JP4237499B2 - 股臼プロテーゼアセンブリ - Google Patents

Description

本発明は、股臼構成要素(acetabular component)に関し、特に、股臼内への移植用であって、骨に固定するためのカップ(cup)と、カップに挿入するインサート(insert)と、カップの凹状面(concave surface)に対向する磨耗面を有するライナー(liner)とを備えた股臼プロテーゼ(prosthesis)アセンブリに関する。

内部的に損傷された股臼用に修復し交換する公知の股臼構成要素が幅広く知られている。これらは、股臼以外の骨盤(pelvis)が修理の良好な状態である全体的臀部置換外科のような局部的な修正用である。ここで参照して取り込む公知の股臼カップ配置の例は、特許文献１、２、３、４、５、６に示されている。現在の技術のいくつかは、股臼カップ固定構造の種々の態様と、インサートと股臼カップとの間の係合方法に向けられている。

例えば、特許文献１は、周囲にフランジ部を有する実質的にカップ形状の補強本体部を備えている股臼補強システムを開示している。このシステムは、補強本体部のフランジ部に分離して取着可能な１つまたはそれ以上の種々の寸法と形状の固定ウイングを備えている。このシステムは、股臼を補強し、また、股臼シェル(shell)のような他のプロテーゼ(prosthesis)構成要素プラットフォーム用に役立つために、患者の股臼内に設けることができる。

これに替わる股臼配置としては、特許文献７に示されたものがある。この特許は、骨盤内での股臼の再構築用のカップと装置を挿入するための方法とを開示している。カップは、ほぼ長円形の形状で、カップの凸状面(convex surface)から所定の角度で延びた堅いキールを有する。長円形の凹状のキャビティ(cavity)は骨盤に形成されていて、安定化チャンネルは、骨盤内にキールの角度に近いがわずかに小さい角度をなして形成されている。カップは凹状のキャビティに挿入され、堅いキールは安定化チャンネル内に強制される。これは、股臼カップに固定(key)する。

公知の股臼アセンブリは、股臼カップを形成する金属の外側シェルを一般的に備えている。カップは、好ましくは、クロムコバルトまたはチタンから作られていて、ほぼ凸状の外面と凹状の内面とを備えている。外面は、その回りの骨の成長を促進するために、通常多孔性であるかまたはざらざらにされている。カップは、カップの凹状の内面に対向するポリエチレン、金属、またはセラミックのインサートを受ける。インサートは典型的には、大腿頭部(femoral head)構成要素を受けるへこみ(recess)を備えている。股臼カップはこれに替えて金属またはセラミックインサートを受けてもよい。

典型的な股臼アセンブリにおいて、２つの主磨耗インターフェース(wear interface)がある。第１は、カップインサートの凸状外面とカップ（シェルとしてもまた参照する）の凹状内面との間であり、第２は、大腿プロテーゼの頭部とインサートの凹状へこみとの間である。ポリエチレン磨耗は、股臼アセンブリにおける公知の問題であり、ポリエチレン疾患(disease)が重大な骨の劣化を招くような条件に導くことがある。これは、骨に移行(migrate)する磨耗のために剥脱するポリエチレンのミクロ粒子(micro particle)のところに生ずる。典型的な股臼プロテーゼにおいて、これは、ポリエチレンインサートの外側の凸状面と、インサートが係合するカップの内側の凹状面との間のインターフェースでのミクロの磨耗(micro wear)によって生ずる。これらの粒子は、股臼の骨に移行する。ミクロの磨耗粒子は、付加的骨固定用に備えられた股臼カップ上の開口部を通って移行する。

減少された磨耗特性を有する耐久性のポリエチレンを提供するかなりの研究がなされてきたけれども、磨耗しないポリエチレンは存在しない。磨耗をかなり減少する（しかし除去できない）高度に架橋結合されたポリエチレンが開発されてきた。磨耗は、クロムコバルトとポリエチレンとの間、およびセラミックとポリエチレンインターフェースとの間で生ずる。磨耗、粒子の発生を減少するために、また、微細な粒子の逆効果に対して多くの抵抗を提供するために、いくつかの研究が、セラミック上にセラミックを、またセラミック上に金属を組み立ててなされてきた。ポリエチレン磨耗の問題は、材料それ自身の性質の故に解決されていない。

現時点において、股臼カップ（すなわちシェル）は、金属、セラミックおよびポリエチレンインサートを受けて保持する種々の寸法を有して提供されている。このように、外科医は、特定の患者に使用されるインサートの選択を有しているが、その選択は、ポリエチレンインサートが選択された場合、後面のポリエチレン磨耗の問題を克服できない。カップ寸法が典型的には４０ｍｍと７２ｍｍとの間の範囲であるので、大きなインベントリー(inventory)が必要となる。異なったカップ構造がポリエチレンインサート、金属およびセラミックライナー用に要求される。全てのバイオ材料すなわち金属、セラミックおよびポリエチレンにおける股臼カップと利用可能なインサートとの間の互換性を確実にすることによって、インベントリーが減少されることが望ましい。

上述した試みは、ポリエチレンミクロ磨耗問題を処理するためになされてきたけれども、今日までいずれも満足のいく解決を提供していない。この問題を処理する１つの試みは、外側股臼カップから慣習的に分離され、インサートとカップすなわち外側シェルとの間の相対的移動を除去するために股臼カップと一体の（モールドされた）ポリエチレンを作ることである。インサートとカップとの間の相対的移動のためのポテンシャルを除去することによってポリエチレンミクロ磨耗が除去できることが考えられた。この問題を解決するためのこのアプローチにおける問題は、外科医が、ねじによる付加的な骨固定用の外側カップの孔へのアクセスの利点を失うことである。一旦カップが、例えば股臼ときちんとしていない、または一様でない係合で嵌合された場合、外科医が固定のさらなる手段を有していないので、嵌合のためにカップの外径が完璧であることもまた要求される。挿入された場合であって、カップの再調整が嵌合と固定の目的のために要求された場合、カップが回転可能に調整可能であることが好ましい。試みられた他の解決は、股臼骨へのあらゆる移行するポリエチレン磨耗粒子の通過を阻止するために、外カップの固定孔を除去することである。

米国特許第５、８７１、５４８号明細書

米国特許第５、７８２、９２９号明細書

米国特許第５、３２６、３６８号明細書

米国特許第５、４８０、４４８号明細書

米国特許第５、３７０、７０２号明細書

米国特許第５、０１９、１０８号明細書

米国特許第５、６５８、３４７号明細書

本発明は、特にポリエチレンインサートを採用した股臼アセンブリの改良に関し、より特に、インサート／カップインターフェースの磨耗の減少と、ポリエチレンインサートの使用に関連した磨耗問題の除去に関する。

本発明は、カップとポリエチレンインサートを備えたタイプの股臼アセンブリを提供することによって従来技術の欠点の改善を探索する。アセンブリは、インサートと股臼カップの凹状の内面との間に磨耗面を提供する好ましくは金属材料のライナーを備えている。好ましくは、ライナーはポリエチレンの後部凸状面に設けられていて、股臼カップに類似した材料である。

最も広い形態において、本発明は、股臼プロテーゼアセンブリであって、頂部と赤道(equator)とを有するカップ壁を一体的に規定するために股臼骨を係合するためのほぼ凸状の外面と凹状の内面とを有する股臼カップを備え；
股臼カップの内側への挿入が可能なインサートを備え；
インサートは凸状の外面と大腿頭部構成要素を受ける凹状へこみとを有していて；アセンブリは、カップの凹状の内面とインサートの凸状の外面との間に配置されたライナーをさらに備えていて；
ライナーは磨耗阻止面を備えている股臼アセンブリである。

好ましくは、ライナーは、カップの凹状の内面の少なくとも一部分に対向する金属質材料である。
１つの実施例によれば、インサートは、金属質ライナーに融合されたポリエチレンの第１の層であり、この金属質ライナーは、チタン合金またはクロムコバルトであって、カップの内側の凹状面の少なくとも一部分を係合している。

カップの周囲壁は、赤道を越える予め定められた周囲距離長さ増加されている。この距離は変更できるが、好ましくは２ｍｍ〜５ｍｍの範囲内である。
ライナーの頂部の厚さは、カップがその赤道から越えて延びる周囲距離に影響する。ライナーは、ライナーの外面とカップの内面との間にギャップを残すように、カップの内側の凹状面の部分と緊密な嵌合係合をしている。

インサートは、ライナーのほぼ球形の凹面に対向するほぼ球形の外面を有し、金属質ライナーの外面は、その赤道近傍から頂部の方向へ、また、頂部の領域のアーチ部へ延びている真っ直ぐな壁領域を有し、アーチ部はカップの内側の凹状面に対向している。インサートは、金属質ライナーの後面内に固定する輪郭部を備えている。好ましくは、カップは実質的に球形の外面を有していて、その頂部に平坦な領域を備えている。
股臼カップの頂部から赤道までの軸線方向の距離は、赤道での周囲壁からその軸線までの径方向距離より小さい。
ライナーの真っ直ぐな壁領域は、アセンブリの対称の軸線から１５〜２５度の範囲内の角度に設けられていて、しかし他の角度を含んでいず、また、赤道から頂部までの周囲距離の半分よりも小さい位置でアーチ部に変化している。

他の広い形態において本発明は、股臼カップ用のインサートであって、インサートは、大腿頭部構成要素を受けるへこみを有する本体部を規定する凸状の外面と凹状の内面とを備えていて；インサート本体部の凸状の外面は、インサートを受けて保持するカップの内面の少なくとも一部分に対向する磨耗阻止面を備えているライナーを受けている股臼カップ用のインサートである。
好ましくは、ライナーは、カップの凹状の内面の少なくとも一部分と対向する金属質材料から形成されていて、またインサートと一体である。

インサート本体部はポリエチレンであって、金属質ライナーは、チタン合金またはクロムコバルトであって、インサートがカップによって挿入された場合、股臼カップの内面の少なくとも一部分を係合している金属質ライナーに融合されている。ライナーは、カップの内側の凹状面の部分と緊密な嵌合係合をしている。ライナーの壁がその所望の位置に完全にしっかりと係合される前に、インサートがカップの凹状の内面を係合するのを阻止するために、インサートがカップに挿入された場合、ギャップがライナーの外面と対向するカップの内面との間に残されている。これはプロテーゼの望ましくない不意の飛び出し(popping out)を阻止する。インサートは、金属質ライナーの後面内に固定する輪郭部を備えていて、ライナーの真っ直ぐな壁領域は、アセンブリの対称の軸線から１５〜２５度の範囲内の角度に設けられている。ライナーの真っ直ぐな壁領域の回りは、赤道から頂部までの周囲距離の半分よりも小さい位置でアーチ部に変化している。

他の広い形態において本発明は；
股臼の補修のための股臼カップアセンブリであって；アセンブリは、外側凸状面と少なくとも部分的に凹状の内部と、頂部と、赤道とを有するほぼ半球を規定する股臼カップを備え；
前記カップと係合し、大腿頭部を受けるインサートを備え；
磨耗阻止面を備えた前記インサートと前記カップとの間のライナーを備え；
股臼カップの壁は、予め定められた周囲距離その赤道を越えてその頂部から離間する方向へ延びている股臼カップアセンブリを備えている。

好ましくは、赤道を越える壁の予め定められた距離は、インサートと前記カップの前記内面との間に介挿されているライナーの厚さに関連している。
均分な延長距離は、異なった厚さのライナーを収容するために調整されている。
方法の態様の他の広い形態において、本発明は；
股臼カップアセンブリの構築方法であって；
ａ）頂部と赤道とを有するカップ壁を一体になって規定する股臼骨用のほぼ凸状の外面とほぼ凹状の内面とを有する股臼カップを形成するステップと；
ｂ）股臼カップ内への挿入を可能にするインサートを受けるステップであって、インサートは凸状の外面と大腿頭部を受ける凹状へこみとを備えていて；
ｃ）インサートの凸状の外面に磨耗阻止ライナーを適用するステップであって、インサートが股臼カップに挿入された場合に、ライナーがカップのほぼ凹状の内面とインサートの凸状の外面との間に設けられるようになるステップ；
を備えた方法である。

好ましくは、この方法は、ライナーを収容するために赤道を越えて予め定められた周囲距離カップの周囲壁の長さを増加するステップをさらに備えている。
この方法はまた、ライナーがインサートと一体になるようにインサートをライナーに融合するステップを備えていて、インサートは、ライナーの外壁の少なくとも一部分がカップの内壁の少なくとも一部分を係合し、ライナーの外壁の残りがライナーとカップとの間にギャップすなわち空間を規定するように、インサートを股臼カップ内に挿入される。

ライナーは、赤道の近傍から頂部の方向に延びた真っ直ぐな壁領域と、その頂部の領域にアーチ部を備えていて、アーチ部はカップの内側の凹状面に対向している金属質ライナーの外面を備えている。
カップは、実質的に球形の外面を備えていて、また、股臼カップの外面の頂部からその赤道への距離が、赤道での周囲壁の外面からその対称の軸線までの径方向距離より小さいように形成されている。

他の広い形態において、本発明は；股臼カップと、股臼骨を係合するための凸状の外面と、ほぼ凹状の内面とを有する股臼アセンブリと；
カップの内側に挿入し大腿頭部構成要素を受ける凹状のへこみを有するインサートと；を備えていて、インサートはさらに、前記カップのほぼ凹状の内面に対向し前記ライナーと前記カップとの間のミクロな相対的移動の場合に磨耗面を提供する層すなわちライナーを備えている。

好ましくは、インサートは、インサートの凸状の外面を有する金属ライナーを有するポリエチレンを備えている。金属ライナーの内面は、ポリエチレンを結合するために不規則な多孔性の表面を有している。
２層インサートにおいて、クロムコバルトまたはチタン合金は、外側シェルの内面の末端で短く省略され、この場合、ポリエチレンのライナーは、省略したところで厚さが増加する。

他の広い形態において、本発明は；股臼の補修用の股臼アセンブリと使用するための股臼カップを備え；アセンブリは、股臼カップと前記カップとの係合用で大腿頭部を受けるインサートを備え；股臼カップは、外側凸状面と内側凹状面と、頂部と、赤道とを有するほぼ半球を規定し、股臼カップの壁がその赤道を越えて予め定められた周囲距離延びていることを特徴とする。

好ましくは、壁が赤道を越えて延びる予め定められた距離は、ポリエチレンインサートと前記カップの前記内側凹状面との間に介挿されたライナーの厚さによって決定される。
他の広い形態において、本発明は；股臼の補修用の股臼アセンブリと使用するための股臼カップを備え；アセンブリは、股臼カップと前記カップとの係合用で大腿頭部を受けるインサートを備え；股臼カップは、外側凸状面と内側凹状面と、頂部と、赤道とを有するほぼ半球を規定し、股臼カップの壁がその赤道を越えて予め定められた周囲距離延びていることを特徴とし、前記壁の延長部は、耐磨耗面を提供するライナーを備えたインサートの収容を実行する。赤道の延長距離は、異なった寸法のライナーを収容するために調整される。比較的薄いライナーの場合、延長距離は、比較的厚いライナー用に要求される延長部よりも小さい。
本発明は、好ましいが限定されない実施例および添付した図面によってより詳細に述べられる。

図１を参照すると、本発明の好ましい実施例に基づく股臼アセンブリ１の分解図が示されている。アセンブリ１は、通常４４ｍｍと７２ｍｍとの間で半径を変えられるほぼ凸状の外面３とほぼ凹状の内面４とを有するほぼアーチ状の本体部を有する標準的半球の股臼カップ２を備えている。カップ２は、典型的には、股臼骨(acetabular bone)に固定するための固定ねじ（図示しない）を受ける開口部５、６を有している。凸状の外面３は、カップの周りに骨の成長を促進するための多孔性のコーティング７を備えている。内部空間８は、大腿頭部構成要素(femoral head component)（図示しない）を受けるためのへこみ(recess)１０を備えたインサート９を受けて保持する。従来技術によると、このインサートは典型的には、金属、セラミックまたはポリエチレンからなっている。インサート９は、典型的には２２と３２ｍｍとの間に入る半径を有する内部凹状へこみ１０を備えている。
インサート９は、ライナー１３の対応する内側のほぼ凹状の面１２を係合する凸状の外側面１１を備えている。ライナー１３は、インサート９の面１１を係合する凹み１４を備えている。

公知の股臼アセンブリは、股臼カップの凹状内面に対向する全体の厚さがクロムコバルトまたはセラミックのインサートを備えている。カップの凹状の内面は、対向して対になるテーパー面を受けるテーパーが付けられた輪郭を有している。図１に示された実施例によれば、アセンブリ１は、ポリエチレンから形成されたインサートを備えていて、好ましくはクロムコバルトまたはチタン合金から形成されたライナー１３を係合する。ポリエチレンは、金属ライナー上にインジェクションモールドされ、それによって、ライナー１３がポリエチレンインサート９の外面１１を封止する。

図２は、完全に組み立てられた図１のアセンブリの上部斜視図を示している。この図において、インサート９に融合(fuse)されたライナー１３は、カップ２の壁５内にきれいに嵌合していることが見られる。大腿頭部構成要素（図示しない）は、へこみ１０内に嵌合する。
図３は、図２のアセンブリの上部平面図を示していて、対応する部品に対応する符号が付されている。図４は、図２の底面図を示していて、固定開口部５、６、１６、１７、および１８を有するカップ２の外側の凸状面３を示している。開口部は、カップ２の周りに示されたこれらの配置ではなく、所望に応じて他の位置に分配することもできる。

図５は、固定開口部を有する図２のアセンブリの側部立面図を示している。図６は、図３に示されたＡＡ線に沿って取ったアセンブリの断面図を示している。図６は、本発明の好ましい実施例による図１の股臼アセンブリの拡大断面図を示している。
本発明の好ましい実施例による股臼アセンブリ１は、通常４４ｍｍと７２ｍｍとの間で半径を変更できるほぼ凸状の外面３と、ほぼ凹状の内面４とを有するほぼアーチ状の本体部を有する標準的なほぼ半球状の股臼カップ２を備えている。凹状の内面４は、ライナー１３の外側輪郭の少なくとも一部分を収容するように形成されている。凹状の内面４は、平坦領域４ａとアーチ部分４ｂとを備えている。カップ２とライナー１３との間の緊密な嵌合係合は、対向する面４ａと１３ａとによる。ライナー１３は、ライナー１３が、対向する面４ａと１３ａとの間の完全な係合に先立って面４ｂを係合しないことを確実にするために、カップ２の内側の凹状面４ｂを係合しないことが好ましい。融合されたライナー１３を有するインサート９が完全にカップ２内に着座される前に、また、面１３ａと４ａとが完全に係合される前に、ライナー１３の面１３ｂが面４ｂを係合しなければならないので、インサート９とライナー１３とはカップの外に跳ね出る(spring out)。カップ２は、典型的には、股臼カップ２を股臼骨に付加的に固定するための固定ねじ（図示せず）を受ける開口部５と６を備えている。凸状面３は、固定を促進するカップの周りに股臼骨の成長を促進するための多孔性のコーティング７を備えている。ライナー１３はさらに、インサート９の凸状面１１に対向する面１３ｃを備えている。インサート９は、大腿頭部構成要素（図示せず）を受けるためのへこみ１０を備えている。へこみ１０は、その対称の軸線からその円周まで測定した典型的には２２から３２ｍｍの間に入る半径を有している。インサート９は、面１３ｂと１１とを介してライナー１３に融合される。これらの面間の係合は、ライナー１３の雌型へこみ２０を係合するインサート９の雄型輪郭部品１９を使用して促進される（拡大図７ａ参照）。面は、対応するライナー１３のほぼ凹状の面を受ける凸状の外面１１を備えている。ライナー１３は、インサート９の面１１を受けるへこみ１４（図１参照）を画定する。

１つの実施例において、ライナー１３は、カップ２の内面４ａの末端(extremity)を短くして省略でき、その場合にポリエチレンインサート９は省略したところで厚くなるように増加される。ライナー１３は好ましくは、カップ２の内面４ａと同様の輪郭を有するテーパーになるように仕上げられる。ポリエチレンインサート９は、クロムコバルト（またはチタン）金属層に、あるいは加圧式またはインジェクションモールディングによって封止される。これは、そうでない場合に、ライナー１３の表面１３ａとカップ２の内側表面４ａとの間の金属と金属との接触を可能とするポリエチレン凸状の外面１１の磨耗(着用)を排除する。このように、上述した実施例の使用によって、金属質(metallic)に金属を被せることを制限し、それゆえ、ポリエチレンミクロ(micro)粒子を引き起こす磨耗を排除する。したがって、インサートとカップとの間のミクロな動きは、ポリエチレン磨耗よりは金属質になる。金属質の磨耗は、金属質磨耗粒子が毒性(toxic)ではないのでポリエチレンに好ましい。

図７から理解できるように、カップ２の壁１５は、符号２２で示された所定の距離ｄだけ赤道(equator)２１を越えている。距離２２は、ライナー１３の符号２３によって示された厚さｔに関連されている。距離ｄによって赤道２１を越えたこの延長部は、通常２〜５ｍｍの間であるが、理想的には３ｍｍに近いかそのものである。
したがって、本発明によって適用される代表的なカップの壁は、ライナー１３の余分な厚さを適応するために通常赤道２１を越えて延びている。赤道２１を越えた延長部は、内側カップ２に形成されたキャビティの付加的な空間を占めるライナー１３の挿入を可能にする。赤道においてカップ２に対する延長部がないと、ライナー１３の存在によって、インサート９は、壁１５がカップの赤道で終息する場合カップの壁１５を超えて突出する。インサート９とライナー１３とは、緊密な相互係合の所望の程度を確実にするために、カップ２内に完全に保持されなければならない。

上述したタイプの股臼アセンブリが挿入される場合、外科医は、球状のリーマ(reamer)で仕上げることによって股臼キャビティを準備する。球状のリーマは、カップ２の外側の凸状面３をきちんと収容する所定の深さと直径の股臼のキャビティの形成を可能とする。カップ２は球状がほとんどの部分であるけれども、カップはわずかに平坦な頂部領域２４を備えている。この平坦部または省略部は、カップ面３が、アセンブリがその予め指定された位置に適切に配置される前にアセンブリが嵌合されるリーマ加工された股臼面の頂部（図示せず）に優先的に底をつけないことを確実にするために導入される。この構造がないと、アセンブリは、股臼キャビティからの望ましくない引出し(withdrawal)を受けるであろう。目的は、カップがリーマ仕上げされた股臼の周囲の壁を積極的に係合することを確実にすることである。これは、股臼骨頂部とよりもむしろ、カップ２と股臼側壁との間の優先的プレス嵌合係合を確実にする。

ポリエチレンインサートが使用された場合において、これは、ほぼ６ｍｍの壁厚を有していて、２６、２８および３２ｍｍの直径を有する大腿頭部を受ける。頭部の直径的寸法は、選択されたカップの直径にしたがって通常増加する。しかしながら、６ｍｍのポリエチレンライナーが、大腿頭部によって生じて適用された装填を最適に調節する最小の壁厚であることが分かる。

従来例において、Ｒ１が赤道からカップの頂部までの距離であるディメンジョン（０、Ｒ１）と、Ｒ２が赤道での半径長さである（Ｒ２、０）は、ほぼ２４ｍｍに寸法が取られる。ポリエチレンインサートを有する代表的な５０ｍｍカップにおいて、インサート以外のあらゆる部材用にカップ内に残りの空間がない従来例の配置によるものがある。公知の股臼アセンブリに替わるものを提供し、ポリエチレン骨疾患に導くことになるポリエチレン着用の問題を除去することが本発明の目的である。特に、カップの内側の凹状面に対向するポリエチレンの外側凸状面のミクロな移動に起因するポリエチレン着用を除去することが本発明の目的である。これは、ポリエチレンインサート１１の外面を係合する金属質ライナー１３を備えることによって達成される。問題は、与えられた正反対の(diametrical)寸法のカップ用のライナーの不付加的な厚さを収容するけれども、カップの１回のインベントリー(inventory)で、および、単一の内部構造で金属、セラミックまたはポリエチレンのライナーを収容するかについて生ずる。カップが標準寸法のインベントリーになるので、公知の寸法を変えることは望ましくないけれども、標準で特別仕様の公知の正反対のカップ寸法内に本発明を収容する利点がある。選択されたカップ寸法用に、摩擦抵抗ライナーがポリエチレンインサートと股臼カップとの間に配置された場合、ライナーの余分の(extra)厚さは、少なくともインサートの厚さによってインサートを軸線的に当然移動する。比較的小さい寸法のカップにおいて、存在するカップ赤道終息点を維持するために、ポリエチレンの厚さを６ｍｍ以下に減少することによって構造的にこの変更を克服することは賢明ではない。その理由は、先に示されたように大腿頭部とインサートとの間のポリエチレンにおける磨耗特性を弱めるからである。

１つの実施例において、問題に対する好ましい解決は、インサートを軸線的に前進することを可能にし、また、磨耗ライナー１３のほぼ頂部近傍の厚さの距離に円周的にカップ２の赤道を延ばすことによって前進部を収容することである。
図８は、図７の拡大した断面図を示していて、好ましいが限定されない実施例の比例パラメータを備えている。

５０ｍｍの股臼カップが、股臼壁とのプレス嵌合係合を確実にするために５２ｍｍの赤道外径を有している。５０ｍｍカップの赤道２１から頂部２５までの距離は２５ｍｍであり、径方向の赤道距離は２６ｍｍである。このように、上述した平坦な領域２４の故に、径方向距離は頂部までの距離よりもわずかに大きい。カップ２は好ましくは、３〜４ｍｍの厚さであり、多孔性の外側コーティング７を備えている。カップ２の赤道壁１５で、赤道から延びていて、５０ｍｍカップの場合に調整ライナー１３まで約２〜３ｍｍの所定の距離用に周囲に続く延長領域２２を備えている。カップ２の赤道２１を越える壁１５の延長部は、維持されるべきポリエチレンの最適で最小の厚さを可能とする。

公知の股臼カップは、周辺壁がその赤道で終息している半球体(hemisphere)を形成する。金属およびセラミックライナーに類似する構造を有するポリエチレンインサートが使用された耐磨耗面を採用するために、カップ壁は、理想的には２〜４ｍｍの厚さを有する耐磨耗金属面を付加するために、ポリエチレンインサートの結果として生ずる軸線的移動を調整するためにその赤道を越えて延びていなければならない。
壁１５への延長部２２がカップ２の周囲に続くので、延長部は、ライナー１３の対応する面１３ａに一致する外径の対向する内面１４ａを有する湾曲した外面を当然有する。

本発明の１つの利点は、ライナーを有する融合された多層ポリエチレン／金属インサートが、インベントリーを最小に維持する公知の金属およびセラミックインサートと交換できることである。カップの壁の赤道付近の延長部によって、比較的厚いインサートを比較的小さいカップ内に挿入することが可能である。延長部の距離は、末端での強度によって構成されることが可能であるが、２〜４ｍｍのオーダー内に求められる。アセンブリの他の利点は、外科医が、股臼カップ構成要素の付加的な固定開口部にアクセスする利点を維持し、また、従来のポリエチレン／金属の金属磨耗インターフェース上のプラスチックが除去されることである。

図７の拡大断面図である図８は、好ましいが限定されない実施例の比例パラメータを備えている。図７においてアセンブリの識別用に使用された符号は明瞭化のために省略されている。図８と図７との比較は、対応する部品の識別を可能にする。図８は、径方向距離および厚さに関して、本発明の１つの実施例による代表的アセンブリの比率(proportions)を命名している。矢印３０は、カップ２の外面３が患者へのアセンブリの完全で適切な配置に先立ってリーマ加工された股臼に底入れ(bottom out)しないことを確実にするために、カップの球形がわずかに平坦である距離を示している。この平坦な領域は、図７における符号２４によって示された距離を越えて省略される。ギャップ３１は、ライナー１３の面１３ａとカップ２の面４ｂとに間に形成されている。ギャップ３１は、矢印３２によって示された概略的距離を越えてカップ２の壁の局部的薄さ(thinning)によって可能になる。アセンブリ構成要素の面の半径は、図の半径座標(Radial co ordinate)によって示されている。インサート９の径方向長さは、赤道２１で測られる。面１３ｂの外側半径距離は、Ｒ２０，００を規定する矢印３３によって示されている。面１１ｂの内側半径距離は、Ｒ１４，００を規定する矢印３４によって示されている。面３の外側半径距離は、Ｒ２０，００を規定する矢印３５によって示されている。

面１３のライナー面１３ａの外側半径距離は、Ｒ２６，００を規定する矢印３６によって示されている。面４ｂの外側半径距離は、Ｒ２６，５０を規定する矢印３６によって示されている。ライナー１３の境界１３ａと１３ｂとによって規定されたライナー１３の壁のリポーズ(repose)の角度は、符号３８によって識別されている。図８は、１つの実施例によるアセンブリ用の１つの可能な構造が示されている。本発明内の他の実施例が可能であり、これらは上述した基準に従って変更され得る。
この分野の当業者によって、多くの変更および変形が、本発明の全体的目的と範疇から逸脱しないで、ここで広範囲に述べられた本発明になされることが認識されるであろう。

好ましい実施例による股臼カップアセンブリの分解図。 完全に組み立てられたアセンブリの斜視図。 図２のアセンブリの頂部平面図。 カップの外面を示すための図２の底平面図。 図２の側部立面図。 図３に示されたＡＡ線に沿ったアセンブリの断面図。 本発明の好ましい実施例による股臼アセンブリ構造の拡大断面図。 ライナーとインサートとの間の係合用の雄雌キーの拡大図。 好ましいが限定されない実施例の比例パラメータを備えた図７の拡大断面図。

Claims (49)

1. 股臼カップを有する股臼プロテーゼアセンブリであって；
   この股臼カップは、股臼骨を係合するためのほぼ凸状の外面と、カップのへこみを規定するほぼ凹状の内面と、前記凹状の内面と前記凸状の外面とを接続する表面と、を備え；
   前記凹状の内面、前記凸状の外面、及び前記接続する表面は、共同して、頂部と赤道とを有するカップ壁を規定し；
   当該アセンブリは、前記股臼カップの内側への挿入が可能なインサートを有し；
   このインサートは、凸状の外面と、大腿頭部構成要素を受ける凹状へこみと、を備え；
   前記アセンブリは更に、前記股臼カップの凹状の内面と前記インサートの凸状の外面との間に配置されたライナーを有し；
   このライナーは、磨耗阻止面を備え；
   前記股臼カップの壁は、前記頂部から離れる方向に、前記赤道を越えて所定の距離伸びている；
   ことを特徴とする股臼アセンブリ。
2. ライナーは、カップの凹状の内面の少なくとも一部分に対向する金属質材料である請求項１記載の股臼アセンブリ。
3. ライナーは、インサートと一体である請求項２記載の股臼アセンブリ。
4. インサートは、前記金属質ライナー材料に融合されたポリエチレンの第１の層である請求項３記載の股臼アセンブリ。
5. 金属質ライナーは、チタン合金またはクロムコバルトであって、カップの内側の凹状面の少なくとも一部分を係合している請求項４記載の股臼アセンブリ。
6. ライナーは、カップの内側の凹状面の部分と緊密な嵌合係合をしている請求項５記載の股臼アセンブリ。
7. ライナーの外面とカップの前記内面との間の望ましくない係合を阻止するために、ライナーの外面とカップの前記内面との間にギャップをさらに備えた請求項６記載の股臼アセンブリ。
8. カップの周囲壁は、赤道から２ｍｍ〜５ｍｍの間の距離で延び、それによって、前記接続する表面で測った断面の径が、カップの前記赤道で測った径よりも小さくなっている請求項７記載の股臼アセンブリ。
9. インサートは、ほぼ球形の外面及び前記ライナーのほぼ球形の凹面を備え；
   前記赤道を越えて伸びる前記壁の少なくとも一部は、外側表面を備え；
   この外側表面は、内側に湾曲し、それによって、カップの断面積の直径が、前記接続する表面から、この内側に湾曲する表面に沿って、頂点の方向に、次第に増大するようになっている；
   請求項８記載の股臼アセンブリ。
10. 金属質ライナーの外面は、その赤道近傍から頂部の方向へ、また、頂部の領域のアーチ部へ延びている真っ直ぐな壁領域を有し、アーチ部はカップの内側の凹状面に対向している請求項９記載の股臼アセンブリ。
11. カップの外面は、前記内側に湾曲した部分に隣接して、一定の直径の領域を備えている請求項１０記載の股臼アセンブリ。
12. インサートは、金属質ライナーの後面内に固定する輪郭部を備えている請求項１１記載の股臼アセンブリ。
13. カップは、その頂部に平坦な領域を備えている請求項１２記載の股臼アセンブリ。
14. 股臼カップの頂部から赤道までの軸線方向の距離は、赤道での周囲壁からその軸線までの径方向距離より小さい請求項１３記載の股臼アセンブリ。
15. ライナー回りの真っ直ぐな壁領域は、アセンブリの対称の軸線から１５〜２５度の範囲内の角度に設けられている請求項１４記載の股臼アセンブリ。
16. ライナーの真っ直ぐな壁領域は、赤道から頂部までの周囲距離の半分よりも小さい位置でアーチ部に変化している請求項１５記載の股臼アセンブリ。
17. インサートは、ポリエチレンからなる請求項１６記載の股臼アセンブリ。
18. ライナーは、クロムコバルトまたはチタン合金のいずれかからなる請求項１７記載の股臼アセンブリ。
19. 股臼カップ用のインサートであって；
    股臼骨を係合するためのほぼ凸状の外面と、カップのへこみを規定するほぼ凹状の内面と、を備え、前記凹状の内面及び前記凸状の外面は、共同して、頂部と赤道とを有するカップ壁を規定し；
    前記凹状の内面と前記凸状の外面を接続する表面を備え；
    当該インサートは、大腿頭部構成要素を受けるへこみを有する本体部を規定する凸状の外面と凹状の内面とを備え；
    インサートの本体部の凸状の外面は、その上にライナーを受け、このライナーは、前記インサートを受けて保持するカップの内面の少なくとも一部分に対向する磨耗阻止面を備え；
    前記カップの壁は、前記頂点から離れる方向へ、前記赤道を越えて所定の距離伸びている；
    ことを特徴とする股臼カップ用のインサート。
20. ライナーは、カップの凹状の内面の少なくとも一部分と対向する金属質材料から形成されている請求項１９記載の股臼カップ用のインサート。
21. ライナーは、インサートと一体である請求項２０記載の股臼カップ用のインサート。
22. インサート本体部はポリエチレンであって、金属質ライナーは前記ポリエチレンに融合されている請求項２１記載の股臼カップ用のインサート。
23. 金属質ライナーは、チタン合金またはクロムコバルトであって、インサートがカップによって挿入された場合、股臼カップの内面の少なくとも一部分を係合している請求項２２記載の股臼カップ用のインサート。
24. ライナーは、カップの内側の凹状面の部分と緊密な嵌合係合をしている請求項２３記載の股臼カップ用のインサート。
25. インサートがカップに挿入された場合、ギャップがライナーの外面と対向するカップの内面との間に残されている請求項２４記載の股臼カップ用のインサート。
26. カップの周囲壁は、赤道から２ｍｍ〜５ｍｍの間の長さで延びている請求項２５記載の股臼カップ用のインサート。
27. インサートは、ほぼ球形の外面と、前記ライナーのほぼ球形の凹面と、を備え；
    前記赤道を越えて伸びる前記壁の少なくとも一部は、外側表面を備え、この外側表面は、内側に湾曲し、それによって、カップの断面積の直径が、前記接続する表面から、この内側に湾曲する表面に沿って、頂点の方向に、次第に増大するようになっている；
    請求項２６記載の股臼カップ用のインサート。
28. 金属ライナーは、その赤道近傍から頂部の方向へ、また、頂部の領域のアーチ部へ延びている真っ直ぐな壁領域を有し、アーチ部はカップの内側の凹状面に対向している請求項２７記載の股臼カップ用のインサート。
29. インサートは、金属質ライナーの後面内に固定する輪郭部を備えている請求項２８記載の股臼カップ用のインサート。
30. ライナーの真っ直ぐな壁領域は、アセンブリの対称の軸線から１５〜２５度の範囲内の角度に設けられている請求項２９記載の股臼カップ用のインサート。
31. ライナーの真っ直ぐな壁領域の回りは、赤道から頂部までの周囲距離の半分よりも小さい位置でアーチ部に変化している請求項３０記載の股臼カップ用のインサート。
32. インサートは、ポリエチレンからなる請求項３１記載の股臼カップ用のインサート。
33. ライナーは、クロムコバルトまたはチタン合金のいずれかからなる請求項３２記載の股臼カップ用のインサート。
34. 均分な延長距離が、異なった厚さのライナーを収容するために調整されることが可能な請求項１記載の股臼カップアセンブリ。
35. 股臼カップアセンブリの構築方法であって；
    ａ）股臼カップを準備する、この股臼カップは、股臼骨用のほぼ凸状の外面と、ほぼ凹状の内面と、を備えていて、当該外面と内面は、共同して、頂部と赤道とを有するカップ壁を規定している；
    ｂ）股臼カップ内への挿入を可能にするインサートを取り付ける、このインサートは、凸状の外面と、大腿頭部を受ける凹状へこみと、を備えている；
    ｃ）インサートの凸状の外面に磨耗阻止ライナーを装着する、それによって、インサートが股臼カップに挿入された場合に、ライナーがカップのほぼ凹状の内面とインサートの凸状の外面との間に配置されるようになる；
    ここで、カップの壁は、前記頂点から離れる方向に、前記赤道を越えて所定の距離伸びている；
    ことを特徴とする方法。
36. ライナーの外壁の少なくとも一部分がカップの内壁の少なくとも一部分を係合し、ライナーの外壁の残りがライナーとカップとの間にギャップすなわち空間を規定するように、インサートを股臼カップ内に挿入する付加的なステップを備えた請求項３５記載の方法。
37. 金属質ライナーはチタン合金またはクロムコバルトであり、インサートはポリエチレンである請求項３６記載の方法。
38. カップの周囲壁は、赤道から２ｍｍ〜５ｍｍの間で延びている請求項３７記載の方法。
39. 金属質ライナーの外面は、その赤道の近傍から頂部の方向に延びた真っ直ぐな壁領域と、その頂部の領域にアーチ部を備えていて、アーチ部はカップの内側の凹状面に対向している請求項３８記載の方法。
40. カップは、実質的に球形の外面を有していて、それによって、前記赤道を越えて伸びる壁の少なくとも一部が、外側表面を備えるようになり；
    この外側表面は、内側に湾曲し、それによって、カップの断面積の直径が、前記接続する表面から、この内側に湾曲する表面に沿って、頂点の方向に、次第に増大するようになっている；
    請求項３９記載の方法。
41. 股臼カップは、股臼カップの外面の頂部からその赤道への距離が、赤道での周囲壁の外面からその対称の軸線までの径方向距離より小さいように形成されている請求項４０記載の方法。
42. ライナーの真っ直ぐな壁領域をその対称の軸線から１５〜２５度の範囲内の角度で設けるステップを備えた請求項４１記載の方法。
43. インサートは、ポリエチレンからなる請求項４２記載の方法。
44. ライナーは、クロムコバルトまたはチタン合金のいずれかからなる請求項４３記載の方法。
45. 股臼アセンブリの股臼カップの中に挿入可能なインサートと協同して使用されるライナーであって；
    この股臼カップは、股臼骨を係合するためのほぼ凸状の外面と、カップのへこみを規定するほぼ凹状の内面と、を備え、前記凹状の内面、前記凸状の外面、及びそれら接続する表面は、共同して、頂部と赤道とを有するカップ壁を規定し；
    当該アセンブリは、前記股臼カップの内側への挿入が可能なインサートを有し；
    このインサートは、凸状の外面と、大腿頭部構成要素を受ける凹状へこみと、を備え；
    前記アセンブリは更に、前記股臼カップの凹状の内面と前記インサートの凸状の外面と の間に配置されたライナーを有し；
    このライナーは、前記インサートを受けて保持するカップの内面の少なくとも一部分に対向する磨耗阻止面を備え；
    前記股臼カップの壁は、前記頂部から離れる方向に、前記赤道を越えて所定の距離伸びていて、それによって、前記赤道を越えて伸びる前記壁の少なくとも一部が、外側表面を備え；
    この外側表面は、内側に湾曲し、それによって、カップの断面積の直径が、前記接続する表面から、この内側に湾曲する表面に沿って、頂点の方向に、次第に増大するようになっている；
    ことを特徴とするライナー。
46. ライナーは、カップの凹状の内面の少なくとも一部分と対向する金属質材料から形成されている請求項４５記載の股臼カップ用ライナー。
47. ライナーは、インサートと一体である請求項４６記載の股臼カップ用ライナー。
48. インサート本体部はポリエチレンであって、金属ライナーは前記ポリエチレンに融合されている請求項４７記載の股臼カップ用ライナー。
49. 金属ライナーはチタン合金またはクロムコバルトであって、インサートがカップによって挿入された場合、股臼カップの内面の少なくとも一部分を係合する請求項４８記載の股臼カップ用ライナー。

Images