JP4341271B2 - 液体噴射ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体容器等の液体貯留手段から液体供給針をへて液体噴射部に液体を供給して、液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法および同製造方法で製造された液体噴射ヘッドならびに製造用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体をノズル開口から噴射させる液体噴射ヘッドは、種々な液体を対象にしたものが知られているが、そのなかでも代表的なものとして、インクジェット式記録装置に装着されるインク噴射部をあげることができる。そこで、従来の技術を上記インクジェット式記録装置を例にとって説明する。
【0003】
従来の記録装置では、インクカートリッジのインクが、流路形成部材に取付けられた中空のインク供給針をへてインク噴射部へ供給されるようになっている。図11は、従来のインク噴射ヘッドに採用されているインク供給針の平面図,底面図および断面図である。中空状のインク供給針80は、直管部81とその先端に設けた円錐形の部分全体からなる尖部82と上記直管部81の内径が徐々に大きくなっている拡径部83から構成され、尖部82にあけた複数のインク通孔84が直管部81の多段型とされた内端面85A,85Bに開口している。
【0004】
上記内端面85Aは、凹部の天井面のような面であり、直管部81と同心とされた平坦な円形の面である。また、内端面85Bは内端面85Aの外側で同面85Aと同心状とされた環状の平面であり、内端面85Aとは段差がつけられている。このように多段構造にするのは、直管部81の軸心に近い部分においてはインク通孔84が長くなり流路抵抗が高くなるので、上記のように内端面85Aを形成して軸心側のインク通孔84の長さをできるだけ短くしているのである。また、上記拡径部83の開口端にフィルタ86が配置されている。
【0005】
なお、直管部81の真直ぐな円筒内面と、拡径部83の徐々に拡径して行く略テーパ状の内面との境界部は、符号87で示されている。また、インク供給針80は、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂によりインジェクション成型で製作されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−314862号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のインク通孔84は断面円形の真直ぐな細長い流路であり、インク供給針80内にインクを保持するために、このような流路構成としている。しかしながら、流路内のインクの流動抵抗を少なくして円滑なインク供給を行なうためには、インク通孔84のような通路形状は望ましくない。一方、この種のインク供給針80は、一般に合成樹脂によるインジェクション成型で製作するのであるが、インク通孔84のような細長い流路を成型するための金型は、非常に微細な構造となる。つまり、インク通孔84は、中子の機能を果たす細長いピンを金型キャビティ内に配置して成型される。
【0008】
したがって、インク通孔84における流動抵抗が大きいことや、金型が微細な構造であるために、金型の強度ならびに耐久性等を向上させにくいという問題がある。さらに、溶融樹脂の成型圧力を高めて成型品質を向上させる点でも金型構造の改善が望まれる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体供給針の流路抵抗を低減させるとともに成型金型の強度や耐久性等を向上させる、液体噴射ヘッドの製造方法,同製造方法により製造された液体噴射ヘッドならびに製造金型を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液体の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記液体供給針を成型する型は所定の位置関係で合致する雌型と雄型から構成され、上記雄型の上記尖部を成型する部位に、尖部側が小径で同心状に段が配置された多段構造部が設けられ、上記雌型の上記尖部を成型する部位に、上記液体通孔を成型する通孔成型部材が設けられ、上記通孔成型部材は、雌型の内面から略軸心に向って突出した状態で複数配置され、上記通孔成型部材に形成した接触面を雄型の上記多段構造部の各段に接触させた状態で上記型内に成型材料を注入することを要旨とする。
【0011】
すなわち、上記液体供給針を成型する型は所定の位置関係で合致する雌型と雄型から構成され、上記雄型の上記尖部を成型する部位に、尖部側が小径で同心状に段が配置された多段構造部が設けられ、上記雌型の上記尖部を成型する部位に、上記液体通孔を成型する通孔成型部材が設けられ、上記通孔成型部材は、雌型の内面から略軸心に向って突出した状態で複数配置され、上記通孔成型部材に形成した接触面を雄型の上記多段構造部の各段に接触させた状態で上記型内に成型材料を注入する製造方法である。
【0012】
このため、溶融状態の成型材料は、上記接触面の面衝合部分には流入しないので、この接触面の箇所において、液体通孔が形成される。そして、このような接触は、雄型の多段構造部と雌型の通孔成型部材との間で、同心状の複数箇所で行なわれるので、成型された液体通孔は尖部において同心状に配列され、所要の流路面積が所定の通孔位置において確保される。また、前述の中子ピンのような微細な構造を採用することなく、雌型の一部と雄型の一部との剛性の高い箇所同士が直接接触する形式であるから、金型の耐久性の向上と簡素化が図れる。このような剛性向上により、溶融樹脂等の成型材料を高圧で注入することができるので、尖部の細部構造の隅々まで成型材料が流入し、いわゆる湯まわり不足によるショート部分が発生しない。あわせて、成型材料の流速が向上するので、成型材料の温度低下が可及的に少なくなり、ウエルドラインにおける融着状態が良好なものとなる。さらに、このようにして形成された液体通孔は、通路長さのない形態であるから、流路長さにともなう液体の流路抵抗を液体供給針の尖部において最小化することができる。
【0013】
また、上記液体供給針を超音波接合によって流路形成部材に接合する場合には、超音波振動が液体供給針の各部に伝達されるのであるが、尖部における細部構造の剛性向上により、尖部の微細構造部に過大な応力が作用しない。さらに、そこに存在しているウエルドラインも融着性が良好なので、同ラインの箇所における「ずれ運動」による溶融現象が回避できる。
【0014】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記通孔成型部材が、板状部材である場合には、上記雌型の内面から突出させた部材として、高い剛性のもとで雌型と一体化できるので、型の耐久性を高めることができる。また、板状部材であるから、成型材料の流動のガイド板としての機能が果たされ、尖部の先端部に向って整然とした材料流れが形成できる。
【0015】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記板状部材が雄型の一部に接触する接触面が、板状部材の厚さ方向の面に形成した面部分である場合には、上記接触面の形成が簡素化された構造で確保できる。また、上記面部分は、板状部材の上記軸心側の端面形状を選定することにより、簡単に選定することができるので、雄型の多段構造部に対する正確な面衝合が確保でき、液体通孔が正常に成型できる。
【0016】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記接触面が、1つの板状部材に一定間隔で複数配置された複接触面または1つの板状部材に1つ配置された単接触面である場合には、板状部材毎に複数の液体通孔を成型したり1つの液体通孔を成型したりすることが自由に行なえて、尖部における液体通孔の個数ないしは流路面積を最適な値にすることができる。
【0017】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記複接触面を有する板状部材と上記単接触面を有する板状部材とが円周方向に交互に配置されている場合には、複接触面による同心上の液体通孔の列と、単接触面による同心上の液体通孔の列とを複合させることができるので、上記各液体通孔を通過した液体が、液体供給針内を偏ることなく良好な分布で流下する。
【0018】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記板状部材の上記軸心側の内側端面は階段型形状部とされ、上記階段型形状部の突出した角部の近傍に上記接触面が形成され、上記接触面が雄型の上記多段構造部の角部近傍に接触する場合には、上記板状部材の角部と上記多段構造部の角部近傍の剛性の高い箇所同士が接触するので、密着性の良好な面接触が確保され、精密な形状や寸法の液体通孔がえられる。例えば、液体通孔の周縁部分に「ばり」が発生するようなことも防止できる。
【0019】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記雄型の多段構造部の一部と板状部材の接触面との接触箇所以外の部分は成型材料が流入する空間部とされている場合には、上記空間部が配置されていることにより、成型材料が環状に連なった状態となる。そして、この環状に連なった部分と、尖部の母線方向に存在する骨格部材とが一体化された尖部骨格を形成するので、尖部の強度を高くすることができる。
【0020】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記接触面が、上記軸心の方向に対して略直交する向きに配置されているとともに、上記軸心の方向に対して略直交する向きに配置された雄型の多段構造部の端面に密着した状態で接触している場合には、液体通孔の開口が上記軸心に略直交する仮想平面上において同心上に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。
【0021】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記接触面が、上記軸心の方向に略沿った向きに配置されているとともに、上記軸心の方向に略沿った向きに配置された雄型の多段構造部の外側面に密着した状態で接触している場合には、液体通孔の開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心上に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。
【0022】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法において、上記接触面と上記外側面が、尖部側が軸心に近づいた傾斜面とされている場合には、雄型を雌型内に組み込む際に、上記接触面と上記外側面とが干渉することなく接近して行き、両型の組合わせが完了した位置において、接触面と外側面との密着が確保される。
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液体の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記横面の一部に液体通孔が設けられていることを要旨とする。
【0024】
すなわち、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記横面の一部に液体通孔が設けられている。
【0025】
したがって、上記液体通孔の開口が上記軸心に略直交する仮想平面上に円周方向に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。さらに、液体通孔が単一の仮想平面上に円周方向に配列されている場合には、尖部における液体通孔の開口分布を液体供給針内の液体流にとって最適化することができる。例えば、液体供給針内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、液体通孔の開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0026】
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記組が複数配置された溝部と上記組が1つ配置された溝部とが円周方向に交互に配列されている場合には、複数の液体通孔を尖部の母線方向に配列し、その隣の母線上に1つの液体通孔を開口させることにより、尖部における液体通孔の開口分布が良好なものとなる。また、組が複数配置された溝部の液体通孔のうち尖部の大径側に位置する液体通孔と、組が1つ配置された溝部の液体通孔とを同一円周上に配列することにより、尖部の大径部側の液体通孔の個数を多くし、尖部の小径側の液体通孔の個数を少なくして、液体供給針内の液体流の分布を均一化することができる。
【0027】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液体の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記縦面の一部に液体通孔が設けられていることを要旨とする。
【0028】
すなわち、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記縦面の一部に液体通孔が設けられている。
【0029】
したがって、上記液体通孔の開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心状に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。さらに、液体通孔が単一の仮想円筒面上に円周方向に配列されている場合には、尖部における液体通孔の開口分布を液体供給針内の液体流にとって最適化することができる。例えば、液体供給針内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、液体通孔の開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0030】
本発明の液体噴射ヘッドにおいて、上記組が複数配置された溝部と上記組が1つ配置された溝部とが円周方向に交互に配列されている場合には、複数の液体通孔を尖部の母線方向に配列し、その隣の母線上に1つの液体通孔を開口させることにより、尖部における液体通孔の開口分布が良好なものとなる。また、組が複数配置された溝部の液体通孔のうち尖部の大径側に位置する液体通孔と、組が1つ配置された溝部の液体通孔とを同一円周上に配列することにより、尖部の大径部側の液体通孔の個数を多くし、尖部の小径側の液体通孔の個数を少なくして、液体供給針内の液体流の分布を均一化することができる。
【0031】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドの製造用金型は、液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液体の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドの製造用金型であって、上記液体供給針を成型する型は所定の位置関係で合致する雌型と雄型から構成され、上記雄型の上記尖部を成型する部位に、尖部側が小径で同心状に段が配置された多段構造部が設けられ、上記雌型の上記尖部を成型する部位に、上記液体通孔を成型する通孔成型部材が設けられ、上記通孔成型部材は、雌型の内面から略軸心に向って突出した状態で複数配置され、上記通孔成型部材には、上記多段構造部の各段に接触する接触面が形成されていることを要旨とする。
【0032】
すなわち、上記液体供給針を成型する型は所定の位置関係で合致する雌型と雄型から構成され、上記雄型の上記尖部を成型する部位に、尖部側が小径で同心状に段が配置された多段構造部が設けられ、上記雌型の上記尖部を成型する部位に、上記液体通孔を成型する通孔成型部材が設けられ、上記通孔成型部材は、雌型の内面から略軸心に向って突出した状態で複数配置され、上記通孔成型部材には、上記多段構造部の各段に接触する接触面が形成されている。
【0033】
したがって、溶融状態の成型材料は、上記接触面の面衝合部分には流入しないので、この接触面の箇所において、液体通孔が形成される。そして、このような接触は、雄型の多段構造部と雌型の通孔成型部材との間で、同心状の複数箇所で行なわれるので、成型された液体通孔は尖部において同心状に配列され、所要の流路面積が所定の通孔位置において確保される。また、前述の中子ピンのような微細構造を採用することなく、雌型の一部と雄型の一部との剛性の高い箇所同士が直接接触する形式であるから、金型の耐久性の向上と簡素化が図れる。このような剛性向上により、溶融樹脂等の成型材料を高圧で注入することができるので、尖部の細部構造の隅々まで成型材料が流入し、いわゆる湯まわり不足によるショート部分が発生しない。あわせて、成型材料の流速が向上するので、成型材料の温度低下が可及的に少なくなり、ウエルドラインにおける融着状態が良好なものとなる。さらに、このようにして形成された液体通孔は、通路長さのない形態であるから、流路長さにともなう液体の流路抵抗が液体供給針の尖部において最小化することができる。
【0034】
また、上記液体供給針を超音波接合によって流路形成部材に接合する場合には、超音波振動が液体供給針の各部に伝達されるのであるが、尖部における細部構造の剛性向上により、尖部の微細構造部に過大な応力が作用しない。さらに、そこに存在しているウエルドラインも融着性が良好なので、同ラインの箇所における「ずれ運動」による溶融現象が回避できる。
【0035】
本発明の液体噴射ヘッドの製造用金型において、上記通孔成型部材が、板状部材であり、その厚さ方向に形成した面部分に雄型の多段構造部に接触する接触面が形成されている場合には、上記通孔成型部材が、上記雌型の内面から突出させた部材として、高い剛性のもとで雌型と一体化できるので、型の耐久性を高めることができる。また、板状部材であるから、成型材料の流動のガイド板としての機能が果たされ、尖部の先端部に向って整然とした材料流れが形成できる。板状部材の厚さ方向に形成した面部分に上記接触面を簡素化された構造で確保できる。また、上記面部分は、板状部材の上記軸心側の端面形状を選定することにより、簡単に選定することができるので、雄型の多段構造部に対する正確な面衝合が確保でき、液体通孔が正常に成型できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0037】
本発明において対象とされている液体噴射ヘッドは、上述のように種々な液体を対象にして機能させることができ、図示の実施の形態においてはその代表的な事例として、インクジェット式記録装置に採用される記録ヘッドを実施の形態の対象にしている。
【0038】
図1から図4は、本発明が適用されるインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図である。この装置は、インクカートリッジ2が搭載されるとともにインク噴射部1が取付けられたキャリッジ3を備えている。
【0039】
上記キャリッジ3は、タイミングベルト4を介してステッピングモータ5に接続され、ガイドバー6に案内されて記録紙7の紙幅方向(主走査方向)に往復移動するようになっている。上記キャリッジ3は、上部に開放する箱型を呈し、記録紙7と対向する面(この例では下面)に、インク噴射部1のノズル面が露呈するよう取付けられるとともに、インクカートリッジ2が収容されるようになっている。
【0040】
そして、上記インク噴射部1にインクカートリッジ2からインクが供給され、キャリッジ3を移動させながら記録紙7上面にインク滴を吐出させて記録紙7に画像や文字をドットマトリックスにより印刷するようになっている。図1において、8は印刷休止中にインク噴射部1のノズル開口を封止することによりノズルの乾燥をできるだけ防ぐキャップ、9はインク噴射部1のノズル面をワイピングするワイパー部材である。また、キャリッジ3には、図1に示すように、ガイドバー6が挿通されている。
【0041】
図2は、上記インク噴射部1に用いるヘッド本体10の基本構造の一例を示す。このヘッド本体10は、ノズル開口11と圧力発生室12が形成された流路ユニット13と、圧電振動子14が収容されたヘッドケース15とが接合されて構成されている。
【0042】
上記流路ユニット13は、ノズル開口11が穿設されたノズル形成面を有するノズルプレート16と、圧力発生室12と共通のインク室17ならびにこれらを連通させるインク供給路18とに対応する空間が形成された流路形成板19と、上記圧力発生室12の開口を塞ぐ振動板20とが積層されて形成されている。
【0043】
上記圧電振動子14は、駆動信号の入力により、充電状態で長手方向に収縮し、充電状態から放電する過程で長手方向に伸長する、いわゆる縦振動モードの振動子である。上記圧電振動子14は、その先端が圧力発生室12の一部を形成する振動板20の島部20Aに固着された状態で他端が基台21に固定されている。
【0044】
また、上記ヘッドケース15には、そのインク室17に対応する部分に、インク室17にインクカートリッジ2のインクを導入するヘッド流路24が形成されている。上記ヘッド流路24の開口縁には、環状突起23が形成されている。
【0045】
上記ヘッド本体10では、上記圧電振動子14の収縮・伸長を受けて圧力発生室12が膨張・収縮し、圧力発生室12の圧力変動によりインクの吸引とインク滴の吐出とが行なわれるようになっている。図2において、22は圧電振動子14に駆動信号を入力するフレキシブル回路板である。
【0046】
上記ヘッド本体10では、図2において紙面に垂直な方向に圧電振動子14,圧力発生室12,ノズル開口11が列設されており、ノズルプレート16には、2列のノズル列が形成されている。
【0047】
図3および図4は、上記ヘッド本体10が用いられたインク噴射ヘッドHを示す図である。上記インク噴射部1は、ヘッド本体10と、上記ヘッド本体10が取付けられるヘッドホルダ32とを備えている。本発明においては、このヘッドホルダ32が「流路形成部材」に相当している部材であり、図1に示したキャリッジ3に別部品として組み付けられたり、あるいはキャリッジ3の一部に形成されたりしている。本発明においては、この「流路形成部材」は上記の前者・後者双方に該当している。以下、この「流路形成部材」をヘッドホルダと呼称し、各実施の形態は別部品として組み付けられている場合である。
【0048】
図において、28はヘッド本体10を覆うカバー部材、40はヘッド本体10をヘッドホルダ32に取付けるねじ、41はカバー部材28に形成されたねじ挿通穴である。また、38はヘッドケース15のヘッドホルダ32と対面する面に突設された2つの挿通管であり、上記挿通管38にねじ40が挿通されるようになっている。
【0049】
上記ヘッドホルダ32は、インクカートリッジ2に差し込まれてインクの供給を受ける複数(この例では4つ)のインク供給針27が立設されている。上記各インク供給針27は、中空状で先端部にインク孔34が穿設されている。上記各インク供給針27の根元部には、インクカートリッジ2から供給されたインクをろ過するフィルタ31が設けられてる。
【0050】
そして、上記ヘッドホルダ32には、各インク供給針27にそれぞれ連通するとともに、ヘッド本体10のヘッド流路24にそれぞれ連通してインクカートリッジ2のインクをヘッド本体10に導入するホルダ流路30が形成されている。
【0051】
上記ヘッドホルダ32とヘッド本体10との間には、フレキシブル回路板22を介してヘッド本体10の圧電振動子14に駆動信号を送るヘッド基板36が挟まれるよう設けられている。上記ヘッド基板36には、フレキシブル回路板22を挿通させる回路板挿通穴35が形成されている。
【0052】
また、上記ヘッド基板36には、ホルダ流路30の下部開口およびヘッド流路24の上部開口に対応する部分に、上下に貫通する貫通穴37が穿設され、上記貫通穴37にヘッドケース15の環状突起23が挿通されてヘッド基板36の上面に環状突起23の開口が露呈するようになっている。
【0053】
さらに、上記ヘッド基板36には、ヘッド本体10の一方の挿通管38を挿通させる挿通穴47と、他方の挿通管38との干渉を防止する矩形の切欠部43が形成されている。このように、上記切欠部43により一方の挿通管38との干渉を防止するようにしたことにより、この部分のヘッド基板36の加工が容易になり、加工コストを節減することができる。
【0054】
そして、上記ヘッド基板36とヘッドホルダ32との間には、ホルダ流路30とヘッド流路24を連通させる連通口33が形成されたシール部材29が挟持されている。上記シール部材29は、ゴム,軟質樹脂,エラストマー等の弾性材料から形成されている。そして、上記シール部材29は、ヘッドホルダ32,ヘッド基板36およびヘッド本体10を組み付けた状態で、ホルダ流路30の下部開口およびヘッド流路24の上部開口に当接し、連通口33によりホルダ流路30とヘッド流路24を連通させるとともにその接続部をシールするようになっている。
【0055】
上記シール部材29を弾性材から形成したことにより、環状突起23の開口とホルダ流路30の開口との間でシール部材29が押し潰されて密着し、ホルダ流路30とヘッド流路24の接続部が確実にシールされる。また、ヘッド流路24の開口とホルダ流路30の開口に弾性材からなるシール部材29を当接させるだけで流路の接続部を確実にシールでき、組み立て性を損なわない。
【0056】
また、上記ヘッド本体10のヘッドケース15には、シール部材29に穿設された圧入穴46に圧入されて組み付け時やヘッド本体10内の洗浄作業の際にシール部材29の脱落を防止する圧入部材44が突設されている。さらに、上記シール部材29には、ヘッド本体10の挿通管38を挿通させる2つの挿通穴47が形成されている。
【0057】
そして、上記ヘッド本体10のヘッドケース15には、ヘッド基板36の切欠部43に対応する部分に、シール部材29と当接してシール部材29の反りを防止する円柱状の反り防止部材39が突設されている。上記反り防止部材39の上面には、シール部材29に穿設された嵌入穴45に嵌入してシール部材29の不要な回転を防止する円柱状の回転防止部材42が、反り防止部材39と同軸状に突設されている。
【0058】
上述のように、インクカートリッジ2からのインクがインク供給針27に流入し、それからヘッドホルダ32のホルダ流路30を通過する。さらに、インクはシール部材29の連通口33からヘッド流路24へ流入して、流路ユニット13へ供給され、ノズル開口11からインク滴として吐出される。そして、ヘッドケース15,圧電振動子14,流路ユニット13等によりインク噴射部25が構成されている。また、インク供給針27の内側中空部分からホルダ流路30,連通口33を経てインク噴射部25にわたって一連のインク流路26が形成されている。
【0059】
本発明においては、インク供給針27からノズル開口11にいたる構成部材の集合体により、液体噴射ヘッドであるインク噴射ヘッドHが構成されている。したがって、インク噴射ヘッドHを構成する主要な部材は、インク供給針27,ヘッドホルダ32,シール部材29,インク噴射部25等である。
【0060】
本発明は、液体噴射ヘッドの製造方法および同製造方法で製造された液体噴射ヘッドならびに製造用金型であるが、本発明全体を理解しやすくするために、上記インク供給針の構成を最初に説明する。なお、インク供給針全体は符号27で示し、インク供給針の各部の構造のうち図11に記載した構造と同じ部位については同じ符号を付している。
【0061】
すなわち、円形断面とされた中空状のインク供給針27は、直管部81とその先端に設けた円錐形の部分全体からなる尖部82と上記直管部81の内径が徐々に大きくなっている拡径部83から構成されている。図5と図6にインク供給針27の構造が示されているが、図6の斜視図は理解しやすくするために、後述の溝部の幅等を拡大した寸法で図示してある。
【0062】
尖部82の円錐形外周面48に細長い溝部49,50が円錐形外周面48の母線方向に形成されている。上記溝部49は複数のインク通孔49Aが構成される長い溝であり、上記溝部50は1つのインク通孔50Aが構成される短い溝である。ここでは、長い方の溝部49のインク通孔49Aは、2つである。
【0063】
溝部49の底部は、図6に最もよく示されているように、階段状の形状とされている。このような階段状の形状により、インク供給針27の軸心に略沿った向きに配置された縦面49Bと、上記軸心にほぼ直交する向きに配置された横面49Cとが組になっていて、溝部49では上記組が2つ階段状に配列されている。そして、上記の各横面49Cにインク通孔49Aがそれぞれ設けられている。
【0064】
溝部50の底部は、図6に最もよく示されているように、インク供給針27の軸心に略沿った向きに配置された縦面50Bと、上記軸心に略直交する向きに配置された横面50Cとが組になっていて、溝部50では上記組が1つ構成されている。そして、上記の横面50Cにインク通孔50Aが設けられている。
【0065】
上記のインク通孔49Aのうち、円錐形外周面48の大径側に位置しているインク通孔49Aは、上記軸心に略直交する仮想平面上に円周方向に配列されている。また、インク通孔49Aのうち、円錐形外周面48の小径側に位置しているインク通孔49Aは、上記の仮想平面とは異なった上記軸心に略直交する仮想平面上に円周方向に配列されている。したがって、円錐形外周面48の大径側に配列されたインク通孔49Aと、円錐形外周面48の小径側に配列されたインク通孔49Aとは、軸心方向に離隔して同心円上に配列されていることになる。
【0066】
一方、インク通孔50Aは、円錐形外周面48の大径側に位置している上記の仮想平面と同様な仮想平面上に円周方向に配列されている。この実施の形態では、インク通孔50Aと49Aは、同一仮想平面状に配列されている。
【0067】
したがって、上記インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心に略直交する仮想平面上において円周方向に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ないインク通孔49A,50Aが所定の配置形態のもとに確保される。さらに、インク通孔49Aと50Aが円錐形外周面48の大径側の仮想平面上に円周方向に配置され、もう1つのインク通孔49Aが円錐形外周面48の小径側の異なる仮想平面上に円周方向に配置されていることにより、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの開口分布をインク供給針27内のインク流にとって最適化することができる。例えば、インク供給針27内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部82の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、インク通孔49A,50Aの開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0068】
つぎに、上記インク供給針27の製造方法を、主として図7および図8に基づいて説明する。
【0069】
溶融状態の成型材料としては、アルミニウムのような軽合金やポリプロピレン,ポリエチレンのような合成樹脂等が採用できるが、ここでは後者の材料を対象にしている。成型用の型51は、所定の位置関係で合致する雌型52と雄型53から構成されている。上記雄型53の尖部82を成型する部位には、多段構造部54が形成されている。雄型53は断面が円形であり、尖部82側が小径とされた小径部54Aと、上記小径部54Aよりも大きな径部の大径部54Bとにより多段構造部54が構成されている。なお、54C,54Dは、それぞれ後述の接触面が衝合する小径部54Aと大径部54Bの端面である。また、ここでの多段構造部54は2段であるが、これを必要に応じて3段あるいは4段にすることもできる。
【0070】
上記雌型52の尖部82を成型する部位には、通孔成型部材である板状部材55が複数設けられている。上記板状部材55は、図6に示した溝部49,50を成型するためのもので、雌型52の内面からインク供給針27の略軸心に向って突出した状態で配置されている。板状部材55の内側端面すなわち板状部材55の厚さ方向の面に、縦面55Bとこの縦面55Bにほぼ直交する横面55Cが形成されている。上記縦面55Bと横面55Cとは組になっていて、縦面55Bは上記溝部49の縦面49Bを成型し、横面55Cは上記溝部49の横面49Cを成型するために配置されている。したがって、縦面55Bは上記軸心に略平行とされた面であり、横面55Cは上記軸心に略直交する面とされている。このような縦面55Bと横面55Cとの組が複数配置されることにより、階段型形状部56が構成される。
【0071】
また、縦面55Bと横面55Cとの組が1つ配置されることにより、溝部50の縦面50Bと横面50Cを形成する単一の段形状部57が構成される。
【0072】
上記階段型形状部56の突き出た角部56Aの近傍に、接触面55Aが形成されている。図8の場合は、接触面55Aが角部56Aの近傍の横面55Cに形成されている。すなわち、接触面55Aは、横面55Cの軸心側の端部に形成されている。上記接触面55Aは、雌雄両型52,53を組み合わせたときに、雄型53の端面54Cに密着する。また、もう1つの接触面55Aは、雄型53の端面54Dに密着する。したがって、2箇所に配置した接触面55A,55Aは多段構造部54の各段(54C,54D)に同心円上において複数箇所で接触する。一方、上記単一の段形状部57には、単一の接触面55Aが設けられている。
【0073】
上記の構成により、板状部材55の2箇所に接触面55Aを有する場合は、「複接触面を有する板状部材」であり、板状部材55の1箇所に接触面55Aを有する場合は、「単接触面を有する板状部材」である。
【0074】
なお、多段構造部54の段差寸法と階段型形状部56の接触面55Aの位置を適正に設定しておくことにより、インク通孔49Aの母線方向の間隔を正しく求めることができる。
【0075】
雄型53の多段構造部54の一部と板状部材55の接触面55Aとの接触箇所以外の部分は成型材料が流入する空間部55Dとされている。上記空間部55Dが配置されていることにより、成型材料が環状に連なった状態となる。そして、この環状に連なった部分と、尖部82の母線方向に存在する骨格部材48A(図8(D)参照)とが一体化された尖部骨格を形成するので、尖部の強度を高くすることができる。
【0076】
図8(A)や(B)に示した板状部材55,55が配置されていない箇所は、(D)に示すような雌雄の型関係となっている。この部分は図6に示すように、尖部82の頂部から直管部81にいたる母線方向の骨格部材48Aを形成するキャビティ部分となる。
【0077】
図7において、両型52と53の間の空間部58がインク供給針27の製品キャビティである。同図において2点鎖線の引出し線で示した箇所が、インク供給針27の各構造部を示している。製品キャビティ58の下部にポリプロピレンやポリエチレン等の溶融樹脂を注入する注入口59があけられている。
【0078】
つぎに、溶融樹脂の注入による樹脂の流れ状態を説明する。
【0079】
上記注入口59から溶融樹脂が注入されると、溶融樹脂は拡径部83の環状のキャビティ部83A全域にわたって略同じ高さで上昇してゆき、それに引続いて直管部81のキャビティ部81Aに流入して行く。このようにして流動してきた溶融樹脂は、板状部材55に沿って尖部82のキャビティ部82Aに流入して行き、尖部82における各部構造が成型される。
【0080】
尖部82のキャビティ部82Aに流入してきた溶融樹脂は、板状部材55にガイドされながら乱流現象の少ない状態でキャビティ部82Aの隅々まで流入する。このとき、接触面55Aの部分が端面54Cや54Dに密着しているので、この密着箇所に溶融樹脂は流れ込まない。したがって、インク供給針27を型51から取出したときには、インク通孔49A,50Aが円周方向に配列されている。また、溶融樹脂は、上記空間部55Dにも流入して環状に連なった部分が尖部82に円周方向に形成される。
【0081】
上記のような製造工程により、溶融樹脂が、上記接触面55Aの箇所には流入しないので、この接触面55Aの箇所において、インク通孔49A,50Aが形成される。そして、このような接触は、雄型53の多段構造部54と雌型52の板状部材55との間で、同心円上の複数箇所で行なわれるので、成型されたインク通孔49A,50Aは尖部82において同心円上に配列され、所要の流路面積が所定の通孔位置において確保される。また、前述の中子ピンのような微細な構造を採用することなく、雌型52の一部と雄型53の一部との剛性の高い箇所同士が直接接触する形式であるから、金型51の耐久性の向上と簡素化が図れる。このような剛性向上により、溶融樹脂等の成型材料を高圧で注入することができるので、尖部82の細部構造の隅々まで溶融樹脂が流入し、いわゆる湯まわり不足によるショート部分が発生しない。あわせて、溶融樹脂の流速が向上するので、溶融樹脂の温度低下が可及的に少なくなり、ウエルドラインにおける融着状態が良好なものとなる。さらに、このようにして形成されたインク通孔49A,50Aは、通路長さのない形態であるから、流路長さにともなうインクの流路抵抗をインク供給針27の尖部82において最小化することができる。
【0082】
板状部材55を雌型52の内面から突出させた部材として、高い剛性のもとで雌型52と一体化できるので、型の耐久性を高めることができる。また、板状部材55であるから、溶融樹脂の流動のガイド板としての機能が果たされ、尖部82の先端部に向って整然とした材料流れが形成できる。上記接触面55Aが、板状部材55の厚さ方向の面に形成した面部分であるから、接触面55Aの形成が簡素化された構造で確保できる。また、上記面部分は、板状部材55の上記軸心側の端面形状を設定することにより、簡単に選定することができるので、雄型53の多段構造部54に対する正確な面衝合が確保でき、インク通孔49A,50Aが正常に成型できる。
【0083】
板状部材55に接触面55Aの数を自由に設定できるので、1つの板状部材55によって、複数のインク通孔49Aを成型したり1つのインク通孔50Aを成型したりすることが自由に行なえて、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの個数ないしは流路面積を最適な値にすることができる。上記複接触面を有する板状部材55と上記単接触面を有する板状部材55とが円周方向に交互に配置されていることから、複接触面による同心円上のインク通孔49Aの列と、単接触面による同心円上のインク通孔50Aの列とを複合させることができるので、上記各インク通孔49A,50Aを通過したインクが、インク供給針27内を偏ることなく良好な分布で流下する。
【0084】
上記板状部材55の角部56Aと上記多段構造部54の角部近傍の剛性の高い箇所同士が接触するので、密着性の良好な面接触が確保され、精密な形状や寸法のインク通孔49A,50Aがえられる。例えば、インク通孔49A,50Aの周縁部分に「ばり」が発生するようなことも防止できる。
【0085】
上記空間部55Dが配置されていることにより、成型材料が環状に連なった状態となる。そして、この環状に連なった部分と、尖部82の母線方向に存在する骨格部材48Aとが一体化された尖部骨格を形成するので、尖部の強度を高くすることができる。
【0086】
上記接触面55Aが、上記軸心の方向に対して略直交する向きに配置されているとともに、上記軸心の方向に対して略直交する向きに配置された雄型53の多段構造部54の端面54C,54Dに密着した状態で接触しているので、インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心に略直交する仮想平面上において同心円上に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。
【0087】
図9および図10は、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の第2の実施の形態を示す。
【0088】
上記尖部82の円錐形外周面48に形成された複数の溝部49,50の底部を、インク供給針27の軸心に略沿った向きに配置された縦面49B,50Bと上記軸心に略直交する向きに配置された横面49C,50Cをそれぞれ組にして構成し、上記縦面49Bおよび50Bの一部に円周方向に配列されたインク通孔49A,50Aが設けられている。
【0089】
したがって、上記インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心状に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ないインク通孔49A,50Aが所定の配置形態のもとに確保される。さらに、インク通孔49A,50Aが単一の仮想円筒面上に円周方向に配列されている場合には、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの開口分布をインク供給針27内のインク流にとって最適化することができる。例えば、インク供給針27内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部82の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、インク通孔49A,50Aの開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0090】
この実施の形態において製造されたインク供給針27は、インク供給針27の軸心に略沿った向きで配置された縦面49Bに、インク通孔49Aが開口している。図10(A)の構造部分は、溝部49に2つのインク通孔49Aが形成された場合であり、溝部50における1つのインク通孔50Aの成型は上記インク通孔49Aの場合と同様である。
【0091】
インク通孔49Aの向きが上記のようになっているので、図10(B)に示すように、接触面55Aはインク供給針27の軸心に略沿った向きで配置されている。この接触面55Aは、多段構造部54の外側面54E,54Fに接触するようになっている。この接触を確実なものとするために、上記接触面55Aと上記外側面54E,54Fが、尖部82側が軸心に近づいた傾斜面とされている。図中の符号θは上記傾斜面の傾斜角度を示している。そこで、外側面54E,54Fの上部にテーパ面54G,54Hが形成されている。こうすることにより、雄型53を雌型52内に組み込む際に、上記接触面55Aと上記外側面54E,54Fとが干渉することなく接近して行き、両型52,53の組合わせが完了した位置において、接触面55Aと外側面54E,54F(テーパ面54G,54H)との密着が確保される。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0092】
したがって、インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心状に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ないインク通孔49A,50Aが所定の配置形態のもとに確保される。それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0093】
本発明における液体噴射ヘッドは、図5および図6に示すように、上記尖部82の円錐形外周面48に形成された複数の溝部49,50の底部を、インク供給針27の軸心に略沿った向きに配置された縦面49B,50Bと上記軸心に略直交する向きに配置された横面49C,50Cを組にして構成し、上記横面49C,50Cの一部に円周方向に配列されたインク通孔49A,50Aが設けられている。
【0094】
したがって、上記インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心に略直交する仮想平面上に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ないインク通孔49A,50Aが所定の配置形態のもとに確保される。さらに、インク通孔49A,50Aが単一の仮想平面上に円周方向に配列されている場合には、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの開口分布をインク供給針27内のインク流にとって最適化することができる。例えば、インク供給針27内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部82の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、インク通孔49A,50Aの開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0095】
そして、上記の複数組の配置と単数組の配置を円周方向に交互に行なうことにより、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの開口分布が良好なものとなる。また、組が複数配置された溝部49のインク通孔49Aのうち尖部82の大径側に位置するインク通孔49Aと、組が1つ配置された溝部50のインク通孔50Aとを同一円周上に配列することにより、尖部82の大径部側のインク通孔49A,50Aの個数を多くし、尖部82の小径側のインク通孔49Aの個数を少なくして、インク供給針27内のインク流の分布を均一化することができる。
【0096】
図9および図10は、本発明における液体噴射ヘッドの第2の実施の形態を示す。
【0097】
この実施の形態は、上記尖部82の円錐形外周面48に形成された複数の溝部49,50の底部を、インク供給針27の軸心に略沿った向きに配置された縦面49B,50Bと上記軸心に略直交する向きに配置された横面49C,50Cそれぞれを組にして構成し、上記縦面49B,50Bの一部に円周方向に配列されたインク通孔49A,50Aが設けられている。それ以外は、上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0098】
したがって、上記インク通孔49A,50Aの開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心状に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ないインク通孔49A,50Aが所定の配置形態のもとに確保される。さらに、インク通孔49A,50Aが単一の仮想円筒面上に円周方向に配列されている場合には、尖部82におけるインク通孔49A,50Aの開口分布をインク供給針27内のインク流にとって最適化することができる。例えば、インク供給針27内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部82の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、インク通孔49A,50Aの開口位置や個数を自由に選定することができる。それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0099】
本発明における液体噴射ヘッドの製造用金型は、すでに説明したように、図7,図8,図10等に示した構成である。
【0100】
すなわち、上記インク供給針27を成型する型51は所定の位置関係で合致する雌型52と雄型53から構成され、上記雄型53の尖部82を成型する部位に、尖部82側が小径とされ異なった径部が同心状に配置された多段構造部54が設けられ、上記雌型52の尖部82を成型する部位に、上記インク通孔49A,50Aを成型する板状部材55が雌型52の内面からインク供給針27の略軸心に向って突出した状態で複数配置され、上記多段構造部54の各段に同心状において複数箇所で接触する接触面55Aが上記板状部材55に形成されている。
【0101】
したがって、溶融状態の成型材料は、上記接触面55Aの面衝合部分には流入しないので、この接触面55Aの箇所において、インク通孔49A,50Aが形成される。そして、このような接触は、雄型53の多段構造部54と雌型52の板状部材55との間で、同心状の複数箇所で行なわれるので、成型されたインク通孔49A,50Aは尖部82において同心状に配列され、所要の流路面積が所定の通孔位置において確保される。また、前述の中子ピンのような微細な構造を採用することなく、雌型52の一部と雄型53の一部との剛性の高い箇所同士が直接接触する形式であるから、金型の耐久性の向上と簡素化が図れる。このような剛性向上により、溶融樹脂等の成型材料を高圧で注入することができるので、尖部82の細部構造の隅々まで成型材料が流入し、いわゆる湯まわり不足によるショート部分が発生しない。あわせて、成型材料の流速が向上するので、成型材料の温度低下が可及的に少なくなり、ウエルドラインにおける融着状態が良好なものとなる。さらに、このようにして形成されたインク通孔49A,50Aは、通路長さのない形態であるから、流路長さにともなうインクの流路抵抗をインク供給針27の尖部82において最小化することができる。
【0102】
また、上記板状部材55が雄型53の一部に接触する接触面55Aが、板状部材55の厚さ方向の面に形成した面部分であることから、上記接触面55Aの形成が簡素化された構造で確保できる。また、上記面部分は、板状部材55の上記軸心側の端面形状を選定することにより、簡単に選定することができるので、雄型53の多段構造部54に対する正確な面衝合が確保でき、インク通孔49A,50Aが正常に成型できる。
【0103】
以上に述べた液体噴射ヘッドの製造方法においては、型51の構造、例えば、雌雄両型52,53の合致によって形成される空間部55Dによって、1つの部品であるインク供給針27自体の構造や性能が改善される。したがって、上記製造方法によって製造されたインク供給針27の各部の構造は、インク供給針27そのものあるいはこのようなインク供給針27を包含したインク噴射ヘッドとして種々な発明を形成している。
【0104】
上記の実施の形態では、圧力発生素子が縦振動モードの形式であるが、他に、たわみ振動モードで液体を噴射したり、液体の加熱素子で液体を噴射したりする形式のものであってもよい。また、本発明における液体貯留手段は、上記の実施の形態で示した、キャリッジにインクカートリッジを搭載する形式のものに加えて、インクタンクをインクジェット式記録装置の本体側に装着し、キャリッジには圧力変動を吸収するサブタンクを搭載した形式のものであってもよい。
【0105】
上述の実施の形態は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射装置は、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施の形態では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
【0106】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の液体噴射ヘッドの製造方法およびそれに用いる金型によれば、溶融状態の成型材料は、上記接触面の面衝合部分には流入しないので、この接触面の箇所において、液体通孔が形成される。そして、このような接触は、雄型の多段構造部と雌型の通孔成型部材との間で、同心状の複数箇所で行なわれるので、成型された液体通孔は尖部において同心状に配列され、所要の流路面積が所定の通孔位置において確保される。また、前述の中子ピンのような微細な構造を採用することなく、雌型の一部と雄型の一部との剛性の高い箇所同士が直接接触する形式であるから、金型の耐久性の向上と簡素化が図れる。このような剛性向上により、溶融樹脂等の成型材料を高圧で注入することができるので、尖部の細部構造の隅々まで成型材料が流入し、いわゆる湯まわり不足によるショート部分が発生しない。あわせて、成型材料の流速が向上するので、成型材料の温度低下が可及的に少なくなり、ウエルドラインにおける融着状態が良好なものとなる。さらに、このようにして形成された液体通孔は、通路長さのない形態であるから、流路長さにともなう液体の流路抵抗が液体供給針の尖部において最小化することができる。
【0107】
また、上記液体供給針を超音波接合によって流路形成部材に接合する場合には、超音波振動が液体供給針の各部に伝達されるのであるが、尖部における細部構造の剛性向上により、尖部の微細構造部に過大な応力が作用しない。さらに、そこに存在しているウエルドラインも融着性が良好なので、同ラインの箇所における「ずれ運動」による溶融現象が回避できる。
【0108】
また、本発明の液体噴射ヘッドによれば、上記液体通孔の開口が上記軸心に略直交する仮想平面上に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。さらに、液体通孔が単一の仮想平面上に円周方向に配列されている場合には、尖部における液体通孔の開口分布を液体供給針内の液体流にとって最適化することができる。例えば、液体供給針内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、液体通孔の開口位置や個数を自由に選定することができる。
【0109】
また、本発明の液体噴射ヘッドによれば、上記液体通孔の開口が上記軸心と略同心の仮想円筒面上において同心状に配列されることになる。これによって、流動抵抗の少ない液体通孔が所定の配置形態のもとに確保される。さらに、液体通孔が単一の仮想円筒面上に円周方向に配列されている場合には、尖部における液体通孔の開口分布を液体供給針内の液体流にとって最適化することができる。例えば、液体供給針内で偏った流れになるのを防止することができる。また、上記の組単位で尖部の母線方向に複数組を配置したり単数組を配置したり、あるいはこれらの組を複合させて配置することにより、液体通孔の開口位置や個数を自由に選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図2】上記インクジェット式記録装置に装着されるインク噴射部の断面図である。
【図3】上記インクジェット式記録装置に装着される記録ヘッドの分解斜視図である。
【図4】上記インクジェット式記録装置に装着される記録ヘッドの断面図である。
【図5】インク噴射ヘッドに組み付けられるインク供給針の平面図,底面図,部分拡大図,断面図である。
【図6】上記インク供給針の尖部を示す斜視図および平面図である。
【図7】上記インク供給針の成型用金型の全体構造を示す断面図である。
【図8】上記金型の各部の構造を示す断面図,斜視図である。
【図9】インク噴射ヘッドに組み付けられる他のインク供給針の平面図,底面図,部分拡大図,断面図である。
【図10】上記インク供給針の成型用金型の部分的な斜視図,断面図である。
【図11】従来のインク供給針を示す平面図,底面図,断面図である。
【符号の説明】
H インク噴射ヘッド
1 インク噴射部
2 インクカートリッジ
3 キャリッジ
4 タイミングベルト
5 ステッピングモータ
6 ガイドバー
7 記録紙
8 キャップ
9 ワイパー部材
10 ヘッド本体
11 ノズル開口
12 圧力発生室
13 流路ユニット
14 圧電振動子
15 ヘッドケース
16 ノズルプレート
17 インク室
18 インク供給路
19 流路形成板
20 振動板
20A 島部
21 基台
22 フレキシブル回路板
23 環状突起
24 ヘッド流路
25 インク噴射部
26 インク流路
27 インク供給針
28 カバー部材
29 シール部材
30 ホルダ流路
31 フィルタ
32 ヘッドホルダ,流路形成部材
33 連通口
34 インク孔
35 回路板挿通穴
36 ヘッド基板
37 貫通穴
38 挿通管
39 反り防止部材
40 ねじ
41 挿通穴
42 回転防止部材
43 切欠部
44 圧入部材
45 嵌入穴
46 圧入穴
47 挿通穴
48 円錐形外周面
48A 骨格部材
49 溝部
49A インク通孔
49B 縦面
49C 横面
50 溝部
50A インク通孔
50B 縦面
50C 横面
51 型
52 雌型
53 雄型
54 多段構造部
54A 小径部
54B 大径部
54C 端面
54D 端面
54E 外側面
54F 外側面
54G テーパ面
54H テーパ面
θ 傾斜角度
55 板状部材
55A 接触面
55B 縦面
55C 横面
55D 空間部
56 階段型形状部
56A 角部
57 段形状部
58 空間部,製品キャビティ
59 注入口
80 インク供給針
81 直管部
81A キャビティ部
82 尖部
82A キャビティ部
83 拡径部
83A キャビティ部
84 インク通孔,液体通孔
85A 内端面
85B 内端面
86 フィルタ
87 境界部
88 下端面
89 突条部
Claims (3)
- 液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記組が複数配置された溝部と上記組が1つ配置された溝部とが円周方向に交互に配列されていると共に、上記横面の一部に液体通孔が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
- 液体貯留手段から供給された液体を噴射する液体噴射部が取付けられた流路形成部材と、上記流路形成部材に取付けられ上記液体貯留手段から液体の供給を受けるとともにその先端の尖部に液体通孔を設けた断面円形で中空状の液体供給針とを含んで構成された液体噴射ヘッドであって、上記尖部の円錐形外周面に円周方向に配列された複数の溝部を形成し、上記各溝部の底部を、液体供給針の軸心に略沿った向きに配置された縦面と上記軸心に略直交する向きに配置された横面との組により構成し、上記縦面の一部に液体通孔が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
- 上記組が複数配置された溝部と上記組が1つ配置された溝部とが円周方向に交互に配列されている請求項2記載の液体噴射ヘッド。
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