JP4238296B2 - 回折光学素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回折光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
回折光学素子は入射光を所望の回折次数の回折光に分光する素子であり、分光器や光ピックアップなど様々な光学装置に応用されている。
【0003】
図1は、屈折率nの回折光学素子2に投じられた入射光が、各回折次数に対応した回折光に分光されて、屈折率n’の周辺媒質1から出射される様子を概略的に示した図である。
【0004】
図示のように、回折光は0次光、±1次光、‥、±m次光(mは出射される回折次数を示す自然数)と、複数の回折次数に分光されて出射されている。このときの回折光の出射角度は材質の屈折率や回折光学素子2における周期構造に依存し、数式3の形で表される。また、m次光の回折効率ηmは下記の数式4で示される。
【0005】
n’sinθ1 − nsinθ2 = mλ/Λ … 数式3
ηm = |1/Λ∫exp(2πiΦ(x)|n−n’|/λ/cosθ2)・exp(−2imπx/Λ)dx| … 数式4
ここで、θ1は出射側のm次回折光の回折角度、θ2は入射光の入射角度を示している。また、λは光の波長、Λは回折光学素子2の凹凸周期、Φ(x)は回折光学素子の凹凸を示す断面を示している。
【0006】
回折光学素子は、例えば図示したような鋸歯型の構造を有しており、分光精度を向上させるためにその微細化が進められてきた。特に分光器等に応用される回折光学素子では、高い分光精度、高い回折効率が強く要求されるので、通常数μmオーダーの非常に微細な構造が採用される。
【0007】
図2(a)及び図2(b)は、代表的な回折光学素子の構造を概略的に示した断面図である。図2(a)に示したものは、分光器等に用いられる平板型回折光学素子である。図示のように、平板型回折光学素子は、基板部3と、基板部3上面にブレーズ(Blaze)形状と呼ばれる傾斜面及び起立面を有する断面視略鋸歯型で周期的に形成された凹凸部4とを備えている。上記のように高い分光精度が求められる場合には、各凹凸部4の周期Λを短くすることとなる。
【0008】
一方、図2(b)に示したものは光ピックアップなどに利用されるレンズ型回折光学素子である。図示のように、レンズ型回折光学素子は、基板部31上面に上記と同様のブレーズ(Blaze)形状となる凹凸部41と、レンズ部5とを備えている。凹凸部41の周期Λは、レンズ部5から遠ざかる程短くなっている。レンズ型回折光学素子には、各凹凸部41毎に凹凸部41の周期Λが短くなるタイプのものと、ある領域毎に段階的に凹凸部41の周期Λが短くなっているタイプのものとがあるが、図2(b)には後者を示している。
【0009】
上述したような回折光学素子の構造は、出射された回折光の波長分解精度に影響を及ぼすと共に、回折効率にも影響を及ぼす。
【0010】
図3は、図2(a)に示した回折光学素子について、(a)回折光学素子の周期及び(b)入射光の波長を変化させたときの回折効率の影響を示したグラフである。ここで、回折光学素子の屈折率は1.5としており、図3(a)における入射光の波長は650nm、図3(b)における回折光学素子の周期は1μmである。
【0011】
図3(a)では1次回折効率のみが示されているが、1次回折効率は周期Λが短くなるにつれて低下し、周期Λが2μm以下となる領域では複数のピークを有している。このような現象が起こるのは、回折光学素子内及びその近傍では、光の電磁波としての挙動が顕著になるため、回折光学素子の周期Λが光の波長に近い領域において回折光が回折光学素子の微細構造に直接影響を受けたためと考えられている。
【0012】
図3(b)は回折光学素子の周期が1μmの場合であるため、ここでも回折光学素子の微細構造による影響が示されている。すなわち、図3(b)では、1次回折効率が入射光の波長が短波長になるにつれて低下している。このように、高精度化のために回折光学素子の構造を微細化すると、1次回折効率が入射光の波長に対して低下してしまうという弊害があった。
【0013】
このため、従来、入射角を変更し、又は周期Λを大きくして高次の回折光を利用するなどの手法が用いられていたが、これらは光学装置の仕様を変更することとなり大がかりなものとなる。その上、高次回折光の使用は必ずしも回折効率を増加させることにはならず、また回折効率の入射光の波長への依存性も解消されなかった。
【0014】
一方、別の手法として、回折光学素子の凹凸部4の凹凸高さhを数式5で表される範囲を越えて高くする方法も用いられ、これにより回折効率が幾分改善された。数式5において、λは設計波長、mは回折次数、nは回折光学素子の屈折率、n'は出射側の周辺媒質の屈折率を表している。
【0015】
|m|λ/|n−n’|<h … 数式5
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、凹凸高さhが高くなると切削加工、金型を用いた転写加工のいずれによっても製造が困難となる。特に、レンズ型回折光学素子では凹凸高さhが周期構造に応じて異なるので製造が困難となる。例えば特開平10−244544号公報には、レンズ型回折光学素子において、格子間隔が小さくなる周辺領域での樹脂の入り込み率を考慮した回折光学素子成形用金型が示されている。
【0017】
また、このような構造では光学的性質上、回折光に位相のずれが生じて出射側での光のエネルギー分布が広がってしまい、実質的に回折効率が減少してしまうという問題があった。また、この場合でも回折効率の入射光の波長への依存性は解消されておらず、僅かな波長の変化によって回折効率が低下しうる。
【0018】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、周期Λが短い場合においても光学系の変更や素子表面の凹凸高さhを高くすることなく、高い強度の回折光を発生させ、また回折光学素子の入射光の波長への依存性を改善することができる回折光学素子を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る回折光学素子は、基板部と、該基板部上面に傾斜面及び起立面が交互に形成された断面視略鋸歯型の凹凸部とを備えた回折光学素子であって、前記凹凸部の凹凸の周期Λが、設計波長をλ、周辺媒質の屈折率をn’としたとき、数式1で示される範囲内であり、
λ/n’<Λ≦10λ/n’ … 数式1
前記凹凸部の凹凸高さhが、該凹凸部の屈折率をn、回折次数をmとしたとき、数式2で示される範囲内であり、
0<h≦|m|λ/|n−n’| … 数式2
前記凹凸部が、頂点付近に丸みを帯びた凸部、最下点付近に丸みを帯びた凹部を有し、前記凸部と前記凹部との間の前記傾斜面がなめらかに連続する凹湾部及び凸湾部で形成されていることを特徴としている。
【0020】
回折効率を高めるためには入射光の波長に対する位相に釣り合いをとる必要がある。従来の回折光学素子では、光の電磁波としての挙動が顕著になる前記凹凸部の周期Λが短い領域において、回折効率を高めるための入射光の波長に対する位相に釣り合いがとれなくなっていたが、上記回折光学素子によれば、凹凸部の周期方向に対する基板材質の割合を調節することができるので、位相に釣り合いをとることができ、回折効率を高めることができる。また、上記回折光学素子によれば、傾斜面に丸みを帯びさせることにより反射損失を低減することができ、回折効率を高めることができる。したがって、従来の回折光学素子のように凹凸高さhを高くすることなく、回折効率を向上させることができ、回折光学素子の製造が容易となる。
【0021】
ここで、前記頂点付近の凸部の丸みが、設計波長λを用いて曲率半径0.05λ〜0.35λの範囲内のいずれかの値の丸みであることが望ましい。
【0022】
また、前記最下点付近の凹部の丸みが、設計波長λを用いて曲率半径0.05λ〜0.35λの範囲内のいずれかの値の丸みであることが望ましい。
【0023】
また、前記傾斜面上の凹湾部及び凸湾部の丸みが、設計波長λを用いて曲率半径0.05λ〜0.35λの範囲内のいずれかの値の丸みであることが望ましい。
【0024】
このように凹部、凸部、又は凹湾部及び凸湾部に上記のような曲率を持たせることにより、凹凸部における入射光の散乱、反射或いは吸収をさらに抑え、凹凸部による回折効率をさらに向上させることができる。また、形状がなだらかとなり、回折光学素子の製造がさらに容易となる。
【0025】
また、前記起立面が、前記基板部上面の法線方向に対して2〜10°の範囲内のいずれかのエッジ角度で僅かに傾いていることが望ましい。
【0026】
入射光が前記凹凸部を通過して回折光として出射される過程では、前記凹凸部に局在する屈折率変化が入射光に位相変化をもたらす。前記起立面のエッジ角度を前記基板部上面に対して垂直にすると、前記基板部上面に対して垂直に入射する場合、特定の波長に対する選択性は凹凸高さhのみに依存し、これは特定の波長に対してしか有効でない。
【0027】
これに対し上記回折光学素子によれば、前記基板部上面に対して垂直に入射する場合でも、前記基板部上面に対して平行な方向の位相変化の効果を得ることができ、法線方向に起立している場合に比べて、回折効率を高く維持しつつ波長選択性を向上させることができる。また、回折光学素子の製造が容易となる。
【0028】
また、周期Λの長い前記凹凸部の領域と、周期Λの短い前記凹凸部の領域とを備え、これらの領域の凹凸高さhがほぼ等しい値となっていることが望ましい。
【0029】
本発明によれば、特にレンズ型回折光学素子のように周期が連続的に変化する回折光学素子において、相互の周期間における位相の不揃いによる回折効率の低下や、他次数の回折光の出現を改善することができる。また、通常の鋸歯形状の周期Λが中央部と周辺部とで異なる回折光学素子であっても、高さを一定にして製造を容易にすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図4(a)は、本発明の実施形態に係る回折光学素子の構造を概略的に示した断面図であり、図4(b)は図4(a)に示した凹凸部40の拡大図である。
図示のように、本発明の実施形態に係る回折光学素子は、基板部30と、基板部30上面にブレーズ(Blaze)形状と呼ばれる傾斜面40a及び起立面40bが交互に形成された断面視略鋸歯型の凹凸部40とを備えており、さらに、傾斜面40aと起立面40bとの間の頂点付近に丸みを帯びた凸部50、隣接する凹凸部40間の最下点付近に丸みを帯びた凹部51を有し、凸部50と凹部51との間の傾斜面40aがなめらかに連続する凹湾部52及び凸湾部53で形成されている。
【0032】
このような構成により、光の電磁波としての挙動が顕著になる前記凹凸部の周期Λが短い領域で、凹凸部40における入射光の散乱、反射或いは吸収を抑え、凹凸部40による回折効率を向上させることができる。
【0033】
このような効果が得られる凹凸部40の周期Λは、設計波長をλ、周辺媒質の屈折率をn’としたとき、数式1で示される範囲内で示される。
【0034】
λ/n’<Λ≦10λ/n’ … 数式1
周期Λがこの数式1で定める範囲の上限を超えると、分光精度は低下する。一方、周期Λがこの数式1で定める範囲の下限を越えると回折光は0次光のみとなる。周期Λがこの範囲内であれば、本発明により、凹凸部40の凹凸高さhを、凹凸部40の屈折率をn、回折次数をmとしたとき、数式2で定める範囲内とすることができる。
【0035】
0<h≦|m|λ/|n−n’| … 数式2
この数式2で定める範囲の上限を超えると利用すべきm次の回折光に対して、位相の不揃いが生じ回折効率が低下してしまうので、この範囲内で凹凸高さhを設定する。
【0036】
一方、回折光学素子が、周期Λの長い凹凸部の領域と、周期Λの短い凹凸部の領域とを備えている場合は、周期Λの長い凹凸部の凹凸高さhと周期Λの短い凹凸部の凹凸高さhとが、格子周期Λに関係なく凹凸高さhが数式2を満たし、ほぼ等しい一定値となっていることが望ましい。レンズ型回折光学素子のように複数の周期構造をもつ場合、これにより、周期が連続的に変化する回折光学素子において、相互の周期間における位相の不揃いによる回折効率の低下や、他次数の回折光の出現を改善することができる。また、中央部と周辺部とで周期Λが異なる回折光学素子であっても、従来のように周期Λが短い領域で凹凸高さhを高くすることなく回折効率を向上させることができるので、凹凸高さhを一定にして製造を容易にすることができる。
【0037】
ここで、凸部50、凹部51、凹湾部52及び凸湾部53の丸みは、それぞれ設計波長λを用いて曲率半径0.05λ〜λの範囲内のいずれかの値、より望ましくは曲率半径0.05λ〜0.5λの範囲内のいずれかの値、最も望ましくは曲率半径0.05λ〜0.35λの範囲内のいずれかの値の丸みであることが望ましい。
【0038】
このように凹部又は凸部に上記のような曲率を持たせることにより、凹凸部40における入射光の散乱、反射或いは吸収をさらに抑え、凹凸部40による回折効率をさらに向上させることができる。また、形状がなだらかとなり、回折光学素子の製造がさらに容易となる。
【0039】
また、本実施形態では、起立面40bが、基板部30上面の法線方向に対して2〜10°の範囲内のいずれかのエッジ角度φで僅かに傾いている。
【0040】
エッジ角度が0°の場合、起立面40bは垂直となって波長の選択性が狭くなり、帯域幅は特定波長に対してのみ有効になる。これに対し、エッジ角度が0°より大きい場合、基板水平方向に対して傾きが生じることになり、波長選択性を向上させることができる。このような効果は従来の回折光学素子においても確認されたが、従来の回折光学素子では、回折効率が低下するため実用面で有効でなかった。しかしながら、本発明によれば、丸みを帯びた頂点付近の凸部50及び最下点付近の凹部51並びにこれらの間の凹湾部52及び凸湾部53の最適化を行うことによって回折効率の低下を抑制することが可能となるので、回折効率を高く維持しつつ波長選択性を向上させることができる。
【0041】
このような効果を得るためのエッジ角度φは、0.5〜10°、より望ましくは1〜10°、最も望ましくは2〜10°の範囲内のいずれかの値であることが望ましい。
【0042】
以上、凸部50と凹部51との間の傾斜面40aがなめらかに連続する凹湾部52及び凸湾部53で形成される場合について説明したが、他の実施形態では、傾斜面にさらに他の凹湾部及び凸湾部を追加することもできる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明に係る回折光学素子の実施例について説明する。
【0044】
図5は、本実施例でシミュレートした回折光学素子の凹凸部の一部を示した断面図である。図示した約3周期分の凹凸構造は同一の周期構造である。
【0045】
本実施例では回折光学素子の周期Λを1μm、凹凸高さhを1.3μm、設計波長を650nm、入射光の偏光をTE偏光とした場合を示している。なお、光学素子基板及び出射回折光側の媒質(空気)の屈折率はそれぞれ1.5、1.0とした。
【0046】
この回折光学素子は、基板部下面に対して垂直に光を入射したとき、1次の回折光のエネルギー比率が高くなるように設計されており、550nm〜750nmの領域に対して波長分散を行えるように構成されている。
【0047】
図6は、図5に示した回折光学素子について、(a)入射光の波長及び(b)凹凸高さを変化させたときの回折効率の影響を示したグラフである。このシミュレーションには、電磁波の挙動を厳密に再現するための手法として、厳密結合波解析(Rigorous Coupled Wave Analysis、RCWA)を用いた。なお、比較例として、従来技術に係る単純な鋸歯型形状の回折光学素子についても1次回折光の回折効率を高くするよう最適化した条件で計算を行い、その計算結果を点線で示した。
【0048】
ここで、回折光学素子の屈折率は1.5としており、回折光学素子の周期を1μmとし、図6(a)における、凹凸高さは1.6μm、図6(b)における入射光の波長は650nmである。
【0049】
図6(a)に示したように、本実施例の回折光学素子の1次回折光の回折効率が、従来のものより750nm以下の波長領域で高く、特に短波長側で顕著に高くなっていることがわかる。
【0050】
これは、数式1で表される周期Λの短い領域において、凹凸部の凹凸高さhが周期Λに対して相対的に高くなり傾斜面の傾斜が急になるため、比較例では、この形状による反射損失が生じ、また1次回折光の位相に不揃いが生じたためである。
【0051】
これに対し、本実施例の回折光学素子においては、このような反射損失を低減し、位相の不揃いを解消することができる。それは、凹凸部が連続的に変化するので急速に位相変化が生じる部位がないからであり、また、位相の不揃いを凹凸高さで調整するのではなく、周期方向に対して基板材質の割合で調節することによって、1次回折光が最大値となるように位相分布を調整しているからである。
【0052】
さらに、回折効率の波長依存性に鋭いピークが存在する従来の角度φを0°ではなく、2〜10°とすることにより、帯域波長の領域を広げているからである。
【0053】
図6(b)を参照すると、本実施例の回折光学素子の1次回折効率が、点線で示した従来のものより、低い凹凸高さhで高い回折効率が得られるのがわかる。これは、従来技術では、凹凸高さhを高くすることによって回折効率を向上させていたのに対し、本発明によれば凹凸高さhを高くすることなく、回折効率を向上させることができることを示している。
【0054】
上記実施例では、入射光の偏光方向をTE偏光であると仮定したが、本発明においては、任意の偏光においても同様の作用効果が得られる。また、本実施例の回折光学素子の基板材料は、使用する波長領域において十分な透過性を有する、ガラス、プラスチック、結晶材などの材質であればよい。
【0055】
また、本発明に係る回折光学素子は、半導体製造技術によるリソグラフィ技術(光源が紫外線、X線及び電子ビームなど)や切削加工を用いて製造することができる。特に連続的な形状をもつことから上記技術で原版を作り、金型を製作することによって、プラスチックやガラスなどによる大量生産を目的とする成形に好適である。
【0056】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る回折光学素子によれば、周期Λが短い場合においても光学系の変更や格子の凹凸高さhを高くすることなく、高い強度の回折光を発生させ、また回折光学素子の入射光の波長への依存性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回折光学素子に関する入射光、出射光の状態を概略的に示す説明図である。
【図2】 (a)及び(b)は、代表的な回折光学素子の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】 図2(a)に示した回折光学素子について、(a)回折光学素子の周期及び(b)入射光の波長を変化させたときの回折効率の影響を示すグラフである。
【図4】 (a)は本発明の実施形態に係る回折光学素子の構造を概略的に示す断面図であり、(b)は(a)に示す凹凸部の拡大図である。
【図5】 本発明の実施例としてシミュレートした回折光学素子の凹凸部の一部を示す断面図である。
【図6】 図5に示す回折光学素子について、(a)入射光の波長、及び(b)凹凸部の高さを変化させたときの回折効率の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
30 基板部
40 凹凸部
40a 傾斜面
40b 起立面
50 凸部
51 凹部
52 凹部
53 凸部
Λ 周期
h 凹凸高さ
φ エッジ角度
Claims (2)
- 基板部と、該基板部上面に傾斜面及び起立面が交互に形成された断面視略鋸歯型の凹凸部とを備えた回折光学素子であって、
前記凹凸部の凹凸の周期Λが、設計波長をλ、周辺媒質の屈折率をn’としたとき、数式1で示される範囲内であり、
λ/n’<Λ≦10λ/n’ … 数式1
前記凹凸部の凹凸高さhが、該凹凸部の屈折率をn、回折次数をmとしたとき、数式2で示される範囲内であり、
0<h≦|m|λ/|n−n’| … 数式2
前記基板部の基板面に垂直で前記凹凸が繰り返される方向の断面において、前記凹凸部が、頂点付近に丸みを帯びた凸部、最下点付近に丸みを帯びた凹部を有し、前記凹凸の凹部の最下点と凸部の頂点とを結ぶ、前記傾斜面に対応する曲線が、前記最下点と前記頂点とを結ぶ直線に比較して、前記最下点および前記頂点付近の傾きが緩やかになるように、前記最下点から前記頂点の方向に、順に変曲点、凸湾部、変曲点、凹湾部および変曲点を含むことを特徴とする回折光学素子。 - 周期Λの長い前記凹凸部の領域と、周期Λの短い前記凹凸部の領域とを備え、これらの領域の凹凸高さhがほぼ等しい値となっていることを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
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