JP4343353B2 - 電子時計およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁式ステッピングモータを有する電子時計であり、とくにステッピングモータの駆動後に駆動コイルに誘起される電力を再利用することで電子時計の消費電力を低減することを特徴とする電子時計の構成および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、指針によって時刻を表示するアナログ式の電子時計は、電池のもつ電気エネルギを指針の回転という機械エネルギへ変換するため、電磁変換式のステッピングモータを用いるのが普通である。
電子時計用のステッピングモータは、図2に示すように、軟磁性材料からなるステータ33と、2極の永久磁石を有するロータ34と、駆動コイル35とで構成する。
これについてはすでに実用化されているので詳細な説明はしないが、駆動コイル35に所定の電流が通電されると磁界が発生し、ステータ33を介してロータ34に磁界が伝達されることでロータ34には磁気的反発による回転トルクが発生する。
また、図示はしないが、ロータ34は歯車を同軸に有しており、これにより回転トルクを輪列および時刻表示指針へと伝達する。
【0003】
このようなステッピングモータにおいては、駆動コイル35へ通電を行った後には、ロータ34がもつ運動エネルギや駆動コイル35に蓄えられた誘導エネルギなどが残ることが知られており、このエネルギを再び利用するという試みがなされていた。
このような電子時計の構成例は、たとえば特開昭53−32767公報に開示されている。
【0004】
またこの従来の例は、図2にあるようなステッピングモータに加えて、図6に示すような充放電回路を有している。
この例においては、トランスミッションゲートであるスイッチ11〜14とダイオード15とコンデンサ16〜17とで充放電回路を構成している。なお図6中にあるドライバ23は駆動コイル35へ通電を行うスイッチング回路である。
【0005】
この充放電回路においては、ステッピングモータの駆動後に駆動コイル35に誘起電流が発生した際、その誘起電流が第2のコイル端子S32から第1のコイル端子S31へ流れる方向である間は、スイッチ11とスイッチ13をオンすることでコンデンサ17へ誘起電流を蓄電し、それとは逆の誘起電流が流れる間はスイッチ11とスイッチ12がオンすることでコンデンサ16へ蓄電を行うよう動作する。
さらに前述の蓄電が終了すれば、スイッチ11をオフした後、スイッチ14をオンすることで、コンデンサ16〜17に蓄電した電荷をダイオード15を通じて電池等の電源(図示せず)へ再び戻すというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例では、誘起電流の向きの計測やその計測結果を各スイッチの動作に反映するための具体的な方法が開示されていないが、ステッピングモータの駆動後には、少なくともすでに電荷の蓄えられたコンデンサが接続するため、ロータの回転状態によっては逆にコンデンサ側から駆動コイル側へ電流が放電されることとなる。
したがって電気的な影響だけでなくロータの運動にも影響が現れるため、誘起電流を効率良く発生させることや、誘起電流を蓄電することができなかった。
【0007】
さらに現在のステッピングモータで実用化されているロータの回転判定には、この誘起電流そのものを直接を利用しているものが大半である。これは所定の波形パターンが得られたかどうかを計測することで回転判定を行うというものである。
このため、駆動コイルにコンデンサ等を接続してしまうと従来とは異なった電流波形になってしまう等の理由から、回転判定と誘起電流の蓄電との両方を平行して行うことはできなかった。
【0008】
[発明の目的]
そこで本発明は上記の問題点を改善し、ステッピングモータの駆動後に得られる誘起電流を確実に蓄電(回収)し再利用することで電子時計全体の電力効率を向上しつつ、この回収動作とロータの回転判定を平行して行える電子時計を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子時計は、駆動コイルへ通電することでロータが回転運動するステッピングモータおよび減速輪列と時刻表示指針と文字板とからなり前記ロータの回転により時刻表示を行う時刻表示手段と、前記ステッピングモータを駆動するための駆動波形を生成し前記駆動コイルに通電する駆動手段と、前記駆動手段へ電力を供給する電源手段と、前記駆動コイルに発生する電力を蓄電可能な回収手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の電子時計には、ステッピングモータの他に、駆動コイルに発生する誘起電流を蓄える回収手段を備えている。さらに駆動コイルに発生する誘起電流の状態を計測する電流計測手段があるため、最も適切なタイミングで回収手段の動作を制御することが可能となっている。
また回収手段が誘起電流を蓄電するのに要する時間を計測する時間計測手段もあり、この計測結果をもとにロータの回転判定をすることが可能となっている。
【0011】
[作用]
このため従来困難であった、ステッピングモータの駆動後に存在するエネルギを確実かつ最大効率で再利用し、そのうえロータの回転判定も平行して行うことが可能となるため、電子時計の低消費電力化と安定駆動とを同時に実現することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子時計を実施するための最適な形態の電子時計を図面を用いて説明する。
図1は本実施の形態の電子時計の全体構成を説明するための回路ブロック図である。
図2は時刻表示手段の一部であるステッピングモータの構成を説明するための平面図である。
図3は回収手段とその周辺回路の構成を説明するための回路図である。
図4は駆動手段の一部である波形生成手段の構成を説明するための回路図である。
図5は本実施の形態の動作説明をするための各部の信号波形を示す波形図である。
【0013】
[本実施の形態の構成説明:図1、図2]
図1および図2を用いて、本発明の実施の形態における電子時計の構成の全体構成について説明する。
【0014】
本発明の実施の形態の電子時計は、電源手段10と、駆動手段20と、時刻表示手段30と、回収手段40とで構成している。
【0015】
時刻表示手段30は、図2に示すような、駆動コイル35とステータ33とロータ34とからなるステッピングモータ32と、図示しない減速輪列と時刻表示用の指針および文字板などで構成した、電子時計においては一般的な時刻表示用機構部分である。
ステッピングモータ32は前述の従来例と同じ構成のものである。
【0016】
なお、ステッピングモータ32についての詳細な説明は省略するが、本発明の実施の形態では駆動コイル35へiの向き(図2参照)に電流が流れたときにはφの向きに磁束が発生するように構成してあるとする。
また、ロータ34は磁石のN極がθ1またはθ2の位置に安定するように磁気的に構成され、ロータ34がθ1に安定しているときにφの向きに磁束を発生させるとロータ34がθ2の位置へ1ステップ分回転するようになっている。
【0017】
また図1にあるように、駆動手段20は、定電圧電源手段21と波形生成手段22とドライバ23とで構成している。
駆動手段20はCMOS回路で構成される電子回路である。
【0018】
定電圧電源手段21は、入力電圧を所定の定電圧に変換して出力するレギュレータ回路であり、電源手段10の端子電圧を0.8Vにして出力するという、電子時計では一般的なものである。
また、波形生成手段22も一般的な電子時計と同様の、水晶の発振周波数を所定の周波数まで分周し、さらにその分周信号をステッピングモータ32や後述の回収手段40の駆動に必要な波形に変形する回路である。
ドライバ23は、波形生成手段22が生成した波形に応じてステッピングモータ32の駆動コイル35に通電するためのスイッチング回路である。駆動コイル35の両端にはドライバ23の出力端子である第1のコイル端子S31および第2のコイル端子S32が接続している。
【0019】
波形生成手段22は、ドライバ23がスイッチング動作可能なように、第1の駆動スイッチ信号S41〜第4の駆動スイッチ信号S44をドライバ23に接続している。
これらの信号波形の形状については後述する。
【0020】
回収手段40は、駆動コイル35に誘起する電流を蓄電する役割をもつ。駆動手段20には、回収手段40の蓄えた電力を出力可能なように回収出力S22が接続している。
ただし、本発明の実施の形態では簡略例として回収出力S22には定電圧出力S21が直接接続しているとする。
なお、回収手段40内部の詳細構成については後で詳細に説明する。
【0021】
電源手段10は端子電圧が1.5Vの酸化銀電池(1次電池)である。駆動手段20および回収手段40は電源手段10に並列に接続しており、それぞれの動作に必要な電力が得られるようになっている。
【0022】
また駆動手段20は、リセット信号S0の否定信号と駆動マスクS2の否定信号と第1の回収スイッチ信号S45と第2の回収スイッチ信号S46とを回収手段40に出力している。
逆に回収手段40は、第1の検流信号S65と第2の検流信号S66とを駆動手段20に出力している。
なお、これらの信号波形の形状についても後述する。
【0023】
[回収手段の構成説明:図3]
つぎに図3を用いて、本発明の実施の形態における回収手段とその周辺の構成について説明する。
【0024】
駆動手段20の中のドライバ23は、第1の駆動スイッチ41と第2の駆動スイッチ42と第3の駆動スイッチ43と第4の駆動スイッチ44とで構成する。
また、回収手段40は、第1のコンデンサ51と第2のコンデンサ52と第1の回収スイッチ45と第2の回収スイッチ46と第3の回収スイッチ47と第4の回収スイッチ48と第1の昇圧スイッチ53と第2の昇圧スイッチ54と第3の昇圧スイッチ55と第1の放電スイッチ56と第2の放電スイッチ57とで構成する。
また、回収手段40の一部である電流計測手段は、第1の検流スイッチ61と第2の検流スイッチ62と第1の検流抵抗63と第2の検流抵抗64と、図3には図示しない第1の検流器65と第2の検流器66とで構成する。
なお、第1の検流器65と第2の検流器66とについては、後述する波形生成手段22の構成説明の部分であわせて説明する。
【0025】
回収手段40の中の回収スイッチと昇圧スイッチと放電スイッチのそれぞれはすべてMOSFETで構成している。
とくに第1の駆動スイッチ41と第2の駆動スイッチ42と第1の検流スイッチ61と第2の検流スイッチ62と第1の検流抵抗63と第2の検流抵抗64と第1の昇圧スイッチ53と第1の放電スイッチ56とはPチャンネルMOSFETであり、第3の駆動スイッチ43と第4の駆動スイッチ44と第2の昇圧スイッチ54と第3の昇圧スイッチ55と第2の放電スイッチ57とはNチャンネルMOSFETである。
【0026】
第1の駆動スイッチ41と第3の駆動スイッチ43とは直列に接続してあり、この接続点が第1のコイル端子S31となっている。
さらに第1の駆動スイッチ41の他端は接地し、第2の駆動スイッチ42の他端は電源手段10の負極(図3ではS10として表記)に接続してある。
同様に第2の駆動スイッチ42と第4の駆動スイッチ44とは直列に接続してあり、この接続点が第2のコイル端子S32となっている。
さらに同様に第2の駆動スイッチ42の他端は接地し、第4の駆動スイッチ44の他端は電源手段の負極に接続してある。
また各駆動スイッチのスイッチング動作のため、各駆動スイッチのゲート端子には、第1の駆動スイッチ信号S41〜第4の駆動スイッチ信号S44がそれぞれ接続している。
【0027】
第1のコンデンサ51および第2のコンデンサ52はともに0.1μFの容量のコンデンサである。
第1のコンデンサ51の正極は接地してあり、第2のコンデンサ52の正極は第1の昇圧スイッチ53を介して接地してある。
さらに第1のコンデンサ51の負極と第2のコンデンサ52の正極間には第2の昇圧スイッチ54が挿入してある。
また第3の昇圧スイッチ55は回収手段40の出力である回収出力S22と第2のコンデンサ52の負極との間に挿入してある。
【0028】
第1の昇圧スイッチ53と第2の昇圧スイッチ54と第3の昇圧スイッチ55のゲート端子には共に駆動マスクS2の否定信号が接続している。
【0029】
そして第1のコンデンサ51には第1の放電スイッチ56が並列に接続し、同様に第2のコンデンサ52の負極は第2の放電スイッチ57を介して接地可能なようになっている。
第1の放電スイッチ56および第2の放電スイッチ57のゲート端子にはリセット信号S0の否定信号が接続している。
【0030】
一方各回収スイッチはトランスミッションゲートで構成している。トランスミッションゲートは、スイッチ本体をPチャンネルFETとNチャンネルFETを並列に接続することで構成した、一般的なスイッチング回路である(内部構成についての詳細な説明は省略)。
第1の回収スイッチ45は第1のコイル端子S31と第2のコンデンサ52の負極間に挿入してあり、第2の回収スイッチ46は第2のコイル端子S32と第2のコンデンサ52の負極間に挿入してあり、第3の回収スイッチ47は第1のコイル端子S31と第1のコンデンサ51の負極間に挿入してあり、第4の回収スイッチ48は第2のコイル端子S32と第1のコンデンサ51の負極間に挿入してある。
なお各回収スイッチのスイッチング動作のため、第1の回収スイッチ45と第3の回収スイッチ47には第1の回収スイッチ信号S45が接続し、第2の回収スイッチ46と第4の回収スイッチには第2の回収スイッチ信号S46とが接続している。
【0031】
第1の検流スイッチ61と第2の検流スイッチ62と第1の検流抵抗63と第2の検流抵抗64はすべてPチャンネルFETである。
第1の検流抵抗63と第1の検流スイッチ61とは直列に接続しており、その接続点を第1の検流端子S63としてある。第1の検流抵抗63の他端は第1のコイル端子S31と接続し、第1の検流スイッチ61の他端は接地している。
同じように、第2の検流抵抗64と第2の検流スイッチ62も直列に接続しており、その接続点を第2の検流端子S64としてある。第2の検流抵抗64の他端は第2のコイル端子S32と接続し、第2の検流スイッチ62の他端は接地している。
【0032】
なお、それぞれ検流スイッチおよび検流抵抗のスイッチング動作のため、第1の検流スイッチ61のゲート端子には第1の検流スイッチ信号S61が接続し、第2の検流スイッチ62のゲート端子には第2の検流スイッチ信号S62が接続している。
ここでは、FETである各検流スイッチのオン抵抗は、100Ω程度であるとする。
【0033】
また第1の検流抵抗63のゲート端子にも第1の検流スイッチ信号S61が接続し、第2の検流抵抗64のゲート端子にも第2の検流スイッチ信号S62が接続している。
ここではFETである各検流抵抗のオン抵抗は、100Ω程度であるとする。
【0034】
[波形生成手段の構成説明:図4]
つぎに図4を用いて、本発明の実施の形態における波形生成手段22とその周辺の構成について説明する。
【0035】
波形生成手段22は、
基本波形生成手段81と
第1のフリップフロップ82と第1のアンドゲート83と第2のアンドゲート84と第3のアンドゲート85と第4のアンドゲート86と第1のインバータ85Bと第2のインバータ86Bと第1のオアゲート87と第2のオアゲート88と第3のインバータ89と第1のナンドゲート90と第2のフリップフロップ91と第5のアンドゲート92と第6のアンドゲート93と第7のアンドゲート95と第8のアンドゲート96と第9のアンドゲート97と第3のオアゲート98と第3のフリップフロップ99と第10のアンドゲート101とカウンタ102と第1のノアゲート103とで構成している。
なおフリップフロップとインバータを除く論理ゲートは、とくに指定しない限り2入力である。
【0036】
さらに、説明の都合上、図3には回収手段40における電流計測手段の一部である、第1の検流器65と第2の検流器66とが図示してある。
第1の検流器65および第2の検流器66はコンパレータ回路であり、第1の検流器65の非反転入力端子には第1の検流端子S63が接続し、反転入力端子には第1のコイル端子S31が接続している。
また第2の検流器66の非反転入力端子には第2の検流端子S64が接続し、反転入力端子には第2のコイル端子S32が接続している。
【0037】
第1の検流器65および第2の検流器66の出力は、それぞれ第1の検流信号S65と第2の検流信号S66として駆動手段20の中の波形生成手段22へ送られている。
【0038】
また各検流器はイネーブル端子を備えており、後述する検流期間信号S7が接続している。各検流器はイネーブル信号がハイレベルの時のみ動作し、ロウレベルのときは電源が投入されずに非動作状態となる。
なお、各検流器が非動作のときは出力はロウレベルにプルダウンされるようになっている。
【0039】
さらに基本波形生成手段81は、一般的な電子時計と同様に水晶振動子の発振波形を分周した後、ステッピングモータ32の駆動や回収手段40の動作に必要な基本波形に変形する部分である。
【0040】
基本波形生成手段81は、リセット信号S0と駆動信号S1と駆動マスクS2と回収許可信号S3とクロックS4とを出力する。
またリセット信号S0と駆動マスクS2の各否定信号も出力する。
【0041】
駆動信号S1は、全体の周期は1秒のパルス列であり、4ミリ秒間ハイレベルとなった後に20ミリ秒間ロウレベルとなり再び8ミリ秒間ハイレベルとなる波形である。
【0042】
リセット信号S0は、ハイレベルとなる時間が0.5ミリ秒で周期が1秒の波形である。リセット信号S0の立ち上がりは駆動信号S1の先頭のパルスの立ち上がりに同期するようにしている。
【0043】
駆動マスクS2は、周期が1秒で、ハイレベルの時間が32ミリ秒の波形である。
駆動マスクS2の立ち上がりは駆動信号S1の先頭パルスの立ち上がりと同時刻である。これは駆動信号S1の一組のパルス列を覆う信号である。
【0044】
回収許可信号S3は、周期が1秒で、ハイレベルの時間16ミリ秒の波形である。
回収許可信号S3は、駆動信号S1の先頭波形の立ち上がりから5ミリ秒経過した後に回収許可信号S3が立ち上がるように設定してある。
【0045】
クロックS4は周波数が16KHzの矩形波である。なお駆動信号S1の立ち上がりタイミングは、クロックS4の立ち下がりタイミングに同期している。
【0046】
第1のフリップフロップ82は、トグルフリップフロップであり、駆動マスクS2の立ち下がりのタイミングで出力データを反転させるように動作するようになっている。第1のフリップフロップの出力は駆動位相信号S5としている。
なお、第1のフリップフロップ82は否定出力付きである。
【0047】
第1のアンドゲート83は3入力のアンドゲートであり、駆動位相信号S5と駆動信号S1と後述する駆動許可信号S9との論理積を第3の駆動スイッチ信号S43として出力する。
また、第2のアンドゲート84も3入力のアンドゲートであり、駆動位相信号S5の否定信号と駆動信号S1と後述するカウント信号S9との論理積を第4の駆動スイッチ信号S44として出力する。
【0048】
第3のアンドゲート85は、駆動位相信号S5と後述する検流期間信号S7との論理積を出力する。さらにこの否定信号である第1の検流スイッチ信号S61は第1のインバータ85Bに入力することで得ている。
また、第4のアンドゲート86は駆動位相信号S5の否定信号と検流期間信号S7との論理積を出力する。さらにこの否定信号である第2の検流スイッチ信号S62は第2のインバータ86Bに入力することで得ている。
【0049】
3入力を有する第1のオアゲート87は、第3のアンドゲート85の出力と第3の駆動信号S43と第2の回収スイッチ信号S46(後述)との論理和を、第1の駆動スイッチ信号S41として出力する。
また同様に3入力の第2のオアゲート88は第4のアンドゲート86の出力と第4の駆動信号S44と第1の回収スイッチ信号S45(後述)との論理和を、第2の駆動スイッチ信号S42として出力する。
【0050】
第3のインバータ89は、後述する回収期間信号S6を入力することにより、回収期間信号S6の否定信号を出力する。
【0051】
第1のナンドゲート90は回収許可信号S3と第3のインバータ89の出力との論理積の否定信号を出力し、第2のフリップフロップ91へ入力している。
第2のフリップフロップ91もトグルフリップフロップであり、第1のナンドゲート90の出力の立ち下がりで出力データを反転する。第2のフリップフロップ91の出力が検流期間信号S7となっている。第2のフリップフロップ91はリセット端子を有しており、ここにはリセット信号S0が接続している。
【0052】
第7のアンドゲート95はクロックS4と検流期間信号S7との論理積を出力し第3のフリップフロップへ入力している。
第3のフリップフロップ99は、リセット付きのデータタイプフリップフロップである。
【0053】
第8のアンドゲート96および第9のアンドゲート97は、ともに3入力のアンドゲートであり、第8のアンドゲート96は駆動位相信号S5と回収許可信号S3と後述する第1の検流信号S65との論理積を出力する。
第9のアンドゲート97は駆動位相信号S5の否定信号と回収許可信号S3と後述する第2の検流信号S66との論理積を出力する。
【0054】
そして第3のオアゲート98は、第8のアンドゲート96と第9のアンドゲート97との出力の論理和を出力し、第3のフリップフロップ99のデータ端子へ入力する。
第3のフリップフロップ99のリセット端子へは、リセット信号S0が接続している。
なお、第3のフリップフロップ99の出力が回収期間信号S6となっている。
【0055】
第5のアンドゲート92は、回収許可信号S3と回収期間信号S6と駆動位相信号S5との論理積を第2の回収スイッチ信号S46として出力する。
第6のアンドゲート93は、回収許可信号S3と回収期間信号S6と駆動位相信号S5の否定信号との論理積を、第1の回収スイッチ信号S45として出力する。
【0056】
第10のアンドゲート101はクロックS4と回収期間信号S6と後述する時間計測許可信号S8との論理積を出力し、カウンタ102に入力する。
【0057】
カウンタ102はリセット付きトグルフリップフロップを6個直列に並べたカウンタ回路である。
ここでは、説明の都合上、カウンタ102の内部は初段から順にカウンタ1段目102A、カウンタ2段目102B・・・カウンタ6段目102Fであるとしておく。また最終段のカウンタ6段目102Fは否定出力があり、これを時間計測許可信号S8としている。またカウンタ102の共通リセット端子にはリセット信号S0が接続している。
【0058】
4入力のノアゲートである第1のノアゲート103には、カウンタ102の1段目102A〜5段目102Eの出力信号が接続しており、この4つの信号の論理和の否定信号を出力している。第1のノアゲート103の出力は駆動許可信号S9となっている。
なお第10のアンドゲート101とカウンタ102と第1のノアゲート103とが時間計測手段100に相当している。
以上のようにして本発明の実施の形態の波形生成手段22およびその周辺を構成する。
【0059】
[本発明の実施の形態の動作説明:図1〜図5]
つぎに、図1から図5を用いて本発明の実施の形態の電子時計の動作説明を行なう。
図5には主に波形生成手段22における信号波形を示してあるが、説明の都合上駆動コイル35に流れる電流波形をiとして示してある。
なおここでは説明を簡単にするため、各信号においてとくに動作に関係のあるタイミングでの説明だけ行うこととする。
【0060】
電源手段10から電源が投入されれば波形生成手段22は動作を開始し、各出力信号には所定の波形が出力される。
ここでは説明の都合上、第1のフリップフロップ82の保持データはセットされ、駆動位相信号S5はハイレベルになっているものとする。
【0061】
はじめに、駆動手段20が時刻表示手段30のステッピングモータ32を駆動した結果、ロータ34が正しく回転する場合について説明する。
【0062】
(駆動動作)
まず駆動信号S1のパルス列が1秒周期で発生する。まず先頭のパルスが4ミリ秒間ハイレベルとなり、同時にリセット信号S0および駆動マスクS2もハイレベルとなる。
とくに、この4ミリ秒の間にはステッピングモータ32に通電されるのでその説明を行う。
【0063】
リセット信号S0は0.5ミリ秒間ハイレベルとなるので、これに同期して第2のフリップフロップ91と第3のフリップフロップ99の各保持データはすべてリセットされ、同様にカウンタ102のデータもリセットされる。
カウンタ102のデータがリセットされると、第1のノアゲート103の入力はすべてロウレベルとなるため駆動許可信号S9はハイレベルとなる。
【0064】
このときは駆動マスクS2がハイレベルであるため、第1の昇圧スイッチ53もオン状態となる。
また第1の放電スイッチ56および第2の放電スイッチ57はリセット信号S0がハイレベルの期間だけオン状態となるので、第1のコンデンサ51と第2のコンデンサ52は両端が短絡した状態となり、両コンデンサは空の状態に初期化される。
【0065】
一方、駆動位相信号S5はハイレベルであり、駆動許可信号S9とはハイレベルとなるので第1のアンドゲート83は駆動信号S1をそのまま第3の駆動スイッチ信号S43として出力する。
同様に第1のオアゲート87も駆動信号S1をそのまま第1の駆動スイッチ信号S41として出力する。
逆にこの間は第2のアンドゲート84はロウレベル出力であり、また第3のフリップフロップ99の出力である回収期間信号S6はロウレベルであるため、第1の回収スイッチ信号S45および第2の回収スイッチ信号S46はロウレベルとなる。このため第2の駆動スイッチ信号S42および第4の駆動スイッチ信号S44はロウレベルのままとなる。
【0066】
すると第1の駆動スイッチ信号S41〜第4の駆動スイッチS44を受け、ドライバ23中の第1の駆動スイッチ41はオフとなり、かつ第3の駆動スイッチ43はオンとなる。
また、第2の駆動スイッチ42はオンのままであるため、駆動コイル35は電源手段10に接続され、第2のコイル端子S32から第1のコイル端子S31の方向に電流が流れる。
これによりステッピングモータ32のステータ33内にはφの方向に磁束が発生しロータ34に回転トルクが発生する。
【0067】
そしてこの後、駆動信号S1がロウレベルへと変化すると、第1のアンドゲート83の出力はロウレベルとなるため第1の駆動スイッチ41はオンとなり、第3の駆動スイッチ43はオフとなる。第2の駆動スイッチ42はオンのままである。
よって駆動コイル35の両端は接地され、電源手段10から駆動コイル35への通電は停止する。
【0068】
(検出動作)
しかしこの1ミリ秒後に回収許可信号S3がハイレベルとなる。すると回収期間信号S6はロウレベルのままであるので第1のナンドゲート90の入力はともにハイレベルとなり検流期間信号S7はロウレベルへ変化する。
すると、第3のアンドゲート85はハイレベルを出力するので、第1の駆動信号S41は再びハイレベルとなり、かつ第1の検流スイッチ信号S61はロウレベルへ変化する。
この結果、第1の検流スイッチ61はオンとなり、第1の駆動スイッチ41はオフとなる。ただし回収期間信号S6はロウレベルのままなので第2の回収スイッチ信号S46はロウレベルのままである。
【0069】
また検流期間信号S7を受け、第1の検流器65および第2の検流器66はアクティブとなり、第1の検流器65の計測動作が開始する(ここでは第2の検流器66の出力は動作に影響しない)。
なお、各検流器が非アクティブの間は各検流器の出力信号はプルダウンされロウレベルとなるようにしてあるが図5にはそれを破線で示した。さらに、第7のアンドゲート95はクロックS4をそのまま第3のフリップフロップ99へ出力する。
このとき駆動位相信号S5はハイレベルであるので、第3のフリップフロップ99には第8のアンドゲート96を介して第1の検流信号S65がデータとして入力される。
クロックS4は16KHzであるので、第3のフリップフロップは61マイクロ秒毎に第1の検流信号S65を取り込み回収期間信号S6に反映させるように動作する。
【0070】
さて、ステッピングモータ32への駆動後は、駆動電流によって、駆動コイル35に蓄えられた磁気的エネルギとロータ34の回転により発電がおき、駆動コイル35には電源手段10から通電されなくとも誘起起電力が発生する。
【0071】
図5で図示しているように、回収許可信号S3がハイレベルとなった直後は、駆動コイル35に発生している誘起電流の向きは、電源手段10がステッピングモータ32へ駆動電流を通電した向きに対して逆方向となっている。
このときは第1の検流抵抗63での電圧降下により第1のコイル端子S31の端子電位は接地電位すなわち第1の検流端子S63よりも低いので、その間第1の検流信号S65はロウレベルである。
【0072】
(回収動作)
駆動コイル35に発生する誘起電圧は振動的であるために、やがて駆動コイル35に発生する誘起電流が上記とは逆向き、すなわち電源手段10がステッピングモータ32へ駆動電流を通電した向きと同じ方向へ変化しようとする。
誘起電流の極性が変化すると第1の検流端子S63と第1のコイル端子S31の電位の大小関係は反転するので第1の検流信号S65はハイレベルへと変化する。
【0073】
すると第3のフリップフロップ99は第8のアンドゲート96および第3のオアゲート98により伝達された第1の検流信号S65を取り込み、回収期間信号S6はハイレベルへと変化する。
この取り込み動作はクロックS4の立ち下がりに同期して行われるため、ここでの遅れは最大でも61マイクロ秒である。
【0074】
回収期間信号S6がハイレベルである間は回収手段40により駆動コイル35に生じた誘起電流の回収動作が行われる。
駆動位相信号S5はハイレベルであるので、第2の回収スイッチ信号S46が第5のアンドゲート92によりハイレベルへ変化し第2の回収スイッチ46および第4の回収スイッチ48はオンとなる。
また第2の駆動スイッチ信号S42は、第2のオアゲート88によりハイレベルとなり第2の駆動スイッチ42はオフとなる。
【0075】
この状態では第2のコンデンサ52の正極は接地されるとともに、第2のコイル端子S32は2つのコンデンサの負極に接続される。
この結果、第1のコンデンサ51と第2のコンデンサ52と駆動コイル35は並列接続され、かつ駆動コイル35に誘起した電流はコンデンサの両方へ蓄電される。
【0076】
またその直前までカウンタ102はリセットされた状態であるため、時間計測許可信号S8はハイレベルを出力しているが、回収期間信号S6がハイレベルとなると第10のアンドゲート101はクロックS4をそのまま出力するため、カウンタ102はカウントアップ動作を開始する。
【0077】
やがて第1および第2のコンデンサへの蓄電量が最大となると蓄電電流は零となるが、今度はコンデンサへ蓄えた電荷が再び駆動コイル35へ逆流しようとする。
すると、第1の検流端子S61と第1のコイル端子S31間の電位差は再度逆転するので、第1の検流信号S65はハイレベルからロウレベルと変化する。
【0078】
このときは前述と同じように、第3のフリップフロップ99は第1の検流信号S65をクロック4の立ち下がりに同期して取り込むので、回収期間信号S6もロウレベルへと変化する。
ここでの応答遅れも最大で61マイクロ秒である。
【0079】
回収期間信号S6がロウレベルとなると第1の回収スイッチ57や第1の昇圧スイッチはオフとなる。
また回収期間信号S6がロウレベルとなると、第1のナンドゲート90の出力はロウレベルとなるため検流期間信号S7はハイレベルからロウレベルに変化する。すなわち検流期間信号S7は、回収許可信号S3の立ち上がりから回収期間信号S6の立ち下がりまでの間ハイレベルとなる。
検流期間信号S7がロウレベルとなると、第1の検流スイッチ61と第1の検流抵抗63と第3の駆動スイッチ43はオフし、第1の駆動スイッチ41はオンとなる。さらに第1の検流器65も非動作となり、駆動コイル35に発生する電流を計測する動作はすべて終了する。
【0080】
なお前述のように、誘起電流の蓄電においてステッピングモータ32を駆動するときと同方向の誘起電流をコンデンサへ蓄電する設定にすれば、ロータ34の回転速度と回転角との関係が駆動コイル35に最も誘起起電力(電圧)をもたらすことができ、その結果としてコンデンサには最も大きなエネルギを得ることが可能となっている(駆動コイル35に発生する誘起起電力の位相は、駆動コイル35のインダクタンス成分の影響があるため、誘起電流の位相とは異なる)。
【0081】
(回転判定動作)
一方、回収期間信号S6がロウレベルになると、第10のアンドゲート101によってカウンタ102に送られるクロックS4も停止する。
【0082】
ここで時間計測手段100に関する説明を付け加えると、仮にあるクロック信号がカウンタ102に連続して入力したとすると、そのクロック信号の立ち下がり波形が32回入力されるまでの間は、カウンタの1段目から5段目の出力のうち少なくとも1つはハイレベルとなる。
クロックS4は16KHzであるので、カウンタ102に立ち下がり波形が最初に入力してから2ミリ秒(=32/16KHz)未満の間は第1のオアゲート103の出力である駆動許可信号S9はロウレベルを維持するように動作する。
【0083】
さてロータ34が正しく回転した場合、コンデンサで誘起電流を蓄電するのに要する時間は短く、ほぼ1ミリ〜1.5ミリ秒程度で終了してしまうため、回収期間信号S6がハイレベルとなる時間幅もそれと同等となる。
なお、この時間は時刻表示手段30内の機構部分(ロータ34を含む)のイナーシャや回収手段40のコンデンサの容量や駆動コイル35のインダクタンスおよび内部抵抗などに依存することが分かっている。
【0084】
したがって、前述のようにロータ34が正しく回転したときは、回収期間信号S6には2ミリ秒よりも短いハイレベル幅のパルスが現れるため、駆動許可信号S9はロウレベルの状態となる。
駆動許可信号S9がロウレベルであればロータ34は正しく回転したこととなり、そののちは、第1のアンドゲート83や第1のオアゲート87はその後の駆動信号S1によらず常に出力はロウレベルとなるので、ドライバ23は駆動コイル35の両端が接地した状態を維持する。
【0085】
(出力動作)
駆動信号S1の先頭パルスがハイレベルとなってから32ミリ秒経過すると、駆動マスクS2はロウレベルに変化する。すると回収手段40の第2の昇圧スイッチ54および第3の昇圧スイッチ55はオンし、逆に第1の昇圧スイッチ53はオフとなるため、第1のコンデンサ51と第2のコンデンサ52は並列接続から直列接続の状態となる。
【0086】
すると、第1のコンデンサ51および第2のコンデンサ52の端子電圧は2倍に昇圧され、蓄えられた電荷は定電圧電源手段21へ供給される。
前述のとおり、定電圧電源手段21の定電圧出力S21には波形生成手段22が直接接続しており、第1のコンデンサ51および第2のコンデンサ52に蓄えられた電荷は波形生成手段22の動作用電力として消費される。
【0087】
なお、定電圧電源手段21の出力から波形生成手段22に送られる電力は、通常時は電源手段10が供給しているのであるが、このように定電圧出力端子に電荷の蓄えられたコンデンサが接続された場合は、コンデンサから電力供給が行われるので電源手段10が供給する分はなくなるため、その分だけ電源手段10が消費する電力が低減することとなる。
【0088】
また駆動マスクS2の波形が立ち下がると第1のフリップフロップ82は出力を反転させるので、駆動位相信号S5はロウレベルとなる。
したがって、このつぎに駆動信号S1にパルス列が現れるときには、第1の駆動スイッチ信号S41と第2の駆動スイッチ信号S42とは役割が入れ替わる。
同様に第3の駆動スイッチ信号S43と第4の駆動スイッチ信号S44、そして第1の検流スイッチ信号S61と第2の検流スイッチ信号S62とがそれぞれ役割が入れ替わる。
これによって、上記までに説明した駆動コイル35への通電方向は、駆動信号S1にパルス列が現れる1秒周期で交互に反転する。このため、ステッピングモータ32が正しいステップ駆動が可能となるような方向の駆動電流を与えることができる。
【0089】
つぎに、駆動手段20が時刻表示手段30のステッピングモータ32を駆動したが、外部磁界等の影響によりロータ34の回転が1度失敗し、再度(補償)駆動する動作について説明する。
【0090】
(駆動〜回収動作)
まず駆動信号S1にパルス列が現れる。4ミリ秒の先頭パルスが出力されている間は、前述と同様に駆動コイル35に駆動電流が通電される。
なお図5では、駆動位相信号S5がロウレベルとなっているが、これも上記の通り駆動コイル35へ通電する方向が逆になるだけであるので詳しい説明は省略する。
【0091】
駆動信号S1の先頭パルスが出力が終了したのち、さらにその1ミリ秒後には回収許可信号S3はハイレベルとなり、前述同様に駆動コイル35に発生する誘起電流の極性計測を開始する。
ただし、駆動位相信号S5がロウレベルの間は第9のアンドゲート97がアクティブであるので、検流器の出力のうち利用されるのは第2の検流信号S66となる。
【0092】
やがて駆動コイル35に発生する電流が、駆動中と同じ方向になると回収期間信号S6がハイレベルとなり、回収手段40による誘起電流の蓄電動作が開始する。同時に時間計測手段100にもクロックS4と同じ信号が入力され回収手段40が蓄電動作に要する時間を計測し始める。
【0093】
(非回転判定動作)
前述の仮定によりロータ34は正しい回転に失敗しているが、その場合はコンデンサで誘起電流を蓄電するのに要する時間は少なくとも2ミリ秒以上と長くなる性質があることが分かっている。したがって、回収期間信号S6がハイレベルとなる時間幅もそれと同等となる。
ここでは図5に示すように3ミリ秒要したとする。
【0094】
さて、時間計測手段100は、前述と同じように、カウンタ102は回収期間信号S6がハイレベルである期間はクロックS4と同じ信号を受け取るが、回収期間信号S6が比較的長くなって、カウンタ102に立ち下がり波形が33回入力されると、カウンタ102の1段目から5段目の出力はすべてロウレベルとなり、かつ6段目の否定出力である時間計測許可信号S8はハイレベルからロウレベルへと変化するため駆動許可信号S9はハイレベルへと変化する。
【0095】
このため、コンデンサが誘起電流を蓄電するのに3ミリ秒要すると、駆動許可信号S9はハイレベルに戻り、さらに時間計測許可信号S9はロウレベルとなるためクロックS4はカウンタ102へ伝わらなくなり、時間計測手段100の時間計測動作は停止する。カウンタ102はカウントアップを停止するので駆動許可信号S9はハイレベルのままとなる。
【0096】
各コンデンサには引き続き誘起電流が蓄電されるが、やがてコンデンサへの蓄電は終了し駆動コイル35に現れる電流は零点を通過しようとする。
すると、第2の検流信号S66はロウレベルとなるので回収期間信号S6は、ロウレベルへ変化し回収手段40の回収動作は終了する。
【0097】
(再駆動動作)この後、すなわち駆動信号S1には1つ目のパルスの立ち上がりから24ミリ秒後に2つ目のパルスが現れる。この場合では駆動許可信号S9はハイレベルとなっているため、2つ目のパルスがハイレベルとなる間も、第2の駆動スイッチ42はオフとなり、かつ第4の駆動スイッチはオンとなり駆動コイル35に駆動電流が通電される。
駆動信号S1の2つ目のパルスは、1つ目のパルスの2倍である8ミリ秒のハイレベル幅があるため、ステッピングモータ32はロータ34が外乱にうち勝って回転するのに必要な電流を充分に得ることが可能となる。
この動作によりステッピングモータは外乱により一旦は非回転となっても再駆動が行われるため、電子時計の時刻表示には遅れが生じないことが保証される。
【0098】
上記までの説明のように本発明の実施の形態は、ステッピングモータ32の駆動を行った後に駆動コイル35に発生する誘起電流が駆動時と同方向となっている間だけ回収手段40が蓄電動作を行い、かつ回収した電力を駆動手段20に戻すように動作する。
また、この動作はロータ34の回転あるいは非回転によらず毎ステップ確実に行われるため、平均的には電子時計の消費電力が低減したのと同じとなる。またロータ34が正しく回転しない場合であってもその判定を行い、駆動直後に再駆動を行うことが可能であるので、表示時刻の信頼性についてもまったく問題とならない。
【0099】
なお本発明の実施の形態では、第1の検流器65と第2の検流器66とは片方の出力しか利用しないにもかかわらず両方共に電力が供給されるようになっていたが、さらなる消費電力の低減のために利用する一方にのみ給電することは容易である。
【0100】
また信号処理の都合から本発明の実施の形態では、回収期間信号S6の立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングは、基準信号であるクロックS4の立ち下がりに同期するように第3のフリップフロップ99を用いて構成したが、非同期となるようにしても処理できる。
【0101】
また本発明の実施の形態では、回収手段40の回収動作は単にコンデンサを接続した状態で誘起電流を蓄電するようにしたが、これに限らず回収動作中であってもコンデンサの接続状態を変化させるようにしても良い。
【0102】
たとえば回収手段40中のコンデンサの蓄電量に応じてコンデンサの接続状態の切り替えて降圧動作をさせても良い。この場合、コンデンサの蓄電量はコンデンサの端子電圧を計測すれば良く、例えばコンデンサの端子電圧を所定の値と比較して、その値を上回ったときに各コンデンサの接続関係が切り替わるようにすれば良い。
【0103】
一方、回転判定については、回収手段40が蓄電に要する時間を時間計測手段100が計測し、その時間が所定の時間を越えるか否かでロータ34の回転判定を行ったが、ステッピングモータ32の各構成要素によっては、その前後の誘起電流の状態を利用して回転判定しても良い。
【0104】
たとえば、実際にコンデンサへの蓄電を開始する前や蓄電を終了した後の電流波形を計測し、それらの周期や極性を計測することで付加的な情報を得て、ロータ34の回転判定に利用するといったことも可能である。
【0105】
さらに本発明の実施の形態では、通常のステッピングモータ32の駆動は4ミリ秒の固定パルスによって行うようにしてあるが、もちろんこれには限定されない。
たとえば現在実用化されている、電源電圧や負荷の程度に応じて駆動パルスの幅を変化させる駆動方法や、1ステップ分の駆動を短い幅のパルス列で行う駆動方法や、そのパルス列の各パルスのデューティ(通電、非通電の時間比)を変化させる駆動方法などでも問題なく本発明を適用できる。
【0106】
また本発明の実施の形態では、回収したエネルギは駆動手段20中の波形生成手段22によって消費させるように構成したが、これについても、たとえば電源手段10の電池に戻したり、ステッピングモータ32の駆動に直接利用したりすることも同様に可能である。
【0107】
【発明の効果】
上記までの説明で明らかであるが、本発明によればステッピングモータの駆動後に発生する誘起電流を回収し、さらにこの回収電力を駆動手段において再利用することが可能になる。
また上記の回収動作を行いつつステッピングモータの回転判定を確実に行うことが可能となり、従来困難であった電力の回収再利用とステッピングモータの安定駆動との両立を実現することが可能となる。
【0108】
なおステッピングモータそのものの構成や駆動時の条件は、従来と同じで良いので、本発明の効果の実現のために、ステッピングモータの負荷駆動能力や安定性などの諸性能が犠牲になることはなく、本発明の電子時計は広い範囲での適用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における電子時計の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における電子時計のステッピングモータを示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態における電子時計の回収手段の回路構成例を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態における電子時計の波形生成手段の回路例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態における電子時計の要部電圧波形を示す波形図である。
【図6】従来技術における電子時計の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10:電源手段 20:駆動手段
30:時刻表示手段 40:回収手段
Claims (5)
- 駆動コイルへ通電することでロータが回転運動するステッピングモータおよび減速輪列と時刻表示指針とを有して前記ロータの回転により時刻表示を行う時刻表示手段と、
前記ステッピングモータを駆動するための駆動波形を生成し前記駆動コイルに通電する駆動手段と、
前記駆動手段へ電力を供給する電源手段と、
前記駆動コイルに発生する電力を蓄電可能な回収手段と、該回収手段の回収動作時間を計測する時間計測手段とを有することを特徴とする電子時計。 - 前記駆動コイルに発生する電流の値もしくは極性またはその両方を計測する電流計測手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
- 駆動コイルへ通電することでロータが回転運動するステッピングモータおよび減速輪列と時刻表示指針とを有して前記ロータの回転により時刻表示を行う電子時計の制御方法であって、
前記ステッピングモータを駆動するための駆動波形を生成して前記駆動コイルに通電する駆動動作と、
前記ステッピングモータの駆動直後に前記駆動コイルに誘起した電力を蓄電可能な回収手段に蓄電する回収動作と、
前記回収手段が蓄電した電力を前記駆動手段へ出力する再利用動作とを行い、前記回収動作は、前記駆動手段が駆動コイルへの通電を終了してから所定の時間経過時に前記駆動コイルに流れる電流の極性に応じて回収動作を開始することを特徴とする電子時計の制御方法。 - 駆動コイルへ通電することでロータが回転運動するステッピングモータおよび減速輪列と時刻表示指針とを有して前記ロータの回転により時刻表示を行う電子時計の制御方法であって、
前記ステッピングモータを駆動するための駆動波形を生成して前記駆動コイルに通電する駆動動作と、
前記ステッピングモータの駆動直後に前記駆動コイルに誘起した電力を蓄電可能な回収手段に蓄電する回収動作と、
前記回収手段が蓄電した電力を前記駆動手段へ出力する再利用動作とを行い、前記回収手段の回収動作中およびその前後に前記駆動コイルに流れる誘起電流に応じて前記ロータの回転および非回転を判定し、前記回収手段が回収動作に要した時間に応じて前記ロータの回転および非回転を判定することを特徴とする電子時計の制御方法。 - 前記ロータが非回転であると判定したときは、
前記ロータが回転するのに充分大きい電流を前記駆動コイルに再度通電して前記ステッピングモータを駆動することを特徴とする請求項4に記載の電子時計の制御方法。
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