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JP4236926B2 - メタンスルホンアミド−ベンゾフラン、その製造方法および合成中間体としての使用。 - Google Patents

メタンスルホンアミド−ベンゾフラン、その製造方法および合成中間体としての使用。 Download PDF

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JP4236926B2 JP2002549663A JP2002549663A JP4236926B2 JP 4236926 B2 JP4236926 B2 JP 4236926B2 JP 2002549663 A JP2002549663 A JP 2002549663A JP 2002549663 A JP2002549663 A JP 2002549663A JP 4236926 B2 JP4236926 B2 JP 4236926B2
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Description

【0001】
本発明は、一般的に、(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン誘導体、その製造方法および合成中間体としてのその使用に関する。
【0002】
より具体的には、本発明の主題は、式:
【化1】
Figure 0004236926
【0003】
の2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランである。
この化合物は(アミノアルコキシベンゾイル)ベンゾフラン誘導体、特に通常ドロネダロンと称される2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランおよびその医薬的に許容される塩の最終製造のための、中間体物質として特に有用であることが実証された。
【0004】
この(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン誘導体およびその医薬的に許容される塩は、その治療的適用と共に、ヨーロッパ特許第0471609号に記載されている。心血管領域において、この化合物は、とりわけ抗不整脈薬としての有用性が詳細に実証された。
アミノアルコキシベンゾイル鎖をベンゾフランまたはベンゾ[b]チオフェン誘導体に結合させることによる、3-[4-(アミノアルコキシ)ベンゾイル]ベンゾフランまたはベンゾ[b]チオフェン誘導体の製造方法は、上記のヨーロッパ特許第0471609号に報告されており、その方法に従って、先ず、ベンゾフランまたはベンゾ[b]チオフェン誘導体(当該ベンゾイル基は、パラ位にメチル基で保護された酸素を含む)を加え、ヒドロキシ官能基を再生するために脱保護を実施し、最後に所望のアミノアルキル鎖が導入される。
【0005】
より具体的には、ドロネダロンの製造に適応されるとき、この方法は、以下の工程の順序からなる:
a) フリーデル-クラフト反応条件に基づく四塩化スズの存在下における、2-ブチル-5-ニトロベンゾフランとアニソイルクロライドとの反応、および2-ブチル-3-(4-メトキシベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランを形成させるための加水分解、
b) 2.25モル当量の塩化アルミニウムの存在下における、このようにして得られた化合物の脱メチル化、および2-ブチル-3-(4-ヒドロキシベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランを形成させるための加水分解、
【0006】
c) 2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランを生じさせるための、炭酸カリウムの存在下における、得られた化合物と1-クロロ-3-(ジブチルアミノ)プロパンの縮合、
d) 酸化白金の存在下における、このようにして形成された化合物の水素添加、それは5-アミノ-2-ブチル-3-(4-[3-ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルベンゾフランを生じさせる、
e) トリエチルアミンの存在下における、このようにして得られた5-アミノベンゾフラン誘導体とメタンスルホニルクロライドとの反応、それはドロネダロンを生じる。
【0007】
しかしながら、この方法は、とりわけ塩化アルミニウムの使用という理由で不都合がないわけではない。実際に、工業スケールでのこの方法の使用は、環境汚染を避けるためのその処理が高価であることが見出されている水酸化アルミニウムの高排出を生じる。その上、2-ブチル-3-(4-メトキシベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランの使用は、その突然変異誘発特性の理由で、できるだけ遠くへ避けなければならない。
しかしながら、(ドロネダロンの最終形成に少なくとも5工程を必要とするので)比較的多数の工程を含むこの方法に従って、所望の化合物が2-ブチル-5-ニトロベンゾフランから最大収率60%で製造される。
【0008】
容易に入手しやすく、安価で、塩化アルミニウムを用いずに、これまでの方法より、より直接的な方法に基づく合成中間体を用いるドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の製造のための工業的方法の探究は、したがって、疑問の余地がない興味のままである。
ヒドロキシ官能基を保護/脱保護する中間工程なしに、アミノアルコキシベンゾイル鎖をベンゾ[b]チオフェン誘導体に結合させるための、より収束した方法が、J. Med. Chem. 1984、27、1057-1066に報告されている。しかしながら、この方法は、とりわけ大量の塩化アルミニウムの使用(9モル当量のオーダーであるので)を1064頁に、いまだに提案している。
【0009】
この方法によれば、当該ベンゾ[b]チオフェン誘導体を、ジクロロエタンからなる有機相中、アミノアルコキシベンゾイル誘導体の塩化物の塩酸塩と、塩化アルミニウムの存在下に縮合させる。
加水分解後に、所望の3-[4-(アミノアルコキシ)ベンゾイル]ベンゾ[b]チオフェンの塩酸塩は、クロロホルムでの3回の抽出により有機相から部分的に、また水相から部分的に回収され、次いで水酸化ナトリウムで処理される。
【0010】
本発明の製造の背景において、この方法を、2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを出発して2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランを直接製造するために適応するが、これは次の工程を用いている:
・ 9モル当量の塩化アルミニウムの存在下における、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩を用いる、有機相中での2-ブチル-5-ニトロベンゾフランの処理、
・ 加水分解、2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフラン 塩酸塩の回収、および所望の2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランを形成させるための水酸化ナトリウムでの処理。
【0011】
しかしながら、この方法は、一方で、このように産出された水酸化アルミニウムの莫大な量、他方で回収された大量の不純物、それゆえの2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]-5-ニトロベンゾフランの低収率(20〜30%)の理由で工業レベルで不適当であると証明された。
【0012】
しかしながら、驚くべきことに、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランを出発して、フリーデル-クラフト反応で適当な量のルイス酸を用いて、ドロネダロン 塩酸塩を優れた収率(それが少なくとも85%であり、この塩酸塩を著しく有利な方法で回収(実際、予想された水相中ではなく、完全に用いた有機相中に見出されたので、それは、これまでの方法にあるようにこの同じ水相の数回の抽出を実施する必要性を回避する)できるので)で直接得ることが可能であることが見出された。
その上、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランから、およびその前駆体、すなわち2-ブチル-5-ニトロベンゾフランからでさえ、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン、それ自体を、非常に容易にそして(それが75%より上であるので)高収率で得ることが出来る。
【0013】
2-ブチル-5-ニトロベンゾフラン(その結晶状態を得ることは難しい)とは異なって、結晶形体で容易に得ることが出来る2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランは新規物質である。したがって、このメタンスルホンアミド誘導体は当該ニトロ誘導体にわたって、明白な優位を有する。
したがって、本発明は、とりわけ合成中間体、例えばドロネダロンまたはその医薬的に許容される塩の製造用として有用な、新規な産業上の物質としての2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランに関する。
【0014】
したがって、本発明によれば、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランは、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランと、メタンスルホニルクロライドまたは無水メタンスルホン酸とを、トリエチルアミンまたはアンモニアのような酸受容体の存在下に反応させることにより製造され、所望の化合物を与える。一般に、反応は、室温で、好ましくは、例えばメチル tert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのような炭化水素およびエーテルから選択される一以上の無極性溶媒中で起こる。
5-アミノ-2-ブチルベンゾフランは、その一部のために、適当な触媒の存在下に、2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを水素添加することにより所望の化合物を生じる。
【0015】
触媒としては、酸化白金のような白金誘導体またはギ酸アンモニウム/パラジウム処理した活性炭系が通常用いられ、水素添加は室温で、任意に加圧下、例えば20〜30バールのオーダーの圧力で起こる。
この水素添加は、100%に至る優れた収率で実施され、これまでの方法の2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフランの水素添加と比べ疑いのない優位を有する。事実、2-ブチル-3-(4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル)-5-ニトロベンゾフラン誘導体の水素添加と異なって、ニトロ基と別に、この反応により修飾され得るその他の官能基を含まない2-ブチル-5-ニトロベンゾフランは、形成された副生成物の理由の難題を証明できる。
【0016】
上記のように、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランは、ドロネダロンの製造用に用いられ得る。
したがって、本発明によればドロネダロンは、先ず、その塩酸塩を形成させ、すなわち、有機相中、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、触媒としてのルイス酸の存在下に反応させ、有機相から回収されるドロネダロン塩酸塩を形成させるために加水分解することにより製造される。
【0017】
反応は、フリーデル-クラフト反応条件下に実施され、通常、室温で、ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素、好ましくは脂肪族、脂環式または芳香族タイプから選択される一以上の溶媒からなる有機相中で行われる。一般に、ハロゲン化、好ましくは、例えばジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロベンゼンのような塩素化された脂肪族、脂環式または芳香族タイプの炭化水素が用いられる。
【0018】
さらに、ルイス酸は、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化スズ、四塩化チタンまたは好ましくは塩化鉄でもよい。これらのルイス酸の混合物を使用することもできる。このルイス酸は、5モル当量を超えない濃度で、とりわけ2〜5モル当量の量で用いられる。より具体的には、このルイス酸は、4モル当量を超えない濃度で用いられる。さらにより具体的には、このルイス酸は3モル当量を超えない濃度で、とりわけ2〜3モル当量、好ましくは2.5モル当量の量で用いられる。
最後に、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩は、1〜1.3モル当量のオーダーの濃度で用いられる。
【0019】
次いで、このようにして得られるドロネダロン 塩酸塩は、単離後に、水酸化アルカリ金属、例えば水酸化ナトリウム、炭酸アルカリ金属または炭酸水素ナトリウムのような炭酸水素アルカリ金属のような塩基剤で処理することによりドロネダロンに変換され、所望の化合物を与える。
【0020】
本発明の好ましい具体化によれば、ドロネダロンは、一時的に形成されたその塩酸塩を単離せずに製造される。すなわち、ドロネダロンは、この塩酸塩が調製された実際の媒体中で製造される。
したがって、本発明の一つの変法によれば、ドロネダロンは、ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる有機相中、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大5モル当量、とりわけ最大4モル当量、好ましくは最大3モル当量の触媒としてルイス酸の存在下に反応させ、有機相中に回収されるドロネダロン 塩酸塩を一時的に得るために加水分解を実施し、単離せずに形成された塩酸塩を塩基剤で処理し、ドロネダロンを生じさせることによる方法を用いることにより製造される。
【0021】
本発明のもう一つの見地によれば、ドロネダロンを2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを出発する3工程の方法を用いて得てもよい。
したがって、本発明のもう一つの主題は:
a) 2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを、適当な触媒の存在下に水素添加し、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランを形成させ、
b) このようにして得られる化合物とメタンスルホニルクロライドまたは無水メタンスルホン酸とを、酸受容体の存在下に反応させ、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランを形成させ、
【0022】
c) ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる有機相中、このようにして得られるメタンスルホンアミド誘導体と4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、触媒としての最大5モル当量、とりわけ最大4モル当量、好ましくは最大3モル当量のルイス酸の存在下に反応させ、次いで有機相中に回収されるドロネダロン 塩酸塩を一時的に得るために加水分解を実施し、単離せずに形成される塩酸塩を塩基剤で処理し、所望の化合物を与える、
による方法に従った2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを出発するドロネダロンの製造に関する。
【0023】
その後、本発明の方法か変法のどちらかにより得られるドロネダロンを、必要により、この化合物の医薬的に許容される塩を形成させるために有機または無機酸で処理してもよい。
【0024】
その一部として、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩を、以下の工程の連続により製造してもよい:
a) 1-ジブチルアミノ-3-クロロプロパンとC1-C4アルキルp-ヒドロキシベンゾエート、例えばメチル p-ヒドロキシベンゾエートとを、炭酸アルカリ金属、例えば炭酸カリウムのような塩基剤の存在下に反応させ、メチル 4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾエートを生じさせ、
b) このようにして得られるエステルを、水酸化アルカリ金属、例えば水酸化ナトリウムの存在下にけん化し、次いでこのようにして形成された塩を塩酸で処理し、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]安息香酸 塩酸塩を生じさせ、
【0025】
c) このようにして形成される塩酸塩を塩素化剤、例えば塩化チオニルで処理して所望の化合物を与える。
ドロネダロンの製造のための本発明の方法のこの使用は、とりわけ、より少ない工程数、すなわち2-ブチル-5-ニトロベンゾフランから出発して5の代わりに3、および(65%、または70%でさえ超えているので)より高い全収率の理由で、ヨーロッパ特許第0471609号の方法より優れていることが証明された。
さらに、本発明のこの方法は、公正に苦心して作り上げた構造のベンゾフラン誘導体をそのそれぞれの工程で用いるこれまでの方法と異なって、それぞれの工程において、比較的単純で、したがって安価なベンゾフラン誘導体を含む。
【0026】
次の非限定的な実施例は本発明を説明する。
製造例
A. 1- ジブチルアミノ -3- クロロプロパン
1 Lの反応器に20% アンモニア水288.4 g (3.392 mol)を加え、次いで室温(22 ± 2℃)で、1-ジブチルアミノ-3-クロロプロパン 塩酸塩(規定濃度66.5%) 618 g (1.696 mol)を10分間にわたり加える。媒体を室温で45分間撹拌し、30分間沈降により分離させる。底部の水相(pH = 11)を除去し、有機相を室温で、脱イオン水300 mlで洗浄する。媒体を30分間撹拌し、30分間沈降により分離させ、底部の水相(pH = 9)を流しだす。
この手法で、所望の化合物346.3 gが回収される。
収率: 99.4%。
【0027】
B. メチル 4-[3-( ジブチルアミノ ) プロポキシ ] ベンゾエート
メチル p-ヒドロキシベンゾエート200 g (1.3 mol)およびN,N-ジメチルホルムアミド1.6 Lを2 L丸底フラスコに加える。混合物を撹拌し、炭酸カリウム232 g (1.66 mol)をそこへ加える。媒体を100℃に加熱し、次いで上記の工程A.で調製した1-ジブチルアミノ-3-クロロプロパンを10分間にわたり加える。反応媒体を100 ± 2℃で1時間維持し、次いで25℃に冷却する。無機塩をろ別し、ろ液をN,N-ジメチルホルムアミド50 mlで2回すすぎ、温度85℃および圧力5 mmHgが得られるまでロータリーエバポレーターで濃縮する。
この手法で、所望の物質472.7 gを橙色の油状の形態で得る。
純度 (HPLC または高速液体クロマトグラフィー )
所望の化合物: 99.7%
メチル p-ヒドロキシベンゾエート: 0.1%
【0028】
C. 4-[3-( ジブチルアミノ ) プロポキシ ] 安息香酸 塩酸塩
メチル 4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾエート436.3 gおよびメタノール1.092 Lを2 L丸底フラスコに加える。混合物を撹拌し、20% 水酸化ナトリウム360 g (1.8 mol)を約5分間にわたり加える。
媒体を65℃で約30分間加熱し、この温度で2時間維持する。反応媒体を30℃に冷却し、ロータリーエバポレーター(浴温:30℃、圧力30 mmHg)で濃縮し、残渣937 gを得、それを、脱イオン水2.8 Lを加えることにより希釈する。溶液を10 ± 2℃に冷却し、次いで20℃を超えないように、36% 塩酸260 ml (約3 mol)を加える。
pHが1以下であることを確認し、次いでその懸濁液を10 ± 2℃に冷却する。この温度を30分間保持し、形成される結晶の水切りをし、ケーキを脱イオン水200 mlで2回洗浄する。次いで、それを換気したオーブン中、50℃で恒量(24時間)まで乾燥する。
この手法で、所望の化合物416.2 gを得る。
収率: 100%。
純度 (HPLC)
所望の化合物: 99.5%
メチル 4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾエート: 0.1%
【0029】
D. 4-[3-( ジブチルアミノ ) プロポキシ ] ベンゾイルクロライド 塩酸塩
4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]安息香酸 塩酸塩63.3 g (0.184 mol)、クロロベンゼン300 mlおよびN,N-ジメチルホルムアミド2滴を丸底フラスコに加える。塩化チオニル43.8 g (0.368 mol)を約45分間にわたり加え、その間混合物を不活性雰囲気下に維持する。媒体を85 ± 1℃で1時間維持し、次いでクロロベンゼンおよび塩化チオニルの混合物115 gを段階的な真空下で蒸留する。
この手法で、所望の化合物を、油状の形態および粗形態で得る。
【0030】
実施例 1
5- アミノ -2- ブチルベンゾフラン
方法 I
2-ブチル-5-ニトロベンゾフラン182 gおよびエタノール730 mlを水素添加装置に加え、次いで約97%酸化白金9.1 gを加える。水素気流を、25バールの圧力で(温度は自然に60℃に上昇する)撹拌しながら泡立たせて通し、媒体を20℃に冷却する。媒体をろ過し、エタノール400 mlですすぎ、真空下に50℃で濃縮する。
この手法で、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランを得る。
重量収率: 99.2%
【0031】
方法 II
2-ブチル-5-ニトロベンゾフラン1 gおよびエタノール4 mlを密閉反応器に加え、次いでギ酸アンモニウム1.48 gおよび5%パラジウム処理した活性炭0.1 gを加える。媒体を撹拌し、50℃で5時間加熱し、次いで20℃に冷却してろ過する。媒体をエタノール4 mlですすぎ、真空下に50℃で濃縮する。
この手法で、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランを得る。
【0032】
実施例 2
2- ブチル -5-( メタンスルホンアミド ) ベンゾフラン
5-アミノ-2-ブチルベンゾフラン100 g、テトラヒドロフラン192 mlおよびメチル tert-ブチルエーテル96 mlを丸底フラスコに加える。20℃でメタンスルホニルクロライド59.35 gを、次いで20% アンモニア水43.23 gを加える。メタンスルホニルクロライド44.51 g、次いで20% アンモニア水86.47 gを加える。次いで、水48 mlを加え、媒体を沈降により分離させ、有機相を10%塩化ナトリウム溶液211 gで2回洗浄する。媒体を沈降により分離し、真空下に40℃で濃縮し、所望の化合物を粗形態で得る(重量収率: 100%)。
【0033】
このようにして得られる残渣135.6 gを、メチル tert-ブチルエーテル1220 mlおよびカーボンブラック13.56 gに加える。
媒体を還流下に15分間撹拌し、ろ過し、メチル tert-ブチルエーテル204 mlですすぐ。ろ液を還流下に加熱し、次いで40℃に冷却する。次いで、媒体に2-ブチル-3-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランの結晶種を入れ、5℃に冷却し、この温度で30分間撹拌する。媒体をろ過して、-5℃で、1容積のメチル tert-ブチルエーテルで2回すすぐ。
この手法で、所望の化合物を重量収率78.5%で得る。
NMR ( 核磁気共鳴 ) スペクトル(300 MHz)
溶媒: CDCl3
濃度: 40 mg/ml
分析温度: 300 K
【0034】
【化2】
Figure 0004236926
【0035】
【表1】
Figure 0004236926
【0036】
実施例 3
ドロネダロン 塩酸塩
2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン8 g、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩11.9 gおよびジクロロメタン24 mlの混合物を最初に調製する。次いで、この混合物を塩化鉄11.9 gおよびジクロロメタン24 mlからなる媒体に加える。反応媒体を還流下に2時間加熱して、20℃に冷却する。水40 mlを加え、媒体を沈降により分離させる。
この手法で、ドロネダロン 塩酸塩を粗形態で得る。
化学収率: 90%。
【0037】
実施例 4
ドロネダロン 塩酸塩
A. ドロネダロン
上記の実施例3で得られたドロネダロン 塩酸塩を、水24 ml、次いで10%水酸化ナトリウム溶液16 mlおよび最後に水16 mlで2回洗浄する。
この手法で、ドロネダロンを粗形態で得る。
化学収率: 86%。
【0038】
B. ドロネダロン 塩酸塩
先の段落A.で得られた粗形態のドロネダロンを濃縮し、イソプロパノール24 ml中に採取する。37% 塩酸3.24 gを加え、次いで媒体を0℃に冷却する。媒体をろ過し、イソプロパノール8 mlで洗浄する。
この手法で、ドロネダロン 塩酸塩を得る。
【0039】
実施例 5
ドロネダロン 塩酸塩 −パイロットスケールでの製造
5.1. ドロネダロン 塩酸塩
2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン10 kg、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイル 塩酸塩13 kgおよびジクロロメタン70 Lの混合物を、先ず初めに調製する。次いで、塩化アルミニウム19.9 kgをこの混合物に加える(4モル当量のルイス酸がこのようにして得られる; 2.5モル当量の塩化鉄が上記の実施例3で用いられた)。媒体を25℃で2時間撹拌する。この媒体に水60 Lを加え、媒体を沈降により分離させる。
この手法で、ドロネダロン 塩酸塩を粗形態で得る。
化学収率 = 90%。
【0040】
5.2. ドロネダロン次いでドロネダロン 塩酸塩
先の工程で得られたドロネダロン 塩酸塩を水60 Lで5回洗浄する。ドロネダロンを濃縮し、イソプロパノール94 L中に採取する。水1.8 kgおよび塩酸0.38 kgを加える。媒体を5℃に冷却する。媒体をろ過し、イソプロパノール22 Lで洗浄する。
この手法で、ドロネダロン 塩酸塩を得る。
化学収率 = 90%。

Claims (18)

  1. 2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフラン。
  2. 5-アミノ-2-ブチルベンゾフランとメタンスルホニルクロライドまたは無水メタンスルホン酸とを、酸受容体の存在下に反応させ、所望の化合物を得る、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランの製造方法。
  3. ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる有機相中、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、触媒としての最大5モル当量のルイス酸の存在下に反応させ、次いで有機相中に回収されるドロネダロン 塩酸塩を形成させるために加水分解を実施し、それを単離し、塩基剤で処理して、所望の化合物を得るドロネダロンの製造方法。
  4. 2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大4モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項3に記載の方法。
  5. 2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大3モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項3または4に記載の方法。
  6. ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる有機相中、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、触媒としての最大5モル当量のルイス酸の存在下に反応させ、次いで有機相中に回収されるドロネダロン 塩酸塩を一時的に得るために加水分解を実施し、単離せずにそれを塩基剤で処理し、所望の化合物を得るドロネダロンの製造方法。
  7. 2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大4モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項6に記載の方法。
  8. 2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランと4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大3モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項6または7に記載の方法。
  9. a) 2-ブチル-5-ニトロベンゾフランを、適当な触媒の存在下に水素添加して、5-アミノ-2-ブチルベンゾフランを形成させ、
    b) このようにして得られる化合物とメタンスルホニルクロライドまたは無水メタンスルホン酸とを、酸受容体の存在下に反応させ、2-ブチル-5-(メタンスルホンアミド)ベンゾフランを形成させ、
    c) このようにして得られるメタンスルホンアミド誘導体を、ハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる有機相中、4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩と、触媒としての最大5モル当量のルイス酸の存在下に反応させ、次いで有機相中に回収されるドロネダロン 塩酸塩を一時的に得るために加水分解を実施し、単離せずにそれを塩基剤で処理して所望の化合物を得る、ドロネダロンの製造方法。
  10. 工程 c)において、このようにして得られるメタンスルホンアミド誘導体と4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大4モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項9に記載の方法。
  11. 工程 c)において、このようにして得られるメタンスルホンアミド誘導体と4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩とを、最大3モル当量のルイス酸の存在下に反応させる、請求項9または10に記載の方法。
  12. 有機相が、脂肪族、脂環式または芳香族タイプのハロゲン化炭化水素から選択される一以上の溶媒からなる、請求項3〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. ルイス酸が、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化スズ、四塩化チタン、塩化鉄およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. ルイス酸が塩化鉄である、請求項3〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. ルイス酸が、2〜5モル当量の量で用いられる、請求項3、6、9、13および14のいずれか一つに記載の方法。
  16. ルイス酸が、2〜3モル当量の量で用いられる、請求項3〜11、13および14のいずれか一つに記載の方法。
  17. 4-[3-(ジブチルアミノ)プロポキシ]ベンゾイルクロライド 塩酸塩が、1〜1.3モル当量の濃度で用いられる、請求項3〜16のいずれか一つに記載の方法。
  18. 塩基剤が、水酸化ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする、請求項3〜17のいずれか一つに記載の方法。
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