本発明の実施形態のスイッチ装置1は、負荷の点灯/消灯に関わらずスイッチがオンであるときに点灯する表示灯を備えた、所謂ひかるスイッチであるが、本発明はこのようなひかるスイッチに限定されるものではなく、位置表示のために点灯する位置表示灯を有する、例えば、ほたるスイッチ等にも適用することができる。
スイッチ装置1は、図2に示すように、複数形成された壁部2b及び溝部2c,2d,2e,2fにより端子板収納部2aが内部に形成され、前面(図2の上方)が開口した箱状のボディ2、及び操作ハンドル用孔部3aを備えてボディ2の前面に嵌着される矩形枠状のカバー3からなる器体に、端子板収納部2aに収納されて電源線(図示せず)と接続される端子板4,5,6と、端子板4,6間の通電をオン・オフするスイッチ機構S(図8参照)と、発光手段8を端子板5にリード線9で電気的に接続し、発光手段8の両端に電源(図示せず)が電気的に接続されることで発光手段8を発光させて前記器体の外方に光を出射する発光表示ブロック11とを具備している。
ボディ2は、図2に示すように、合成樹脂成形品からなり前面が開口した直方体の箱状を有し、その短手方向の両外側面には長手方向に離間した各一対の係止突起12が突設されている。また内部には、端子板4,5,6を位置決めするために複数設けられた壁部2b及び溝部2c,2d,2e,2fにより、端子板収納部2aが形成されている。この端子板収納部2aの底部にあたるボディ2の後壁には、その長手方向の両端側にボディ2の内外を連通する電源線挿入孔(図示せず)がボディ2の短手方向に離間して各一対設けられ、電源の電源線や負荷の電源線等をボディ2内に挿入可能としている。また、端子板収納部2aには端子板4,5が接触しないように離間させる仕切りリブ2gと、V字状の溝を備えた規制リブ(図示せず)と、リード線9を収納するスペースの壁部となるリブ2h(図1参照)とが設けられている。
このボディ2には、固定接点4aを備えた端子板4と、リード線接続片5aを備えた端子板5と、両面に可動接点7aを備えた開閉体7と、開閉体7を載置するための載置片6aを備えた端子板6と、4つの鎖錠ばね13と、2つの解除釦14と、接触子15とが収納される。
端子板4は、導電性の金属板により互いに並行する一対の側片部4b,4cとこれらを連結する連結部4dとからなるコ字型に一体に形成され、一方の側片部4bの外面に固定接点4aを備えている。
端子板5は、図3(a)〜(c)、及び図4(a)に示すように、導線性の金属板により並行する一対の側片部5b,5cと、これらを連結する連結部5dとからなるコ字型に一体に形成されている。加えて一方の側片部5bは先部が二股状に形成されてリード線接続片5a及び垂下片5eとを備えている。このリード線接続片5aは、図3(b)に示すように垂下片5eに対して約45度外方へ曲成され、その表面5fに、図4(b)に示すように、リード線9がスポット溶接等により溶接固定される。
鎖錠ばね13は、帯状の板ばねの一端部をS字状に折り曲げてなる接触部13aと、他端部をJ字状に折り曲げてなる鎖錠部13bと、接触部13a及び鎖錠部13bを連結する連結部13cとが一体となって構成されている。解除釦14は、合成樹脂成形品から柱状に形成され、両側面から鎖錠ばね13の鎖錠部13b押圧用の押圧片14aがそれぞれ突設されている。接触子15は、導電性の金属板から形成され、平板状の基台15bと、基台15bから一体に突設され、弾性を有して基台15bの表面方向に対して傾斜した帯状の弾性片15aとを備えて、基台15bを端子板4の連結部4dにかしめ固定されている。
これら端子板4,5は、2つの鎖錠ばね13,13及び解除釦14とともに、ボディ2の端子板収納部2aの一端側(図2の左方)に次のように配置されている。端子板4は、側片部4cを溝部2cに挿入保持され、且つ側片部4bを端子板収納部2aの他端側(図2の右方)に向けるとともに、側片部4bの一部を端子板収納部2aの一端側の壁部2bに当接させて、端子板収納部2aの一端側の底部に設けられた一方の電源線挿入孔と対応するように端子板収納部2aに配置されている。一方の鎖錠ばね13は、連結部13cが側片部4bに当接し、接触部13a及び鎖錠部13bが側片部4cに当接するようにして端子板4の両側片部4b,4c間に配置されている。このように配置された端子板4の側片部4cと鎖錠ばね13の接触部13a及び鎖錠部13bとから、前記電源線挿入孔からボディ2内に挿入される電源線を接続する速結端子a(図8参照)が構成されている。端子板5は、側片部5cを溝部2dに挿入保持され、側片部5b及びリード線接続片5aを端子板収納部2aの他端側に向けて図1に示すようにリブ2hに対向させるとともに、リブ2hと間隙を有して端子板収納部2aの一端側の底部に設けられた他方の電源線挿入孔と対応するように端子板収納部2aに配置されている。他方の鎖錠ばね13は、連結部13cが側片部5bに当接し、接触部13a及び鎖錠部13bが側片部5cに当接するようにして端子板5の両側片部5b,5c間に配置され、上述の端子板4及び鎖錠ばね13と同様に、前記電源線挿入孔からボディ2内に挿入される電源線を接続する速結端子b(図8参照)が構成されている。このとき端子板4,5は、仕切りリブ2gによって互いにボディ2の短手方向に離間して配置され、端子板4,5間で導通が生じないようにしてある。そして、解除釦14は、これら鎖錠ばね13,13の鎖錠部13b,13bに押圧片14a,14aを各別に当接させて端子板収納部2aに収納されている。加えて、この端子板収納部2aの一端側の底部となるボディ2の後壁には、解除釦14に対応する操作孔(図示せず)が形成されており、該操作孔からマイナスドライバー等の工具を差し入れて解除釦14を押圧操作可能としてある。
端子板6は、導電性の金属板から形成され、長方形状の連結片6bと、連結片6bの短手方向の一端側から垂設され、連結片6bの長手方向に離間した一対の端子片6c,6cと、端子片6c,6cに並行して連結片6bの短手方向の他端側から垂設された垂下片6eと、垂下片6eの端部から連結片6bと反対方向に延設され、連結片6bの長手方向に沿った軸受け溝(図示せず)を形成された平板状の載置片6aとを一体に備えている。
この端子板6は、2つの鎖錠ばね13,13及び解除釦14とともに、ボディ2の端子板収納部2aの他端側に次のように配置されている。端子板6は、端子片6c,6cをそれぞれ溝部2e,2fに挿入保持され、載置片6aを端子板収納部2aの一端側に向けるとともに、垂下片6eの一部を端子板収納部2aの他端側の壁部2bに当接させ、且つ、端子板収納部2aの他端側の底部に設けられた一対の電源線挿入孔に端子片6c,6cをそれぞれ対応させるようにして端子板収納部2aに配置されている。鎖錠ばね13,13は、連結部13cが垂下片6eに当接し、接触部13a及び鎖錠部13bが端子片6c,6cに各別に当接するようにして配置されている。このように配置された端子板6と鎖錠ばね13,13とから、端子板収納部2aの他端側の前記電源線挿入孔からボディ2内に挿入される電源線を接続する速結端子c,d(図8参照)が構成されている。そして、解除釦14は、これら鎖錠ばね13,13の鎖錠部13b,13bに押圧片14a,14aを各別に当接させて端子板収納部2aに収納されている。加えて、端子板収納部2aの他端側の底部となるボディ2の後壁には、解除釦14に対応する操作孔(図示せず)が形成されており、該操作孔からマイナスドライバー等の工具を差し入れて解除釦14を押圧操作可能としてある。
次に端子板4,5,6及び鎖錠ばね13から構成された速結端子a,b,c,dについて、端子板4及び鎖錠ばね13からなる速結端子aを例に挙げて説明する。例えば、負荷からの電源線(図示せず)をボディ2の後壁に設けられた電源線挿入孔からボディ2内に挿入すると、電源線の先端部が鎖錠部13bに当接し、ここからさらに電源線を押し進めると、電源線の先端部が鎖錠部13b及び接触部13aを押撓めつつボディ2内に進み、やがて電源線の先端部が接触部13a及び鎖錠部13bと側片部4cとで狭持され、電気的に接続されることになる。このとき鎖錠部13bの先端部が電源線に食い込むため、電源線がボディ2から抜けないように機械的に保持されることになるのである。特に、鎖錠部13bは、電源線の挿入方向に向けて傾斜しているので、電源線を挿入する際には鎖錠部13bが撓みやすいために挿入しやすく、逆に電源線を引き抜く際には鎖錠部13bが撓み難いために容易に抜けないようになっている。このような速結端子に接続される電源線は、絶縁被覆電線であり、ボディ2内に挿入する際には所定長さだけ芯線を露出するように絶縁被覆が除去されるもので、実際にはこの芯線が端子板4及び鎖錠ばね13によって狭持される。そのため、ボディ2の後壁には、露出させる芯線の長さを規定するストリップゲージ25(図5(b)参照)が設けてある。尚、このような端子板4及び鎖錠ばね13から構成される速結端子は電源線の芯線がより線である場合も適用可能となるようにしてあるのが好ましい。
ところで、上述のように速結端子に接続された電源線を取り外す際には、前記操作孔から例えばマイナスドライバーのような工具の先端部をボディ2内に差し入れて解除釦14を押圧操作することで電源線の結線を解除することが可能である。すなわち、工具の先端部で解除釦14を押圧することで、解除釦14の押圧片14aが鎖錠部13bを押圧し、これにより鎖錠部13bが電源線から離れるように押撓められるために、電源線の機械的保持が解除されて容易に引き抜くことができるようになるのである。
開閉体7は、導電性の金属板から細長の板状に形成され、長手方向の一端側にコイルスプリング等の弾性体16の後端部が当接される先部7bと、長手方向の他端側に端子板6の載置片6aの前記軸受け溝に軸支される基部7cと、短手方向の一端側から突出した突片7dと、略中央部の両面に可動接点7aとを備えている。
この開閉体7は、端子板6の載置片6aに載置され、基部7cで前記軸受け溝によりボディ2の長手方向に揺動可能に軸支されるとともに、突片7dをボディ2に設けられた前記規制リブのV字状の溝に挿入されている。このように配置された開閉体7は、ボディ2の長手方向に揺動可能に収納されることになるが、突片7dが前記規制リブのV字状の溝に挿入保持されているために、開閉体7の揺動範囲が規制されることになる。また、開閉体7は端子板6と電気的に接続されており、開閉体7を端子板収納部2aの一端側に倒し込むと、開閉体7の可動接点7aが端子板4の固定接点4aに当接するようになっている。したがって、開閉体7の一方の可動接点7aと端子板4の固定接点4aとを接触離反させることで、端子板4と端子板6との間の通電がオン・オフされる。このように、開閉体7、及び端子板4,6からスイッチ機構Sが構成されている。
カバー3は、合成樹脂成形品からなり、中央部に長方形状の孔からなる後述する操作ハンドル19が具備される操作ハンドル用孔部3aを備えた矩形枠状に形成されている。カバー3の短手方向の両側壁には、カバー3の長手方向に離間した各一対の突設片3b,3bが前記両側壁の後端部から後方に一体に突設されている。突設片3bは、平板形状を有するとともに中央部に係止孔3cが開口され、カバー3をボディ2の前面に被着した際にボディ2に設けた係止突起12を前記係止孔3cで係止してボディ2とカバー3とを強固に取り付けることができるようになっている。また、前記両側壁の前端部の略中央部から前方に支持部3dが突設されている。この支持部3d及び前記両側壁の内側面側(操作ハンドル用孔部3a側の部位)にはカバー3の前後に沿った溝からなる軸受け部17が形成されており、軸受け部17の前端側は尖鋭となって閉じられており、軸受け部17の後端側はカバー3の後端部から外方へ臨むように開口している。尚、カバー3の長手方向の両側部には、その前端部から前方に当てリブ3eが一体に突設されており、前記当てリブ3eにカバー3の短手方向に互いに離間する各一対の取付爪18,18が突設されている。ここでは詳細な説明はしないが、このような取付爪18は、配線器具用の取付枠に設けた取付孔に係合することでスイッチ装置1を取付枠に保持させるために設けたものであり、壁面等の施工面にスイッチ装置1を埋め込む形で施工する際に、施工面に取り付けられる取付枠へのスイッチ装置1の取付作業を容易に行えるようになっている。このとき当てリブ3eの前端面は取付枠に当接することになる。尚、後述するハンドルカバー21は、図5(a)、(b)に示すように、カバー3の当てリブ3e,3e間に配置されるので、当てリブ3e,3eは操作ハンドル19揺動時にハンドルカバー21に干渉しないようにしておくのが好ましい。また、このような当てリブ3e,3eを設けておくことで、当てリブ3e,3eを設けない場合に比べて、スイッチ装置1を取付枠に取り付けた際に、ハンドルカバー21が後壁側に位置することになるため、カバー3とハンドルカバー21との間の隙間を外部から見え難くすることができる。
前記操作ハンドル19は、合成樹脂成形品からなり、後壁が全面に亘って開口し、操作ハンドル用孔部3a内で揺動可能な程度の大きさを有する直方体の箱状に形成されている。操作ハンドル19の前壁の他端側(図2における右側)には、前壁の表裏に貫通して発光手段8から出射された光を通過させる光通過用孔部19aが形成されている。また、操作ハンドル19の長手方向における他端側の側面の前端部からは、操作ハンドル19の短手方向に離間した一対の係止爪19b,19bが突設されている。加えて操作ハンドル19の短手方向における両側面の中央部には、操作ハンドル19の前後に添った凸状の揺動軸部19cが設けられている。揺動軸部19cは、カバー3の軸受け部17より狭幅となるように形成されるとともに、前端部が先細りとなるように形成されている。そして操作ハンドル19の前壁の裏面からは、円筒形状を有して例えばコイルスプリングである弾性体16の前端部を筒内に保持する弾性体保持部20が突設されている。
上記操作ハンドル19は、揺動軸部19c,19cをカバー3の軸受け部17,17内にそれぞれ対応させるようにして、操作ハンドル用孔部3aにカバー3の後方から差し込まれて、カバー3に具備される。このようにカバー3に具備された操作ハンドル19は、揺動軸部19c,19cをカバー3の軸受け部17,17によってカバー3の長手方向に揺動可能に枢支されることになる。尚、揺動軸部19c,19cのいずれか一方に側方へ突出する突起を設け、前記突起を設けられた揺動軸部19cに対応する軸受け部17に前記突起を係止する部位を設けておけば、操作ハンドル19操作時に、操作ハンドル19がカバー3から脱落することを防止できる。
ところで本発明のスイッチ装置1は、所謂ひかるスイッチであり、器体の外方に光を出射する発光表示ブロック11を備えている。発光表示ブロック11は、例えばネオンランプ等の表示灯及び抵抗からなり両端を電源に電気的に接続することで発光する発光手段8や電子部品を実装され、中央部に操作ハンドル19の弾性体保持部20が嵌入される円形状の取付孔10aが開口した発光表示回路基板(以下、回路基板と略す)10と、回路基板10に実装されて発光手段8の一端と電気的に接続されるリード線9と、回路基板10の裏面に設けられて発光手段8の他端と電気的に接続された接触端子(図示せず)とを備えている。
この発光表示ブロック11は、操作ハンドル19内に次のように配置されて、前記器体に収納されることになる。すなわち、発光表示ブロック11は、発光手段8を操作ハンドル19の光通過用孔部19aに対応させるとともに、取付孔10aに弾性体保持部20を嵌入させて、操作ハンドル19内に配置されるのである。そしてカバー3をボディ2に取り付ける際には、リード線9を端子板5のリード線接続片5aにスポット溶接により溶接固定するとともに、端子板4に設けられた接触子15の弾性片15aを回路基板10の前記接触端子に弾接させて電気的に接続するのである。このように発光表示ブロック11を前記器体内に収納することで、端子板4、接触子15、発光表示ブロック11、リード線9、端子板5からなる通電路が形成されることになる。
また、カバー3に具備された操作ハンドル19には、前壁側から操作ハンドル19の前壁の全面を覆うハンドルカバー21が被着される。ハンドルカバー21は、合成樹脂成形品からなり、後壁が全面に亘って開口した厚みの薄い直方体の箱状に形成されている。ハンドルカバー21の前壁の他端側(図2における右方)には、前壁の表裏に貫通する表示孔部21aが形成されている。また、前記前壁の後面側からは、図1に示すように、操作ハンドル19の係止爪19b,19bを係止する略L字状の係止脚21bが各係止爪19,19に対応して設けられるとともに、操作ハンドル19の一端側の角部を当接される押え突起21cが突設されている。加えて、後述するプリズム22固定用の突起(図示せず)が突設されている。従って、ハンドルカバー21の係止脚21bに操作ハンドル19の係止爪19bをそれぞれ係止させて、操作ハンドル19の一端側の角部をハンドルカバー21の押え突起21cに当接させることで、操作ハンドル19がハンドルカバー21に保持され、これによりハンドルカバー21が操作ハンドル19に被着されることになる。さらに、ハンドルカバー21には、操作ハンドル19の光通過用孔部19aを通過した発光手段8の光を表示孔部21aから出射するように導光するための前記プリズム22が取り付けられる。
このプリズム22は、例えば図6(a)に示すような透明合成樹脂の成形品であり、発光手段8からの光を表示面23aに導く導光部23と、ハンドルカバー21の後面側からハンドルカバー21に取り付けるための矩形板状の取付部24とを一体に備えている。この取付部24は、例えば円形に開口され、前面側から後面側へ徐々に内径が小さくなる取付孔24a,24a(図2参照)が形成されており、取付孔24a,24aにハンドルカバー21の前記突起が嵌入されて、プリズム22はハンドルカバー21の後面側に取り付けられる。導光部23は、発光手段8からの光が入射される入射面23bと、この入射面23bに隣り合う面であって、入射面23aに対して約45度の角度を有する第1の反射面23cと、第1の反射面23cで反射された光を受けて、表示面23aへと反射する第2の反射面23dと、光をプリズム22の外方へ出射するための表示面23aとを備えている。ここにおいて、第1の反射面23cはプリズム22の外方へ膨らむような曲面形状に形成されており、この第1の反射面23cによれば入射面23bから入射した光を、第2の反射面23dへと集光することができる。また、第2の反射面23dはプリズム22の内方へ凹むような曲面形状に形成されており、第1の反射面23cにより反射された光を、表示面23aへと発散させることができる。これにより、表示面23a全体を光らせることができる。一方、図6(b)に示すように、第2の反射面23dを上述のような曲面ではなく平面としてもよく、この場合、第2の反射面23dによる光の発散は抑えられることになるが、平面であるために金型の製造コストを抑えることができるという利点がある。
而して、このプリズム22に入射面23bから入射した光は、第1の反射面23cで第2の反射面23d側へと反射された後に、第2の反射面23dで表示面23a側へ反射され、表示面23aからプリズム22の外方へ出射されることになる。従って、操作ハンドル19の光通過用孔部19aとハンドルカバー21の表示孔部21aとが重複してないくても、このプリズム22によって光通過用孔部19aを通過した光を表示孔部21aへと導くことができるのである。
以上により本発明のスイッチ装置1は構成されており、スイッチ装置1は次のようにして組立てられる。まず、ボディ2の端子板収納部2aに、接触子15をかしめ固定された端子板4と、端子板5,6と、4つの鎖錠ばね13と、2つの解除釦14とを上述したように収納配置して、端子板収納部2aの底部に開口した各一対の電源線挿入孔にそれぞれ対応する速結端子a,b,c,dを構成する。このとき、リード線9が接続される端子板5は、図1に示すように、端子板収納部2aの内壁面となるリブ2hの側面2iと所定の間隙を有して配置されて、リード線9を収納するスペースが設けられている。また、リード線接続片5aの表面5fとリブ2hの側面2iは約45度の角度をなしている。そして、端子板6の載置片6aに開閉体7を載置し、且つ開閉体7の突片7dを前記規制リブ(図示せず)のV字状の溝に挿入する。次に、発光表示ブロック11の取付孔10aに操作ハンドル19の弾性体保持部20を嵌入させるとともに発光手段8を操作ハンドル19の光通過用孔部19aに臨ませて、発光表示ブロック11を操作ハンドル19内に配置した後に、この操作ハンドル19をカバー3の操作ハンドル用孔部3aに差し入れて、揺動軸部19c,19cを軸受け部17,17で枢支させて操作ハンドル19をカバー3に揺動可能に具備させる。この後に、図7(a)に示すように、リード線9を端子板5のリード線接続片5aの表面5fに載置し、このリード線接続片5aを表裏から挟むように電極26,26を配置して、スポット溶接を行う。このとき、リード線接続片5aが側片部5bに対して傾斜しているために、電極26,26で挟み込み易くなっている。そして、端子板4に設けられた接触子15の弾性片15aを回路基板10の前記接触端子に弾接させて電気的に接続する。次に、弾性体16の前端部を弾性体保持部20内に保持させ、且つ後端部を開閉体7の先部7bに当接させて、カバー3をボディ2に被着する。このとき、図5(b),(c)に示すように、カバー3の係止孔3cにボディ2の係止突起12をそれぞれ係止させて、カバー3をボディ2に取付固定する。それからハンドルカバー21の後面側からプリズム22を取り付けた後にハンドルカバー21を操作ハンドル19に被着する。以上により、図1及び図5に示すようにスイッチ装置1が完成する。
このスイッチ装置1では、リード線9は、図1に示すように一様に緩やかに撓む円弧状に曲げて収納することができるため、リード線9に過剰なストレスが生じることがない。このことについて以下に詳細に説明する。リード線9は、一端がリード線接続片5aの表面5fに溶接固定され、他端が回路基板10に接続され、加えて端子板5が図1に示すように回路基板10より器体後方に位置しているために、端子板5とリブ2hの間隙に曲げて収納されることになるが、リード線接続片5aを、その表面5fとリブ2hの側面2iとが上述したように約45度の角度をなすように配置してあるため、図7(b)に示すように、端子板5とリブ2hとの間隙において、リード線9を曲げるためのスペースを十分に得ることができ、また、リード線9を過剰に曲げる必要がなくなるのである。そのためリード線9を図7(b)においてCで示す破線で囲んだ部分のように一様に緩やかに撓ませることができ、これによりリード線9を図1に示すようにスイッチ装置1内に収納できるのである。また、このように収納されたリード線9は、曲げが強くなってストレスが生じ易い部分がないために、スイッチ操作を行う際の回路基板10の揺動によっても無理な曲げが生じることがない。
次に、図1を用いてスイッチ装置1の動作を簡単に説明する。尚、ここではスイッチ装置1において端子板6を備える側(図1の右方)を右端側と呼び、端子板5を備えている側(図1の左方)を左端側と呼ぶ。図1に示すように操作ハンドル19の右端側が左端側より後方(図1の下方)に位置する場合、可動接点7aが固定接点4aに当接して端子板4,6間の通電がオンするようにしてある。このとき、弾性体16は中間部が両端部よりも左端側に膨らんでおり、弾性体16によって可動接点7aが固定接点4aを押圧し、接点圧が付与されている。この状態から操作ハンドル19の左端側を押圧して、上記とは逆に操作ハンドル19の左端側が右端側よりも後方に位置するようにすると、弾性体16の前端部が右端側に移動するため、弾性体16は一旦圧縮された後に急速に伸張して、中間部が両端部よりも右端側に膨らんた状態となって開閉体7を右端側に倒す。これに伴い可動接点7aは固定接点4aから離反されて、端子板4,6間の通電がオフされることになる。
また、スイッチ装置1を実際に使用する際の電源27及び負荷28との配線方法及び動作を、図8を用いて説明する。
スイッチ装置1は、上述したように電源線を接続するための速結端子a,b,c,dを備え、速結端子aは端子板4と電気的に接続され、速結端子bは、端子板5と電気的に接続され、速結端子c,dは端子板6と電気的に接続されているものである。また、電源27は、プラス側端子とマイナス側端子を備えた交流電源であり、負荷28は、プラス側端子とマイナス側端子を備えた例えば蛍光灯等を有する照明機器である。これらは電源線L1〜L4を用いて次のように電気的に接続してある。すなわち、電源線L1で電源27のプラス側端子とスイッチ装置1の速結端子cとを接続し、電源線L2で電源27のマイナス側端子と負荷28のマイナス側端子とを接続する。また、電源線L3で負荷28のプラス側端子とスイッチ装置1の速結端子aを接続し、一端を電源線L2に接続した電源線L4の他端をスイッチ装置2の速結端子bに接続するのである。尚、速結端子dは、電源送り用に用いられる。
次にスイッチ装置1の動作について説明すると、まずスイッチ機構Sがオフである場合は、発光表示ブロック11に電流が流れないため、発光表示ブロック11の発光手段8は消灯している。そしてスイッチ機構Sをオンして端子板4,6間を通電させると、電源27>電源線L1>速結端子c>スイッチ機構S>速結端子a>電源線L3>負荷28>電源線L2>電源27からなる通電路が形成されるため、負荷28に電流が流れて、負荷28が点灯する。また、同時に、電源27>電源線L1>速結端子c>スイッチ機構S>発光表示ブロック11>速結端子b>電源線L4>電源線L2>電源27からなる通電路が形成されるため、発光表示ブロック11に電流が流れて、発光手段8の両端に電源が接続されることになるため、発光手段8が点灯する。このようにスイッチ装置1は、スイッチ機構Sがオンされると、負荷28及び発光表示ブロック11に電流を供給し、負荷28と発光表示ブロック11が並列に接続されているために、負荷28の点灯/消灯に関わらず、スイッチ機構Sがオンであれば発光表示ブロック11の発光手段8を点灯するのである。
本発明のスイッチ装置1によれば、端子板収納部2aの底面方向へ向けて傾斜し、端子板収納部2aの内壁面であるリブ2hの側面2i側に突き出すリード線接続片5aの表面5fにリード線9を溶接固定しているため、端子板5とリブ2hの側面2iとの間隙において、リード線9を曲げるためのスペースを十分に得ることができ、また、リード線9を過剰に曲げる必要がなくなる。そのためリード線9を一様に緩やかに撓ませることができるからリード線9に曲げが強い部分が生じなくなってリード線9に過剰なストレスがかからなくなる。これにより、リード線9にかかるストレスが軽減され、リード線9の断線が防止される。また、リード線接続片5aを傾斜するように設けるという簡単な構成であるので、スイッチ装置1を大型化する必要がなく、加えて、端子板5の材料取りもよく、部品加工も容易に行うことができる。さらに、このリード線接続片5aは端子板5のリブ2hの側面2iと対向する側片部5bより傾斜しているので、リード線9を例えばスポット溶接する場合に、電極26,26での挟み込みが容易になる。そのためリード線9の溶接作業の作業性を向上できる。また、リード線接続片5aを、先端側が基端側よりも幅広となる形になるように形成しておくと、スポット溶接等がし易くなるため、リード線の溶接作業の作業性をさらに向上できる。