部3の連結杆8が建築用横材1を上下方向に貫通した状態であって、且つこの連結杆8の両端部に連結固定した固定体7が建築用横材1を上下から挟み込むようにして本継合具が建築用横材1に止着される(図3,図4参照)。
尚、例えば、予め継合部4を付設した固定体7に止着ボルト9によって二本の連結杆8を垂設状態に連結固定したものを建築用横材1の二箇所の貫通孔1Aに貫通させてから、連結杆8の下端に継合部4のない固定体7を連結固定するようにしても良いし、連結杆8を貫通孔1Aに嵌挿してから、この連結杆8の上端と下端とに順不同で各固定体7を連結固定しても良い。
次いで、継合部4に建築用縦材2の前記スリット2Aを装着し、ピン係止孔6と建築用縦材2の端部に設けたピン通し孔2Bとを位置合せした上、このピン通し孔2Bより係止ピン5を挿通してピン係止孔6に打ち込み係止することで、この継合部4に対して建築用縦材2を連結固定することができ、結果、本継合具を介して建築用横材1と建築用縦材2とが直角に継合連結される(図4,図5参照)。
尚、先に継合部4に建築用縦材2を継合連結してから、貫通止着部3を建築用横材1に貫通止着する手順でも良いが、本実施例のように貫通止着部3を建築用横材1に貫通止着してから、継合部4に建築用縦材2を継合連結する手順の方が、作業性が良好である。
また、図5では、建築用横材1の下面に対して建築用縦材1を垂設状態に継合連結した場合も示しており、この場合、建築用横材1の上面に当接する固定体7は継合部4のないものを使用し、下面に当接する固定体7は継合部4のあるものを使用、即ち、図2〜図4で示した各固定体7を上下逆に使用して施工すれば良い。
また、図8は、建築用横材1の上面と下面の双方に建築用縦材1を継合連結する場合を示しているもので、この場合には、建築用横材1の上下面に面接当接する各固定体7を、双方共継合部4のあるものを使用して施工すれば良い。
尚、本実施例では、建築用横材1と建築用縦材2とを直角に継合連結し得るように構成した場合を示したが、建築用縦材2を建築用横材1に対して斜設状態に継合連結することができるように継合部4を構造変更するなどしても良い。
また、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例を示す分解斜視図である。 本実施例の連結杆の一端(下端)部に固定体を連結固定し、この連結杆を建築用横材の下方から貫通孔に嵌挿しようとする状態を示す説明斜視図である。 図2の状態から、建築用横材の貫通孔に嵌挿した連結杆の他端(上端)部に継合部を付設した固定体を位置合わせしてこの固定体を建築用横材の上面に止着具により止着固定しようとする状態を示す説明斜視図である。 図3の状態から、建築用横材の上面に固定された継合部に建築用縦材の仕口部を装着して係止ピンにより継合連結しようとする状態を示す説明斜視図である。 本実施例の施工完了状態並びに、建築用横材に他の木材継合具を固定した状態を示す説明斜視図である。 図5の他の木材継合具を利用して建築用横材に他の横材を継合連結した状態を示す説明側断面図である。 図6の説明平断面図である。 建築用横材の上面と下面の双方に建築用縦材を連結する場合を示す説明斜視図である。
1 建築用横材
1A 貫通孔
2 建築用縦材
2A 仕口部(スリット)
2B ピン通し孔
3 貫通止着部
4 継合部
5 係止ピン
6 ピン係止孔
7 固定体
7A 止着孔
8 連結杆
9 止着具(止着ボルト)
10 取付具
11 継合具
12 取付板
12A 差込孔

Claims (2)

  1. 木製の建築用横材と、端部に仕口部を設けた木製の建築用縦材とを直角若しくは傾斜状態に継合する建築用木材の継合具であって、前記建築用横材に上下貫通状態に設けた貫通孔に貫通止着する貫通止着部と、前記建築用縦材の前記仕口部に装着する継合部とを備え、前記貫通止着部は、前記貫通孔に挿通する二本以上の連結杆と、この連結杆の両端部に設けられるものであって,建築用横材の上面と下面に当接し得る固定体とから成り、前記連結杆を前記貫通孔に貫通すると共に、この貫通孔に存する連結杆の両端部の前記固定体を建築用横材の上面と下面に当接せしめることで、この貫通止着部を建築用横材に対して貫通止着し得るように構成し、この連結杆の両端部に設けられる前記各固定体のいずれか一方若しくは双方に前記継合部を設け、この継合部は、平面視略十文字状をなす板状体で構成して、この継合部を、前記建築用縦材の端部に略十文字状のスリットを形成することで構成した前記仕口部に嵌挿し得るように構成し、この継合部に、係止ピンを挿通係止するピン係止孔を設けて、この継合部に前記建築用縦材の前記仕口部を装着すると共に、建築用縦材の端部に設けたピン通し孔より前記係止ピンを挿通して前記ピン係止孔に係止することで、この継合部に建築用縦材を継合連結し得るように構成し、この継合部が設けられる前記固定体は、この固定体に形成した止着孔に止着ボルトを挿通してこの止着ボルトを前記各連結杆の端部に螺着固定することで連結杆の端部に設けられる構成とし、この止着ボルトにより各連結杆の端部に固定される固定体に、間隔を置いて取付板を付設すると共に、この取付板に前記止着孔に対応させて差込孔を形成して、この差込孔から止着ボルトを止着孔に挿通して各連結杆の端部に螺着固定すると、止着ボルトのボルト頭部が取付板と固定体との間の間隔に埋没状態となる構成とし、二本以上の前記各連結杆の端部を、前記固定体の中心部を避けるようにしてこの固定体に連設若しくは螺着固定して、この二本以上の連結杆を前記建築用横材の貫通孔に嵌挿した際に、この二本以上の連結杆間の建築用横材位置に取付具を貫通装着し得るように構成し、この取付具により建築用横材に他の木材継合具を固定し得るようにしたことを特徴とする建築用木材の継合具。
  2. 前記各固定体を板状に形成すると共に、この板状の各固定体は前記連結杆の両端部に対して一側板面が接するようにして設け、この各固定体のいずれか一方若しくは双方の他側板面に、前記継合部を突設したことを特徴とする請求項1記載の建築用木材の継合具。
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