JP4238638B2 - 電力変換装置のノイズ低減装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置、例えばインバータ装置のノイズ低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電圧源をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御により交流に変換するインバータ装置は、直流電圧をスイッチングするため、出力には急峻な電圧変化が発生する。このインバータ装置の負荷としてモータを接続すると、モータの巻線と鉄心のスロット間に存在する静電容量成分を通して、インバータ装置のスイッチング出力電圧に含まれる高周波成分による漏れ電流が発生する。モータの鉄心から漏れた電流は、大地アースに流れ込み、他の電気機器や電源トランスなどに流れ、他の機器に対するノイズとして出現する。
【0003】
インバータ装置が発生するノイズとしては、放射ノイズや伝導ノイズなどもあるが、このアースに流れる漏れ電流も問題となっている。この漏れ電流は、一般にはコモン電流と呼ばれている。
【0004】
この漏れ電流を抑制するため、漏れ電流が流れる部分のインピーダンスを高くする方式やアクティブ回路により漏れ電流をキャンセルする方式などが提案されている(例えば、非特許文献1、2、特許文献1を参照)。
【0005】
(1)図25は、非特許文献1の動作原理図であり、電源の漏れ電流iSLを零相CT(CT:カレントトランス)でiSL’として検出し、トランジスタで構成される補償回路により、誘導電動機IMから大地に流れる漏れ電流iLと逆方向の補償電流iL’を誘導電動機の接地点に供給して、大地に流れる漏れ電流を低減する。
【0006】
(2)図26は、特許文献1の動作原理図であり、インバータのスイッチング動作により発生する出力電圧から、漏れ電流に関連するコモンモード電圧成分を星形結線コンデンサを利用して検出し、トランジスタで構成される補償回路により逆特性の電圧をコモンモードトランスでモータへの供給線路に重畳して、ノイズ源となるコモンモード電圧を相殺することにより、大地に流れる漏れ電流を低減する。
【0007】
(3)図27は、非特許文献2の回路構成と等価回路を示し、受動回路のみで漏れ電流を抑制する。この回路は、本願出願人が従来より実施しているもので、この回路に使用する磁性体コアを“コモンモードCT”と呼んでいる。この回路は、漏れた電流成分irをPGコイルのCT(カレントトランス)効果によりアース線から吸い戻す機能として動作する。
【0008】
【非特許文献1】
平成8年電気学会全国大会論文誌 No.852「インバータ負荷のアクティブ漏れ電流補償回路」
【0009】
【特許文献1】
特開平10−94244号
【0010】
【非特許文献2】
平成12年電気学会全国大会、No.4-045「大容量インバータにおけるコモンモード漏洩電流の新抑制法」
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図25に示す従来技術は、漏れ電流iSLを電源部で検出して補償電流iL’を供給している。ここで、インバータと大地間に浮遊容量が存在する場合、インバータから大地に漏れる電流路が形成されることになる。この場合、電源部で検出する方式では補償電流を正確に検出できなくなるため、漏れ電流を正確に補償することが困難となる。
【0012】
図26に示す従来技術は、電力変換装置のスイッチング動作により発生するコモンモード電圧と同じ大きさの電圧を補償する必要がある。コモンモード電圧は直流電源電圧の振幅でかつPWMキャリア周期分の時間が発生する。そのため、補償するトランスの磁性コアは、この電圧時間積の磁束が発生しても飽和しないだけの大きさが必要になる。また、トランスの巻数を大きくしてインダクタンス値も大きくしないと、大きな補償電流が必要になってしまう。
【0013】
また、大容量のモータになると定格電流が大きくなり、配線ケーブルの線径も大きくなる。電圧補償のトランスは巻き回数を多くしてインダクタンスを大きくする方が補償電流が小さくなり都合が良いが、実際にはケーブルの太さの制限から、巻回数を大きく取ることができない。そのため、磁路の断面積を多くしてインダクタンスを稼ぐことになり、大きな磁性体が必要になってくる。
【0014】
このように、補償する電圧振幅が大きいため、補償回路は高耐圧となるほか、補償トランスの外形・コストともに大きくなる。
【0015】
図27に示す従来技術は、コンデンサCを通して流れた電流は(K・L+Ig)と(1−K)・L+Irのインピーダンス比に逆比例してグランドと帰線に分流する。ここで、インバータとモータ間の配線路と帰線が長い場合には、帰線側のインピーダンス成分(lr+rr)が大きくなる。この結果、漏れ電流は、帰線に流れる量が減少し、グランドに流れる量が増加することになる。帰線のインピーダンスが大きな場合には、コモンモードCTのインダクタンスK・Lも大きくする必要があり、やはり磁性体が大型化してくる。
【0016】
以上のことから、従来のノイズ低減方法には、以下の問題があった。
【0017】
・補償する電流路のインピーダンスが大きいと、補償回路の電圧が高くなり、また、磁性コア断面積も大きくなる。
【0018】
・本来、補償したいのは大地に流れる成分である。モータの静電容量成分に流れる漏れ電流をすべて補償する必要は無い。
【0019】
・インバータの電源側、負荷側それぞれ独立な補償が行える方が良い。特に、インバータから大地に漏れる電流路がある場合には、この特性が必要である。
【0020】
本発明の目的は、電力変換装置における上記の問題を解決したノイズ低減装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本発明は、以下の構成を特徴とする。
【0022】
(1)電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流検出用トランスと、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに補償用2次巻線を設けた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電流指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電流指令に対応した電流を前記補償用2次巻線に供給する電流発生部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
(2)電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流検出用トランスと、
前記アース線と補償用2次巻線を同一磁性体に鎖交させた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電流を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電流指令に対応した電流を前記補償用2次巻線に供給する電流発生部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
(3)電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流微分成分検出用トランスと、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに補償用2次巻線を設けた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流微分成分を電圧検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の電圧検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電圧指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電圧指令に対応した電圧を前記補償用2次巻線に供給する電圧発生部とを備えたことを特徴とする。
【0025】
(4)電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流微分成分検出用トランスと、
前記アース線と補償用2次巻線を同一磁性体に鎖交させた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流微分成分を電圧検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部の電圧検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電圧指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電圧指令に対応した電圧を前記補償用2次巻線に供給する電圧発生部とを備えたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
(1)回路構成
本実施形態1の回路構成を図1に示す。この回路は、次の要素で構成されている。1は電源、2は電源1からインバータ3への配線路、3はインバータ、4はインバータ3からモータへの配線路、5は負荷モータ、6はモータ5の接地線、7はモータ5からインバータ3へのアース線、8はインバータの接地線である。
【0027】
9は大地への漏れ電流検出用トランスであり、モータ配線4とアース線7を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させている。10は検出用トランス9に追加した検出巻線、11は検出巻線10より電流を検出する電流検出部、12は電流検出部11の出力をゲイン倍して出力する補償演算部、13は補償演算部12が出力する補償指令に対応した電流を発生させる電流発生部、14は電流発生部13の発生電流を流す巻線と、配線路4とアース線7の巻線を同一磁性体で結合した補償トランスである。
【0028】
(2)動作原理説明
(2・1)コモンモード等価回路
実施形態1は3相モータを駆動するシステム例である。インバータはPWM電圧を発生するが、これらは3相を合成すると零となる成分(ノーマルモード)と残りのコモンモード成分とが存在する。ここでは、動作原理を分かりやすく説明するために、インバータ、モータのシステムをコモンモード等価回路に置き換える。
【0029】
図1のシステムからノイズ低減装置(9〜14)を除き、コモンモード成分のみを考慮すると、図2の等価回路が得られる。
【0030】
ここで、lM,rM,iMはインバータ3からモータ5への配線路4のインダクタンス、抵抗成分、電流を、lE,rE,iEはモータ5からインバータ3へのアース線7のインダクタンス、抵抗成分、電流を、lG,rG,iGはモータ5からインバータ3への大地のインダクタンス、抵抗成分、電流をそれぞれ示す。
【0031】
発生する漏れ電流は、アース線7を通してインバータ3に流れる電流路(a)と、大地アースに流れる電流路(b)に分流する。この電流路(b)を流れる電流がノイズ源となり、本実施形態はこれを低減する装置である。
【0032】
(2・2)3巻線トランスの特性方程式
検出トランス9は、モータの配線4とアース線7を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させたものに2次巻線10を追加したものである。ここで、モータの3相配線4を1相に変換すると、検出トランスは図3の3巻線形となる。また、補償トランス14についても同じ構造である。トランス各部の信号を以下のように定義する。
【0033】
第n巻線の電圧、電流、巻数:en,in,Nn
第n巻線の抵抗成分、自己インダクタンス:Rn,Lnn
第m巻線と第n巻線問の相互インダクタンス:Mmn
各電圧成分は、巻線の抵抗降下成分と鎖交磁束の微分成分の和であるから、
【0034】
【数1】
【0035】
となる。これより、一般系の式(1)が得られる。
【0036】
【数2】
【0037】
(2・3)電流検出トランスの電圧電流方程式
図1の大地への漏れ電流検出用トランス9、10の動作原理を述べる。図2の等価回路に検出トランスを含めた回路を図4に示す。
【0038】
図4の検出トランスは(2・2)項の3巻線トランスと等価である。ここで、インバータからモータへの配線路4の巻線を第0巻線、モータからインバータへのアース線7の巻線を第1巻線、検出用の2次巻線を第2巻線とする。
【0039】
第0、第1巻線は同一巻回数だけ鎖交させたものなので、巻数N0=N1となる。第2巻線との巻数比はα(=N0/N2)とする。
【0040】
検出トランスをギャップの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第2巻線を1次側換算すると、
【0041】
【数3】
【0042】
となり、一般式(1)は式(2)となる。
【0043】
【数4】
【0044】
第2巻線は電流検出用の巻線であり、検出回路の入力インピーダンスZinで短絡されているので、e2=Zin・i2となり、(2)式3行目に代入すると、次式になる。
【0045】
【数5】
【0046】
ここで、検出回路入力インピーダンスZinを低インピーダンスにする。上式において、α・Zin≪p・Lsmと仮定すると
【0047】
【数6】
【0048】
図4より、i0=iM,i1=−iE、また、キルヒホッフの第2則よりiM=iE+iGであるので、(3)式に代入すると、
【0049】
【数7】
【0050】
となる。
【0051】
図4に示すように、電流検出部11で−1倍した電流を検出電流isenとするので、次式が成立する。
【0052】
【数8】
【0053】
以上より、大地への漏れ電流検出用トランス9、10は、大地アースに流れる電流i0の検出が可能なCT(カレントトランス)として動作するといえる。
【0054】
また、(4)式より、検出回路11は図5の等価回路に置き換えることもできる。
【0055】
(2・4)補償トランスの電圧電流方程式
図1の補償用トランス14の動作原理を述べる。補償トランスは、配線4と7を同一磁性体で結合し、さらに補償電流icmpを流す巻線を追加したトランスである。図2の等価回路に補償トランスを含めた回路を図6に示す。
【0056】
図6の補償トランスは(2・2)項の3巻線トランスと等価である。ここで、インバータからモータへの配線路4の巻線を第0巻線、モータからインバータへのアース線7の巻線を第1巻線、補償用巻線を第2巻線とする。
【0057】
第0、第1巻線は同一巻回数だけ鎖交させたものなので、巻数N0=N1となる。第2巻線との巻数比はβ(=N0/N2)とする。
【0058】
検出トランスをコア等ギャップの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第3巻線を1次側換算すると、
【0059】
【数9】
【0060】
となり、一般式(1)は式(5)となる。
【0061】
【数10】
【0062】
検出トランスで検出した電流isen=α・iGをゲインG倍した指令を電流発生源に与えることにより、第2巻線に補償電流icmp=G・α・iGを強制的に流せば、i2=G・α・iGとなり、(5)式1、2行目に代入すると、
【0063】
【数11】
【0064】
となる。
【0065】
(6)式は、2巻線を結合したトランスにより、4、7の配線に直列に電圧源vc(=α/β・G・P・Lcm・iG)を挿入した回路と等価であることを示している。電圧vcは同電位であるため、図6の電流路(a)では相殺される。よって、経路(b)上に直列に挿入されるのと等価であるといえる。これより、補償トランスは図7の等価回路となる。
【0066】
(2・5)ノイズ低減の動作原理
以上より、最終的な等価回路は図8となる。本実施形態の回路は、漏れ電流iGを検出するCT(カレントトランス)と、電流源で補償するトランスを仮想的に大地アースの等価回路上に置いた図8と等価である。これは、モータから大地アースに流れる漏れ電流iGを検出し、これがゼロになるように補償電流icmpを制御しており、大地アースに流れる漏れ電流iGをゼロにするアクティブキャンセル回路となる。
【0067】
本実施形態の補償回路を、補償フィードバック制御の観点から検討する。図8の点(A)と点(B)から外側を見たインピーダンス成分をZLとおくと、図8の補償回路のブロック線図は図9となる。
【0068】
ここで、iG_Wは、インバータのスイッチングにより大地に流れる漏れ電流成分である。図9のブロック線図は、外乱要素である電流iG_Wが発生すると、大地への漏れ電流iGをゼロとするように補償電流icmpを出力する比例アンプGを持つフィードバックループを構成している。
【0069】
ここで注意しなければならないのは、合成インピーダンスZLは、図8より分かるように高次の成分であるので、ゲインGがハイゲインとなると発振する恐れがある。したがって、ZLを解析して最適なゲインGを設定する必要がある。
【0070】
以上より、実施形態1の回路構成により、大地への漏れ電流を低減することができる。
【0071】
(実施形態2)
(1)回路構成
本実施形態2の構成を図10に示す。この回路は、次の要素で構成されている。1は電源、2は電源1からインバータ3への配線路、3はインバータ、4はインバータ3からモータへの配線路、5は負荷モータ、6はモータ5の接地線、7はモータ5からインバータ3へのアース線、8はインバータの接地線である。
【0072】
9は大地への漏れ電流検出用トランスであり、モータ配線4とアース線7を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させている。10は検出用トランス9に追加した検出巻線、11は検出巻線10より電流を検出する電流検出部、12は電流検出部11の出力をゲイン倍して出力する補償演算部、13は補償演算部12が出力する補償指令に対応した電流を発生させる電流発生部、14は電流発生部13の発生電流を流す巻線と、配線路4とアース線7の巻線を同一磁性体で結合した補償トランスである。
【0073】
(2)動作原理説明
実施形態2は、実施形態1の補償トランスの1次巻線をアース線のみとして同様の効果が得られる回路である。
【0074】
(2・1)コモンモード等価回路
(2・2)3巻線トランスの特性方程式
(2・3)電流検出トランスの電圧電流方程式
これらの説明は、実施形態1と同じなので省略する。
【0075】
(2・4)補償トランスの電圧電流方程式
図10の補償トランス14の動作原理を述べる。補償トランスは、アース線7と補償電流を流す補償巻線を同一磁性体で結合したトランスである。補償トランスを含めたコモンモード等価回路を図11に示す。
【0076】
図11の補償トランスは2巻線トランスとなる。ここで、モータからインバータへのアース線7の巻線を第0巻線、検出用の2次巻線を第1巻線とすると、式(1)より、2巻線の一般系の式(7)が得られる。
【0077】
【数12】
【0078】
第0、第1巻線の巻数比をβ(=N0/N2)とする。検出トランスをコア等ギャップの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第1巻線を1次側換算すると、
【0079】
【数13】
【0080】
となり、一般式(7)は式(8)となる。
【0081】
【数14】
【0082】
検出トランスで検出した電流α・iGをゲインG倍した補償電流icmp=G・α・iGを補償巻線に強制的に流せば、i1=G・α・iGとなり、(8)式1行目に代入すると、
【0083】
【数15】
【0084】
となる。(6)式は、巻線インダクタンスに直列に電圧源vc(=α/β・G・p・Lcm・iG)を挿入した回路と等価であることを示している。これより、補償トランスは図12の等価回路となる。
【0085】
(2・5)ノイズ低減の動作原理
図12に電流検出部11と補償演算部12を追加すると、図10の等価回路は図13となる。
【0086】
本実施形態の回路は、漏れ電流iGを検出するCT(カレントトランス)を仮想的に大地アースの等価回路上に置き、補償する電圧源vcをインバータとモータ間アース線上に置いた図13と等価である。vcにより発生する電流は4、6の線路に分流するが、4の線路のインピーダンスが大きく、6の方が小さいと、補償電流はほとんど6の方に流れ込む。
【0087】
したがって、モータから大地アースに流れる漏れ電流iGを検出し、これがゼロになるように補償電流icmpを制御することにより、大地アースに流れる漏れ電流iGをゼロにするアクティブキャンセル回路となる。
【0088】
実施形態1と同様に、実施形態2の補償回路を補償フィードバック制御の観点から検討する。ここで、上記のようにvcにより発生する補償電流はほとんど6の線路に流れ込むと仮定すると、図13の補償回路のブロック線図は実施形態1と等価になり、図14となる。
【0089】
ここで、iG_Wはインバータのスイッチングにより大地に流れる漏れ電流成分である。図14のブロック線図は、外乱要素である電流iG_Wが発生すると、大地への漏れ電流iGをゼロとするように補償電流icmpを出力する比例アンプGを持つフィードバックループを構成している。
【0090】
ここで、実施形態1と同様に合成インピーダンスZLは高次の成分であるので、ゲインGがハイゲインとならないように、ZLを解析して最適なゲインGを設定する必要がある。
【0091】
以上より、実施形態2の回路構成により、大地への漏れ電流を低減することができる。
【0092】
(実施形態3)
(1)回路構成
本実施形態3の構成を図15に示す。この回路は、次の要素で構成されている。1は電源、2は電源1からインバータ3への配線路、3はインバータ、4はインバータ3からモータへの配線路、5は負荷モータ、6はモータ5の接地線、7はモータ5からインバータ3へのアース線、8はインバータの接地線である。
【0093】
9は大地への漏れ電流微分成分(電圧)検出用トランスであり、モータ配線4とアース線7を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させている。10は検出用トランス9に追加した検出巻線、15は検出巻線10より電圧を検出する電圧検出部、12は電圧検出部15の出力をゲイン倍して出力する補償演算部、16は補償演算部12が出力する補償指令に対応した電圧を発生させる電圧発生部、14は電圧発生部16の発生電圧を印加する巻線と、配線路4とアース線7の巻線を同一磁性体で結合した補償トランスである。
【0094】
(2)動作原理説明
実施形態1では、電流検出用のCTと電流発生源を使用した。この電流発生源と補償用のトランスにより、電圧の部分補償を行い、漏れ電流の抑制をした。
【0095】
本実施形態では、電圧検出と電圧発生源を用いる。電圧検出により大地の漏れ電流の微分成分(電圧)を検出し、検出電圧に補償ゲインを掛けた電圧発生源と補償トランスにより、同様の効果を得ることが可能である。
【0096】
(2・1)コモンモード等価回路
(2・2)3巻線トランスの特性方程式
これらの説明は、実施形態1と同じなので省略する。
【0097】
(2・3)電圧検出トランスの電圧電流方程式
図15の大地への漏れ電流微分成分(電圧)検出用トランス9、10の動作原理を述べる。図2の等価回路に検出トランスを含めた回路を図16に示す。
【0098】
図16の検出トランスは(2・2)項の3巻線トランスと等価である。ここで、インバータからモータへの配線路4の巻線を第0巻線、モータからインバータへのアース線7の巻線を第1巻線、検出用の2次巻線を第2巻線とする。
【0099】
第0、第1巻線は同一巻回数だけ鎖交させたものなので、巻数N0=N1となる。第2巻線との巻数比はα(=N0/N2)とする。
【0100】
検出トランスをコア等ギヤツプの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第2巻線を1次側換算すると、
【0101】
【数16】
【0102】
となり、一般式(1)は電流検出トランスと同様に式(2)となる((2)式は再掲示)。
【0103】
【数17】
【0104】
第2巻線は電流検出用の巻線であり、検出回路入力インピーダンスで短絡されているので、i2=e2/Zinとなり、(2)式3行目に代入すると、
【0105】
【数18】
【0106】
となる。図18より、i0=iM,i1=−iE、また、キルヒホッフの第2則よりiM=iE+iGを代入すると、下式となる。
【0107】
【数19】
【0108】
電圧検出トランスでは、検出回路入力インピーダンスZinを高インピーダンスにして、α2=Zin≫Lsmと仮定すると、(10)式右辺第2項はゼロとなるので、
【0109】
【数20】
【0110】
が得られる。式(11)より、電圧検出トランス9、10は、大地アースに流れる電流iGの微分成分(電圧)を検出していることが分かる。
【0111】
(2・4)補償トランスの電圧電流方程式
図15の補償用トランス14の動作原理を述べる。補償トランスは、配線路4とアース線7を同一磁性体で結合し、発生電流を流す巻線を追加したトランスである。図2の等価回路に補償トランスを含めた回路を図17に示す。
【0112】
図17の補償トランスは(2・2)項の3巻線トランスと等価である。ここで、インバータからモータへの配線路4の巻線を第0巻線、モータからインバータへのアース線7の巻線を第1巻線、検出用の巻線を第2巻線とする。
【0113】
第0、第1巻線は同一巻回数だけ鎖交させたものなので、巻数N0=N1となる。第2巻線との巻数比はβ(=N0/N2)とする。
【0114】
検出トランスをコア等ギャップの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第3巻線を1次側換算すると、
【0115】
【数21】
【0116】
となり、一般式(1)は式(5)となる((5)式は再掲示)。
【0117】
【数22】
【0118】
式(5)の3行目より、i2を求める式に変形すると、
【0119】
【数23】
【0120】
となり、これを式(5)の1、2行目に代入すると、
【0121】
【数24】
【0122】
となる。
【0123】
検出トランスで検出した電圧p・Lsm/α・iGをゲインG倍し、電圧源により第2巻線に印加すると、e2=G・p・Lsm/α・iGなので、代入すると、
【0124】
【数25】
【0125】
となる。
【0126】
(12)式は、2巻線を結合したトランスにそれぞれ巻線に直列に電圧源vc(=β/α・G・p・Lcm・iG)を挿入した回路と等価であることを示している。これらの電圧は同電位であるため、図17の電流路(a)では相殺される。よって、経路(b)上に電圧源を直列に挿入するのと等価であるといえる。これより、補償トランスは図18の等価回路となる。
【0127】
(2・5)ノイズ低減の動作原理
以上より、最終的な等価回路は図19となる。ここで、検出トランス9のインダクタンスLsmが配線4、7上に存在する。また。検出器15は計測器に影響を与えない理想的なものとしている。
【0128】
本実施形態の回路は、漏れ電流iGの微分成分(電圧)を検出するトランスと、電圧源で補償するトランスを仮想的に大地アースの等価回路上に置いた図19と等価である。
【0129】
したがって、モータから大地アースに流れる漏れ電流iGの微分成分を検出し、これがゼロになるように補償電圧vcmpを制御することにより、大地アースに流れる漏れ電流iGをゼロにするアクティブキャンセル回路となる。
【0130】
実施形態1と同様、実施形態3の補償回路を補償フィードバック制御の観点から検討すると、図20のブロック線図が得られる。図19からも分かるように、本実施形態の補償回路は実施形態1と等価であるといえる。
【0131】
ここで、iG_Wは、インバータのスイッチングにより大地に流れる漏れ電流成分である。図20のブロック線図は、外乱要素である電流iG_Wが発生すると、大枠への漏れ電流iGをゼロとするように補償電圧vcmpを出力する比例アンプGを持つフィードバックループを構成している。
【0132】
ここで、実施形態1と同様に合成インピーダンスZLは高次の成分であるので、ゲインGがハイゲインとならないように、ZLを解析して最適なゲインGを設定する必要がある。
【0133】
以上より、実施形態3の回路構成により、大地への漏れ電流を低減することができる。
【0134】
(実施形態4)
(1)回路構成
本実施形態4の構成を図21に示す。この回路は、次の要素で構成されている。1は電源、2は電源1からインバータ3への配線路、3はインバータ、4はインバータ3からモータへの配線路、5は負荷モータ、6はモータ5の接地線、7はモータ5からインバータ3へのアース線、8はインバータの接地線である。
【0135】
9は大地への漏れ電流微分成分(電圧)検出用トランスであり、モータ配線4とアース線7を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させている。10は検出用トランス9に追加した検出巻線、15は検出巻線10より電圧を検出する電圧検出部、12は電圧検出部15の出力をゲイン倍して出力する補償演算部、16は補償演算部12が出力する補償指令に対応した電圧を発生させる電圧発生部、14は電圧発生部16の発生電圧を印加する巻線と、アース線7の巻線を同一磁性体で結合した補償トランスである。
【0136】
(2)動作原理説明
実施形態4は、実施形態3の補償トランスの1次巻線をアース線のみとして同様の効果が得られる回路である。
【0137】
(2・1)コモンモード等価回路
(2・2)3巻線トランスの特性方程式
(2・3)電圧検出トランスの電圧電流方程式
これらの説明は、実施形態3と同じなので省略する。
【0138】
(2・4〉補償トランスの電圧電流方程式
図21の補償用トランス14の動作原理を述べる。補償トランスは、アース線7と発生電流を流す巻線を同一磁性体で結合したトランスである。補償トランスを含めたコモンモード等価回路を図22に示す。
【0139】
図22の補償トランスは2巻線トランスとなる。ここで、モータからインバータへのアース線7の巻線を第0巻線、検出用の2次巻線を第1巻線とすると、式(1)より、2巻線の一般系の式(7)が得られる((7)式は再掲示)。
【0140】
【数26】
【0141】
第0、第1巻線の巻数比をβ(=N0/N2)とする。検出トランスをコア等ギャップの無い磁性体で構成して結合係数≒1とし、漏れインダクタンスや巻線抵抗を無視し、かつ、第1巻線を1次側換算すると、
【0142】
【数27】
【0143】
となり、一般式(7)は式(8)となる((8)式は再掲示)。
【0144】
【数28】
【0145】
式(8)の2行目より、i1を求める式に変形すると、
【0146】
【数29】
【0147】
となり、これを式(8)の1行目に代入すると、
【0148】
【数30】
【0149】
となる。検出トランスで検出した電圧p・Lsm/α・iGをゲインG倍し、電圧源により第1巻線に印可すると、e1=p・Lsm・G/α・iGとなり、代入すると、
【0150】
【数31】
【0151】
となる。(13)式は、巻線インダクタンスに直列に電圧源vc(=β/α・G・p・Lcm・iG)を挿入した回路と等価であることを示している。
【0152】
(2・5)ノイズ低減の動作原理
以上より、最終的な等価回路は図23となる。本実施形態の回路は、漏れ電流iGの微分成分(電圧)を検出するトランスを仮想的に大地アースの等価回路上に置き、電圧源で補償するトランスをインバータとモータ間アース線上に置いた図23と等価である。
【0153】
したがって、モータから大地アースに流れる漏れ電流iGの微分成分を検出し、これがゼロになるように補償電圧vcmpを制御することにより、大地アースに流れる漏れ電流iGをゼロにするアクティブキャンセル回路となる。
【0154】
実施形態2と同様、実施形態4の補償回路を補償フィードバック制御の観点から検討すると、図24のブロック線図が得られる。図23からも分かるように、実施形態4の補償回路は実施形態2と等価であるといえる。
【0155】
ここで、iG_Wは、インバータのスイッチングにより大地に流れる漏れ電流成分である。図24のブロック線図は、外乱要素である電流iG_Wが発生すると、大地への漏れ電流iGをゼロとするように補償電圧vcmpを出力する比例アンブGを持つフィードバックループを構成している。
【0156】
ここで、実施形態2と同様に、合成インピーダンスZLは高次の成分であるので、ゲインGがハイゲインとならないように、ZLを解析して最適なゲインGを設定する必要がある。
【0157】
以上より、実施形態4の回路構成により、大地への漏れ電流を低減することができる。
【0158】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によるノイズ低減装置は以下の効果がある。
【0159】
・補償回路の電圧を低くし、磁性コア断面積も小さくできる。
【0160】
・大地に流れる漏れ電流成分のみを補償できる。
【0161】
・インバータの電源側、負荷側それぞれ独立な補償を行うことができる。
【0162】
具体的には、
(1)実施形態1では、
・モータの静電容量に流れる漏れ電流のうち、大地に流れる漏れ電流成分のみを補償している。これにより、補償回路は電流耐量が少なくなり、外形・コストともに小さくなる。
【0163】
・外乱要素であるコモンモード電圧が発生すると、大地への漏れ電流をゼロとするように補償電流を出力するフィードバックループが構成されている。よって、ゲインGを高く設定することにより理論的には漏れ電流をゼロに抑制できる。
【0164】
・受動回路のみで漏れ電流を抑制する方式では、インバータからモータへの配線路、モータからインバータへのアース線のインピーダンスにより漏れ電流抑制効果が影響されるが、本回路では補償回路のゲインを高く設定することにより、配線路インピーダンスが変動しても十分な漏れ電流抑制効果がある。
【0165】
・インバータの負荷側のみで漏れ電流経路を作り、補償を行っている。つまり、モータの漏れ電流を検出・補正しており、インバータ部の漏れ電流による誤差は発生しない。また、インバータの電源側、負荷側それぞれ独立な補償を行なうことができる。
【0166】
(2)実施形態2では、
実施形態1の補償トランスにおいて、インバータ出力線の巻線を省略した構成とし、かつ、同等の漏れ電流抑制効果を実現している。つまり、実施形態1に比べて、補償トランスはアース線と補償巻線分の大きさがあればよい。モータの配線に比べてこれらの線径は細いものでよいため、小さな磁性体でよく、外形・コストともに小さくなる。特に、大容量のモータになると定格電流が大きくなり、配線ケーブルの線径も大きくなるため、大幅な小型化となる。
【0167】
(3)実施形態3では、
外乱要素であるコモンモード電圧が発生すると、大地への漏れ電流をゼロとするように補償電圧を出力するフィードバックループが構成されている。よって、補償方法は実施形態1と比べると電流と電圧で異なるが、補償部を含めた回路としては実施形態1と等価である。
【0168】
したがって、実施形態1と同様に、ゲインを高く設定することにより理論的には漏れ電流をゼロに抑制できる。
【0169】
(4)実施形態4では、
実施形態2と同様に、実施形態3の補償トランスにおいて、インバータ出力線の巻線を省略した構成とし、かつ、同等の漏れ電流抑制効果を実現している。つまり実施形態3に比べて、補償トランスはアース線と補償巻線分の大きさがあればよい。モータの配線に比べてこれらの線径は細いものでよいため、小さな磁性体でよく、外形・コストともに小さくなる。
【0170】
特に、大容量のモータになると定格電流が大きくなり、配線ケーブルの線径も大きくなるため、大幅な小型化となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す回路構成図。
【図2】コモンモード等価回路(ノイズ低減装置無し)。
【図3】3巻線トランスの電流・電圧関係図。
【図4】コモンモード等価回路(検出トランス付き)。
【図5】コモンモード等価回路(検出トランス付き)。
【図6】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図7】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図8】実施形態1の等価回路図。
【図9】実施形態1のブロック線図。
【図10】本発明の実施形態2を示す回路構成図。
【図11】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図12】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図13】実施形態2の等価回路図。
【図14】実施形態2のブロック線図。
【図15】本発明の実施形態3を示す回路構成図。
【図16】コモンモード等価回路(検出トランス付き)。
【図17】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図18】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図19】実施形態3の等価回路図。
【図20】実施形態3のブロック線図。
【図21】本発明の実施形態4を示す回路構成図。
【図22】コモンモード等価回路(補償トランス付き)。
【図23】実施形態4の等価回路図。
【図24】実施形態4のブロック線図。
【図25】従来回路図。
【図26】従来回路図。
【図27】従来回路と等価回路図。
【符号の説明】
1…電源
3…インバータ
4…配線路
5…負荷モータ
6…モータ5の接地線
7…モータ5からインバータ3へのアース線
8…インバータの接地線
9…大地への漏れ電流検出用トランス
10…検出用トランス9に追加した検出巻線
11…電流検出部
12…補償演算部
13…電流発生部
14…補償トランス
15…電圧検出部
16…電圧発生部
Claims (4)
- 電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流検出用トランスと、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに補償用2次巻線を設けた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電流指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電流指令に対応した電流を前記補償用2次巻線に供給する電流発生部とを備えたことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。 - 電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流検出用トランスと、
前記アース線と補償用2次巻線を同一磁性体に鎖交させた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電流を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電流指令に対応した電流を前記補償用2次巻線に供給する電流発生部とを備えたことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。 - 電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流微分成分検出用トランスと、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに補償用2次巻線を設けた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流微分成分を電圧検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の電圧検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電圧指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電圧指令に対応した電圧を前記補償用2次巻線に供給する電圧発生部とを備えたことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。 - 電力用半導体素子のスイッチング動作で電力変換する電力変換装置に負荷装置を接続し、電力変換装置から負荷装置への配線と、負荷装置のアース端子と電力変換装置のアース端子を接続したアース線を有し、電力変換装置または負荷装置が大地に接地された電力変換装置のノイズ低減装置であって、
前記配線とアース線を同一磁性体に同一巻回数だけ鎖交させ、これに検出用2次巻線を設けた大地漏れ電流微分成分検出用トランスと、
前記アース線と補償用2次巻線を同一磁性体に鎖交させた補償トランスと、
前記検出用2次巻線より大地漏れ電流微分成分を電圧検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部の電圧検出出力をゲイン倍し、大地漏れ電流をゼロにする補償電圧指令を出力する補償演算部と、
前記補償演算部の出力する補償電圧指令に対応した電圧を前記補償用2次巻線に供給する電圧発生部とを備えたことを特徴とする電力変換装置のノイズ低減装置。
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