〔ネットワークシステムおよび情報処理装置の基本的構成:図1〜図4〕
図1は、この発明のネットワークシステムの一例を示し、ネットワーク9を介して複数の情報処理装置1、2、3、4が接続されたものである。
(情報処理装置および情報処理コントローラ)
情報処理装置1について示すと、情報処理装置1は、コンピュータ機能部として情報処理コントローラ11を備える。情報処理コントローラ11は、メインプロセッサ21−1、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)25−1およびDC(ディスクコントローラ)27−1を有する。
メインプロセッサ21−1は、サブプロセッサ23−1,23−2,23−3によるプログラム実行(データ処理)のスケジュール管理と、情報処理コントローラ11(情報処理装置1)の全般的な管理とを行う。ただし、メインプロセッサ21−1内で管理のためのプログラム以外のプログラムが動作するように構成することもできる。その場合には、メインプロセッサ21−1はサブプロセッサとしても機能することになる。メインプロセッサ21−1は、LS(ローカルストレージ)22−1を有する。
サブプロセッサは、1つでもよいが、望ましくは複数とする。この例は、複数の場合である。
各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3は、メインプロセッサ21−1の制御によって並列的かつ独立に、プログラムを実行し、データを処理する。さらに、場合によってメインプロセッサ21−1内のプログラムがサブプロセッサ23−1,23−2,23−3内のプログラムと連携して動作するように構成することもできる。後述する機能プログラムもメインプロセッサ21−1内で動作するプログラムである。各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3も、LS(ローカルストレージ)24−1,24−2,24−3を有する。
DMAC25−1は、情報処理コントローラ11に接続されたDRAM(ダイナミックRAM)などからなるメインメモリ26−1に格納されているプログラムおよびデータにアクセスするものであり、DC27−1は、情報処理コントローラ11に接続された外部記録部28−1,28−2にアクセスするものである。
外部記録部28−1,28−2は、固定ディスク(ハードディスク)でも、リムーバブルディスクでもよく、また、MO,CD±RW,DVD±RWなどの光ディスク、メモリディスク、SRAM(スタティックRAM)、ROMなど、各種のものを用いることができる。したがって、DC27−1は、ディスクコントローラと称するが、外部記録部コントローラである。
図1の例のように、情報処理コントローラ11に対して外部記録部28を複数接続できるように、情報処理コントローラ11を構成することができる。
メインプロセッサ21−1、各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3、DMAC25−1およびDC27−1は、バス29−1によって接続される。
情報処理コントローラ11には、当該の情報処理コントローラ11を備える情報処理装置1をネットワーク全体を通して一意的に識別できる識別子が、情報処理装置IDとして割り当てられる。
メインプロセッサ21−1および各サブプロセッサ23−1,23−2,23−3に対しても同様に、それぞれを特定できる識別子が、メインプロセッサIDおよびサブプロセッサIDとして割り当てられる。
情報処理コントローラ11は、ワンチップIC(集積回路)として構成することが望ましい。
他の情報処理装置2、3、4も、同様に構成される。ここで、親番号が同一であるユニットは枝番号が異なっていても、特に断りがない限り同じ働きをするものとする。また、以下の説明において枝番号が省略されている場合には、枝番号の違いにいる差異を生じないものとする。
(各サブプロセッサからメインメモリへのアクセス)
上述したように、1つの情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23は、独立にプログラムを実行し、データを処理するが、異なるサブプロセッサがメインメモリ26内の同一領域に対して同時に読み出しまたは書き込みを行った場合には、データの不整合を生じ得る。そこで、サブプロセッサ23からメインメモリ26へのアクセスは、以下のような手順によって行う。
図2(A)に示すように、メインメモリ26は、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、データの状態を示す情報を格納するための追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、F/Eビット、サブプロセッサIDおよびLSアドレス(ローカルストレージアドレス)を含むものとされる。また、各メモリロケーションには、後述のアクセスキーも割り振られる。F/Eビットは、以下のように定義される。
F/Eビット=0は、サブプロセッサ23によって読み出されている処理中のデータ、または空き状態であるため最新データではない無効データであり、読み出し不可であることを示す。また、F/Eビット=0は、当該メモリロケーションにデータ書き込み可能であることを示し、書き込み後に1に設定される。
F/Eビット=1は、当該メモリロケーションのデータがサブプロセッサ23によって読み出されておらず、未処理の最新データであることを示す。当該メモリロケーションのデータは読み出し可能であり、サブプロセッサ23によって読み出された後に0に設定される。また、F/Eビット=1は、当該メモリロケーションがデータ書き込み不可であることを示す。
さらに、上記F/Eビット=0(読み出し不可/書き込み可)の状態において、当該メモリロケーションについて読み出し予約を設定することは可能である。F/Eビット=0のメモリロケーションに対して読み出し予約を行う場合には、サブプロセッサ23は、読み出し予約を行うメモリロケーションの追加セグメントに、読み出し予約情報として当該サブプロセッサ23のサブプロセッサIDおよびLSアドレスを書き込む。
その後、データ書き込み側のサブプロセッサ23によって、読み出し予約されたメモリロケーションにデータが書き込まれ、F/Eビット=1(読み出し可/書き込み不可)に設定されたとき、あらかじめ読み出し予約情報として追加セグメントに書き込まれたサブプロセッサIDおよびLSアドレスに読み出される。
複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、このように各メモリロケーションのデータの読み出し/書き込みを制御することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサ23が、処理済みのデータをメインメモリ26上の所定のアドレスに書き込んだ後に即座に、後段階の処理を行う別のサブプロセッサ23が前処理後のデータを読み出すことが可能となる。
図2(B)に示すように、各サブプロセッサ23内のLS24も、複数のアドレスを指定できるメモリロケーションによって構成される。各メモリロケーションに対しては、同様に追加セグメントが割り振られる。追加セグメントは、ビジービットを含むものとされる。
サブプロセッサ23がメインメモリ26内のデータを自身のLS24のメモリロケーションに読み出すときには、対応するビジービットを1に設定して予約する。ビジービットが1であるメモリロケーションには、他のデータは格納することができない。LS24のメモリロケーションに読み出し後、ビジービットは0になり、任意の目的に使用できるようになる。
図2(A)に示すように、さらに、各情報処理コントローラと接続されたメインメモリ26には、複数のサンドボックスが含まれる。サンドボックスは、メインメモリ26内の領域を画定するものであり、各サンドボックスは、各サブプロセッサ23に割り当てられ、そのサブプロセッサが排他的に使用することができる。すなわち、各々のサブプロセッサ23は、自身に割り当てられたサンドボックスを使用できるが、この領域を超えてデータのアクセスを行うことはできない。
メインメモリ26は、複数のメモリロケーションから構成されるが、サンドボックスは、これらのメモリロケーションの集合である。
さらに、メインメモリ26の排他的な制御を実現するために、図2(C)に示すようなキー管理テーブルが用いられる。キー管理テーブルは、情報処理コントローラ内のSRAMのような比較的高速のメモリに格納され、DMAC25と関連付けられる。キー管理テーブル内の各エントリには、サブプロセッサID、サブプロセッサキーおよびキーマスクが含まれる。
サブプロセッサ23がメインメモリ26を使用する際のプロセスは、以下のとおりである。まず、サブプロセッサ23はDMAC25に、読み出しまたは書き込みのコマンドを出力する。このコマンドには、自身のサブプロセッサIDと、使用要求先であるメインメモリ26のアドレスが含まれる。
DMAC25は、このコマンドを実行する前に、キー管理テーブルを参照して、使用要求元のサブプロセッサのサブプロセッサキーを調べる。次に、DMAC25は、調べた使用要求元のサブプロセッサキーと、使用要求先であるメインメモリ26内の図2(A)に示したメモリロケーションに割り振られたアクセスキーとを比較して、2つのキーが一致した場合にのみ、上記のコマンドを実行する。
図2(C)に示したキー管理テーブル上のキーマスクは、その任意のビットが1になることによって、そのキーマスクに関連付けられたサブプロセッサキーの対応するビットが0または1になることができる。
例えば、サブプロセッサキーが1010であるとする。通常、このサブプロセッサキーによって1010のアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスだけが可能になる。しかし、このサブプロセッサキーと関連付けられたキーマスクが0001に設定されている場合には、キーマスクのビットが1に設定された桁のみにつき、サブプロセッサキーとアクセスキーとの一致判定がマスクされ、このサブプロセッサキー1010によってアクセスキーが1010または1011のいずれかであるアクセスキーを持つサンドボックスへのアクセスが可能となる。
以上のようにして、メインメモリ26のサンドボックスの排他性が実現される。すなわち、1つの情報処理コントローラ内の複数のサブプロセッサによってデータを多段階に処理する必要がある場合、以上のように構成することによって、前段階の処理を行うサブプロセッサと、後段階の処理を行うサブプロセッサのみが、メインメモリ26の所定アドレスにアクセスできるようになり、データを保護することができる。
例えば、以下のように使用することが考えられる。まず、情報処理装置の起動直後においては、キーマスクの値は全てゼロである。メインプロセッサ内のプログラムが実行され、サブプロセッサ内のプログラムと連携動作するものとする。第1のサブプロセッサにより出力された処理結果データを一旦メインメモリに格納し、第2のサブプロセッサに入力したいときには、該当するメインメモリ領域は、当然どちらのサブプロセッサからもアクセス可能である必要がある。そのような場合に、メインプロセッサ内のプログラムは、キーマスクの値を適切に変更し、複数のサブプロセッサからアクセスできるメインメモリ領域を設けることにより、サブプロセッサによる多段階的の処理を可能にする。
より具体的には、他の情報処理装置からのデータ→第1のサブプロセッサによる処理→第1のメインメモリ領域→第2のサブプロセッサによる処理→第2のメインメモリ領域、という手順で多段階処理が行われるときには、
第1のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0100、
第1のメインメモリ領域のアクセスキー :0100、
第2のサブプロセッサのサブプロセッサキー:0101、
第2のメインメモリ領域のアクセスキー :0101
のような設定のままだと、第2のサブプロセッサは第1のメインメモリ領域にアクセスすることができない。そこで、第2のサブプロセッサのキーマスクを0001にすることにより、第2のサブプロセッサによる第1のメインメモリ領域へのアクセスを可能にすることができる。
(ソフトウェアセルの生成および構成)
図1のネットワークシステムでは、情報処理装置1、2、3、4間での分散処理のために、情報処理装置1、2、3、4間でソフトウェアセルが伝送される。すなわち、ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、コマンド、プログラムおよびデータを含むソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置に送信することによって、処理を分散することができる。
図3に、ソフトウェアセルの構成の一例を示す。この例のソフトウェアセルは、全体として、送信元ID、送信先ID、応答先ID、セルインターフェース、DMAコマンド、プログラム、およびデータによって構成される。
送信元IDには、ソフトウェアセルの送信元である情報処理装置のネットワークアドレスおよび当該装置内の情報処理コントローラの情報処理装置ID、さらに、その情報処理装置内の情報処理コントローラが備えるメインプロセッサ21および各サブプロセッサ23の識別子(メインプロセッサIDおよびサブプロセッサID)が含まれる。
送信先IDおよび応答先IDには、それぞれ、ソフトウェアセルの送信先である情報処理装置、およびソフトウェアセルの実行結果の応答先である情報処理装置についての、同じ情報が含まれる。
セルインターフェースは、ソフトウェアセルの利用に必要な情報であり、グローバルID、必要なサブプロセッサの情報、サンドボックスサイズ、および前回のソフトウェアセルIDから構成される。
グローバルIDは、ネットワーク全体を通して当該のソフトウェアセルを一意的に識別できるものであり、送信元ID、およびソフトウェアセルの作成または送信の日時(日付および時刻)に基づいて作成される。
必要なサブプロセッサの情報は、当該ソフトウェアセルの実行に必要なサブプロセッサの数が設定される。サンドボックスサイズは、当該ソフトウェアセルの実行に必要なメインメモリ26内およびサブプロセッサ23のLS24内のメモリ量が設定される。
前回のソフトウェアセルIDは、ストリーミングデータなどのシーケンシャルな実行を要求する1グループのソフトウェアセル内の、前回のソフトウェアセルの識別子である。
ソフトウェアセルの実行セクションは、DMAコマンド、プログラムおよびデータから構成される。DMAコマンドには、プログラムの起動に必要な一連のDMAコマンドが含まれ、プログラムには、サブプロセッサ23によって実行されるサブプロセッサプログラムが含まれる。ここでのデータは、このサブプロセッサプログラムを含むプログラムによって処理されるデータである。
さらに、DMAコマンドには、ロードコマンド、キックコマンド、機能プログラム実行コマンド、ステータス要求コマンド、およびステータス返信コマンドが含まれる。
ロードコマンドは、メインメモリ26内の情報をサブプロセッサ23内のLS24にロードするコマンドであり、ロードコマンド自体のほかに、メインメモリアドレス、サブプロセッサIDおよびLSアドレスを含む。メインメモリアドレスは、情報のロード元であるメインメモリ26内の所定領域のアドレスを示す。サブプロセッサIDおよびLSアドレスは、情報のロード先であるサブプロセッサ23の識別子およびLS24のアドレスを示す。
キックコマンドは、プログラムの実行を開始するコマンドであり、キックコマンド自体のほかに、サブプロセッサIDおよびプログラムカウンタを含む。サブプロセッサIDは、キック対象のサブプロセッサ23を識別し、プログラムカウンタは、プログラム実行用プログラムカウンタのためのアドレスを与える。
機能プログラム実行コマンドは、後述のように、ある情報処理装置が他の情報処理装置に対して、機能プログラムの実行を要求するコマンドである。機能プログラム実行コマンドを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラは、後述の機能プログラムIDによって、起動すべき機能プログラムを識別する。機能プログラムについては後述されているが、図6に示される情報処理装置のメインメモリが記憶するソフトウェアの構成図において、機能プログラムのカテゴリに属するプログラムである。機能プログラムはメインメモリにロードされ、メインプロセッサにより実行される。
ステータス要求コマンドは、送信先IDで示される情報処理装置の現在の動作状態(状況)に関する装置情報を、応答先IDで示される情報処理装置宛に送信要求するコマンドである。機能プログラムについては後述するが、図6に示す情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成図において機能プログラムにカテゴライズされるプログラムである。機能プログラムは、メインメモリ26にロードされ、メインプロセッサ21により実行される。
ステータス返信コマンドは、上記のステータス要求コマンドを受信した情報処理装置が、自身の装置情報を当該ステータス要求コマンドに含まれる応答先IDで示される情報処理装置に応答するコマンドである。ステータス返信コマンドは、実行セクションのデータ領域に装置情報を格納する。
図4に、DMAコマンドがステータス返信コマンドである場合におけるソフトウェアセルのデータ領域の構造を示す。
情報処理装置IDは、情報処理コントローラを備える情報処理装置を識別するための識別子であり、ステータス返信コマンドを送信する情報処理装置のIDを示す。情報処理装置IDは、電源投入時、その情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21によって、電源投入時の日時、情報処理装置のネットワークアドレスおよび情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23の数などに基づいて生成される。
情報処理装置種別IDには、当該の情報処理装置の特徴を表す値が含まれる。情報処理装置の特徴とは、例えば、ハードディスクレコーダ、PDA(Personal Digital Assistants)、ポータブルCD(Compact Disc)プレーヤ、PC(Personal Computer)などである。また、情報処理装置種別IDは、映像音声記録、映像音声再生など、情報処理装置の機能を表すものであってもよい。情報処理装置の特徴や機能を表す値は予め決定されているものとし、情報処理装置種別IDを読み出すことにより、当該情報処理装置の特徴や機能を把握することが可能である。
MS(マスター/スレーブ)ステータスは、後述のように情報処理装置がマスター装置またはスレーブ装置のいずれで動作しているかを表すもので、これが0に設定されている場合にはマスター装置として動作していることを示し、1に設定されている場合にはスレーブ装置として動作していることを示す。
メインプロセッサ動作周波数は、情報処理コントローラ内のメインプロセッサ21の動作周波数を表す。メインプロセッサ使用率は、メインプロセッサ21で現在動作している全てのプログラムについての、メインプロセッサ21での使用率を表す。メインプロセッサ使用率は、対象メインプロセッサの全処理能力に対する使用中の処理能力の比率を表した値で、例えばプロセッサ処理能力評価のための単位であるMIPSを単位として算出され、または単位時間あたりのプロセッサ使用時間に基づいて算出される。後述のサブプロセッサ使用率についても同様である。
サブプロセッサ数は、当該の情報処理コントローラが備えるサブプロセッサ23の数を表す。サブプロセッサIDは、当該の情報処理コントローラ内の各サブプロセッサ23を識別するための識別子である。
サブプロセッサステータスは、各サブプロセッサ23の状態を表すものであり、unused,reserved,busyなどの状態がある。unusedは、当該のサブプロセッサが現在使用されてなく、使用の予約もされていないことを示す。reservedは、現在は使用されていないが、予約されている状態を示す。busyは、現在使用中であることを示す。
サブプロセッサ使用率は、当該のサブプロセッサで現在実行している、または当該のサブプロセッサに実行が予約されているプログラムについての、当該サブプロセッサでの使用率を表す。すなわち、サブプロセッサ使用率は、サブプロセッサステータスがbusyである場合には、現在の使用率を示し、サブプロセッサステータスがreservedである場合には、後に使用される予定の推定使用率を示す。
サブプロセッサID、サブプロセッサステータスおよびサブプロセッサ使用率は、1つのサブプロセッサ23に対して一組設定され、1つの情報処理コントローラ内のサブプロセッサ23に対応する組数が設定される。
メインメモリ総容量およびメインメモリ使用量は、それぞれ、当該の情報処理コントローラに接続されているメインメモリ26の総容量および現在使用中の容量を表す。
外部記録部数は、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数を表す。外部記録部IDは、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28を一意的に識別する情報である。外部記録部種別IDは、当該の外部記録部の種類(例えば、ハードディスク、CD±RW、DVD±RW、メモリディスク、SRAM、ROMなど)を表す。
外部記録部総容量および外部記録部使用量は、それぞれ、外部記録部IDによって識別される外部記録部28の総容量および現在使用中の容量を表す。
外部記録部ID、外部記録部種別ID、外部記録部総容量および外部記録部使用量は、1つの外部記録部28に対して一組設定されるものであり、当該の情報処理コントローラに接続されている外部記録部28の数の組数だけ設定される。すなわち、1つの情報処理コントローラに複数の外部記録部が接続されている場合、各々の外部記録部には異なる外部記録部IDが割り当てられ、外部記録部種別ID、外部記録部総容量および外部記録部使用量も別々に管理される。
地域IDは、放送局の放送番組が地域によって異なることを前提として、情報処理装置が所在する地域を識別するための番号である。
(ソフトウェアセルの実行)
ある情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、以上のような構成のソフトウェアセルを生成し、ネットワーク9を介して他の情報処理装置および当該装置内の情報処理コントローラに送信する。送信元の情報処理装置、送信先の情報処理装置、応答先の情報処理装置、および各装置内の情報処理コントローラは、それぞれ、上記の送信元ID、送信先IDおよび応答先IDによって識別される。
ソフトウェアセルを受信した情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、そのソフトウェアセルをメインメモリ26に格納する。さらに、送信先のメインプロセッサ21は、ソフトウェアセルを読み出し、それに含まれるDMAコマンドを処理する。
具体的に、送信先のメインプロセッサ21は、まず、ロードコマンドを実行する。これによって、ロードコマンドで指示されたメインメモリアドレスから、ロードコマンドに含まれるサブプロセッサIDおよびLSアドレスで特定されるサブプロセッサ内のLS24の所定領域に、情報がロードされる。ここでロードされる情報は、受信したソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはデータ、あるいはその他の指示されたデータである。
次に、メインプロセッサ21は、キックコマンドを、これに含まれるサブプロセッサIDで指示されたサブプロセッサに、同様にキックコマンドに含まれるプログラムカウンタと共に出力する。
指示されたサブプロセッサは、そのキックコマンドおよびプログラムカウンタに従って、サブプロセッサプログラムを実行する。そして、実行結果をメインメモリ26に格納した後、実行を完了したことをメインプロセッサ21に通知する。
なお、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラにおいてソフトウェアセルを実行するプロセッサはサブプロセッサ23に限定されるものではなく、メインプロセッサ21がソフトウェアセルに含まれる機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを実行するように指定することも可能である。
この場合には、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、サブプロセッサプログラムの代わりに、メインメモリ用プログラムおよびそのメインメモリ用プログラムによって処理されるデータを含み、DMAコマンドがロードコマンドであるソフトウェアセルを送信し、メインメモリ26にメインメモリ用プログラムおよびそれによって処理されるデータを記憶させる。次に、送信元の情報処理装置は、送信先の情報処理装置宛に、送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラについてのメインプロセッサID、メインメモリアドレス、メインメモリ用プログラムを識別するための後述の機能プログラムIDなどの識別子、およびプログラムカウンタを含み、DMAコマンドがキックコマンドまたは機能プログラム実行コマンドであるソフトウェアセルを送信して、メインプロセッサ21に当該メインメモリ用プログラムを実行させる。
以上のように、この発明のネットワークシステムでは、送信元の情報処理装置は、サブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムをソフトウェアセルによって送信先の情報処理装置に送信するとともに、当該サブプロセッサプログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに含まれるサブプロセッサ23にロードさせ、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置に実行させることができる。
送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラでは、受信したソフトウェアセルに含まれるプログラムがサブプロセッサプログラムである場合には、当該サブプロセッサプログラムを指定されたサブプロセッサにロードさせる。そして、ソフトウェアセルに含まれるサブプロセッサプログラムまたはメインメモリ用プログラムを実行させる。
したがって、ユーザが送信先の情報処理装置を操作しなくても自動的に、当該サブプロセッサプログラムまたは当該メインメモリ用プログラムを送信先の情報処理装置内の情報処理コントローラに実行させることができる。
このようにして情報処理装置は、自装置内の情報処理コントローラがサブプロセッサプログラムまたは機能プログラムなどのメインメモリ用プログラムを有していない場合には、ネットワークに接続された他の情報処理装置からそれらを取得することができる。さらに、各サブプロセッサ間ではDMA方式によりデータ転送を行い、また上述したサンドボックスを使用することによって、1つの情報処理コントローラ内でデータを多段階に処理する必要がある場合でも、高速かつ高セキュリティに処理を実行することができる。
〔ネットワークシステムとしての分散処理:図5〜図15〕
ソフトウェアセルの使用による分散処理の結果、図5の上段に示すようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4は、図5の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として動作する。ただし、そのためには、以下のような構成によって、以下のような処理が実行される必要がある。
(システムのソフトウェア構成とプログラムのロード)
図6に、個々の情報処理コントローラのメインメモリ26が記憶するソフトウェアの構成を示す。これらのソフトウェア(プログラム)は、情報処理装置に電源が投入される前においては、当該の情報処理コントローラに接続される外部記録部28に記録されているものである。
各プログラムは、機能または特徴によって、制御プログラム、機能プログラムおよびデバイスドライバにカテゴライズされる。
制御プログラムは、各情報処理コントローラが同じものを備え、各情報処理コントローラのメインプロセッサ21が実行するもので、後述のMS(マスター/スレーブ)マネージャおよび能力交換プログラムを含む。
機能プログラムは、メインプロセッサ21が実行するもので、記録用、再生用、素材検索用など、情報処理コントローラごとに情報処理装置に応じたものが備えられる。
デバイスドライバは、情報処理コントローラ(情報処理装置)の入出力(送受信)用で、放送受信、モニタ出力、ビットストリーム入出力、ネットワーク入出力など、情報処理コントローラごとに情報処理装置に応じたものが備えられる。
ケーブルの差し込みなどによって情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続された状態で、情報処理装置に主電源が投入され、情報処理装置が電気的・機能的にもネットワーク9に接続されると、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、制御プログラムに属する各プログラム、およびデバイスドライバに属する各プログラムを、メインメモリ26にロードする。
ロード手順としては、メインプロセッサ21は、まず、DC27に読み出し命令を実行させることによって、外部記録部28からプログラムを読み出し、次に、DMAC25に書き込み命令を実行させることによって、そのプログラムをメインメモリ26に書き込む。
機能プログラムに属する各プログラムについては、必要なときに必要なプログラムだけをロードするように構成してもよく、または、他のカテゴリに属するプログラムと同様に、主電源投入直後に各プログラムをロードするように構成してもよい。
ここで、機能プログラムに属する各プログラムは、ネットワークに接続された全ての情報処理装置の外部記録部28に記録されている必要はなく、いずれか1つの情報処理装置の外部記録部28に記録されていれば、前述の方法によって他の情報処理装置からロードすることができるので、結果的に図5の下段に示すように、仮想的な1台の情報処理装置7として機能プログラムを実行することができる。
ここで前述したようにメインプロセッサ21によって処理される機能プログラムは、サブプロセッサ23によって処理されるサブプロセッサプログラムと連携動作する場合がある。そこでメインプロセッサ21が外部記録部28から機能プログラムを読み出し、メインメモリ26に書き込む際に対象となる機能プログラムと連携動作するサブプロセッサプログラムが存在する場合には、当該サブプロセッサプログラムも併せて同じメインメモリ26に書き込むものとする。この場合、連携動作するサブプロセッサプログラムは1個である場合もあるし、複数個であることもあり得る。複数個である場合には、全ての連携動作するサブプロセッサプログラムをメインメモリ26に書き込むことになる。メインメモリ26に書き込まれたサブプロセッサプログラムはその後、サブプロセッサ23内のLS24に書き込まれ、メインプロセッサ21によって処理される機能プログラムと連携動作する。
図3のソフトウェアセルに示したように、機能プログラムには、プログラムごとにプログラムを一意的に識別できる識別子が、機能プログラムIDとして割り当てられる。機能プログラムIDは、機能プログラムの作成の段階で、作成日時や情報処理装置IDなどから決定される。
そしてサブプロセッサプログラムにもサブプロセッサプログラムIDが割り当てられ、これによりサブプロセッサプログラムを一意的に識別可能である。割り当てられるサブプロセッサプログラムIDは、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDと関連性のある識別子、例えば機能プログラムIDを親番号とした上で最後尾に枝番号を付加させたもの等であることもあり得るし、連携動作する相手となる機能プログラムの機能プログラムIDとは関連性のない識別子であってもよい。いずれにしても機能プログラムとサブプロセッサプログラムが連携動作する場合には、両者とも相手の識別子であるプログラムIDを自プログラム内に互いに記憶しておく必要がある。機能プログラムが複数個のサブプロセッサプログラムと連携動作する場合にも、当該機能プログラムは複数個ある全てのサブプロセッサプログラムのサブプロセッサプログラムIDを記憶しておくことになる。
メインプロセッサ21は、自身が動作する情報処理装置の装置情報(動作状態に関する情報)を格納するための領域をメインメモリ26に確保し、当該情報を自装置の装置情報テーブルとして記録する。ここでの装置情報は、図4に示した情報処理装置ID以下の各情報である。
(システムにおけるマスター/スレーブの決定)
上述したネットワークシステムでは、ある情報処理装置への主電源投入時、その情報処理装置の情報処理コントローラのメインプロセッサ21は、マスター/スレーブマネージャ(以下、MSマネージャ)をメインメモリ26にロードし、実行する。
MSマネージャは、自身が動作する情報処理装置がネットワーク9に接続されていることを検知すると、同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する。ここでの「接続」または「存在」は、上述したように、情報処理装置が物理的にネットワーク9に接続されているだけでなく、電気的・機能的にもネットワーク9に接続されていることを示す。
また、自身が動作する情報処理装置を自装置、他の情報処理装置を他装置と称する。当該装置も、当該情報処理装置を示すものとする。
MSマネージャが同じネットワーク9に接続されている他の情報処理装置の存在を確認する方法を以下に示す。
MSマネージャは、DMAコマンドがステータス要求コマンドであり、送信元IDおよび応答先IDが当該情報処理装置で、送信先IDを特定しないソフトウェアセルを生成して、当該情報処理装置が接続されたネットワーク上に送信して、ネットワーク接続確認用のタイマーを設定する。タイマーのタイムアウト時間は、例えば10分とされる。
当該ネットワークシステム上に他の情報処理装置が接続されている場合、その他装置は、上記ステータス要求コマンドのソフトウェアセルを受信し、上記応答先IDで特定されるステータス要求コマンドを発行した情報処理装置に対して、DMAコマンドがステータス返信コマンドで、かつデータとして自身(その他装置)の装置情報を含むソフトウェアセルを送信する。このステータス返信コマンドのソフトウェアセルには、少なくとも当該他装置を特定する情報(情報処理装置ID、メインプロセッサに関する情報、サブプロセッサに関する情報など)および当該他装置のMSステータスが含まれる。
ステータス要求コマンドを発行した情報処理装置のMSマネージャは、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまで、当該ネットワーク上の他装置から送信されるステータス返信コマンドのソフトウェアセルの受信を監視する。その結果、MSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信された場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを1に設定する。これによって、当該装置は、スレーブ装置となる。
一方、上記ネットワーク接続確認用のタイマーがタイムアウトするまでの間にステータス返信コマンドが全く受信されなかった場合、またはMSステータス=0(マスター装置)を示すステータス返信コマンドが受信されなかった場合には、自装置の装置情報テーブルにおけるMSステータスを0に設定する。これによって、当該装置は、マスター装置となる。
すなわち、いずれの装置もネットワーク9に接続されていない状態、またはネットワーク9上にマスター装置が存在しない状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にマスター装置として設定される。一方、ネットワーク9上に既にマスター装置が存在する状態において、新たな情報処理装置がネットワーク9に接続されると、当該装置は自動的にスレーブ装置として設定される。
マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、MSマネージャは、定期的にステータス要求コマンドをネットワーク9上の他装置に送信してステータス情報を照会することにより、他装置の状況を監視する。その結果、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されることにより、あらかじめ判定用に設定された所定期間内に特定の他装置からステータス返信コマンドが返信されなかった場合や、ネットワーク9に新たな情報処理装置が接続された場合など、ネットワーク9の接続状態に変化があった場合には、その情報を後述の能力交換プログラムに通知する。
(マスター装置およびスレーブ装置における装置情報の取得)
メインプロセッサ21は、MSマネージャから、ネットワーク9上の他装置の照会および自装置のMSステータスの設定完了の通知を受けると、能力交換プログラムを実行する。
能力交換プログラムは、自装置がマスター装置である場合には、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわち各スレーブ装置の装置情報を取得する。
他装置の装置情報の取得は、上述したように、DMAコマンドがステータス要求コマンドであるソフトウェアセルを生成して他装置に送信し、その後、DMAコマンドがステータス返信コマンドで、かつデータとして他装置の装置情報を含むソフトウェアセルを他装置から受信することによって可能である。
能力交換プログラムは、マスター装置である自装置の装置情報テーブルと同様に、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を格納するための領域を自装置のメインメモリ26に確保し、これら情報を他装置(スレーブ装置)の装置情報テーブルとして記録する。
すなわち、マスター装置のメインメモリ26には、自装置を含むネットワーク9に接続されている全ての情報処理装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録される。
一方、能力交換プログラムは、自装置がスレーブ装置である場合には、ネットワーク9に接続されている全ての他装置の装置情報、すなわちマスター装置および自装置以外の各スレーブ装置の装置情報を取得し、これら装置情報に含まれる情報処理装置IDおよびMSステータスを、自装置のメインメモリ26に記録する。
すなわち、スレーブ装置のメインメモリ26には、自装置の装置情報が、装置情報テーブルとして記録されるとともに、自装置以外のネットワーク9に接続されているマスター装置および各スレーブ装置についての情報処理装置IDおよびMSステータスが、別の装置情報テーブルとして記録される。
また、マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、新たにネットワーク9に情報処理装置が接続されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報を取得し、上述したようにメインメモリ26に記録する。
なお、MSマネージャおよび能力交換プログラムは、メインプロセッサ21で実行されることに限らず、いずれかのサブプロセッサ23で実行されてもよい。また、MSマネージャおよび能力交換プログラムは、情報処理装置の主電源が投入されている間は常時動作する常駐プログラムであることが望ましい。
(情報処理装置がネットワークから切断された場合)
マスター装置およびスレーブ装置のいずれについても、能力交換プログラムは、上記のようにMSマネージャから、ネットワーク9に接続されている情報処理装置の主電源が遮断され、またはネットワーク9から情報処理装置が切り離されたことが通知されたときには、その情報処理装置の装置情報テーブルを自装置のメインメモリ26から削除する。
さらに、このようにネットワーク9から切断された情報処理装置がマスター装置である場合には、以下のような方法によって、新たにマスター装置が決定される。
具体的に、例えば、ネットワーク9から切断されていない情報処理装置は、それぞれ、自装置および他装置の情報処理装置IDを数値に置き換えて、自装置の情報処理装置IDを他装置の情報処理装置IDと比較し、自装置の情報処理装置IDがネットワーク9から切断されていない情報処理装置中で最小である場合、そのスレーブ装置は、マスター装置に移行して、MSステータスを0に設定し、マスター装置として、上述したように、ネットワーク9に接続されている全ての他装置(各スレーブ装置)の装置情報を取得して、メインメモリ26に記録する。
(装置情報に基づく分散処理)
図5の下段に示したようにネットワーク9に接続されている複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させるためには、マスター装置がユーザの操作およびスレーブ装置の動作状態を把握する必要がある。
図7に、4台の情報処理装置が仮想的な1台の情報処理装置7として動作する様子を示す。情報処理装置1がマスター装置、情報処理装置2、3、4がスレーブ装置A、B、Cとして、動作しているものとする。
ユーザがネットワーク9に接続されている情報処理装置を操作した場合、操作対象がマスター装置1であれば、その操作情報は、マスター装置1において直接把握され、操作対象がスレーブ装置であれば、その操作情報は、操作されたスレーブ装置からマスター装置1に送信される。すなわち、ユーザの操作対象がマスター装置1とスレーブ装置のいずれであるかにかかわらず、その操作情報は常にマスター装置1において把握される。操作情報の送信は、例えば、DMAコマンドが操作情報送信コマンドであるソフトウェアセルによって行われる。
そして、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その操作情報に従って、実行する機能プログラムを選択する。その際、必要であれば、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、上記の方法によって自装置の外部記録部28−1、28−2からメインメモリ26−1に機能プログラムをロードするが、他の情報処理装置(スレーブ装置)がマスター装置1に機能プログラムを送信してもよい。
機能プログラムには、その実行単位ごとに必要となる、図4に示した各情報として表される情報処理装置種別ID、メインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件などの、装置に関する要求スペックが規定されている。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、各機能プログラムについて必要となる上記要求スペックを読み出す。また、あらかじめ能力交換プログラムによってメインメモリ26−1に記録された装置情報テーブルを参照し、各情報処理装置の装置情報を読み出す。ここでの装置情報は、図4に示した情報処理装置ID以下の各情報を示し、メインプロセッサ、サブプロセッサ、メインメモリおよび外部記録部に関する情報である。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、ネットワーク9上に接続された各情報処理装置の上記装置情報と、機能プログラム実行に必要となる上記要求スペックとを順次比較する。
そして、例えば、機能プログラムが録画機能を必要とする場合には、情報処理装置種別IDに基づいて、録画機能を有する情報処理装置のみを特定して抽出する。さらに、機能プログラムを実行するために必要なメインプロセッサまたはサブプロセッサの処理能力、メインメモリ使用量、外部記録部に関する条件を確保できるスレーブ装置を、実行要求候補装置として特定する。ここで、複数の実行要求候補装置が特定された場合には、当該候補装置から1つの実行要求候補装置を特定して選択する。
実行要求するスレーブ装置が特定されたら、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その特定されたスレーブ装置について、自装置内の情報処理コントローラ11に含まれるメインメモリ26−1に記録されている当該スレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
さらに、マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、DMAコマンドがロードコマンドおよびキックコマンドであるソフトウェアセルを生成し、当該ソフトウェアセルのセルインタフェースに、当該機能プログラムに関する必要なサブプロセッサの情報およびサンドボックスサイズ(図3参照)を設定して、上記実行要求されるスレーブ装置に対して送信する。
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置は、その機能プログラムを実行するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。その際、必要であれば、スレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、上記の方法によって自装置の外部記録部28からメインメモリ26に機能プログラムをロードする。
機能プログラムの実行を要求されたスレーブ装置の外部記録部28に、必要な機能プログラムが記録されていない場合には、他の情報処理装置が上記のメインメモリ用プログラムとして当該の機能プログラムを、その機能プログラム実行要求先スレーブ装置に送信するように、システムを構成すればよい。
さらに、メインメモリ用プログラムと同様に、サブプロセッサプログラムも、必要であれば、ソフトウェアセルによって他の情報処理装置に送信して、他の情報処理装置のサブプロセッサ23にロードさせ、他の情報処理装置に実行させることができる。
機能プログラムの実行終了後、機能プログラムを実行したスレーブ装置内の情報処理コントローラに含まれるメインプロセッサ21は、終了通知をマスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1に送信するとともに、自装置の装置情報テーブルを更新する。マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、その終了通知を受信して、機能プログラムを実行したスレーブ装置の装置情報テーブルを更新する。
マスター装置1内の情報処理コントローラ11に含まれるメインプロセッサ21−1は、自装置および他装置の装置情報テーブルの参照結果から、当該の機能プログラムを実行することができる情報処理装置として、自身を選択する場合もあり得る。その場合には、マスター装置1が当該の機能プログラムを実行する。
図7の例で、ユーザがスレーブ装置A(情報処理装置2)を操作し、当該操作に応じた機能プログラムを別のスレーブ装置B(情報処理装置3)が実行する場合につき、図8に以上の分散処理の例を示す。
図8の例では、ユーザがスレーブ装置Aを操作することによって、スレーブ装置Aを含むネットワークシステム全体の分散処理が開始して、まず、スレーブ装置Aは、ステップ81で、その操作情報をマスター装置1に送信する。
マスター装置1は、ステップ72で、その操作情報を受信し、さらにステップ73に進んで、自装置のメインメモリ26−1に記録されている自装置および他装置の装置情報テーブルから、各情報処理装置の動作状態を調べて、受信した操作情報に応じた機能プログラムを実行することができる情報処理装置を選択する。この例は、スレーブ装置Bが選択される場合である。
次に、マスター装置1は、ステップ74で、その選択したスレーブ装置Bに対して機能プログラムの実行を要求する。
スレーブ装置Bは、ステップ95で、その実行要求を受信し、さらにステップ96に進んで、実行要求された機能プログラムを実行する。
以上のように、ユーザは、1台の情報処理装置のみを操作することによって、他の情報処理装置を操作することなく、複数の情報処理装置1、2、3、4を仮想的な1台の情報処理装置7として動作させることができる。
(各情報処理装置およびシステムの具体例)
ネットワーク9を介して互いに接続される情報処理装置1、2、3、4は、基本的に上記のような情報処理コントローラ11、12、13、14によって情報処理を行うものであれば、どのようなものでもよいが、図9に、その一例を示す。
この例は、情報処理コントローラ11を備える情報処理装置1、2,3、4としてハードディスクレコーダを採用したのである。図10に、この情報処理装置1として採用されたハードディスクレコーダのハードウェア構成の例を示す図である。
このハードディスクレコーダである情報処理装置1は、外部記録部28−1としてハードディスクドライブを内蔵し、外部記録部28−2としてDVD±R/RW、CD±R/RW、Bluray−Disc(登録商標)などの光ディスクに対してデータの読み書きを行う光ディスクドライブを内蔵している。情報処理コントローラ11のバス29−1に接続されたバス31−1には、放送受信部32−1、映像入力部33−1、音声入力部34−1、映像出力部35−1、音声出力部36−1、操作パネル部37−1、リモコン受光部38−1およびネットワーク接続部39−1が接続されている。
放送受信部32−1、映像入力部33−1および音声入力部34−1は、放送信号を受信し、または情報処理装置1の外部から映像信号および音声信号を入力し、それぞれ所定フォーマットのデジタルデータに変換して、情報処理コントローラ11での処理のためにバス31−1に送出するものであり、映像出力部35−1および音声出力部36−1は、情報処理コントローラ11からバス31−1に送出された映像データおよび音声データを処理して、デジタルデータのまま、またはアナログ信号に変換して、情報処理装置1の外部に送出するものであり、リモコン受光部38−1は、リモコン送信器43−1からのリモコン(遠隔操作)赤外線信号を受信するものである。
さらに、映像出力部35−1および音声出力部36−1には、モニタ表示装置41およびスピーカ装置42が接続されている。
以上は情報処理装置1に採用されたハードディスクレコーダのハードウェア構成を示したが、図9のネットワークシステムにおける他の情報処理装置2、3、4であるハードディスクレコーダの構成も同様である。
図11は、このハードディスクレコーダである情報処理装置1のソフトウェア構成を示す図である。
同図に示すように、ハードディスクレコーダである情報処理装置1は、制御プログラムとして、MSマネージャおよび能力交換プログラムを備え、機能プログラムとして、映像音声記録、映像音声再生、素材検索および番組録画予約のためのプログラムを備え、デバイスドライバとして、放送受信、映像出力、音声出力、外部記録部入出力およびネットワーク入出力のためのプログラムを備える。
なお、ネットワークシステムにおける情報処理装置は、ハードディスクレコーダの他に、PDA(Personal Digital Assistants)、CD(Compact Disc)、PC(Personal Computer)であってもよい。これらの具体的なハードウェア、ソフトウェアの構成はここでは省略する。
(情報処理装置間での番組録画予約の処理)
以上のような図9の例のネットワークシステムにおいて、情報処理装置1がマスター装置(MSステータス=0)として、情報処理装置2、3、4がスレーブ装置(MSステータス=1)として設定されているものとする。番組録画予約の処理において、マスター装置は録画予約の管理を行う管理装置として機能する。
図12は、図9のネットワークシステムでの番組録画予約の処理手順を示す図である。 情報処理装置1がマスター装置として動作しているので、ステップS1からステップS3で、マスター装置である情報処理装置1は他の各情報処理装置2、3、4から送信された装置情報を受信し、この受信した装置情報と自装置の装置情報を基に番組録画予約用の装置情報テーブルを作成し(ステップS4)、メインメモリ26−1に格納する。
図13に、この番組録画予約用の装置情報テーブルの例を示す。同図に示すように、番組録画予約用の装置情報テーブルには、各情報処理装置1、2、3、4の、電源On/Off、地域ID、IP(Internet Protocol)アドレスなどのネットワークアドレス、外部記憶部の残記憶容量、前回電源Onからの経過時間などが登録されている。
ここで、ユーザによってスレーブ装置である情報処理装置2で放送番組の録画予約の操作が行われた場合の動作を説明する。
情報処理装置2では、たとえば、全国の放送番組表のデータを、たとえばネットワークなどからダウンロードするなどして保持しており、ユーザから、地域ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を含む録画モードなどの情報の入力を受け付けると、図14に示すように、上記の入力情報をデータとして含むDMAコマンドである録画予約コマンドを生成して、マスター装置である情報処理装置1に送信する(ステップS5)。
この録画予約コマンドを受信したマスター装置である情報処理装置1は、番組録画予約用の装置情報テーブルを参照して、当該録画を実行可能な1台以上の情報処理装置を選択する(ステップS6)。この録画実行可能な情報処理装置を選択する処理の詳細は後で説明する。
続いて、マスター装置である情報処理装置1は、選択した1台以上の録画実行可能な情報処理装置に対して、図15に示すように、録画ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を含む録画モードなどの情報をデータとして含むDMAコマンドである録画依頼コマンドを送信する。
なお、図12は、録画実行可能な情報処理装置として2台の情報処理装置3、4が選択され、これらの情報処理装置3、4に録画依頼コマンドを送信した番組録画予約の処理例を示している。指定された録画の時間に対し、1台の情報処理装置の外部記憶部では残記憶容量が不足する場合には、このように複数の情報処理装置で時間を分けて録画を行うように、複数の情報処理装置に対して録画依頼コマンドが送信される。この際、一方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画終了時刻と他方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画開始時刻とには時間的な重なりを設けておくことが望ましい。
すなわち、ユーザによって指定された録画開始時刻が9:00、録画終了時刻が10:00だとした場合、たとえば、一方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画開始時刻を9:00、録画終了時刻を9:31とし、他方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画開始時刻を9:30、録画終了時刻を10:00とする。このように一方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画終了時刻と他方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画開始時刻とには時間的な重なりを設けることで、録画完了後、2つの録画コンテンツをこれらに含まれているスイムスタンプを用いて一本のストリームにマージすることができる。
録画依頼コマンドを受け取った情報処理装置(図12の場合、情報処理装置3と情報処理装置4)は、この録画依頼コマンドにデータとして含まれている録画ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を記憶し、この情報に基づいて予約番組の録画を実行し、ハードディスドライブ、光ディスクドライブなどの外部記録部に、録画IDと対応つけて録画データを蓄積する(ステップS8、ステップS9)。予約番組の録画が完了すると、情報処理装置3、4は各々、マスター装置である情報処理装置1に対して、図16に示すように、録画IDと、自身の情報処理装置を識別するネットワークアドレスなどのIDをデータとして含むDMAコマンドである録画完了通知コマンドを送信する(ステップS10、ステップS11)。
マスター装置である情報処理装置1は、録画完了通知コマンドを受信すると、図17に示すように、録画IDと、転送先の情報処理装置を識別するネットワークアドレスなどのIDをデータとして含むDMAコマンドである録画コンテンツ転送依頼コマンドを、録画完了通知コマンドの送信元である情報処理装置3,4に送信する(ステップS12)。なお、転送先の情報処理装置とは番組予約元の情報処理装置2である。
情報処理装置3,4はそれぞれ、録画コンテンツ転送依頼コマンドを受信すると、外部記録部に記録された該当する録画コンテンツのデータを転送先として指定された情報処理装置2に転送する(ステップS13、ステップS14)。
番組予約元の情報処理装置2は、録画コンテンツのデータを受信すると、これをハードディスドライブ、光ディスクドライブなどの外部記録部に記録保存する(ステップS15)。このとき、複数の情報処理装置3,4から番組コンテンツのデータを受信した場合には、情報処理装置2は、受信した2つの録画コンテンツのデータをこれらのタイムスタンプに基づいて1つのストリームにマージし、このマージしたデータを外部記録部に記録保存する。
一方、録画を実行した情報処理装置3,4は、番組予約元の情報処理装置1への番組コンテンツのデータの転送が正常に終了したならば、各々の外部記録部から、番組コンテンツのデータを削除する(ステップS16、ステップS17)。好ましくは、番組予約元の情報処理装置2において録画コンテンツのデータの保存が正常に行われたことを確認してから、録画コンテンツのデータを削除するようにしてもよい。
次に、ステップS6の録画実行可能な情報処理装置を選択する処理について説明する。図18は、この録画実行可能な情報処理装置を特定する処理の手順を示すフローチャートである。
まず、マスター装置である情報処理装置1は、図13に示す番組録画予約用の装置情報テーブルから、現在電源がOnのものを抽出し(ステップS21)、続いて、抽出した電源Onの情報処理装置1、2,3,4のなかから、録画予約コマンドにデータとして含まれる地域IDと一致する情報処理装置を抽出する(ステップS22)。
次に、マスター装置である情報処理装置1は、録画予約コマンドにデータとして含まれる録画開始時刻と録画終了時刻とから総録画時間を算出し(ステップS23)、算出した総録画時間と、録画予約コマンドにデータとして含まれる録画モードなどから、録画に必要な記憶容量を算出する(ステップS24)。
次に、マスター装置である情報処理装置1は、番組録画予約用の装置情報テーブルを参照して、ステップS22で抽出された情報処理装置のなかから、外部記憶部の残記憶容量が、録画に必要な記憶容量よりも多いものを抽出する(ステップS25)。
ここまでの判定で1つ以上の情報処理装置を抽出できたならば(ステップS26のYES)、マスター装置である情報処理装置1は、番組録画予約用の装置情報テーブルを参照して、抽出された1つ以上の情報処理装置のなかから、前回電源Onからの経過時間が一番長いものを、録画実行可能な情報処理装置として決定する(ステップS27)。
また、外部記憶部の残記憶容量が、録画に必要な記憶容量よりも大きい情報処理装置が存在しない場合には(ステップS26のNO)、1つの予約番組の録画を分担して行う複数の情報処理装置を判定するために、たとえば、次のような処理を行う。まず、ステップS22で抽出された情報処理装置のなかから、外部記録部の残記憶容量が録画に必要な記憶容量の半分の容量より大きいものをすべて抽出し(ステップS28)、抽出した情報処理装置のなかから、前回電源Onからの経過時間が一番長いものと二番目に長いものを、録画実行可能な2つの情報処理装置として決定する(ステップS29)。
なお、この例では、録画実行可能な情報処理装置を2台まで抽出するものとしたが、外部記録部の残記憶容量が録画に必要な記憶容量の半分の容量より大きいものが1台しか存在しない場合、あるいは、1台も存在しないような場合には、3台以上の情報処理装置を録画実行可能な情報処理装置として決定し、各々の情報処理装置の残記憶容量に応じた時間だけ録画予約を依頼するようにしてもよい。
また、上記の録画実行可能な情報処理装置の選択処理の手順によれば、マスター装置である情報処理装置1や、番組予約元の情報処理装置2が録画実行可能な情報処理装置として選択される場合もあり得るが、マスター装置の負荷増大を防止するために、マスター装置である情報処理装置1は録画実行可能な情報処理装置として選択されないように制限を設けてもよい。
以上説明した本実施形態のネットワークシステムによれば、録画予約された放送番組を受信録画可能な情報処理装置に他の情報処理装置からの録画予約を依頼し、依頼を受けた情報処理装置にて録画された番組コンテンツを、ネットワークを通じて録画予約元の情報処理装置に転送するように構成したので、大容量の記憶装置を有するサーバ装置を要することなく、どの地域にある情報処理装置からでも全国の放送番組を録画予約して鑑賞することができる。
また、受信録画可能な情報処理装置の候補を、情報処理装置の地域IDのみならず、外部記録部の残記憶容量に基づいて特定することで、残記憶容量の不足によって録画が中断することのない、信頼性の高いシステムを実現できる。さらに、複数の情報処理装置が受信録画可能な情報処理装置の候補として判定された場合には、前回電源Onからの経過時間が一番長いものを、録画実行可能な情報処理装置として最終的に特定することで、特定の情報処理装置に録画依頼が集中することを回避することができる。
上記の実施形態では、ネットワークに接続されている各情報処理装置がマスター装置かスレーブ装置かのいずれかに設定され、マスター装置がスレーブ装置からの録画予約の要求を受け、録画実行が可能な情報処理装置を特定してその情報処理装置に録画依頼を行う管理装置として機能するものとしたが、本発明は、このようなネットワークシステムへの適用に限定されるものでない。
たとえば、図19に示すように、ハードディスクレコーダなどの複数の情報処理装置101、102、103とサーバ装置104とがネットワーク105を通じて接続されたネットワークシステムにおいて、サーバ装置104が録画予約の管理を行う管理装置として上記マスター装置と同様の動作を行い、各情報処理装置101、102、103が前記実施形態のスレーブ装置と同様の動作を行うように構成してもよい。この場合、サーバ装置104は、ネットワーク105に接続されている各情報処理装置101、102、103から定期的に送信される装置情報を受信し、この受信した装置情報を基に番組録画予約用の装置情報テーブルを作成し、これを保持する。
情報処理装置101では、たとえば、全国の放送番組表のデータを、たとえばネットワーク105などからダウンロードするなどして保持しており、ユーザから、地域ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を含む録画モードなどの情報の入力を受け付けると、上記の入力情報をデータとして含む録画予約コマンドを生成し、サーバ装置104に送信する。
この録画予約コマンドを受信したサーバ装置104は、番組録画予約用の装置情報テーブルを参照して、当該録画を実行可能な1台以上の情報処理装置を選択する。この録画実行可能な情報処理装置を選択する処理の詳細は前述した実施形態と同様である。
続いて、サーバ装置104は、選択した1台以上の録画実行可能な情報処理装置(仮に情報処理装置103とする。)に対して、録画ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を含む録画モードなどの情報をデータとして含む録画依頼コマンドを送信する。
なお、指定された総録画時間に対し、1台の情報処理装置の外部記憶部では残記憶容量が不足する場合には、複数の情報処理装置で時間を分けて録画を行うように、複数の情報処理装置に対して録画依頼コマンドが送信される。この際、一方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画終了時刻と他方の情報処理装置に対して送信される録画依頼コマンドの録画開始時刻とには時間的な重なりを設けておくことが望ましい。
録画依頼コマンドを受け取った情報処理装置103は、この録画依頼コマンドにデータとして含まれている録画ID、録画開始時刻、録画終了時刻、放送チャンネル、録画品質などの情報を記憶し、この情報に基づいて予約番組の録画を実行し、ハードディスドライブ、光ディスクドライブなどの外部記録部に、録画IDと対応つけて録画データを蓄積する。予約番組の録画が完了すると、情報処理装置103は、サーバ装置104に対して、録画IDと、自身の情報処理装置を識別するネットワークアドレスなどのIDをデータとして含む録画完了通知コマンドを送信する。
サーバ装置104は、録画完了通知コマンドを受信すると、録画IDと、転送先の情報処理装置を識別するネットワークアドレスなどのIDをデータとして含む録画コンテンツ転送依頼コマンドを、録画完了通知コマンドの送信元である情報処理装置103に送信する。なお、転送先の情報処理装置とは番組予約元の情報処理装置101である。
情報処理装置103は、録画コンテンツ転送依頼コマンドを受信すると、外部記録部に記録された該当する録画コンテンツのデータを転送先として指定された情報処理装置101に転送する。
番組予約元の情報処理装置101は、録画コンテンツのデータを受信すると、これをハードディスドライブ、光ディスクドライブなどの外部記録部に記録保存する。このとき、複数の情報処理装置(たとえば情報処理装置102および情報処理装置103)から番組コンテンツのデータを受信した場合には、情報処理装置101は、受信した2つの録画コンテンツのデータをこれらのタイムスタンプに基づいて1つのストリームにマージし、このマージしたデータを外部記録部に記録保存する。
一方、録画を実行した情報処理装置103は、番組予約元の情報処理装置101への番組コンテンツのデータの転送が正常に終了したならば、各々の外部記録部から、番組コンテンツのデータを削除する。好ましくは、番組予約元の情報処理装置101において録画コンテンツのデータの保存が正常に行われたことを確認してから、録画コンテンツのデータを削除するようにしてもよい。
なお、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。