JP4238519B2 - Method for assembling continuously variable transmission for vehicle - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用自動変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機を組み込んだ無段変速装置の組立方法の改良に関し、組立作業後の手間を軽減するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速装置として、図5〜7に示す様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に出力側ディスク5、5を、それぞれスプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
【0003】
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図5、7の上下方向、図6の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた、枢軸9、9を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ10、10により、これら各トラニオン7、7を上記枢軸9、9の軸方向に変位させる事により行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
【0004】
即ち、前記入力軸1と出力歯車4との間の変速比を変えるべく、上記各トラニオン7、7の傾斜角度を変える場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図7の右側のパワーローラ6を同図の下側に、同図の左側のパワーローラ6を同図の上側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ6、6の周面と上記各入力側ディスク2、2及び各出力側ディスク5、5の内側面との当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板11、11に枢支された枢軸9、9を中心として、互いに逆方向に揺動(傾斜)する。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接位置が変化し、上記入力軸1と出力歯車4との間の回転変速比が変化する。
【0005】
上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排状態は、これら各アクチュエータ10、10の数に関係なく1個の制御弁12により行ない、何れか1個のトラニオン7の動きをこの制御弁12にフィードバックする様にしている。この制御弁12は、ステッピングモータ13により軸方向(図7の左右方向)に変位させられるスリーブ14と、このスリーブ14の内径側に軸方向の変位自在に嵌装されたスプール15とを有する。又、上記各トラニオン7、7と上記各アクチュエータ10、10のピストン16、16とを連結するロッド17、17のうち、何れか1個のトラニオン7に付属のロッド17の端部にプリセスカム18を固定しており、このプリセスカム18とリンク腕19とを介して、上記ロッド17の動き、即ち、軸方向の変位量と回転方向との変位量との合成値を上記スプール15に伝達する、フィードバック機構を構成している。又、同一のキャビティ部分(互いに対向する入力側ディスク2と出力側ディスク5との間部分)に設置する1対のトラニオン7、7同士の間には、請求項に記載した同期機構を構成する同期ケーブル20を掛け渡して、これら両トラニオン7、7の傾斜角度を、機械的に同期させている。又、異なるキャビティに設置したトラニオン7、7同士の間にも、図示しない同期ケーブルを掛け渡している。
【0006】
上記同期ケーブル20は、閉鎖環状で円周方向反対位置に1対の係止駒21、21を固定している。この様な同期ケーブル20は、これら各係止駒21、21を上記同一のキャビティ部分に設置した1対のトラニオン7、7の端部に係止(凹凸係合)させた状態で、これら両トラニオン7、7同士の間に、図8に示す様に、襷掛けで掛け渡している。従ってこれら両トラニオン7、7の傾斜角度は、この図8(A)〜(C)に示す様に、機械的に同期させられる。尚、図8の(A)は入力側ディスク2と出力側ディスク5との間の変速比が1(等速伝達)の状態を、(B)は最大減速時の状態を、(C)は最大増速時の状態を、それぞれ表している。
【0007】
変速状態を切り換える際には、上記ステッピングモータ13により上記スリーブ14を、得ようとする変速比に見合う所定位置にまで変位させて、上記制御弁12の所定方向の流路を開く。この結果、上記各アクチュエータ10、10に圧油が、所定方向に送り込まれて、これら各アクチュエータ10、10が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン7、7が、前記各枢軸9、9の軸方向に変位しつつ、これら各枢軸9、9を中心に揺動する。そして、上記何れか1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)が、上記ロッド17の端部に固定したプリセスカム18とリンク腕19とを介して上記スプール15に伝達され、このスプール15を軸方向に変位させる。この結果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制御弁12の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排が停止される。
【0008】
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸50により一方(図5、6の左方)の入力側ディスク2を、図示の様なローディングカム式の、或は油圧式の押圧装置51を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
【0009】
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を上記各枢軸9、9の軸方向に移動させ、これら各トラニオン7、7を図8(B)に示す位置に揺動させる。そして、上各パワーローラ6、6の周面を、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を図8(C)に示す位置に揺動させ、上記各パワーローラ6、6の周面を、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、図8(A)に示した様な等速伝達状態を含め、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
【0010】
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の変速機に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成する事が、従来から提案されている。図9は、この様な従来から提案されている無段変速装置のうち、特開2000−220719号公報に記載されたものを示している。この無段変速装置は、トロイダル型無段変速機22と遊星歯車式変速機23とを組み合わせて成る。このうちのトロイダル型無段変速機22は、入力軸1と、1対の入力側ディスク2、2と、出力側ディスク5aと、複数のパワーローラ6、6とを備える。図示の例では、この出力側ディスク5aは、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせて一体とした如き構造を有する。
【0011】
又、上記遊星歯車式変速機23は、上記入力軸1及び一方(図9の右方)の入力側ディスク2に結合固定されたキャリア24を備える。このキャリア24の径方向中間部に、その両端部にそれぞれ遊星歯車素子25a、25bを固設した第一の伝達軸26を、回転自在に支持している。又、上記キャリア24を挟んで上記入力軸1と反対側に、その両端部に太陽歯車27a、27bを固設した第二の伝達軸28を、上記入力軸1と同心に、回転自在に支持している。そして、上記第一の伝達軸26の両端部に固設した上記各遊星歯車素子25a、25bと、上記出力側ディスク5aにその基端部(図9の左端部)結合した中空回転軸29の先端部(図9の右端部)に固設した太陽歯車30又は上記第二の伝達軸28の一端部(図9の左端部)に固設した太陽歯車27aとを、それぞれ噛合させている。又、一方(図9の左方)の遊星歯車素子25aを、別の遊星歯車素子31を介して、上記キャリア24の周囲に回転自在に設けたリング歯車32に噛合させている。
【0012】
一方、上記第二の伝達軸28の他端部(図9の右端部)に固設した太陽歯車27bの周囲に設けた第二のキャリア33に遊星歯車素子34a、34bを、回転自在に支持している。尚、この第二のキャリア33は、上記入力軸1及び第二の伝達軸28と同心に配置された、出力軸35の基端部(図9の左端部)に固設されている。又、上記各遊星歯車素子34a、34bは、互いに噛合すると共に、一方の遊星歯車素子34aを上記太陽歯車27bに、他方の遊星歯車素子34bを、上記第二のキャリア33の周囲に回転自在に設けた第二のリング歯車36に、それぞれ噛合させている。又、上記リング歯車32と上記第二のキャリア33とを低速用クラッチ37により係脱自在とすると共に、上記第二のリング歯車36とハウジング等の固定の部分とを、高速用クラッチ38により係脱自在としている。
【0013】
上述の様な、図9に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ37を接続すると共に上記高速用クラッチ38の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記リング歯車32を介して上記出力軸35に伝えられる。そして、前記トロイダル型無段変速機22の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸1と上記出力軸35との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機22の変速比を調節する事により、上記入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸35の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
【0014】
これに対して、上記低速用クラッチ37の接続を断ち、上記高速用クラッチ38を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記第一、第二の伝達軸26、28を介して上記出力軸35に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機22の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機22の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様なトロイダル型無段変速機及び無段変速装置の組立工程で、各パワーローラ6、6を入力側、出力側両ディスク2、5同士の間に挟持する作業が必要になる。この作業を従来は、単に組み付け作業性の面からのみ考えていた為、完成直後のトロイダル型無段変速機の変速比が高過ぎる(減速比が低過ぎる)状態であった。この為、このトロイダル型無段変速機をそのまま車両に搭載すると、最初にこの車両を発進させる事が難しくなる。先の説明から明らかな通り、トロイダル型無段変速機の変速比の変更は、上記入力側、出力側両ディスク2、5を回転させつつ行なう必要がある。この為、トロイダル型無段変速機を搭載した車両の最初の発進を円滑に行なえる様にする為には、完成直後のトロイダル型無段変速機の入力軸1を回転駆動しつつ上記各トラニオン6、6を揺動させて、このトロイダル型無段変速機の変速状態を減速状態にしておく必要がある。この様な作業は、面倒で、トロイダル型無段変速機の製造コストが嵩む原因となる為、好ましくない。
【0016】
一方、図9に示した様な、入力軸1を回転させた状態のまま出力軸35を停止させる、所謂無限大の変速比を実現できる無段変速装置は、従来は実験、試作段階であり、実際に車両に搭載する場合を勘案しつつ、トロイダル型無段変速機22の組み付け作業に関して考慮する段階には至っていない。但し、上記無段変速装置の実用化を考慮した場合、上記トロイダル型無段変速機22の組立時に、入力側ディスク2、2と出力側ディスク5aとの間の変速比を適切に設定する事は重要である。
【0017】
先ず第一に、上記無段変速装置を、トルクコンバータ等の発進クラッチと組み合わせる事なく実施する事を考慮した場合、上記無段変速装置のエンジンの始動を可能にする為の考慮が必要である。即ち、上記無段変速装置を搭載した車両のエンジンを始動する為には、この無段変速装置の変速比を無限大にしておく必要がある。勿論、無段変速装置の組立完了後、車両に搭載する以前に、上記入力軸1を回転させつつ上記変速比を無限大にしてから車両に搭載する事も可能ではある。但し、この様な作業は、面倒で製造コストが嵩む原因となる為、好ましくない事は、前述したトロイダル型無段変速機単体の場合と同様である。
【0018】
第二に、上記無段変速装置を、トルクコンバータ等の発進クラッチと組み合わせて実施する事を考慮した場合、上記トロイダル型無段変速機単体の場合と同様に、上記無段変速装置を搭載した車両の最初の発進を円滑に行なえる様にする必要がある。この為には、上記無段変速装置全体としての変速状態を減速状態にしておく必要がある。この様な減速状態も、無段変速装置の組立完了後に別工程で行なう事なく実現する事が、コストを抑える面からは好ましい。
本発明の車両用無段変速装置の組立方法は、上述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の組立方法の対象となる車両用無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機は、入力側ディスク及び出力側ディスクと、複数個のパワーローラと、複数個のトラニオンと、同期機構とを備え、車両用の変速機として利用される。
このうちの入力側ディスク及び出力側ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持されている。
又、上記各パワーローラは、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各トラニオンは、上記各パワーローラを回転自在に支持した状態で、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされている。
又、上記同期機構は、同期ケーブル、歯車伝達機構等により構成して、上記各枢軸を中心とする上記各トラニオンの揺動角度を同期させる。
【0021】
本発明の組立方法の対象となる車両用無段変速装置は、上述の様なトロイダル型無段変速機と、差動ユニットと、クラッチ機構とを組み合わせて成り、車両用の変速装置として利用される。
このうちの差動ユニットは、複数の歯車を組み合わせて成る歯車式のものである。
又、上記クラッチ機構は、低速モードと高速モードとを切り換える為のものである。
そして、このうちの低速モード時には、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節して上記差動ユニットを構成する複数の歯車の相対的変位速度を変化させる事で、駆動源により入力軸を一方向に回転させた状態のまま出力軸の回転状態を、停止状態を挟んで正転及び逆転に変換自在とする。
又、上記高速モード時には、上記トロイダル型無段変速機の変速比を変える事により、上記入力軸と上記出力軸との間の変速比を変更する。
【0023】
更に、本発明の無段変速装置の組立方法の場合には、上記各トラニオンに支持した上記各パワーローラを上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間に組み付ける以前に、上記各トラニオンの傾斜角度を、上記低速モード状態で上記入力軸と上記出力軸との間の変速状態が、前進方向に発進可能な減速状態を実現する傾斜角度である、上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの変速比の絶対値を1とする。その後、上記各トラニオンに支持された上記各パワーローラを上記入力側ディスクと上記出力側ディスクとの間に組み付ける。
尚、この様な本発明の組立方法の対象となる無段変速装置の場合、搭載された車両のエンジンの始動を可能にする為、このエンジンのクランクシャフトと上記無段変速装置の入力軸との間に、トルクコンバータ、電磁クラッチ、アクチュエータにより断接される単板クラッチ或は湿式多板クラッチ等の発進クラッチを設ける必要がある。
【0024】
【作用】
上述の様に構成する本発明の車両用無段変速装置の組立方法によれば、組み立てたままの状態で車両に搭載した場合でも、この車両を円滑に発進させたり、この車両のエンジンの始動が可能になる。この為、車両用無段変速装置の変速比を、組立後に調整する手間が不要になって、車両用無段変速装置のコスト低減を図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例の第1例を示している。図1は、遊星歯車式変速機等の差動機構と組み合わせる事なく、トロイダル型無段変速機単体で変速装置を構成する場合に於ける、トロイダル型無段変速機の組立直後の状態を示している。本参考例の場合には、前述の図8(B)に示した様に、入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう状態に、各トラニオン7、7を傾斜させている。そして、これら各トラニオン7、7に支持した各パワーローラ6、6の周面を、各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させている。従って、上記入力軸1と上記出力歯車4との間の変速状態は、最大減速状態、即ち、車両が発進する際に実現すべき変速状態となる。
【0026】
図1の様に組み立てたトロイダル型無段変速機は、そのまま他の部品と組み合わせると共に変速機ケース内に組み込んで、車両に搭載する。この状態で、上記トロイダル型無段変速機の入力軸1とエンジンのクランクシャフトとは、トルクコンバータ等の発進クラッチを介して連結する。
上記トロイダル型無段変速機が、車両が発進する際に実現すべき最大減速状態になっているので、このトロイダル型無段変速機を搭載した車両の発進は、最初から円滑に行なわれる。しかも、この様に最初の発進を円滑に行なえる様にすべく、組立完了後車両への搭載以前のトロイダル型無段変速機を、変速比を調整する為に(最大減速状態とする為に)運転する必要がなくなる。従って、このトロイダル型無段変速機の製造コストの低減を図れる。
【0027】
次に、図2〜4は、本発明に関する参考例の第2例を示している。尚、図2〜3には、上述した第1例の場合と同様に、縦横比等の寸法関係を、実際の寸法関係で示している。又、図2〜3で、一方のキャビティ(一方の入力側ディスク2と出力側ディスク5aの片側面との間部分)と他方のキャビティ(他方の入力側ディスク2と出力側ディスク5aの他側面との間部分)との断面位置は、円周方向に関して90度異なる。本参考例の組立方法の対象となる無段変速装置は、トロイダル型無段変速機22aと、請求項に記載した差動ユニットに相当する第一〜第三の遊星歯車式変速機39〜41とを組み合わせて成り、入力軸1と出力軸35とを有する。図示の例では、これら入力軸1と出力軸35との間に伝達軸42を、これら両軸1、35と同心に、且つ、これら両軸1、35に対する相対回転を自在に設けている。そして、上記第一、第二の遊星歯車式変速機39、40を上記入力軸1と上記伝達軸42との間に掛け渡す状態で、上記第三の遊星歯車式変速機41をこの伝達軸42と上記出力軸35との間に掛け渡す状態で、それぞれ設けている。
【0028】
このうちのトロイダル型無段変速機22aは、1対の入力側ディスク2、2と、一体型の出力側ディスク5aと、複数(図示の例では4個)のパワーローラ6、6とを備える。そして、上記1対の入力側ディスク2、2は、上記入力軸1を介して互いに同心に、且つ、同期した回転を自在として結合されている。又、上記出力側ディスク5aは、上記両入力側ディスク2、2同士の間に、これら両入力側ディスク2、2と同心に、且つ、これら両入力側ディスク2、2に対する相対回転を自在として支持されている。更に、上記各パワーローラ6、6は、上記出力側ディスク5aの軸方向両側面と上記両入力側ディスク2、2の軸方向片側面との間に、それぞれ複数個ずつ(図示の例では2個ずつ)挟持されている。そして、これら両入力側ディスク2、2の回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク2、2から上記出力側ディスク5aに動力を伝達する。
【0029】
又、本参考例の場合、上記各パワーローラ6、6を支持するトラニオン7、7の長さ方向両端部に設けた、1対の折れ曲がり壁部の先端部同士を、連結部材43、43により連結している。この様な連結部材43は、上記パワーローラ6を跨ぐ様に設けると共に、その両端面を上記トラニオン7の各折れ曲がり壁部に突き当てた状態で、このトラニオン7に結合固定している。この様な連結部材43、43を設けた構造の場合には、上記各トラニオン7、7の曲げ剛性の向上を図れ、これら各トラニオン7、7を弾性変形しにくくできる。この結果、これら各トラニオン7、7の変形に基づく支持軸8の傾斜を防止し、この支持軸8の先半部に支持した上記各パワーローラ6、6の位置がずれるのを抑える事ができるので、変速動作を安定させる事ができる。尚、本参考例の場合、上記支持軸8と、上記パワーローラ6を回転自在に支持するスラスト玉軸受44を構成する外輪とを、一体に形成している。
【0030】
更に、本参考例の場合には、上記出力側ディスク5aの軸方向両端部を、1対のスラストアンギュラ玉軸受45、45により、回転自在に支持している。この為に本参考例の場合には、上記トラニオン7、7の両端部を支持する為の支持板46a、46bを支持する為にケーシング65の内面に固設した支持ポスト47a、47bの構造を工夫している。即ち、前記入力軸1を挟んで径方向反対側に、互いに同心に設けられた1対の支持ポスト47a、47bを、円環状の保持環48により連結している。上記入力軸1は、この保持環48の内側を挿通している。
【0031】
そして、各キャビティ毎に設けたこれら各保持環48、48と、上記出力側ディスク5aの軸方向両端面、即ち、この出力側ディスク5aの両側面に設けた出力側面よりも内径側部分との間に、上記各スラストアンギュラ玉軸受45、45を設けている。これら各スラストアンギュラ玉軸受45、45には、それぞれ予圧を付与している。従って上記出力側ディスク5aは、各キャビティ内に1対ずつ設けた上記各支持ポスト47a、47b同士の間に、径方向及び軸方向に関する位置決めを図られた状態で、回転自在に支持されている。
【0032】
又、図示の無段変速装置の場合、車両への搭載時には、上記入力軸1の基端部(図2の左端部)を、図示しないエンジンのクランクシャフトに、トーションダンパ49を介して結合し、このクランクシャフトにより上記入力軸1を回転駆動自在とする。又、前記両入力側ディスク2、2の軸方向片側面及び上記出力側ディスク5aの両側面と上記各パワーローラ6、6の周面との転がり接触部(トラクション部)に適正な面圧を付与する為の押圧装置51aとして、油圧式のものを使用している。又、上記入力軸1の基端部周囲にはギヤポンプ52を設けて、上記押圧装置51a及び変速の為にトラニオン7、7を変位させる為の油圧式のアクチュエータ10、10(図7参照)、並びに、請求項に記載したクラッチ機構に相当する、後述する低速用クラッチ37a及び高速用クラッチ38aを断接させる為の油圧シリンダに圧油を供給自在としている。
【0033】
又、上記出力側ディスク5aに中空回転軸29aの基端部(図2〜3の左端部)をスプライン係合させている。そして、この中空回転軸29aを、エンジンから遠い側(図2〜3の右側)の入力側ディスク2の内側に挿通して、上記出力側ディスク5aの回転力を取り出し自在としている。更に、上記中空回転軸29aの先端部(図2〜3の右端部)で上記入力側ディスク2の外側面から突出した部分に、前記第一の遊星歯車式変速ユニット39を構成する為の、第一の太陽歯車53を固設している。
【0034】
一方、上記入力軸1の先端部(図2〜3の右端部)で上記中空回転軸29aから突出した部分と上記入力側ディスク2との間に、第一のキャリア54を掛け渡す様に設けて、この入力側ディスク2と上記入力軸1とが、互いに同期して回転する様にしている。そして、上記第一のキャリア54の軸方向両側面の円周方向等間隔位置(一般的には3〜4個所位置)に、それぞれがダブルピニオン型である前記第一、第二の遊星歯車式変速機39、40を構成する為の遊星歯車55〜57を、回転自在に支持している。更に、上記第一のキャリア54の片半部(図2〜3の右半部)周囲に第一のリング歯車58を、回転自在に支持している。
【0035】
上記各遊星歯車55〜57のうち、前記トロイダル型無段変速機22a寄り(図2〜3の左寄り)で上記第一のキャリア54の径方向に関して内側に設けた遊星歯車55は、上記第一の太陽歯車53に噛合している。又、上記トロイダル型無段変速機22aから遠い側(図2〜3の右側)で上記第一のキャリア54の径方向に関して内側に設けた遊星歯車56は、前記伝達軸42の基端部(図2の左端部)に固設した第二の太陽歯車59に噛合している。又、上記第一のキャリア54の径方向に関して外側に設けた、残りの遊星歯車57は、上記内側に設けた遊星歯車55、56よりも軸方向寸法を大きくして、これら両歯車55、56に噛合させている。更に、上記残りの遊星歯車57と上記第一のリング歯車58とを噛合させている。尚、径方向外寄りの遊星歯車を、第一、第二の遊星歯車ユニット同士の間で互いに独立させる代りに、幅広のリング歯車をこれら両遊星歯車に噛合させる構造も、採用可能である。
【0036】
一方、前記第三の遊星歯車式変速機41を構成する為の第二のキャリア60を、前記出力軸35の基端部(図2の左端部)に結合固定している。そして、この第二のキャリア60と上記第一のリング歯車58とを、前記低速用クラッチ37aを介して結合している。又、上記伝達軸42の先端寄り(図2〜3の右端寄り)部分に第三の太陽歯車61を、スプライン係合等により固設している。又、この第三の太陽歯車61の周囲に、第二のリング歯車62を配置し、この第二のリング歯車62と前記ケーシング65等の固定の部分との間に、前記高速用クラッチ38aを設けている。更に、上記第二のリング歯車62と上記第三の太陽歯車61との間に配置した複数組の遊星歯車63、64を、上記第二のキャリア60に回転自在に支持している。これら各遊星歯車63、64は、互いに噛合すると共に、上記第二のキャリア60の径方向に関して内側に設けた遊星歯車63を上記第三の太陽歯車61に、同じく外側に設けた遊星歯車64を上記第二のリング歯車62に、それぞれ噛合している。
【0037】
上述の様に構成する本参考例の組立方法の対象となる無段変速装置の場合、入力軸1から1対の入力側ディスク2、2、各パワーローラ6、6を介して一体型の出力側ディスク5aに伝わった動力は、前記中空回転軸29aを通じて取り出される。そして、前記低速用クラッチ37aを接続し、前記高速用クラッチ38aの接続を断った状態では、前記トロイダル型無段変速機22aの変速比を変える事により、上記入力軸1の回転速度を一定にしたまま、前記出力軸35の回転速度を、停止状態を挟んで正転、逆転に変換自在となる。
【0038】
即ち、この状態では、上記入力軸1と共に正方向に回転する第一のキャリア54と、上記中空回転軸29aと共に逆方向に回転する前記第一の太陽歯車53との差動成分が、前記第一のリング歯車58から、前記低速用クラッチ37a、前記第二のキャリア60を介して、上記出力軸35に伝達される。この状態では、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を所定値にする事で上記出力軸35を停止させられる他、このトロイダル型無段変速機22aの変速比を上記所定値から増速側に変化させる事により上記出力軸35を、車両を後退させる方向に回転させられる。これに対して、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を上記所定値から減速側に変化させる事により上記出力軸35を、車両を前進させる方向に回転させられる。
【0039】
更に、上記低速用クラッチ37aの接続を断ち、上記高速用クラッチ38aを接続した状態では、上記出力軸35を、車両を前進させる方向に回転させる。即ち、この状態では、上記入力軸1と共に正方向に回転する第一のキャリア54と、上記中空回転軸29aと共に逆方向に回転する前記第一の太陽歯車53との差動成分に応じて回転する、前記第一の遊星歯車式変速機39の遊星歯車55の回転が、別の遊星歯車57を介して、前記第二の遊星歯車式変速機40の遊星歯車56に伝わり、前記第二の太陽歯車59を介して、前記伝達軸42を回転させる。そして、この伝達軸42の先端部に設けた第三の太陽歯車61と、この太陽歯車61と共に前記第三の遊星歯車式変速機41を構成する第二のリング歯車62及び遊星歯車63、64との噛合に基づき、前記第二のキャリア60及びこの第二のキャリア60に結合した上記出力軸35を、前進方向に回転させる。この状態では、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を増速側に変化させる程、上記出力軸35の回転速度を速くできる。
【0040】
図4は、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比(減速比)と、無段変速装置全体としての速度比との関係を示している。図4の縦軸は、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を、同じく横軸は、排気量が3L程度のエンジンで前記入力軸1を一定回転(5600min-1 )させた場合に於ける理論上の車速(km/h)を、それぞれ表している。この様な図4から明らかな通り、前記低速用クラッチ37aを接続し、前記高速用クラッチ38aの接続を断った状態で、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を0.6程度とする事により、上記入力軸1を回転させた状態のまま、上記出力軸35を停止させる事ができる。又、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を、0.6程度を境にして変化させる事により、車両を前進或は後退させる事ができる。更に、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比が2.2〜2.3程度を境に、上記低速用クラッチ37aの接続を断ち、上記高速用クラッチ38aを接続した状態で、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を増速側に変化させる事により、車両の速度を速くできる。
【0041】
上述の様に構成し作用する無段変速装置を構成する上記トロイダル型無段変速機22aを組み立てる場合には、このトロイダル型無段変速機22aの変速比が0.6程度になる様に、前記各トラニオン7、7の傾斜角度を規制する。即ち、上記低速用クラッチ37aを接続し、上記高速用クラッチ38aの接続を断った状態で、上記入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸35を停止させられる様に、上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を、等速伝達状態よりも少し増速状態にする。そして、前記入力軸1と前記中空回転軸29aとの間の変速比が、上記0.6程度なる値に規制した状態で組み立てた、上記トロイダル型無段変速機22aを、前記第一〜第三の遊星歯車式変速機39〜41と組み合わせて上記無段変速装置を構成する。そして、この無段変速装置を、そのまま車両に搭載する。
【0042】
上記トロイダル型無段変速機22aの変速比を、上記0.6程度なる値に規制した上記無段変速装置の変速比は無限大である。従って、車両を停止させた状態、即ち、前記出力軸35を回転させない状態のまま、エンジンを始動して上記入力軸1を回転させる事ができる。従って、組み立てた状態のままの無段変速装置を搭載した車両のエンジンを始動できる。
【0043】
尚、上述の参考例の場合には、無段変速装置の入力軸1とエンジンのクランクシャフトとの間に発進クラッチを設けない場合に就いて説明した。これに対して、図2〜3に示した様な構造を有する無段変速装置の入力軸とエンジンのクランクシャフトとの間に発進クラッチを設ける事も考えられる。この場合には、本発明の組立方法の様に上記トロイダル型無段変速機22aの変速比の絶対値を、前述の図6或は図8(A)に示す様に1(等速伝達状態)とし、無段変速装置全体としての変速比を、減速前進状態とする。この様に変速比を1とする場合、1対のトラニオン7、7同士の傾斜角度が一致している事を確認し易い他、同期ケーブル20の弛みの有無等の確認を行ない易い。又、この同期ケーブル20に固定した係止駒21、21を目視し易い為、この係止駒21、21に刻印した、同期ケーブル20の種類を表す符号等の確認が容易で、種類の異なる同期ケーブル20を組み付ける等のミスを低減する面から有利である。
【0044】
【発明の効果】
本発明の車両用無段変速装置の組立方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、無段変速装置の組立工数を低減して、この無段変速装置のコスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する参考例となる組立方法の第1例を示す、トロイダル型無段変速機の断面図。
【図2】同第2例を示す、無段変速装置の断面図。
【図3】図2のA部拡大図。
【図4】上記無段変速装置に組み込んだトロイダル型無段変速機の変速比と、出力軸の回転速度との関係を示す線図。
【図5】従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。
【図6】図5のB−B断面図。
【図7】同C−C断面図。
【図8】1対のトラニオンが同期ケーブルを介して同期した状態で傾斜した状態の3例を、図7の下方から見た状態で示す図。
【図9】従来から知られている無段変速装置の1例を示す略断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力歯車
5、5a 出力側ディスク
6 パワーローラ
7 トラニオン
8 支持軸
9 枢軸
10 アクチュエータ
11 支持板
12 制御弁
13 ステッピングモータ
14 スリーブ
15 スプール
16 ピストン
17 ロッド
18 プリセスカム
19 リンク腕
20 同期ケーブル
21 係止駒
22、22a トロイダル型無段変速機
23 遊星歯車式変速機
24 キャリア
25a、25b 遊星歯車素子
26 第一の伝達軸
27a、27b 太陽歯車
28 第二の伝達軸
29、29a 中空回転軸
30 太陽歯車
31 遊星歯車素子
32 リング歯車
33 第二のキャリア
34a、34b 遊星歯車素子
35 出力軸
36 第二のリング歯車
37、37a 低速用クラッチ
38、38a 高速用クラッチ
39 第一の遊星歯車式変速機
40 第二の遊星歯車式変速機
41 第三の遊星歯車式変速機
42 伝達軸
43 連結部材
44 スラスト玉軸受
45 スラストアンギュラ玉軸受
46a、46b 支持板
47a、47b 支持ポスト
48 保持環
49 トーションダンパ
50 駆動軸
51、51a 押圧装置
52 ギヤポンプ
53 第一の太陽歯車
54 第一のキャリア
55 遊星歯車
56 遊星歯車
57 遊星歯車
58 第一のリング歯車
59 第二の太陽歯車
60 第二のキャリア
61 第三の太陽歯車
62 第二のリング歯車
63 遊星歯車
64 遊星歯車
65 ケーシング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used as an automatic transmission for an automobile., Continuously variable transmission incorporating a toroidal continuously variable transmissionWith regard to the improvement of the assembling method, the labor after assembling work is reduced.
[0002]
[Prior art]
The use of a toroidal type continuously variable transmission as shown in FIGS. 5 to 7 as an automatic transmission for automobiles has been studied and implemented in part. This toroidal type continuously variable transmission is called a double cavity type, and supports input-
[0003]
A plurality (usually 2 to 3) of
[0004]
That is, when changing the inclination angle of the
[0005]
Regardless of the number of these
[0006]
The
[0007]
When switching the speed change state, the
[0008]
During operation of the toroidal type continuously variable transmission as described above, one input side disk 2 (to the left in FIGS. 5 and 6) is connected to a loading cam type as shown by a
[0009]
When the rotational speed of the
[0010]
Furthermore, when a toroidal continuously variable transmission configured and operated as described above is incorporated into an actual automobile transmission, it has been proposed to configure a continuously variable transmission in combination with a planetary gear mechanism. . FIG. 9 shows a conventional continuously variable transmission device described in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-220719. This continuously variable transmission comprises a combination of a toroidal type continuously
[0011]
The planetary gear type transmission 23 includes a
[0012]
On the other hand, the
[0013]
In the case of the continuously variable transmission shown in FIG. 9 as described above, in the so-called low speed mode state in which the
[0014]
On the other hand, in the so-called high speed mode state in which the
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
In the assembly process of the toroidal type continuously variable transmission and the continuously variable transmission as described above, it is necessary to hold the
[0016]
On the other hand, a continuously variable transmission that can realize a so-called infinite transmission ratio that stops the
[0017]
First of all, when considering that the continuously variable transmission is implemented without being combined with a starting clutch such as a torque converter, it is necessary to consider to enable the engine of the continuously variable transmission to start. . That is, in order to start the engine of a vehicle equipped with the continuously variable transmission, the transmission ratio of the continuously variable transmission needs to be infinite. Of course, after the assembly of the continuously variable transmission, the
[0018]
Secondly, considering that the continuously variable transmission is implemented in combination with a starting clutch such as a torque converter, the continuously variable transmission is mounted as in the case of the single toroidal continuously variable transmission. It is necessary to make the initial start of the vehicle smooth. For this purpose, it is necessary to set the speed change state of the continuously variable transmission as a whole to a deceleration state. It is preferable from the viewpoint of cost reduction to realize such a deceleration state without performing it in a separate process after the assembly of the continuously variable transmission.
Of the present inventionContinuously variable transmission for vehicleThis assembly method was invented in view of the above-described circumstances.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
A continuously variable transmission for a vehicle which is an object of the assembly method of the present invention is configured.The toroidal continuously variable transmission includes an input side disk and an output side disk, a plurality of power rollers, a plurality of trunnions, and a synchronization mechanism, and is used as a transmission for a vehicle.
Of these, the input-side disk and the output-side disk are supported concentrically so as to be freely rotatable relative to each other.
The power rollers are sandwiched between the disks.
Further, each trunnion is freely swingable and displaceable around pivots provided concentrically with each other at both ends in a state where the respective power rollers are rotatably supported.
The synchronization mechanism is constituted by a synchronization cable, a gear transmission mechanism, or the like, and synchronizes the swing angles of the trunnions around the pivots.
[0021]
Subject to the assembly method of the present inventionA continuously variable transmission for a vehicleAs mentioned aboveCombining a toroidal-type continuously variable transmission, a differential unit, and a clutch mechanism, it is used as a transmission for vehicles.Is done.
Of theseThe differential unit is of a gear type formed by combining a plurality of gears.
The clutch mechanism is for switching between the low speed mode and the high speed mode.
In the low speed mode, the input shaft is controlled by the drive source by adjusting the gear ratio of the toroidal continuously variable transmission and changing the relative displacement speeds of the plurality of gears constituting the differential unit. The rotation state of the output shaft can be converted into forward rotation and reverse rotation with the stop state sandwiched with the rotation in one direction.
In the high speed mode, the transmission gear ratio between the input shaft and the output shaft is changed by changing the transmission gear ratio of the toroidal type continuously variable transmission.
[0023]
Furthermore, the present inventionIn the case of the method of assembling the continuously variable transmission, before assembling the power rollers supported by the trunnions between the input side disk and the output side disk, the inclination angle of each trunnion is set to the low speed. Inclination angle that realizes a deceleration state in which the speed change state between the input shaft and the output shaft can start in the forward direction in the mode stateThe absolute value of the gear ratio between the input side disk and the output side disk is 1And Thereafter, the power rollers supported by the trunnions are assembled between the input side disk and the output side disk.
In addition, like thisAssembly method of the present inventionIn the case of the continuously variable transmission that is the target of the above, in order to enable the engine of the mounted vehicle to be started, a torque converter, an electromagnetic clutch, and the like are provided between the crankshaft of the engine and the input shaft of the continuously variable transmission. It is necessary to provide a starting clutch such as a single plate clutch or a wet multi-plate clutch that is connected or disconnected by an actuator.
[0024]
[Action]
The present invention configured as described above.Continuously variable transmission for vehicleAccording to this assembly method, even when the vehicle is mounted on the vehicle in an assembled state, the vehicle can be started smoothly and the engine of the vehicle can be started. For this reasonContinuously variable transmission for vehicleNo need to adjust the gear ratio after assembly.Continuously variable transmission for vehicleCost reduction.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG.Reference examples related to the present inventionThe 1st example of is shown. FIG. 1 shows a state immediately after assembly of a toroidal continuously variable transmission when a transmission device is configured by a single toroidal continuously variable transmission without being combined with a differential mechanism such as a planetary gear type transmission. ing.This reference exampleIn this case, as shown in FIG. 8B, the
[0026]
The toroidal-type continuously variable transmission assembled as shown in FIG. 1 is combined with other parts as they are, and incorporated in a transmission case and mounted on a vehicle. In this state, the
Since the toroidal continuously variable transmission is in a maximum deceleration state that should be realized when the vehicle starts, the vehicle equipped with the toroidal continuously variable transmission is smoothly started from the beginning. Moreover, in order to adjust the gear ratio of the toroidal-type continuously variable transmission before being mounted on the vehicle after assembly is completed (in order to make it the maximum deceleration state) ) No need to drive. Therefore, the manufacturing cost of the toroidal type continuously variable transmission can be reduced.
[0027]
Next, FIGS.Reference examples related to the present inventionThe 2nd example of is shown. 2 to 3 show the dimensional relationship such as the aspect ratio in the actual dimensional relationship as in the case of the first example described above. 2 and 3, one cavity (a portion between one
[0028]
Of these, the toroidal-type continuously
[0029]
or,This reference exampleIn this case, the ends of a pair of bent wall portions provided at both ends in the longitudinal direction of the
[0030]
Furthermore,This reference exampleIn this case, both axial ends of the
[0031]
The holding rings 48, 48 provided for each cavity and the axially opposite end faces of the
[0032]
In the case of the continuously variable transmission shown in the figure, the base end (the left end in FIG. 2) of the
[0033]
The
[0034]
On the other hand, the tip of the input shaft 1 (the right end of FIGS. 2 to 3) protrudes from the hollow rotary shaft 29a and the input side disk.2This input side disk is provided so as to span the
[0035]
Among the
[0036]
On the other hand, the second carrier 60 for constituting the third planetary
[0037]
Configure as aboveThis reference exampleIn the case of the continuously variable transmission that is the target of the assembly method, the power transmitted from the
[0038]
That is, in this state, the differential component between the
[0039]
Further, in a state where the low speed clutch 37a is disconnected and the high speed clutch 38a is connected, the
[0040]
FIG. 4 shows the relationship between the speed ratio (reduction ratio) of the toroidal-type continuously
[0041]
When assembling the toroidal continuously
[0042]
The transmission ratio of the continuously variable transmission, which controls the transmission ratio of the toroidal type continuously
[0043]
The above mentionedReference exampleIn this case, the case where the starting clutch is not provided between the
[0044]
【The invention's effect】
Of the present inventionContinuously variable transmission for vehicleSince the assembly method of the above is constructed and operates as described above,Continuously variable transmissionReducing the assembly man-hoursThis continuously variable transmissionCost reduction.
[Brief description of the drawings]
[Figure 1]Reference example for the present inventionSectional drawing of the toroidal type continuously variable transmission which shows the 1st example of the assembly method.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a continuously variable transmission, showing the second example.
FIG. 3 is an enlarged view of a part A in FIG. 2;
FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the transmission ratio of the toroidal type continuously variable transmission incorporated in the continuously variable transmission and the rotational speed of the output shaft.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing an example of a conventionally known toroidal continuously variable transmission.
6 is a cross-sectional view taken along the line BB in FIG.
FIG. 7 is a sectional view taken along the line CC.
8 is a diagram showing three examples of a state where a pair of trunnions are tilted in a synchronized state via a synchronization cable, as viewed from below in FIG. 7;
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing an example of a conventionally known continuously variable transmission.
[Explanation of symbols]
1 Input shaft
2 Input disk
3 Ball spline
4 Output gear
5, 5a Output disk
6 Power roller
7 Trunnion
8 Support shaft
9 Axis
10 Actuator
11 Support plate
12 Control valve
13 Stepping motor
14 sleeve
15 spool
16 piston
17 Rod
18 Precess Come
19 Link arm
20 Sync cable
21 Locking piece
22, 22a Toroidal continuously variable transmission
23 Planetary gear type transmission
24 Career
25a, 25b planetary gear elements
26 First transmission shaft
27a, 27b Sun gear
28 Second transmission shaft
29, 29a Hollow rotating shaft
30 sun gear
31 Planetary gear element
32 Ring gear
33 Second career
34a, 34b Planetary gear element
35 Output shaft
36 Second ring gear
37, 37a Low speed clutch
38, 38a High speed clutch
39 First planetary gear type transmission
40 Second planetary gear type transmission
41 Third planetary gear type transmission
42 Transmission shaft
43 Connecting member
44 Thrust ball bearing
45 Thrust angular contact ball bearings
46a, 46b Support plate
47a, 47b Support post
48 Retaining ring
49 Torsion damper
50 Drive shaft
51, 51a Pressing device
52 Gear pump
53 First Sun Gear
54 First career
55 Planetary Gear
56 planetary gear
57 planetary gear
58 First ring gear
59 Second Sun Gear
60 Second career
61 Third Sun Gear
62 Second ring gear
63 Planetary gear
64 Planetary gear
65 casing
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