JP4237855B2 - Magnetic field sensor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部磁界の変化を電気信号に変換する磁界センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁界センサは、外部磁界の変化を電気信号に変換する素子であり、強磁性体や半導体薄膜等の磁界検出膜をパターニングし、そのパターンに電流を流し電圧変化として外部磁界の変化を電気信号に変換するものである。
【0003】
例えば、強磁性磁気抵抗効果センサは、強磁性体金属の電気抵抗が外部磁界により変化する現象(磁気抵抗効果、MR効果)を利用して磁界強度を測定する。単層膜では古くから知られている強磁性体金属膜の磁気異方性磁気抵抗効果(以下、単にAMR効果と呼ぶ)を利用していたが、最近では、例えば特開平5−259530号公報に開示されているように、多層構造からなる膜による結合型巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を用いたセンサも開発されている。GMR効果はその名が示すようにAMR効果に比べ磁気抵抗の変化率が極めて大きい。
【0004】
ところで、巨大磁気抵抗効果膜は、一般に、▲1▼(強磁性体/非磁性導電体)構造のアンチフェロ(結合)型、▲2▼(高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低保磁力強磁性体)構造の誘導フェリ(非結合)型、▲3▼(反強磁性体/強磁性体/非磁性導電体/強磁性体)構造のスピンバルブ型、▲4▼Co/Ag系統の非固溶系グラニュラー型に大別される。
【0005】
これらの巨大磁気抵抗効果膜はその構造、組成により検出可能な磁界強度、すなわち磁気抵抗効果の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(Fe/Cr)系アンチフェロ型では10KOe以上、(CoNiFe/Cu)系アンチフェロ型では0.1から1KOeまで、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導フェリ型では5から20Oe程度、(FeMn/NiFe/Cu/NiFe)系スピンバルブ型では数Oe、そしてグラニュラー型では100から5KOe程度までの磁界検出が可能である。磁界感度は、最大磁気抵抗変化率を飽和磁界強度で割り算したものであり、最大磁気抵抗変化率が大きくても、飽和磁界が大きい場合には磁界感度は悪い。反対に、最大磁気抵抗変化率が小さくても、飽和磁界が非常に小さい場合には磁界感度は良い。このため、検出すべき磁界強度により最高の磁界感度が得られるように、構造を最適化し、一般的には飽和磁界強度を小さくする必要がある。
【0006】
GMR効果を示す磁性膜においては、抵抗変化が磁界と電流の相対角度によらず等方的であるため、例えば特開平7−77531号公報に開示されているようにすべてのストライプ状磁性膜の長手方向を同じ方向に向けて、その長手方向と平行に信号磁界を印加することにより、形状異方性の効果に基づき飽和磁界を低減させることができる。このようにして飽和磁界を低減させることにより、磁界センサの感度(MR変化率/飽和磁界)を向上させることができ、被検出体である着磁体から検出素子までの距離(ギャップ)を大きくすることができる。
【0007】
図4には、特開平7−77531号公報に提案されている従来の検出素子パターン(検出素子パターンAと称す)が示されており、さらに図5には、他の従来の一般的な検出素子パターン(検出素子パターンBと称す)が示されている。これらの図面において、外部から印加される磁界は共に図面の右方から左方への矢印Hで示されており、符号100は検出素子部分、符号110,111,112は電極を示している。図6は、こららの従来の検出素子パターンAおよびBに対し、それぞれ外部から磁界を印加した場合の検出素子パターンAの磁気抵抗曲線および検出素子パターンBの磁気抵抗曲線を示したものである。
【0008】
図6に示されるように巨大磁気抵抗効果を示す素子の感磁パターン形状において、検出素子パターンA(図4)の方が検出素子パターンB(図5)よりも外部磁界に対して反磁界の影響が少ないために飽和磁界が小さくなる。従って、検出素子パターンA(図4)の方が磁界感度が高くなる。なお、図4において、ストライプ状感磁パターン100の接続部105(引き回し部)は、線幅が大きいために感磁パターン部全体の抵抗に対する寄与は極めて小さくその抵抗は無視できる程度のものである。
【0009】
このような検出素子パターンを持つセンサ200や201は、例えば図7に示されるように磁極間ピッチPで周期的に着磁されたディスク状の回転する被検出体300を検出するために、磁気抵抗効果素子をP/2の間隔で被検出体との関係で所定のギャップ(素子と被検出体との間隙)のもとに配置される。図8には、図7に示される配置状態で、検出素子パターンAおよび検出素子パターンBについてそれぞれ測定されたギャップ特性(ギャップ間隙と出力との関係)を示すグラフが描かれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示される各々のグラフによれば、検出素子パターンA(図4)の場合、磁界感度が高いためにギャップが増大しても出力が低下しにくいというメリットがある。しかしながら、飽和磁界が小さいために、ギャップが小さい場合に検出素子が磁化飽和してしてしまい出力が低下すると同時に出力波形が歪んでしまうという不都合が生じる。この一方で、検出素子パターンB(図5)の場合、飽和磁界が大きいためにギャップが小さい領域でも出力が低下しにくいというメリットがあるものの、磁界感度が小さいためにギャップが大きくなると出力が小さくなる傾向が生じる。このような事情を考慮しつつ図8には、このような2種の検出素子パターンA,Bにおけるギャップ許容範囲、すなわち、外部から印加される磁界を検出できる範囲も同時に示しており、図8に示されるギャップ許容範囲は、測定できるギャップ位置がずれるものの、検出素子パターンAおよびBの間で許容範囲そのもののに差異はない。すなわち、特開平7−77531号公報に提案されている検出素子パターンAがギャップ許容範囲を拡大させるという効果は、特に顕著なものではない(優位性はない)と言える。このように従来提案されている各々の検出素子パターンのギャップ許容範囲は、決して大きなものではない。そのためアセンブリの際に精度の高いギャップ調整が必要となり、工数の増大に伴うコストアップが生じる。また、機械的振動等が原因で、検出素子と被検出体である回転着磁体とのギャップが大きく変動した場合には、ギャップ許容範囲が狭いために出力が検出限界を下回ったり、あるいは出力波形が歪むといった問題も生じる。
【0011】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、ギャップ許容範囲を大幅に改善させ、アセンブリが簡易に行え、検出素子と被検出体とのギャップが多少変動したとしも、確実な検出を行ない得る磁界センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、磁界検出のための磁界センサ感磁部として作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上に備えてなる磁界センサであって、前記巨大磁気抵抗効果膜は、線体で描かれるパターン形状をなし、前記パターン形状は、被検出体からの信号磁界方向に対して、長手方向が実質的に平行に配置された平行矩形感磁部分と、被検出体からの外部磁界方向に対して、長手方向が実質的に直交するように配置された直交矩形感磁部分とを備え、前記平行矩形感磁部分は複数存在し、平行感磁グループとして一定エリア内に集合的に配置され、前記直交矩形感磁部分は複数存在し、直交感磁グループとして一定エリア内に集合的に配置され、前記平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であり、前記平行矩形感磁部分および前記直交矩形感磁部分のアスペクト比は、それぞれ、8〜1000の範囲内で、かつ、前記平行感磁グループにおける平行矩形感磁部分の長手方向と平行に外部磁界を印加した場合の飽和磁界HK1と、前記直交感磁グループにおける直交矩形感磁部分の長手方向と直角に外部磁界を印加した場合の飽和磁界HK2との比(HK2/HK1)が、1.5倍より大きい値となるように設定されてなるように構成される。
【0016】
また、本発明の磁界センサの好適な態様として、前記巨大磁気抵抗効果膜は、厚さ10nm以下の薄膜が多層に積層されてなるように構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本発明の磁界センサ1の好適な実施の形態を示す平面図である。図1に示されるように本発明の磁界センサ1は、基板5(図面上基板の枠は記載されていない)の上に、線体で所定のパターン形状10’に形成された巨大磁気抵抗効果膜10を備えている。本発明でいう『線体』とは、長さはもちろんのこと、幅および厚さをも備えている線状のものを言う。
【0019】
本発明における巨大磁気抵抗効果膜10は、磁界センサ感磁部として作用する膜であり、好適な実施の形態として図1に示されるように、平行感磁グループ110と、直交感磁グループ150と、を備えて構成されている。
【0020】
平行感磁グループ110は、被検出体からの信号磁界方向(矢印α方向)に対して、長手方向が実質的に平行に配置された複数の平行矩形感磁部分11を有し、通常、隣接する平行矩形感磁部分11の端部11a同士は、引き回し部20により接続されている。この引き回し部20は、平行矩形感磁部分11の線幅に比べて線幅が極端に大きく設定されており、感磁パターン部全体の抵抗に対する寄与は極めて小さくその抵抗は無視できる程度のものである。なお、平行矩形感磁部分11と引き回し部20は、同じ材料でも良いが、非感磁性導体であるCu,Al,Au等の公知の材料で形成することが好ましい。また、図1において引き回し部20は、平行矩形感磁部分11の端部11a同士を略直線的に接合させているが、これに限らず適当な湾曲線で接合させてもよい。
【0021】
直交感磁グループ150は、被検出体からの信号磁界方向(矢印α方向)に対して、長手方向が実質的に直交するように配置された複数の直交矩形感磁部分15を有し、通常、隣接する直交矩形感磁部分15の端部15a同士は、引き回し部20により接続されている。この引き回し部20についての説明は、すでに上述した通りである。
【0022】
また、上記の説明において、『実質的に平行』および『実質的に直交』とは、本発明における作用効果が有効に発現できる程度の『平行』関係および『直交』関係を意味する。
【0023】
本発明においては、上記平行感磁グループ110内に存在する平行矩形感磁部分11のトータル(総和)の抵抗値R1 が、磁界センサ感磁部全体(巨大磁気抵抗効果膜の全体が磁界センサ感磁部として作用するならば、巨大磁気抵抗効果膜の全体)の抵抗値R0 の30〜70%、より好ましくは、45〜55%となるように設定される。この関係を数式で示すと、R1 /R0 =0.3〜0.7となる。このR1 値が占める割合が30%未満となったり、70%を超えたりすると、本発明の顕著なギャップ許容範囲の拡大の効果が発現しなくなってしまう。
【0024】
平行感磁グループ110内に存在する平行矩形感磁部分11のトータル(総和)の抵抗値R1 が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値R0 の約50%である検出素子パターンの磁気抵抗曲線が図2の中で実線で示される。なお、参考のために、前述した検出素子パターンA,Bにおける磁気抵抗曲線も併記してある。
【0025】
図2に示されるように本発明における検出素子パターンとすることにより、磁界感度が高く、かつ飽和磁界が大きいというこれまでには得られなかった磁気抵抗曲線が実現できることがわかる。
【0026】
なお、平行矩形感磁部分11のトータル(総和)の抵抗割合を上記範囲に設定する本発明では、後述する実験例からわかるように従来のギャップ許容幅を約1.5倍程度も拡大できるものであり、効果の顕著性は明らかである。
【0027】
また、図1において、平行矩形感磁部分11のアスペクト比(矩形の長さL1 /矩形の幅d1 )および直交矩形感磁部分15のアスペクト比(矩形の長さL2 /矩形の幅d2 )は、それぞれ、8〜1000の範囲内に設定される。この場合、もちろん平行矩形感磁部分11のアスペクト比と直交矩形感磁部分15のアスペクト比は同一でも異なっていてもよい。また、平行矩形感磁部分11の中や直交矩形感磁部分15の中で、例えば線幅のみを変えて異なるアスペクト比を持たせることもできる。
【0028】
アスペクト比を、8〜1000の範囲内に設定することにより、平行感磁グループ110における平行矩形感磁部分11の長手方向と平行に外部磁界を印加した場合の飽和磁界Hk1と、直交感磁グループ150における直交矩形感磁部分15の長手方向と直角に外部磁界を印加した場合の飽和磁界Hk2との比(Hk2/Hk1)を1.5倍より大きくすることが可能となり、ギャップ特性を大幅に改善することができるのである。
【0029】
また、本発明においては、平行矩形感磁部分11と直交矩形感磁部分15とを交互に接続した、いわゆる矩形波形状のパターン形状としてもよいが、巨大磁気抵抗効果膜10のパターン占有面積を小さくして、素子そのものをコンパクトにするためには、図1に示されるように巨大磁気抵抗効果膜10を平行感磁グループ110と、直交感磁グループ150とに分けて、これらの各グループ毎に複数の所定の矩形パターン11および15を一定エリア内に集合的に配置させ形成させることが望ましい。
【0030】
また、本発明におけるパターンは、略半円状や略半楕円形状を交互につなぎ合わせた蛇行形状とすることも可能であるが(この場合、平行矩形感磁部分11はなだらかな湾曲部分における平行ベクトル成分として換算することができる)、この場合もやはり巨大磁気抵抗効果膜10のパターン占有面積を小さくして、素子そのもののコンパクト化を図ることが難しい。
【0031】
ところで、図1において1対の巨大磁気抵抗効果膜10は、被検出体の磁極間ピッチをPとした場合、例えばP/2の間隔で配置されるとともに、これらは出力検出電極40で連結され、さらに、1対の巨大磁気抵抗効果膜10の下端部には、定電圧印加電極41、グラウンド電極42が配置される。そして、出力検出電極40とグラウンド電極42との電位差を信号として検出すると、被検出体と検出素子との相対位置関係の変化に応じて電位差も変化する。これらの電極は、通常、ハンダ付け、ワイヤーボンディング等により外部回路との接合が行われる。なお、上記の実施の形態では、巨大磁気抵抗効果膜10のパターンが直列に接続されている場合を示したが、電気的に接続されていれば並列に接続されていてもかまわない。
【0032】
本発明で用いられる磁界検出用の巨大磁気抵抗効果膜10(磁性膜)は、金属人工格子(藤森啓安、アグネ技術センター、1995年発行)347ページに紹介されているように、強磁性体膜と非磁性体膜との多層膜であり、その多層膜の界面散乱変化により抵抗が変化する現象を利用することが特に好ましい。
【0033】
巨大磁気抵抗効果膜としては、▲1▼(強磁性体/非磁性導電体)構造のアンチフェロ(結合)型、▲2▼(高保磁力強磁性体/非磁性導電体/低保磁力強磁性体)構造の誘導フェリ(非結合)型、▲3▼(半強磁性体/強磁性体/非磁性導電体/強磁性体)構造のスピンバルブ型、▲4▼Co/Ag系統の非固溶系グラニュラー型に大別される。
【0034】
これらの各巨大磁気抵抗効果膜は、その構造や組成により、検出可能な磁界強度、すなわち、磁気抵抗効果の飽和磁界強度が大きく異なる。例えば、(Fe/Cr)系アンチフェロ型では10KOe以上、(CoNiFe/Cu)系アンチフェロ型では、0.1Oeから1KOe、(NiFe/Cu/Co/Cu)系誘導フェリ型では、5Oeから20Oe程度、(FeMn/NiFe/Cu/NiFe)系スピンバルブ型では、数Oe、そして、グラニュラー型では100Oeから5KOe程度までの磁界検出が可能である。
【0035】
本発明における好ましい巨大磁気抵抗効果膜の構造としては、(Co/Cu), (NiFe/Cu), (NiFeCo/Cu), (CoFe/Cu), (NiFeCo/Cu/Co/Cu), (NiFe/Cu/Co/Cu), (CoFe/Cu/NiFe/Cu) 等の構造を5回以上繰り返して成膜した多層膜構造である。これらの多層膜構造を有する巨大磁気抵抗効果膜においては最も薄い層の層厚が10nm以下であることが好ましく、特に好ましくは3nm以下である。最も薄い層の層厚が10nmを越えると高いMR変化率が得られにくくなるという傾向が生じる。
【0036】
このような巨大磁気抵抗効果膜(磁性膜)は、真空成膜法、例えば、蒸着法、スパッタ法などにより成膜される。より具体的には、基板5の全面に巨大磁気抵抗効果膜を成膜した後、所望のパターン形状にパターニングして磁界検出用の磁気抵抗効果素子とし、さらに、この膜に接合され電流を流すための電極40,41,42を所定のパターンに形成する。電極は、磁気抵抗効果膜である磁性膜部分に比べて小さな抵抗を有することが重要である。このため導電体電極膜は、導電性の高い金属、例えば銅、金、アルミニウム等を用いて比較的厚い仕様、例えば、0.3から5.0μmの厚さに成膜される。電極の形成には、真空成膜法に加えて湿式成膜法も利用可能である。また、最初に、電極の導電層を形成してから巨大磁気抵抗効果膜パターンを形成しても差し支えない。
【0037】
また、このように磁気抵抗効果素子パターンおよび電極を個別に異種の材料から構成するのではなくて、これらををすべて同一材質から一体的に形成(成膜)させてもよい。ただし、この場合には巨大磁気抵抗効果膜および電極の各々の機能が発揮できる範囲内での同一材質とすることが必要である。磁性膜の部分は感磁パターン部であり、電極の部分は、感磁パターン部である必要はない。そこで、感磁パターン部と電極の電流密度を変化させるために、電極の幅は感磁パターン部の幅よりも広く設計される。すなわち、同一材質で構成されたパターンの両端部分の幅を広くすることで電極としての機能を付与できる。同一材質から構成することにより、1回のパターニング工程で感磁部分である巨大磁気抵抗効果膜と電極が同時に形成でき、極めて高い生産性を実現することができる。
【0038】
巨大磁気抵抗効果素子は、一般に、200nm以下の薄膜として形成されるために、使用環境における耐食性が問題となることが多い。このため、少なくとも巨大磁気抵抗効果膜の上層に保護膜を設け、周囲の雰囲気から巨大磁気抵抗効果膜を保護することが好ましい。保護膜の材質としては、SiO2 やAl2 O3 等の無機材料や、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂等の有機材料を用いることが好ましい。
【0039】
本発明に用いられる基板5の材質は、特に制限されるものではなく、ガラス、シリコン、セラミック等の無機系のものや、樹脂等の有機系のものいずれを用いてもよい。これらのなかでは特に、いわゆる可撓性に優れ、薄くて軽いものを用いることが好ましく、例えば、印刷配線板等として広く使用されているプラスチックフィルムと同様の基板が好適に使用できる。より具体的には、プラスチックフィルム材質として公知の各種の材料、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリポロピレン(PP)、テフロン等が利用可能である。なかでも特に、導電体電極膜の端部でのハンダによる接合を考慮して、耐熱性の高いポリイミドフィルムを用いるのが好ましい。
【0040】
本発明の磁界センサに用いられる基板5の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、500μm以下が好ましく、特に好ましくは100μm以下(1〜100μm)である。
【0041】
図3には、本発明の磁界センサ1の使用例の一例が示される。図3に示される磁界センサ1は、回転着磁体300の回転速度を非接触で検出するためにギャップGの距離を離して設置される。回転着磁体300は、この例では、円盤形状をなし、その周側面には図示のごとくN−S極が交互に着磁されている。この場合、磁界センサ(基板5と巨大磁気抵抗効果膜100)は、図3に示される回転着磁体300の周側面の曲率に合わせて(基板を曲げて)曲率を付けておくことにより、高精度な検出が可能になる。この点を考慮し、基板5は、可撓性に優れる樹脂基板を用いることが好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0043】
(実施例1)
3インチ径、厚さ50μmのポリイミド基板を準備した。この基板をアルミ製の基板固定台に取りつけた後、イオンビームスパッタ装置にて、100Å−Ti(15Å−NiFeCo/20Å−Cu)×20の多層GMR膜を成膜した。基板固定台は、温度25℃に制御された循環冷却水(流量5リットル/分)により冷却させた。ここで膜構造は最初に100ÅのTi、次に15ÅのNiFeCo合金と20ÅのCuを順に各々20層づつ積層した全厚800Åの多層膜である。なお、密着性を向上させるために、GMR膜を成膜する前に、アルゴンイオンにより基板表面のイオンミリングを行った。用いたターゲットはいずれも純度99.9%以上のターゲット組成とし、到達圧力として4×10-7Torrまで真空引きした後にアルゴンガスを導入し、成膜中の真空度は1.4×10-4Torrとした。成膜時のアルゴンイオンの加速電圧は300V、ビーム電流(アルゴンイオン量に比例)は30mA、NiFeCoおよびCuの平均成膜速度(rate)は、0.03nm/secであった。
【0044】
成膜後、フォトリソグラフィ手法により感磁部である巨大磁気抵抗効果膜のパターンを形成した。パターン形状は、下記表1に示されるように図1相当のもの(実施例)、図4相当のもの(比較例1)、および図5相当のもの(比較例2)とした。各パターン形状における1対の巨大磁気抵抗効果膜10の配置間隔(P/2)は、150μmとした。
【0045】
なお、図1相当のもの(実施例)については、平行矩形感磁部分11および直交矩形感磁部分15のアスペクト比(矩形の長さ/矩形の幅)を、それぞれ10および100とし(ただし線幅はそれぞれ4μm)、平行矩形感磁部分11の構成本数のみを変えて、平行矩形感磁部分11のトータルの抵抗値R1 の割合を表1に示されるごとく種々変えた実施例サンプルを作製した(実施例1〜3)。
【0046】
このような各磁界センサのサンプルを、図3に示されるような回転着磁体(フェライト磁石製、着磁ピッチ:P=300μm)に対向するように配置し、ギャップ特性(ギャップと出力の関係)に基づくギャップ許容範囲およびギャップ許容幅を評価した。これらの評価事項は、1対の素子の両端に5V印加し、中点での出力交流電圧が30mV以上得られる領域をギャップ許容範囲とし、その絶対幅の値をギャップ許容幅とした。
【0047】
結果を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、磁界検出のための磁界センサ感磁部として作用する巨大磁気抵抗効果膜を基板の上に備えてなる磁界センサであって、前記巨大磁気抵抗効果膜は、線体で描かれるパターン形状をなし、当該パターン形状は、被検出体からの信号磁界方向に対して、長手方向が実質的に平行に配置された平行矩形感磁部分を有し、当該平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であるように構成されているので、ギャップ許容範囲を大幅に改善させることができ(ちなみに、従来の約1.5倍)、アセンブリが簡易に行え、しかも検出素子と被検出体とのギャップが多少変動したとしも、確実な検出が行なえるという極めて優れた効果が発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁界センサの好適な実施の一形態としての平面図である。
【図2】本発明の磁界センサにおける、磁界強度(外部磁界)とMR変化率との関係をしめすグラフである。
【図3】本発明の磁界センサの使用例の一例を示す斜視図である。
【図4】従来の磁界センサの、特に感磁パターンを示す平面図である。
【図5】従来の磁界センサの、特に感磁パターンを示す平面図である。
【図6】従来の磁界センサにおける、磁界強度(外部磁界)とMR変化率との関係をしめすグラフである。
【図7】従来の磁界センサを用いた使用例を示す斜視図である。
【図8】従来の磁界センサを用いて回転被検出からの信号磁界を検出した場合におけるギャップと出力との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…磁界センサ
5…基板
10…巨大磁気抵抗効果膜
11…平行矩形感磁部分
15…直交矩形感磁部分
110…平行感磁グループ
150…直交感磁グループ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic field sensor that converts an external magnetic field change into an electrical signal.
[0002]
[Prior art]
A magnetic field sensor is an element that converts a change in an external magnetic field into an electrical signal. Patterning a magnetic field detection film such as a ferromagnetic material or a semiconductor thin film, a current is passed through the pattern to convert the change in the external magnetic field into an electrical signal. To convert.
[0003]
For example, a ferromagnetic magnetoresistive sensor measures the magnetic field strength using a phenomenon (magnetoresistance effect, MR effect) in which the electrical resistance of a ferromagnetic metal changes due to an external magnetic field. The single-layer film utilizes the magnetic anisotropic magnetoresistive effect (hereinafter simply referred to as the AMR effect) of a ferromagnetic metal film that has been known for a long time, but recently, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 5-259530 As disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-209, a sensor using a coupled giant magnetoresistance effect (GMR effect) using a film having a multilayer structure has also been developed. As the name suggests, the GMR effect has a much higher rate of change in magnetoresistance than the AMR effect.
[0004]
By the way, the giant magnetoresistive film generally has an antiferro (coupled) type of (1) (ferromagnetic / nonmagnetic conductor) structure, and (2) (high coercivity ferromagnetic / nonmagnetic conductor / low maintenance). Inductive ferrimagnetic (non-coupled) type with magnetic ferromagnet), spin valve type with (3) (antiferromagnetic / ferromagnetic / nonmagnetic conductor / ferromagnetic) structure, and (4) Co / Ag system It is roughly divided into the non-solid granular type.
[0005]
These giant magnetoresistive films differ greatly in detectable magnetic field strength, that is, the saturation magnetic field strength of the magnetoresistive effect, depending on the structure and composition. For example, (Fe / Cr) antiferro type is 10 KOe or more, (CoNiFe / Cu) type antiferro type is 0.1 to 1 KOe, (NiFe / Cu / Co / Cu) type ferri type is about 5 to 20 Oe. In the (FeMn / NiFe / Cu / NiFe) system spin valve type, a magnetic field can be detected from several Oe, and in the granular type, from about 100 to 5 KOe. The magnetic field sensitivity is obtained by dividing the maximum magnetoresistance change rate by the saturation magnetic field strength. Even if the maximum magnetoresistance change rate is large, the magnetic field sensitivity is poor when the saturation magnetic field is large. Conversely, even if the maximum magnetoresistance change rate is small, the magnetic field sensitivity is good when the saturation magnetic field is very small. For this reason, it is necessary to optimize the structure and generally reduce the saturation magnetic field strength so that the highest magnetic field sensitivity can be obtained depending on the magnetic field strength to be detected.
[0006]
In the magnetic film exhibiting the GMR effect, the resistance change is isotropic regardless of the relative angle between the magnetic field and the current. For example, as disclosed in JP-A-7-77531, all stripe-shaped magnetic films The saturation magnetic field can be reduced based on the effect of shape anisotropy by applying the signal magnetic field in parallel with the longitudinal direction in the same direction. By reducing the saturation magnetic field in this way, the sensitivity (MR change rate / saturation magnetic field) of the magnetic field sensor can be improved, and the distance (gap) from the magnetized body that is the detection target to the detection element is increased. be able to.
[0007]
4 shows a conventional detection element pattern (referred to as detection element pattern A) proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 7-77531, and FIG. 5 shows another conventional general detection. An element pattern (referred to as detection element pattern B) is shown. In these drawings, both externally applied magnetic fields are indicated by arrows H from the right to the left of the drawings.
[0008]
As shown in FIG. 6, in the magnetosensitive pattern shape of the element exhibiting a giant magnetoresistive effect, the detection element pattern A (FIG. 4) is more demagnetized than the detection element pattern B (FIG. 5). Since the influence is small, the saturation magnetic field is small. Therefore, the detection element pattern A (FIG. 4) has higher magnetic field sensitivity. In FIG. 4, the connecting portion 105 (leading portion) of the stripe-shaped
[0009]
The
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
According to each graph shown in FIG. 8, in the case of the detection element pattern A (FIG. 4), since the magnetic field sensitivity is high, there is an advantage that the output is not easily lowered even if the gap is increased. However, since the saturation magnetic field is small, when the gap is small, the detection element is magnetized and saturated, which causes a disadvantage that the output is reduced and the output waveform is distorted at the same time. On the other hand, in the case of the detection element pattern B (FIG. 5), although the saturation magnetic field is large, there is an advantage that the output is not easily lowered even in a region where the gap is small, but the output is small when the gap is large because the magnetic field sensitivity is small. Tend to occur. In consideration of such circumstances, FIG. 8 also shows a gap allowable range in such two types of detection element patterns A and B, that is, a range in which a magnetic field applied from the outside can be detected. In the gap tolerance range shown in Fig. 5, although the measurable gap position is shifted, there is no difference in the tolerance range itself between the detection element patterns A and B. That is, it can be said that the effect that the detection element pattern A proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 7-77531 enlarges the gap allowable range is not particularly remarkable (no advantage). As described above, the allowable gap range of each detection element pattern conventionally proposed is not large at all. Therefore, it is necessary to adjust the gap with high accuracy at the time of assembly, resulting in an increase in cost due to an increase in man-hours. In addition, when the gap between the detection element and the rotating magnetized body, which is the detected object, fluctuates significantly due to mechanical vibrations, the output is below the detection limit due to the narrow gap tolerance, or the output waveform There is also a problem of distortion.
[0011]
The present invention has been devised under such circumstances, and its purpose is to greatly improve the gap tolerance, simplify the assembly, and the gap between the detection element and the detected object varies slightly. Even if it does, it is providing the magnetic field sensor which can perform a reliable detection.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the present invention is a magnetic field sensor comprising a giant magnetoresistive film that acts as a magnetic field sensing part for detecting a magnetic field on a substrate. The effect film has a pattern shape drawn by a linear body, and the pattern shape includes a parallel rectangular magnetosensitive portion whose longitudinal direction is substantially parallel to the direction of the signal magnetic field from the detection target, An orthogonal rectangular magnetosensitive part arranged so that the longitudinal direction is substantially orthogonal to the direction of the external magnetic field from the detection body. There are a plurality of orthogonal rectangular magnetosensitive parts arranged in an area, and arranged in a fixed area as an orthogonal magnetosensitive group, and the total resistance value of the parallel rectangular magnetosensitive parts is a magnetic field sensor. Resistance of the entire magnetosensitive part 30 to 70%, and the aspect ratios of the parallel rectangular magnetosensitive portion and the orthogonal rectangular magnetosensitive portion are within the range of 8 to 1000, respectively, and the parallel rectangular magnetosensitive portion of the parallel magnetosensitive group Ratio of saturation magnetic field H K1 when an external magnetic field is applied parallel to the longitudinal direction and saturation magnetic field H K2 when an external magnetic field is applied perpendicular to the longitudinal direction of the orthogonal rectangular magnetic sensing portion in the orthogonal magnetic sensing group ( (H K2 / H K1 ) is set to be a value larger than 1.5 times.
[0016]
As a preferred embodiment of the magnetic field sensor of the present invention, the giant magnetoresistive film is configured such that thin films having a thickness of 10 nm or less are laminated in multiple layers.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, preferred embodiments of the invention will be described with reference to the drawings.
[0018]
FIG. 1 is a plan view showing a preferred embodiment of a
[0019]
The
[0020]
The parallel
[0021]
The orthogonal
[0022]
In the above description, “substantially parallel” and “substantially orthogonal” mean a “parallel” relationship and an “orthogonal” relationship to the extent that the effects of the present invention can be effectively expressed.
[0023]
In the present invention, the total resistance R 1 of the parallel rectangular
[0024]
Magnetoresistance of the detection element pattern in which the total (total) resistance value R 1 of the parallel rectangular
[0025]
As shown in FIG. 2, it can be seen that by using the detection element pattern according to the present invention, a magnetoresistive curve, which has not been obtained so far, has a high magnetic field sensitivity and a large saturation magnetic field.
[0026]
In the present invention in which the total (total) resistance ratio of the parallel rectangular
[0027]
Further, in FIG. 1, the parallel aspect ratio of the rectangular sensing section min 11 (rectangle length L 1 / rectangle width d 1) and the aspect ratio of the orthogonal rectangular magnetic sensitivity min 15 (rectangle length L 2 / rectangular width d 2 ) is set in the range of 8 to 1000, respectively. In this case, of course, the aspect ratio of the parallel rectangular
[0028]
By setting the aspect ratio within the range of 8 to 1000, the saturation magnetic field H k1 when an external magnetic field is applied in parallel to the longitudinal direction of the parallel rectangular magnetic
[0029]
Further, in the present invention, a so-called rectangular wave-shaped pattern shape in which the parallel rectangular
[0030]
The pattern according to the present invention may have a meandering shape in which a substantially semicircular shape or a substantially semielliptical shape is alternately connected (in this case, the parallel rectangular magnetically
[0031]
By the way, in FIG. 1, a pair of giant
[0032]
The giant magnetoresistive film 10 (magnetic film) for magnetic field detection used in the present invention is a ferromagnetic film as introduced on page 347 of a metal artificial lattice (Keiyasu Fujimori, Agne Technology Center, 1995). It is particularly preferable to utilize a phenomenon in which the resistance changes due to a change in interface scattering of the multilayer film.
[0033]
The giant magnetoresistive film includes (1) (ferromagnetic / nonmagnetic conductor) structure antiferro (coupled) type, (2) (high coercivity ferromagnetic / nonmagnetic conductor / low coercivity ferromagnetic) Body) Inductive ferri (non-bonded) type structure, (3) (semi-ferromagnetic material / ferromagnetic material / non-magnetic conductor / ferromagnetic material) spin valve type structure, (4) non-solid Co / Ag family Broadly divided into granular granular types.
[0034]
These giant magnetoresistive films differ greatly in detectable magnetic field strength, that is, saturation magnetic field strength of the magnetoresistive effect, depending on the structure and composition. For example, the (Fe / Cr) antiferro type is 10 KOe or more, the (CoNiFe / Cu) type antiferro type is 0.1 Oe to 1 KOe, and the (NiFe / Cu / Co / Cu) type induced ferri type is 5 Oe to 20 Oe. In the (FeMn / NiFe / Cu / NiFe) type spin valve type, it is possible to detect a magnetic field from several Oe, and in the granular type, from about 100 Oe to about 5 KOe.
[0035]
Preferred structures of the giant magnetoresistive film in the present invention include (Co / Cu), (NiFe / Cu), (NiFeCo / Cu), (CoFe / Cu), (NiFeCo / Cu / Co / Cu), (NiFe / Cu / Co / Cu), (CoFe / Cu / NiFe / Cu), etc., is a multilayer film structure in which a film is formed by repeating it five times or more. In the giant magnetoresistive film having such a multilayer film structure, the thickness of the thinnest layer is preferably 10 nm or less, and particularly preferably 3 nm or less. When the thickness of the thinnest layer exceeds 10 nm, there is a tendency that a high MR ratio is difficult to obtain.
[0036]
Such a giant magnetoresistive film (magnetic film) is formed by a vacuum film formation method such as a vapor deposition method or a sputtering method. More specifically, after a giant magnetoresistive film is formed on the entire surface of the
[0037]
Further, instead of individually configuring the magnetoresistive effect element pattern and the electrodes from different materials in this way, they may be integrally formed (film formation) from the same material. However, in this case, it is necessary to use the same material as long as the functions of the giant magnetoresistive film and the electrode can be exhibited. The magnetic film portion is a magnetic sensitive pattern portion, and the electrode portion is not necessarily a magnetic sensitive pattern portion. Therefore, in order to change the current density of the magnetic sensitive pattern portion and the electrode, the width of the electrode is designed wider than the width of the magnetic sensitive pattern portion. That is, the function as an electrode can be provided by increasing the width of both end portions of the pattern made of the same material. By using the same material, the giant magnetoresistive film and the electrode, which are the magnetically sensitive portions, can be formed at the same time in one patterning step, and extremely high productivity can be realized.
[0038]
Since giant magnetoresistive elements are generally formed as thin films of 200 nm or less, corrosion resistance in the usage environment often becomes a problem. For this reason, it is preferable to provide a protective film at least above the giant magnetoresistive film to protect the giant magnetoresistive film from the surrounding atmosphere. As the material for the protective film, it is preferable to use an inorganic material such as SiO 2 or Al 2 O 3 or an organic material such as polyimide resin or novolac resin.
[0039]
The material of the
[0040]
Although the thickness of the board |
[0041]
FIG. 3 shows an example of a usage example of the
[0042]
【Example】
Hereinafter, specific examples of the present invention will be shown to describe the present invention in more detail.
[0043]
Example 1
A polyimide substrate having a diameter of 3 inches and a thickness of 50 μm was prepared. After mounting this substrate on an aluminum substrate fixing table, a multilayer GMR film of 100Å-Ti (15Å-NiFeCo / 20Å-Cu) x 20 was formed by an ion beam sputtering apparatus. The substrate fixing table was cooled by circulating cooling water (flow
[0044]
After the film formation, a pattern of a giant magnetoresistive film as a magnetosensitive part was formed by a photolithography technique. As shown in Table 1 below, the pattern shapes were those corresponding to FIG. 1 (Example), those corresponding to FIG. 4 (Comparative Example 1), and those corresponding to FIG. 5 (Comparative Example 2). The arrangement interval (P / 2) between the pair of giant
[0045]
1 (example), the aspect ratios (rectangular length / rectangular width) of the parallel rectangular magnetic
[0046]
Such magnetic field sensor samples are arranged so as to face a rotating magnetized body (made of ferrite magnet, magnetization pitch: P = 300 μm) as shown in FIG. 3, and gap characteristics (relationship between gap and output) The gap tolerance and gap tolerance based on the above were evaluated. In these evaluation items, 5 V was applied to both ends of a pair of elements, a region where an output AC voltage of 30 mV or more at the midpoint was obtained was defined as a gap allowable range, and an absolute width value was defined as a gap allowable width.
[0047]
The results are shown in Table 1 below.
[0048]
[Table 1]
[0049]
【The invention's effect】
The effects of the present invention are clear from the above results. That is, the present invention is a magnetic field sensor comprising a giant magnetoresistive film that acts as a magnetic field sensing part for detecting a magnetic field on a substrate, wherein the giant magnetoresistive film is drawn as a linear body. The pattern shape has a parallel rectangular magnetosensitive portion in which the longitudinal direction is arranged substantially parallel to the direction of the signal magnetic field from the detected object. Since the total resistance value is configured to be 30 to 70% of the resistance value of the entire magnetic field sensor sensitive part, the gap allowable range can be greatly improved (by the way, about 1.5% of the conventional value). However, even if the gap between the detection element and the object to be detected is slightly changed, an extremely excellent effect is obtained that reliable detection can be performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a preferred embodiment of a magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between magnetic field strength (external magnetic field) and MR change rate in the magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view showing an example of use of the magnetic field sensor of the present invention.
FIG. 4 is a plan view showing a magnetic field sensing pattern of a conventional magnetic field sensor.
FIG. 5 is a plan view showing a magnetic sensitive pattern of a conventional magnetic field sensor.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between magnetic field strength (external magnetic field) and MR change rate in a conventional magnetic field sensor.
FIG. 7 is a perspective view showing an example of use using a conventional magnetic field sensor.
FIG. 8 is a graph showing a relationship between a gap and an output when a signal magnetic field from a rotation detection target is detected using a conventional magnetic field sensor.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記巨大磁気抵抗効果膜は、線体で描かれるパターン形状をなし、
前記パターン形状は、被検出体からの信号磁界方向に対して、長手方向が実質的に平行に配置された平行矩形感磁部分と、被検出体からの外部磁界方向に対して、長手方向が実質的に直交するように配置された直交矩形感磁部分とを備え、
前記平行矩形感磁部分は複数存在し、平行感磁グループとして一定エリア内に集合的に配置され、
前記直交矩形感磁部分は複数存在し、直交感磁グループとして一定エリア内に集合的に配置され、
前記平行矩形感磁部分のトータルの抵抗値が、磁界センサ感磁部全体の抵抗値の30〜70%であり、
前記平行矩形感磁部分および前記直交矩形感磁部分のアスペクト比は、それぞれ、8〜1000の範囲内で、かつ、前記平行感磁グループにおける平行矩形感磁部分の長手方向と平行に外部磁界を印加した場合の飽和磁界H K1 と、前記直交感磁グループにおける直交矩形感磁部分の長手方向と直角に外部磁界を印加した場合の飽和磁界H K2 との比(H K2 /H K1 )が、1.5倍より大きい値となるように設定されてなることを特徴とする磁界センサ。A magnetic field sensor comprising a giant magnetoresistive film acting as a magnetic sensor for detecting a magnetic field on a substrate.
The giant magnetoresistive film has a pattern shape drawn by a linear body,
The pattern shape has a parallel rectangular magnetosensitive portion arranged in a longitudinal direction substantially parallel to the signal magnetic field direction from the detected object and a longitudinal direction relative to the external magnetic field direction from the detected object. An orthogonal rectangular magnetosensitive part arranged to be substantially orthogonal,
There are a plurality of the parallel rectangular magnetosensitive portions, and are arranged collectively in a certain area as a parallel magnetosensitive group,
There are a plurality of orthogonal rectangular magnetic sensing parts, and are arranged collectively in a certain area as orthogonal magnetic sensing groups,
The total resistance value of the parallel rectangular magnetism sensitive part is 30 to 70% of the resistance value of the whole magnetic field sensor sensitive part,
The aspect ratios of the parallel rectangular magnetosensitive portion and the orthogonal rectangular magnetosensitive portion are within a range of 8 to 1000, respectively, and an external magnetic field is applied in parallel with the longitudinal direction of the parallel rectangular magnetosensitive portion in the parallel magnetosensitive portion. the saturation magnetic field H K1 in the case of applying the ratio of the saturation field H K2 in the case of applying the longitudinal direction perpendicular to the external magnetic field orthogonal rectangular sensing section min in the orthogonal magnetism-sensitive group (H K2 / H K1) is, A magnetic field sensor characterized by being set to have a value larger than 1.5 times .
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