JP4239446B2 - Heat-shrinkable polyethylene terephthalate film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱収縮性プラスチックフィルムは、加熱によって収縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベルなどの用途に広く用いられている。中でも、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルムなどの延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器などの各種容器において、ラベルやキャップシールあるいは集積包装の目的で使用されている。
【0003】
しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となるなどの問題を抱えている。また、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器などの収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用する際に、ラベルと容器を分離しなければならないという問題がある。
【0004】
一方、ポリスチレン系フィルムは、収縮後の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が発生するという問題がある。
【0005】
これらの問題のないポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向にある。
【0006】
しかし、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムも、その収縮特性においてはさらなる改良が求められていた。特に、収縮時に、収縮斑やシワが発生して、収縮前のフィルムに印刷した文字や図柄が、PETボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶などの容器に被覆収縮する際に、収縮後に歪むことがあり、この歪みを可及的に小さくしたいというユーザーサイドの要望があった。
【0007】
また、熱収縮性ポリスチレン系フィルムと比較すると、ポリエステル系フィルムは低温での収縮性に劣ることがあり、必要とする収縮量を得るために高温で収縮させなければならず、ボトル本体の変形や白化が生じることがあった。
【0008】
ところで、熱収縮性フィルムを実際の容器の被覆加工に用いる際には、必要に応じて印刷工程に供した後、ラベル、袋などの形態に加工して、これらのラベルや袋状のものを容器に装着し、スチームを吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(スチームトンネル)や、熱風を吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(熱風トンネル)の内部を、ベルトコンベアーなどにのせて通過させ、熱収縮させて容器に密着させている。
【0009】
スチームトンネルは、熱風トンネルよりも伝熱効率が良く、より均一に加熱収縮させることが可能であり、熱風トンネルに比べると良好な収縮仕上がり外観を得ることができるが、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに比べると、スチームトンネルを通過させた後の収縮仕上がり性の面が余り良くないという問題があった。
【0010】
また、熱収縮の際に温度斑が生じやすい熱風トンネルを使用すると、ポリエステル系フィルムでは、収縮白化、収縮斑、シワ、歪みなどが発生し易く、特に収縮白化が製品外観上問題となっていた。そして、この熱風トンネルを通過させた後の収縮仕上がり性においても、ポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムよりも劣っているという問題があった。
【0011】
さらに、リサイクルの観点から、有色のPETボトルの使用が制限されるに伴い、ボトル自体の着色に代えて、ボトル側面の大部分を熱収縮性ポリエステル系フィルム製のラベルで覆うといった需要も増大しつつある。ところが、PETボトルの側面形状は様々であり、任意の高さ位置で外径が変化するため、一つのボトルを被覆する一つのラベルでも、要求される収縮の程度はボトルの高さ位置で異なる。このため、従来品以上に良好な収縮特性を備え、複雑な側面形状のボトルの被覆に使用した場合でも、優れた収縮仕上り性を発揮できる熱収縮性ポリエステル系フィルムが求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温から高温までの幅広い温度域で優れた収縮特性を有すると共に、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み、タテヒケなどの発生が極めて少なく、部分的に高い収縮率が要求されるようなラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム(以下、単に「フィルム」ということがある)は、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上、好ましくは10〜50モル%であり、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポリエステル系フィルムの試料について、下記(A)、(B)および(C)の熱収縮率が、(A):5〜50%、(B):65〜75%、(C):10%以下であるところに要旨を有する。ここで、
(A):70℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率、
(B):85℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率、
(C):85℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率、
である。
【0014】
特定の組成のポリエステルを利用することによって、低温から高温までの幅広い温度域で優れた収縮特性を有すると共に、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み、タテヒケなどの発生が極めて少なく、特に熱風トンネルでの収縮白化のない熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することができた。
【0015】
また、上記の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、フィルムの最大収縮方向での厚み変位測定を、長さ50cm、幅5cmの試験片について行ったとき、下式(1)に規定する厚み分布が7%以下であることが好ましい。
厚み分布=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100 (1)。
【0016】
上記の厚み分布を満たすフィルムであれば、加工性、特に多色の図柄を印刷する際の加工性に優れ、複数の色を重ね合わせる際にズレなどが生じにくく、非常にハンドリング性が良好である。
【0017】
この他、上記の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの最大収縮方向についての熱収縮試験を、90℃の熱空気中、試験片幅20mm、チャック間距離100mmの条件で行ったとき、最大熱収縮応力値が8〜16MPa以上でことが好ましい。このような特性のフィルムでは、特に収縮仕上り外観が美麗である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、公知の多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分から形成されるエステルユニットを主たる構成ユニットとする単一の共重合ポリエステル、あるいは2種以上のポリエステルの混合物を用いて得られるものである。この多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分は5モル%以上含まれていることが必要である。
【0019】
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポリエステル系フィルムの試料について、上記(A)、(B)および(C)の熱収縮率が、(A):5%以上50%以下、(B):65%以上75%以下、(C):10%以下でなければならない。通常、熱収縮性フィルム製のラベルを容器などへ被覆収縮させる工程では、上述の熱風トンネルでは、120〜200℃程度、風速5〜20m/秒程度の熱風中を2〜20秒程度で通過させて、また、スチームトンネルでは、75〜95℃程度、圧力0.5〜20MPa程度のスチーム中を2〜20秒程度で通過させて行うが、(A)、(B)および(C)の全ての熱収縮率が、これらの範囲を満足するフィルムは、例えば、側面を覆うラベルに部分的に非常に高い収縮率を要求するような、複雑な側面形状を有するPETボトルなどの容器用のラベルとして使用しても、こうした通常行われる収縮条件下で、極めて美麗な収縮仕上がり外観を確保できる。
【0020】
上記(A)の熱収縮率が上記範囲を下回るフィルムでは、容器などに被覆収縮させる工程において、上述したような通常の収縮条件のうち、より低温条件下での収縮率が不足してしまう。また、上記(B)の熱収縮率が上記範囲を下回るフィルムでは、ラベルに部分的に高い収縮率を要求するような容器などの被覆に使用した場合、該部分での収縮が不十分となる。(A)の熱収縮率の好ましい下限は7%、さらに好ましい下限は10%である。また、(B)の熱収縮率の好ましい下限は66%、さらに好ましい下限は67%である。
【0021】
他方、上記(A)および/または(B)の熱収縮率が上記範囲を超えるフィルムでは、上記の被覆収縮させる工程において、特に熱風を熱源とした場合に、フィルムが急激に収縮することにより上方にずれたり、フィルムの上端または下端が斜めに収縮したり、折れ込んだりするといった欠陥が生ずる。(A)の熱収縮率の好ましい上限は48%、さらに好ましい上限は45%である。また、(B)の熱収縮率の好ましい上限は74%、さらに好ましい下限は73%である。
【0022】
この他、上記(C)の熱収縮率が10%を超えるフィルムでは、収縮の必要のない方向での収縮量が大きくなり、ラベルなどに用いる場合に要求されるフィルム量が多くなるため、経済的な観点から好ましくない。(C)の熱収縮率の好ましい上限は9%、さらに好ましい上限は8%である。他方、フィルムの上記最大収縮方向に直交する方向において、熱収縮の際に収縮せず、伸長するフィルムでは、上記の被覆収縮させる工程において、収縮に伴って生ずるシワが残り易い。よって、(C)の熱収縮率の好ましい下限は−5%、より好ましい下限は−4%である。
【0023】
ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、最大収縮方向は、正方形の縦方向または横方向(または斜め方向)の長さで決められる。また、最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率とは、上記のように定義される試料の最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率である。なお、熱収縮率(%)は、10cm×10cmの試料を、95℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの縦および横方向(または斜め方向)の長さを測定し、下式
熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
に従って求めた値である。
【0024】
さらに、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上でなければならない。
【0025】
詳細は後述するが、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性などを発揮させるために、結晶性のエチレンテレフタレートユニットを主たる構成成分とすることが望ましい。これに対し、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分は、フィルムの結晶性を下げて非晶化度合いを高め,より高い熱収縮性を発現するものである。
【0026】
従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいては、熱収縮工程でフィルムが加熱されてある温度まで到達した場合、フィルムを構成するポリエステルの組成によっては熱収縮率が飽和してしまい、それ以上高温に加熱しても、それ以上の収縮が得られないことがある。このようなフィルムは、比較的低温で熱収縮することができる利点があるが、前記熱風トンネルで熱収縮させた場合や、熱収縮前に30℃以上の雰囲気下で長期間保管した後で熱収縮させた場合に、収縮白化現象が起こり易い。この収縮白化現象は、ポリエステルの分子鎖が部分的に結晶化して、結晶部分の光の屈折率が非晶部分と異なるため、起こるのではないかと考えられる。
【0027】
しかし本発明者等は、フィルムの結晶性を低下させ、非晶化度合いを高め得る1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を多価アルコール成分100モル%中、5モル%以上とすることで、上記収縮白化を抑制し得ることを見出したのである。
【0028】
また、例えば、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムからラベルを製造するに当たっては、一旦チューブ状体に加工される場合があるが、この際には、溶剤を用いて接着することが好ましい。接着用の溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;フェノールなどのフェノール類;テトラヒドロフランなどのフラン類;1,3−ジオキソランなどのオキソラン類;などの有機溶剤が用いられ、中でも、安全性が高い点で、1,3−ジオキソランが望ましい。
【0029】
よって、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、上記例示のような有機溶剤による接着性、特に1,3−ジオキソランによる接着性を有することが好ましい。しかし、フィルムの結晶性が高いと、溶剤接着は困難となる。よって、上記例示の有機溶剤、特に1,3−ジオキソランで接着可能とするためには、フィルムの非晶化度合いをある程度高めることが推奨され、具体的には、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を10モル%以上、好ましくは12モル%以上とすることが望ましい。
【0030】
しかしながら、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量が多過ぎると、フィルムの収縮性が必要以上に高くなり過ぎて、熱収縮工程でラベルの位置ずれや図柄の歪みが発生する恐れがある。また、フィルムの耐溶剤性が低下し過ぎて、印刷工程でインキの溶媒(酢酸エチルなど)によってフィルムの白化が起きたり、フィルムの耐破れ性が低下するため好ましくない。1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量は50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましい。
【0031】
なお、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性などを考慮すれば、構成ユニット100モル%中、エチレンテレフタレートユニットが50モル%以上となるように選択することが好ましい。従って、多価カルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸成分(テレフタル酸またはそのエステルから形成される成分)を50モル%以上、多価アルコール成分100モル%中、エチレングリコール成分を50モル%以上、とすることが好ましい。エチレンテレフタレートユニットは、55モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。
【0032】
ただし、本発明では、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を5モル%以上とするので、エチレングリコール成分は95モル%以下である。
【0033】
多価アルコール成分を形成するための多価アルコール類としては、上述した1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびエチレングリコールの他に、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール化合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物、なども併用できる。
【0034】
また、多価カルボン酸成分を形成するための多価カルボン酸類としては、上述のテレフタル酸およびそのエステルの他に、芳香族ジカルボン酸、それらのエステル形成誘導体、脂肪族ジカルボン酸などが利用可能である。芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられる。またこれらの芳香族ジカルボン酸やテレフタル酸のエステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリールエステルなどの誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸などや、通常ダイマー酸と称される脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。さらに、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価カルボン酸を、必要に応じて併用してもよい。
【0035】
この他、多価アルコール類、多価カルボン酸類ではないが、ε−カプロラクトンに代表されるラクトン類も一部使用してもよい。ラクトン類は、開環して両端にエステル結合を有するユニットとなるものであり、1つのラクトン類由来のユニットが、カルボン酸成分であり、かつ、アルコール成分であると考えることができる。よって、ラクトン類を用いる場合、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量や、他の多価アルコール成分の量は、フィルムの全多価アルコール成分量に、ラクトン類由来のユニット量を加えた量を100モル%として計算する。また、各多価カルボン酸成分の量を計算する際も、フィルムの全多価カルボン酸成分量に、ラクトン類由来のユニット量を加えた量を100モル%とする。
【0036】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、上記(A)、(B)および(C)の熱収縮率を、夫々上記の所定範囲内とするためには、上記成分組成のフィルムとすると共に、後述する条件で延伸を行うことで達成できる。
【0037】
さらに上記(A)、(B)および(C)の熱収縮率制御を容易にするためには、フィルムをエチレンテレフタレートユニット主体とし、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分といずれかの多価カルボン酸成分から形成されるエステルユニット以外に、ガラス転移温度(Tg)を低下させるユニットを、フィルムの全構成ユニット100モル%中、0.5〜30モル%程度導入することが好ましい。なお、上記のTgを低下させるユニットとしては、多価アルコール成分として、1,3−プロパンジオール成分、1,4−ブタンジオール成分、ダイマージオール成分、またはポリオキシテトラメチレングリコール成分を有するエステルユニットや、多価カルボン酸成分として、ダイマー酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分を有するエステルユニット、およびε−カプロラクトン由来のユニットが好ましいものとして挙げられ、これらの1種または2種以上を導入すればよい。なお、エステルユニットは、上記した多価アルコール成分のいずれかと多価カルボン酸成分のいずれか同士から形成されるものであってもよい。
【0038】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、厚みが均一であることが好ましく、フィルムの最大収縮方向での厚み変位測定を、長さ50cm、幅5cmの試験片について行ったとき、下式(1)で規定する厚み分布が7%以下であることが推奨される。
厚み分布=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100 (1)。
【0039】
上記の厚み分布は、長さ50cm、幅5cmで、フィルムの最大収縮方向を長さ方向とする試験片を20本作成し、夫々の試験片について、接触式厚み計(例えば、アンリツ株式会社製「KG60/A」など)を用いて、長さ方向の厚みを連続的に測定してチャートに出力し、該出力結果から、最大厚み、最小厚み、および平均厚みを求め、これらから上式(1)を用いて厚み分布を算出した後、20本の試験片の厚み分布の平均値を求めることで得られる。
【0040】
上記厚み分布が7%を超えるフィルムでは、印刷工程で、特に多色の図柄を印刷する際の印刷性が劣り、複数を色を重ね合わせる際にズレが生し易い。また、本発明のフィルムからラベルを製造するために、溶剤接着してチューブ化加工する場合に、フィルムの接着部分の重ね合わせが困難となる。さらに、上記厚み分布が7%を超えるフィルムでは、フィルム製造工程でロール状に巻き取った際に、部分的な巻き硬度の差が生じ、これに起因するフィルムの弛みやシワが発生して、フィルムとして使用できなくなる。上記の厚み分布は、6%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
【0041】
さらに、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、フィルムの最大収縮方向の熱収縮試験を、90℃の熱空気中、試験片幅20mm、チャック間距離100mmの条件で行ったとき、測定される最大熱収縮応力値が8MPa以上16MPa以下であることが好ましい。
【0042】
上記最大熱収縮応力値は、以下のようにして測定する。
(1)熱収縮性フィルムから、最大収縮方向を長さ方向とし、長さ200mm、幅20mmの試験片を切り出す。
(2)熱風式加熱炉を備えた引張試験機(例えば、東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内温度を90℃にする。
(3)送風を止め、加熱炉内に上記試験片を、チャック間距離100mmでセットする。
(4)加熱炉の扉を静かに閉め、送風を再開し、熱収縮応力を検出・測定する。
(5)測定チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MP)とする。
【0043】
最大熱収縮応力値が8MPa未満のものは収縮速度が遅く、例えばPETボトルのように、高さ位置で外径が変化する容器の側面被覆用ラベルに用いた場合、外径が小さな箇所(例えば、PETボトルの口に近い箇所)で収縮不足となる場合がある。他方、最大熱収縮応力値が16MPaを超えるものでは、例えばPETボトルに被覆収縮させた場合に、ボトルが収縮後のラベルから受ける応力が大き過ぎ、ボトルが変形するなどの不具合が生ずる。また、収縮速度が速くなり過ぎるので、容器などに被覆収縮させた場合に、ラベル位置がずれるなどの問題も生ずる。
【0044】
上記最大熱収縮応力値は、さらに好ましくは8.3MPa以上、特に好ましくは8.5MPa以上であって、さらに好ましくは15MPa以下、特に好ましくは14MPa以下が推奨される。
【0045】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいては、上述した組成を満たすと共に、後述する製造方法を採用することで、最大熱収縮応力値を上記所定範囲内とすることができる。
【0046】
熱収縮性ポリエステル系フィルムを構成するポリエステルは常法により溶融重合することによって製造できるが、多価カルボン酸類と多価アルコール類とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、多価カルボン酸類のメチルエステル体と多価アルコール類とをエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエステル交換法などが挙げられ、任意の製造法を適用することができる。また、その他の重合方法によって得られるポリエステルであってもよい。ポリエステルの重合度は、極限粘度にして0.3〜1.3dl/gのものが好ましい。
【0047】
ポリエステルには、着色やゲル発生などの不都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、チタン化合物などの重合触媒以外に、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどのMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウムなどのCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガンなどのMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛などのZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルトなどのCo塩を、ポリエステルに対して、各々金属イオンとして300ppm(質量基準)以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステルなどのリン酸エステル誘導体を燐(P)換算で200ppm(質量基準)以下、添加してもよい。
【0048】
上記金属イオンおよびリン酸及びその誘導体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イオン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好ましい。
【0049】
また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウムなどの微粒子をフィルム原料に添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤などを添加することもできる。
【0050】
ポリエステル系フィルムは、後述する公知の方法で得ることができるが、熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、複数の成分をフィルム中に含有させる手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリエステルを単独使用する方式と、異なる種類のホモポリエステルあるいは共重合ポリエステルをブレンドする方式がある。
【0051】
ポリエステル系フィルムは、後述する公知の方法で得ることができるが、熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、複数の成分をフィルム中に含有させる手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリエステルを単独使用する方式と、異なる種類のホモポリエステルあるいは共重合ポリエステルをブレンドする方式がある。
【0052】
共重合ポリエステルを単独使用する方式では、上記特定組成の多価アルコール成分を含有する共重合ポリエステルを用いればよい。一方、異なる組成のポリエステルをブレンドする方式では、ブレンド比率を変更するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種のフィルムの工業生産にも対応できるため、好ましく採用することができる。
【0053】
具体的なフィルムの製造方法としては、原料ポリエステルチップをホッパドライヤー、パドルドライヤーなどの乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、押出機を用いて200〜300℃の温度でフィルム状に押出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原料チップをベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィルム状に押出す。押出に際してはTダイ法、チューブラ法など、既存のどの方法を採用しても構わない。押出後は、キャスティングロールで急冷して未延伸フィルムを得る。なお、「未延伸フィルム」には、製造工程でのフィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも含まれる。
【0054】
上記押出機とキャスティングロールの間に電極を配設し、電極とキャスティングロールとの間に電圧を印加し、静電気的にフィルムをロールに密着させることにより、フィルムの厚み分布を上記の範囲内に制御できる。
【0055】
上記未延伸フィルムに対して延伸処理を行う。延伸処理は、上記キャスティングロールなどによる冷却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール状に巻き取り、その後行ってもよい。
【0056】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、上記(A)、(B)および(C)の熱収縮率、並びに、上式(2)で規定されるフィルムの厚み分布を、夫々上述の範囲とするには、下記に示す適切な延伸処理条件を選択することも重要である。さらに、上記(A)、(B)および(C)の熱収縮率を満足できる下記延伸処理条件でフィルムを製造すれば、フィルムの最大熱収縮応力についても、上述の範囲にできる。
【0057】
ちなみに、最大収縮方向がフィルム横(幅)方向であることが、生産効率上、実用的であるので、以下、最大収縮方向を横方向とする場合の延伸法の例を示す。なお、最大収縮方向をフィルム縦(長手)方向とする場合も、下記方法における延伸方向を90゜変えるなど、通常の操作に準じて延伸することができる。
【0058】
熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分布をさらに均一化させることに着目すれば、テンターなどを用いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱工程を行ってもよい。この予備加熱工程では、熱伝導係数が0.00544J/cm2・sec・℃(0.0013カロリー/cm2・sec・℃)以下となるように、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行うことが好ましい。
【0059】
横方向の延伸は、(A)、(B)および(C)の熱収縮率を上述の範囲とするためTg−5℃以上、好ましくはTg−3℃以上であって、Tg+10℃以下、好ましくはTg+8℃以下の温度とし、さらに延伸倍率を3.8倍以上、好ましくは3.9倍以上であって、7倍以下、好ましくは6倍以下、さらに好ましくは5.5倍以下で行う。すなわち、通常のポリエステル系フィルムの延伸処理で採用されている条件のうち、より低延伸温度、且つ高延伸倍率を採用することで、上記の各熱収縮率を確保することが可能となる。
【0060】
その後、50℃〜110℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理をして、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得る。
【0061】
この横延伸工程においては、特にフィルムの厚み分布をさらに高度に制御するため、フィルム表面温度の変動を小さくすることのできる設備を使用してもよい。この場合、延伸工程には、延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、再延伸処理工程などがあるが、特に、予備加熱工程、延伸工程の各段階および延伸後の熱処理工程において、任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅が、平均温度±1℃以内であることが好ましく、平均温度±0.5℃以内であればさらに好ましい。フィルムの表面温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温度で延伸や熱処理されることになって、熱収縮挙動が均一化するためである。
【0062】
上記のフィルム表面温度の変動を小さくできる設備としては、例えば、フィルムを加熱する熱風の風速を制御するためにインバーターを取り付け、風速の変動を抑制できる設備や、熱源に50kPa以下(5kgf/cm2以下)の低圧蒸気を使用して、熱風の温度変動を抑制できる設備などが挙げられる。
【0063】
延伸の方法としては、テンターでの横1軸延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜4.0倍、好ましくは1.1倍〜2.0倍の延伸を施してもよい。このようい2軸延伸を行う場合は、逐次2軸延伸、同時2軸延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行ってもよい。また、逐次2軸延伸においては、延伸の順序として、縦横、横縦、縦横縦、横縦横などのいずれの方式でもよい。これらの縦延伸工程あるいは2軸延伸工程を採用する場合においても、横延伸と同様に、予備加熱工程、延伸工程などにおいて、フィルム表面温度の変動をできるだけ小さくすることが好ましい。
【0064】
延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、幅方向のフィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、延伸工程の熱伝達係数は、0.00377J/cm2・sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・℃)以上とすることが好ましい。0.00544〜0.00837J/cm2・sec・℃(0.0013〜0.0020カロリー/cm2・sec・℃)がより好ましい。
【0065】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚みは特に限定するものではないが、例えばラベル用熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得られたフィルムの物性の測定方法は、以下の通りである。
【0067】
(1)フィルム組成
フィルムを、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とトリフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調製し、NMR(「GEMINI−200」;Varian社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定する。NMR測定では、プロトンのピーク強度に基づいて、フィルムを構成する成分の構成比率を算出する。
【0068】
(2)極限粘度
ポリエステルチップ0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で30±0.1℃で測定する。極限粘度[η]は、下式(Huggins式)によって求められる。
【0069】
【数1】
【0070】
ここで、ηsp :比粘度、t0:オストワルド粘度計を用いた溶媒の落下時間、t:オスワルド粘度計を用いたフィルム溶液の落下時間、C:フィルム溶液の濃度である。
【0071】
なお、実際の測定では、Huggins式においてk=0.375とした下記近似式で極限粘度を算出する。
【0072】
【数2】
【0073】
ここで、ηr:相対粘度である。
【0074】
(3)熱収縮率
フイルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、下記(I)および(II)の温度の温水中に、無荷重状態で5秒間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に10秒浸漬し、その後試料の縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求める。
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)ここで、(I):70℃±0.5℃,(II):85℃±0.5℃である。最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とし、(I)の温水を用いた試験による最大収縮方向の熱収縮率を(A)の熱収縮率とし、(II)の温水を用いた試験による最大収縮方向の熱収縮率、および最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率を、夫々(B)の熱収縮率、および(C)の熱収縮率とする。
【0075】
(4)最大熱収縮応力値
加熱炉付き引張試験機(東洋精機株式会社製「テンシロン」)を用いて測定する。熱収縮前のフィルムから、最大収縮方向の長さが200mmで、幅が20mmの試料を切り出し、予め90℃に加熱しておいた引張試験機の送風を止め、試料をチャック間距離100mmとして取り付けた後、速やかに加熱炉の扉を閉め、送風を開始した時に検出される収縮応力を測定し、測定チャートから得られる最大値を最大熱収縮応力値(MPa)とする。
【0076】
(5)厚み分布
長さ50cm、幅5cmで、フィルムの最大収縮方向を長さ方向とする試験片を20本作成し、夫々の試験片について、接触式厚み計(例えば、アンリツ株式会社製「KG60/A」など)を用いて、長さ方向の厚みを連続的に測定してチャートに出力し、この出力結果から、最大厚み、最小厚み、および平均厚みを求め、これらから上式(1)を用いて厚み分布を算出した後、20本の試験片の厚み分布の平均値を求め、フィルムの厚み分布とし、以下の基準で評価する。○:平均値6%以下、△:平均値6%を超え、10%未満、×:平均値10%以上であり、○を合格とする。
【0077】
(6)収縮仕上り性
フィルムを紙管に巻いた状態で雰囲気温度30℃±1℃、相対湿度85±2%に制御した恒温恒湿器内に250時間保管した後取り出し、東洋インキ製造社製の草色、金色、白色のインキで3色印刷し、その後ヒートシールにより接着させてチューブを作製し、これを裁断して熱収縮性ポリエステル系フィルムラベルを得る。次いで、容量500mlのPETボトル(株式会社吉野工業所製、高さ20.6cm、中央部の最大外径6.5cm)にラベルを装着した後、ゾーン温度80℃のスチームトンネル(フジアステック社製「SH−1500−L」)の中を2.5秒で通過させて、ラベルを収縮させる(測定数20)。収縮白化、収縮斑、ラベル端部の欠陥(折れ込み、ギザギザ形状)の程度を目視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価する。基準は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性良、3:収縮白化、収縮斑またはラベル端部の欠陥少し有り(2ヶ所以内)、2:収縮白化、収縮斑またはラベル端部の欠陥有り(3〜5ヶ所)、1:収縮白化、収縮斑またはラベル端部の欠陥多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベル、3以下のものを不良とする。
【0078】
本実施例および比較例に用いたポリエステルチップを表1に示す。なお、表1中、TPAはテレフタル酸を、EGはエチレングリコールを、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノールを、BDは1,4−ブタンジオールを、PDは1,3−プロパンジオールを、NPGはネオペンチルグリコールを意味する。
【0079】
【表1】
【0080】
実施例1
夫々別個に予備乾燥したポリエステルチップAを5質量%、ポリエステルチップBを85質量%、ポリエステルチップCを10質量%混合し、280℃で単軸押出機で溶融押出し、その後キャスティングロールで急冷して、厚さ250μmの未延伸フィルムを得た。なお、押出機とキャスティングロールの間には電極を配設し、電極とキャスティングロールとの間に電圧を印加して、静電気的にフィルムをロールに密着させて急冷する方法を採った。この未延伸フィルムを表面温度が85℃になるまで予熱した後、テンターを用いて横方向に83℃で5.0倍に延伸し、厚さ50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルム1を得た。得られたフィルムの組成および物性を表2,3に示す。
【0081】
実施例2〜3、比較例1〜3
使用したポリエステルチップの種類と混合量、延伸倍率、および延伸温度を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして熱収縮性ポリエステル系フィルム2〜6を得た。得られたフィルムの組成および物性を表2,3に示す。
【0082】
なお、表2中、TPAはテレフタル酸成分を、EGはエチレングリコール成分を、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を、BDは1,4−ブタンジオール成分を、PDは1,3−プロパンジオール成分を、NPGはネオペンチルグリコール成分を意味する。
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量、および(A)、(B)、(C)の各熱収縮率が本発明の要件を満足する熱収縮性ポリエステル系フィルム1〜3は、良好な収縮仕上り性を発揮しており、さらに、これらのフィルム製造では、好ましい延伸処理条件が採用されており、最大熱収縮応力値および厚み分布も本発明の好ましい要件を満たしている。
【0086】
これに対し、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量が本発明の範囲をしたまわる熱収縮性ポリエステル系フィルム4〜6では、いずれも収縮仕上り性に劣っている。
【0087】
また、熱収縮性ポリエステル系フィルム4では、フィルムの厚み分布も、本発明の好ましい範囲を超えている。一般に、延伸の際に、フィルムにかかる応力が低過ぎると、延伸フィルムの厚みが不均一化する傾向にある。この熱収縮性ポリエステル系フィルム4では、非常に高い延伸温度を採用しており、これに起因して、フィルムにかかる応力が低くなったために、厚み分布が大きくなったものと考えられる。
【0088】
さらに、熱収縮性ポリエステル系フィルム5では、最大熱収縮応力値も、本発明の好ましい範囲を超えている。熱収縮性ポリエステル系フィルム4〜6は、いずれもネオペンチルグリコール成分が導入されており、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を含んでいない例である。一般に、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を導入したフィルムと、ネオペンチルグリコールを導入したフィルムとでは、これらの成分量が同じである場合、後者のフィルムの方が最大熱収縮応力値が大きくなる傾向にある。加えて、熱収縮性ポリエステル系フィルム5では、結晶性のエチレンテレフタレートユニット量が多いため、熱収縮性ポリエステル系フィルム4や6よりも最大熱収縮応力値が大きくなり、本発明の好ましい範囲を超えたものと考えられる。
【0089】
【発明の効果】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、収縮時に、収縮白化や収縮斑、シワ、歪み、タテヒケなどの不良の発生が極めて少なく、部分的に高い収縮率が要求される場合であっても、美麗な収縮仕上がり外観を得ることができ、収縮ラベル、キャップシール、収縮包装などの用途に好適に用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat-shrinkable polyester film, and more particularly to a heat-shrinkable polyester film suitable for label applications.
[0002]
[Prior art]
The heat-shrinkable plastic film is widely used for applications such as shrink wrapping and shrinkage labels by utilizing the property of shrinking by heating. Among them, stretched films such as polyvinyl chloride films, polystyrene films, and polyester films are used for labels, cap seals, and integrated packaging in various containers such as polyethylene terephthalate (PET) containers, polyethylene containers, and glass containers. Has been.
[0003]
However, the polyvinyl chloride film has low heat resistance, and also has problems such as generation of hydrogen chloride gas during incineration and dioxin. Further, when a heat-shrinkable vinyl chloride resin film is used as a shrinkable label for a PET container or the like, there is a problem that the label and the container must be separated when the container is recycled.
[0004]
On the other hand, a polystyrene film can be evaluated for its good finished appearance after shrinkage, but it is poor in solvent resistance, so an ink with a special composition must be used for printing. In addition, polystyrene resins need to be incinerated at a high temperature and have a problem that a large amount of black smoke and off-flavor are generated during incineration.
[0005]
Polyester films without these problems are highly expected as shrink labels to replace polyvinyl chloride films and polystyrene films, and the amount of use tends to increase as the amount of PET container used increases.
[0006]
However, the conventional heat-shrinkable polyester film has also been required to have further improvement in shrinkage characteristics. In particular, shrinkage spots and wrinkles occur during shrinkage, and characters and designs printed on the film before shrinkage may be distorted after shrinkage when shrinking on containers such as PET bottles, polyethylene bottles, glass bottles, There was a user-side request to reduce this distortion as much as possible.
[0007]
In addition, compared with heat-shrinkable polystyrene film, polyester film may be inferior in shrinkability at low temperature, it must be shrunk at high temperature to obtain the required shrinkage, Whitening sometimes occurred.
[0008]
By the way, when using the heat-shrinkable film for the coating process of an actual container, after subjecting it to a printing process as necessary, it is processed into a form such as a label or a bag, It is mounted on a container and passes through a shrinking tunnel (steam tunnel) of the type that heats and shrinks by blowing steam, or a shrinking tunnel (hot air tunnel) of the type that heats and shrinks by blowing hot air on a belt conveyor. It is made to heat-shrink and is made to adhere to a container.
[0009]
Steam tunnels have better heat transfer efficiency than hot air tunnels and can be heated and shrunk more uniformly, and can have a better shrink-finished appearance than hot air tunnels, but conventional heat-shrinkable polyester films Has a problem that the shrink finish after passing through the steam tunnel is not so good as compared with the polyvinyl chloride film and the polystyrene film.
[0010]
In addition, when using a hot air tunnel that tends to cause temperature spots during heat shrinkage, polyester film tends to cause shrinkage whitening, shrinkage spots, wrinkles, distortion, etc., especially shrinkage whitening has been a problem in terms of product appearance. . The polyester film is inferior to the polyvinyl chloride film or the polystyrene film in terms of shrink finish after passing through the hot air tunnel.
[0011]
Furthermore, from the viewpoint of recycling, as the use of colored PET bottles is restricted, the demand for covering most of the side of the bottle with a label made of heat-shrinkable polyester film instead of coloring the bottle itself has increased. It's getting on. However, since the PET bottle has various side shapes and the outer diameter changes at an arbitrary height position, the required degree of shrinkage varies depending on the height position of the bottle even with one label covering one bottle. . For this reason, there is a need for a heat-shrinkable polyester-based film that has better shrinkage properties than conventional products and can exhibit excellent shrinkage finish even when used for coating bottles with complex side shapes.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and its purpose is to have excellent shrinkage characteristics in a wide temperature range from low temperature to high temperature, and occurrence of shrinkage whitening, shrinkage spots, wrinkles, distortion, vertical shrinkage, etc. It is an object of the present invention to provide a heat-shrinkable polyester film suitable for labeling applications that require a very high shrinkage ratio.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The heat-shrinkable polyester film of the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as “film”) has a 1,4-cyclohexanedimethanol component of 5 mol% or more, preferably 10 to 10 mol in 100 mol% of the polyhydric alcohol component. About the sample of the heat-shrinkable polyester film which is 50 mol% and was cut into a 10 cm × 10 cm square shape, the following (A), (B) and (C) have a heat shrinkage ratio of (A): 5-50 %, (B): 65 to 75%, and (C): 10% or less. here,
(A): heat shrinkage rate in the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 70 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
(B): Thermal contraction rate in the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 85 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
(C): Thermal contraction rate in a direction orthogonal to the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 85 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
It is.
[0014]
By using polyester of a specific composition, it has excellent shrinkage characteristics in a wide temperature range from low temperature to high temperature, and there is very little occurrence of shrinkage whitening, shrinkage spots, wrinkles, distortion, vertical shrinkage, especially in hot air tunnels It was possible to provide a heat-shrinkable polyester film having no shrinkage whitening.
[0015]
In the above heat-shrinkable polyester film, when the thickness displacement measurement in the maximum shrinkage direction of the film was performed on a test piece having a length of 50 cm and a width of 5 cm, the thickness distribution defined by the following formula (1) was 7 % Or less is preferable.
Thickness distribution = [(maximum thickness−minimum thickness) / average thickness] × 100 (1).
[0016]
If the film satisfies the above thickness distribution, it has excellent processability, especially processability when printing multicolored patterns, is less likely to cause misalignment when overlapping multiple colors, and is very easy to handle. is there.
[0017]
In addition, the above heat-shrinkable polyester film has a maximum heat shrinkage when a heat shrink test in the maximum shrink direction of the film is performed in hot air at 90 ° C. under conditions of a test piece width of 20 mm and a distance between chucks of 100 mm. The shrinkage stress value is preferably 8 to 16 MPa or more. In the film having such characteristics, the shrink-finished appearance is particularly beautiful.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The heat-shrinkable polyester film of the present invention is composed of a single copolymer polyester mainly composed of an ester unit formed from a known polycarboxylic acid component and a polyhydric alcohol component, or two or more polyesters. It is obtained using a mixture. In 100 mol% of the polyhydric alcohol component, 1,4-cyclohexanedimethanol component must be contained in an amount of 5 mol% or more.
[0019]
The heat-shrinkable polyester film of the present invention has a heat shrinkage ratio of (A), (B) and (C) above for a sample of a heat-shrinkable polyester film cut into a 10 cm × 10 cm square shape. (A): 5% to 50%, (B): 65% to 75%, (C): 10% or less. Usually, in the process of covering and shrinking a label made of a heat-shrinkable film onto a container or the like, the hot air tunnel described above is passed through hot air at about 120 to 200 ° C. and a wind speed of about 5 to 20 m / sec in about 2 to 20 seconds. Moreover, in the steam tunnel, it is carried out by passing through steam at about 75 to 95 ° C. and a pressure of about 0.5 to 20 MPa in about 2 to 20 seconds. All of (A), (B) and (C) Films that satisfy these ranges of heat shrinkage ratios are labels for containers such as PET bottles that have complex side shapes that require, for example, very high shrinkage ratios for labels that cover the sides. Even when used as, it is possible to ensure an extremely beautiful shrink-finished appearance under such normal shrinkage conditions.
[0020]
In the film having the thermal shrinkage rate of (A) below the above range, the shrinkage rate under a lower temperature condition is insufficient among the normal shrinkage conditions as described above in the step of coating shrinkage on a container or the like. Moreover, when the film having the thermal shrinkage rate (B) below the above range is used for coating a container or the like that requires a high shrinkage rate for the label, the shrinkage at the portion is insufficient. . A preferable lower limit of the heat shrinkage rate of (A) is 7%, and a more preferable lower limit is 10%. Moreover, the preferable minimum of the heat shrinkage rate of (B) is 66%, and a more preferable minimum is 67%.
[0021]
On the other hand, in the film in which the thermal shrinkage rate of (A) and / or (B) exceeds the above range, in the above-described coating shrinkage step, particularly when hot air is used as a heat source, Such as slippage, slanting or folding of the upper or lower end of the film. The preferable upper limit of the heat shrinkage ratio of (A) is 48%, and the more preferable upper limit is 45%. Moreover, the preferable upper limit of the thermal contraction rate of (B) is 74%, and a more preferable lower limit is 73%.
[0022]
In addition, the film having a thermal shrinkage rate of (C) exceeding 10% increases the amount of shrinkage in the direction in which shrinkage is not necessary, and the amount of film required when used for a label or the like increases. From a general viewpoint, it is not preferable. A preferable upper limit of the thermal shrinkage rate of (C) is 9%, and a more preferable upper limit is 8%. On the other hand, in the direction perpendicular to the maximum shrinkage direction of the film, the film that does not shrink at the time of heat shrinkage and stretches easily retains wrinkles that occur due to shrinkage in the coating shrinkage step. Therefore, the preferable lower limit of the thermal contraction rate of (C) is -5%, and the more preferable lower limit is -4%.
[0023]
Here, the heat shrinkage rate in the maximum shrinkage direction means the heat shrinkage rate in the direction in which the sample has shrunk most, and the maximum shrinkage direction is the length of the square in the vertical direction or in the horizontal direction (or oblique direction). It is decided by. The thermal contraction rate in the direction orthogonal to the maximum contraction direction is the thermal contraction rate in the direction orthogonal to the maximum contraction direction of the sample defined as described above. The heat shrinkage rate (%) was determined by immediately immersing a 10 cm × 10 cm sample in warm water at 95 ° C. ± 0.5 ° C. for 10 seconds in a no-load state and then immediately shrinking 25 ° C. ± 0.00%. Measure the length of the film in the vertical and horizontal direction (or diagonal direction) after being immersed in 5 ° C water for 10 seconds under no load condition.
Heat shrinkage rate = 100 × (length before shrinkage−length after shrinkage) ÷ (length before shrinkage)
The value obtained according to
[0024]
Furthermore, in the heat-shrinkable polyester film of the present invention, the 1,4-cyclohexanedimethanol component must be 5 mol% or more in 100 mol% of the polyhydric alcohol component.
[0025]
Although details will be described later, in the heat-shrinkable polyester film of the present invention, it is desirable to use a crystalline ethylene terephthalate unit as a main component in order to exhibit tear resistance, strength, heat resistance, and the like. On the other hand, the 1,4-cyclohexanedimethanol component lowers the crystallinity of the film to increase the degree of amorphization and expresses higher heat shrinkability.
[0026]
In a conventional heat-shrinkable polyester film, if the film reaches a certain temperature when it is heated in the heat-shrinking process, the heat-shrinkage rate is saturated depending on the composition of the polyester constituting the film, and it is heated to a higher temperature. Even then, no further shrinkage may be obtained. Such a film has an advantage that it can be thermally shrunk at a relatively low temperature. However, when it is heat shrunk in the hot air tunnel or after being stored for a long time in an atmosphere of 30 ° C. or higher before heat shrinking, When contracted, the contraction whitening phenomenon tends to occur. This shrinkage whitening phenomenon is thought to occur because the molecular chain of the polyester is partially crystallized and the refractive index of light in the crystal part is different from that of the amorphous part.
[0027]
However, the present inventors have reduced the crystallinity of the film and increased the degree of amorphization, and the 1,4-cyclohexanedimethanol component is 5 mol% or more in 100 mol% of the polyhydric alcohol component. It has been found that shrinkage whitening can be suppressed.
[0028]
In addition, for example, in producing a label from the heat-shrinkable polyester film of the present invention, it may be once processed into a tube-like body, but in this case, it is preferable to bond using a solvent. Adhesive solvents include aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, and trimethylbenzene; halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chloroform; phenols such as phenol; furans such as tetrahydrofuran; 1,3-dioxolane. An organic solvent such as oxolanes such as 1,3-dioxolane is preferable because of its high safety.
[0029]
Therefore, it is preferable that the heat-shrinkable polyester film of the present invention has adhesiveness due to the organic solvent as described above, particularly adhesiveness due to 1,3-dioxolane. However, if the crystallinity of the film is high, solvent adhesion becomes difficult. Therefore, in order to enable adhesion with the organic solvents exemplified above, particularly 1,3-dioxolane, it is recommended to raise the degree of amorphousness of the film to some extent, specifically, in 100 mol% of the polyhydric alcohol component. The 1,4-cyclohexanedimethanol component is 10 mol% or more, preferably 12 mol% or more.
[0030]
However, if the amount of 1,4-cyclohexanedimethanol component is too large, the shrinkage of the film becomes excessively high, and there is a risk that label displacement and pattern distortion may occur in the heat shrinking process. In addition, the solvent resistance of the film is excessively lowered, and the film is whitened by an ink solvent (such as ethyl acetate) in the printing process, or the tear resistance of the film is decreased. The amount of 1,4-cyclohexanedimethanol component is preferably 50 mol% or less, more preferably 45 mol% or less.
[0031]
The heat-shrinkable polyester film of the present invention can be selected so that the ethylene terephthalate unit is 50 mol% or more in 100 mol% of the structural unit in consideration of tear resistance, strength, heat resistance and the like. preferable. Therefore, in 100 mol% of the polyvalent carboxylic acid component, the terephthalic acid component (component formed from terephthalic acid or its ester) is 50 mol% or more, and in 100 mol% of the polyhydric alcohol component, the ethylene glycol component is 50 mol% or more. It is preferable that As for an ethylene terephthalate unit, 55 mol% or more is more preferable, and 60 mol% or more is further more preferable.
[0032]
However, in the present invention, since 1,4-cyclohexanedimethanol component is 5 mol% or more in 100 mol% of the polyhydric alcohol component, the ethylene glycol component is 95 mol% or less.
[0033]
Examples of the polyhydric alcohol for forming the polyhydric alcohol component include 1,3-propanediol, triethylene glycol, and 1,4-butanediol in addition to the above-described 1,4-cyclohexanedimethanol and ethylene glycol. 1,6-hexanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, neopentyl glycol, 2-methyl-1,5-pentanediol, 2,2-diethyl-1,3-propanediol, 1,9 -Alkylene glycols such as nonanediol, 1,10-decanediol, trimethylolpropane, glycerin, pentaerythritol, diethylene glycol, dimer diol, polyoxytetramethylene glycol, polyethylene glycol, bisphenol compounds or their derivatives Ido adducts, etc. can also be used in combination.
[0034]
In addition to the above-mentioned terephthalic acid and its esters, aromatic dicarboxylic acids, their ester-forming derivatives, aliphatic dicarboxylic acids, etc. can be used as the polyvalent carboxylic acids for forming the polyvalent carboxylic acid component. is there. Examples of the aromatic dicarboxylic acid include isophthalic acid, naphthalene-1,4- or -2,6-dicarboxylic acid, and 5-sodium sulfoisophthalic acid. Moreover, derivatives of these aromatic dicarboxylic acids and terephthalic acids include derivatives such as dialkyl esters and diaryl esters. Examples of the aliphatic dicarboxylic acid include glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, oxalic acid, succinic acid and the like, and an aliphatic dicarboxylic acid usually called dimer acid. Further, an oxycarboxylic acid such as p-oxybenzoic acid, and a polyvalent carboxylic acid such as trimellitic anhydride or pyromellitic anhydride may be used in combination as necessary.
[0035]
In addition, although not polyhydric alcohols or polycarboxylic acids, lactones represented by ε-caprolactone may be used in part. Lactones are those that ring-open to become units having ester bonds at both ends, and a unit derived from one lactone can be considered to be a carboxylic acid component and an alcohol component. Therefore, when lactones are used, the amount of 1,4-cyclohexanedimethanol component and the amount of other polyhydric alcohol components are the total amount of polyhydric alcohol components of the film plus the unit amount derived from lactones. Calculated as 100 mol%. Also, when calculating the amount of each polycarboxylic acid component, the amount obtained by adding the unit amount derived from the lactone to the total polycarboxylic acid component amount of the film is 100 mol%.
[0036]
In the heat-shrinkable polyester film of the present invention, in order to make the heat shrinkage ratios of (A), (B) and (C) within the above predetermined ranges, respectively, This can be achieved by stretching under the conditions described below.
[0037]
Furthermore, in order to facilitate the thermal contraction rate control of the above (A), (B) and (C), the film is mainly composed of an ethylene terephthalate unit, and 1,4-cyclohexanedimethanol component and any polyvalent carboxylic acid. In addition to the ester unit formed from the components, it is preferable to introduce about 0.5 to 30 mol% of a unit that lowers the glass transition temperature (Tg) in 100 mol% of all the constituent units of the film. In addition, as a unit which reduces said Tg, as a polyhydric alcohol component, the ester unit which has a 1, 3- propanediol component, a 1, 4- butanediol component, a dimer diol component, or a polyoxytetramethylene glycol component, As the polycarboxylic acid component, preferred are an ester unit having an aliphatic dicarboxylic acid component such as dimer acid, adipic acid, sebacic acid, azelaic acid, and a unit derived from ε-caprolactone. What is necessary is just to introduce 2 or more types. The ester unit may be formed from any of the above-described polyhydric alcohol components and any of the polycarboxylic acid components.
[0038]
The heat-shrinkable polyester film of the present invention preferably has a uniform thickness, and when the thickness displacement measurement in the maximum shrinkage direction of the film is performed on a test piece having a length of 50 cm and a width of 5 cm, the following formula (1 It is recommended that the thickness distribution specified in (1) be 7% or less.
Thickness distribution = [(maximum thickness−minimum thickness) / average thickness] × 100 (1).
[0039]
The thickness distribution is 50 cm in length and 5 cm in width, and 20 test pieces having the maximum shrinkage direction of the film in the length direction are prepared. A contact thickness gauge (for example, manufactured by Anritsu Co., Ltd.) is used for each test piece. “KG60 / A” etc.) is used to continuously measure the thickness in the length direction and output it to the chart. From the output result, the maximum thickness, the minimum thickness, and the average thickness are obtained, and the above formula ( After calculating the thickness distribution using 1), the average value of the thickness distribution of the 20 test pieces is obtained.
[0040]
A film having a thickness distribution of more than 7% is inferior in printability especially when printing a multicolored pattern in the printing process, and misalignment is likely to occur when a plurality of colors are superimposed. In addition, in order to produce a label from the film of the present invention, it is difficult to superimpose the bonded portions of the film when solvent-bonding to form a tube. Furthermore, in the film having a thickness distribution exceeding 7%, when wound into a roll in the film manufacturing process, a difference in partial winding hardness occurs, resulting in looseness and wrinkles of the film, Can no longer be used as a film. The thickness distribution is more preferably 6% or less, and particularly preferably 5% or less.
[0041]
Furthermore, in the heat-shrinkable polyester film of the present invention, the heat-shrinkage test in the maximum shrinkage direction of the film is measured when conducted in hot air at 90 ° C. under the conditions of a test piece width of 20 mm and a distance between chucks of 100 mm. The maximum heat shrinkage stress value is preferably 8 MPa or more and 16 MPa or less.
[0042]
The maximum heat shrinkage stress value is measured as follows.
(1) A test piece having a length of 200 mm and a width of 20 mm is cut out from the heat-shrinkable film with the maximum shrinkage direction as the length direction.
(2) The temperature in the heating furnace of a tensile tester (for example, “Tensilon” manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.) equipped with a hot air type heating furnace is set to 90 ° C.
(3) Blowing is stopped, and the test piece is set in the heating furnace with a distance between chucks of 100 mm.
(4) Close the heating furnace door gently, resume air blowing, and detect and measure heat shrinkage stress.
(5) The maximum value is read from the measurement chart, and this is taken as the maximum heat shrinkage stress value (MP).
[0043]
When the maximum heat shrinkage stress value is less than 8 MPa, the shrinkage rate is slow. For example, when used for a side coating label of a container whose outer diameter changes at a height position, such as a PET bottle, a portion having a small outer diameter (for example, In some cases, near the mouth of the PET bottle), the shrinkage is insufficient. On the other hand, when the maximum heat shrinkage stress value exceeds 16 MPa, for example, when the PET bottle is coated and shrunk, the stress that the bottle receives from the post-shrink label is too large and the bottle is deformed. Further, since the shrinkage speed becomes too fast, there arises a problem that the label position is shifted when the container is covered and shrunk.
[0044]
The maximum heat shrinkage stress value is more preferably 8.3 MPa or more, particularly preferably 8.5 MPa or more, more preferably 15 MPa or less, and particularly preferably 14 MPa or less.
[0045]
In the heat-shrinkable polyester film of the present invention, the maximum heat-shrinkage stress value can be set within the predetermined range by satisfying the above-described composition and employing the manufacturing method described later.
[0046]
The polyester constituting the heat-shrinkable polyester film can be produced by melt polymerization according to a conventional method, but a so-called direct polymerization method in which an oligomer obtained by directly reacting a polyvalent carboxylic acid and a polyhydric alcohol is polycondensed. Examples include a so-called transesterification method in which a methyl ester of a polyvalent carboxylic acid and a polyhydric alcohol are subjected to a transesterification reaction and then polycondensation, and any production method can be applied. Moreover, the polyester obtained by another polymerization method may be sufficient. The degree of polymerization of the polyester is preferably 0.3 to 1.3 dl / g in terms of intrinsic viscosity.
[0047]
In addition to polymerization catalysts such as antimony oxide, germanium oxide, and titanium compounds, polyesters such as magnesium salts such as magnesium acetate and magnesium chloride, calcium acetate, calcium chloride, etc. are used to prevent problems such as coloring and gel generation. Ca salt, manganese acetate, manganese chloride and other Mn salts, zinc chloride, zinc acetate and other Zn salts, cobalt chloride, cobalt acetate and other Co salts as metal ions for each of 300 ppm (mass basis) or less Phosphoric acid or phosphoric acid ester derivatives such as phosphoric acid trimethyl ester and phosphoric acid triethyl ester may be added in an amount of 200 ppm (mass basis) or less in terms of phosphorus (P).
[0048]
The timing of adding the above metal ions, phosphoric acid and derivatives thereof is not particularly limited. In general, metal ions are added at the time of raw material charging, that is, before transesterification or esterification, and phosphoric acids are added before polycondensation reaction. It is preferable to do this.
[0049]
If necessary, fine particles such as silica, titanium dioxide, kaolin and calcium carbonate may be added to the film raw material, and antioxidants, UV absorbers, antistatic agents, coloring agents, antibacterial agents, etc. are added. You can also
[0050]
The polyester film can be obtained by a known method to be described later. In the heat-shrinkable polyester film, as a means for containing a plurality of components in the film, copolymerization is performed and the copolymer polyester is used alone. And a method of blending different types of homopolyesters or copolymerized polyesters.
[0051]
The polyester film can be obtained by a known method to be described later. In the heat-shrinkable polyester film, as a means for containing a plurality of components in the film, copolymerization is performed and the copolymer polyester is used alone. And a method of blending different types of homopolyesters or copolymerized polyesters.
[0052]
In the system in which the copolyester is used alone, a copolyester containing a polyhydric alcohol component having the above specific composition may be used. On the other hand, a method of blending polyesters having different compositions can be preferably employed because the characteristics of the film can be easily changed simply by changing the blend ratio, and it can be used for industrial production of a wide variety of films.
[0053]
As a specific method for producing a film, the raw material polyester chips are dried using a dryer such as a hopper dryer or paddle dryer, or a vacuum dryer, and pressed into a film at a temperature of 200 to 300 ° C. using an extruder. put out. Alternatively, undried polyester raw material chips are similarly extruded into a film while removing moisture in a vented extruder. For extrusion, any existing method such as a T-die method or a tubular method may be adopted. After extrusion, it is quenched with a casting roll to obtain an unstretched film. The “unstretched film” includes a film on which a tension necessary for feeding the film in the manufacturing process is applied.
[0054]
UpAn electrode is disposed between the extruder and the casting roll, and a voltage is applied between the electrode and the casting roll to electrostatically adhere the film to the roll.AndControl film thickness distribution within the above rangeit can.
[0055]
Stretching is performed on the unstretched film. The stretching treatment may be performed continuously after cooling with the above-described casting roll or the like, or may be wound up into a roll after cooling and then performed.
[0056]
In the heat-shrinkable polyester film of the present invention, the heat shrinkage ratios of the above (A), (B) and (C), and the thickness distribution of the film defined by the above formula (2) are respectively in the above ranges. In order to achieve this, it is also important to select appropriate stretching conditions shown below. Furthermore, if the film is produced under the following stretching treatment conditions that can satisfy the thermal shrinkage rates of (A), (B), and (C), the maximum thermal shrinkage stress of the film can also be in the above range.
[0057]
Incidentally, since it is practical in terms of production efficiency that the maximum shrinkage direction is the film transverse (width) direction, examples of stretching methods in the case where the maximum shrinkage direction is the transverse direction will be shown below. Even when the maximum shrinkage direction is the longitudinal (longitudinal) direction of the film, the film can be stretched according to ordinary operations such as changing the stretching direction by 90 ° in the following method.
[0058]
Thickness distribution of heat shrinkable polyester filmfurtherPaying attention to uniformization, when stretching in the transverse direction using a tenter or the like, the preheating step is performed prior to the stretching step.You may go.In this preheating step, the thermal conductivity coefficient is 0.00544 J / cm.2・ Sec ・ ℃ (0.0013 calories / cm2It is preferable to carry out heating until the film surface temperature reaches a certain temperature within the range of Tg + 0 ° C. to Tg + 60 ° C. at a low wind speed so that it becomes less than (sec · ° C.).
[0059]
The stretching in the transverse direction is Tg-5 ° C or higher, preferably Tg-3 ° C or higher, and Tg + 10 ° C or lower, preferably (A), (B) and (C) in order to bring the thermal shrinkage rate into the above-mentioned range. Is a temperature of Tg + 8 ° C. or less, and the stretching ratio is 3.8 times or more, preferably 3.9 times or more, 7 times or less, preferably 6 times or less, more preferably 5.5 times or less. That is, among the conditions employed in the ordinary polyester film stretching treatment, by adopting a lower stretching temperature and a higher stretching ratio, it is possible to ensure the respective heat shrinkage rates.
[0060]
Thereafter, heat treatment is performed at a predetermined temperature in the range of 50 ° C. to 110 ° C. while stretching 0 to 15% or relaxing 0 to 15%, and if necessary, at a predetermined temperature in the range of 40 ° C. to 100 ° C. Further heat treatment is performed to obtain a heat-shrinkable polyester film.
[0061]
In this transverse stretching process, the thickness distribution of the filmMore advancedTo control, use equipment that can reduce fluctuations in film surface temperatureMay be. in this caseThe stretching process includes a preheating process before stretching, a stretching process, a heat treatment process after stretching, a relaxation process, a re-stretching process process, etc., and in particular, each stage of the preheating process and the stretching process and heat treatment after stretching. In the process, the fluctuation range of the surface temperature of the film measured at an arbitrary point is preferably within an average temperature ± 1 ° C., and more preferably within an average temperature ± 0.5 ° C. If the fluctuation range of the surface temperature of the film is small, the film is stretched or heat-treated at the same temperature over the entire length of the film, so that the heat shrinkage behavior becomes uniform.
[0062]
As equipment that can reduce the fluctuation of the film surface temperature, for example, an inverter is attached to control the wind speed of the hot air that heats the film, and the equipment that can suppress the fluctuation of the wind speed or a heat source of 50 kPa or less (5 kgf / cm2The following is a facility that can suppress the temperature fluctuation of hot air using the low-pressure steam.
[0063]
As a stretching method, not only horizontal uniaxial stretching with a tenter, but also stretching in the longitudinal direction by 1.0 to 4.0 times, preferably 1.1 to 2.0 times may be performed. When such biaxial stretching is performed, either sequential biaxial stretching or simultaneous biaxial stretching may be performed, and restretching may be performed as necessary. Further, in the sequential biaxial stretching, any method such as vertical and horizontal, horizontal and vertical, vertical and horizontal and horizontal and vertical and horizontal may be used as the order of stretching. Even when these longitudinal stretching steps or biaxial stretching steps are employed, it is preferable to minimize the fluctuation of the film surface temperature as much as possible in the preliminary heating step, the stretching step, and the like, similarly to the transverse stretching.
[0064]
Focusing on the point of suppressing the internal heat generation of the film accompanying stretching and reducing the film temperature unevenness in the width direction, the heat transfer coefficient of the stretching process is 0.00377 J / cm.2・ Sec ・ ℃ (0.0009 calories / cm2· Sec · ° C) or more is preferable. 0.00544-0.00837 J / cm2・ Sec ・ ℃ (0.0013 ~ 0.0020calories / cm2· Sec · ° C) is more preferable.
[0065]
The thickness of the heat-shrinkable polyester film of the present invention is not particularly limited. For example, the heat-shrinkable polyester film for labels is preferably 10 to 200 μm, and more preferably 20 to 100 μm.
[0066]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail by way of examples. However, the following examples are not intended to limit the present invention, and modifications and implementations within the scope of the present invention are included in the present invention. In addition, the measuring method of the physical property of the film obtained by the Example and the comparative example is as follows.
[0067]
(1) Film composition
The film was dissolved in a solvent in which chloroform D (manufactured by Yurisop) and trifluoroacetic acid D1 (manufactured by Yurisop) were mixed at 10: 1 (volume ratio) to prepare a sample solution, and NMR (“GEMINI-200”) was prepared. A product of Varian) is used, and the proton NMR of the sample solution is measured under the measurement conditions of a temperature of 23 ° C. and an integration count of 64 times. In NMR measurement, the composition ratio of the components constituting the film is calculated based on the proton peak intensity.
[0068]
(2) Intrinsic viscosity
0.1 g of a polyester chip is precisely weighed and dissolved in 25 ml of a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane = 3/2 (mass ratio), and then measured with an Ostwald viscometer at 30 ± 0.1 ° C. The intrinsic viscosity [η] is obtained by the following formula (Huggins formula).
[0069]
[Expression 1]
[0070]
Where ηsp: Specific viscosity, t0: Falling time of solvent using Ostwald viscometer, t: Falling time of film solution using Ostwald viscometer, C: Concentration of film solution.
[0071]
In the actual measurement, the intrinsic viscosity is calculated by the following approximate equation where k = 0.375 in the Huggins equation.
[0072]
[Expression 2]
[0073]
Where ηr: Relative viscosity.
[0074]
(3) Thermal contraction rate
The film was cut into a 10 cm × 10 cm square, immersed in warm water at the temperature of the following (I) and (II) for 5 seconds under no load condition, and immediately heat-shrinked, then immediately at 25 ° C. ± 0.5 ° C. Immerse in water for 10 seconds, then measure the length of the sample in the vertical and horizontal directions, and obtain it according to the following formula.
Thermal shrinkage rate (%) = 100 × (length before shrinkage−length after shrinkage) ÷ (length before shrinkage) where (I): 70 ° C. ± 0.5 ° C., (II): 85 ° C. ± 0.5 ° C. The direction with the largest shrinkage rate is the maximum shrinkage direction, the heat shrinkage rate in the maximum shrinkage direction in the test using hot water (I) is the heat shrinkage rate in (A), and the maximum in the test using hot water in (II) The thermal contraction rate in the contraction direction and the thermal contraction rate in the direction orthogonal to the maximum contraction direction are defined as the thermal contraction rate of (B) and (C), respectively.
[0075]
(4) Maximum heat shrinkage stress value
Measurement is performed using a tensile tester with a heating furnace (“Tensilon” manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.). A sample having a length in the maximum shrinkage direction of 200 mm and a width of 20 mm was cut out from the film before heat shrinkage, the blow of the tensile tester heated to 90 ° C. in advance was stopped, and the sample was attached with a distance between chucks of 100 mm. After that, the door of the heating furnace is quickly closed, the contraction stress detected when the air blow is started, and the maximum value obtained from the measurement chart is set as the maximum heat contraction stress value (MPa).
[0076]
(5) Thickness distribution
Twenty test pieces having a length of 50 cm and a width of 5 cm and having the maximum shrinkage direction of the film as the length direction were prepared, and contact thickness gauges (for example, “KG60 / A” manufactured by Anritsu Co., Ltd.) ), The thickness in the length direction is continuously measured and output to the chart. From this output result, the maximum thickness, the minimum thickness, and the average thickness are obtained, and from these, the thickness is calculated using the above equation (1). After calculating the distribution, an average value of the thickness distributions of the 20 test pieces is obtained to obtain a film thickness distribution, which is evaluated according to the following criteria. ◯: Average value of 6% or less, Δ: Over 6% of average value and less than 10%, X: Average value of 10% or more, and ◯ as pass.
[0077]
(6) Shrinkage finish
The film is wound around a paper tube and stored in a thermo-hygrostat controlled at an ambient temperature of 30 ° C ± 1 ° C and a relative humidity of 85 ± 2% for 250 hours. 3 colors are printed with this ink, and then bonded by heat sealing to produce a tube, which is cut to obtain a heat-shrinkable polyester film label. Next, after a label was attached to a 500 ml PET bottle (Yoshino Kogyo Co., Ltd., height 20.6 cm, maximum outer diameter 6.5 cm in the center), a steam tunnel (Fujistec Co., Ltd.) with a zone temperature of 80 ° C. The label is contracted (measurement number 20) by passing through “SH-1500-L”) in 2.5 seconds. The degree of shrinkage whitening, shrinkage spots, and label edge defects (folding, jagged shape) are visually determined, and the shrinkage finish is evaluated in five stages. Standards are 5: Best finish, 4: Good finish, 3: Shrinkage whitening, shrinkage spots or slight defects on the label edge (within 2 locations), 2: Shrinkage whitening, shrinkage spots, or label edge defects (3-5 locations), 1: Shrinkage whitening, shrinkage spots, or many defects at the end of the label (6 locations or more).
[0078]
Table 1 shows the polyester chips used in the examples and comparative examples. In Table 1, TPA is terephthalic acid, EG is ethylene glycol, CHDM is 1,4-cyclohexanedimethanol, BD is 1,4-butanediol, PD is 1,3-propanediol, NPG Means neopentyl glycol.
[0079]
[Table 1]
[0080]
Example 1
Separately preliminarily dried polyester chip A 5% by mass, polyester chip B 85% by mass, and polyester chip C 10% by mass are mixed and extruded at 280 ° C. with a single screw extruder, and then rapidly cooled with a casting roll. An unstretched film having a thickness of 250 μm was obtained. In addition, an electrode was disposed between the extruder and the casting roll, a voltage was applied between the electrode and the casting roll, and the film was electrostatically brought into close contact with the roll and rapidly cooled. This unstretched film was preheated until the surface temperature reached 85 ° C., and then stretched 5.0 times at 83 ° C. in the transverse direction using a tenter to obtain a heat-shrinkable polyester film 1 having a thickness of 50 μm. The composition and physical properties of the obtained film are shown in Tables 2 and 3.
[0081]
Examples 2-3 and Comparative Examples 1-3
Heat-shrinkable polyester films 2 to 6 were obtained in the same manner as in Example 1 except that the type and mixing amount of the polyester chip used, the draw ratio, and the draw temperature were changed as shown in Table 2. The composition and physical properties of the obtained film are shown in Tables 2 and 3.
[0082]
In Table 2, TPA is a terephthalic acid component, EG is an ethylene glycol component, CHDM is a 1,4-cyclohexanedimethanol component, BD is a 1,4-butanediol component, and PD is 1,3-propane. A diol component, NPG means a neopentyl glycol component.
[0083]
[Table 2]
[0084]
[Table 3]
[0085]
The heat-shrinkable polyester films 1 to 3 in which the amount of 1,4-cyclohexanedimethanol component and the respective heat shrinkage ratios of (A), (B), and (C) satisfy the requirements of the present invention have a good shrinkage finish. Furthermore, in these film productions, preferred stretching conditions are employed, and the maximum heat shrinkage stress value and thickness distribution also satisfy the preferred requirements of the present invention.
[0086]
On the other hand, the heat-shrinkable polyester films 4 to 6 in which the amount of 1,4-cyclohexanedimethanol component is within the range of the present invention are all inferior in shrink finish.
[0087]
Moreover, in the heat-shrinkable polyester film 4, the thickness distribution of the film also exceeds the preferable range of the present invention. Generally, when the stress applied to the film during stretching is too low, the thickness of the stretched film tends to be nonuniform. This heat-shrinkable polyester film 4 employs a very high stretching temperature, and it is considered that the thickness distribution is increased because the stress applied to the film is reduced due to this.
[0088]
Furthermore, in the heat-shrinkable polyester film 5, the maximum heat-shrinkage stress value also exceeds the preferable range of the present invention. The heat-shrinkable polyester films 4 to 6 are examples in which a neopentyl glycol component is introduced and no 1,4-cyclohexanedimethanol component is contained. In general, when the amount of these components is the same in a film introduced with a 1,4-cyclohexanedimethanol component and a film introduced with neopentyl glycol, the latter film has a larger maximum heat shrinkage stress value. There is a tendency. In addition, since the amount of crystalline ethylene terephthalate unit is large in the heat-shrinkable polyester film 5, the maximum heat-shrinkage stress value is larger than that of the heat-shrinkable polyester films 4 and 6, exceeding the preferred range of the present invention. It is thought that.
[0089]
【The invention's effect】
The heat-shrinkable polyester-based film of the present invention has very little occurrence of defects such as shrinkage whitening and shrinkage spots, wrinkles, distortion, vertical shrinkage, etc., even when a high shrinkage rate is required partially. A beautiful shrink-finished appearance can be obtained, and it can be suitably used for applications such as shrink labels, cap seals, shrink wrapping.
Claims (2)
構成ユニット100モル%中、エチレンテレフタレートユニットが50モル%以上であり、
ただし多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が10〜28.6モル%、1,3−プロパンジオール成分及び1,4−ブタンジオール成分から選択される1種または2種が9.6〜30モル%導入されており、
10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルムの試料について、下記(A)、(B)および(C)の熱収縮率が、(A):5〜50%、(B):65〜75%、(C):10%以下であり、
(A):70℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率、
(B):85℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率、
(C):85℃の温水中に5秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率、
フィルムの最大収縮方向についての熱収縮試験を、90℃の熱空気中、試験片幅20mm、チャック間距離100mmの条件で行ったとき、最大熱収縮応力値が8〜16MPaであり、
フィルムの最大収縮方向での厚み変位測定を、長さ50cm、幅5cmの試験片について行ったとき、下式(1)に規定する厚み分布が7%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエチレンテレフタレートフィルム。
厚み分布=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100 (1)In a heat-shrinkable polyethylene terephthalate film having a thickness of 10 to 200 μm,
In 100 mol% of the constituent units, the ethylene terephthalate unit is 50 mol% or more,
However, in 100 mol% of the polyhydric alcohol component, 1 or 2 selected from 10 to 28.6 mol% of 1,4-cyclohexanedimethanol component, 1,3-propanediol component and 1,4-butanediol component the species has been introduced from 9.6 to 30 mol%,
About the sample of the heat-shrinkable polyethylene terephthalate film cut into a 10 cm × 10 cm square shape, the following (A), (B) and (C) have a heat shrinkage ratio of (A): 5 to 50%, (B): 65 to 75%, (C): 10% or less,
(A): heat shrinkage rate in the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 70 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
(B): Thermal contraction rate in the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 85 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
(C): Thermal contraction rate in a direction orthogonal to the maximum shrinkage direction when immersed in warm water at 85 ° C. for 5 seconds and then immersed in water at 25 ° C. for 10 seconds,
When the heat shrinkage test for the maximum shrinkage direction of the film is performed in hot air at 90 ° C. under the conditions of a test piece width of 20 mm and a distance between chucks of 100 mm, the maximum heat shrinkage stress value is 8 to 16 MPa,
When the thickness displacement measurement in the maximum shrinkage direction of the film is performed on a test piece having a length of 50 cm and a width of 5 cm, the thickness distribution defined by the following formula (1) is 7% or less, which is characterized by heat shrinkability Polyethylene terephthalate film.
Thickness distribution = [(maximum thickness−minimum thickness) / average thickness] × 100 (1)
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