現在、デジタル信号によって送受信を行うデジタル放送が実用化されている。この放送においては、動画像符号化標準方式であるMPEG(Moving Picture Experts Group)2方式が採用され、高能率圧縮符号化された複数チャンネルの符号化画像データを多重して伝送する多チャンネルのデジタル伝送システムを実現している。このMPEG2方式を用いたシステムについては、「ISO/IEC 13818−1」の文献などに記載されている。
放送局側では、番組を構成するデジタル映像・音声データ及び付加情報データを上述した圧縮方式によりそれぞれ圧縮処理を施し、TS(トランスポートストリーム)という形式の多重信号を生成して放送する。
さらに、この多重信号に加え、番組情報データとして番組に関する記述が記載されているPMT(Program Map Table)、各番組のPMTを抽出するPAT(Program Association Table)、有料放送に関連した情報が記載されているCAT(Conditional Access Table)及び使用しているネットワークに関する情報が記載されているNIT(Network Information Table)等のデータも時分割多重される。
さらに、番組情報データには、編成チャンネルに関する情報が記載されているSDT(Service Description Table)、番組名称、放送日時、番組内容説明など番組に関連する情報が記載されているEIT(Event Information Table)等のデータも含まれ同様に時分割多重される。
PAT、PMT、NIT、CATは、番組特定情報(PSI:Program Specific Information)と呼ばれ、SDT、EIT等は、番組配列情報(SI:Service Information)と呼ばれている。PSI、SIに含まれる情報は、例えばEPG(Electronic Program Guide)の番組表を構築するために利用される。
また、複数のTSを多重化した集合として伝送する伝送形態が規定されており、異なる放送局からのTSを多重化して1つのネットワークとして規定し、ネットワーク識別値と共に伝送する方式が採用されている。
SIには、ネットワーク内で放送を行っている全ての放送局の番組情報をネットワーク内の全TSで一斉に送信する全局SIと、自局の放送予定番組に関する情報のみを自局のTS内のみで送信する各局SIがある。全局SIは、ネットワーク毎に送出される。
全局SIで伝送される情報は、情報量に制限があるため最小限に限られいるが、受信機ではこの全局SIにより、受信していないチャンネルの番組情報に関しても、同一ネットワーク内であるならば取得することができる。
EITは、周期的に再送信されている。周期は変更される場合があり、最小、最大の範囲が規定されている。最低で1周期の時間にわたり所望のTSで送出されている番組のチャンネルを連続受信し全局SIとしてのEITを取得することにより、そのチャンネルが存在するネットワーク内の番組情報の取得が可能になる。
周期は情報の内容ごとに異なり非常に遅い場合もあるが、分単位になる情報もある。これらの信号形式に関しては、例えば、デジタル放送の運用規定として「ARIB TR−B15」や、「ARIB TR−B14」の文献などに記載されている。
すなわち、番組を構成する映像・音声データは、リアルタイムで順次更新されながら垂れ流し的に伝送されるものであるが、付加情報データの中にはEITのように周期的に伝送されるものがあり、このようなデータはある一定期間においては、いつでも同じ内容の情報をユーザに提供できるように繰り返し伝送される。すなわち、データカルーセル伝送方式で送られるものであり、テレビジョン受信機では、順次送られてくるデータを受信して蓄積し、全てのデータを受信してからそれを利用する。
データカルーセル伝送方式では、データが所定周期で繰返して伝送されるため、データの取得をいつ開始しても、周期に相当する一定の時間を経過すれば、必要な全てのデータを取得することが可能である。その一方で、データを利用するには、原則的には、全てのデータの受信が完了していることが条件となる。
ところで、デジタル放送の実用化によって多くの情報が送信できることに伴い番組の多チャンネル化が進み、番組情報を提示する番組表(EPG)の機能や、番組の検索を行いその内容を提示することによりユーザが見たい番組を容易に選択することを可能にするジャンル検索機能等の有用性が高まっている。
番組表は、受信機に蓄積された情報から特定の時間帯に放送される予定の番組をチャンネル毎の一覧表として構築して表示するものである。ジャンル検索は、ユーザが番組のジャンル分類を指定することにより、そのジャンル分類に基づき、受信機に蓄積されている全番組情報データの中から該当する番組を絞り込み検索し、結果として得られた番組情報を表示する機能である。
しかしながら、複数のネットワークが放送される形態において、全てのネットワーク、あるいはその中の所望の複数ネットワークに跨って番組情報の検索を行い、抽出条件に一致した番組内容の提示を行おうとした場合、受信していないTSを含んでいるネットワークの情報は取得できないため、視聴中の番組の放送が終了した段階で、改めて、各ネットワーク毎にその中の1つのTSを受信して送出される各局SIとしてのEIT情報を取得するという作業を、選択対象としたい全てのネットワークについて実行しなければならない。
その作業は、具体的には、まず1つのネットワークの中の代表チャンネルを選局し、そのネットワーク内のEIT情報を取得し全ての情報が蓄積できるまで、最低でもEIT送出周期の時間はチャンネルを固定し、取得が完了した後に次のネットワークの代表チャンネルを選局し、全てのEIT情報が蓄積されるまで選局し続けるという作業を、対象としたい全てのネットワークに関して行うことになる。
したがって、情報を取得したい範囲の全てのネットワークに関しての番組情報が得られるまでには、最大で、各ネットワークのEIT送出周期の合計時間分が必要であり、相当な時間がかかることになる。また、EITの送出周期は変更される場合があり完了するまでの時間は特定できない。
この時、ユーザは相当時間待たされることになり、視聴したい番組が存在する場合、番組情報の取得を中断しなければならないという状況に陥ることになる。
将来、テレビジョン放送においては、地上波アナログ放送が2011年を目途に取り止めになるということが決定されているが、それまでは、テレビジョン地上波放送は、アナログ放送とデジタル放送が混在する状況にあり、テレビジョン受信機としても、両放送を受信できる機能を備えたものが市場に提供されるものと考えられる。
また、このようなアナログ地上波放送と、デジタル地上波放送が混在する状況においては、原則として両放送で同じ内容の番組を放送することになっており、アナログ放送を受信して番組を視聴中に、デジタル放送を受信して番組情報を取得することは可能である。また、アナログ放送の視聴以外にも、デジタル放送を視聴していない状態としては、例えばDVD(Digital Versatile Disc)で再生した番組を視聴している状態があり、そのような場合にも、デジタル放送を受信して番組情報を取得することは可能である。
以上のように、地上波デジタル放送を含む複数の放送を受信可能な装置において、デジタル放送を視聴せず、他の放送あるいは媒体から得られる番組を視聴している状態においては、番組情報を取得することが自由に実行できるものであり、ユーザの要求によって番組情報取得処理を行なう機能を装備すれば、使い勝手の良好な装置を提供することができるが、従来そのような受信装置は実用に供されていない。
従来、例えば、特許文献1には、ユーザ用チューナと、番組情報取得用のチューナを備え、この番組情報取得用のチューナで番組情報を取得して記憶するようにした提案がなされているが、この場合、番組情報取得用のチューナは、その目的のためにのみ使われるものであって、非効率的である。また、番組情報の取得処理も、順次チャンネルを切換えて、記憶するだけであって、効率的であるとは言い難い。
特開2002−163849号公報(3頁、図2)
以下、この発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の放送受信装置の一実施の形態を示す回路構成図である。
図1において、放送受信装置10は、アナログ地上波放送受信用のVHF(Very High Frequency)アンテナ11からの信号をケーブルを介して受けるVHFアンテナ入力端子12と、デジタル地上波放送受信用のUHF(Ultrahigh Frequency)アンテナ13からの信号をケーブルを介して受けるUHFアンテナ入力端子14を有する。
VHFアンテナ入力端子12は、VHFチューナ部15に接続され、VHFアンテナ11でキャッチされた放送電波が信号としてVHFチューナ部15に供給される。VHFチューナ部15で、チャンネルの選局と、選局されたチャンネルの受信信号を中間周波数信号へ変換する処理が実行される。
また、UHFアンテナ入力端子14は、UHFチューナ部16に接続され、UHFアンテナ13でキャッチされた放送電波が信号としてUHFチューナ部16に供給される。UHFチューナ部16では、チャンネルの選局と、選局されたチャンネルの受信信号を中間周波数信号へ変換する処理及び、中間周波数信号のデジタル信号への変換処理が行なわれる。
VHFチューナ部15と、UHFチューナ部16の選局動作は、制御部17からの選局信号によって実行される。制御部17は、放送受信装置10全体の機能及び動作の調整と制御を司るものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。
制御部17には、ユーザが操作可能な複数の操作ボタンで構成される操作入力部18と、リモートコントローラ19からのリモコン信号を受けるリモコン受光部20が接続され、それぞれからユーザの操作によって受信装置10を制御するための信号を受ける。
VHFチューナ部15の出力はアナログ復調部21に供給されてベースバンドのテレビジョン信号に変換される。アナログ復調部21から出力されるベースバンドのテレビジョン信号のうち、映像信号が映像信号処理部22で所定の処理を施され、映像信号選択処理部23を介してディスプレイ24に供給されて表示される。
映像信号選択処理部23は、デジタル放送の受信映像信号あるいは、番組表等の映像信号を選択して、所定の処理を施してディスプレイ24に供給するものであるが詳細は後述する。また、音声信号に関しては、復調部21から図示しない処理部を介してスピーカ等の出力手段によって音声として出力されるが、本発明とは直接関係ないので詳細な説明は省略する。
UHFチューナ部16からの出力は、デジタル放送信号の復調部25に供給されて、ここで、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調と誤り訂正、及び必要に応じてデスクランブル処理が施されTS信号として出力される。
復調部25から出力されるTS信号は、TS分離部26に供給され、ここで、制御部17の制御の下、番組を構成する映像データ、音声データ及び付加情報が分離される。番組を構成する映像データは、MPEGデコーダ27に供給されて、ここで制御部17の制御に基づいてMPEG2の復号処理が施され、非圧縮のデジタル信号に変換されてグラフィック処理部28に供給される。
グラフィック処理部28でデジタル映像信号に所定の処理を施し、映像信号選択処理部23に供給され、ここで、例えば標準フォーマットのテレビジョン信号に変換されてディスプレイ24に供給されて表示される。
なお、MPEGデコーダ27からは、音声データも非圧縮のデジタル信号に変換されて出力され、図示しない処理部で所定の処理を施し、アナログ信号に変換してスピーカ等の出力手段を介して出力されるものであるが、詳細は省略する。
さらに、TS分離部26からは、制御部17の制御の下、番組情報も分離され、これが番組情報取得部29で取得される。取得された番組情報は、制御部17を介してメモリ30に蓄えられる。さらにメモリ30に蓄えられた番組情報は、制御部17の制御の下に読み出されて、番組情報取得部29から番組表作成部31に供給され、ここでGUI(Graphical User Interface)形式の番組表として構築されてグラフィック処理部28に供給される。
グラフィック処理部28は、制御部17の制御によって、MPEGデコーダ27からの映像データをそのまま出力するか、その映像データに番組表作成部31からの番組表を重畳して出力するか、または、番組表作成部31からの番組表をそのまま出力するか切換える機能を備えている。
その結果、番組表は単独で、またはデジタル映像信号に重畳された状態でディスプレイ24で表示される。
さらに、放送受信装置10は、例えばVTR(Videotape Recorder)あるいはDVDからの再生信号が供給される外部入力端子33,34を備える。外部入力端子33は、アナログ映像信号用の入力端子であり、映像信号処理部22に接続されている。また、外部入力端子34は、デジタル映像信号用の入力端子であり、グラフィック処理部28に接続されている。
例えば図示しない外部VTRからのアナログ信号による番組を視聴する場合は、制御部17は、映像信号処理部22を制御して、外部入力端子33に供給されるアナログ映像信号を選択して映像信号選択処理部23に導出させる。それと共に、映像信号選択処理部23を制御して、映像信号処理部22から供給される映像信号をディスプレイ24に供給して表示させる。
同様に、例えば図示しないDVDからのデジタル信号による番組を視聴する場合には、制御部17は、グラフィック処理部28を制御して、外部入力端子34に供給されるデジタル映像信号を選択して映像信号選択処理部23に導出させる。それと共に、映像信号選択処理部23を制御して、グラフィック処理部28から供給される映像信号をディスプレイ24に供給して表示させる。なお、外部入力信号は、当然ながら、音声信号も存在するものであるが説明を分かり易くするために、ここでは省略する。
図2は、図1に示すリモートコントローラ19のボタンの構成を具体的に示す図面である。図2に示すように、リモートコントローラ19は、放送を選択するための放送選択ボタン群19aと、チャンネルを直接選択する場合等に操作する数字ボタン群19bを備える。
また、リモートコントローラ19は、番組表を表示させるためのリモコン信号を送信する「番組表ボタン」19cと、選局順序の設定を実行させる「選局順序ボタン」19dと、設定のための画面を表示させる「設定ボタン」19eを有する。さらに、画面表示された設定項目をカーソルで選択するための「カーソルボタン」19fと、カーソルボタン19fで選択された項目を登録するための「決定ボタン」19gと、登録された設定項目を削除するための「削除ボタン」19hと、外部入力信号を視聴するための「ビデオボタン」19iと、放送受信装置10の電源をオンオフさせるための「電源ボタン」19jを備える。
今、リモートコントローラ19の電源ボタン19jを操作して、受信装置10の電源をオンさせると、受信装置10は、アナログ放送を受信するように設定される。すなわち、制御部17は、VHFチューナ部15に選局信号を与えて所定のチャンネルの選局を実行させ、かつ映像信号処理部22から出力される映像信号に基づく映像がディスプレイ24で表示されるように映像信号選択処理部23を制御する。電源オン後のチャンネル選択は、リモートコントローラ19の数字ボタン群19bの操作で行なう。
アナログ放送の番組を視聴している状態において、制御部17は、番組情報の取得処理を実行させるべく、放送受信装置10内の必要な各回路部を駆動する。すなわち、UHFチューナ部16と、復調部25と、TS分離部29と、番組情報取得部29を動作させ、まず、デジタル地上波放送の所定のチャンネル(例えば最も周波数の低いチャンネル)を選局する。
そしてそのチャンネルの放送信号に多重伝送される番組情報をTS分離部26で分離させ、その番組情報を番組情報取得部29で取得してメモリ30に記憶させる。次に、チャンネルの切換え(次に周波数が低いチャンネルへの切換え)を行なって、同様に、番組情報を取得してメモリ30に記憶させる。そのように、全てのチャンネルの番組情報の取得とメモリ30への記憶処理が終了することで、番組情報の取得が完了することになる。
なお、地上波デジタル放送においては、前述したように、ネットワークという概念が規定されており、チャンネルが異なっても同じネットワークであるならば、番組情報は全く同じものが伝送されることがある。したがって、同じ番組情報を伝送するチャンネルが予め判明していれば、そのチャンネルについては、番組情報の取得を省略することも可能である。
以上のようにして、地上波デジタル放送の番組情報を取得した後、ユーザがリモートコントローラ19の「番組表ボタン」19cを操作すると、制御部17は、リモコン受光部20を介して受信したリモコン信号を解読し、番組表を表示するために装置10内の必要な回路部分を駆動する。すなわち、メモリ30から番組情報を読み出して、番組表作成部31で番組表に構築して、グラフィック処理部28、映像信号選択処理部23を介してディスプレイ24で表示させる。
ユーザは、表示された番組表から、所望の番組をリモートコントローラ19のカーソルボタン19fと決定ボタン19gによって選択することで、その選択された番組が放送中の番組であるならば、その番組が視聴されるようにチャンネルの切換えとその他の処置が実行される。また、選択された番組が、将来放送される番組であるならば、録画予約あるいは視聴予約が可能となる。
アナログ放送を視聴している状態から、デジタル放送を視聴する状態に切換える場合には、リモートコントローラ19の放送選択ボタン群19aの「デジタル放送」ボタンを操作する。それによって、制御部17は、デジタル放送の視聴が実行可能となるように、装置10の各部を駆動する。すなわち、UHFチューナ部16、復調部25、TS分離部26、MPEGデコーダ27を動作させると共に、グラフィック処理部28をMPEGデコーダ27からの映像データを選択するように制御し、さらに映像信号選択処理部23を、グラフィック処理部28からの信号を選択処理してディスプレイ24に表示させるように制御する。
同時に、制御部17は、TS分離部26と番組情報取得部29を動作させて、UHFチューナ部16で受信しているチャンネルに含まれる番組情報を取得して、メモリ30に書き込む。
デジタル放送を受信している状態においては、選局されたチャンネルの番組情報しか取得できないが、新規な情報が取得できれば、そのチャンネルのみであっても、メモリ30に記憶した番組情報を更新しておくことは無駄ではない。
また、外部入力端子33,34に供給される信号を視聴する場合には、リモートコントローラ19の「ビデオボタン」19iを操作する。それによって、制御部17は、リモコン受光部20を介して受信したリモコン信号を解読して、例えば、外部入力端子33に供給された信号を視聴すべく、映像信号処理部22と、映像信号選択処理部23を制御する。
リモートコントローラ19の「ビデオボタン」19iをもう一度操作すると、外部入力端子34に供給される信号を視聴するように設定される。すなわち、制御部17は、外部入力端子34に供給された信号が、ディスプレイ24で表示されるように、グラフィック処理部28と映像信号選択処理部23を制御する。
外部入力端子33,34に供給される信号を視聴している状態においては、アナログ放送を受信している状態と同様に、UHFチューナ部16他を駆動して、デジタル放送の番組情報を取得することが可能である。
図3は、図1に示す装置の動作を説明するためのフローチャートである。図3において、ステップS301で開始され、ステップS302で、地上波アナログ放送の番組を視聴しているか否かの判定がなされる。
地上波アナログ放送の番組の視聴が行なわれている場合、ステップS303で、UHFチューナ部16で地上波デジタル放送のチャンネルを選局し、ステップS304に移って番組情報を取得する。次いで、ステップS305で地上波デジタル放送の番組の視聴を行なうべく切換えが行なわれたか否かの判定がなされ、依然としてアナログ放送の視聴が継続されていると判定されたら、ステップS306でUHFチューナ部16の選局チャンネルを更新して、ステップS303に戻る。
ステップS305で、地上波デジタルデジタル放送番組の視聴を行なうように切換えられたと判断された場合には、ステップS307で、視聴されている地上波デジタル放送の番組に多重伝送されている番組情報を取得して、ステップS308で処理を終了する。
ステップS302で、地上波アナログ放送番組の視聴をしていないと判断された場合には、そのまま処理を終了する。
また、図1の装置においては、外部入力端子33,34に供給された信号を視聴している状態では、地上波アナログ放送を視聴している状態と同様に、UHFチューナ部16を自由に駆使して、番組情報を取得することが可能である。その外部入力端子33,34からの信号を視聴している状態も含めた全体の動作について、図4に示すフローチャートに基づき説明する。
図4において、ステップS401で開始され、ステップS402で、地上波アナログ放送の番組を視聴しているか否かの判定がなされる。
地上波アナログ放送の番組の視聴が行なわれている場合、ステップS403で、UHFチューナ部16で地上波デジタル放送のチャンネルを選局し、ステップS404に移って番組情報を取得する。次いで、ステップS405で地上波デジタル放送の番組の視聴を行なうべく切換えが行なわれたか否かの判定がなされ、依然としてアナログ放送の視聴が継続されていると判定されたら、ステップS406でUHFチューナ部16の選局チャンネルを更新して、ステップS403に戻る。
ステップS405で、地上波デジタルデジタル放送番組の視聴を行なうように切換えられたと判断された場合には、ステップS407で、視聴されている地上波デジタル放送の番組に多重伝送されている番組情報を取得し、次いでステップS408で、受信装置10の電源がオフになったか否かの判定がなされ、電源がオンのままであるならば、ステップS402に戻り、電源がオフになったこととが判定されたら、ステップS409で処理を終了する。
また、ステップS402で、地上波アナログ放送番組の視聴をしていないと判断された場合には、ステップS410で外部入力信号の視聴が行なわれているか否かの判定がなされ、外部入力信号の視聴が行なわれている場合には、ステップS403に移ってデジタル放送のチャンネルをサーチしながら番組情報を取得する処理に移行する。
ステップS410で、外部入力信号の視聴が行なわれていないと判定された場合には、デジタル放送の視聴が実行されていると判断して、ステップS407に移って、視聴中のデジタル放送に多重される番組情報を取得する。
以上説明した図1に示す放送受信装置10によれば、デジタル放送の番組を視聴していないときに、デジタル放送に多重される番組情報を取得するように構成したので、効率的にかつ確実に番組情報を取得することができるものである。
また、以上説明した装置10においては、アナログ放送の番組を視聴している状態及び外部入力信号の番組を視聴している状態において、番組情報を自動的に取得するものとして説明したが、番組情報を取得するか否かをユーザに選択させることも可能であり、そのような実施の形態について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、番組情報の取得処理を実行するか否かを、ユーザに予め設定させる機能を備えた受信装置の回路ブロック図である。図5において、図1に示す装置10と同一回路構成部分に同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図5において、放送受信装置50は、図1に示す装置10に対して、設定画面作成部51を備えている点が異なる。設定画面作成部51は、GUI形式の番組情報取得機能設定用の表示を行う映像信号を生成する。設定画面の例を図6に示す。図6において、ディスプレイ24には、メッセージとして、「地上波アナログ放送視聴時に、地上波デジタル放送の各チャンネルの番組情報を取得しますか?」との表示され、画面上その下に、「はい」と「いいえ」の選択項目が表示される。
ユーザが、リモートコントローラ19の「設定ボタン」19eを操作すると、制御部17が、リモコン受光部20で受信されたリモコン信号を解読して、設定画面作成部51を制御し、図6に示す設定画面を構成する映像信号を出力させる。その映像信号はグラフィック処理部28、映像信号選択処理部23を介してディスプレイに供給されて表示される。図6に示す設定画面は、GUI形式で構成されており、ユーザは、リモートコントローラ19のカーソルボタン 19fと決定ボタン19gを操作して、画面表示された「はい」か「いいえ」を選択する。選択された結果は、メモリ30に記憶される。
「はい」が選択されて、アナログ放送視聴時にデジタル放送の番組情報を取得するように設定されたとすると、図1の装置10で説明したように、アナログ放送番組の視聴時に、UHFチューナ部16他の番組情報取得用の回路部が駆動されて、デジタル放送の各チャンネルの番組情報が自動的に取得され、メモリ30に記憶されるようになる。
また、「いいえ」が選択されて、アナログ放送視聴時にデジタル放送の番組情報を取得しないように設定されたとすると、アナログ放送の視聴時に、UHFチューナ部16他の番組情報取得用の回路部は駆動されずに、番組情報が取得されることはない。
図7は、図5に示す受信装置50の動作を説明するためのフローチャートである。図7において、ステップS701で開始され、ステップS702で、リモートコントローラ19の「設定ボタン」19eを押す。次いで、ステップS703で、番組情報自動取得設定画面を表示させ、ステップS704で番組情報自動取得機能を設定するか否かの判定を行う。
ステップS704で、番組情報自動取得機能が設定されたと判定されたら、ステップS705で、地上波アナログ放送の視聴が行われているか否かの判定がなされて、地上波アナログ放送番組の視聴が行なわれている場合、ステップS706でUHFチューナ部16によって地上波デジタル放送のチャンネルを選局し、ステップS707に移って番組情報を取得する。次いで、ステップS708で地上波デジタル放送番組の視聴を行なうべく切換えが行なわれたか否かの判定がなされ、依然としてアナログ放送の視聴が継続されていると判定されたら、ステップS709でUHFチューナ部16の選局チャンネルを更新して、ステップS706に戻る。
ステップS708で、地上波デジタル放送番組の視聴を行なうように切換えられたと判断された場合には、ステップS710で、視聴されている地上波デジタル放送の番組に多重伝送されている番組情報を取得して、ステップS711で処理を終了する。
ステップS704で番組情報自動取得機能の設定がなされなかったと判定された場合、及びステップS705で地上波アナログ放送を視聴していないと判定された場合には、ステップS711で処理を終了する。
なお、図5の放送受信装置50では、アナログ放送の視聴を行っている際に、番組情報を自動取得するか否かの設定をするようにしたが、アナログ放送の視聴に加えて、外部入力端子33,34に供給された信号を視聴している場合に、番組情報を自動取得するか否かの設定を行うように構成してもよいものである。
以上のように、図5に示す受信装置50においては、番組情報を自動取得するか否かの設定を行うことができるようにしたので、ユーザが不必要と判断すれば、番組情報の自動取得を停止させることができるものである。
図8は、本発明の放送受信装置のさらに他の実施の形態を示す回路ブロック図である。図8において、図1と同一回路構成部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示す受信装置80は、図1の受信装置10に対して、選局順序決定部81を備えている点が異なる。すなわち、受信装置80は、番組情報を取得する際に、UHFチューナ部16のチャンネルの選局順序を、選局順序決定部81からの指示によって決定するものである。
選局順序決定部81には、番組情報取得部29で取得された番組情報が制御部17を介して供給される。選局順序決定部81に供給された番組情報から、各チャンネル毎の番組情報の情報量を特定して、番組情報の情報量の少ない順にチャンネルを特定し、選局順序として決定する。
その結果、デジタル放送の番組情報が、情報量の少ないチャンネルから順次取得されるようになるため、番組情報が効率的に取得されるようになるものである。
例えば、全てのチャンネルの番組情報の取得が完了しないうちに、アナログ放送の視聴からデジタル放送に視聴に切換えられると、番組情報の取得が途中で中断してしまうことになるが、情報量の少ないチャンネルから順次取得することで、番組情報を取得することができるチャンネル数を増やすことが可能になるものである。
図9は、図8の受信装置の動作を説明するためのフローチャートである。図9において、ステップS901で開始され、ステップS902で、地上波アナログ放送の番組を視聴しているか否かの判定がなされる。
地上波アナログ放送の番組の視聴が行なわれている場合、ステップS903で地上波デジタル放送のチャンネル選局順序を、番組情報量が少ないチャンネル順とし、ステップS904でUHFチューナ部16で地上波デジタル放送のチャンネルを選局する。
次いで、ステップS905で番組情報を取得し、ステップS906で地上波デジタル放送の番組の視聴を行なうべく切換えが行なわれたか否かの判定がなされ、依然としてアナログ放送の視聴が継続されていると判定されたら、ステップS907でUHFチューナ部16の選局チャンネルを更新して、ステップS904に戻る。
ステップS906で、地上波デジタル放送番組の視聴を行なうように切換えられたと判断された場合には、ステップS908で、視聴されている地上波デジタル放送の番組に多重伝送されている番組情報を取得して、ステップS909で処理を終了する。
ステップS902で、地上波アナログ放送番組の視聴をしていないと判断された場合には、そのまま処理を終了する。
なお、図8の受信装置80では、番組情報を取得するための選局順序を番組情報量の少ないチャンネル順としたが、選局順位決定部81としては、その他にも、選局順序を、視聴頻度の多いチャンネル順としたりあるいは、視聴時間の長いチャンネル順としたり、あるいは、取得済みの番組情報が古いチャンネル順等に設定することが可能である。
図8に示す受信装置80によれば、番組情報を取得する際のチャンネル選局の順序を、番組情報量あるいは、実際の受信状況に合わせて決定するようにしたのでより効率的に番組情報を取得することができるものである。
なお、以上の実施の形態では、番組情報を取得するように構成された受信装置について、説明したが、番組情報以外の付加情報を取得して利用する場合においても本発明は適用できるものである。その他、本発明は、その趣旨を変更しない範囲で種々実施可能である。