JP4235005B2 - フィルムキーシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機、キーボード、コントローラなどのキー入力機能を備える各種機器の押釦スイッチに使用される、熱可塑性樹脂からなるキートップ本体と、樹脂フィルムとを一体化したフィルムキーシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キー入力機能を備える機器の押釦スイッチには、図6、図7に示すように、押釦1として機能する熱可塑性樹脂からなる複数のキートップ本体2と、このキートップ本体2の表面を覆う樹脂フィルム3とを一体化したフィルムキーシート4が多く用いられている。このフィルムキーシート4は、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマーでなるゴムシート5を介して回路基板6上に載置されており、押釦1を回路基板6に向けて押圧すると、押し子5aが金属皿ばね6aを座屈させ回路基板6の図外の接点と導電接触し、入力操作ができるようになっている。回路基板6上にLED等の内部光源(図示せず)が設けられていれば、押釦1が照光するいわゆる照光式フィルムキーシート4とすることもできる。
【0003】
このフィルムキーシート4を製造するには、樹脂フィルム3の裏面側に、印刷等により文字・記号等を表す表示部7や、押釦1に彩りを与えたり、LEDからの光を遮光する着色層8を予め施しておく。そして、絞り成形にて押釦1と同形状に樹脂フィルム3を凸状に湾曲変形させ、その凸状の内部に溶融樹脂を射出して固化させる。これによって、樹脂フィルム3とキートップ本体2とを一体化した押釦1が形成される。
【0004】
このような従来技術として、例えば、特開平8−156020号公報(特許公報1)には、樹脂フィルムの表面に表示部を予め印刷しておき、それを射出成形金型に設置して、表示部の上にキートップを形成する方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−156020号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車載用電子機器やAV機器などに用いられる押釦スイッチの中には、押釦の存在を際立たせて操作性を良くするために、従来の押釦1と比べて背を高くした、一般的には5mm程度以上とした高背型押釦が要求されることがある。ところが、前述の構造とした従来の押釦1を高背型押釦とする場合には、樹脂フィルム3を大きく深絞りしなければならないため、樹脂フィルム3に予め形成した表示部7や着色層8に亀裂を生じるおそれがある。また、樹脂フィルム3の伸び不足により樹脂フィルム3自体が破れるおそれもある。すなわち、押釦1の背の高さは、樹脂フィルム3の絞り加工性に依存するため、この方法で従来の押釦1を高背型押釦とすることは困難である。
【0007】
一方、図8に示すように、樹脂フィルム13の絞り加工が不要なものとして、表面に表示部10や着色層11を設けたキートップ本体12を、基材フィルム(樹脂フィルム)13に対して接着剤14で一体化したフィルムキーシート15が考えられる。しかしながら、このフィルムキーシート15を製造するには、接着剤14を接着面からはみ出さないようにキートップ本体12の裏面全体に均一に薄く塗布しなければならないため、作業が困難で生産効率が悪い。また、接着面積を充分に確保できない場合もあり、キートップ本体12が脱落する問題がある。そして、フィルムキーシート15は、キートップ本体12の下部全体を基材フィルム13に接着することが困難であるため、キートップ本体12の着色層11と基材フィルム13の着色層16との間に隙間が生じてしまう。このためフィルムキーシート15を内部光源で照光させると、その隙間から光が漏れ出ることで着色層11,16とは異なるように照光するという照光不良が生じる問題がある。
【0008】
そこで、このような問題を解決するためになされたのが本発明であって、本発明の目的は、押釦の背が高く、かつ、樹脂フィルムと押釦とを覆う着色層に光漏れが生じないフィルムキーシートを得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成すべく本発明のフィルムキーシートは、樹脂フィルムに形成したフィルム除去孔に樹脂フィルムの表面から立ち上がる孔縁部を設けるとともに該孔縁部をキートップ本体の外周面と固着し、且つ樹脂フィルムとキートップ本体とを覆う着色層を設けた高背型押釦を有することを特徴としている。
【0010】
本発明のフィルムキーシートに備える高背型押釦は、樹脂フィルムの孔縁部をキートップ本体の外周面と固着したものである。したがって、従来のフィルムキーシート(4)のように、押釦(1)の全面を覆う樹脂フィルム(3)を無くすことができるので、樹脂フィルムの絞り加工性に依存されずにキートップ本体の背を任意の高さにすることができる。しかも、高背型押釦には樹脂フィルムとキートップ本体とを覆う着色層を設けてあるので、着色層が樹脂フィルムとキートップで分断されず一連である。したがって、これを照光式とした場合には、分断された着色層(11)と着色層(16)の隙間での光漏れによる照光不良がある従来のフィルムキーシート(15)とは異なり、キートップ本体と樹脂フィルムとの間に分断された隙間での光漏れによる照光不良が生じない構造となる。
【0011】
また、このフィルムキーシートでは、着色層が、キートップ本体と樹脂フィルムを覆うものとして形成しているので、着色層を遮光性材料で形成すれば、光透過を遮断することができるし、着色層を透光性材料で形成すれば、押釦全面から照光させることもできるため、デザインの多様化に適応可能である。また、フィルムキーシートの表面に着色層が施されるため、着色層が簡単に形成でき、加飾が容易なフィルムキーシートとすることができる。
【0012】
本発明のフィルムキーシートについては、着色層に文字、記号などを表示する表示部を形成することができる。着色層が、キートップ本体と樹脂フィルムを覆うものであることから、表示部がフィルムキーシートの表面に形成されることとなり、樹脂フィルムやキートップ本体の内部に形成されるものではないため、視認性の良い表示部を得ることができる。すなわち、キートップ本体の裏面に表示部が形成されるものではないため、背の高い高背型押釦を有するフィルムキーシートであっても、肉厚の高背型押釦を通して表示部を視認する必要がなく、明瞭に表示部を視認することができる。
【0013】
さらに、本発明のフィルムキーシートについては、キートップ本体の裏面に肉抜き部を設けることとすれば、キートップ本体の背を高くしてもヒケの発生を回避でき、高背型押釦に歪みや凹みのないフィルムキーシートとすることができる。また、肉抜き部によってフィルムキーシートの軽量化を達成することができる。
【0014】
また、本発明のフィルムキーシートについては、キートップ本体が透光性樹脂でなり、着色層を透光性着色層として形成することによって、いわゆる照光式のフィルムキーシートとすることができる。このフィルムキーシートは、キートップ本体が樹脂フィルムで被われていないため、透明性が高く、デザイン性に優れたフィルムキーシートとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明のフィルムキーシートをさらに詳しく説明する。図1は、本発明のフィルムキーシート31の一実施形態を示す部分断面図である。図1では、1つの高背型の押釦32しか示されていないが、通常はこのような押釦32が図6で示すように樹脂フィルム33に複数個形成される。
【0016】
フィルムキーシート31は、樹脂フィルム33と、高背型のキートップ本体34とが一体化して形成されたものである。押釦32が形成される樹脂フィルム33の対応箇所には、その表面から上方に立上る孔縁部33aが形成されている。キートップ本体34は、孔縁部33aに対して熱融着により一体に固着されており、その側面34aは孔縁部33aの外周面33bと略面一とされている。したがって、孔縁部33aの縁端部33cがキートップ本体34の側面34aから突出しないため、孔縁部33aが筐体に設けた孔縁と引っ掛かったりすることが無いようにされている。また、キートップ本体34の裏面34bには肉抜き部34cが形成されており、高背型としたキートップ本体34にヒケが発生しないようにしてある。
【0017】
樹脂フィルム33とキートップ本体34の表面にはフィルムキーシート31の全体を覆う着色層35が設けられている。また、キートップ本体34の上面(天面)には、着色層35が抜き文字状に削り取られて表示部36を形成している。
【0018】
このフィルムキーシート31は、高背型の押釦32を形成するキートップ本体34と、樹脂フィルム33とが、孔縁部33aの内周面33dで広く固着されている。そのため、押釦32の動作方向(上下方向)に対して強い接着力を発揮する。したがって、押釦32を繰り返し押圧操作しても、樹脂フィルム33とキートップ本体34との境界部分37が剥離しにくくなっている。したがって、この境界部分37の上に形成される着色層35の割れや剥離も生じにくくなっている。
【0019】
また、キートップ本体2の上面を樹脂フィルム3が覆い、その樹脂フィルム3の裏面に表示部7が形成されているような従来型のフィルムキーシート4と異なり、樹脂フィルム33がキートップ本体34の上面を覆っていないため、樹脂フィルムを通して表示部を視認することがなく、明瞭な表示部36が得られている。
【0020】
次に、このフィルムキーシート31の製造方法の一形態を説明する。
【0021】
まず、プレス成形機によって、樹脂フィルム33の押釦32に対応する位置にフィルム除去孔を貫通形成する工程を実行する。このときに樹脂フィルム33が穿設されて得るフィルム除去孔は、押釦32の外径よりも若干小さめの大きさとしておく。続いて、プレス成形機によって、このフィルム除去孔近傍の絞り成形を行う。すなわち、押釦32に対応する位置に形成した前記フィルム除去孔から、水平な樹脂フィルム33の表面から上方に立上がる孔縁部33aを形成する。
【0022】
そして、キートップ本体34の射出成形工程を実行する。押釦32の形状に対応するキャビティが形成された第1金型に、孔縁部33aの外周面33bがキャビティを成す面に臨むようにして、絞り成形された樹脂フィルム33を載置し、載置される樹脂フィルム33との対向面が平坦面となる第2金型を重ね合わせる。そして溶融樹脂を第2金型のピンゲートから注入して、孔縁部33aの内周面33dを通じてキャビティ内に流し込む。このとき溶融樹脂の流圧によって、樹脂フィルム33の孔縁部33aはキャビティを成す面と接触状態となり、孔縁部33aの外周面33bに溶融樹脂が回り込まない。そして、溶融樹脂がキャビティに充填されると、余分な樹脂は、第2金型にあるエアーベントに流れ込む。その後、溶融樹脂を硬化させ、第1金型と第2金型を開いてフィルムキーシート31を取り出す。
【0023】
溶融した樹脂の注入から固化までの過程で、樹脂フィルム33の孔縁部33aの内周面33d及び縁端部33cと、キートップ本体34が熱融着して固着されることになる。したがって、本形態のキートップ本体34は、樹脂フィルム33と一体化されており、実用に耐えうる固着力が得られている。
【0024】
以上の射出成形工程を経たフィルムキーシート31については、その表面に塗装や印刷などの手法により、遮光性を有するとともに色彩を与える着色層35を形成する工程が実行される。その後、レーザー加工等によって押釦32の着色層35を抜き文字形状に削り取り、文字や記号等を表す表示部36を形成する。そして、ゲートカット等を行って余分な部分を取り除き完成したフィルムキーシート31を得る。
【0025】
次に、フィルムキーシート31を構成する各部について説明する。
【0026】
フィルムキーシート31の一部となる樹脂フィルム33には、複数の押釦32が形成されるが、1つの押釦32の押圧動作は他の押釦32の押圧動作に連動しないような弾性を有するものである。樹脂フィルム33は、各押釦32間での光漏れ防止や、機器内部への水分やゴミの進入防止に機能する。
【0027】
樹脂フィルム33に用いられる材料は、成形加工性、キートップ本体34との固着性などを考慮すると、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、PBT樹脂やこれらのアロイ系が好ましい。照光式のフィルムキーシート31として用いるときは、透光性の樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、キートップ本体34と一体化するため寸法安定性の高い樹脂フィルムが好ましい。
【0028】
樹脂フィルム33の厚みは、キートップ本体34と一体化する際の成形性や、押釦スイッチとしての操作性、機能性、耐久性などを考慮して決定し、通常、25μm〜200μm、好ましくは、50μm〜150μmである。
【0029】
キートップ本体34に用いられる材料は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などから適宜選択されるが、成形加工性、透明性、樹脂フィルム33との固着性などを考慮すると、熱可塑性樹脂が好ましい。特にポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、PBT樹脂やこれらのアロイ系が好ましい。照光式とする場合は、透光性の樹脂とすることが好ましく、無色透明の樹脂とすることがさらに好ましいが、適用する場合に応じて有色透明や、有色または無色の半透明、有色不透明のものを用いることもできる。
【0030】
キートップ本体34と樹脂フィルム33の素材の組合せの決定も重要である。キートップ本体34と樹脂フィルム33の材料を同一もしくは同系統の材料とすれば、両者の固着力が増し、耐久性が向上する点で好ましい。その意味で、樹脂フィルム33とキートップ本体34との組み合わせを、共にポリカーボネート樹脂とすることは好ましい。その他の組み合わせとしては、例えばポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートのアロイフィルムとポリカーボネート樹脂、ポリカーボネートフィルムとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリル系フィルムとアクリル樹脂などでも可能である。
【0031】
また、キートップ本体34に、樹脂フィルム33との固着性を向上させる配合剤を添加しておいてもよいし、逆に樹脂フィルム33に固着性を向上させる接着剤などを塗布するような前処理を予め行っておいてもよい。また、成形性などを良くするために、配合剤の添加や各種の前処理を行ってよいのは勿論である。
【0032】
表示部36は、文字や記号などを表す部分である。本実施形態では押釦32上面の着色層35が抜き文字状に削り取られ、キートップ本体34がむき出しになることにより表示部36が形成されている。
【0033】
着色層35は、フィルムキーシート31に彩りを与えたり、LEDからの光を遮光したりするために形成される層である。そのため、フィルムキーシート31の種々の利用態様に即して着色層35を形成することができる。例えば、着色層35を、遮光性とせず、光透過性(透光性)とすることもできる。遮光性とすれば、フィルムキーシート31下方に設けたLED等からの照光に対して、着色層35が無い部分のみが照光する照光式フィルムキーシート31とすることができるが、有色の光透過性とすれば、所定の色彩で押釦32全面が光るタイプのフィルムキーシート31とすることができる。
【0034】
着色層35には、溶剤蒸発型などの未架橋性の樹脂や、加熱硬化型、紫外線硬化型、湿気硬化型、電子線硬化型などの架橋性樹脂から形成されるインキや塗料などを用いることができる。樹脂フィルム33やキートップ本体34との接着性が良く、作業性も好ましいからである。なかでも、表示部36形成のため不要部分をレーザー加工によって除去する場合の加工性に優れるなどの観点から、アクリルウレタン系やポリエステルウレタン系などのウレタン硬化型、アクリルシリコーン系などのインキや塗料を用いることがより好ましい。また、作業性、キートップ本体34との密着性の観点から、ビニル系やアクリル・PC系、ポリカーボネート系等の溶剤蒸発型、未架橋性の樹脂からなるインキや塗料を用いることがより好ましい。また、着色層35は、樹脂インキから形成するだけでなく、蒸着層とすることや、金属薄膜などを転写して形成することもできるし、めっき層とすることもできる。そして、色彩や材質の異なる層を2層以上積層して形成したものであっても良い。したがって、着色層35の形成には、スクリーン印刷やパッド印刷などの印刷、塗装法による他、ポッティングやディッピング法などを含めた種々の方法によって形成することができる。
【0035】
本発明のフィルムキーシートでは、着色層と表示部の設けかたによってフィルムキーシート上に種々の加飾を施すことができる。例えば、図2に示したフィルムキーシート38のように、有色透光性のインキによって着色層39を設け、有色遮光性のインキによって文字形状に表示部40を設けることもできる。また、図3に示したフィルムキーシート41のように、有色遮光性の着色層42の下に予め有色透光性インキ等にて、着色層42と色の異なる補助着色層43を形成することができる。着色層42を抜き文字形状に削り取れば、文字形状に補助着色層43が表出するため、表示部44を様々な文字色で実現でき、デザイン性に優れたフィルムキーシート41となる。補助着色層43には、着色層42と同様なインキや塗料を用いることができる。また、表示部44は、予め補助着色層43の上に透明性樹脂で文字形状にマスキングし、その後、着色層42を施すことにより形成することもできる。
【0036】
着色層や表示部が磨耗したり汚れたりしないように、図4、図5に示すようにさらに保護層を設けることが可能である。図4に示したフィルムキーシート51は、図1に示したフィルムキーシート31に保護層52を設けたものである。また、図5に示したフィルムキーシート55は、図3に示したフィルムキーシート41に保護層56を設けたものである。保護層52,56の材料としては、着色層35,42や補助着色層43への密着性、耐摩耗性、塗装や印刷などの作業性などが良いことが好ましいことから、加熱硬化型、紫外線硬化型、湿気硬化型、電子線硬化型などの架橋性樹脂が好ましく、特にアクリルウレタン系やポリエステルウレタン系などのウレタン硬化やアクリル系などのインキや塗料を用いることが好ましい。保護層52,56の形成方法も着色層35,42と同様な方法を選択することができる。
【0037】
なお、上記実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者によってなされる種々の変更を含むものである。
【0038】
例えば、上記実施形態では、孔縁部33aをキートップ本体34の側面34aの下端に固着するようにしているが、上端寄りの位置まで側面34aを覆うように孔縁部33aを立上げて固着するようにしてもよい。ただし、押釦32全面を照光させる場合には、あまり長く立上げると、側面34aから照光する光量が減少して押釦32の外周がはっきりと際立たなくなるような不都合もあるので、この場合には上記実施形態のようにキートップ本体34側面34aの下端に固着した方が好ましい。
【0039】
なお、上記実施形態で示したフィルムキーシートの製造方法も一例であり、例えば、フィルム除去孔を貫通形成する工程を行わずに、予め開口が形成されている樹脂フィルムを使うようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明のフィルムキーシートによれば、従来、キートップ本体の上面や底面と固着させていた樹脂フィルムを無くしても、キートップ本体を樹脂フィルムに強固に固着でき、また、樹脂フィルムの成形加工性の影響を受けないので、高背型押釦を有するフィルムキーシートを実現できる。
【0041】
また、本発明のフィルムキーシートによれば、高背型押釦の表面に表示部が形成されており、肉厚のキートップ本体を通して表示部を視認するようなことがないため、また、樹脂フィルムを通して表示部を視認するようなことがないため、表示部について十分明瞭な視認性を得ることができる。
【0042】
また、本発明のフィルムキーシートによれば、キートップ本体の裏面に肉逃げ部を形成することで、高背型押釦でもキートップ本体表面にヒケが生ぜず、さらにフィルムキーシートの軽量化が図れる。
【0043】
さらに、本発明のフィルムキーシートによれば、押釦の一部にしか樹脂フィルムが及んでいないため、複雑な形状を有する押釦をもつフィルムキーシートの作製も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるフィルムキーシートの部分断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態によるフィルムキーシートの部分断面図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態によるフィルムキーシートの部分断面図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態によるフィルムキーシートの部分断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施形態によるフィルムキーシートの部分断面図である。
【図6】従来のフィルムキーシートの概略斜視図である。
【図7】従来のフィルムキーシートの設置状態を示す部分断面図であり、図6のSA−SA線断面図である。
【図8】従来の別のフィルムキーシートの部分断面図である。
【符号の説明】
1,32 押釦
2,12,34 キートップ本体
3,33 樹脂フィルム
33a 孔縁部
33b 外周面
33c 縁端部
33d 内周面
4,15,31,38,41,51,55 フィルムキーシート
5 ゴムシート
5a 押し子
6 回路基板
6a 金属皿ばね
7,10,36,40,44 表示部
8,11,16,35,39,42 着色層
13 基材フィルム
14 接着剤
37 境界部分
43 補助着色層
52,56 保護層
Claims (4)
- 押圧操作を受ける樹脂製のキートップ本体を樹脂フィルムに一体形成したフィルムキーシートにおいて、
樹脂フィルムに形成したフィルム除去孔の孔縁部を絞り成形にて樹脂フィルム表面から上方に立ち上げて、樹脂フィルムの表面から押圧操作側に突き出したキートップ本体の外周面に沿わせて固着して、該孔縁部とキートップ本体との境界部分が前記外周面に表れるものとし、且つ樹脂フィルムとキートップ本体とを覆う着色層を設けて樹脂フィルムとキートップ本体との境界部分に着色層の隙間を生じさせないようにした高背型押釦を有するフィルムキーシート。 - 着色層に文字、記号などを表示する表示部が形成されている請求項1記載のフィルムキーシート。
- キートップ本体の裏面に肉抜き部を形成した請求項1または請求項2記載のフィルムキーシート。
- キートップ本体が透光性樹脂でなり、着色層を透光性着色層として形成した請求項1〜請求項3の何れか1項記載のフィルムキーシート。
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