JP4346693B2 - 可動刃を有するかみそりカートリッジ - Google Patents
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Description
たとえば米国特許第4,378,634号に示されるように、ある種の可動刃かみそりカートリッジのデザインにおいては、刃は屈曲刃支持体上に固定され、この支持体は、所望の角度で刃を支える上方部とこの上方部に対し屈曲する下方基部とを有し、シェービング中にカートリッジハウジングのスロット内を弾性アームに抗して上下に滑動できるようになっている。(このような刃と刃支持体が、本明細書の第5図から第7図に示されている。)屈曲刃支持体の基部は、上方屈曲部や刃よりも長くなって側壁まで延びている。屈曲刃支持体は打ち抜き屈曲された薄板からできている。打ち抜き作業により支持体端部にバリが生じ、これらのバリは、刃支持体と取り付け刃とがカートリッジハウジングに固定される際に前方に向けられる。
カートリッジハウジングのスロットは後方停止部と前方停止部とを有し、これら両停止部間が、刃支持体がシェービング中にスロット内を上下に滑動する際に前後に動ける領域となる。前方停止部は、刃の動きを妨げないように刃の端部から離れている。刃がカートリッジハウジングの中央にあるときに、刃支持体端部のバリの位置は前方停止部につかないようになっている。なお、刃が一方に片寄るとバリと前方停止部が並んで、刃支持体の上下の動きを妨げる恐れがある。
本発明は、広くは、ハウジングと刃部材とを含むかみそりカートリッジを特徴とする。このハウジングは細長い刃受け域を有し、これは第1軸と平行な方向に互いに間隔を有した2つの側壁間、および第1軸を横切る第2軸と平行な方向に間隔を有したガードとキャップ間に画成されるものである。またハウジングは、互いに向き合うとともに第1軸と第2軸の両方を横切る第3軸と平行な方向に延びた側壁内に、刃受けスロットを有する。細長い刃部材は、第1軸に平行なカッティングエッジを備えた刃を有し、さらに屈曲支持体を有し、これは刃から下向きに延びて、刃部材の両端に支持体端部を有し、この支持体端部は第3軸に沿ってスロット内を動けるように取り付けられたものである。このスロットは、第1軸および第3軸によって規定される対向面上に位置する、ハウジングの前方停止部と後方停止部とによって画成され、前方停止部は刃の下側に配置され、後方停止部はそれぞれの第1軸に沿って刃受け域から遠ざかる方向での前方停止部外側に配置されている。
本発明の器具は以下に述べる1つもしくはそれより多くの特徴を含むものである。ある器具では、後方停止部が前方停止部より高い。そして刃部材の支持体端部は第1軸と平行な方向に長く延びている。スロットはまた減揺(anti−rolling)部材を有し、この部材は第1軸に関して前方停止部と同じ側で刃よりも奥側に配置されている。減揺部材は前方停止部より高さがある。前方停止部は、第3軸に対して1度より小さい(好ましくは1/2度より小さい、もっとも好ましくは1/4度より小さい)角度を成す表面を有する。そして後方停止部は、第3軸に平行な表面を有する。さらに、前方停止部と後方停止部がそれぞれ有する表面どうしで、平面上の間隔が、屈曲支持体の厚みに0.09mm(0.0035”)以下を加えた分の距離になっているものがある。支持体端部はバリを有するが、それらはガードのほうに向いている。
本発明の実施の形態は以下に述べる1つもしくはそれより多くの特徴を含むものである。前方停止部を刃の下に配することで、屈曲刃支持体の基部のためのスペースがぎりぎりであっても、刃支持体の端部のバリが前方停止部に接触するおそれはない。刃支持体の滑動スペースがぎりぎりであることによって、シェービング中の刃の位置や角度のばらつきがなくなる。また、減揺部材によって、屈曲刃支持体と刃が、たとえばカートリッジの落下のときのような極端な力条件のもとでも、前方揺れしないようにできる。
本発明の他の特徴および利点は以下の実施の形態の説明と請求の範囲から明らかになるであろう。
第1図は、本発明によるかみそりの斜視図である。
第2図は、第1図のかみそりのカートリッジにおける刃ユニットの分解斜視図である。
第3図は、第2図の刃ユニットの構成部品を示す分解断面図である。
第4図は、第2図の刃ユニットの縦断面図である。
第5図は、第2図の刃ユニットにおける刃部材の平面図である。
第6図は、第5図の刃部材の正面図である。
第7図は、第5図の刃部材の縦断面図である。
第8図は、拡大部分斜視図で、第2図の刃ユニットのハウジング内スロットにおける、前方および後方停止部材そして減揺部材の相対的位置および高さを示すものである。
第9図は、第2図の刃ユニットにおけるカートリッジハウジングの一方の端部を示す部分平面図である。
第10図は、第9図のカートリッジハウジングにおける第9図の線10−10についての縦断面図である。
第11図は、第9図のカートリッジハウジングにおける第9図の線11−11についての縦断面図である。
第1図を参照すると、シェービングかみそり10は、ハンドル12と交換可能なシェービングカートリッジ14とを含んでいる。カートリッジ14は成形されたプラスチック製ハウジング16を含み、このハウジングは三本の刃18、ガード20およびキャップ22を担持する。カートリッジ14はまた連結部材24を含み、この部材上にハウジング16が枢軸旋回可能(pivotally)に固定されている。連結部材24は、取り外し可能に確実にハンドル12に取り付けられており、さらに2本のアーム26を有し、このアームはハウジング16をその両側で枢軸旋回可能に支持している。第1図では、カートリッジ14はばね付勢された上向きの位置で示されている。
第2図から第4図および第8図を参照すると、カートリッジ14のハウジング16は、側壁30内に内向きに面したスロット28を有し、このスロットで刃18の屈曲刃支持体34の基部32の端部を受けている。また、ハウジング16は弾性アーム36を有し、それぞれのアーム上で、各刃支持体34が弾性的に支持されている。刃18とその支持体34は、側壁30どうしの間の実質的に妨げを受けない域38に配置され、使用中のカートリッジを洗いやすくしている。
キャップ22は滑らかなシェービングの助けとなるもので、ハウジング16の後方のスロット40内に収容される。キャップ22は、疎水性材と水浸出可能な親水性ポリマー材との混合物を含む材質からできているものでよく、本技術分野では公知の材質であり、例えば米国特許第5,113,585号および第5,454,164号で説明されている。これらの特許を本明細書中に引用する。ガード20は、ハウジング16の前方に成形されたフィン付きのエラストマー製のユニットを含み、ユーザーの皮膚をとらえてそれを引っ張るようになっているが、例えば米国特許第5,191,712号で説明されるように、皮膚をとらえる突出部のような他のものを用いてもよく、この特許も本明細書中に引用する。第4図に示されたように、ハウジング16内に刃18を保持し、ばね付勢された刃のカッティングエッジを所望どおりに露出するように配置させるために、クリップ42がハウジング16の両側で側壁30の突出縁44の内側に固定されている。クリップ42はまたハウジング16の底部を包み込んで、連結部材24のアーム26の端部が外れないようにもしている。
第2図は3種類の基準軸のうち代表的な要素50、52、54を示している。2つの側壁30は、第1軸50と平行な方向に、互いに間隔を有する。ガード20とキャップ22は、軸50に対し垂直な第2軸52と平行な方向に、互いに間隔を有する。スロット28は、両軸52と50とに垂直な第3軸54と平行な方向に、伸びる。
第5図から第7図を参照すると、刃18は、溶着点60で刃支持体34の上部62に溶着されることが分かる。刃支持体34の基部32は、支持体端部64において刃18や上方部62よりも長く延びている。支持体端部64には、屈曲支持体34の打ち抜き作業中に生じるバリ66が付く。バリ66は、ハウジング16に取り付けられる際にカートリッジ前方部に向かって前向きになる。
第8図、第9図、第10図および第11図を参照すると、ハウジング16の端部でスロット28は部分的に、前方停止部70と後方停止部72とによって画成されることがわかる。第9図では、刃18とその刃屈曲支持体34の端部は想像線で示されている。第10図では、刃18とその刃屈曲支持体34はその側面図が想像線で示されている。これらの図面から、前方停止部70は刃支持体34の上方部62の下に配置されていることが分かる。また、(第8図および第9図から)後方停止部72が、前方停止部70の外方(すなわちハウジング端部近く)に配置され、刃支持体34の支持体端部64の後方にくることも分かる。
第9図および第10図を参照すると、前方停止部70と後方停止部72がそれぞれ有する表面どうしで、これらの表面が、(第2図に示される)軸52と平行な方向に互いに間隔を有し、この間隔が基部32の厚みよりわずかに大きい距離になっており、基部32の前後の動きや旋回を制限し、ひいては第3軸54と平行な上下の直線的な動きを制御する。この間隔のあけかたは、第10図に最も分かりやすく示されており、この図は前方停止部70を通る断面をとっている。後方停止部72の表面は、第3軸54(第2図)に平行であり、前方停止部70の表面は軸54と1/4度もしくはそれより小さい角度を成す。基部32は、0.28mm±0.01mm(0.011”±0.0004”)の厚みの金属で作られ、(第10図に示されたように)前方停止部70と後方停止部72がそれぞれ有する表面どうしの平面間距離は、スロットの底部で0.33mm+0.03mm〜0.013mm(0.013”+0.0012”〜0.0005”)である。かくして、前方停止部70と後方停止部72がそれぞれ有する平面状の表面どうしでこれらは間隔を有し、この間隔が基部32の厚みに0.09mm(0.0035”)以下を加えた分になっている。(従来技術では表面どうしが開いて角度を有しているのとは対照的に)このほとんど平行な配置構成と、さらに基部32のためのスペースがぎりぎりであるということが、シェービング中の刃の位置や角度のばらつきをなくしている。
第11図は、さらに外側についての(すなわち、ハウジング端部に近いところの)断面であり、この断面は後方停止部72端部とそれと向き合う減揺部材74の間を通っており、この減揺部材はこれと対応する前方停止部70よりも高さがあり(第8図および第10図を参照)、また後方停止部72からの(第2軸52と平行な方向の)間隔についても前方停止部70より離れている。第8図および第9図に示されるように、たとえ刃支持体34がハウジング16の一方あるいは他方の端部まで最大限片寄ったとしても、減揺部材74は、刃18の端部とその下側の上方支持体62よりも奥側の外方にあり、かくして刃18の上下の動きを妨げるようなことはない。前方に面するバリ66が減揺部材74と並んでいるときに、バリ66の間隔のとりかたがぎりぎりになっていたとすると、基部32の前方と部材74との間の間隔は、基部32の前方と前方停止部70との間よりも広くなっており、そうでなかった場合よりも、向きあうハウジングの表面に対してバリ66が妨げとなる恐れは少ない。
前方停止部70は、刃18の下側にあるので、刃18よりも外方にある場合より低くなければならない。刃18および屈曲支持体34の上方部62は前方へ傾斜しているので、カートリッジを落下させたり表面をぶつけたりするような極端な力条件のもとでは、もし減揺部材74がなかったとすると、刃18および屈曲支持体34はもとの位置からはずれて前方に動かされ、高い位置になってしまう。減揺部材74は刃18よりも外側に配置されており、減揺部材が刃の移動を妨げることはない。
第9図から最も良く分かるように、前方停止部70と後方停止部72は、前方停止部70の後方で広いスペースを有して互いに食い違いになっている。後方停止部72の主部分の前方も同様に広いスペースがある。これにより、さらに薄いプラスチック製の壁部を用いたり成形部品を余分に付け加えることが容易に可能となり、このときそのプラスチックをゆがみなしに成形できるようになっている。製造の際、屈曲支持体34は打ち抜きと屈曲により作られてバリ66を生じ、刃18は溶着点60(第5図)で刃支持体34の上部62に溶着される。溶着された刃18と刃支持体34は、スロット28内に支持体端部64を挿入し、弾性アーム36に抗して刃および刃支持体を押し下げて、ハウジング16に固定される。ガード20およびキャップ22も同様にハウジング16上に固定され、その後、保持クリップ42を取り付ける。このクリップは正しい位置に刃を保持するもので、第4図に示された停止位置においては、刃のカッティングエッジはクリップ42に当たって停止状態となる。弾性アーム36は、クリップ42に抗して上方に刃を付勢し、刃支持体34の上方部66の角度に応じて、後方部材72に抗して刃支持体34の基部32を付勢する。
シェービング中、刃18は上下に動き、基部32の背面は後方停止部72に抗して滑動する。
Claims (5)
- かみそりカートリッジが、長手方向に延びる刃を受けるための刃受け域であって、互いから離間した2つの側壁間と、互いから離間したガードおよびキャップ間とによって画成された細長い刃受け域を有するハウジングを含み、
前記ハウジングは、前記長手方向に平行で一方の側壁から他方の側壁へ延びる第1軸と、前記第1軸に垂直で前記ガードから前記キャップへ延びる第2軸と、を有し、
このハウジングが、互いに向き合うとともに前記第1軸および第2軸の両方に垂直な第3軸と平行に延びた刃受けスロットを、前記側壁内にさらに有し、そして前記かみそりカートリッジは、前記第1軸に平行なカッティングエッジを備えた刃を有する細長い刃部材をさらに含み、この刃部材が、前記刃から下向きに延びて、前記第3軸と平行な方向に前記スロット内を動けるように取り付けられた支持体端部を刃部材の両端に備える屈曲支持体を、さらに有し、
各スロットが、前記ハウジングの前方停止部と後方停止部とによって画成され、前記スロットの前記前方停止部は前記後方停止部よりも前記ガードに近く、前記スロットの前記後方停止部は前記前方停止部よりも前記キャップに近く、
前記前方停止部が、前記刃の下側に配置され、
前記後方停止部が、前記第1軸と平行な方向において、前記前方停止部の外方に配置され、
前記側壁が、前記屈曲支持体に関して前記前方停止部と同じ側で、前記第1軸に平行な方向に前記刃から離間して配置された減揺部材を含み、前記減揺部材は、前記第3軸に平行な方向に、前記前方停止部よりも高く延びる
ことを特徴とする前記かみそりカートリッジ。 - 前記後方停止部が、前記第3軸に平行な方向に、前記前方停止部よりも高く延びる、請求項1記載のカートリッジ。
- 前記支持体端部が、前記第1軸に平行な方向に前記刃よりも長くなって延びる、請求項1記載のカートリッジ。
- 前記前方および後方停止部がそれぞれ有する表面どうしで、前記第2軸に平行な方向における間隔が、前記屈曲支持体の厚みに0.09mm以下を加えた分の距離になっている、請求項1記載のカートリッジ。
- 前記支持体端部が、前記ガードの方に向くバリを支持体端部の両端に有し、前記バリが前記第1軸と平行な方向において前記前方停止部の外方にある、請求項1記載のカートリッジ。
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