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JP4342413B2 - Ca還元によるTi又はTi合金の製造方法 - Google Patents

Ca還元によるTi又はTi合金の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、四塩化チタン(TiCl4)を含む金属塩化物をCaにより還元処理して金属Ti又はTi合金を製造するCa還元によるTi又はTi合金の製造方法に関する。
金属チタンの工業的な製法としては、酸化チタン(TiO2)を塩素化して得られるTiCl4をMgにより還元するクロール法が一般的である。このクロール法では、反応容器内でTiCl4をMgにより還元する還元工程と、反応容器内に製造されたスポンジ状の金属Tiから未反応のMg及び副生物である塩化マグネシウム(MgCl2)を除去する真空分離工程を経て、金属Tiを製造する。
還元工程では、反応容器内に溶融Mgを充填し、その液面に上方からTiCl4の液体を供給する。これにより、溶融Mgの液面近傍でTiCl4がMgにより還元され、粒子状の金属Tiが生成すると同時に、溶融MgCl2が液面近傍に副生する。生成した金属Tiは逐次下方へ沈降し、溶融MgCl2も比重が溶融Mgより大きいので下方に沈降して、溶融Mgが液面に現れる。この比重差置換により、液面に溶融Mgが供給され続け、TiCl4の還元反応が継続して進行する。
クロール法による金属Tiの製造では、高純度の製品が製造されるが、製造コストが嵩み、製品価格が非常に高くなる。製造コストが嵩む原因の一つは、TiCl4の供給速度を上げることが困難なことである。TiCl4の供給速度が制限される理由としては次の(a)〜(c)が考えられる。
(a)クロール法での生産性を高めるには、TiCl4の供給速度、即ち溶融Mgの液面への単位面積または単位時間あたりの供給量を増大させるのが有効である。しかし、TiCl4の供給速度を大きくしすぎると、前述の比重差置換が間に合わず、液面にMgCl2が残ってこれにTiCl4が供給されるようになる。その結果、供給されたTiCl4は未反応のTiCl4ガスや、TiCl3などの低級塩化物のガス(これらを、「未反応ガス」という)となって反応容器外へ排出されるため、TiCl4の利用効率が低下する。また、未反応ガスの発生は容器内圧の急激な上昇を伴うので避ける必要がある。従って、TiCl4の供給速度が制限される。
(b)TiCl4の供給速度を大きくすると、溶融Mgの液面から生じるMg蒸気がTiCl4の蒸気と反応して溶融Mg液面より上方の反応容器内面におけるTi析出量が多くなる。一方、TiCl4の還元が進むにつれて溶融Mgの液面が上昇するため、反応容器の上部内面に析出したTiが、還元工程の後半では溶融Mgに浸漬した状態となり、液面の有効面積が減少して反応速度が低下する。これを抑えるために、TiCl4の供給速度を制限し、容器上部内面におけるTiの析出を極力抑えることが必要になる。
特許文献1で、液状のTiCl4を溶融Mgが存在する液面に分散供給することによって反応効率を高め、反応容器の上部内面におけるTiの析出を抑制する方法が提案されている。しかし、前記Ti析出の抑制対策としては十分ではない。
(c)クロール法では、反応容器内の溶融Mgの液面近傍だけで反応が行われるため、発熱する領域が狭く、局所的に温度が上昇する。そのため、冷却が困難となり、TiCl4の供給速度が制限されることになる。
また、TiCl4の供給速度に直接影響する問題ではないが、クロール法では、溶融Mgの液面近傍で粒子状に生成したTi粉が、溶融Mgの濡れ性(粘着性)により凝集し、その状態で沈降し、沈降中にも溶融液が有する熱により焼結して粒成長する。そのため、生成したTiを微粉として反応容器外へ取り出し、回収することが難しく、製造を連続的に行うことが困難で、生産性の向上が阻害されている。Tiが反応容器内にスポンジチタンとしてバッチ方式で製造されるのは、このためである。
クロール法以外のTi製造方法に関しては、特許文献2に、TiCl4の還元剤としてMg以外の例えばCaの使用が可能であることが記載されている。また、特許文献3に、Caによる還元反応を用いたTi製造方法として、反応容器内にCaCl2の溶融塩を保持し、その溶融塩中に上方から金属Ca粉末を供給して、溶融塩中にCaを溶け込ませると共に、下方からTiCl4ガスを供給して、CaCl2の溶融塩中で溶解CaとTiCl4を反応させる方法が記載されている。
Caによる還元では、下記(1)式の反応により、TiCl4から金属Tiが生成し、それと共にCaCl2が副生する。
TiCl4+2Ca→Ti+2CaCl2 ・・(1)
CaはMgよりClとの親和力が強く、原理的にはTiCl4の還元剤に適している。 特に、特許文献3に記載された方法では、Caを溶融CaCl2中に溶解させて使用するが、このように、溶融CaCl2中でのCa還元反応を利用すれば、クロール法のように反応容器内の還元剤の液面にTiCl4を供給する場合と比べて反応の生じる領域(反応場)が拡がり、発熱領域も拡がるので、冷却が容易になる。従って、TiCl4の供給速度を大幅に高めることができ、生産性の向上が期待できる。
しかしながら、特許文献3に記載された方法は、工業的なTi製造法としては成立し得ない。この方法では、還元剤として極めて高価な金属Caの粉末を使用するので、製造コストが、クロール法よりも高価となるからである。
更に、別のTi製造方法としては、特許文献4に、TiO2を、TiCl4を経由せずCaにより直接還元する方法(オルソンの方法)が記載されている。この方法は、酸化物直接還元法の一種で、高能率である。しかし、高純度のTiO2を使用しなければならないので、高純度のTiを製造するのには適さない。
特開平8−295955号公報 米国特許第2205854号明細書 米国特許第4820339号明細書 米国特許第2845386号明細書
本発明の目的は、高純度の金属Ti又はTi合金を高能率に、しかも高価な還元剤を使用することなく経済的に製造することにある。
この目的を達成するために、本発明者らは、TiCl4のCaによる還元が不可欠であると考え、前掲の特許文献3に記載されたようなCaCl2の溶融塩中に溶解するCaを利用する方法について検討した。
この場合、還元反応容器内では、前記(1)式の反応の進行に伴い溶融塩中のCaが消費されるが、これを補うために、特許文献3に記載された方法では、金属Caの粉末を還元反応容器内に供給し続ける必要がある。しかし、本発明者らは、Ca還元によるTiの製造方法を工業的に確立するためには、還元反応で消費される溶融塩中のCaを経済的に(つまり、安価に)補充する必要があると考え、その手段として、溶融塩中の溶解Ca濃度を電気分解により操作する方法を案出した。
即ち、反応槽内で溶融CaCl2を電気分解すると、下記(2)式及び(3)式の電極反応が進行して、陽極の表面近傍でCl2ガスが発生し、陰極の表面近傍でCaが生成するので、溶融塩中のCa濃度を高めることができる。そこで、この陰極側に生成するCaと反応するようにTiCl4を溶融CaCl2中に供給すると、Tiの生成に消費されるCaが随時補充されるので、外部からの金属Caの補充や金属Caの抽出が不要になり、金属Tiの経済的な製造が可能になる。
陽極: 2Cl-→2e-+Cl2 ・・(2)
陰極: Ca2++2e-→Ca ・・(3)
TiCl4の還元に消費されるCaを電気分解で生成するCaで補充する方法は、還元と電気分解をそれぞれ還元槽と電解槽で行わせ、両槽間で溶融CaCl2を循環させることによっても可能である。しかし、電気分解で陰極側に生成するCaと反応するように、TiCl4を反応槽内の溶融CaCl2中に供給してやれば、反応槽が還元槽と電解槽を兼ねることとなり、両槽を設ける必要がなく、還元槽と電解槽の間で溶融CaCl2を循環させる場合と比べて設備コストなどの面でも非常に有利となる。
本発明はかかる考察に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記のTi又はTi合金の製造方法にある。
即ち、Caによる還元反応を用いたTi又はTi合金の製造方法であって、CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応槽内に保持し、該反応槽内の溶融塩中で電気分解を進行させてCaを精製して溶融塩中の溶融Caの消費分を補充すると共に、TiCl 4 を含む金属塩化物を前記溶融塩中に供給して溶融塩中の溶解Caと直接的に還元反応させることにより、前記溶融塩中にTi又はTi合金を生成させる還元電解工程と、前記反応槽内又は反応槽外で前記Ti又はTi合金を溶融塩から分離するTi分離工程とを含むことを特徴とするCa還元によるTi又はTi合金の製造方法である。
本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法においては、例えば、溶融塩として溶融CaCl2を反応槽内に保持し、反応槽内の溶融塩中にTiCl4を供給すると、そのTiCl4が溶融塩に溶解しているCaにより還元されて、粒状及び/又は粉状の金属Ti(以下、これを「Ti粒」と記す)が生成する。Ti粒の生成に伴って溶融塩中の溶解Caは消費されるが、反応槽内では還元反応と同時に溶融CaCl2の電気分解が進行しているので、陰極側にCaが生成し、消費された溶解Caが補充される。
従来、金属Tiの工業的な生産にCaが使用されてこなかった理由の一つは、CaとCaCl2の分離が困難なことである。MgはMgCl2を電解して製造されるが、MgはMgCl2に殆ど溶解しないので、生成されたMgは効率よく回収できる。NaもNaClを電解することにより、Mgと同様に効率よく製造できる。一方、CaはCaCl2の電解により製造されるが、生成されたCaはCaCl2に約1.5%溶解する。そのため、Caだけを効率よく製造することが難しく、溶解したCaがバックリアクション(陰極側に生成したCaが陽極側に生成したCl2と結合してCaCl2に戻る反応)でCaCl2を生成する現象も加わるために、製造効率が悪い。電極を冷却するなどの工夫によりCaの回収率を高める技術も用いられるが、それでもCaの製造コストは高くならざるを得ない。
しかし、本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法においては、溶融CaCl2中に溶解したCaを使用し、Caを分離する必要がないため、Caの電解製造コストを低減することができる。
また、溶融CaCl2中でのCa還元を利用すれば、還元反応場が広がり、同時に発熱領域も広がる。更に、850℃での蒸気圧はMgが6.7kPa(50mmHg)であるのに対して、Caは0.3kPa(2mmHg)と極めて小さく、そのため、反応槽の上部内面へのTi析出量は、還元にCaを使用した場合、Mgに比べて格段に少なくなる。従って、本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法においては、TiCl4供給速度の大幅増大も可能になる。
その上、CaはMgより濡れ性(粘着性)が劣る上に、析出Ti粒子に付着するCaがCaCl2に溶解するので、生成チタン粒子同士の凝集や、焼結による粒成長もはるかに少なく、生成Tiを粉末状態で反応槽外へ取り出すことができ、連続的なTi製造操作も可能となる。
溶融CaC12液中へのTiCl4の供給形態としては、TiCl4を溶融CaCl2液中へガス状態で直接供給するのが、溶融CaCl2液中のCaに対するTiCl4の接触効率が高く、特に望ましい形態である。しかし、これに限らず、溶融CaCl2液の液面に液体又はガス状態のTiCl4を供給したり、溶融CaCl2液上に保持された溶融Ca液の液面や液中に液体又はガス状態のTiCl4を供給することも可能である。
溶融CaCl2液上に保持された溶融Ca液面にTiCl4の液体を供給して還元反応を行わせる場合、溶融Ca液を、溶融CaCl2液中のCaを利用できる程度に薄く保持した状態とするのが望ましい。Ca層が薄ければ、溶融CaCl2液中のCaも反応に関与するので、溶融Ca層から溶融CaCl2層にかけて反応を行わせ、TiCl4の供給速度の増大により比重差置換が間に合わなくなってもTiの生成を継続させることができる。
前記TiCl4ガスの供給に関し、本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法がクロール法と比べて有利であることについて述べる。
クロール法では、溶融Mg液の液面にTiCl4の液体を供給するが、反応場の拡大を狙って溶融Mg液の液中にTiCl4のガスを供給することも試みられた。しかし、前述したように、Mgの蒸気圧が高いため、TiCl4ガスの供給管へMg蒸気が侵入し、TiCl4と反応して供給管を閉塞させてしまう。
一方、溶融MgCl2液中にTiCl4のガスを供給することも試みたが、供給管を閉塞させる頻度は低下するものの、管閉塞の事態は依然として残る。TiCl4ガスのバブリングにより溶融物が攪拌され、供給管に溶融Mgが到達する場合があるからである。しかも、溶融MgCl2液中にTiCl4を供給しても、その溶融塩中にMgが殆ど溶解しないため、還元反応が起こり難くなる。
これに対して、Ca還元を利用する方法では、前記供給管の閉塞が起こりにくく、溶融CaCl2液中へのTiCl4ガスの供給が可能である。供給管が閉塞しにくいのは、溶融Caの蒸気圧が低いことによるものと推察される。
即ち、本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法においては、TiCl4を溶融CaCl2液中へガス状態で直接供給するのが特に望ましいが、実際の操業上もこの供給形態が問題なく実施可能である。また、溶融CaCl2液の液面や、溶融CaCl2液上に保持された溶融Ca液の液面、液中にTiCl4の液体やガスを供給する形態を採ることもできる。
溶融CaCl2液中に生成したTi粒の溶融CaCl2液からの分離については、反応槽内又は反応槽外のいずれでも実施可能である。しかし、反応槽内で行うとバッチ方式となるので、生産性を高めるためには、生成Tiが粒子状で得られることを利用して、溶融CaCl2液と共に反応槽外へ抜き取り、反応槽外で溶融CaCl2液からTi粒を分離するのがよい。機械的な圧縮による絞り操作などにより、Ti粒を溶融CaCl2液から簡単に分離することができる。
本発明の製造方法でTiを製造する場合、原料としては、TiCl4を使用するが、TiCl4と他の金属塩化物とを混合して使用することにより、Ti合金を製造することも可能である。TiCl4も他の金属塩化物も同時にCaにより還元されるので、この方法によってTi合金を製造することができる。なお、前記他の金属塩化物はガス状、液状のいずれの状態で使用してもよい。
本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法では、溶融CaCl2中のCa(陰極側に生成したCaや未反応のCa)が陽極側に生成したCl2と結合してCaCl2に戻るバックリアクションや、Caの反応性が高いことによる炉材の損耗が問題になる。
バックリアクションが生じると、それに電解電流が消費されるため、電流効率が低下する。この問題、特に、陰極側に生成したCaが、陽極側に生成したCl2と結合するバックリアクションに対しては、反応槽に、下方部が開口をなしている隔壁を設けて(後述する図1参照)、槽内を陽極側と陰極側に分けるのが望ましい。
また、炉材の損耗の問題に対しては、溶融塩をCaCl2単独ではなく、混合塩としてその融点を下げ、溶融塩の温度(つまり、浴温)を下げるのが有効である。
即ち、本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法においては、溶融塩として、通常、融点が780℃のCaCl2を用いるが、CaCl2−NaCl、CaCl2−KClの2元系の溶融塩や、CaCl2−NaCl−KClの3元系の溶融塩のように、CaCl2に対して他の塩(例えば、NaCl、KCl、LiCl及びCaF2)のうちの1種以上を混合し、多元系溶融塩とすることも可能である。これにより、塩の融点が下がるので、溶融塩の温度(浴温)を低下させることが可能になる。例えば、CaCl2とNaCl(融点:約800℃)を混合すると、融点を最低で約500℃まで低下させることができる。
その結果、炉材の寿命の延長、炉材コストの低減、更には、液面からのCaや塩の蒸発の抑制が可能になる。
本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法は、高純度のものが得られやすいTiCl4を還元する方法であるため、高純度の金属Ti又はTi合金を製造できる。
還元剤にCaを使用し、CaCl2を含む溶融塩中のCaにTiCl4を含む金属塩化物を反応させるので、TiCl4の供給速度を増大できる。更に、CaCl2中にTi粒又はTi合金粒を生成させるので、粒子同士の凝集や、焼結による粒成長が極めて少なく、これらを反応槽外へ取り出すことができ、連続的な操業が可能である。しかも、反応槽内で還元反応と電解反応を同時に進行させ、還元反応で消費されるCaを電解反応で補うことにより、Caを常時、溶融塩に溶解した状態で利用することができる。
従って、この本発明の製造方法によれば、高純度の金属Ti又はTi合金を能率よく経済的に製造できる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。この実施形態では、還元反応及び電解反応を同時進行的に行う反応槽1が使用される。反応槽1は、溶融塩としてCaが比較的多量に溶解したCaリッチの溶融CaCl2を保持する。CaCl2は融点が約780℃であり、その溶融塩はその融点以上に加熱されている。
反応槽1では、溶融塩である溶融CaCl2が陽極2と陰極3の間に通電することにより電気分解され、陽極2の側でCl2ガスが発生し、陰極3の側でCaが生成する。この例では、反応槽1の内部は、隔壁4により陽極側と陰極側に分けられている。但し、隔壁4は、溶融塩の移動が妨げられないように、下方部が開口をなしている。
反応槽1内では、溶融塩の電気分解と並行して、槽内の陰極側の溶融塩中にガス状のTiCl4が分散して注入される。これにより、注入されたTiCl4が溶融塩中の溶解Caにより還元され、粒子状の金属Tiが生成される。生成されたTi粒は比重差により沈降し、反応槽1内の陰極側の底に溜まる。
反応槽1内の陰極側の底に溜まるTi粒は、その底に存在する溶融塩と共に、反応槽1から抜き出され、Ti分離工程(図示せず)に送られる。Ti分離工程では、反応槽1から溶融塩と共に抜き出されたTi粒が溶融塩から分離される。具体的には、そのTi粒を圧縮して溶融塩を絞り取る。Ti分離工程で得られたTi粒は溶融されTiインゴットとされる。
一方、Ti分離工程でTi粒から分離された溶融塩は使用済みの溶融塩で、Caが消費され、Ca濃度が低下している。この溶融塩は、反応槽内へ戻して再利用することが望ましく、通常、反応槽1から別途抜き出された使用済みの溶融塩と共に、反応槽1内の陽極側へ導入される。
反応槽1内の陰極側では、還元反応によるTi粒の生成に伴って溶融塩中のCaが消費される。しかし、槽内で同時に進行する電気分解により、槽内の陰極3の表面近傍でCaが生成し、これによりCaの消費分が補充される。つまり、陰極3の表面近傍で生成するCaによって、溶融塩中に供給されるTiCl4が逐次直接的に還元される。
一方、反応槽1内の陽極側には、望ましい形態として、Ti分離工程から使用済みの溶融塩が送り込まれる。これにより、反応槽1内には、陽極側から陰極側へ向かう溶融塩の一方向流が形成され、陰極側で生成するCaの陽極側への流入が回避される。図1に示した隔壁4が設けられていれば、前記一方向流の形成との組み合わせによって、Caの陽極側への流入防止に対してより効果的に機能する。このように、反応槽1内の陽極側に導入された溶融塩は、陰極側へ移動してCaを補充され、Caリッチとなって還元反応に再利用される。
反応槽1内の陽極側で発生したCl2ガスは、TiO2を塩化処理することにより、Tiの原料であるTiC14を生成させる塩化工程(図示せず)で再利用するのが望ましい。生成されたTiCl4は反応槽1に導入され、Ca還元によるTi粒の生成に循環使用される。
以上述べたように、この実施形態では、反応槽1内でCa還元によるTi粒の生成、即ちCaの消費と、電気分解によるCaの補充とが同時進行的に行なわれるので、固体状態でのCaの補充も取り出しも必要なく、Ca還元による高品質のTi粒が、連続的かつ経済的に製造される。しかも、反応槽1は還元槽及び電解槽を兼ねており、設備面での経済的メリットも大きい。更に、反応槽1内では、陰極側で生成するCaの陽極側への流入が回避されるので、Caが陽極側で発生するCl2ガスと反応するバックリアクションも防止できる。
なお、操業の間、反応槽1内の溶融塩の温度は、CaCl2の融点(約780℃)より高い温度に管理される。
本発明のCa還元によるTi又はTi合金の製造方法によれば、原料であるTiCl4の供給速度を高めることができ、更に、連続的な製造が可能である。しかも、反応槽内で還元反応と電解反応を同時に進行させ、還元反応で消費されるCaを電解反応で補うことができるので、Caそれ自体を単独で取り扱う必要がない。
従って、本発明の製造方法は、高純度の金属Ti又はTi合金を能率よく経済的に製造する手段として有効に利用することができる。
本発明の実施形態を示す金属Ti製造装置の構成図である。
符号の説明
1:反応槽
2:陽極
3:陰極
4:隔壁

Claims (1)

  1. Caによる還元反応を用いたTi又はTi合金の製造方法であって、
    CaCl2を含み且つCaが溶解した溶融塩を反応槽内に保持し、該反応槽内の溶融塩中で電気分解を進行させてCaを精製して溶融塩中の溶融Caの消費分を補充すると共に、
    TiCl 4 を含む金属塩化物を前記溶融塩中に供給して溶融塩中の溶解Caと直接的に還元反応させることにより
    前記溶融塩中にTi又はTi合金を生成させる還元電解工程と、前記反応槽内又は反応槽外で前記Ti又はTi合金を溶融塩から分離するTi分離工程とを含むことを特徴とするCa還元によるTi又はTi合金の製造方法。
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