JP4239252B2 - 顕微鏡用架台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は顕微鏡用架台に関するもので、詳しくは実体顕微鏡のように試料を観察、操作する時に使用する顕微鏡用架台に関するもので、特に架台基部に透過照明装置を有し、架台基部が厚く試料ステージ位置が高い顕微鏡用架台に有効な発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の装置の例としては図4のようなものがあった。図4において、架台基部101には支柱102が固設されている。顕微鏡104はマウント部103に取り付けられている。マウント部103に回転可能に設けられた焦準ノブ105の軸(不図示)には不図示のピニオンギアが形成され、支柱102に固設された不図示のラックと噛み合っている。従って、焦準ノブ105を回転させ、マウント部103を上下動させることにより、透明な試料ステージ106上の試料にピントを合わせることができる。
【0003】
架台基部101の後方にはランプハウス107が設けられ、ランプハウス内の不図示のランプから発せられた照明光は架台基部101内の反射ミラー108によりほぼ90度偏向され、透明な試料ステージ106を透過し試料を照明する。ノブ109を回転させると反射ミラー108の角度が変わり、照明状態が変化する。
【0004】
架台基部101の左右にはハンドレスト110が設けられている。ハンドレスト110の表面は試料ステージ106の試料載置面より下方に位置し、観察者から見て架台基部101から左右方向に張り出し、更に下方に傾斜している。観察者はハンドレストに手を置き、試料を観察したり操作する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の装置においてはハンドレストが左右方向に張り出しており、操作性が悪いという問題があった。図5において試料操作時のハンドレスト上の手の位置を示す。観察者111は顕微鏡に正対し、肘から先がほぼ45度の角度で腕を伸ばし、手をハンドレスト110に置く。ハンドレストは左右方向に延びるとともに下方に傾斜しているため、特に手をつく位置は試料の真横に近い方が安定する。しかしながらこの場合、図5のように手首を大きく曲げることになり、指先の微妙な動きを妨げ、長時間の作業では疲労が問題となっていた。また、ハンドレストが反射ミラーを操作するノブ109上を覆っているため、ノブが見えにくくノブの操作性が悪いという問題もあった。
【0006】
本発明は上述の如き従来の問題に鑑みてなされたもので、より自然な形で試料の操作を行なうことができる顕微鏡用架台を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は下記のようである。
【0008】
試料載置面を有する架台基部と、前記試料を載置する部分を囲むように前記架台基部に着脱可能に設けられたハンドレストとを有する顕微鏡用架台であって、前記ハンドレストは、前記試料載置面から下方へ向かって傾斜しているとともに、観察者から見て左右方向斜め観察者側に張り出した張り出し部を有し、前記ハンドレストの表面形状は曲面であり、前記左右の張り出し部の間は、前記張り出し部よりも顕微鏡光軸側に窪んでいることを特徴とする顕微鏡用架台である。
【0009】
請求項2に本発明は、前記曲面は、顕微鏡の光軸上に頂点を有する円錐の表面となっていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用架台である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における顕微鏡用架台の一実施形態を図1に示す。架台基部1には支柱2が固設されている。顕微鏡4は支柱2に沿って上下に移動するマウント部3に取り付けられている。架台基部1の内部には、ランプハウス8からの照明光を偏向させる偏向ミラー(不図示)が設けられ、架台基部1の側面には、偏向ミラーを回転させるノブ5が設けられている。ハンドレスト6は、架台基部1に取付けられており、試料を載置する部分(試料ステージ)9の手前側(観察者側)を囲むようなU字形状をしている。
【0011】
ハンドレスト6は、観察者から見て左右方向斜め観察者側に張り出した張り出し部(6a,6b)を有する。この張り出し部6a,6bは、顕微鏡光軸4aから観察者に向かう方向に対して左右各々ほぼ45度方向に張り出している。さらに、左右の張り出し部6a,6bの間の中央部には顕微鏡光軸4a方向に窪んだ凹部6cが形成されている。
【0012】
図2は図1において顕微鏡光軸4aを通るAA断面を示す図である。図2に示すように、ハンドレスト6の表面6dは、試料ステージ9の試料載置面に対して下方にθ度の角度をもった斜面となっている。尚θは10度前後が好ましい。また、図2に示す以外のハンドレストの表面6dも、顕微鏡光軸4aを通る任意の断面においてAA断面(図2)とほぼ同角度を有する。すなわち、ハンドレストの表面6dは顕微鏡光軸4a上に頂点を有する円錐の表面となるよう形成されている。
【0013】
また、ハンドレスト6は架台基部1に複数のねじ7にて固定されている。このねじを着脱することにより、ハンドレスト6は架台基部1より着脱可能となっている。
ハンドレスト6は透明なポリプロピレンを材料とし、射出成形により形成されている。ポリプロピレンは耐薬品性に優れ、安価で、成形も容易で、高い透明性を有するという特徴がある。この他、ポリエチレンや、アクリルなども透明性の高い材料であり、ハンドレスト6の材料に適している。
【0014】
図3はハンドレスト6に手を置いて試料を操作している状態を示す図である。観察者10は肘を軽く曲げ、左右の肘がほぼ90度の角度をなすようハンドレスト6上に手を置くことができる。従って、手首を殆ど曲げることなく試料を操作できる。左右の肘の角度が変わっても、ハンドレスト表面6dは顕微鏡光軸4aに頂点を有する円錐面となっているので、試料に向かって安定して手を置くことができるので、無理に手を曲げる必要がない。
【0015】
また、張り出し部6a,6bの間の中央部に凹部6cが設けられているため、観察者が顕微鏡に接近して試料を操作しても、ハンドレスト6が観察者10の体に接触することが無く、邪魔にならない。
本実施形態のハンドレスト6は、顕微鏡光軸を中心にして観察者側に放射状に延びて設けられているため、観察者がどのような方向から試料を操作しても操作し易い。また、試料載置面より下方に傾斜しているため、より自然な形で手をハンドレスト6上に置くことができる。さらに、右手用のハンドレスト部と左手用のハンドレスト部とが一体的に形成されているため、部品点数が1つで済む。
【0016】
本発明は上述の実施形態に限るものではない。例えば、右手用と左手用のハンドレストに分割されていても良い。また、ハンドレスト6の架台基部1への取付けは、複数のねじ7以外にも、例えばはめ込み式のようなものであっても良い。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、手を自然な形でハンドレスト上に置いて試料の操作ができるので、指先の微妙な操作が容易で、長時間にわたって作業をしても疲労が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の顕微鏡用架台における一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】ハンドレスト6に手をおいて試料を操作している状態を示す図である。
【図4】従来例の顕微鏡用架台を示す斜視図である。
【図5】従来のハンドレストに手をおいて試料を操作している状態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・架台基部
2・・・支柱
3・・・マウント部
4・・・顕微鏡
5・・・ノブ
6・・・ハンドレスト
6a,6b・・・張り出し部
6c・・・凹部
7・・・ねじ
8・・・ランプハウス
9・・・試料ステージ
Claims (2)
- 試料載置面を有する架台基部と、前記試料を載置する部分を囲むように前記架台基部に着脱可能に設けられたハンドレストとを有する顕微鏡用架台であって、前記ハンドレストは、前記試料載置面から下方へ向かって傾斜しているとともに、観察者から見て左右方向斜め観察者側に張り出した張り出し部を有し、前記ハンドレストの表面形状は曲面であり、前記左右の張り出し部の間は、前記張り出し部よりも顕微鏡光軸側に窪んでいることを特徴とする顕微鏡用架台。
- 前記曲面は、顕微鏡の光軸上に頂点を有する円錐の表面となっていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用架台。
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JP27507698A JP4239252B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 顕微鏡用架台 |
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1998
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