JP4344425B2 - 等速ジョイント用外輪部材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、等速ジョイントを構成する等速ジョイント用外輪部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、自動車の動力伝達装置には、駆動されるシャフトの角度に影響されることなく円滑な回転力を得るために、等速ジョイントが採用されている。この種の等速ジョイントとして、ボールベアリングにより回転力を与えるバーフィールドタイプと、少なくとも3個のローラを介して回転力を与えるトリポードタイプとが知られている。
【0003】
この場合、バーフィールドタイプおよびトリポードタイプの等速ジョイントは、それぞれ、軸部と、この軸部の端部から拡径して一体的に設けられるとともに、その内周面に複数本のトラック溝が形成されたカップ部とにより構成される外輪部材を備えている。
【0004】
例えば、バーフィールドタイプの等速ジョイントを構成する外輪部材を製造する際には、所定長に切断された棒状部材に対し、前方押し出し成形を施すことにより軸部を形成し、一方、据え込み成形、後方押し出し成形およびしごき成形等の種々の鍛造成形を施すことにより、前記軸部と一体的にカップ部を形成している。
【0005】
ところで、このような鍛造成形方法を用いて外輪部材を製造した場合、各種の鍛造成形工程の間に、例えば、焼鈍し、ボンデ等の中間処理が必要となり、複数の鍛造成形工程では、複数の中間処理が必要となる。
【0006】
また、前記鍛造成形では、得られる成形体の成形面の面圧が極めて高いため、外輪部材の肉厚を薄くすることが難しいという問題がある。
【0007】
そこで、例えば、特開平9−29380号公報には、図8および図9に示されるように、所定寸法に切断された高炭素鋼管材に対して冷間プレスによりその一端部を絞り込んでカップ部1を成形し、前記カップ部1の中心に対して、丸材からロール転造等により成形された軸部2の基端を溶着して前記カップ部1と軸部2とを一体化した後、表面硬化処理を行う技術的思想が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平9−29380号公報に開示された技術的思想では、カップ部1のフランジ3に凹凸が形成されているため、蛇腹状の図示しないブーツを締め付けて係止するブーツバンド(図示せず)が前記凹凸形状に対応して特殊な形状となり、従来から使用している一般的なブーツバンドに代替して特殊な形状を有するブーツバンドを製造しなければならないため、製造コストが高騰するという不具合がある。
【0009】
また、ブーツバンドの締付強度が不足したり、あるいは、カップ部1のフランジ3とブーツとの間の間隙からオイル漏れが発生するおそれがある。
【0010】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、従来から一般的に使用されているブーツバンドをそのまま使用することができるとともに、カップ部の肉厚を薄肉に形成して軽量化を図り、しかも製造コストを低減することが可能な等速ジョイント用外輪部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、開口部を有するカップ部と、前記カップ部の一端部に突設して接合される軸部とからなる等速ジョイント用外輪部材の製造方法において、
パイプを切断することで作製されて両端部が開口した管状体の一端部を縮径する工程と、
前記管状体の他端部から縮径された前記一端部に至る途中を起点とし、該起点から前記一端部に至るまで、前記管状体の周方向に沿って互いに等間隔で離間する陥没を複数個形成することにより、その頂面が前記他端部の外周面に同一周面上で連なる膨出部を前記陥没同士の間に形成して前記カップ部とする工程と、
前記カップ部の縮径された前記一端部の開口部に前記軸部を挿入して前記開口部を閉塞した後、前記カップ部と前記軸部とを互いに接合して等速ジョイント用外輪部材とする工程と、
を有し、
前記カップ部中、開口部が残留した前記他端部の外周面を、ブーツバンドを装着するための断面略円形状のフランジ部とすることを特徴とする。
【0012】
この場合、前記フランジ部と膨出部の頂面は、同一の曲率半径を有する同一周面に形成される。これにより、カップ部の形状を簡素化して小型化することができる。
【0013】
本発明によれば、開口部を有するカップ部と、前記カップ部の一端部に突設して接合される軸部とからなる等速ジョイント用外輪部材において、フランジ部を断面略円形状に形成することにより、従来から一般的に使用されているブーツバンドを前記フランジ部に装着することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る等速ジョイント用外輪部材の製造方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0015】
図1において、参照数字10は、本実施の形態に係る製造方法によって作製される等速ジョイント用外輪部材を示す。
【0016】
この等速ジョイント用外輪部材10は、カップ部12と軸部14とから構成され、前記カップ部12と軸部14とは溶接等により一体的に結合して形成される。前記カップ部12の一端部には略円形状の開口部16が形成され、前記開口部16の外周面には、ブーツバンド18(図2参照)を装着するための断面略円形状のフランジ部20が形成されている。
【0017】
また、前記カップ部12には、図3に示されるように、周方向に沿って約120度の角度だけ離間し、軸線方向に沿って延在する3つの膨出部22a〜22cが形成され、前記膨出部22a〜22cの内壁面にはトラック溝24a〜24cが形成されている。隣接する膨出部22a〜22cの間には、同心円状からなる円弧部25a〜25cが形成されている。
【0018】
この場合、フランジ部20と膨出部22a〜22cの頂面26は、それぞれ、略同一の曲率半径を有する周面に形成されている。従って、カップ部12の形状を簡素化して小型化することができる。
【0019】
前記カップ部12の他端部は、後述するプレス成形によって絞り込まれることにより、前記膨出部22a〜22cから軸部14側に向かって徐々に縮径するショルダ部28が形成されている(図2参照)。
【0020】
軸部14は、図6に示されるように、略円柱状からなり、その軸線方向に沿った両端面にそれぞれセンタ穴30、32が同軸状に形成され、カップ部12との接合部位には環状段部34が形成されている。
【0021】
次に、本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材10の製造方法について以下説明する。
【0022】
先ず、カップ部12の製造工程について説明する。
【0023】
例えば、両端部が開口したパイプ等の管状体36を所定寸法に切断し(図4A参照)、切断された前記管状体36に対して中間処理を施す。すなわち、前記管状体36に対し、焼鈍し処理、ショットブラスト処理およびボンデ処理等の潤滑処理を行う(図4Bおよび図4C参照)。前記中間処理が行われた管状体36に対してトラック溝およびショルダ部をプレス成形装置38、40によってプレス成形した後(図4Dおよび図4E参照)、前記管状体36の両端面にそれぞれレース加工を行うことによりカップ部12が形成される(図4F参照)。
【0024】
本実施の形態では、薄肉状に形成された管状体36を用いることにより、等速ジョイント用外輪部材10の肉厚をより一層薄肉に形成することができる。
【0025】
次に、前記カップ部12とは別個に且つ並列的に遂行される軸部14の製造工程について説明する。
【0026】
棒状部材42が所定寸法に切断された円柱体44に対して(図5A参照)、焼鈍し処理、ショットブラスト処理およびボンデ処理等の中間処理を行った後(図5Bおよび図5C参照)、前記円柱体44に対して2つの工程からなる鍛造成形が施されることにより成形体46、48が得られ(図5Dおよび図5E参照)、さらに、前記成形体48において、カップ部12との接合部位に対してレース加工が行われることにより、軸部14が形成される(図5F参照)。なお、図6において、二点鎖線は、レース加工を施す前の状態における軸部14の形状を示している。
【0027】
このようにしてそれぞれ別個に且つ並列的に製造されたカップ部12の縮径した一端部に軸部14を圧入し(図7A)、前記カップ部12と軸部14との接合部位を図示しないレーザビーム発生手段から照射されるレーザビーム50によって溶着することにより、カップ部12と軸部14とが一体的に結合される(図7B参照)。続いて、ブーツバンド18を装着するためのバンド溝52のサイジング加工が施された後(図7C参照)、最後に浸炭処理および研磨処理等が行われることにより(図7D)、製品としての等速ジョイント用外輪部材10が完成する。
【0028】
本実施の形態では、ブーツバンド18が装着されるカップ部12のフランジ部20が断面略円形状に形成されているため、従来から一般的に使用されているブーツバンド18をそのまま使用することができる。従って、従来技術のように特殊形状のブーツバンドを用いる必要がないため、製造コストを低減することができる。
【0029】
また、管状体36を塑性変形させてカップ部12を形成しているため、前記カップ部12の肉厚をより一層薄肉にすることにより、軽量化を図ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0031】
すなわち、フランジ部を断面略円形状に形成することにより、従来から一般的に使用されているブーツバンドを前記フランジ部に装着することができる。この結果、特殊形状のブーツバンドを製造する必要がないため、製造コストを低減することができる。
【0032】
また、管状体を塑性変形させてカップ部を形成しているため、前記カップ部の肉厚をより一層薄肉にすることにより、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用外輪部材の斜視図である。
【図2】 前記等速ジョイント用外輪部材の軸線方向に沿った部分断面図である。
【図3】 図2のIII−III線に沿った横断面図である。
【図4】 図4A乃至図4Fは、それぞれ、カップ部の製造工程を示す説明図である。
【図5】 図5A乃至図5Fは、それぞれ、軸部の製造工程を示す説明図である。
【図6】 前記製造工程によって形成された軸部の一部断面図である。
【図7】 図7A乃至図7Dは、それぞれ、前記カップ部と前記軸部とを接合して等速ジョイント用外輪部材の製造工程を示す説明図である。
【図8】 従来技術に係る等速ジョイント用外輪部材の一部断面図である。
【図9】 図8に示す等速ジョイント用外輪部材の側面図である。
【符号の説明】
10…等速ジョイント用外輪部材 12…カップ部
14…軸部 16…開口部
18…ブーツバンド 20…フランジ部
22a〜22c…膨出部 24a〜24c…トラック溝
25a〜25c…円弧部 26…頂面
28…ショルダ部 36…管状体
Claims (1)
- 開口部を有するカップ部と、前記カップ部の一端部に突設して接合される軸部とからなる等速ジョイント用外輪部材の製造方法において、
パイプを切断することで作製されて両端部が開口した管状体の一端部を縮径する工程と、
前記管状体の他端部から縮径された前記一端部に至る途中を起点とし、該起点から前記一端部に至るまで、前記管状体の周方向に沿って互いに等間隔で離間する陥没を複数個形成することにより、その頂面が前記他端部の外周面に同一周面上で連なる膨出部を前記陥没同士の間に形成して前記カップ部とする工程と、
前記カップ部の縮径された前記一端部の開口部に前記軸部を挿入して前記開口部を閉塞した後、前記カップ部と前記軸部とを互いに接合して等速ジョイント用外輪部材とする工程と、
を有し、
前記カップ部中、開口部が残留した前記他端部の外周面を、ブーツバンドを装着するための断面略円形状のフランジ部とすることを特徴とする等速ジョイント用外輪部材の製造方法。
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